JP3550970B2 - 電力変換装置並びに多層積層導体と電気部品接続体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換装置に係わり、特に配線の寄生インダクタンスを低減するのに好適な高電圧電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、産業・交通・公共等の分野ではインバータによる電動機の可変速駆動や無停電電源装置などが広く適用されている。
【0003】
図12は代表的なインバータの構成を示すものである。
【0004】
これらのインバータにおいて、平滑コンデンサ11とスイッチ素子群21,22,23の間、あるいはスイッチ素子群の素子同士の間の配線インダクタンスは、スイッチ素子のオン・オフ時過大な電圧をスイッチ素子に印加させる要因となる。このため、図示していないが一般にコンデンサと抵抗とで構成されるスナバ回路をそれぞれスイッチ素子と並列に設けて過大な電圧の発生を防止している。しかし、スナバ回路は過大な電圧の抑制には効果的である反面、スナバ回路のコンデンサの蓄積エネルギーが損失となり、変換器の効率を低下させるほか、部品点数が増大し、変換器のコスト上昇を引き起こす欠点がある。従来、この問題を軽減するために平滑コンデンサとスイッチ素子群あるいはスイッチ素子群中の素子同士を多層積層導体で接続する方式がとられてきた。多層積層導体は、複数の板状導体と板状絶縁材を交互に積層した構造を持ち、板状導体間に逆極性の電流を流すことによってインダクタンスの低減を図るものである。この種の技術としては、例えば、特開平7−131981 号,特開平7−245951 号,特開平8−19245号の各公報に記載の技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年変換器の大容量化のニーズに応え、スイッチ素子の高耐電圧,大電流化が進展し、従来の多層積層導体には次の問題が生じるようになった。
【0006】
例えば、多層積層導体のうちスイッチ素子の端子に接続する板状導体は、多層積層導体に貫通穴を設けて導電性のネジ等の接続部材でスイッチ素子の端子と接続する。しかし、スイッチ素子の端子に接続しない板状導体は、この接続部材と電気的に絶縁をとる必要がある。そこで、接続部材と絶縁をとる必要のある板状導体は、接続部材の径より十分大きな径の穴を設け、接続部材との間に沿面距離を確保して電気的な絶縁を行っている。電気的な絶縁をとるために必要な沿面距離は規格で定められており、絶縁に必要な電圧が高くなるほど沿面距離も長くしなければならない。
【0007】
近年、電力変換装置の電圧が高くなるに連れ、電気的絶縁を確保するための沿面距離も大きな長さを必要とするようになった。このため、板状導体に設けるべき穴の径も大きくする必要が生じ、隣接する穴に到達するような沿面距離が必要になる場合もある。この場合、多層積層導体の面積を大きくして隣接する穴までの距離を大きくとれる構造にする必要があり、電力変換装置は部品を高密度で実装できなくなり、大型化する問題がある。更に、穴の径を大きくするほど多層積層導体のインダクタンスの低減効果が小さくなり多層積層導体の本来の目的が達成できなくなる問題もある。
【0008】
本発明の目的は、使用電圧が高い電力変換装置においても、接続部材と非接続にする板状導体の穴の径や板状導体のサイズを小さくできる積層導体の構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による電力変換装置においては、複数の板状導体と複数の板状絶縁材とが交互に積層される多層積層導体と電気部品とが接続部材によって接続されるが、少なくとも二つの板状絶縁材によって挟まれる少なくとも一つの板状導体の端部と、多層積層導体と電気部品との接続体における導体表面部とが隣接し、板状導体の端部の表面が絶縁物によって覆われている。これにより、多層積層導体に印加される電圧に対して、板状導体の端部とこれに隣接する導体表面部との間の沿面の制約がなくなるので、一つの板状導体と非接続にする他の板状導体の穴のサイズや板状導体のサイズを小さくできる。従って、電力変換装置が小型化できたり、インダクタンスの低減によりノイズや損失を低減できる。
【0010】
上記のような構成は、多層積層導体と電気部品とが板状導体の穴を貫通する接続部材によって接続される個所や、多層積層導体の外周部に適用できる。前者の個所の場合、絶縁物は、多層積層導体と一体化されていてもよいし、接続部材と一体化されていてもよい。いずれの場合も、絶縁物が板状絶縁材に密着し、板状導体の端部の表面が露出していないことが好ましい。
【0011】
