JP3568595B2 - 物品支承用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シートを折り曲げて、貼着部を固着して組み立てられ、細長い物品の両端を支持した状態で収容するもので、特に、円筒状の本体に薬剤が封入され、一端に針が装着されると共に他端にフィンガーグリップが突出した状態で装着されている使い捨て注射器を、不測の回転のおそれなく確実に支承し、積載運搬は勿論のこと保管や注射器の取り出しに便利な容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の使い捨て注射器のような長尺な物品を安全に支承する容器としては、箱体とは別個に形成した支持台を箱体に嵌め入れる方式のものが通常であった。
しかしながら、包装用容器としては予め製造段階において組み立てた状態で納品されるのが通常であることから、従来の箱体と支持台を別個に形成する方式では製造、組立工程が複雑となり、輸送保管などにおいて無駄を生じてコスト高となる。また、別個に形成した支持台を箱体に挿入する方式では、物品の厚み方向の振動には充分に対処できるものの、長手方向の安定性に欠け、確実な支承状態を得ることができないという不都合を有していた。
【0003】
このため、箱体の組み立てと同時に物品の支承部を一体的に形成でき、箱体内に物品を支承部で支持した状態として詰め込み、該状態で輸送、保管およびユーザーへの納品が便利に行える注射器支承用容器が望まれていた。
上記要望を満たすものとして、本出願人は、先に実開平6−25115号、実開平6−27542号、実開平6−14022号で、バイアル、アンプル等の支承用として好適に用いられる組立式の容器を提供している。
【0004】
上記した容器は、いずれも図10に示すように、容器内部に一体に形成した左右対向する支承部100、101を設け、これら支承部100、101に相対向した支承用窓102、103を形成している。
【0005】
【発明が課題しようとする課題】
上記した対向して設けた支承部100、101の支承用窓102、103に、図11に示すように、使い捨て注射器の収容箱として用いた場合、下記の問題が発生する。
即ち、図11に示すように、この種の使い捨て注射器Dは、円筒形状の本体部200の後端部に翼状のフィンガーグリップEを張出形成しており、該フィンガーグリップEは、本体部200に外嵌する円筒部201と、該円筒部201の先端に円筒部201の直径Fと略同一寸法の短辺202bと、直径Fより大きい長辺202aを有する矩形状の平板部202からなり、平板部202を注射器の本体部200に対して直交する方向に配置し、上下に突出するように取り付けている。
【0006】
上記使い捨て注射器Dを図11に示すように、フィンガーグリップEを縦長に配した状態で一方の支承用窓102に嵌着しても、注射器Dの円筒形状の本体部200の不測の回転によりフィンガーグリップEの平板部202が横転すると、支承部100の上部支承片100aの下側に入り込んで、図13に示すように横長に配される事態が発生しやすい。このようにフィンガークリップEが倒れると、注射器Dを容器より取り出す時に、フィンガーグリップが上部支承片100aにひっかかって注射器を取り出しにくくなる問題があった。
【0007】
さらに、従来提供されている図10に示す容器はアンプルおよびバイアルを支承する容器であるため、支承部100、101の長さLが短いので、フィンガーグリップを備えた使い捨て注射器を収容する容器では、その支承部100、101の長さLを長くする必要がある。
この種の容器では、容器内部に注射器Dを挿入するまでは偏平な状態としておき、注射器挿入時にワンタッチで立体的な箱とすることが要望されているが、上記注射器挿入用として、支承部の長さLを大とし、かつ、この長尺な支承用窓102、103を備えた支承部をシートを折り返して底板部に接着して形成しておく場合、ワンタッチで立体的な容器にすることは非常に困難であった。
【0008】
本発明は上記問題を解消し、注射器を回転のおそれなく支承することにより、注射器の取り出しを容易とすることを目的としている。
さらに、支承部の長さが大で、この長い支承部を折り返して形成する容器を、偏平状態よりワンタッチに立体的に組み立てることができるようにすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、請求項1に記載の第一の発明で、シートを折り曲げて、所要部を接着剤で固着して組み立て、長尺な物品を収容する容器として、所要間隔をあけた3つの折線(2a、2b、2c)を介して連続する4つの側板部(3、4、5、6)を備え、両端縁を接着して方形枠を形成する側板列(A)と、
少なくとも1つの側板部(3、4、5、6)の下端より折線を介して連続し、方形枠の下方開口を閉塞する底板部(11)と、
上記側板部(4)の上縁に折線(16)を介して連続し、支承用窓(33)を備えると共に方形枠の内部に折り返して物品支承部(B)を形成する上部フラップ(14)と、
上記他端側の側板部(6)の上縁に折線(25)を介して連続し、支承用窓(34)を備えると共に方形枠の内部に折り返して、上部支承片部(23’)が上記物品支承部(B)の上部支承片部(14’)より高さの低い物品支承部(C)を形成する上部フラップ(23)を備え、
上記シートを組み立てて、物品支承部(B)の支承用窓(33)と物品支承部(C)の支承用窓(34)とを対向配置して、物品の両側を支承用窓(33、34)に挿入して支承する構成としている物品支承用容器を提供している。
【0010】
さらに、本発明は、請求項2に記載の第二の発明で、シートを折り曲げて、所要部を接着剤で固着して組み立て、長尺な物品を収容する容器として、
所要間隔をあけた3つの折線(2a、2b、2c)を介して連続する4つの側板部(3、4、5、6)を備え、両端縁を接着して方形枠を形成する側板列(A)と、
上記側板部(3)の下縁に折線(13)を介して連続し、先端縁に係合用ロック部(8)を設けると共に、側縁に傾斜折線(9)を介して接続片部(10)を設けた、方形枠の下方開口の一半側を閉じる底板部(11)と、
