JP3550377B2 - 改善された透明性を有する水性被覆剤組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水性被覆剤組成物に関し、およびより詳細には改善された透明性および減少した曇り度を有するアクリル共重合体顔料分散剤の相乗作用混合物を用いて形成される透明酸化鉄顔料分散物を含有する水性被覆剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車および貨物自動車の外側仕上げ剤として特に用いられる、高い透明性、魅力的かつ美しい品質を提供する被覆剤組成物中における透明酸化鉄顔料の使用は、よく知られている。仕上げに対して高い金属光沢を付与するために必要であるためにアルミニウム片のような金属片顔料を含有する自動車用被覆剤において、高い被膜透明性は特に重要である。高い透明性を有する被膜を得るために、被覆剤組成物中に顔料粒子を完全に解膠させ、かつ均一に分散させなければならない。一般的に共重合体分散剤を用いて安定化される顔料分散剤を用いて、被覆剤組成物中の透明酸化鉄顔料を分散させ、および分散された状態に維持する。そのような顔料分散物を形成するために用いられる共重合体分散剤は当該技術においてよく知られており、および典型的には、顔料表面に吸引される顔料吸着セグメントと周囲の溶剤媒質中へと伸びて凝集に対する顔料粒子のエントロピー的探偵かまたは立体的安定化を与え、かつ該顔料を分散させたままにする安定化セグメントとを有する、ランダム、ブロックおよびグラフト共重合体を含む。
【0003】
溶剤をベースとする被覆剤組成物に対する透明酸化鉄顔料の添加は比較的問題が少ない。しかし、水性組成物においては、透明酸化鉄顔料の安定化は困難な課題である。典型的な水性被覆剤組成物においては、ラテックス、他の顔料、電解質などのような他の微粒子材料が酸化鉄表面を競争し、および該顔料表面から分散性ポリマーを排除する傾向を有する。その傾向は顔料が凝集することまたは一緒になってクラスター化することをもたらし、および最終被膜における高い透明性および低い曇り度を得るのに必要な顔料の安定性を危うくする。
【0004】
したがって、水性系における透明酸化鉄の安定化は、少なくとも部分的には、顔料表面に対して分散性ポリマーを有利に結合させておく能力に依存する。水性被覆剤組成物中の透明酸化鉄顔料を安定化させるのに用いられる現存するポリマー分散性樹脂は、この基準を充分に満たさない。たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとする1993年7月23日にChuに対して発行された米国特許第5,231,131号において教示されるような、顔料表面との相互作用を増大させるための酸基を含有する疎水性吸着セグメントと水溶性のための親水性安定化セグメントとを有するアクリル共重合体を含むそのような樹脂は、非常に良好な貯蔵寿命を有する安定な水性透明酸化鉄顔料の分散物を製造する。しかし該分散物が水性被覆剤組成物に添加されるときには、それらは前述の競争効果による顔料の凝集および相分離を起こす傾向があり、それら水性被覆剤組成物は劣悪な塗料安定性、高い曇り度、高い粘度、および究極的には透明性および色の濃さが減少した被膜をもたらす。
【0005】
たとえば、双方共に参照により本明細書の一部をなすものとする1996年3月26日にAntonelli他に対して発行された米国特許第5,502,113号および1996年6月25日にAntonelli他に対して発行された米国特許第5,530,070号において教示されているように、リン酸化されたアクリル共重合体分散剤もまた当該技術において知られており、およびそれらは、金属片(たとえばアルミニウム片)顔料を含有する水性顔料分散物および被覆剤組成物を形成するのに用いられてきている。これらの分散剤は、水性系において金属片顔料を安定化するのに効果的ではあるが、単独で用いられたときには、透明酸化鉄顔料を安定化するのに充分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、透明酸化鉄顔料を含有する水性被覆剤組成物の性能を改善すること、および詳細には透明酸化鉄顔料表面に対するより大きな親和性を有し、およびより効果的な顔料の安定化を提供し、ならびに究極的にはそれから形成される被膜の透明性を改善しかつ溶剤を有する系の性能に接近する分散性樹脂を含有する該水性被覆剤組成物中での使用のための新規顔料分散物を見いだすことに対する要求が存在する。
【0007】
本発明は、伝統的な透明酸化鉄用分散剤と組み合わせられる補助的分散剤としてのリン酸化されたアクリル共重合体分散剤を用いて、透明酸化鉄顔料を含有する水性被覆剤組成物の透明性を改善するための方法を教示する。また、本発明は、アルキルアミノ基を有する共重合体分散剤のために固定部位を提供する固定ポリマーとして補助的リン酸化分散剤を用いて、顔料表面に対するポリマー分散剤のより強力な吸着およびより被膜の高い透明性の発生点を提供する方法を教示する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(a)水性分散媒と;
(b)親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中の酸基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤(i)と、
親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のホスフェート基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤(ii)と、
必要に応じて、親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のアルキルアミノ基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤(iii)とから実質的に構成されるアクリル共重合体分散剤の相乗作用混合物と;
(c)前記混合物(b)によって安定化される透明酸化鉄顔料粒子と
(d)皮膜形成性ポリマー結合剤と;
(e)該結合剤用の架橋剤と
を含有する改善された水性被覆剤組成物に関する。ここで、該顔料と該分散剤とは、約0.1/1から1/1の分散剤(i)対顔料の重量比(D/P)、約0.05/1から0.33/1の分散剤(ii)対顔料の重量比(D/P)、および存在する場合には、約0.05/1から0.2/1の分散剤(iii)対顔料の重量比(D/P)において存在する。
【0009】
前述のアクリル共重合体分散剤を有する顔料分散物および該分散物を形成するための方法もまた、本発明の一部である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の新規被覆剤組成物は、皮膜形成性ポリマー結合剤と、架橋剤と、明記された共重合体分散剤の混合物とを含む10〜70質量%の皮膜形成性ポリマー成分、および対応する量の70〜90質量%の水性ビヒクル(主として水である)を含有する水性ベースの組成物である。該組成物は、透明酸化鉄顔料をも含有する。該顔料は、水性顔料分散物の形態において被覆剤組成物中に導入される。該被覆剤組成物は、明記された量の分散剤の明記された混合物を用いて、長期間にわたり、および本明細書中で最も注目に値する被覆剤組成物中に添加された後に、該分散物中の顔料を安定化し、かつ解膠させたままに維持する。結果として、新規被覆剤組成物は、安定かつ非凝集すなわち非塊状化状態であり、および優れた透明性を有する。
【0011】
いかなる具体的な理論とも結びつけられないが、組成物中に用いられるリン酸化されたアクリル共重合体分散剤は、酸化鉄の表面に対してより大きな親和性を有すると考えている。そして、伝統的な透明酸化鉄の分散剤と共に補助分散剤として用いられる際に、それは、リン酸化された分散剤に通常関連する負の副次的効果(分散物の粘度の望まれない増大のようなもの)を伴うことなしに、水性被覆剤中の透明酸化鉄顔料の総体的な分散物安定性を改善する。酸化鉄表面に対するそのより強い吸着に基づいて、リン酸化されたアクリル共重合体はアルキルアミノ基を有する追加の共重合体分散剤のための固定部位をも提供し、該アルキルアミノ基は固定リン酸化ポリマー上の官能基と結合する。この相乗作用は、顔料表面に対するポリマー分散剤のより強力な吸着の発生点を与え、それは水性被覆剤のさらなる安定化をもたらす。
【0012】
本発明の別の利点は、該組成物中に用いられる共重合体分散剤は、一般的に互いに、および同様に水性被覆剤組成物中に慣用的に用いられるポリマー皮膜形成性結合剤に対して適合性であり、および特に水性被覆剤中に用いられるアクリルポリマーと適合性であることである。被覆剤組成物の硬化時に、共重合体分散剤は好ましくは、被覆剤組成物の他の皮膜形成性成分と反応し、および被膜の一部となるヒドロキシル基のような官能基を含有し、および該官能基が被膜中の未反応成分であった場合に発生する可能性がある屋外暴露時の被膜の劣化を起こさない。また、分散剤の組合せは、カラースタイリングにおけるより良好な美観に加えて、水性塗料対溶剤性塗料の良好な整合性をも可能にする。
【0013】
本発明の被覆剤組成物は、皮膜形成性結合剤(典型的にはアクリルポリマー)と、保護されたポリイソシアネートまたはアルキル化されたメラミンのような硬化剤とを含有する。これらの材料は、自動車用仕上げ剤として所望される優れた被膜特性を提供する。本明細書中で明記された分散剤の組合せを用いる透明酸化鉄顔料分散物を含有する、自動車および貨物自動車において現在用いられている慣用のベースコート/クリアコート仕上げの水性ベースコートは、透明酸化鉄の慣用の共重合体分散剤を用いるベースコートに比べて、著しく改善された透明性および著しく少ない曇り度を有する。
【0014】
より具体的には、本発明における使用のために選択される分散剤混合物は、i)疎水性吸着部分中に酸基を有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤と、ii)疎水性吸着部分中にホスフェート基を有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤と、必要に応じてiii)疎水性部分中に好ましくはアリール基と共にアルキルアミノ基を含有する少なくとも1つの付随的アクリル共重合体分散剤とから本質的に構成される。
【0015】
本発明において用いられるアクリル共重合体分散剤は、事実上、水分散性である。したがって、それら各々は、顔料表面と相互作用する少なくとも1つの疎水性顔料吸着セグメントと、水性分散媒中に可溶性の少なくとも1つの親水性安定化セグメントとを含む。いかなる特定の理論とも結びつけられないが、該吸着セグメントは、部分的には、顔料表面に共重合体分散剤を付着させるために機能し、一方、安定化セグメントは、部分的には、凝集に対する顔料粒子の立体的安定化を与え、および顔料を水性媒体中に分散させたまま維持するために機能すると考えている。
【0016】
アクリル共重合体のそれぞれの中の吸着セグメントおよび安定化セグメントの位置は、該アクリル共重合体分散剤の構造に依存して変化してもよい。本発明のアクリル共重合体分散剤は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体であってもよい。本発明に用いられるブロック共重合体は、たとえば、AB、ABAまたはABC構造を有してもよい。A、BまたはCの少なくとも1つのブロックは、吸着セグメントでなければならない。A、BまたはCの少なくとも1つのブロックは、安定化セグメントでなければならない。また、本発明で用いられるブロック共重合体は、追加の第3のセグメントを含んでもよい。本発明で用いられるグラフト共重合体は、主鎖セグメントと、該主鎖上にグラフトされる少なくとも1つの側鎖セグメント(好ましくはマクロモノマーである)を有する。主鎖セグメントまたは側鎖セグメントのいずれかは、吸着セグメントでなければならない。主鎖セグメントまたは側鎖セグメントのいずれかは、安定化セグメントでなければならない。好ましくは、主鎖セグメントが吸着セグメントであり、および側鎖セグメントが安定化セグメントである。本発明において用いられるランダム共重合体は、ポリマー分散剤鎖中にランダムに配置される吸着セグメントおよび安定化セグメントの両方を有する。
【0017】
