JP3544885B2 - 論理回路の遅延計算方法、論理回路の遅延計算装置および論理回路の遅延計算プログラムを記録した媒体 - Google Patents

論理回路の遅延計算方法、論理回路の遅延計算装置および論理回路の遅延計算プログラムを記録した媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は論理回路の遅延計算方法、論理回路の遅延計算装置および論理回路の遅延計算プログラムを記録した媒体に関する。特に信号のパスに沿って入力端子から順番に各ゲートに対する入力波形鈍りを求めていかなくてもVLSI回路の遅延時間を高速かつ高精度に計算できる論理回路の遅延計算方法、論理回路の遅延計算装置および論理回路の遅延計算プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
VLSIの開発に、回路の遅延時間を求め、回路が動作するかどうかを検証する工程がある。その回路の遅延時間の計算は、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)での電圧波形の解析で行なえる。
【0003】
しかし、SPICEによる回路の遅延時間の計算方法は、回路全体に対して過渡解析を行なうため、大規模化の進むVLSIに対しては、実用時間内の解析が不可能という問題点がある。
【0004】
上述の問題点を解決する従来の遅延計算方法の一例が、特開平10−199990号公報に記載されており、図11(a)はこの公報に記載されている遅延計算方法の模式図を示している。図11(a)に示した方法では、配線遅延をゲート遅延に足し込んだ形で計算が行なわれている。図11(a)において、図11(b)の回路の遅延時間を求める方法について説明する。まず、図11(a)のステップ901で、第1段ゲート905に対して、回路入力の電圧波形の鈍り908を用いて、ゲート905の遅延時間および次段ゲート906への入力波形鈍り909を下記の(1)式、(2)式を用いて計算する。
(1) tpd=t0+Ksi×S+(Ks0×S+Kcl+Ro)×C0
(2) trf=s0+Ssi×S+(Ss0×S+Scl+R)×C
但し、R,Cは最終ゲートと前段ゲート間の配線負荷抵抗、配線負荷容量で、sは最終ゲートへの入力波形鈍り(即ち前段のtrf)、R0、C0は最終ゲートの出力負荷抵抗、出力負荷容量であり、t0、Ksi、Kso、Kcl、s0、Ssi、Ssiはパラメータである。
【0005】
次にステップ902で、第2段ゲート906に対して、求められた入力波形鈍り909を用いて、上記(1)式、(2)式から、ゲート906の遅延時間および次段ゲートへの入力波形鈍りを計算する。このようにして、順次ゲート毎に求められた入力波形鈍りを用いて、ゲートの遅延時間と次段ゲートへの入力波形鈍りを求めていく。そして、最終ゲート907に至るまでこれを繰り返し、求められた最終ゲート907の入力波形鈍り910を用い、上記(1)式、(2)式から最終ゲート907の遅延時間と出力波形鈍りを求める。
【0006】
以上のように、従来法では 上記(1)式、(2)式を用いて、回路の入力側からパストレースをしながら各ゲートの遅延時間および次段ゲートへの入力波形鈍りを求めることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の遅延計算方法には、以下の問題点がある。
【0008】
第1の問題点としては、順序回路等のループを含む回路に対して一貫した遅延計算が行なえない点である。
【0009】
その理由に関して、図12(a)のような3段のゲートから構成された回路に対して、入力波形鈍り307を入力に与えた場合の計算例で説明する。
【0010】
まず、図12(b)のように回路の入力から与えられた入力波形鈍り307を使用して、第1段ゲート301のゲート遅延326、RCネット304の配線遅延319および次段ゲート302への入力波形鈍り320を求める。
【0011】
次に、図12(c)のように第2段ゲート302に関して遅延計算を行ないたいわけだが、入力波形鈍り328が求まっていないので、前段のゲート303の遅延計算へ移る。
【0012】
図12(d)のように、第3段ゲート303に関しても入力波形鈍り329が求まっていないので、前段のゲート302の遅延計算へ移る。
【0013】