絶縁物の材料としては、テフロン材などの樹脂が好ましい。また、板状導体を絶縁物で被覆する手段としては、板状導体または板状絶縁材に絶縁部材を設けるほか、板状導体の端部の表面に樹脂を塗布する方法などもある。
【0012】
なお、本発明は、インバータ,コンバータ,スイッチング電源などの各種の電力変換装置のほか、多層積層導体と電気部品が接続される電気部品接続体に適用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1,図2,図3は本発明を用いてなる第1の実施例であり、図12に示すインバータ回路を多層積層導体で構成した電力変換装置の部分構成図である。
【0014】
図1,図2,図3において、図12と同一の部品には同じ記号を付してある。図1は、図12のインバータ回路を多層積層導体で配線した構造例の斜視図、図2は、上面図である。また、図3は図2に示すA−A′間における多層積層導体の断面図である。また、図1,図2,図3において、多層積層導体5は板状導体31と32及び板状絶縁材料81,82,83で構成され、板状導体31はコンデンサ11,12の正極同士を接続すると共に、スイッチ素子群21,22,23の一方の電極同士を接続する。板状導体32は、コンデンサ11,12の負極同士を接続すると共に、スイッチ素子群21,22,23の他方の電極同士を接続する。板状絶縁材料81,82,83は板状導体31,32を絶縁するため、31,32の最上面,中間及び最下面にそれぞれ配置されている。51,52,53,54,55は、板状導体31をコンデンサ11,12の正極及びスイッチ素子群21,22,23の一方の電極にそれぞれ接続するための導電性の接続部材であり、56,57,58,59,60は板状導体32をコンデンサ11,12の負極及びスイッチ素子群21,22,23の他方の電極にそれぞれ接続するための接続部材である。41,42,43は、スイッチ素子群21,22,23から負荷に電力を供給するための配線であり、7は前記スイッチ素子群を冷却するための放熱フィンである。
【0015】
以下、図3を用いて本実施例を説明する。図3は、図2に示したA−A′の部分について多層積層導体5と接続部材55,60の断面を示したもので、放熱フィン7は省略している。また、図3においてpは板状導体31と接続するスイッチ素子群23の端子、nは板状導体32と接続するスイッチ素子群23の端子である。いま、接続部材55で板状導体31とスイッチ素子群23の端子pを接続する部分に着目してみる。接続部材55は、例えばボルトを用いて多層積層導体5の最上面から板状導体31とp端子を接続するように締め付ける。このとき、板状導体31と接続部材55はもう一方の板状導体32とは絶縁をとらなければならないことは言うまでもない。ここで、接続部材55を多層積層導体5の最上部から締め付けを行うために設けた穴の内部における板状導体32の端部に絶縁物9がない場合を考える。この場合でも板状導体31と接続部材55は、板状絶縁材料82によって電気的に絶縁される構造になっている。しかし、この場合は接続部材55を多層積層導体5の最上部から締め付けを行うために板状導体32の端部から板状絶縁材料82の表面を介して板状導体31に至る距離すなわち沿面距離が問題となる。この沿面距離は板状導体31と32の間に印加されている電圧が高くなるほど大きくとる必要があり、板状導体32に設ける穴の径を大きくする必要がある。板状導体32と接続部材60との間を流れる電流は板状導体32に設ける穴の形が大きくなるほどこの穴を迂回して流れるようになり、多層積層導体5のインダクタンス低減効果が低下してしまう。
【0016】
次に、図3に示すように、接続部材55を取り囲むように設けられた板状導体32の穴の内部における板状導体32の端部に絶縁物9を設けた場合を考える。この場合、板状導体32の上下に配置された板状絶縁材料81,82に密着して絶縁物9が設けられ、板状導体32の端部が覆われる構造になる。このような構造では前述した沿面距離の制約がなくなり、板状導体31と32間に印加されている電圧に耐え得る材料及び厚さ(穴の径方向の厚さ)の絶縁物9で板状導体32の端部を穴の内部で導体表面が露出しないように覆えば、電気的絶縁を確保できる。従って、本構造を用いることによって板状導体32に設ける穴の径を小さくすることができる。例えば、板状導体31と32の間に3kV程度の電圧が印加される場合、絶縁物9を用いない構造では穴の直径は少なくとも70〜80mmに達するが、絶縁物9で穴の端部を覆った構造では穴の直径を1/4以下まで小さくできる。
【0017】