前述の分散剤の各々の吸着セグメントは、安定化セグメントに比較して疎水性であり、および、以後記載するようにアルキル(メタ)アクリレート、環状脂肪族(メタ)アクリレート、およびアリール(メタ)アクリレートのようなエチレン性不飽和疎水性モノマーの重合物から主として構成される。術語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートエステル類およびメタクリレートエステル類の両方を意味する。好ましくは、吸着セグメントは、共重合体の全重量に基づいて約1〜20質量%、好ましくは約1〜10質量%の非疎水性エチレン性不飽和モノマーの重合物をさらに含有する。該非疎水性エチレン性不飽和モノマーの重合物に対しては、前述の分散剤のいずれのものが所望されているかに依存して、酸基、ホスフェート基、またはアルキルアミノ固定化基のいずれかが結合している。
【0018】
吸着セグメント中に酸官能基を導入するのに用いることができるモノマーの例は、アクリル酸およびメタクリル酸のようなエチレン性不飽和カルボン酸を含む。用いることができる他のカルボン酸は、イタコン酸、マレイン酸などを含む。また、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸およびそのエステル類などのような、エチレン性不飽和スルホン酸、スルフィン酸、リン酸、またはホスホン酸およびそれらのエステル類も用いることができる。酸官能基を含有するモノマーは、部分的には、その表面に塩基性基を有する酸化鉄顔料に対して結合する該モノマーの理論的能力によって選択される。酸化鉄表面は複雑である。通常、該表面上には、塩基性基に加えて広範な種類の官能基が存在する。
【0019】
グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのようなエチレン性不飽和グリシジル含有モノマー類を吸着セグメント中に共重合させ反応性グリシジル基を提供すること、および引き続いて該グリシジル基をリン酸または五酸化リンと反応させて側部(pendant)のホスフェート基を有する共重合体を提供することによって、ホスフェート基を吸着セグメント中に導入することができる。ホスフェート官能基を有するモノマーは、部分的には、水性環境において透明酸化鉄顔料と不可逆的に結合するそれらの理論的能力によって選択される。
【0020】
吸着セグメント中にアルキルアミノ官能基を導入するのに用いることができるモノマーの例は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジプロピルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチルメタクリレートのような、アルキル基中に1から4炭素原子を有するアルキルアミノアルキルメタクリレートモノマーを含む。
【0021】
また、前述の固定化基の全てを共重合体の疎水性部分に組み込む必要はなく、同様に親水性部分にも組み込むことができる。
【0022】
吸着セグメントの残部を形成するのに用いることができる疎水性モノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等およびそれらの任意の混合物のような、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレート類を含む。同様に、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、イソブチルシクロヘキシルメタクリレートなどのような環状脂肪族(メタ)アクリレート類を使用することもできる。同様に、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートなどのようなアリール(メタ)アクリレート類を用いることもできる。前述の任意のものの混合物もまた使用することができる。用いることができる他の共重合可能なモノマー類は、スチレン、α−メチルスチレン、メタクリルアミド、およびメタクリロニトリルである。
【0023】
本発明において用いられる各々の分散剤の親水性安定化セグメントは、選択される水性分散媒中に可溶性である。それは主としてエチレン性不飽和親水性モノマーの重合物から構成される。アクリル酸およびメタクリル酸および2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸のような酸含有モノマー類を用いることができる。酸含有モノマーのいくつかの有用な例は、前述の酸を含む。また、ポリ(エチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(200〜4000、好ましくは200〜2000の重量平均分子量)等のようなモノエチレン性不飽和ポリ(アルキレングリコール)モノマー類のような非イオン性親水性モノマーを用いて、安定化セグメントを形成することもできる。前述のモノマーに加えて、選択される水性加工媒体中での安定化部分の溶解性特性を激しく変化させない濃度において疎水性モノマー類が用いられることを条件として、安定化セグメントの重量に基づいて40質量%までの他の一般的に用いられる疎水性モノマー類を、安定化部分中に共重合させることができる。いくつかの有用な例は、前述のアルキル(メタ)アクリレートを含む。
【0024】
本発明において用いられる各々の分散剤の安定化セグメントまたは吸着セグメントのいずれかあるいは両方、好ましくは安定化セグメントは、共重合体の重量を基準として30質量%までの官能基を有するエチレン性不飽和親水性モノマー類を含有してもよい。それらエチレン性不飽和親水性モノマー類は、被覆剤組成物中に存在する皮膜形成性成分と反応し、そして該分散剤がネットワーク構造の恒久的部分となることを可能にする。適当なモノマー類は、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のような、アルキル基中に1から4炭素原子を有する親水性ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートを含む。
【0025】
本発明で用いられるアクリル共重合体分散剤は、約4000から約25000(好ましくは約5000から約20000)の数平均分子量を有する。吸着セグメントは、典型的には約2000から約10000(好ましくは約4000から約7000)の数平均分子量を有する。安定化セグメントは、典型的には約2000から約15000(好ましくは約4000から約7000)の数平均分子量を有する。本明細書中に記載される全ての分子量は、ポリスチレン標準を用いるGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によって測定される。吸着セグメントは、典型的にはポリマーの約20〜80質量%を構成し、および対応して、安定化セグメントは、典型的にはポリマーの約80〜20質量%を構成する。
【0026】
前述の分散剤を、特定の構造のために発明された種々のよく知られている溶液重合技術により調製してもよい。そのような重合技術は、たとえば、米国特許第4,656,226号に報告されているGTP(グループトランスファー重合)法、米国特許第4,656,226号に報告されている標準的なアニオンまたはラジカル重合法、または米国特許第5,231,131号に報告されているSCT(特殊連鎖移動)法であってもよい(全ての引用文献は参照により本明細書の一部をなすものとする)。GTP法は、ブロック共重合体を形成するのに伝統的に用いられている。この方法を用いる際には、いずれの酸またはヒドロキシル含有モノマーも保護して重合中の副反応を防止することが一般的に推奨される。重合に続いて、酸またはヒドロキシル基は、アルコールまたは水との反応によって脱保護される。SCT法は、グラフト共重合体のマクロモノマー部分を形成するのに伝統的に用いられている。他の手段によって、マクロモノマーを供給することも可能である。標準的なアニオン重合が、ランダム共重合体を形成するのにしばしば用いられる。
【0027】
前述の共重合体の各々が形成された後に、典型的には、該共重合体に対してアミンまたは水酸化アンモニウムのような無機塩基を添加して、非反応すなわち残余の酸成分を中和し、および該共重合体をより容易に水性媒質中に分散可能にする。第1級および第2級アミンを用いることができる。1つの好ましいアミンは、2−アミノメチルプロパノールである。これら上記の中和剤は、典型的には、以下に記載される顔料分散プロセス中に添加される。
【0028】
顔料分散物を形成するためには、通例の水溶性有機溶媒または配合物中の明記された共重合体に対して透明酸化鉄顔料を添加し、引き続いてアミンまたは無機塩基の添加を行って該共重合体を中和し、そして次に水を添加して水性分散物を形成する。高速混合、ボールミル磨砕、砂磨砕、アトリッター磨砕、または2本もしくは3本ロールミル磨砕のような慣用の混合を用いて分散物を形成する。一般的に、混合を約5〜150分間にわたって実施して、周囲温度においてブルックフィールド粘度計によって測定される5および100rpmにおける約100〜1000センチポワズ(0.100〜1.000Pa.s)、および好ましくは約100〜500センチポワズ(0.100〜0.500Pa.s)の低い剪断粘度を有する分散物を形成する。
【0029】
そのように形成される顔料分散物は、約10〜30質量%の顔料および分散剤と、対応して約90〜70質量%の水性ビヒクルとを含有し、および約0.1/1から1/1の全分散剤対顔料の重量比(D/P)を有する。酸含有分散剤(i)対顔料の重量比(D/P)は、約0.25/1から0.75/1であり、および好ましくは約0.33/1から0.5/1である。ホスフェート含有分散剤(ii)対顔料の重量比(D/P)は、約0.05/1から0.45/1であり、および好ましくは約0.05/1から0.15/1である。存在する場合、アルキルアミノ含有分散剤(iii)対顔料の重量比(D/P)は、約0.05/1から0.5/1であり、および好ましくは約0.05/1から0.15/1である。全分散剤対顔料の重量比(D/P)は、それぞれの分散剤のD/P寄与率の総計である。被膜特性は、全D/Pが約0.4/1から0.7/1までの範囲内、および優先的には0.6/1が最適であることを示す。
【0030】
種々の色を有する慣用の透明酸化鉄顔料(たとえば、Johnson−Matthey製「AC−1005」(赤色)およびBASF製「L−1916」(黄色))のいずれのものも、顔料分散物を形成するのに用いることができる。本明細書において、透明酸化鉄をトランスオキシドと称する場合がある。そのような顔料は、典型的には0.1μm以下である。アルミニウム片を含有する水性系におけるトランスオキシド顔料の使用は、水素ガスの発生を誘起する可能性がある。トランスオキシド顔料は、アルミニウム顔料表面上のリン酸化された不動態化剤樹脂を競争する。分散物処方における、本発明におけるリン酸化された分散性樹脂の使用は、この効果を軽減する。
【0031】
ある状況のもとでは、透明酸化鉄顔料を含有しないが、分散剤分子内のホスフェート基に対して親和性を有する、塗料中(特に水性塗料中)に用いられる顔料(種々の色を有する不透明酸化鉄、および二酸化チタン、酸化亜鉛などのような他の金属酸化物のようなもの)を含有する分散剤混合物を用いて顔料分散物を形成することが望ましい可能性がある。
【0032】
本発明の被覆剤組成物は、顔料分散物に加えて、水性媒質中に、好ましくはアクリルベースのポリマーの結合剤と、メラミン架橋剤、ポリイソシアネート架橋剤または保護されたポリイソシアネート架橋剤のような架橋剤とを含有する。アクリル共重合体は、安定な溶液または分散物を形成する。また、これら水性被覆剤組成物は、約10〜70質量%、より典型的には15〜50質量%の結合剤と、約30〜90質量%、より典型的には50〜85質量%の液体ビヒクルを含有し、該液体ビヒクルは、水単独であるか、あるいは主として水と通例の水溶性有機溶媒または配合物との混合物である。適当な被覆剤組成物は、通常の塗料配合技術に従う他の有用な成分を配合することにより調製される。
【0033】
アクリルベースのポリマー結合剤は、典型的には、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートと、アルキル基中に1〜4炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、メタクリル酸もしくはアクリル酸との重合体であり、および5000〜30000の数平均分子量を有し、および水酸化アンモニウムまたはアミンで中和されて水溶液または水性分散物を形成する。前述のアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いて、これらのポリマーを構築することができる。