上記側板部(4)の上縁に折線(16)を介して連続し、支承用窓(33)を備えると共に方形枠の内部に上方開口より折り返されて物品の一側部を支承する支承部(B)を形成する上部フラップ(14)と、
上記側板部(4)の下縁に折線(17)を介して連続し、一側部に上記接続片部(10)を接着剤で接続すると共に他側部に開口部(35)を穿設した底部フラップ(15)と、
上記側板部(5)の下縁に折線(22)を介して連続し、先端縁に底板部(11)の係合用ロック部(8)と係合して連繋される係合用ロック部(19)を設けると共に、一側縁に傾斜折線(20)を介して接続片部(21)を設け、かつ、他側の隅角部を上記開口部(35)に差し込いれて、方形枠の下方開口の他半側を閉じる底板部(18)と、
上記他端側の側板部(6)の上縁に折線(25)を介して連続し、支承用窓(34)を備えると共に方形枠の内部に上方開口より折り返されて、上部支承片部 ( 23’ ) が上記物品支承部(B)の上部支承片部(14’)より高さの低い、上記物品の他側部を支承する支承部(C)を形成する上部フラップ(23)と、
側板部(6)の下縁に折線(26)を介して連続し、上記底板部(18)の接続片部(21)と接着剤で接続されると共に、上記底板部(11)の縁部(50)が差し入れられる切り込み(36)を設けた底部フラップ(24)を備え、
上記シートを組み立てて、支承部(B)の支承用窓(33)と支承部(C)の支承用窓(34)とを対向配置して支承用窓(33、34)に物品の両側を挿入して支承する構成としている物品支承用容器を提供している。
【0011】
上記請求項2の容器において、支承部(C)の上部支承片部(23’)は支承部(B)の上部支承片部(14’)の高さより低く設定している。(請求項3)
【0012】
また、上記請求項1および請求項2のいずれの容器においても、上記一端側の側板部(3)の上縁に折線(12)を介して連続し、方形枠の上方開口を開閉する蓋板部(7)を備えている。(請求項4)
【0013】
また、上記請求項1および請求項2のいずれの容器においても、上記支承部(B、C)を形成する上部フラップ(14、23)は、側板部(4、6)の内側で水平に延在する上部支承片部(14’、23’)と、該上部支承片部(14’、23’)の内端と底部フラップ(15、24)との間を連結する垂直方向の支承壁部(27、28)と、支承壁部(27、28)に連続して底部フラップに接着剤で固定される貼着部(31、32)を備え、
上記支承用窓(33、34)は支承壁部(27、28)から上部支承片部(14’、23’)にかけて形成している。(請求項5)
【0014】
また、上記請求項1および請求項2のいずれの容器においても、上記支承用窓(33、34)に保持用突起(38)を設けている。(請求項6)
さらに、上記支承用窓(33、34)は一定間隔をあけて並列に複数個形成し、複数の物品を収容する構成としている。(請求項7)
【0015】
また、請求項1および請求項2のいずれの容器においても、上記容器内部に対向して突出する支承部(B)と支承部(C)は、支承部(B)を支承部(C)より突出量を大として容器内部の略中央位置まで延在させている。(請求項8)
また、上記支承部(C)の上部支承片部(23’)は側板部(6)の上端縁より下方に位置し、側板部(6)に対して段状としている。(請求項9)
【0016】
上記段状に形成している支承部(C)は、該支承部(C)を形成する上部フラップ(23)に、折線(25)と平行な5本の折線(30a、30b、30c、30d、30e)を所要間隔をあけて設け、
折線(25)と折線(30a)の間は、方形枠の上端から内向き水平方向へ折曲て上壁部(44)とし、
折線(30a)と折線(30b)の間は、側板部(6)と平行に下向きに折曲して内側縦壁部(45)とし、
折線(30b)と折線(30c)の間は、底板部に接着剤で接続する貼着部(32)とし、
折線(30c)と折線(30d)の間は、側板部(6)と平行に上向きに折曲して支承壁(28)とし、
折線(30d)と折線(30e)の間は、外向き水平方向へ折曲して上部支承片部(23’)とし、
折線(30e)から先端縁の間は側板部(6)と平行に下向きに折曲して貼着部(46)として、上記内側縦壁部(45)に接着し、
上記上部支承片部(23’)の高さを、支承部(B)の上部支承片部(14’)の高さより低くしている。(請求項10)
【0017】
さらに、高さを低くした支承部(C)を強固に保持するため、外殻を設けた2重構成としてもよい。即ち、上部フラップ(23)に、側板部(6)の上端より折曲して、出入口(39)を設けた外殻(40)を設け、該外殻(40)の内側に、支承用窓(34)を有する支承壁(28)および上部支承片部(23’)を連続して折曲して形成してもよい。(請求項11)
【0018】
上記請求項1、請求項2および請求項11に記載の容器に収納して支承物で支承する物品としては、注射器(D)が好適であり、よって、これら容器を注射器支承用容器として形成することが好ましい。
上記容器内で支承する注射器(D)は一端に、注射器(D)の直径と略同一幅の短辺と、注射器の直径よりも大きい長辺からなる矩形状の平板部を有するフィンガーグリップ(E)を、その平板部を上下に突出させて備えおり、該フィンガーグリップ(E)を上記支承壁(C)の支承用窓(34)に挿入すると共に、該フィンガーグリップの平板部の上端を支承用窓(34)より突出させている。(請求項12)
【0019】
上記注射器を収納して支承する容器は、その支承用窓(34)の幅をフィンガーグリップ(E)の平板部の短辺寸法よりも大で、長辺寸法より小さく設定している。(請求項13)
かつ、上記低尺な支承壁(34)の高さを、注射器(D)のフィンガーグリップ(E)の平板部の長辺寸法の略半分に設定している。(請求項14)
【0020】
【作用】
上記請求項1および請求項2に記載の容器は、予め所要形状に形成された1枚のシートを折線に沿って予め折り曲げると共に所要箇所を接着剤で接着おくと、偏平状態から、シートの一部を押すか或いは引っ張るだけで、方形状の立体的な容器として起立させることが出来、しかも、該容器内部に対向して物品支承部を形成することができる。