そうすると、図13(e)のように入力波形鈍り328が求まっていない第2段ゲート302の遅延計算へ戻ってしまう。よって、信号が伝播していく順番に入力から出力に対して順次遅延計算を行う従来例ではここで遅延計算がとまってしまう。そこで、このままでは遅延計算が行なえないので、図13(f)のように第3段ゲート303へ任意の入力波形鈍り330を与えて、第2段ゲート302への入力波形鈍り312を求めて、遅延計算を続ける。つまり、信号の伝播する順番に遅延計算を行う遅延計算方法では、この時点で一貫性のない遅延計算を行なうことになる。
【0014】
そして、図13(g)のように、第2段ゲート302に対して、入力波形鈍り312、320を使用して遅延計算を行ない、ゲート遅延325、配線遅延317、次段ゲート303への入力波形鈍り318を求める。
【0015】
最後に、図13(h)のように、第3段ゲート303に対して、入力波形鈍り318を使用して、遅延計算を行ない、ゲート遅延327、配線遅延321、322および出力波形鈍り323、324を求める。
【0016】
以上のように従来例では、回路中にループがある場合、図10(f)のように任意の入力波形鈍り330を使用するといった一貫性のない処理を行なわなくてはならない。任意の入力波形鈍り330を使用した場合には、遅延計算の精度も得られない。
【0017】
第2の問題点としては、遅延計算の処理が遅いことである。その理由は、入力波形鈍りが求まっていないゲートに対しては、遅延計算が行えないため、前段ゲートへの後戻り処理を行なつて波形鈍りを求めなければならず、処理が複雑になるからである。また、前段ゲートの遅延計算を行い出力波形鈍りを求めてからでなければ次段ゲートの遅延計算が行えないため、複数のコンピュータを用いて並列処理により、遅延計算の高速化を行うことも困難である。
【0018】
本発明の目的は、遅延計算を信号の伝播経路の順番に行う必要がなく、順序回路等のループを含んだ回路に対しても一貫性を持った信頼性の高い遅延計算方法、遅延計算装置および遅延計算プログラムを記録した媒体を提供することである。
【0019】
また、本発明の別の目的は、前段ゲートへの後戻り処理を行なわずに、SPICEに近い精度が得られ、かつ高速な遅延計算方法、遅延計算装置および遅延計算プログラムを記録した媒体を提供することである。
【0020】
さらに、別な本発明の目的は、容易に並列処理による高速化を可能とする遅延計算方法、遅延計算装置および遅延計算プログラムを記録した媒体を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の論理回路の遅延計算方法はコンピュータによって論理回路の遅延を計算する方法であって、
複数のゲートと前記複数のゲートをそれぞれ接続する複数の配線とを含む論理回路を、可変電圧源と抵抗からなるゲートとそのゲートに接続されRCネットとなる配線とを単位とする複数の単位回路に分割する第1のステップと、
前記単位回路毎に固定入力波形鈍りを与えたときの出力遅延を仮出力波形鈍りとして求める第2のステップと、
前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続させる単位回路の前記仮出力波形鈍りを仮入力波形鈍りとして与えたときの出力遅延を当該単位回路の出力波形鈍りとして求める第3のステップと、
前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続される単位回路の前記出力波形鈍りを入力波形鈍りとして与え当該単位回路の伝播遅延時間を求める第4のステップとを含み、
前記第2乃至第4のステップにおいて前記複数の単位回路について同時に並行して処理されることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の論理回路の遅延計算装置は、複数のゲートと前記複数のゲートをそれぞれ接続する複数の配線とを含む論理回路を、可変電圧源と抵抗からなるゲートとそのゲートに接続されRCネットとなる配線とを単位とする複数の単位回路に分割する回路分割手段と、
前記単位回路毎に固定入力波形鈍りを与えたときの出力遅延を仮出力波形鈍りとして求める単位回路仮出力波形鈍り算出手段と、
前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続させる単位回路の前記仮出力波形鈍りを仮入力波形鈍りとして与えたときの出力遅延を当該単位回路の出力波形鈍りとして求める単位回路出力鈍り算出手段と、