【0034】
約60〜180℃の高温ベーキング温度のもとで約5〜60分間で架橋する被覆剤組成物を形成するために、結合剤の重量を基準として約10から50質量%、好ましくは15から30質量%のアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド架橋剤(該アルキル化される基中に1〜4炭素原子を有する)が好ましい。
【0035】
これらの架橋剤は、一般的には部分的または完全にアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド化合物であり、および前述のようにモノマー性であってもポリマー性であってもよい。架橋剤として保護されたポリイソシアネートを用いることもできる。
【0036】
メラミン架橋剤を含有する被覆剤組成物は、結合剤の重量を基準として約0.1から1.0質量%の強酸触媒またはその塩を含有して、硬化温度および時間を減少させることができる。パラトルエンスルホン酸またはそのアンモニウム塩のような芳香族スルホン酸類が好ましい触媒である。用いることができる他の触媒は、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸、およびこれらの酸のアミンまたはアンモニウム塩である。
【0037】
適合性であるアクリロウレタン類、ポリエステル類およびポリエステルウレタン類、ポリエーテル類およびポリエーテルウレタン類のような、他の皮膜形成性ポリマーをこれら被覆剤組成物中に用いることもできる。架橋剤としてポリイソシアネートを用いて、周囲温度において硬化する被覆剤組成物を提供してもよい。
【0038】
加えて、本発明の被覆剤組成物は、顔料、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、および流れ制御剤のような種々の他の任意選択の成分を含有してもよい。
【0039】
新規被覆剤組成物の仕上の耐候性を改善するために、紫外光安定化剤または紫外光安定剤の組合せを、結合剤の重量を基準として約0.1〜5質量%の量で添加することができる。該安定剤は、たとえば顔料分散物に添加してもよいし、あるいは被覆剤組成物に直接添加してもよい。そのような安定化剤は、紫外光吸収剤、遮蔽剤、消光剤、および特定のヒンダードアミン光安定化剤を含む。また、酸化防止剤を、結合剤の重量を基準として0.1〜5質量%の量で添加することもできる。
【0040】
有用である典型的な紫外光吸収剤は、ベンゾフェノン類、トリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、ヒンダードアミン類およびそれらの混合物を含む。紫外光吸収剤の具体的な例は米国特許第4,591,533号に記載されており、その全開示は参照により本明細書の一部をなすものとする。
【0041】
また、そのような被覆剤組成物は、たとえば「Resiflow」S(ポリブチルアクリレート)、BYK320および325(高分子量ポリアクリレート類)のような流れ制御剤、ヒュームドシリカのようなレオロジー制御剤、Rohm & Haas製Acrysol(登録商標)共重合体のような増粘剤のような慣用の配合添加剤を含んでもよい。
【0042】
透明酸化鉄顔料とは別に、本発明の被覆剤組成物は、塗料中(特に水性塗料中)に用いられる他の慣用の顔料を含むこともできる。該慣用の顔料は、アルミニウム片、ブロンズ、ニッケルステンレス鋼片などのような金属片、被覆された雲母片(カーボンブラックに加えて、二酸化チタンなどで被覆された雲母片のようなもの)のような真珠箔顔料、タルク、カオリン、バライト、炭酸塩類、ケイ酸塩類のような充填材顔料、二酸化チタン、種々の色を有する不透明酸化鉄、および酸化亜鉛のような金属酸化物、カーボンブラック、およびキナクリドン類、フタロシアニン類、ペリレン類、アゾ顔料類、インダントロン類、カルバゾールバイオレットのようなカルバゾール類、イソインドリノン類、イソインドロン類、チオインジゴレッド類、ベンズイミダゾリノン類などのような広範な種類の有機顔料のようなものである。アルミニウム片のような金属片が好ましい。これらの顔料は、慣用の分散剤により、かつ必ずしも前述の組合せによらずに安定化された水性分散物として提供されてもよい。
【0043】
本発明の被覆剤組成物は、単一被膜として用いてもよいし、あるいはその上にクリアコートを付着してカラーコート/クリアコート仕上げを提供する着色されたカラーコートまたはベースコートにおいて用いてもよい。
【0044】
本発明の被覆剤組成物は、あらかじめ彩色された基板、下塗りされた基板、冷間圧延鋼、リン酸塩処理鋼、および慣用の電着下塗り剤で被覆された鋼のような、種々の金属基板または非金属基板に対して優れた接着力を有する。これら被覆剤組成物は、ポリエステルで補強されたガラス繊維、反応射出成形されたウレタン類、および部分的に結晶性のポリアミド類のようなプラスチック基板を被覆するのに用いることができる。特に、本発明のベースコートまたはカラーコート組成物は、改善された透明性および減少した曇り度および改善された塗料安定性を提供し、それら特性は、自動車および貨物自動車に用いられる被覆剤として非常に重要な特性である。
【0045】
本発明の被覆剤組成物は、吹付、静電吹付、浸漬、刷毛塗り、フローコーチングなどのような慣用の技術によって付着することができる。好ましい技術は、吹付および静電吹付である。OEM用途においては、典型的には、該組成物は100〜150℃において約15〜30分間にわたってベークされて、厚さ約0.1〜3.0ミル(25〜75μm)の被膜を形成する。該組成物がクリアコートとして用いられるときには、該組成物は、不粘着状態まで乾燥されてもよく、あるいはクリアコートが付着される前に短い時間にわたって硬化または好ましくはフラッシュ乾燥されてもよいカラーコート上に付着される。次にカラーコート/クリアコート仕上げは前述のようにベークされて、乾燥かつ硬化された仕上げを提供する。当業者によって容易に認識されるように、本発明は、非ベークの塗り替え(refinish)系にもまた適用可能である。
【0046】
「ウェットオンウェット」付着を用いて、ベースコート上に透明なトップコートを付着すること、すなわち、ベースコートを硬化または完全に乾燥させることなしにベースコート上にクリアコートを付着することは通例のことである。次に被覆された基板はあらかじめ定められた時間にわたって加熱されて、ベースコートおよびクリアコートの同時の硬化をさせられる。
【0047】
以下の実施例は、本発明を説明する。特に記載のない限り、全ての部、比、およびパーセントは重量基準である。本明細書中に開示される全ての分子量は、ポリスチレン標準を用いるGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定される。
【0048】
【実施例】
ポリマー分散剤を調製し、そして顔料分散物中に配合し、そしてその顔料分散物を透明被覆剤組成物中に配合した。
【0049】
ポリマー分散剤1
ポリマー分散剤1は、37.5/50.2/5.1/5.1/2.1の重量比のメチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)および2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸から構成される顔料吸着セグメント中に酸官能基を含有し、20000の数平均分子量を有し、2の多分散性を有するランダムアクリル共重合体の例である。該ポリマーを、参照により本明細書の一部をなすものとする米国特許第4,656,226号に記載されるような標準的アニオン重合方法を用いて作製した。ポリマー溶液を2−アミノメチルプロパノールを用いて中和し、および使用の前に、脱イオン水およびイソプロパノールを用いて50%の固形分含有率まで希釈した。
【0050】
ポリマー分散剤2
ポリマー分散剤2は、顔料吸着性主鎖セグメント中にホスフェート官能基を含有し、および標準的フリーラジカル重合のアプローチを用いて調製されるリン酸化されたグラフト共重合体の例である。得られるリン酸化されたグラフト共重合体は以下の組成を有した。
[60]NBA/MA/リン酸化GMA(45.5/45.5/9)//[40] Biscomer 20W
グラフトポリマーの安定化アームとしてマクロモノマーBiscomer 20Wを用いて、リン酸化された重合体を調製した。この材料(Biscomer 20W)は、ISCから購入されるポリ(エチレングリコールモノメタクリレート)のマクロモノマーである。Biscomer 20Wは、2000の分子量(MW)を有する非イオン性であり、およびポリマーに対して水溶性官能基を提供する。他の構成成分と共に、Biscomer 20Wマクロモノマーを容器内で反応させて、マクロ分枝された(macro branched)グラフト共重合体を形成した。
【0051】
グラフト共重合体を、攪拌機、熱電対、冷却器、および窒素ブランケットを取り付けた反応器に投入すること、および加熱して還流することによって形成した。反応器に対して、n−ブチルアクリレート(NBA)、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルアクリレート(MA)およびBiscomer 20Wマクロモノマーの主鎖モノマーを、溶媒であるイソプロパノールと共に添加した。メチルエチルケトンおよびイソプロパノールの溶液中に溶解された開始剤、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(DuPont Co. (Wilmington, DE)製のVazo(登録商標)52)を供給することにより、重合反応を開始した。リン酸化は、リン酸(H3PO4)を用いるグリシジルメタクリレートのエポキシ基のエステル化により実施した。
【0052】
得られるリン酸化されたアクリルグラフト共重合体は、99%転化率に達した。その固形分は、水/イソプロパノール溶液中45%であった。該ポリマーの分子量を、GPCを用いて得た。カラムに注入する前に、該ポリマーをメチル化した。GPCは、4577の数平均分子量と2.64の多分散性とを示した。
【0053】
ポリマー分散剤3
ポリマー分散剤3は、吸着セグメント中にベンジル官能基およびアルキルアミノ官能基を含有し、およびGTP方法を用いて調製されるABブロック共重合体の例である。
【0054】
該ABブロック共重合体は、かき混ぜ機、冷却器、加熱マントル、窒素吸気口、熱電対および添加口を取り付けた5リットルのフラスコに対して、1600gのテトラヒドロフランと3.8gのp−キシレンとを投入し、引き続いて触媒(m−クロロ安息香酸テトラブチルアンモニウム)の1.0Mアセトニトリル溶液0.6mLを投入した。そのフラスコに対して、開始剤(1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロパン)の0.140M溶液32.5gを注入した。m−クロロ安息香酸テトラブチルアンモニウムの1.0Mアセトニトリル溶液0.6mLから成る供給Iを開始し、および200分かけて添加した。265.0g(1.67モル)のトリメチルシリルメタクリレート、298.0g(2.10モル)のブチルメタクリレート、140.0g(1.40モル)のメチルメタクリレート、および141.0g(0.70モル)のトリメチルシロキシエチルメタクリレートから成る供給IIを、0.0分において開始し、および45分の期間をかけて添加した。供給IIが完了した100分後に、99%超のモノマーが反応した。616.0g(3.46モル)のベンジルメタクリレートおよび154.0g(0.98モル)のジメチルアミノエチルメタクリレートから成る供給IIIを開始し、および30分間かけて添加した。400分の後、得られる反応混合物に対して150gのメタノールを添加して反応を停止し、そしてヒドロキシおよび酸モノマーを脱保護し、そして溶媒の蒸留を開始した。蒸留の第1段階の間に、400.0gの溶媒を除去した。100gのメタノールを添加し、そしてさらなる200.0gの溶媒を留去した。
【0055】