上記のように、容器内部に物品を収納するまでは偏平状態としておくことができるため、該状態で運搬および保管に便利であると共に、この偏平状態から押す或いは引っ張るだけの略ワンタッチ操作で立体形状の容器とできるため、容器組立の操作性に優れている。
【0021】
また、請求項1および請求項2に記載の容器は、容器内部に対向して形成される支承部が、相対する支承壁片を有し、上部支承片から支承壁片にかけて支承用窓部を形成しているため、注射器等の被支承物品は支承用窓部に嵌め入れられ安定した状態で架け渡される。かつ、支承部の支承壁片を折曲形成するに当り、容器の側板との間に上部フラップを折曲して形成した空間壁体を介在させることにより、外部からの振動を緩衝して被支承物品を保護すると共に、被支承物品の長手方向への不測の移動にも対処でき、側板部への衝突のおそれなく安定した状態で支承できるのである。
【0022】
また、請求項1および請求項3に記載のように、一方の支承部(C)の上部支承片部の高さを他方の支承部(B)の上部支承片部の高さより低く設定し、かつ、該支承部(C)の上部支承片部の高さを方形枠の高さ及び注射器のフィンガーグリップの長尺幅より低尺に形成して、支承部(C)の支承用窓に挿入した注射器のフィンガークリップを縦長に配すると、フィンガーグリップの上端部が支承部の上方に突出する状態で支承できる。この支承状態とするとフィンガーグリップの横転が阻止され、注射器の取り出しが困難となることを防止できる。
【0023】
また、請求項1および請求項2に記載の容器はいずれも、底部フラップが一連に連繋される構成であるため、底部フラップが独立して動くことがなく、底部フラップに取り付けられた支承部の浮き上がりが防止でき、注射器等の物品の取り出しに支障を生じない。
【0024】
特に、請求項2に記載の容器では、一方端部の側板(3)に連設した底板部(11)が、先端縁に係合用ロック部(8)を有し、側縁に傾斜折線を介して接続片(10)を設けた下方開口を半閉する長さであり、これに隣接する側板部(4)に連設した底部フラップ(15)が底板部(11)の接続片(10)を接続する長尺であり、また、これに隣接する側板部(5)の下縁には底板部(11)と係合して連繋される略同一形状の底板部(18)を連設し、さらに、側板列の他方端部の側板部(6)に連設した底部フラップ(24)が、底板部(18)の接続片(21)を接続する形状であり、かつ、上記底部フラップ(15)には底板部(11)の隅角部が差し入れられる開口部(35)を穿設していると共に、上記底部フラップ(24)には底板部(11)の縁部(50)が差し入れられる切り込み(36)を設けているため、一方の支承部(B)の貼着片(31)を長尺の底部フラップ(15)の先端部に固定することによって支承部(B)を長尺に形成することができると共に、支承部(B)が長尺であってもワンタッチ方式で組み立てることができる。
【0025】
請求項4に記載のように、シートに蓋板部を一体に形成しておくと、容器内部に注射器等の物品を収容した状態で蓋をすることが出来る。
尚、物品を収容した容器を積層した状態とする場合、あるいは、他の大きなケース内部にまとめて収容する場合等では、各容器に蓋板部は必ずしも必要ではない。
【0026】
請求項5に記載のように、容器内部に設けられる物品支承部を予め容器の底板となる部分に接着剤で固定していると、支承部が独立して動くことがなく、支承部の浮き上がりが防止でき、物品が安定保持されると共に、物品の取り出しが容易にできる。
【0027】
請求項6に記載のように、支承部に形成した支承用窓に、さらに保持用突起をもうけると、支承用窓にフィンガーグリップを取り付けた注射器を挿入した場合に、上記保持用突起により長さ方向への移動が規制され、安定した状態で保持できる。かつ、注射器の取り出しは、単に保持用突起による抵抗に抗して引き上げるだけでよい。
また、請求項7に記載のように、支承部に支承用窓を並列に形成すると、1つの容器に多数の注射器等の物品を効率よく収容することができる。
さらに、請求項8に記載のように、対向して形成する支承部のうちの一方の長さを大として、容器中央部まで突出させると、支承する物品が長尺な場合に、安定して支持することができる。
【0028】
また、請求項9に記載のように、容器内部に対向して設ける一方の支承部(C)の上面の高さ(上部支承片部の高さ)を側板部の上端より低くすると、該支承部の支承用窓に挿入した物品の一部、例えば、使い捨て注射器ではフィンガーグリップの一部を支承部の上端より突出させた状態で、側板部の上端より突出することが防止でき、蓋板部を一部で押し上げることなく、平面状態で閉鎖することができる。
また、請求項10に記載のように、多数の折線に沿って折り返して上部フラップを形成すると、上部支承片部の高さを側板部に対して段状に低くした支承部(C)を形成することが出来る。かつ、該支承部(C)は側板部および底板部とに夫々接着剤を介して固着し、立体的に起立させた時に、縦方向および横方向の両方向で固定しているため、安定した状態で保持できる。
また、請求項11に記載のように、外殻を形成すると、支承部の高さを側板部より高くすることなく、支承部(C)の強度を高めることが出来る。
【0029】
また、容器に収容する物品がフィンガーグリップを備えた注射器とした場合、該注射器のフィンガーグリップと形状と、容器の支承用窓の形状および支承部の高さを、請求項12、13および14に記載の関係に設定すると、支承用窓にフィンガーグリップを挿入した状態で、フィンガーグリップの横転を確実に防止することが出来る。
【0030】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の注射器用容器の実施例を説明する。
図1から図4は第一実施例を示し、図1の展開図に示す如く、1枚の厚紙シートより容器を形成している。
尚、各片を接合して形成することも無論可能である。
【0031】
図1において、Aは一方端縁に接続片1を突設し、これを他端縁に接着することにより方形枠を形成する一連の側板列で、所定間隔をあけて折線2a、2b、2cを並設して側板部3、4、5、6を形成している。