以上述べたことは、板状導体32をスイッチ素子群23の端子nに接続部材60を用いて接続するために板状導体31に設けた穴の部位についても全く同じことになり、絶縁物9で穴の内部における板状導体31の端部を覆うことによって穴の直径を1/4以下にできる。
【0018】
以上の説明は、多層積層導体の少なくとも一つの板状導体と他の板状導体あるいは電気部品を接続部材で接続する部位について述べた。次に、図2に示したように多層積層導体のB−B′の部位、すなわち多層積層導体の外周端部について述べる。
【0019】
図4に、多層積層導体のB−B′における断面図を示す。図において、B側が多層積層導体の外周部にあたり、図1〜図3と同じ部品は同一の記号を付してある。板状導体31と32の外周部に絶縁物9がない場合、前述したように板状導体32の外周端部から板状絶縁材料82の上部,下部を経て板状導体31の外周端部に至る距離が絶縁に必要な沿面距離になる。上述したように、31と32の間に3kV程度の電圧が印加される場合、沿面距離は70〜80mm程度必要になるため、板状絶縁材料82は板状導体31,32の外周端部から35〜40mm程度張り出させる必要がある。このことは、図1,図2に示した多層積層導体の外周部全体で必要になり、多層積層導体のサイズが大きくなり、高密度,小型な電力変換装置を得るための妨げになる。
【0020】
次に、図4に示すように板状導体31,32の外周端部を絶縁物9で覆った場合を考える。この場合、沿面距離の制約を受けず、31,32の間に印加される電圧に耐え得る絶縁物9で板状導体31,32の外周端部を覆えば、導体間の絶縁を確保できる。この構造では板状絶縁材料82の張り出しは不要になる。また、図4では板状導体31,32の両方を絶縁物9で覆った構造を示したが、いずれか一方の板状導体を絶縁物で覆っても同様な効果が得られる。さらに、図4に示す絶縁物9を用いることなく、板状絶縁材料81,83の少なくとも一方を、板状導体の外周端部に延材させて板状絶縁材料82と密着させ、板状導体31,32の少なくとも一方の端部を覆っても良い。
【0021】
(実施例2)
図5に他の実施例を示す。図は、板状絶縁材料84,85,86,87及び板状導体33,34,35で構成される多層積層導体の断面を示す例であり、板状導体33と35は接続部材61で接続されている。また、電気部品24は接続部材62によって板状導体34と接続されている。ここで、接続部材61は板状導体34と絶縁をとる必要があり、また、接続部材62は板状導体33,35と絶縁をとる必要がある。この実施例では、3層の板状導体のうち接続部材61および62と絶縁をとる必要のある部位では各々の接続部材の周囲を絶縁物10で囲んだ構造をなしている。ここで、接続部材61と板状導体34との間を例に本実施例を説明する。
【0022】
図5において、接続部材61は絶縁物10で周囲を囲み、しかも絶縁物10は板状絶縁材料85と86に密着するように設けられている。このため、互いに絶縁すべき板状導体34と接続部材61は導体表面が露出された状態で配置されることなく、両者の間に沿面距離は不要になる。接続部材62と板状導体33の間、および62と板状導体35の間を見ても両者がむき出しで配置されておらず、沿面距離を確保する必要のないことがわかる。なお、接続部材62と板状導体33の間の絶縁のために、本実施例においては接続部材62の頭部を絶縁物10で覆っている。
【0023】
(参考例)
図6は、図3の構成において、絶縁物9が板状絶縁材料81または82のうち一方にしか密着していない場合の実施例を示す。図6では、板状導体32に接続部材55を挿入するために設けた穴の内部における板状導体32の端部を覆う絶縁物9が、板状絶縁材料82のみに密着し、81とは離れている。この場合、板状導体32の板状絶縁材料81側が露出することになり、図中に矢印で示す距離を沿面距離として必要な長さを確保する必要が生じる。同様に、接続部材60を挿入するための板状導体31に設けた穴の内部における板状導体31の端部が板状絶縁材料83と離れている場合も同様である。従って、沿面距離の制約から逃れるには、接続部材と絶縁すべき板状導体の穴の端部は、その板状導体の上下に配置される板状絶縁材と密着するように絶縁物9を設けなければならない。
【0024】
次に、図7について考察する。接続部材61,62を囲む絶縁材が、図7に示すように接続部材と絶縁すべき板状導体の上下に配置される板状絶縁材のうち一方にしか密着していない構造では、図6の場合と同様に接続部材の一部が露出している。この場合、接続部材61と板状導体34との間は図中矢印で示す距離を必要とする沿面距離として確保する必要が生じる。同様に、接続部材62と板状導体35の間でも図中矢印で示す距離を必要とする沿面距離として確保する必要がある。従って、図5の例でも接続部材を囲む絶縁物は、絶縁を確保すべき板状導体の上下に設けられる板状絶縁材と密着して設ける必要がある。