得られるポリマー溶液は50%の固形分含有率を有し、およびポリマーは以下の組成を有した:25/7//15/10/5/12のモノマー比のベンジルメタクリレート(BZMA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEAMA)//BMA/MMA/ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/メタクリル酸(MAA)。該ポリマーは、9400の数平均分子量と1.1の多分散性とを有した。使用の前に、脱イオン水およびイソプロピルアルコールの1:1混合物を用いてポリマー溶液を30%の固形分含有率まで希釈した。
【0056】
顔料分散物の特性の評価
顔料分散物のサンプルを、以下の手順によって調製した。Temple C. PattonのPaint Flow and Pigment Dispersion、439〜441頁(Wiley Interscience Publication, 1979)に記載されている標準01アトリッターを用いて、実験室磨砕を行った。それぞれの磨砕には400gの実験分散物を装填し、および粉砕を850gの0.8〜1.0mm高密度ジルコニア媒体を用いて実施した。それぞれのアトリッターにおいて、500rpmのスピンドル攪拌において合計24時間にわたって粉砕を行い、適切な粉砕が達成されることを確実にした。
【0057】
実験計画中に、1つの対照標準を含んだ。対照標準は、現行の透明酸化鉄用分散剤(ポリマー分散剤1)を用いて作製された分散物であり、それは現行の技術に関する基点を与える。残りの実験は、改善された分散物および塗料性能を与えるホスフェート分散剤の最適レベルを決定した。
【0058】
赤色および黄色透明酸化鉄(「トランスオキシド」)分散物配合物(Ex)それぞれは、以下の組成を有した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
分散物CEx.1が対照標準である。
分散物Ex.2は、黄色トランスオキシド顔料(BASF、L−1916)に関してのみ作製した。赤色トランスオキシド顔料はJohnson MattheyのAC−1005であった。ポリマー分散剤1の樹脂固形分は50%であり、ポリマー分散剤2の樹脂固形分は45%であり、およびポリマー分散剤3の樹脂固形分は30%である。顔料に対して適用されるそれぞれの分散剤の量を、分散剤対顔料の重量比であるD/Pとして報告する。
【0062】
結果
実験結果を、表4、表5、表6および表7に示す。15.00%の分散顔料装填量を、01アトリッター磨砕物の間の規定された適切なスクリーニングに用いた。それぞれの磨砕物の分析および対照標準との比較において、用いた重要製品特性は、(i)分散物粘度、(ii)分散物の曇り度および透明度、および(iii)塗料への漸次添加物(letdown)の曇り度/透明度および安定性を含んだ。
【0063】
分散物の所望される属性は、(i)顔料の高い装填量、(ii)低粘度、および(iii)低い曇り度および高い透明性を含む。分散物の粘度を、標準のブルックフィールド粘度計を用い、低剪断(5rpm)およびより高い剪断(100rpm)において測定する。分散物の曇り度および透明度を、Mylor上への展色およびHunter Colorquest Instrumentを用いて該パネルを読みとることを用いて測定した。
【0064】
良好な分散物は、良好な塗料を作製するために、必要であるが十分な条件ではない。良好な分散物は、水性塗料系において用いられるときに、良好に作用し、かつ所望される美観を提供しなければならない。この評価をするために、それぞれの分散物を平衡(balanced)透明塗料配合物中に攪拌しながら漸次添加した。用いた平衡透明塗料配合物BC−1は、以下の組成を有した。
【0065】
【表3】
【0066】
20グラムの平衡透明塗料配合物BC−1に対して6gの分散物を添加し、徹底的に混合し、そして#20WWR(ワイヤを巻き付けた棒)を用いて該塗料をMylarフィルム上に展色することにより、塗料の評価を実施した。該フィルムが乾燥した後に、#20WWR(ワイヤを巻き付けた棒)を用いてフィルム上にクリアコートを付着した。そのサンプルを華氏250度(約121℃)において30分間にわたってオーブン硬化させた。冷却の後に、Hunter ColorQuestを用いて、曇り度および透明度を測定した。分散物を攪拌しながら漸次添加することおよび曇り度/透明度測定の手順は、DuPont Co. (Wilmington, DE)のProcedure TM−0501Aにより詳細に記載されている。
【0067】
黄色トランスオキシドの結果
黄色トランスオキシド顔料BASF L−1916の結果を表4に示す。分散物中のホスフェート樹脂の関数であるBC−1における塗料への漸次添加物の曇り度は、ホスフェート樹脂を含有しない対照標準の曇り度が最も高い漸次添加物の曇り度(14.43%)を有することを示す。D/P=0.075から最大D/P=0.45までの追加のホスフェート樹脂を有し、D/P=0.50の標準的トランスオキシド用分散剤を有するEx.2からEx.5までの磨砕物は、D/P=0.075のホスフェート樹脂を有するEx.2が最も低い漸次添加物の曇り度を有し、ホスフェート樹脂の濃度が増加するのに伴って曇り度がわずかに増大することを示す。また、本評価結果は、ホスフェート樹脂レベルが増加するのに伴って、分散物粘度が急速に増大することを示す。それらの結果に基づき、漸次添加物の分散物中の0.075と0.15との間のホスフェート樹脂(ポリマー分散剤2)の装填量が、曇り度および分散物粘度に基づいて最適であるように見える。
【0068】
赤色トランスオキシドの結果
赤色トランスオキシド顔料Johnson MattheyのAC−1005に関して同等の組の分散物磨砕を実施した。これらの結果は、同様に、ホスフェートレベルの増加に伴う分散物粘度の増大という同一の傾向を示す。分散物は、BC−1中に攪拌しながら漸次添加した。
【0069】
表5の結果は、ホスフェート樹脂を含有しない対照標準であるCEx.1が、最も高い漸次添加物の曇り度を有したことを示す。漸次添加物の曇り度は、ホスフェートレベルの増加に伴う同一の緩やかな増大を示す。分散物粘度は、ホスフェートレベルの増加に伴う同一の速やかな増大を示す。5.0%未満のホスフェートレベルを用いる磨砕は行わなかった。5.0%未満であってもよい最適レベルを確立するためには、さらなる最適化磨砕物が必要である。
【0070】
漸次添加物の曇り度を減少することに加えて、重要な製品特性は、漸次添加物のの粘度および透明度安定性である。また、塗料は、実際に顧客に使用される前に数週間または数ヶ月にわたって放置される可能性があるので、これは重要な考慮の対象である。したがって、塗料安定性の状態は、相分離に起因する漸次添加物の粘度が増大すること、および時間経過に伴う凝集に起因する曇り度が増大することを調べる。また、これは重要な製品特性であるので、黄色および赤色トランスオキシドを攪拌しながら漸次添加することを試験し、および1および3週間の間をおいて曇り度を再測定した。表6および表7の結果は、良好な塗料安定性を示すいずれのサンプルについても著しい曇り度の増加はなかったことを示す。
【0071】
3分散剤系
赤色および黄色トランスオキシド顔料の両方に関して3分散剤系を評価する最後の実験を実施した。リン酸化された櫛形(グラフト)ポリマーの使用は、塗料における性能を改善したが、しかし、注目すべき分散物粘度の増大を有した。高粘度において、分散物の粉砕が困難となり、および粘着することに起因する収量損失が大きくなる。0.1のD/Pにおけるポリマー分散剤3の使用は、さらなる透明度の利点、および分散物の粘度およびレオロジーを減少させることにおける予期せぬ改善を示した。大処理量のミルにおける大量バッチの粉砕に関して最適な分散物粘度は、5および100rpmにおけるブルックフィールド粘度計にて、約100から500センチポアズ(0.100から0.500Pa・s)である。黄色および赤色トランスオキシドのそれぞれに関して、表4および表5に報告されるこれら最後の実験は、3つの分散剤の組合せを試験する。分散物配合において、現状のトランスオキシド用分散剤(ポリマー分散剤1)を、0.50から0.33のD/Pへと減少させた。リン酸化された櫛形ポリマー(ポリマー分散剤2)を0.15に維持し、およびベンジルおよびアミン官能性ポリマーである第3のポリマー分散剤3を0.10のD/Pの装填量においてさらに導入した。表4および表5の結果は、これらの分散物配合物が、分散物および漸次添加物において最も低い曇り度のみならず、最も低い分散物粘度を有することを示す。これらの結果は、トランスオキシド顔料の表面は複雑であり、および慣用の湿式粉砕方法を用いて最適な安定化を達成することが容易ではないことを示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】
上記の結果はホスフェート化されたグラフト共重合体分散性樹脂が、水性塗料系における赤色および黄色トランスオキシド顔料の両方の安定化を改善することを示す。分散物配合作業は、カラースタイリングの問題点を取り扱うことを補助すべき顔料の装填量は重要であることを示す。また、漸次添加物および塗料安定性のデータは、顔料表面上の固定化樹脂としてホスフェート樹脂を用い、該固定化樹脂と結合する分散剤3のような共分散剤と共に使用することが、水性塗料系におけるトランスオキシドの性能を著しく改善したことを示す。
【0077】
本発明の真意および範囲から離れることのない、本発明の組成物における種々の変更、修正、成分の追加または置換は、当業者にとっては明らかであろう。本発明は、前述の例示的な実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲に規定されるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は水性被覆剤組成物に関し、およびより詳細には改善された透明性および減少した曇り度を有するアクリル共重合体顔料分散剤の相乗作用混合物を用いて形成される透明酸化鉄顔料分散物を含有する水性被覆剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車および貨物自動車の外側仕上げ剤として特に用いられる、高い透明性、魅力的かつ美しい品質を提供する被覆剤組成物中における透明酸化鉄顔料の使用は、よく知られている。仕上げに対して高い金属光沢を付与するために必要であるためにアルミニウム片のような金属片顔料を含有する自動車用被覆剤において、高い被膜透明性は特に重要である。高い透明性を有する被膜を得るために、被覆剤組成物中に顔料粒子を完全に解膠させ、かつ均一に分散させなければならない。一般的に共重合体分散剤を用いて安定化される顔料分散剤を用いて、被覆剤組成物中の透明酸化鉄顔料を分散させ、および分散された状態に維持する。そのような顔料分散物を形成するために用いられる共重合体分散剤は当該技術においてよく知られており、および典型的には、顔料表面に吸引される顔料吸着セグメントと周囲の溶剤媒質中へと伸びて凝集に対する顔料粒子のエントロピー的探偵かまたは立体的安定化を与え、かつ該顔料を分散させたままにする安定化セグメントとを有する、ランダム、ブロックおよびグラフト共重合体を含む。
【0003】
溶剤をベースとする被覆剤組成物に対する透明酸化鉄顔料の添加は比較的問題が少ない。しかし、水性組成物においては、透明酸化鉄顔料の安定化は困難な課題である。典型的な水性被覆剤組成物においては、ラテックス、他の顔料、電解質などのような他の微粒子材料が酸化鉄表面を競争し、および該顔料表面から分散性ポリマーを排除する傾向を有する。その傾向は顔料が凝集することまたは一緒になってクラスター化することをもたらし、および最終被膜における高い透明性および低い曇り度を得るのに必要な顔料の安定性を危うくする。
【0004】
したがって、水性系における透明酸化鉄の安定化は、少なくとも部分的には、顔料表面に対して分散性ポリマーを有利に結合させておく能力に依存する。水性被覆剤組成物中の透明酸化鉄顔料を安定化させるのに用いられる現存するポリマー分散性樹脂は、この基準を充分に満たさない。たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとする1993年7月23日にChuに対して発行された米国特許第5,231,131号において教示されるような、顔料表面との相互作用を増大させるための酸基を含有する疎水性吸着セグメントと水溶性のための親水性安定化セグメントとを有するアクリル共重合体を含むそのような樹脂は、非常に良好な貯蔵寿命を有する安定な水性透明酸化鉄顔料の分散物を製造する。しかし該分散物が水性被覆剤組成物に添加されるときには、それらは前述の競争効果による顔料の凝集および相分離を起こす傾向があり、それら水性被覆剤組成物は劣悪な塗料安定性、高い曇り度、高い粘度、および究極的には透明性および色の濃さが減少した被膜をもたらす。