この側板列Aの一方端部の側板部3の上縁には、折線12を介して方形枠の上方開口を全閉する蓋板部7を、下縁には方形枠の下方開口を閉止する底板部11を、折線13を介して連設している。
【0032】
これに隣接する側板部4の上縁には折線16を介して支承部Bを折曲形成する上部フラップ14を、下縁には折曲形成された支承部Bの貼着片31が固定される底部フラップ15を、折線17を介して連設している。
【0033】
また、他方端部の側板部6の上縁には上記支承部Bに相対し、注射器DのフィンガーグリップEを支承する低尺の支承部Cを段状に折曲形成する上部フラップ23を折線25を介して連設している。また、下縁には折曲形成された支承部Cの貼着片32が固定され、上記底部フラップ15に一連に連繋される底部フラップ24を折線26を介して連設している。
【0034】
上記上部フラップ14、23において、図中、27、28は支承部B、Cの支承壁となるもので、底部フラップ15、24への貼着片31、32に連続して形成されており、上部支承片14’、23’から支承壁27、28にかけて複数個の支承用窓33、34を並列に開口している。
【0035】
詳しくは、上記上部フラップ14は折線16と平行な2本の折線29a、29bを所要間隔をあけて設け、折線16と折線29aの間は上部支承片部14’とし、該上部支承片部14’を方形枠の上端から内向き水平方向へ折り曲げるようにしている。折線29aと折線29bの間は支承壁27とし、上部支承片部14’より下向きに折り曲げている。折線29bより先端までを貼着片31とし、支承壁27より水平に折り曲げて、底部フラップ15に接着剤で接着するようにしている。
【0036】
上記上部フラップ23は、折線25と平行な5本の折線30a、30b、30c、30d、30eを所要間隔をあけて設け、折線25と折線30aの間は、方形枠の上端から内向き水平方向へ折曲て上壁部44となる。折線30aと折線30bの間は、側板部6と平行に下向きに折曲して内側縦壁部45となる。折線30bと折線30cの間は、底部フラップ24に接着剤で接続する貼着部32となる。折線30cと折線30dの間は、側板部6と平行に上向きに折曲して支承壁28なる。折線30dと折線30eの間は、外向き水平方向へ折曲して上部支承片部23’となる。折線30eから先端縁の間は側板部6と平行に下向きに折曲して貼着部46となり、上記内側縦壁部45に接着し、上記上部支承片部23’の高さH1が支承部Bの上部支承片14’の高さH2より低くなるように設定している。
【0037】
また、上記上部フラップ14を折り返した時、上部支承片部14’は容器の略中央部まで突出し、収容する注射器Dの本体部200の先端側段部205に係止する位置となるように設定している。
【0038】
また、上部フラップ23より形成する注射器DのフィンガーグリップEを支承する支承部Cの支承壁28の高さH1は、方形枠、即ち、側板部の高さH3より低く、かつ、注射器DのフィンガーグリップEの平板部202(図12参照)の長辺寸法L1より短尺であり、また、支承壁28の支承用窓34の高さH1は注射器DのフィンガーグリップEの平板部の長辺寸法L1の半分程度に形成されるもので、支承部Cは段状を呈している。さらに、支承用窓34の幅はフィンガーグリップEの平板部の短辺寸法L2より大で、かつ、長辺寸法L1より小に設定している。
また、支承壁28の支承用窓34の底面からの高さH5は支承壁27の支承用窓33の底面からの高さH6と同一高さとすると共に、支承用窓34にフィンガーグリップEを挿入した時に該フィンガーグリップEの下端が底面との間に隙間を有して当接しないようにしている。
【0039】
図中、37は蓋板部7の先端縁に形成した差込片である。
また、図中、38は支承壁27、28の支承用窓33、34に形成した保持用突起であり、注射器Dの一方側の本体部200とフィンガーグリップEの円筒部201との段差部200aおよび他方注射針側の段差205に係止するようにしている。
上記保持用突起38の対向する突起間の寸法L4は、注射器の外径と同一とした先端窓部の幅L3より小さく設定している。
【0040】
尚、第一実施例では通常の底板の実施例を示しているが、底部フラップ15、24と接続されて下方開口を全閉する従来公知のワンタッチ方式の底部であってもよい。
【0041】
上記第一実施例の容器の組み立ては、先ず、図2に示すように、上部フラップ14、23を折曲して支承部B、Cを形成する状態に折り重ねる。
ついで、支承部Cを構成する上部フラップ23側では、各折線30a〜30eに沿って折り曲げ、先端の貼着片46を内側縦壁部45に接着剤を介して固定する。
【0042】
ついで、上部フラップ14、23に対応する底部フラップ15、24を側板部4、6の下縁で折り返して支承部B、Cの支承壁27、28に重ね合わせる。支承部Bを構成する上部フラップ14側では、支承壁27に連続する貼着片31を底部フラップ15の先端部に接着剤を介して固定する。
その後、側板列Aを両側部の折線で折り返し、両側の側板部3、6の両端縁を接続片1で接着して側板列Aを一連に連繋する。この状態で、接着剤を介して固定すべき箇所は固定され、かつ、折り曲げられる箇所は折り曲げられた状態となっており、側板部4と側板部5との間の折線2bで2つ折りされた偏平状態となった仮組み立て状態となる。これより立体的な容器とするには、側板部を方形枠を形成するように引き起こすだけで良くなる状態となっている。
よって、この状態で、保管および運搬しており、注射器などの物品を収容する時に立体的に最終組み立てを行うようにしている。
【0043】
図3に示す立体的な容器とするには、まず、各側板部3、4、5、6を直角に配して方形枠を形成する。支承部B、Cに重ね合わされた底部フラップ15、24を側板部に対して直角状に引き起こすと、底部フラップ15、24に取り付けられた支承壁27、28は連動して起立し、支承壁27、28とこれに連続形成された上部支承片部14’、23’とによって一対の支承部B、Cが方形枠の内側に相対して形成され、図3に示す容器が組み立てられる。
【0044】
