JP3560661B2 - コンクリート構造物、自然石接着パネル型枠及び自然石接着パネル型枠用連結金具 - Google Patents
コンクリート構造物、自然石接着パネル型枠及び自然石接着パネル型枠用連結金具 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、仕上がり面が自然石により構成され景観の優れたコンクリート構造物、そのコンクリート構造物に用いられる自然石接着パネル型枠、コンクリート構造物の構築に際して自然石接着パネル型枠の連結のために用いられる自然石接着パネル型枠用連結金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面が自然石で仕上げられたコンクリート構造物を施工するに際しては、型枠を使用して例えば擁壁の如きコンクリート構造物aを構築し、コンクリートの表面に鏝を使用してモルタルbを20〜30mmの厚さで塗り上げ、同モルタル層に自然石cを1つ宛張り合わせていき、このように張り合わせた自然石が崩れないように板d等で固定し、モルタルが固まってから前記板等を取り除いていた(図5参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来工法では、コンクリート構造物の仕上げ面に鏝を使用して、モルタルを塗り上げて自然石を1つ宛張り合わせていくため、作業が煩雑で、張り合わせた自然石をモルタルが固まるまで板等で固定しなければならないので作業性が悪く、折角張り合わせた自然石が崩れたり位置ずれを生じるおそれがあり、外観上の点からも問題があった。
【0004】
本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とする処は、施工性に優れ、自然石の崩れるおそれがなく、仕上がりが自然石のため美しい景観を有するコンクリート構造物が構築されるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
裏型枠の前方側に、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着してなる自然石接着パネル型枠が複数配設され、
前記各自然石接着パネル型枠が、前記自然石を表面側に向けつつ横方向及び上下方向に並べられると共に、隣接する該各自然石接着パネル型枠同士が連結金具を介して連結され、
前記連結金具が、ナットを備え、該ナットに、前記裏型枠から延びるセパレーターが螺着され、
前記裏型枠と前記各自然石接着型枠との間にコンクリートが打設されている、ことを特徴とするコンクリート構造物とした構成としてある。
【0006】
上記目的を達成するために本発明(請求項2に係る発明)にあっては、
剛性を有する金網よりなる基盤材に、接着材を介して自然石が接着してなる、ことを特徴とする自然石接着パネル型枠とした構成としてある。この請求項2の好ましい態様としては、請求項3〜8の記載の通りとなる。
【0007】
上記目的を達成するために本発明(請求項9に係る発明)にあっては、
土木構築物を構築するに際して、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着される自然石接着パネル型枠を、隣接する同士間において連結する自然石接着パネル型枠用連結金具であって、
隣接する自然石接着パネル型枠を連結するために用いる複数のボルト孔と、裏型枠から延びるセパレーターを螺着するためのナットと、を備えている、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠用連結金具とした構成としてある。
【0008】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石を接着して自然石接着パネル型枠が構成され、しかも、その自然石接着パネル型枠が、裏型枠から延びるセパレーター、連結金具を介して該裏型枠に固定されているので、同パネル型枠と裏型枠との間にコンクリートを打設し、前記パネル型枠を埋殺し型枠として使用することによって、施工性がよく、仕上がり面が自然石となることによって自然の景観にマッチした美しい構造物が構築される。
【0009】
請求項2〜8に係る発明によれば、当該自然石接着パネル型枠を用いて、前記請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0010】
特に請求項5に記載された発明によれば、パネル状接着材層に、型枠連結金具における連結ボルト用インサートナットが埋設されていることから、型枠連結金具を介して自然石接着パネル型枠相互を一体化できる。
【0011】
また、請求項7に係る発明によれば、接着材が、エポキシ系接着材からなることから、自然石に対する接着力が強く、自然石が剥離するおそれがない。
また、素材がエポキシ材のため比重が小さく取扱いが容易で、更に接着力及び圧縮力強度が大きいので、薄くて軽いパネルが構成され、作業性が向上される。
【0012】
請求項9に係る発明によれば、土木構築物を構築するに際して、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着される自然石接着パネル型枠を、隣接する同士間において連結する自然石接着パネル型枠用連結金具であって、
隣接する自然石接着パネル型枠を連結するために用いる複数のボルト孔と、裏型枠から延びるセパレーターを螺着するためのナットと、を備えていることから、当該自然石接着パネル型枠用連結金具を用いることによって、前記請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の図示の実施例について説明する。
1は剛性を有する溶接金網で、エポキシ系接着材2を介して同溶接金網1に自然石3が一体に接着され、自然石接着パネル型枠Aが構成されている。更に同パネル型枠Aにおける接着材2層に型枠連結金具の連結ボルト螺着用のインサートナット4が埋設されている。
【0014】
而して施工に際しては図4に示す如く、複数の前記パネル型枠Aの各インサートナット4に、連結金具Bに穿設された複数のボルト孔5に貫挿したボルト6を螺着緊締して前記各パネル型枠Aを一体化し、前記連結金具Bに溶接されたナット7を利用して、前記パネル型枠Aに対向する合板等により構成された裏型枠Cに貫挿されたセパレーター8の一端を螺着するとともに、同セパレーター8の裏型枠Cに貫通された他端部をワッシャー9及びナット10を介して緊締して型枠を組立て、コンクリートを打設し、前記型枠Aを埋め殺すものである。
【0015】
図中11は裏型枠Cに設けたセパレーター挿貫孔、Dは基礎コンクリート、12はアンカー金具である。