【0005】
たとえば、双方共に参照により本明細書の一部をなすものとする1996年3月26日にAntonelli他に対して発行された米国特許第5,502,113号および1996年6月25日にAntonelli他に対して発行された米国特許第5,530,070号において教示されているように、リン酸化されたアクリル共重合体分散剤もまた当該技術において知られており、およびそれらは、金属片(たとえばアルミニウム片)顔料を含有する水性顔料分散物および被覆剤組成物を形成するのに用いられてきている。これらの分散剤は、水性系において金属片顔料を安定化するのに効果的ではあるが、単独で用いられたときには、透明酸化鉄顔料を安定化するのに充分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、透明酸化鉄顔料を含有する水性被覆剤組成物の性能を改善すること、および詳細には透明酸化鉄顔料表面に対するより大きな親和性を有し、およびより効果的な顔料の安定化を提供し、ならびに究極的にはそれから形成される被膜の透明性を改善しかつ溶剤を有する系の性能に接近する分散性樹脂を含有する該水性被覆剤組成物中での使用のための新規顔料分散物を見いだすことに対する要求が存在する。
【0007】
本発明は、伝統的な透明酸化鉄用分散剤と組み合わせられる補助的分散剤としてのリン酸化されたアクリル共重合体分散剤を用いて、透明酸化鉄顔料を含有する水性被覆剤組成物の透明性を改善するための方法を教示する。また、本発明は、アルキルアミノ基を有する共重合体分散剤のために固定部位を提供する固定ポリマーとして補助的リン酸化分散剤を用いて、顔料表面に対するポリマー分散剤のより強力な吸着およびより被膜の高い透明性の発生点を提供する方法を教示する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(a)水性分散媒と;
(b)親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中の酸基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤(i)と、
親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のホスフェート基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤(ii)と、
必要に応じて、親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のアルキルアミノ基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤(iii)とから実質的に構成されるアクリル共重合体分散剤の相乗作用混合物と;
(c)前記混合物(b)によって安定化される透明酸化鉄顔料粒子と
(d)皮膜形成性ポリマー結合剤と;
(e)該結合剤用の架橋剤と
を含有する改善された水性被覆剤組成物に関する。ここで、該顔料と該分散剤とは、約0.1/1から1/1の分散剤(i)対顔料の重量比(D/P)、約0.05/1から0.33/1の分散剤(ii)対顔料の重量比(D/P)、および存在する場合には、約0.05/1から0.2/1の分散剤(iii)対顔料の重量比(D/P)において存在する。
【0009】
前述のアクリル共重合体分散剤を有する顔料分散物および該分散物を形成するための方法もまた、本発明の一部である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の新規被覆剤組成物は、皮膜形成性ポリマー結合剤と、架橋剤と、明記された共重合体分散剤の混合物とを含む10〜70質量%の皮膜形成性ポリマー成分、および対応する量の70〜90質量%の水性ビヒクル(主として水である)を含有する水性ベースの組成物である。該組成物は、透明酸化鉄顔料をも含有する。該顔料は、水性顔料分散物の形態において被覆剤組成物中に導入される。該被覆剤組成物は、明記された量の分散剤の明記された混合物を用いて、長期間にわたり、および本明細書中で最も注目に値する被覆剤組成物中に添加された後に、該分散物中の顔料を安定化し、かつ解膠させたままに維持する。結果として、新規被覆剤組成物は、安定かつ非凝集すなわち非塊状化状態であり、および優れた透明性を有する。
【0011】
いかなる具体的な理論とも結びつけられないが、組成物中に用いられるリン酸化されたアクリル共重合体分散剤は、酸化鉄の表面に対してより大きな親和性を有すると考えている。そして、伝統的な透明酸化鉄の分散剤と共に補助分散剤として用いられる際に、それは、リン酸化された分散剤に通常関連する負の副次的効果(分散物の粘度の望まれない増大のようなもの)を伴うことなしに、水性被覆剤中の透明酸化鉄顔料の総体的な分散物安定性を改善する。酸化鉄表面に対するそのより強い吸着に基づいて、リン酸化されたアクリル共重合体はアルキルアミノ基を有する追加の共重合体分散剤のための固定部位をも提供し、該アルキルアミノ基は固定リン酸化ポリマー上の官能基と結合する。この相乗作用は、顔料表面に対するポリマー分散剤のより強力な吸着の発生点を与え、それは水性被覆剤のさらなる安定化をもたらす。
【0012】
本発明の別の利点は、該組成物中に用いられる共重合体分散剤は、一般的に互いに、および同様に水性被覆剤組成物中に慣用的に用いられるポリマー皮膜形成性結合剤に対して適合性であり、および特に水性被覆剤中に用いられるアクリルポリマーと適合性であることである。被覆剤組成物の硬化時に、共重合体分散剤は好ましくは、被覆剤組成物の他の皮膜形成性成分と反応し、および被膜の一部となるヒドロキシル基のような官能基を含有し、および該官能基が被膜中の未反応成分であった場合に発生する可能性がある屋外暴露時の被膜の劣化を起こさない。また、分散剤の組合せは、カラースタイリングにおけるより良好な美観に加えて、水性塗料対溶剤性塗料の良好な整合性をも可能にする。
【0013】
本発明の被覆剤組成物は、皮膜形成性結合剤(典型的にはアクリルポリマー)と、保護されたポリイソシアネートまたはアルキル化されたメラミンのような硬化剤とを含有する。これらの材料は、自動車用仕上げ剤として所望される優れた被膜特性を提供する。本明細書中で明記された分散剤の組合せを用いる透明酸化鉄顔料分散物を含有する、自動車および貨物自動車において現在用いられている慣用のベースコート/クリアコート仕上げの水性ベースコートは、透明酸化鉄の慣用の共重合体分散剤を用いるベースコートに比べて、著しく改善された透明性および著しく少ない曇り度を有する。
【0014】
より具体的には、本発明における使用のために選択される分散剤混合物は、i)疎水性吸着部分中に酸基を有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤と、ii)疎水性吸着部分中にホスフェート基を有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤と、必要に応じてiii)疎水性部分中に好ましくはアリール基と共にアルキルアミノ基を含有する少なくとも1つの付随的アクリル共重合体分散剤とから本質的に構成される。
【0015】
本発明において用いられるアクリル共重合体分散剤は、事実上、水分散性である。したがって、それら各々は、顔料表面と相互作用する少なくとも1つの疎水性顔料吸着セグメントと、水性分散媒中に可溶性の少なくとも1つの親水性安定化セグメントとを含む。いかなる特定の理論とも結びつけられないが、該吸着セグメントは、部分的には、顔料表面に共重合体分散剤を付着させるために機能し、一方、安定化セグメントは、部分的には、凝集に対する顔料粒子の立体的安定化を与え、および顔料を水性媒体中に分散させたまま維持するために機能すると考えている。
【0016】
アクリル共重合体のそれぞれの中の吸着セグメントおよび安定化セグメントの位置は、該アクリル共重合体分散剤の構造に依存して変化してもよい。本発明のアクリル共重合体分散剤は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体であってもよい。本発明に用いられるブロック共重合体は、たとえば、AB、ABAまたはABC構造を有してもよい。A、BまたはCの少なくとも1つのブロックは、吸着セグメントでなければならない。A、BまたはCの少なくとも1つのブロックは、安定化セグメントでなければならない。また、本発明で用いられるブロック共重合体は、追加の第3のセグメントを含んでもよい。本発明で用いられるグラフト共重合体は、主鎖セグメントと、該主鎖上にグラフトされる少なくとも1つの側鎖セグメント(好ましくはマクロモノマーである)を有する。主鎖セグメントまたは側鎖セグメントのいずれかは、吸着セグメントでなければならない。主鎖セグメントまたは側鎖セグメントのいずれかは、安定化セグメントでなければならない。好ましくは、主鎖セグメントが吸着セグメントであり、および側鎖セグメントが安定化セグメントである。本発明において用いられるランダム共重合体は、ポリマー分散剤鎖中にランダムに配置される吸着セグメントおよび安定化セグメントの両方を有する。
【0017】
前述の分散剤の各々の吸着セグメントは、安定化セグメントに比較して疎水性であり、および、以後記載するようにアルキル(メタ)アクリレート、環状脂肪族(メタ)アクリレート、およびアリール(メタ)アクリレートのようなエチレン性不飽和疎水性モノマーの重合物から主として構成される。術語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートエステル類およびメタクリレートエステル類の両方を意味する。好ましくは、吸着セグメントは、共重合体の全重量に基づいて約1〜20質量%、好ましくは約1〜10質量%の非疎水性エチレン性不飽和モノマーの重合物をさらに含有する。該非疎水性エチレン性不飽和モノマーの重合物に対しては、前述の分散剤のいずれのものが所望されているかに依存して、酸基、ホスフェート基、またはアルキルアミノ固定化基のいずれかが結合している。
【0018】
吸着セグメント中に酸官能基を導入するのに用いることができるモノマーの例は、アクリル酸およびメタクリル酸のようなエチレン性不飽和カルボン酸を含む。用いることができる他のカルボン酸は、イタコン酸、マレイン酸などを含む。また、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸およびそのエステル類などのような、エチレン性不飽和スルホン酸、スルフィン酸、リン酸、またはホスホン酸およびそれらのエステル類も用いることができる。酸官能基を含有するモノマーは、部分的には、その表面に塩基性基を有する酸化鉄顔料に対して結合する該モノマーの理論的能力によって選択される。酸化鉄表面は複雑である。通常、該表面上には、塩基性基に加えて広範な種類の官能基が存在する。
【0019】
グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのようなエチレン性不飽和グリシジル含有モノマー類を吸着セグメント中に共重合させ反応性グリシジル基を提供すること、および引き続いて該グリシジル基をリン酸または五酸化リンと反応させて側部(pendant)のホスフェート基を有する共重合体を提供することによって、ホスフェート基を吸着セグメント中に導入することができる。ホスフェート官能基を有するモノマーは、部分的には、水性環境において透明酸化鉄顔料と不可逆的に結合するそれらの理論的能力によって選択される。
【0020】
吸着セグメント中にアルキルアミノ官能基を導入するのに用いることができるモノマーの例は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジプロピルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチルメタクリレートのような、アルキル基中に1から4炭素原子を有するアルキルアミノアルキルメタクリレートモノマーを含む。
【0021】
また、前述の固定化基の全てを共重合体の疎水性部分に組み込む必要はなく、同様に親水性部分にも組み込むことができる。
【0022】