上記注射器DのフィンガーグリップEを支承する支承部Cは、上部支承片部23’の高さを支承部Bの上部支承片部14’の高さより低く、かつ、支承用窓34の高さはフィンガーグリップEの長辺202aと円筒形状の本体部200の間の寸法と同程度に形成しているため、図4に示す如く、支承部Cの支承用窓34に挿入した注射器DのフィンガークリップEを縦長に配すると、フィンガーグリップEの上端部が支承部Cの上方に突出する状態で支承される。かつ、支承用窓34の開口幅は平板部202の長辺寸法より小さく設定しているため、平板部202は支承用窓34を形成する上部支承片部23’で回転が規制され、フィンガーグリップEの上端部は必ず支承部Cの上方から突出した状態に保持できる。よって、注射器Dが回転してフィンガーグリップEが横転して、上部支承片23’の下部に位置し、注射器Dが容器より取り出しにくくなることは、確実に防止できる。
【0045】
また、支承壁27、28を容器の側板から離反して設け、これに注射器Dを、その前後端部が容器の側板部に接触しないように注射器部材の凹凸を利用して支承されるため、注射器Dの長手方向の移動は防止される。かつ、支承部B、Cの支承用窓33、34の下縁は底板部から上方に位置させ、注射器DおよびフィンガーグリップEを容器の底部に接触させないと共に、支承用窓33、34に保持された注射器DおよびフィンガーグリップEが蓋板部7と接触しない高さに保持しており、さらに、保持用突起部38で注射器Dを保持しているため、上下、前後、左右のいずれの方向からの外部振動に対しても安定した状態で注射器の保護が図れる。
【0046】
図5から図8は特にワンタッチ方式で底部を形成できるようにしたことを特徴とする第二実施例を示す。
第二実施例の容器は、側板列Aおよび蓋板部7、上部フラップ14、23は第一実施例と同一形状としており、底部を形成する部分を第一実施例と変えている。よって、同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
側板列Aは第一実施例と同様に、一方端縁に接続片1を突設し、これを他端縁に接着することにより方形枠を形成する一連の側板列で、折線2a、2b、2cを並設して側板3、4、5、6を形成している。
【0048】
上記側板列Aの一方端部の側板部3の上縁には折線12を介して、方形枠の上方開口を開閉する蓋板部7を設けている。また、側板部3の下縁には、先端縁の中央部に係合用ロック部8を形成し、底部フラップ15側の側縁に45度の傾斜折線9を介して接続片部10を形成し、方形枠の下部開口を半閉する底板部11を、夫々折線13を介して連設している。
【0049】
これに隣接する側板部4の上縁には物品支承部Bを折曲形成する長尺の上部フラップ14を折線16を介して形成している。該側板部4の下縁には、折曲形成される支承部Bの貼着片31が先端部へ固定されると共に、上記底板部11の接続片部10に接着剤を介して一側部が接続される長尺の第一の底部フラップ15を折線17を介して連設している。該底部フラップ15には接続片部10が接着されない他側部に開口部35が形成されている。該開口部35は、方形枠を形成して、底部を組み立てる際に、隣接する底板部18の隅角部が差し込まれる形状、例えば弓形状に形成されている。
【0050】
尚、上記開口部35は、支承部Bの上部フラップ14の貼着片部31が底部フラップ15に接着剤で固着されるため、底板部18を底部フラップ15の上に位置するように組み合わせることができず、よって、上記開口部35を設けて、立体的に引き起こす時に、底板部18の隅角部が開口部35から上部フラップ14の下面側に出て、組み合わせが出来るようにしている。
【0051】
次の側板部5の下縁には上記底板部11と略同一形状の底板部18を折線22を介して形成している。該底板部18は、その先端縁の中央に係合用ロック部19を形成し、底部フラップ24側の側縁に45度の傾斜折線20を介して接続片部21を形成しており、方形枠の下部開口を半閉するようにしている。
【0052】
また、他方端部の側板部6の上縁には支承部Bに相対する支承部Cを折曲形成する上部フラップ23を折線25を介して形成している。該側板部6の下縁には、折線26を介して、側板部6と略平行な側縁部48と、該側縁部48の中央部から山形形状に突出する中央部49を有する底部フラップ24を設けている。該底部フラップ24の側縁部48には、折曲形成された支承部Cの貼着片32が接着剤で固着されると共に、山形状の中央部49の半側部に隣接する底板部18の接続片部21が接着剤で固着されるようにしている。
【0053】
かつ、底部フラップ24の中央部49には、上記接続片部21が接着される側と反対側の端部に切り込み36が形成され、方形枠を形成して底部を組み立てる際に、隣接する底板部11の側縁部50が差し込まれる位置に設けられている。
【0054】
上記支承部B、Cは、第一実施例と同様に、上部支承片14’、23’から支承壁片27、28にかけて複数個の支承用窓部33、34を並設している。
上記支承部B、Cの構成、高さおよび、これら支承部B、Cにも設ける支承用窓部33、34の構成は第1実施例と同一であるため、説明を省略する。
【0055】
図中、37は蓋板7の先端縁に形成した差込片、38は支承壁片27、28の支承用窓部33、34に形成した保持用の突起である。該保持用突起38は第一実施例と同様、突起間の寸法L4を支承される注射器の外径より小さくして、若干内側に突出するように設けている。
【0056】
上記第二実施例の容器のワンタッチ方式の組み立ては、先ず、図6に示すように、上部フラップ14、23を夫々折線29a、29b、30a〜30eに沿って折曲し、支承部B、Cを形成する状態に折り重ねる。其の際、上部フラップ23では先端の貼着部46を内側縦壁部45の上端より下方に位置した中間部分に接着剤で固着する。
【0057】
ついで、この上部フラップ14、23に対応する底部フラップ15、24を側板部4、6の下縁で折り返して支承部B、Cの支承壁27、28に重ね合わせる。ついで、上部フラップ14の先端の貼着部31は底部フラップ15の先端部に開口部35と干渉しないように接着剤で固着する一方、上部フラップ23の貼着片32を底部フラップ24の側縁部48に接着剤で固着する。
【0058】