かくして構築されたコンクリート構造物の表面には前記パネル型枠Aが定着され、同型枠Aに接着された自然石3によって自然の景観にマッチした美しい景観を呈する構築物が構築される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自然石接着パネル型枠の一実施例を示す平面図である。
【図2】前記パネルの側面図である。
【図3】前記パネルの背面図である。
【図4】前記パネル使用状態を示す分解斜視図である。
【図5】従来工法の実施状況を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A 自然石接着パネル型枠
B 連結金具
C 裏型枠
1 溶接金網
2 エポキシ系接着材
3 自然石
4 インサートナット
5 ボルト孔
6 ボルト
7 ナット
8 セパレーター
12 アンカー金具
【産業上の利用分野】
本発明は、仕上がり面が自然石により構成され景観の優れたコンクリート構造物、そのコンクリート構造物に用いられる自然石接着パネル型枠、コンクリート構造物の構築に際して自然石接着パネル型枠の連結のために用いられる自然石接着パネル型枠用連結金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面が自然石で仕上げられたコンクリート構造物を施工するに際しては、型枠を使用して例えば擁壁の如きコンクリート構造物aを構築し、コンクリートの表面に鏝を使用してモルタルbを20〜30mmの厚さで塗り上げ、同モルタル層に自然石cを1つ宛張り合わせていき、このように張り合わせた自然石が崩れないように板d等で固定し、モルタルが固まってから前記板等を取り除いていた(図5参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来工法では、コンクリート構造物の仕上げ面に鏝を使用して、モルタルを塗り上げて自然石を1つ宛張り合わせていくため、作業が煩雑で、張り合わせた自然石をモルタルが固まるまで板等で固定しなければならないので作業性が悪く、折角張り合わせた自然石が崩れたり位置ずれを生じるおそれがあり、外観上の点からも問題があった。
【0004】
本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とする処は、施工性に優れ、自然石の崩れるおそれがなく、仕上がりが自然石のため美しい景観を有するコンクリート構造物が構築されるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
裏型枠の前方側に、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着してなる自然石接着パネル型枠が複数配設され、
前記各自然石接着パネル型枠が、前記自然石を表面側に向けつつ横方向及び上下方向に並べられると共に、隣接する該各自然石接着パネル型枠同士が連結金具を介して連結され、
前記連結金具が、ナットを備え、該ナットに、前記裏型枠から延びるセパレーターが螺着され、
前記裏型枠と前記各自然石接着型枠との間にコンクリートが打設されている、ことを特徴とするコンクリート構造物とした構成としてある。
【0006】
上記目的を達成するために本発明(請求項2に係る発明)にあっては、
剛性を有する金網よりなる基盤材に、接着材を介して自然石が接着してなる、ことを特徴とする自然石接着パネル型枠とした構成としてある。この請求項2の好ましい態様としては、請求項3〜8の記載の通りとなる。
【0007】
上記目的を達成するために本発明(請求項9に係る発明)にあっては、
土木構築物を構築するに際して、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着される自然石接着パネル型枠を、隣接する同士間において連結する自然石接着パネル型枠用連結金具であって、
隣接する自然石接着パネル型枠を連結するために用いる複数のボルト孔と、裏型枠から延びるセパレーターを螺着するためのナットと、を備えている、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠用連結金具とした構成としてある。
【0008】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石を接着して自然石接着パネル型枠が構成され、しかも、その自然石接着パネル型枠が、裏型枠から延びるセパレーター、連結金具を介して該裏型枠に固定されているので、同パネル型枠と裏型枠との間にコンクリートを打設し、前記パネル型枠を埋殺し型枠として使用することによって、施工性がよく、仕上がり面が自然石となることによって自然の景観にマッチした美しい構造物が構築される。
【0009】
請求項2〜8に係る発明によれば、当該自然石接着パネル型枠を用いて、前記請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0010】
特に請求項5に記載された発明によれば、パネル状接着材層に、型枠連結金具における連結ボルト用インサートナットが埋設されていることから、型枠連結金具を介して自然石接着パネル型枠相互を一体化できる。
【0011】
また、請求項7に係る発明によれば、接着材が、エポキシ系接着材からなることから、自然石に対する接着力が強く、自然石が剥離するおそれがない。
また、素材がエポキシ材のため比重が小さく取扱いが容易で、更に接着力及び圧縮力強度が大きいので、薄くて軽いパネルが構成され、作業性が向上される。
【0012】
請求項9に係る発明によれば、土木構築物を構築するに際して、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着される自然石接着パネル型枠を、隣接する同士間において連結する自然石接着パネル型枠用連結金具であって、
隣接する自然石接着パネル型枠を連結するために用いる複数のボルト孔と、裏型枠から延びるセパレーターを螺着するためのナットと、を備えていることから、当該自然石接着パネル型枠用連結金具を用いることによって、前記請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の図示の実施例について説明する。
1は剛性を有する溶接金網で、エポキシ系接着材2を介して同溶接金網1に自然石3が一体に接着され、自然石接着パネル型枠Aが構成されている。更に同パネル型枠Aにおける接着材2層に型枠連結金具の連結ボルト螺着用のインサートナット4が埋設されている。
【0014】