吸着セグメントの残部を形成するのに用いることができる疎水性モノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等およびそれらの任意の混合物のような、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレート類を含む。同様に、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、イソブチルシクロヘキシルメタクリレートなどのような環状脂肪族(メタ)アクリレート類を使用することもできる。同様に、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートなどのようなアリール(メタ)アクリレート類を用いることもできる。前述の任意のものの混合物もまた使用することができる。用いることができる他の共重合可能なモノマー類は、スチレン、α−メチルスチレン、メタクリルアミド、およびメタクリロニトリルである。
【0023】
本発明において用いられる各々の分散剤の親水性安定化セグメントは、選択される水性分散媒中に可溶性である。それは主としてエチレン性不飽和親水性モノマーの重合物から構成される。アクリル酸およびメタクリル酸および2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸のような酸含有モノマー類を用いることができる。酸含有モノマーのいくつかの有用な例は、前述の酸を含む。また、ポリ(エチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート(200〜4000、好ましくは200〜2000の重量平均分子量)等のようなモノエチレン性不飽和ポリ(アルキレングリコール)モノマー類のような非イオン性親水性モノマーを用いて、安定化セグメントを形成することもできる。前述のモノマーに加えて、選択される水性加工媒体中での安定化部分の溶解性特性を激しく変化させない濃度において疎水性モノマー類が用いられることを条件として、安定化セグメントの重量に基づいて40質量%までの他の一般的に用いられる疎水性モノマー類を、安定化部分中に共重合させることができる。いくつかの有用な例は、前述のアルキル(メタ)アクリレートを含む。
【0024】
本発明において用いられる各々の分散剤の安定化セグメントまたは吸着セグメントのいずれかあるいは両方、好ましくは安定化セグメントは、共重合体の重量を基準として30質量%までの官能基を有するエチレン性不飽和親水性モノマー類を含有してもよい。それらエチレン性不飽和親水性モノマー類は、被覆剤組成物中に存在する皮膜形成性成分と反応し、そして該分散剤がネットワーク構造の恒久的部分となることを可能にする。適当なモノマー類は、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のような、アルキル基中に1から4炭素原子を有する親水性ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートを含む。
【0025】
本発明で用いられるアクリル共重合体分散剤は、約4000から約25000(好ましくは約5000から約20000)の数平均分子量を有する。吸着セグメントは、典型的には約2000から約10000(好ましくは約4000から約7000)の数平均分子量を有する。安定化セグメントは、典型的には約2000から約15000(好ましくは約4000から約7000)の数平均分子量を有する。本明細書中に記載される全ての分子量は、ポリスチレン標準を用いるGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によって測定される。吸着セグメントは、典型的にはポリマーの約20〜80質量%を構成し、および対応して、安定化セグメントは、典型的にはポリマーの約80〜20質量%を構成する。
【0026】
前述の分散剤を、特定の構造のために発明された種々のよく知られている溶液重合技術により調製してもよい。そのような重合技術は、たとえば、米国特許第4,656,226号に報告されているGTP(グループトランスファー重合)法、米国特許第4,656,226号に報告されている標準的なアニオンまたはラジカル重合法、または米国特許第5,231,131号に報告されているSCT(特殊連鎖移動)法であってもよい(全ての引用文献は参照により本明細書の一部をなすものとする)。GTP法は、ブロック共重合体を形成するのに伝統的に用いられている。この方法を用いる際には、いずれの酸またはヒドロキシル含有モノマーも保護して重合中の副反応を防止することが一般的に推奨される。重合に続いて、酸またはヒドロキシル基は、アルコールまたは水との反応によって脱保護される。SCT法は、グラフト共重合体のマクロモノマー部分を形成するのに伝統的に用いられている。他の手段によって、マクロモノマーを供給することも可能である。標準的なアニオン重合が、ランダム共重合体を形成するのにしばしば用いられる。
【0027】
前述の共重合体の各々が形成された後に、典型的には、該共重合体に対してアミンまたは水酸化アンモニウムのような無機塩基を添加して、非反応すなわち残余の酸成分を中和し、および該共重合体をより容易に水性媒質中に分散可能にする。第1級および第2級アミンを用いることができる。1つの好ましいアミンは、2−アミノメチルプロパノールである。これら上記の中和剤は、典型的には、以下に記載される顔料分散プロセス中に添加される。
【0028】
顔料分散物を形成するためには、通例の水溶性有機溶媒または配合物中の明記された共重合体に対して透明酸化鉄顔料を添加し、引き続いてアミンまたは無機塩基の添加を行って該共重合体を中和し、そして次に水を添加して水性分散物を形成する。高速混合、ボールミル磨砕、砂磨砕、アトリッター磨砕、または2本もしくは3本ロールミル磨砕のような慣用の混合を用いて分散物を形成する。一般的に、混合を約5〜150分間にわたって実施して、周囲温度においてブルックフィールド粘度計によって測定される5および100rpmにおける約100〜1000センチポワズ(0.100〜1.000Pa.s)、および好ましくは約100〜500センチポワズ(0.100〜0.500Pa.s)の低い剪断粘度を有する分散物を形成する。
【0029】
そのように形成される顔料分散物は、約10〜30質量%の顔料および分散剤と、対応して約90〜70質量%の水性ビヒクルとを含有し、および約0.1/1から1/1の全分散剤対顔料の重量比(D/P)を有する。酸含有分散剤(i)対顔料の重量比(D/P)は、約0.25/1から0.75/1であり、および好ましくは約0.33/1から0.5/1である。ホスフェート含有分散剤(ii)対顔料の重量比(D/P)は、約0.05/1から0.45/1であり、および好ましくは約0.05/1から0.15/1である。存在する場合、アルキルアミノ含有分散剤(iii)対顔料の重量比(D/P)は、約0.05/1から0.5/1であり、および好ましくは約0.05/1から0.15/1である。全分散剤対顔料の重量比(D/P)は、それぞれの分散剤のD/P寄与率の総計である。被膜特性は、全D/Pが約0.4/1から0.7/1までの範囲内、および優先的には0.6/1が最適であることを示す。
【0030】
種々の色を有する慣用の透明酸化鉄顔料(たとえば、Johnson−Matthey製「AC−1005」(赤色)およびBASF製「L−1916」(黄色))のいずれのものも、顔料分散物を形成するのに用いることができる。本明細書において、透明酸化鉄をトランスオキシドと称する場合がある。そのような顔料は、典型的には0.1μm以下である。アルミニウム片を含有する水性系におけるトランスオキシド顔料の使用は、水素ガスの発生を誘起する可能性がある。トランスオキシド顔料は、アルミニウム顔料表面上のリン酸化された不動態化剤樹脂を競争する。分散物処方における、本発明におけるリン酸化された分散性樹脂の使用は、この効果を軽減する。
【0031】
ある状況のもとでは、透明酸化鉄顔料を含有しないが、分散剤分子内のホスフェート基に対して親和性を有する、塗料中(特に水性塗料中)に用いられる顔料(種々の色を有する不透明酸化鉄、および二酸化チタン、酸化亜鉛などのような他の金属酸化物のようなもの)を含有する分散剤混合物を用いて顔料分散物を形成することが望ましい可能性がある。
【0032】
本発明の被覆剤組成物は、顔料分散物に加えて、水性媒質中に、好ましくはアクリルベースのポリマーの結合剤と、メラミン架橋剤、ポリイソシアネート架橋剤または保護されたポリイソシアネート架橋剤のような架橋剤とを含有する。アクリル共重合体は、安定な溶液または分散物を形成する。また、これら水性被覆剤組成物は、約10〜70質量%、より典型的には15〜50質量%の結合剤と、約30〜90質量%、より典型的には50〜85質量%の液体ビヒクルを含有し、該液体ビヒクルは、水単独であるか、あるいは主として水と通例の水溶性有機溶媒または配合物との混合物である。適当な被覆剤組成物は、通常の塗料配合技術に従う他の有用な成分を配合することにより調製される。
【0033】
アクリルベースのポリマー結合剤は、典型的には、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートと、アルキル基中に1〜4炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、メタクリル酸もしくはアクリル酸との重合体であり、および5000〜30000の数平均分子量を有し、および水酸化アンモニウムまたはアミンで中和されて水溶液または水性分散物を形成する。前述のアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いて、これらのポリマーを構築することができる。
【0034】
約60〜180℃の高温ベーキング温度のもとで約5〜60分間で架橋する被覆剤組成物を形成するために、結合剤の重量を基準として約10から50質量%、好ましくは15から30質量%のアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド架橋剤(該アルキル化される基中に1〜4炭素原子を有する)が好ましい。
【0035】
これらの架橋剤は、一般的には部分的または完全にアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド化合物であり、および前述のようにモノマー性であってもポリマー性であってもよい。架橋剤として保護されたポリイソシアネートを用いることもできる。
【0036】
メラミン架橋剤を含有する被覆剤組成物は、結合剤の重量を基準として約0.1から1.0質量%の強酸触媒またはその塩を含有して、硬化温度および時間を減少させることができる。パラトルエンスルホン酸またはそのアンモニウム塩のような芳香族スルホン酸類が好ましい触媒である。用いることができる他の触媒は、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸、およびこれらの酸のアミンまたはアンモニウム塩である。
【0037】
適合性であるアクリロウレタン類、ポリエステル類およびポリエステルウレタン類、ポリエーテル類およびポリエーテルウレタン類のような、他の皮膜形成性ポリマーをこれら被覆剤組成物中に用いることもできる。架橋剤としてポリイソシアネートを用いて、周囲温度において硬化する被覆剤組成物を提供してもよい。
【0038】
加えて、本発明の被覆剤組成物は、顔料、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、および流れ制御剤のような種々の他の任意選択の成分を含有してもよい。
【0039】
新規被覆剤組成物の仕上の耐候性を改善するために、紫外光安定化剤または紫外光安定剤の組合せを、結合剤の重量を基準として約0.1〜5質量%の量で添加することができる。該安定剤は、たとえば顔料分散物に添加してもよいし、あるいは被覆剤組成物に直接添加してもよい。そのような安定化剤は、紫外光吸収剤、遮蔽剤、消光剤、および特定のヒンダードアミン光安定化剤を含む。また、酸化防止剤を、結合剤の重量を基準として0.1〜5質量%の量で添加することもできる。
【0040】
有用である典型的な紫外光吸収剤は、ベンゾフェノン類、トリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、ヒンダードアミン類およびそれらの混合物を含む。紫外光吸収剤の具体的な例は米国特許第4,591,533号に記載されており、その全開示は参照により本明細書の一部をなすものとする。
【0041】