次いで、底板部11、18を側板部3、5の下縁で折り返して側板部3、5に重ね合わせる。さらに、接続片部10、21を傾斜折線9、20で折り返して底板部11、18に夫々に重ね合わせる。
【0059】
ついで、図7に示すように、側板列Aを両側部の折線で折り返し、底板部11に折り返している接続片部10は隣接する底部フラップ15に重ね合わされた位置となり、接着剤で接続片部10を底部フラップ15に固着する。同様に、底板部18に折り返している接続片部21は底部フラップ24の半側部と重ね合わされた位置となり、接着剤で接続片部21を底部フラップ24に固着する。
【0060】
上記接続片部10と底部フラップ15、接続片部21と底部フラップ24との接着部、および上記貼着部31、32と底部フラップ15、24との接着部を図7中で斜線でしめす。
【0061】
上記のように二つ折した状態で接続片部を接続させた後、側板部3と6の両端縁を接続片1で接着して側板列Aを一連に連繋する。
側板列Aの側板部3と4、及び4と5との間の折線2aと2cで折り曲げて2つ折りの偏平状態とされる。この状態で、接着剤で接着する必要がある箇所を全て接着した状態とし、かつ、折り曲げる必要がある箇所を全て折り曲げた状態が仮組み立て状態となる。
これより立体的な容器とするには、側板部を方形枠を形成するように引き起こすだけで良い状態となる。
したがって、容器内部に注射器等の物品を収容するまでは、図7に示す状態で保管、運搬を行っている。
【0062】
図7に示す状態から図8に示す立体的な容器とするには、2つ折りした両端部、即ち、側板部3と4の間の折線2a、5と6の間の折線2cを内側へ押すと、あるいは、中央部の側板部3と6の折線、4と5の間の折線2bを離反する方向に引っ張ると、側板部3、4、5、6が互いに直角に配されるようにして方形枠を形成する。
【0063】
其の際、底部フラップ15、24に底板部11、18の接続片部10、21に固着されているため、方形枠の形成に伴って底板部11、18が押し下げられ、底板部18の隅角部が下部フラップ15の開口部35に挿入していく。続いて、相対する底板部11の縁部50は相対する底部フラップ24に形成した切り込み36に差し入れられ、底板部11、18、底部フラップ15、24が互いに一連に係合されて下方開口は全閉されることになる。
下方開口が全閉される最終段階で、底板部11と18の先端中央に係合用ロック部8と19とが係合される。
【0064】
以上の操作により、底部フラップ15、24に取り付けられた支承壁27、28は連動して起立し、支承壁27、28とこれに連続形成された上部支承片14’、23’とによって一対の支承部B、Cが方形枠の内側に相対して構成される。
【0065】
上記の如く組み立が完了された図8に示す第二実施例の容器において、第一実施例と同様に、支承部B、Cの上部支承片14’、23’から支承壁27、28にかけて形成した支承用窓33、34に、注射器Dを挿入し、一端のフィンガーグリップEを縦方向に配した状態で嵌め入れ、相対する支承壁27、28の間に注射器Dを架け渡して収容している。収容状態も第1実施例と同様である。
【0066】
尚、上記第2実施例において、支承部Cは支承部Bと同一の構造および形状とすることも可能であり、その場合には、支承される物品は注射器以外にも適用できる。
【0067】
上記第二実施例の容器に収容したフィンガーグリップEを取り付けた注射器DはフィンガーグリップEが横転することなく支承されると共に、注射器D自体が長さ方向へのズレが生じない状態で支承用窓に安定支持され、かつ、容器の底板および側板から振動を受けることなく支承され、上記第一実施例と同様の作用効果を有する。
特に、第二実施例の容器では、支承部(C)の長さを長尺にしているにもかかわらず、4つの部片(底板部11、18、底部フラップ15、24)が相互に補強しあった強度の高い底面を設けることができ、しかも、この底面を有する容器を偏平状態より引き起こすだけでワンタッチで立体状に形成することができる。
【0068】
図9は支承部Cの構成を変えた第三実施例を示すもので、支承部Cに外殻40を取り付けて強度を向上させている。即ち、上部フラップ23を倒L字状に折曲して形成した外殻40の内側に、低尺の支承部Cを折曲形成しており、外殻40に幅広の出入口39を形成している。
【0069】
上記出入口39は、外殻40の上面40aおよび垂直面40bの支承用窓34と対向する位置に形成しているが、支承用窓34と比較して幅広に形成しているため、注射器DのフィンガーグリップEを支承用窓34に挿入する時に邪魔にならない。
【0070】
上記第一実施例から第三実施例はいずれも、一端の側板部3に蓋板部7を備えた形状であるが、該蓋板部7を設けずに、別体の蓋板を嵌合して取り付けるようにしてもよい。
あるいは、蓋板がない状態で段重ねして配置し、これらの段重したものを大ケース内に収容するようにしてもよい。さらに、この場合、底面を方形枠と同じ大きさの別に形成した板を用いてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に係わる請求項1および請求項2に記載の容器では、シートの側板部の上下縁に形成された底板部、上部フラップ、並びに底部フラップを折り返し、折り返した上部フラップの一部を該上部フラップの他部あるいは/および底板部の所要箇所に接着剤で固定し、かつ、側板部の両端を接着剤で固着しておくと、後の操作は、一部を押すか或いは引くかだけのワンタッチ操作で立体的な容器とすることが出来る。
このように、簡単に形成出来ると共に、特に、偏平状態まで組み立てると、後はワンタッチ操作で立体容器とできるため、偏平状態での運搬、保管ができ、物品を収容するユーザーにおいて引き起こして立体的容器とすることができるため、全体としての経費節減を図れ、安価な製品を提供できるのである。
【0072】
また、上記のように組み立てられる容器で、請求項2および請求項3に記載のごとく、注射器のフィンガーグリップを支持する側の上部支承片部を低い位置に形成すると、フィンガーグリップは最上端が支承部の上部支承片より上方に突出した状態で支承され、積載運搬、或いは保管時において注射器に不測の回転を生じるおそれは全くなく、注射器は常に取り出し易い状態に維持できるのである。
