JP3556753B2 - 書類綴じ具の取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書類綴じ具の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙片の一方の端縁部に規定ピッチ間隔で複数の孔を穿設し、この孔に金属ガイドパイプを挿通することによって多数の紙片をまとめて綴じることができるようにしたファイルがある。このようなファイルの一形式として、多数の紙片を束ねるべく、ファイル本体としての背表紙の内側に金具の平板状のベースを取り付け、そのベースの左右の両端縁に各ヒンジ部を介して傾動自在な一対の押さえ板からなる紙片挟持部を設け、上記ガイドパイプを一方の押さえ板により片持ち支持し、ガイドパイプに挿通自在なロッドを設け、ファイルを綴じた状態では他方の押さえ板によりロッドを選択的に保持可能にして、新しい書類を一方の側から綴じ込む一方、古い書類を他方の側から抜き取ることができるようにした両開きファイルが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようなファイルにおける金具を取り付けるための構造にあっては、例えば金具に舌片状の弾発係合爪を設けると共にT形スタッドを突設し、ファイル側には、弾発係合爪の先端部を弾発的に没入させて係合状態にするための角穴と、T形スタッドの拡頭部を挿通可能な大径孔部と首部を受容可能な小径孔部とからなるダルマ形状孔とを設けたものがある。その金具にあっては、T形スタッドの拡頭部を大径孔部に挿通した後に小径孔部側にスライドさせて、拡頭部を小径孔部に係合させて抜け止めすると共に、上記弾発係合爪を角穴に弾発係合させ、拡頭部をかしめて固定するなど、取り付け作業が煩雑化し、作業コストが高騰化するという問題がある。
【0004】
また、ファイルを捨てる際には金具をファイル本体から取り外して分別ごみとして処理する必要性がある。しかしながら、上記従来のファイルの金具構造にあっては、金具をファイル本体から取り外す際には、かしめを戻し、弾発係合爪を工具により引き起こして角穴との係合を解除して行うことになり、取り外し作業性が悪いという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、取り付けや取り外しを容易に行い得る書類綴じ具の取付構造を実現するために、本発明に於いては、書類を綴じる手段を有する金具をファイル本体に取り付けるための書類綴じ具の取付構造であって、前記ファイル本体にファイル側長孔を開設すると共に、前記ファイル本体に重ね合わせて取り付けられる金具にその取り付け状態で前記ファイル側長孔と整合する金具側長孔を開設し、前記ファイル本体と前記金具とを互いに結合するためのクリップを、前記各長孔の幅方向長さよりも拡径された頭部と、前記各長孔に挿通可能な略同一形状に形成された脚部と、前記頭部と前記脚部との両者間に同軸的に設けられかつ前記各長孔の幅方向長さと略同一長さの径にて形成された首部とからなるように形成したものとした。特に、前記金具の前記金具側長孔の長手方向に沿う縁の外側の近傍位置に係合孔を設けると共に、前記脚部を前記各長孔に挿通した後に前記クリップを回転させることにより前記係合孔に係合させるための突部を前記頭部に設けると良い。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0007】
図1は、本発明が適用された両開きファイルの全体を示す斜視図であり、図に示されるように、ファイルの背表紙1の内面に本発明の綴じ具の金具2が取り付けられるようになっている。
【0008】
金具2は、金属製薄板を折曲加工して形成されており、背表紙1に取り付けられるL字形のベース2aと、ベース2aの起立状態に曲折された固定壁部と対峙し得るようにヒンジ結合された可動壁部2bとからなる。書類を綴じるには、両壁部を対峙させ、図示されないロッドを書類のパンチ孔に挿通させた状態で両壁部間に橋渡し状態に取り付けて行う。
【0009】
背表紙1に取り付けるベース2aの平板部には、その中央部の4箇所にて裏面側(取り付け状態における背表紙側)に切り起こして形成された4つの爪3が設けられていると共に、それら爪3を挟んで各2つずつ配置された計4つの金具側長孔4a・4bが設けられている。
【0010】
一方の対の金具側長孔4aが金具2の長手方向に沿う向きに延在し、他方の対の金具側長孔4bが金具2の長手方向に直交する向きに延在するように形成されている。また、金具2には、各金具側長孔4a・4bの長手方向に沿う両縁の各外側の近傍位置にそれぞれ一対の係合孔5が設けられている。