また、そのような被覆剤組成物は、たとえば「Resiflow」S(ポリブチルアクリレート)、BYK320および325(高分子量ポリアクリレート類)のような流れ制御剤、ヒュームドシリカのようなレオロジー制御剤、Rohm & Haas製Acrysol(登録商標)共重合体のような増粘剤のような慣用の配合添加剤を含んでもよい。
【0042】
透明酸化鉄顔料とは別に、本発明の被覆剤組成物は、塗料中(特に水性塗料中)に用いられる他の慣用の顔料を含むこともできる。該慣用の顔料は、アルミニウム片、ブロンズ、ニッケルステンレス鋼片などのような金属片、被覆された雲母片(カーボンブラックに加えて、二酸化チタンなどで被覆された雲母片のようなもの)のような真珠箔顔料、タルク、カオリン、バライト、炭酸塩類、ケイ酸塩類のような充填材顔料、二酸化チタン、種々の色を有する不透明酸化鉄、および酸化亜鉛のような金属酸化物、カーボンブラック、およびキナクリドン類、フタロシアニン類、ペリレン類、アゾ顔料類、インダントロン類、カルバゾールバイオレットのようなカルバゾール類、イソインドリノン類、イソインドロン類、チオインジゴレッド類、ベンズイミダゾリノン類などのような広範な種類の有機顔料のようなものである。アルミニウム片のような金属片が好ましい。これらの顔料は、慣用の分散剤により、かつ必ずしも前述の組合せによらずに安定化された水性分散物として提供されてもよい。
【0043】
本発明の被覆剤組成物は、単一被膜として用いてもよいし、あるいはその上にクリアコートを付着してカラーコート/クリアコート仕上げを提供する着色されたカラーコートまたはベースコートにおいて用いてもよい。
【0044】
本発明の被覆剤組成物は、あらかじめ彩色された基板、下塗りされた基板、冷間圧延鋼、リン酸塩処理鋼、および慣用の電着下塗り剤で被覆された鋼のような、種々の金属基板または非金属基板に対して優れた接着力を有する。これら被覆剤組成物は、ポリエステルで補強されたガラス繊維、反応射出成形されたウレタン類、および部分的に結晶性のポリアミド類のようなプラスチック基板を被覆するのに用いることができる。特に、本発明のベースコートまたはカラーコート組成物は、改善された透明性および減少した曇り度および改善された塗料安定性を提供し、それら特性は、自動車および貨物自動車に用いられる被覆剤として非常に重要な特性である。
【0045】
本発明の被覆剤組成物は、吹付、静電吹付、浸漬、刷毛塗り、フローコーチングなどのような慣用の技術によって付着することができる。好ましい技術は、吹付および静電吹付である。OEM用途においては、典型的には、該組成物は100〜150℃において約15〜30分間にわたってベークされて、厚さ約0.1〜3.0ミル(25〜75μm)の被膜を形成する。該組成物がクリアコートとして用いられるときには、該組成物は、不粘着状態まで乾燥されてもよく、あるいはクリアコートが付着される前に短い時間にわたって硬化または好ましくはフラッシュ乾燥されてもよいカラーコート上に付着される。次にカラーコート/クリアコート仕上げは前述のようにベークされて、乾燥かつ硬化された仕上げを提供する。当業者によって容易に認識されるように、本発明は、非ベークの塗り替え(refinish)系にもまた適用可能である。
【0046】
「ウェットオンウェット」付着を用いて、ベースコート上に透明なトップコートを付着すること、すなわち、ベースコートを硬化または完全に乾燥させることなしにベースコート上にクリアコートを付着することは通例のことである。次に被覆された基板はあらかじめ定められた時間にわたって加熱されて、ベースコートおよびクリアコートの同時の硬化をさせられる。
【0047】
以下の実施例は、本発明を説明する。特に記載のない限り、全ての部、比、およびパーセントは重量基準である。本明細書中に開示される全ての分子量は、ポリスチレン標準を用いるGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定される。
【0048】
【実施例】
ポリマー分散剤を調製し、そして顔料分散物中に配合し、そしてその顔料分散物を透明被覆剤組成物中に配合した。
【0049】
ポリマー分散剤1
ポリマー分散剤1は、37.5/50.2/5.1/5.1/2.1の重量比のメチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)および2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸から構成される顔料吸着セグメント中に酸官能基を含有し、20000の数平均分子量を有し、2の多分散性を有するランダムアクリル共重合体の例である。該ポリマーを、参照により本明細書の一部をなすものとする米国特許第4,656,226号に記載されるような標準的アニオン重合方法を用いて作製した。ポリマー溶液を2−アミノメチルプロパノールを用いて中和し、および使用の前に、脱イオン水およびイソプロパノールを用いて50%の固形分含有率まで希釈した。
【0050】
ポリマー分散剤2
ポリマー分散剤2は、顔料吸着性主鎖セグメント中にホスフェート官能基を含有し、および標準的フリーラジカル重合のアプローチを用いて調製されるリン酸化されたグラフト共重合体の例である。得られるリン酸化されたグラフト共重合体は以下の組成を有した。
[60]NBA/MA/リン酸化GMA(45.5/45.5/9)//[40] Biscomer 20W
グラフトポリマーの安定化アームとしてマクロモノマーBiscomer 20Wを用いて、リン酸化された重合体を調製した。この材料(Biscomer 20W)は、ISCから購入されるポリ(エチレングリコールモノメタクリレート)のマクロモノマーである。Biscomer 20Wは、2000の分子量(MW)を有する非イオン性であり、およびポリマーに対して水溶性官能基を提供する。他の構成成分と共に、Biscomer 20Wマクロモノマーを容器内で反応させて、マクロ分枝された(macro branched)グラフト共重合体を形成した。
【0051】
グラフト共重合体を、攪拌機、熱電対、冷却器、および窒素ブランケットを取り付けた反応器に投入すること、および加熱して還流することによって形成した。反応器に対して、n−ブチルアクリレート(NBA)、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルアクリレート(MA)およびBiscomer 20Wマクロモノマーの主鎖モノマーを、溶媒であるイソプロパノールと共に添加した。メチルエチルケトンおよびイソプロパノールの溶液中に溶解された開始剤、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(DuPont Co. (Wilmington, DE)製のVazo(登録商標)52)を供給することにより、重合反応を開始した。リン酸化は、リン酸(H3PO4)を用いるグリシジルメタクリレートのエポキシ基のエステル化により実施した。
【0052】
得られるリン酸化されたアクリルグラフト共重合体は、99%転化率に達した。その固形分は、水/イソプロパノール溶液中45%であった。該ポリマーの分子量を、GPCを用いて得た。カラムに注入する前に、該ポリマーをメチル化した。GPCは、4577の数平均分子量と2.64の多分散性とを示した。
【0053】
ポリマー分散剤3
ポリマー分散剤3は、吸着セグメント中にベンジル官能基およびアルキルアミノ官能基を含有し、およびGTP方法を用いて調製されるABブロック共重合体の例である。
【0054】
該ABブロック共重合体は、かき混ぜ機、冷却器、加熱マントル、窒素吸気口、熱電対および添加口を取り付けた5リットルのフラスコに対して、1600gのテトラヒドロフランと3.8gのp−キシレンとを投入し、引き続いて触媒(m−クロロ安息香酸テトラブチルアンモニウム)の1.0Mアセトニトリル溶液0.6mLを投入した。そのフラスコに対して、開始剤(1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロパン)の0.140M溶液32.5gを注入した。m−クロロ安息香酸テトラブチルアンモニウムの1.0Mアセトニトリル溶液0.6mLから成る供給Iを開始し、および200分かけて添加した。265.0g(1.67モル)のトリメチルシリルメタクリレート、298.0g(2.10モル)のブチルメタクリレート、140.0g(1.40モル)のメチルメタクリレート、および141.0g(0.70モル)のトリメチルシロキシエチルメタクリレートから成る供給IIを、0.0分において開始し、および45分の期間をかけて添加した。供給IIが完了した100分後に、99%超のモノマーが反応した。616.0g(3.46モル)のベンジルメタクリレートおよび154.0g(0.98モル)のジメチルアミノエチルメタクリレートから成る供給IIIを開始し、および30分間かけて添加した。400分の後、得られる反応混合物に対して150gのメタノールを添加して反応を停止し、そしてヒドロキシおよび酸モノマーを脱保護し、そして溶媒の蒸留を開始した。蒸留の第1段階の間に、400.0gの溶媒を除去した。100gのメタノールを添加し、そしてさらなる200.0gの溶媒を留去した。
【0055】
得られるポリマー溶液は50%の固形分含有率を有し、およびポリマーは以下の組成を有した:25/7//15/10/5/12のモノマー比のベンジルメタクリレート(BZMA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEAMA)//BMA/MMA/ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/メタクリル酸(MAA)。該ポリマーは、9400の数平均分子量と1.1の多分散性とを有した。使用の前に、脱イオン水およびイソプロピルアルコールの1:1混合物を用いてポリマー溶液を30%の固形分含有率まで希釈した。
【0056】
顔料分散物の特性の評価
顔料分散物のサンプルを、以下の手順によって調製した。Temple C. PattonのPaint Flow and Pigment Dispersion、439〜441頁(Wiley Interscience Publication, 1979)に記載されている標準01アトリッターを用いて、実験室磨砕を行った。それぞれの磨砕には400gの実験分散物を装填し、および粉砕を850gの0.8〜1.0mm高密度ジルコニア媒体を用いて実施した。それぞれのアトリッターにおいて、500rpmのスピンドル攪拌において合計24時間にわたって粉砕を行い、適切な粉砕が達成されることを確実にした。
【0057】
実験計画中に、1つの対照標準を含んだ。対照標準は、現行の透明酸化鉄用分散剤(ポリマー分散剤1)を用いて作製された分散物であり、それは現行の技術に関する基点を与える。残りの実験は、改善された分散物および塗料性能を与えるホスフェート分散剤の最適レベルを決定した。
【0058】
赤色および黄色透明酸化鉄(「トランスオキシド」)分散物配合物(Ex)それぞれは、以下の組成を有した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
分散物CEx.1が対照標準である。
分散物Ex.2は、黄色トランスオキシド顔料(BASF、L−1916)に関してのみ作製した。赤色トランスオキシド顔料はJohnson MattheyのAC−1005であった。ポリマー分散剤1の樹脂固形分は50%であり、ポリマー分散剤2の樹脂固形分は45%であり、およびポリマー分散剤3の樹脂固形分は30%である。顔料に対して適用されるそれぞれの分散剤の量を、分散剤対顔料の重量比であるD/Pとして報告する。
【0062】
結果
実験結果を、表4、表5、表6および表7に示す。15.00%の分散顔料装填量を、01アトリッター磨砕物の間の規定された適切なスクリーニングに用いた。それぞれの磨砕物の分析および対照標準との比較において、用いた重要製品特性は、(i)分散物粘度、(ii)分散物の曇り度および透明度、および(iii)塗料への漸次添加物(letdown)の曇り度/透明度および安定性を含んだ。
【0063】
分散物の所望される属性は、(i)顔料の高い装填量、(ii)低粘度、および(iii)低い曇り度および高い透明性を含む。分散物の粘度を、標準のブルックフィールド粘度計を用い、低剪断(5rpm)およびより高い剪断(100rpm)において測定する。分散物の曇り度および透明度を、Mylor上への展色およびHunter Colorquest Instrumentを用いて該パネルを読みとることを用いて測定した。