前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続される単位回路の前記出力波形鈍りを入力波形鈍りとして与え当該単位回路の伝播遅延時間を求める単位回路伝播遅延時間算出手段とを含み、前記複数の単位回路について前記仮出力鈍り、出力波形鈍り及び伝播遅延時間が夫々同時に並行して算出されることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明の論理回路の遅延計算プログラムを記録した記録媒体は、コンピュータに論理回路の遅延計算を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
複数のゲートと前記複数のゲートをそれぞれ接続する複数の配線とを含む論理回路を、可変電圧源と抵抗からなるゲートとそのゲートに接続されRCネットとなる配線とを単位とする複数の単位回路に分割する第1のステップと、
前記単位回路毎に固定入力波形鈍りを与えたときの出力遅延を仮出力波形鈍りとして求める第2のステップと、
前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続させる単位回路の前記仮出力波形鈍りを仮入力波形鈍りとして与えたときの出力遅延を当該単位回路の出力波形鈍りとして求める第3のステップと、
前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続される単位回路の前記出力波形鈍りを入力波形鈍りとして与え当該単位回路の伝播遅延時間を求める第4のステップとを含み、前記第2乃至第4のステップにおいて前記複数の単位回路について同時に並行して処理されることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、ハードディスク等のファイルの入力装置11と、プログラム制御により動作するデータ処理装置12と、情報を記憶する記憶装置13と、ディスプレイ装置、ファイル装置などの出力装置14とを含む。
【0025】
記憶装置13は、ゲート・RCネット記憶装置131と仮の入力波形鈍り記憶装置132と入力波形鈍り記憶装置133とを備えている。ゲート・RCネット記憶装置131は、入力された回路の情報であるゲート、RCネットを記憶する。なお、入力端子または出力端子とゲートとの間、またはゲートとゲートとの間を接続する配線は、抵抗と容量からなるRCネットとして取り扱われる。仮の入力波形鈍り記憶装置132は、π型ネットから計算された波形鈍りを記憶する。入力波形鈍り記憶装置133は、仮の入力波形鈍りとRCネットを使用して計算された出力波形鈍りを記憶する。
【0026】
データ処理装置12は、ゲート・RCネット記憶手段121と、π型ネット変換手段122と、仮の入力波形鈍り算出手段123と、配線遅延・出力波形鈍り算出手段124と、ゲート遅延算出手段125とを備える。ゲート・RCネット記憶手段121は、入力装置11から遅延計算の対象とする論理回路のゲート及び配線の情報を読み込み、ゲート・RCネット記憶装置131へ記憶させる。π型ネット変換手段122は、ゲート及びゲートの出力に接続されるRCネットをゲート・RCネット記憶装置131から取り出し、ゲートを可変電圧源と抵抗のモデルに、RCネットをπ型ネットへ変換してπ型ネットの出力波形鈍り算出手段123へそのゲートモデルとπ型ネットとを渡す処理を行なう。仮の入力波形鈍り算出手段123は、π型ネット変換手段122からゲートモデルとπ型ネットとを受け取り、仮の入力波形鈍りを計算して、仮の入力波形鈍り記憶装置132へ記憶する処理を行なう。配線遅延・出力波形鈍り算出手段124は、ゲート・RCネット記憶装置131からゲートおよびRCネットを取り出し、仮の入力波形鈍り記憶装置132からそのゲートへの仮の入力波形鈍りを取り出して、配線遅延および出力波形鈍りを計算して出力装置14に出力する。また、出力波形鈍りを次段のゲートへの入力波形鈍りとして、入力波形鈍り記憶装置133へ記憶する。ゲート遅延算出手段125は、ゲート・RCネット記憶装置131からゲートおよびRCネットを取り出し、入力波形鈍り記憶装置133からそのゲートへの入力波形鈍りを取り出して、ゲート遅延を計算して出力装置14へ出力する。
【0027】