【0073】
また、請求項1および請求項2に記載の容器は、対向して設ける支承壁は何れも底部フラップに取り付けられており、双方の底部フラップが連繋された場合には、容器の組立状態は偏平するなどのおそれがなく、安全、且つ確実に注射器を保護でき、取り出しに際しての底部フラップの浮き上がりも防止できる。
【0074】
特に、請求項2に記載の容器では、一方端部の側板に連設した底板の先端縁に係合用ロック部を形成し、側縁に傾斜折線を介して接続片とした方形枠の下方開口を半閉する長さとし、これに隣接する長尺の底部フラップに、上記底板の接続片が接続され、また、これに隣接する側板の下縁には上記底板と係合して連繋される略同一形状の底板部を連設し、更に、他方端部の側板に連設した底部フラップに、上記底板の接続片が接続され、側板の長尺の底部フラップには底板の隅角部が差し入れられる開口部を穿設し、他方端部の側板の底部フラップには底板の縁部が差し入れられる切り込みを設けられていることにより、一方の支承部を注射器の本体を完全に保護する長尺に形成でき、一方の支承部が長尺であってもワンタッチ方式で簡単に組み立てられ、且つ、極めて強固な底部とすることができるのである。
【0075】
また、請求項4に記載のように、シートに蓋板部を一体に形成しておくと、容器内部に注射器等の物品を収容した状態で蓋をすることが出来、別個に蓋を設ける必要がなくなる。
また、請求項5に記載のように、容器内部に設けられる物品支承部を予め容器の底板となる部分に接着剤で固定していると、支承部が独立して動くことがなく、支承部の浮き上がりが防止でき、物品が安定保持されると共に、物品の取り出しが容易にできる。
【0076】
請求項6に記載のように、支承部に形成した支承用窓に、さらに保持用突起をもうけると、支承用窓にフィンガーグリップを取り付けた注射器を挿入した場合に、不測の事態で注射器が移動しようとしても、保持用突起により長さ方向への移動が規制され、注射器は一定位置で安定した状態で保持でき、注射器の移動によるヒビ割れ等の損傷の発生が防止できる。
また、請求項7に記載のように、支承部に支承用窓を並列に形成すると、1つの容器に多数の注射器等の物品を効率よく収容することができ、運搬、保管上で有利となる。
さらに、請求項8に記載のように、対向して形成する支承部のうちの一方の長さを大として、容器中央部まで突出させると、支承する物品が長尺な場合に、安定して支持することができ、特に、一端にフィンガーグリップを取り付けた長尺な使い捨て注射器の支承用として好適となる。
【0077】
また、請求項9に記載のように、容器内部に対向して設ける一方の支承部(C)の上部支承片部の高さを側板部の上端より低くすると、該支承部の支承用窓に収容物品を挿入して支承部の上面より突出させて位置規制した部分を、側板部の上端よりは低い位置に保持でき、側板の上面を蓋板で閉鎖する時に、上記収容物品の突出部分が邪魔にならないようにすることができる。
また、請求項10に記載のように、多数の折線を平行に設けた上部フラップを形成すると、該上部フラップを折線に沿って折り返すだけで簡単に、上面の高さを側板部に対して段状に低くした支承部を形成することが出来る。
また、請求項11に記載のように、外殻を形成すると、支承部の強度を高めることが出来る。
【0078】
また、請求項12、13および14の構成とすると、容器に収容するフィンガーグリップを備えた注射器が容器内部で横転することなく、かつ、長さ方向への移動も生じることなく、所定位置に確実に支承され、注射器を容器に収容した状態で安全に運搬、保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の容器の内側から見た展開図である。
【図2】第一実施例の組み立て過程の正面図である。
【図3】第一実施例の組み立て過程の最終段階における斜視図である。
【図4】第一実施例の容器に内部で注射器を支承している状態を示す縦断側面図である。
【図5】第二実施例の容器の内側からみた展開図である。
【図6】第二実施例の組み立て過程の正面図である。
【図7】第二実施例の図6の後過程の組み立て過程の正面図である。
【図8】第二実施例の組み立て過程の最終段階における斜視図である。
【図9】第三実施例の第二支承部を示す斜視図である。
【図10】従来の容器の斜視図である。
【図11】従来の容器で注射器を支承した状態を示す縦断側面図である。
【図12】フィンガーグリップ付き注射器の斜視図である。
【図13】従来の容器で注射器が回転してフィンガークリップが横転した状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
2a、2b、2c 折線
3、4、5、6 側板部
7 蓋板部
8、19 係合用ロック部
9 傾斜折線
10 接続片部
11、18 底板部
14、23 上部フラップ
15、24 底部フラップ
33、34 支承用窓
B、C 支承部
D 注射器
E フィンガーグリップ

Claims (14)

  1. シートを折り曲げて、所要部を接着剤で固着して組み立て、長尺な物品を収容する容器であって、
    所要間隔をあけた3つの折線(2a、2b、2c)を介して連続する4つの側板部(3、4、5、6)を備え、両端縁を接着して方形枠を形成する側板列(A)と、
    少なくとも1つの側板部(3、4、5、6)の下端より折線を介して連続し、方形枠の下方開口を閉塞する底板部(11)と、
    上記側板部(4)の上縁に折線(16)を介して連続し、支承用窓(33)を備えると共に方形枠の内部に折り返して物品支承部(B)を形成する上部フラップ(14)と、
    上記他端側の側板部(6)の上縁に折線(25)を介して連続し、支承用窓(34)を備えると共に方形枠の内部に折り返して、上部支承片部(23’)が上記物品支承部(B)の上部支承片部(14’)より高さの低い物品支承部(C)を形成する上部フラップ(23)を備え、
    上記シートを組み立てて、物品支承部(B)の支承用窓(33)と物品支承部(C)の支承用窓(34)とを対向配置して、物品の両側を支承用窓(33、34)に挿入して支承する構成としている物品支承用容器。