【0011】
そして、ファイルの背表紙1には、上記4つの爪3にそれぞれ対応する位置に各横長の4つの係合孔6が開設されていると共に、上記4つの金具側長孔4a・4bにそれぞれ対応する位置であってそれぞれ同一形状かつ同方向に延在する各一対のファイル側長孔7a・7bが開設されている。
【0012】
金具2を背表紙1に固定するためのクリップ8は、図1及び図2に良く示されるように、各長孔4a・4b・7a・7bの幅方向長さよりも拡径された円板状頭部8aと、薄板形状をなしかつ各長孔に挿通可能なように略同一形状に形成された脚部8bと、上記頭部8aと上記脚部8bとの両者間に同軸的に設けられかつ各長孔の幅方向長さと略同一長さの径にて形成された首部8cとからなるように形成されている。
【0013】
さらに、クリップ8の頭部8aの裏側端面には、図2に示されるように首部8bを挟んで軸心に対して対称位置に一対の突部9が設けられている。これら突部9の位置関係は、上記各一対の係合孔5に対応するように配置されている。また、首部8cの軸線方向長さは、図3に示されるように背表紙1及び金具2を重ね合わせた厚さと略等しくされている。
【0014】
このようにして構成された金具2をファイルの背表紙1に取り付けるには、各爪3を各係合孔6に挿入して金具2を背表紙1に対して位置決めする。その位置決め状態にて各金具側長孔4a・4bと各ファイル側長孔7a・7bとが互いに整合し、互いに整合した長孔にクリップ8の脚部8bを図1の矢印Aに示されるように挿通する。
【0015】
そして、クリップ8の頭部8aに設けられた縦溝に工具(ねじ回しなど)を差し込んで図1の矢印Bに示されるように軸線回りに略90度回す。すると、図3に示されるように各突部9が各係合孔5に没入してクリップ8が回り止めされ、かつ脚部8bの長手方向が長孔4a・7a(4b・7b)の長手方向に対して略直交するため、クリップ8が固定される。その状態ではクリップ8の頭部8aと脚部8bとの間に背表紙1と金具2とが積層状態に挟持された状態になり、ファイルの背表紙1に金具2が取り付けられる。
【0016】
本発明の綴じ具によれば、ファイルを廃棄処分する際には、上記とは逆にクリップ8を回して突部9を係合孔5から強制的に離脱させ、脚部8bを長孔と整合させることにより、容易に脚部8bを長孔から引き抜くことができる。そして、クリップ8を取り除くことにより、金具2を背表紙1から容易に分離することができ、これらの作業を特殊工具を用いることなく行い得る。
【0017】
【発明の効果】
このように本発明によれば、ファイルに対して金具を取り付ける際にクリップを回すだけの簡単な作業で取り付け作業を行うことができると共に、廃棄処分する際にも、クリップを回すだけで金具をファイルから分離できるため、従来例で示したようにかしめを戻すような強い力を発生させる必要もなく、容易にファイルと金具とを分離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された両開きファイルの全体を示す斜視図。
【図2】クリップを裏面側から見た拡大斜視図。
【図3】綴じ具の取り付け状態を示す拡大側断面図。

Claims (2)

  1. 書類を綴じる手段を有する金具をファイル本体に取り付けるための書類綴じ具の取付構造であって、
    前記ファイル本体にファイル側長孔を開設すると共に、前記ファイル本体に重ね合わせて取り付けられる金具にその取り付け状態で前記ファイル側長孔と整合する金具側長孔を開設し、
    前記ファイル本体と前記金具とを互いに結合するためのクリップを、前記各長孔の幅方向長さよりも拡径された頭部と、前記各長孔に挿通可能な略同一形状に形成された脚部と、前記頭部と前記脚部との両者間に同軸的に設けられかつ前記各長孔の幅方向長さと略同一長さの径にて形成された首部とからなるように形成したことを特徴とする書類綴じ具。
  2. 前記金具の前記金具側長孔の長手方向に沿う縁の外側の近傍位置に係合孔を設けると共に、前記脚部を前記各長孔に挿通した後に前記クリップを回転させることにより前記係合孔に係合させるための突部を前記頭部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の書類綴じ具の取付構造。
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