次に図1乃至図4を参照して、第1の実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0028】
まず、図2のステップ201で、図1のゲート・RCネット読込み手段121は、入力装置11から図3(a)に図示する遅延計算の対象とする論理回路中のすべてのゲート・RCネットを読み込み、ゲート・RCネット記憶装置131へ記憶させる。前述したように、配線はRCネットとして取り扱われる。
【0029】
次に、ステップ202で、ゲート・RCネット記憶装置131から、1個のゲートとそのゲートの出力に接続されているRCネットを1組の単位回路として取り出す。たとえば、図3(a)のゲート1とRCネット1、ゲート2とRCネット2、ゲート3とRCネット3(ゲート2の入力に接続されているRCネット3と外部に出力されるRCネット3の両方)はそれぞれ単位回路を構成する。このステップ202は、遅延計算の対象とする論理回路全体から1つのゲートとRCネットとからなる単位回路を分割していると考えることもできる。
【0030】
次に、ステップ203で、ステップ202で分割した単位回路のゲートを可変電圧源と抵抗のモデルに、RCネットをπ型ネットへ変換する。たとえば、図3(b)に示すようにゲート301は電圧源と抵抗Rd1のモデルに置き換え、RCネット304は、容量Cb1、Ca1、抵抗R1からなるπ型ネット308に変換する。
【0031】
次に、ステップ204で、単位回路への入力として固定入力鈍りを与え、ステップ203で変換したゲートモデルとπ型ネットを用いて単位回路の出力波形として仮出力鈍りを算出し、その単位回路の出力が接続される単位回路の仮入力波形鈍りとして仮の入力波形鈍り記憶部132に記憶する。たとえば、図3(d)の電圧波形311のように可変電圧源に固定時間Δt’で0Vから電源電圧Vddまで立ち上がるランプ入力を与えて、ゲートモデルとπ型ネット308を用いて、π型ネット308の出力波形鈍りを計算し、ゲート302及びRCネット305からなる単位回路の仮入力波形鈍りとして、仮の入力波形鈍り記憶装置132へ記憶する。図3(c)、(e)も図3(d)と同様である。ただし、図3(e)で他のゲートの入力とされていない外部に出力されるRCネット306については仮入力波形鈍りの算出の必要はないので図示していない。
【0032】
次に、ステップ205で、すべてのネットに対してπ型変換および仮の入力波形鈍りの計算が終了していない場合は、他の単位回路についてステップ202からステップ204の処理を繰り返す。全ての単位回路について、ステップ202からステップ204の処理が完了した場合には、ステップ206へ進む。なお、このステップ202からステップ205の処理は単位回路間の接続とは無関係に単位回路毎に任意の順番で処理を行うことが可能である。従って、複数のデータ処理装置を用いて複数の単位回路について同時に並行して処理することも可能である。
【0033】
次に、ステップ206で、ゲート・RCネット記憶装置131から、1個の単位回路に含まれる1組のゲートとRCネットとを取り出す。その単位回路への入力波形の鈍りを、仮の入力波形鈍り記憶部132から取り出す。
【0034】
次に、ステップ207で、ステップ206で取り出した仮の入力波形鈍りを用いてその単位回路に含まれるRCネットによる配線遅延と単位回路の出力波形鈍りを計算し、出力装置14へ出力する。また、この出力波形鈍りは、その単位回路の出力が接続される単位回路の入力波形鈍りとして入力波形鈍り記憶部133に記憶される。ステップ207では、ステップ204では、単位回路への入力として固定入力波形鈍りを与えていたのに対して、仮の入力波形鈍り記憶部から取り出した仮入力波形鈍りを用いて、出力波形鈍りを計算するので、ステップ204で計算した出力波形鈍りに対してより正確な出力波形鈍りを計算することができる。また、この実施の形態では、RCネットをπ型ネットに縮退せずに元のRCネットを用いてより正確に出力鈍り及び配線遅延を計算している。たとえば、図3(f)ではゲート302に対する入力鈍りとして、固定時間Δt’で変化する鈍りを与えるのではなく、図3(d)と図3(e)で求めたtrf2‘を仮入力鈍りとして与え、π型ネット309ではなく、元のRCネット305を用いて配線遅延twire2と出力鈍りtrf3を求めている。図4(g)、(h)も同様である。なお、図4(h)に示すように他のゲート入力に接続されず外部に出力されるRCネット306についても配線遅延twire3B、出力波形鈍りtrf4が計算される。