【0025】
(実施例3)
次に、図8の実施例について説明する。図8は、板状導体の外周端部を覆う絶縁物9が、板状導体32にしか設けられていない例を示す。この場合、板状導体31の外周端部は露出しているが、板状導体32の外周端部は絶縁物で覆われている。従って、外周端部で見れば板状導体32が絶縁物9で覆われているため、板状導体31との間に沿面距離の制約はなくなる。しかし、絶縁物9が板状絶縁材料81または82の一方にしか密着していない構造では、図6,図7に示したように板状導体32と31は互いに露出部を持って配置されるため、必要とされる沿面距離を確保する必要が生じる。
【0026】
以上に述べた通り、板状導体に設けた穴の内部における板状導体の端部を絶縁物で覆って接続部材との絶縁を確保する構造,接続部材の周囲を絶縁物で囲んで板状導体と絶縁を確保する構造,板状導体の外周端部を絶縁物で覆って他の板状導体との絶縁を確保する構造等、いずれの構造であっても絶縁を確保するために設けた絶縁物は、その絶縁物が存在する部位で板状導体の上下面に配置される板状絶縁材の両方と密着している必要がある。
【0027】
(実施例4)
図9は、コンデンサの端子部を多層積層導体で接続する場合の実施例を示す組立図である。本実施例は、接続部材51,56とは非接続とする板状導体に接続部材51,56を通すための穴を設け、この穴の内側にリング状の絶縁部材101を設けると共に、このリング状の絶縁部材を設けた板状導体の上下に配置された板状絶縁材とリング状の絶縁部材が密着する構造としたものである。この実施例では、板状導体31,32の厚さと同等以上の厚さを持つリング状の絶縁部材をあらかじめ板状導体31,32の穴の内部にはめ込むか接着するかした後に、板状導体と板状絶縁材とを交互に積層し、接続部材51,56でコンデンサ11の端子に取り付ける。板状導体における絶縁部材101が設けられる穴の直径は、その穴の上下における板状絶縁材の穴の直径よりも大きい。従って、リング状の絶縁部材は板状導体31,32の上下にそれぞれ設けられたそれぞれ該当する板状絶縁材と密着する構造となり、接続部材と板状導体との間で沿面距離の制約から逃れることができる。
【0028】
(実施例5)
図10も、コンデンサの端子部を多層積層導体で接続する場合の実施例を示す組立図である。本実施例においては、接続部材と非接続とすべき板状導体の上下に配置される板状絶縁材の少なくとも一方に、非接続とすべき板状導体に設けた穴を通して他方の板状絶縁材に密着するような筒状絶縁リング102を設け、この筒状の絶縁リングで接続部材の周囲が囲まれる。
【0029】
ここで、接続部材51と板状導体32を非接続とする部位を例に本実施例を説明する。板状導体32には接続部材51を貫通させる穴が設けられており、32の上下には板状絶縁材料81と82が設けられている。ここで、板状絶縁材料82にはこれと接着するか一体形成される筒状絶縁リング102が設けられ、多層積層導体を形成するときは筒状絶縁リング102は板状導体32の穴を通する。この穴の直径は、その上に位置する板状絶縁材料81の穴の直径よりも大きい。また、筒状絶縁リング102の外径は板状絶縁材料81の穴の直径よりも大きい。従って、筒状絶縁リング102は、板状絶縁材料81に密着する。接続部材51は、コンデンサ11の端子に接続する場合、まず板状絶縁材料81を通り、板状導体32を通して板状絶縁材料81に密着した筒状絶縁リング102を通る。この筒状絶縁リング102が接続部材の周囲を取り囲み、板状導体32と接続部材51を絶縁する。次に接続部材51は板状導体31に接続され、さらに板状絶縁材料83を通してコンデンサ11の端子と接続される。すなわち接続部材51は板状導体32と非接続となった状態で板状導体31とコンデンサ11の端子とを接続する。接続部材56も同様に板状導体31と非接続となる。本実施例では、板状導体の上下に設けられる板状絶縁材の一方に筒状絶縁リングを設け、これによって接続部材の周囲を覆って、接続部材と板状導体とを絶縁したが、板状導体の上下に設けられる板状絶縁材の両方に筒状絶縁リングを設け、両筒状絶縁リングが互いに密着して接続部材の周囲を覆う構造としても同様な効果を得ることができ、接続部材と板状導体との間の沿面距離の制約から逃れることができる。
【0030】
(実施例6)