  2. シートを折り曲げて、所要部を接着剤で固着して組み立て、長尺な物品を収容する容器であって、
    所要間隔をあけた3つの折線(2a、2b、2c)を介して連続する4つの側板部(3、4、5、6)を備え、両端縁を接着して方形枠を形成する側板列(A)と、
    上記側板部(3)の下縁に折線(13)を介して連続し、先端縁に係合用ロック部(8)を設けると共に、側縁に傾斜折線(9)を介して接続片部(10)を設けた、方形枠の下方開口の一半側を閉じる底板部(11)と、
    上記側板部(4)の上縁に折線(16)を介して連続し、支承用窓(33)を備えると共に方形枠の内部に上方開口より折り返されて物品の一側部を支承する支承部(B)を形成する上部フラップ(14)と、
    上記側板部(4)の下縁に折線(17)を介して連続し、一側部に上記接続片部(10)を接着剤で接続すると共に他側部に開口部(35)を穿設した底部フラップ(15)と、
    上記側板部(5)の下縁に折線(22)を介して連続し、先端縁に底板部(11)の係合用ロック部(8)と係合して連繋される係合用ロック部(19)を設けると共に、一側縁に傾斜折線(20)を介して接続片部(21)を設け、かつ、他側の隅角部を上記開口部(35)に差し込いれて、方形枠の下方開口の他半側を閉じる底板部(18)と、
    上記他端側の側板部(6)の上縁に折線(25)を介して連続し、支承用窓(34)を備えると共に方形枠の内部に上方開口より折り返されて、上部支承片部 ( 23’ ) が上記物品支承部(B)の上部支承片部(14’)より高さの低い、上記物品の他側部を支承する支承部(C)を形成する上部フラップ(23)と、
    側板部(6)の下縁に折線(26)を介して連続し、上記底板部(18)の接続片部(21)と接着剤で接続されると共に、上記底板部(11)の縁部(50)が差し入れられる切り込み(36)を設けた底部フラップ(24)を備え、
    上記シートを組み立てて、支承部(B)の支承用窓(33)と支承部(C)の支承用窓(34)とを対向配置して支承用窓(33、34)に物品の両側を挿入して支承する構成としている物品支承用容器。
  3. 上記支承部(C)の上部支承片部(23’)は支承部(B)の上部支承片部(14’)の高さより低く設定している請求項2に記載の容器。
  4. 上記一端側の側板部(3)の上縁に折線(12)を介して連続し、方形枠の上方開口を開閉する蓋板部(7)を備えている請求項1または請求項2に記載の容器。
  5. 上記支承部(B、C)を形成する上部フラップ(14、23)は、側板部(4、6)の内側で水平に延在する上部支承片部(14’、23’)と、該上部支承片部(14’、23’)の内端と底部フラップ(15、24)との間を連結する垂直方向の支承壁部(27、28)と、支承壁部(27、28)に連続して底部フラップに接着剤で固定される貼着部(31、32)を備え、
    上記支承用窓(33、34)は支承壁部(27、28)から上部支承片部(14’、23’)にかけて形成している前記請求項のいずれか1項に記載の容器。
  6. 上記支承用窓(33、34)に保持用突起(38)を設けている前記請求項のいずれか1項に記載の容器
  7. 上記支承用窓(33、34)は一定間隔をあけて並列に複数個形成し、複数の物品を収容する構成としている前記請求項のいずれか1項に記載の容器。
  8. 上記容器内部に対向して突出する支承部(B)と支承部(C)は、支承部(B)を支承部(C)より突出量を大として容器内部の略中央位置まで延在させている前記請求項のいずれか1項に記載の容器。
  9. 上記支承部(C)の上部支承片部(23’)は側板部(6)の上端縁より下方に位置し、側板部(6)に対して段状としている前記請求項のいずれか1項に記載の容器。
  10. 上記支承部(C)を形成する上部フラップ(23)は、折線(25)と平行な5本の折線(30a、30b、30c、30d、30e)を所要間隔をあけて設け、
    折線(25)と折線(30a)の間は、方形枠の上端から内向き水平方向へ折曲て上壁部(44)とし、
    折線(30a)と折線(30b)の間は、側板部(6)と平行に下向きに折曲して内側縦壁部(45)とし、
    折線(30b)と折線(30c)の間は、底板部に接着剤で接続する貼着部(32)とし、
    折線(30c)と折線(30d)の間は、側板部(6)と平行に上向きに折曲して支承壁(28)とし、
    折線(30d)と折線(30e)の間は、外向き水平方向へ折曲して上部支承片部(23’)とし、
    折線(30e)から先端縁の間は側板部(6)と平行に下向きに折曲して貼着部(46)として、上記内側縦壁部(45)に接着し、
    上記上部支承片部(23’)の高さを、支承部(B)の上部支承片部(14’)の高より低くしていることを特徴とする請求項9に記載の容器。
  11. 上記上部フラップ(23)に、側板部(6)の上端より折曲して、出入口(39)を設けた外殻(40)の内側に、支承用窓(34)を有する支承壁(28)および上部支承片部(23’)を連続して折曲して形成している請求項1または請求項2に記載の容器。
  12. 上記物品は注射器(D)からなり、該注射器(D)は一端に、注射器(D)の直径と略同一幅の短辺と、注射器の直径よりも大きい長辺らなる矩形状の平板部を有するフィンガーグリップ(E)を、その平板部を上下に突出させて備えおり、該フィンガーグリップ(E)を上記支承壁(C)の支承用窓(34)に挿入すると共に、該フィンガーグリップの平板部の上端を支承用窓(34)より突出させている前記請求項のいずれか1項に記載の容器。
  13. 上記支承用窓(34)の幅はフィンガーグリップ(E)の平板部の短辺寸法よりも大で、長辺寸法より小さく設定している請求項11に記載の容器。
  14. 上記低尺な支承壁(34)の高さは、注射器(D)のフィンガーグリップ(E)の平板部の長辺寸法の略半分に設定している請求項12あるいは13に記載の容器。
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