【0035】
次に、ステップ208で、すべての単位回路に対して配線遅延および出力波形鈍りの計算が終了していない場合は、ステップ206へ戻る。終了した場合は、ステップ209へ進む。なお、このステップ206からステップ208の処理についても単位回路毎に任意の順番で処理を行うことが可能である。また、複数のデータ処理装置を用いて複数の単位回路について同時に並行して処理することも可能である。
【0036】
次に、ステップ209で、ゲート・RCネット記憶装置131から、1個の単位回路に含まれる1組のゲートおよびRCネットを取り出し、そのゲートへの入力波形鈍りを入力波形鈍り記憶装置133から取り出す。
【0037】
次に、ステップ210では、ステップ209で取り出した入力波形鈍りを用いてその単位回路に含まれるゲートのゲート遅延を計算し、出力装置14へ出力する。ゲート遅延の計算は、下記の(3)式の計算式によりテーブルルックアップ方式で、図示しない遅延テーブルを参照して求められる。
(3) tpd=tpd_table(trf、CL)
ここで、tpd_tableは遅延テーブル、trfは入力波形鈍り、CLはゲートの負荷容量である。ステップ210では、ステップ204で求めた仮入力鈍りよりさらに正確なステップ207で求めた入力鈍りを用いてゲート遅延の算出を行うので、ステップ204で求めた仮入力波形鈍りを用いてゲート遅延を算出する場合に比べてより正確なゲート遅延を算出することができる。また、テーブルルックアップ方式を用いてゲート遅延を算出するので、正確かつ高速にゲート遅延を算出することができる。たとえば、図4(i)では、図4(g)と図4(h)で求めた入力波形鈍りtrf2を用いてテーブルルックアップ方式によりゲート遅延tpd2を求めているので、正確かつ高速にゲート遅延を求めることができる。図4(j)、(k)も図4(i)と同様である。
【0038】
なお、図示はしないが、ステップ207で求めた配線遅延twireとステップ210で求めたtpdを加算することにより1つの単位回路に対して入力が与えられてから出力が変化するまでの伝播遅延時間を求めることができる。
【0039】
次に、ステップ211で全ての単位回路に対してゲート遅延の計算が終了していない場合には、ステップ209へ戻る。また、ゲート遅延の計算が終了した場合は、図2の流れ図が終了となる。なお、このステップ209からステップ211の処理についても単位回路毎に任意の順番で処理を行うことが可能である。また、複数のデータ処理装置を用いて複数の単位回路について同時に並行して処理することも可能である。
【0040】
なお、ゲート301のように他の単位回路の出力信号ではなく、外部端子から直接信号が与えられるゲートはステップ207及びステップ210で、外部から与えられる信号の鈍りがそのまま入力波形鈍りとして与えられる。
【0041】
ここで、この明細書で使われる入力波形鈍りtrf、ゲート遅延tpd、配線遅延twireがそれぞれどのような意味を持つ値であるのか、説明をしておく。図14は、入力波形鈍りtrf、ゲート遅延tpd、配線遅延twireの説明図である。
【0042】
入力波形鈍りtrfは入力波形がVthLからVthHまで変化する時間をVdd/(VthH−VthL)倍した値である。ここで、Vddは電源電圧で、VthL、VthHは下記の(4)式を満足する任意の電圧値である。
(4) 0<VthL<VthH<Vdd
ゲート遅延tpdはゲート入力電圧がVthに達してからゲート出力電圧がVthに達する時間である。また、配線遅延twireは、ゲート出力電圧がVthに達してから次段ゲート入力電圧がVthに達するまでの時間である。ここで、Vthは、論理閾値電圧で0<Vth<Vddを満足する任意の電圧値である。ゲート遅延tpdと配線遅延twireを加算すればその単位回路の伝播遅延時間を求めることができる。
【0043】
また、単位回路の伝播遅延時間は、単位回路に対する入力の立ち上がりと立下りに対してそれぞれ計算される。また、複数の入力を有する単位回路については、それぞれの入力の立ち上がり、立下りに対して遅延計算が行われ、出力の立ち上がり、立下りについて遅延が最も大きいデータと小さいデータが記録される。たとえば、ゲート302とRCネット305からなる単位回路に対しては、RCネット1の立ち上がり、立下り、及びRCネット3の立ち上がり、立下りそれぞれの場合について出力波形鈍り、伝播遅延時間が計算され、立ち上がり出力遅延の最も大きいデータと小さいデータ、立下り出力遅延の最も大きいデータと小さいデータが出力装置14、入力波形鈍り記憶部133に対してそれぞれ出力される。