【0064】
良好な分散物は、良好な塗料を作製するために、必要であるが十分な条件ではない。良好な分散物は、水性塗料系において用いられるときに、良好に作用し、かつ所望される美観を提供しなければならない。この評価をするために、それぞれの分散物を平衡(balanced)透明塗料配合物中に攪拌しながら漸次添加した。用いた平衡透明塗料配合物BC−1は、以下の組成を有した。
【0065】
【表3】
【0066】
20グラムの平衡透明塗料配合物BC−1に対して6gの分散物を添加し、徹底的に混合し、そして#20WWR(ワイヤを巻き付けた棒)を用いて該塗料をMylarフィルム上に展色することにより、塗料の評価を実施した。該フィルムが乾燥した後に、#20WWR(ワイヤを巻き付けた棒)を用いてフィルム上にクリアコートを付着した。そのサンプルを華氏250度(約121℃)において30分間にわたってオーブン硬化させた。冷却の後に、Hunter ColorQuestを用いて、曇り度および透明度を測定した。分散物を攪拌しながら漸次添加することおよび曇り度/透明度測定の手順は、DuPont Co. (Wilmington, DE)のProcedure TM−0501Aにより詳細に記載されている。
【0067】
黄色トランスオキシドの結果
黄色トランスオキシド顔料BASF L−1916の結果を表4に示す。分散物中のホスフェート樹脂の関数であるBC−1における塗料への漸次添加物の曇り度は、ホスフェート樹脂を含有しない対照標準の曇り度が最も高い漸次添加物の曇り度(14.43%)を有することを示す。D/P=0.075から最大D/P=0.45までの追加のホスフェート樹脂を有し、D/P=0.50の標準的トランスオキシド用分散剤を有するEx.2からEx.5までの磨砕物は、D/P=0.075のホスフェート樹脂を有するEx.2が最も低い漸次添加物の曇り度を有し、ホスフェート樹脂の濃度が増加するのに伴って曇り度がわずかに増大することを示す。また、本評価結果は、ホスフェート樹脂レベルが増加するのに伴って、分散物粘度が急速に増大することを示す。それらの結果に基づき、漸次添加物の分散物中の0.075と0.15との間のホスフェート樹脂(ポリマー分散剤2)の装填量が、曇り度および分散物粘度に基づいて最適であるように見える。
【0068】
赤色トランスオキシドの結果
赤色トランスオキシド顔料Johnson MattheyのAC−1005に関して同等の組の分散物磨砕を実施した。これらの結果は、同様に、ホスフェートレベルの増加に伴う分散物粘度の増大という同一の傾向を示す。分散物は、BC−1中に攪拌しながら漸次添加した。
【0069】
表5の結果は、ホスフェート樹脂を含有しない対照標準であるCEx.1が、最も高い漸次添加物の曇り度を有したことを示す。漸次添加物の曇り度は、ホスフェートレベルの増加に伴う同一の緩やかな増大を示す。分散物粘度は、ホスフェートレベルの増加に伴う同一の速やかな増大を示す。5.0%未満のホスフェートレベルを用いる磨砕は行わなかった。5.0%未満であってもよい最適レベルを確立するためには、さらなる最適化磨砕物が必要である。
【0070】
漸次添加物の曇り度を減少することに加えて、重要な製品特性は、漸次添加物のの粘度および透明度安定性である。また、塗料は、実際に顧客に使用される前に数週間または数ヶ月にわたって放置される可能性があるので、これは重要な考慮の対象である。したがって、塗料安定性の状態は、相分離に起因する漸次添加物の粘度が増大すること、および時間経過に伴う凝集に起因する曇り度が増大することを調べる。また、これは重要な製品特性であるので、黄色および赤色トランスオキシドを攪拌しながら漸次添加することを試験し、および1および3週間の間をおいて曇り度を再測定した。表6および表7の結果は、良好な塗料安定性を示すいずれのサンプルについても著しい曇り度の増加はなかったことを示す。
【0071】
3分散剤系
赤色および黄色トランスオキシド顔料の両方に関して3分散剤系を評価する最後の実験を実施した。リン酸化された櫛形(グラフト)ポリマーの使用は、塗料における性能を改善したが、しかし、注目すべき分散物粘度の増大を有した。高粘度において、分散物の粉砕が困難となり、および粘着することに起因する収量損失が大きくなる。0.1のD/Pにおけるポリマー分散剤3の使用は、さらなる透明度の利点、および分散物の粘度およびレオロジーを減少させることにおける予期せぬ改善を示した。大処理量のミルにおける大量バッチの粉砕に関して最適な分散物粘度は、5および100rpmにおけるブルックフィールド粘度計にて、約100から500センチポアズ(0.100から0.500Pa・s)である。黄色および赤色トランスオキシドのそれぞれに関して、表4および表5に報告されるこれら最後の実験は、3つの分散剤の組合せを試験する。分散物配合において、現状のトランスオキシド用分散剤(ポリマー分散剤1)を、0.50から0.33のD/Pへと減少させた。リン酸化された櫛形ポリマー(ポリマー分散剤2)を0.15に維持し、およびベンジルおよびアミン官能性ポリマーである第3のポリマー分散剤3を0.10のD/Pの装填量においてさらに導入した。表4および表5の結果は、これらの分散物配合物が、分散物および漸次添加物において最も低い曇り度のみならず、最も低い分散物粘度を有することを示す。これらの結果は、トランスオキシド顔料の表面は複雑であり、および慣用の湿式粉砕方法を用いて最適な安定化を達成することが容易ではないことを示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】
上記の結果はホスフェート化されたグラフト共重合体分散性樹脂が、水性塗料系における赤色および黄色トランスオキシド顔料の両方の安定化を改善することを示す。分散物配合作業は、カラースタイリングの問題点を取り扱うことを補助すべき顔料の装填量は重要であることを示す。また、漸次添加物および塗料安定性のデータは、顔料表面上の固定化樹脂としてホスフェート樹脂を用い、該固定化樹脂と結合する分散剤3のような共分散剤と共に使用することが、水性塗料系におけるトランスオキシドの性能を著しく改善したことを示す。
【0077】
本発明の真意および範囲から離れることのない、本発明の組成物における種々の変更、修正、成分の追加または置換は、当業者にとっては明らかであろう。本発明は、前述の例示的な実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲に規定されるものである。
Claims (12)
- (a)水性分散媒、
(b)(i)親水性安定化セグメントと、疎水性顔料吸着セグメント中のカルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸およびそれらのエステルよりなる群から選ばれた酸基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤、
(ii) 親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のホスフェート基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤、および
(iii) 必要に応じて、親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のアルキルアミノ基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤
から実質的に構成されるアクリル共重合体分散剤の混合物、
(c)前記混合物(b)によって安定化される透明酸化鉄顔料粒子、
(d)皮膜形成性ポリマー結合剤、および
(e)該結合剤用の架橋剤
を含むことを特徴とする水性被覆剤組成物。 - 該顔料と該分散剤とは、
前記分散剤(i)は、前記顔料粒子に対して0.1/1から1/1の重量比(D/P)において存在し、
前記分散剤(ii)は、前記顔料粒子に対して0.05/1から0.33/1の重量比(D/P)において存在し、および
前記分散剤(iii)は、前記顔料粒子に対して0.05/1から0.2/1の重量比(D/P)において存在する
ことを特徴とする請求項1に記載の被覆剤組成物。 - 前記アクリル共重合体分散剤(i)、(ii)および(iii)は、約4000〜25000の数平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の被覆剤組成物。
- 前記組成物は、アルミニウム片顔料をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の被覆剤組成物。
- 前記アクリル共重合体分散剤(i)、(ii)および(iii)は、それらの安定化セグメント中に、硬化時に前記架橋剤と反応するヒドロキシル基を含有することを特徴とする請求項1に記載の被覆剤組成物。
- 前記アクリル共重合体分散剤(ii)は、ポリマー主鎖と該主鎖に結合するマクロモノマー側鎖を有するアクリルグラフト共重合体を含み、
該主鎖は、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーとグリシジル(メタ)アクリレートモノマーの重合物から本質的に構成され、かつ前記グリシジル基はリン酸または五酸化リンと反応させられ、
前記側鎖は、前記主鎖に結合した親水性ポリ(エチレングリコール)モノ(メタ)アクリレートマクロモノマーから本質的に構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の被覆剤組成物。 - 前記アクリル共重合体分散剤(i)は、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、アクリル酸またはメタクリル酸と、アルキル基中に1〜4炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸モノマーとの重合物から本質的に構成されるランダムアクリル共重合体を含むことを特徴とする請求項6に記載の被覆剤組成物。
- 前記アクリル共重合体分散剤(iii)は、アクリル性ABブロック共重合体を含み、
疎水性Aセグメントは、ベンジル(メタ)アクリレートモノマーとアルキル基中に1〜4炭素原子を有するアルキルアミノ(メタ)アクリレートモノマーとから本質的に構成され、および
親水性Bセグメントは、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、アクリル酸またはメタクリル酸と、アルキル基中に1〜4炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーとの重合物から本質的に構成される
ことを特徴とする請求項7に記載の被覆剤組成物。 - 前記架橋剤はアルキル化されたメラミン架橋剤を含み、および前記皮膜形成性結合剤は、アルキル基中に1〜12炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、アルキル基中に1〜4炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、アクリル酸またはメタクリル酸とを含むアクリル重合体であることを特徴とする請求項1に記載の被覆剤組成物。
- 透明酸化鉄顔料と、
親水性安定化セグメントと、疎水性顔料吸着セグメント中のカルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸およびそれらのエステルよりなる群から選ばれた酸基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤、親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のホスフェート基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤、および必要に応じて、親水性安定化セグメントと疎水性顔料吸着セグメント中のアルキルアミノ基とを有する少なくとも1つのアクリル共重合体分散剤とから本質的に構成される共重合体分散剤の混合物
を含むことを特徴とする水性顔料分散物。 - 請求項10に記載の組成物の乾燥および硬化した層により被覆されることを特徴とする基板。
- 該乾燥および硬化した層の上に、被覆剤組成物の透明層が重ねられることを特徴とする請求項11に記載の基板。
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