而して施工に際しては図4に示す如く、複数の前記パネル型枠Aの各インサートナット4に、連結金具Bに穿設された複数のボルト孔5に貫挿したボルト6を螺着緊締して前記各パネル型枠Aを一体化し、前記連結金具Bに溶接されたナット7を利用して、前記パネル型枠Aに対向する合板等により構成された裏型枠Cに貫挿されたセパレーター8の一端を螺着するとともに、同セパレーター8の裏型枠Cに貫通された他端部をワッシャー9及びナット10を介して緊締して型枠を組立て、コンクリートを打設し、前記型枠Aを埋め殺すものである。
【0015】
図中11は裏型枠Cに設けたセパレーター挿貫孔、Dは基礎コンクリート、12はアンカー金具である。
かくして構築されたコンクリート構造物の表面には前記パネル型枠Aが定着され、同型枠Aに接着された自然石3によって自然の景観にマッチした美しい景観を呈する構築物が構築される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自然石接着パネル型枠の一実施例を示す平面図である。
【図2】前記パネルの側面図である。
【図3】前記パネルの背面図である。
【図4】前記パネル使用状態を示す分解斜視図である。
【図5】従来工法の実施状況を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A 自然石接着パネル型枠
B 連結金具
C 裏型枠
1 溶接金網
2 エポキシ系接着材
3 自然石
4 インサートナット
5 ボルト孔
6 ボルト
7 ナット
8 セパレーター
12 アンカー金具
Claims (9)
- 裏型枠の前方側に、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着してなる自然石接着パネル型枠が複数配設され、
前記各自然石接着パネル型枠が、前記自然石を表面側に向けつつ横方向及び上下方向に並べられると共に、隣接する該各自然石接着パネル型枠同士が連結金具を介して連結され、
前記連結金具が、ナットを備え、該ナットに、前記裏型枠から延びるセパレーターが螺着され、
前記裏型枠と前記各自然石接着型枠との間にコンクリートが打設されている、ことを特徴とするコンクリート構造物。 - 剛性を有する金網よりなる基盤材に、接着材を介して自然石が接着してなる、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 請求項2において、
前記自然石が、前記基盤材の表面側を覆うようにして複数設けられている、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 請求項2において、
前記接着材が、前記金網を内包したパネル状接着材層を形成している、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 請求項4において、
前記パネル状接着材層に、型枠連結金具における連結ボルト用インサートナットが埋設されている、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 請求項5において、
前記パネル状接着材層が、四角形状に形成され、
前記インサートナットが、前記パネル状接着材層における対向する一対の辺の うちの一方の辺側において、該一方の辺の延び方向両側部に設けられていると共に、他方の辺側において、該他方の辺の延び方向略中央部に設けられている、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記接着材が、エポキシ系接着材からなる、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記剛性を有する金網が、溶接金網である、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠。 - 土木構築物を構築するに際して、剛性を有する金網よりなる基盤材に接着材を介して自然石が接着される自然石接着パネル型枠を、隣接する同士間において連結する自然石接着パネル型枠用連結金具であって、
隣接する自然石接着パネル型枠を連結するために用いる複数のボルト孔と、裏型枠から延びるセパレーターを螺着するためのナットと、を備えている、
ことを特徴とする自然石接着パネル型枠用連結金具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29477794A JP3560661B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | コンクリート構造物、自然石接着パネル型枠及び自然石接着パネル型枠用連結金具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29477794A JP3560661B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | コンクリート構造物、自然石接着パネル型枠及び自然石接着パネル型枠用連結金具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151646A JPH08151646A (ja) | 1996-06-11 |
JP3560661B2 true JP3560661B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=17812159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29477794A Expired - Fee Related JP3560661B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | コンクリート構造物、自然石接着パネル型枠及び自然石接着パネル型枠用連結金具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3560661B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2843532B2 (ja) * | 1995-07-25 | 1999-01-06 | 建設基礎エンジニアリング株式会社 | 仕上げプレート付き網状型枠 |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP29477794A patent/JP3560661B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08151646A (ja) | 1996-06-11 |
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