【0044】
さらに、遅延計算の対象となる論理回路に含まれる全ての単位回路について、上記伝播遅延時間、ゲート遅延tpd、配線遅延twireが求まっていれば、論理回路の任意の入力端子または観測点から、任意の出力端子または観測点までの信号の伝播時間を、信号伝播経路に含まれる単位回路の伝播遅延時間または、ゲート遅延tpd、配線遅延twireを単純に加算することで容易に求めることができる。本発明の方法で求めた単位回路の伝播遅延時間または、ゲート遅延tpd、配線遅延twireは実際の論理回路の中で使用された場合の入力波形鈍りを考慮しているので、単位回路の遅延を加算しただけでも論理回路の伝播遅延時間を非常に正確に求めることができる。
【0045】
また、上述した実施の形態の説明では、各単位回路についてステップ207による仮入力波形鈍りtrf’を使用した出力(次段への入力)波形鈍りtrfの計算は各単位回路について1回づつしか行わなかったが、仮の入力波形鈍り記憶部132に記憶された仮入力波形鈍りtrf’とステップ207で求め入力波形鈍り記憶部133に記憶された入力波形鈍りtrfとの差異が大きい場合には、入力波形鈍り記憶部133に記憶された入力波形鈍りtrfを仮の入力波形記憶部132にコピーし、ステップ206からステップ208の処理を繰り返すことにより、さらに精度の高い配線遅延twire、出力波形鈍りtrfを求めることもできる。
【0046】
この場合は、ステップ208の後に仮の入力波形記憶部132に記憶された仮入力波形鈍りtrf’と入力波形記憶部133に記憶された入力波形鈍りtrfを単位回路毎に比較し、すべての単位回路について入力波形鈍りtrfと仮入力波形鈍りtrf’との差が一定値以内であれば、ステップ209へ進む。一方、1つでも入力波形鈍りtrfと仮入力波形鈍りtrf’との差が一定値を超えるものがある場合は、入力波形記憶部133に記憶されたすべての入力波形鈍りtrfを仮の入力波形記憶部132にコピーし、ステップ206へ戻る。また、配線遅延twire、出力波形鈍りtrfは、ステップ207で出力装置14に出力するのではなく、とりあえず図示しないバッファーに格納しておき、ステップ211の後に、全ての単位回路についてまとめて、バッファーから出力装置14に、配線遅延twire、出力波形鈍りtrf、ゲート遅延tpdを出力するようにすればよい。
【0047】
また、入力波形鈍りtrfを単純に新たな仮入力鈍りtrf’として仮の入力波形記憶部132にコピーしただけでは入力波形鈍りtrfの値が発振してしまって一定の値に収束しないような場合があれば、入力波形鈍りtrfと仮入力波形鈍りtrf’の中間の値を新たな仮入力波形鈍りtrf’として仮の入力波形記憶部132に記憶させてステップ206からステップ208の処理を繰り返せばよい。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。第2の実施の形態の説明は第1の実施の形態と相違する点のみを重点的に説明し、第1の実施の形態と共通する点については、説明の冗長を避けるために省略する。
【0049】
図5を参照すると、本発明の第2の実施の形態は、記憶装置13に対して、図1に示された第1の実施の形態における記憶装置13にπ型ネット記憶部134が加えられている点で異なる。
【0050】
また、データ処理装置12に対して、図1の配線遅延算出・出力波形鈍り算出手段124およびゲート遅延算出手段125の代わりに図5のπ型ネットによる配線遅延算出・出力波形鈍り算出手段126およびπ型ネットによるゲート遅延算出手段127にそれぞれ置き換えられている点で異なる。
【0051】
図5のπ型ネット記憶部134は、π型変換手段122によりRCネットから変換されたπ型ネットを記憶する。
【0052】
π型ネットによる配線遅延算出・出力波形鈍り算出手段126は、仮の入力波形鈍り記憶部132から仮の入力波形鈍りとπ型ネット記憶部134からπ型ネットを受け取り、配線遅延および出力波形鈍りを求める。
【0053】