他の実施例を図11に示す。本図において、36は多層積層導体を形成する板状導体のうちの1枚であり接続部材と非接続とすべき板状導体である。201〜204は接続部材を非接続として通すための穴であり、301〜304は他の板状導体または電気部品と接続部材により接続されている部位を示し、穴301から穴302へ、穴303から穴304へそれぞれ電流を流している場合を例に示している。ここで、穴201と穴202は近接して設けたためにつながっている。一方、穴203と穴204はつながることなく設けられ、穴の間に板状導体の一部が介在する。
【0031】
いま、穴301から穴302へ電流が流れる時の経路を考えると、図に示すように穴201,穴202を迂回して流れざるを得ず、その流路は長くなってしまう。一方、穴303から穴304への電流経路を見ると、穴203と穴204の間を通して最短距離で流れることができる。一般に、電流の流れる経路が長くなるほど配線のインダクタンスは大きくなるため、201と202のように二つの穴がつながった場合には多層積層導体のインダクタンス低減効果が小さくなる欠点がある。このような場合には、穴203,穴204のように穴の径を小さくし、穴同士がつながらないようにする必要がある。一方、201〜204は接続部材を非接続として通すべき穴であり、これらの穴に通る接続部材の径よりも大きな径を持つ必要がある。このように、多層積層導体のインダクタンスを低減し、さらに接続部材を板状導体に非接続で通すためには最接近して設けられる穴が互いにつながらないで、しかも接続部材の径よりも大きな径を持つ穴を設けることが必要である。
【0032】
【発明の効果】
接続部材と板状導体との間、あるいは板状導体間で、絶縁を確保するための沿面距離が不要となり、高い電圧で使用する多層積層導体でも、接続部材を通すための穴の径や多層積層導体のサイズを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層積層導体を用いて構成したインバータ回路の斜視図。
【図2】図1のインバータ回路の上面図。
【図3】図1の多層積層導体の接続部の構造図。
【図4】本発明を板状導体の外周端部に実施した例の断面図。
【図5】他の実施例の接続部の断面図。
【図6】参考例を示す断面図。
【図7】他の参考例を示す断面図。
【図8】他の実施例の接続部の断面図。
【図9】他の実施例の組立図。
【図10】他の実施例の組立図。
【図11】本発明による板状導体を示す図。
【図12】基本的なインバータ回路の構成図。
【符号の説明】
7…放熱フィン、9,10…絶縁物、11,12…コンデンサ、21〜23…スイッチ素子群、31〜36…板状導体、51〜62…接続部材、81〜86…板状絶縁材料、101…絶縁部材、102…筒状絶縁リング。
Claims (6)
- 複数の板状導体と複数の板状絶縁材とを交互に積層した多層積層導体と、平滑コンデンサと、複数の半導体スイッチ素子群とを備えた電力変換装置において、
前記多層積層導体が3つの板状絶縁材の間に挟持した第1の板状導体と第2の板状導体と、該板状絶縁材の端部に露出した前記第1の板状導体の端部を被覆する絶縁部材と、前記板状絶縁材の端部に露出した前記第2の板状導体の端部を被覆する絶縁部材とを備え、
該第1の板状導体に前記平滑コンデンサの正極と、前記半導体スイッチ素子群の第1の電極とが接続部材を介して接続し、
前記第2の板状導体に前記平滑コンデンサの負極と、前記半導体スイッチ素子群の第2の電極とが接続部材を介して接続したことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1において、前記第1の板状導体あるいは第2の板状導体の何れかが前記接続部材が貫通する穴を有し、前記板状導体の何れか一つの板状導体の絶縁部材で被覆された端部が前記貫通穴の内部に露出した端部であることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項2において、前記絶縁部材が前記多層積層導体の板状絶縁材と一体化されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1から請求項3の何れかにおいて、前記多層積層導体の一方の面に前記平滑コンデンサと、複数の半導体スイッチ素子群とを配置したことを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4において、前記多層積層導体と、前記平滑コンデンサや複数の半導体スイッチ素子群とを接続する接続部材が、ボルトであることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項5において、前記多層積層導体のから露出したボルトが絶縁部材で被覆されていることを特徴とする電力変換装置。
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