π型ネットによるゲート遅延算出手段127は、ゲート・RCネット記憶部131からゲートを受け取り、入力波形鈍り記憶部133からそのゲートへの入力波形鈍りとπ型ネット記憶部134からπ型ネットを受け取り、ゲート遅延を求める。
【0054】
本発明の第2の実施の形態の動作について第1の実施の形態と異なる点について図5乃至図8を参照し、第1の実施の形態を説明する図2、図3と対比しながら説明する。
【0055】
第1の実施の形態では、ステップ203で変換された単位回路のゲートモデル、π型ネットはステップ204で仮出力波形鈍りの計算に用いられただけであつたが、第2の実施の形態では、ステップ203で変換された単位回路のゲートモデル、π型ネットを、後で使用するため、単位回路毎にπ型ネット記憶部134に記憶する点が第1の実施の形態とは異なる。
【0056】
次に、第1の実施の形態では、ステップ206で、ゲート・RCネット記憶装置131から、1個の単位回路に含まれる1組のゲートとRCネットとを取り出していたのに対して、本実施の形態では、ステップ212で、π型ネット記憶部134から1個の単位回路に含まれる1組のゲートモデルとπ型ネットを取り出す点が異なる。
【0057】
さらに、第1の実施の形態では、ステップ207で、元のRCネットを用いて出力波形鈍りの計算を行っていたのに対して、本実施の形態では、ステップ213でゲートモデル及びπ型ネットを用いて出力波形鈍り及び配線遅延を計算している点が異なる。本実施の形態では、ゲートモデル及びπ型ネットを用いて出力波形鈍り及び配線遅延を計算しているので、第1の実施の形態に比べてより高速な処理が可能となる。たとえば、図3(f)では元のRCネット305を用いて配線遅延twire2と出力波形鈍りtrf4を求めていたのに対して、本実施の形態では図7(f)に示すようにゲート2はゲートモデルを用い、RCネット2はπ型ネット309を用いて配線遅延twire2と出力波形鈍りtrf4を求めている。図8(g)、(h)も図7(f)と同様である。なお、ステップ210、図8(i)(j)(k)でテーブルルックアップ方式によりゲート遅延tpd1、tpd2、tpd3を求めている点は第1の実施の形態と同じである。
【0058】
以上、述べたように、第2の実施の形態では、ステップ213でゲートモデル、π型ネットに縮退したRCネットを用いて出力波形鈍りtrf、配線遅延twireを計算しているので、第1の実施の形態に対してより高速な計算が可能である。
【0059】
【発明の効果】
第1の効果は、順序回路等のループが含まれる回路に対しても、一貫した遅延計算を行なうことができる。
【0060】
その理由は、発明の実施の形態で説明した通り、各ゲートの入力に対して遅延計算を行なう前に仮の入力波形鈍りを求めてしまうため、ループを考慮する必要がなくなることによる。
【0061】
第2の効果は、従来法に比べ処理が簡単になるので実行速度が向上する。
【0062】
その理由は、入力波形鈍りの求まっていないゲートに対しての前段ゲートへの後戻り処理が一切不要となり、その分の処理時間が不要となることによる。また、RCネットからのπ型ネット変換およびπ型ネットから仮の入力波形鈍り算出の実行時間は、前段ゲートへの後戻り処理に比べて短いことによる。なお、本発明によれば、遅延計算を行うゲート及びRCネットの順番に制約を受けないので、複数のデータ処理装置を用い複数のゲート及びRCネットに対して同じに並行して遅延計算を行うことにより、さらに、高速化することも可能である。
【0063】
第3の効果は、SPICEに対してほとんど誤差のない高精度の遅延計算が高速に行なえるということである。本発明の遅延計算方法による遅延計算結果とSPICEによる遅延計算結果にほとんど誤差が見られないことがすでに確認されている。具体的には、図9に示した回路のインバータ701からバッファ719までの遅延時間を本発明実施の形態1の遅延計算方法とSPICEで計算した結果を図10に示した。図10(a)には図9の各ゲートおよび配線の遅延時間およびSPICEとの誤差の数値を示し、図10(b)には図10(a)の数値をグラフ化した結果を示した。図10の結果から、誤差がほとんどないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の動作を示す流れ図である。
【図3】第1の実施の形態について動作の具体例を示す回路図である。
【図4】第1の実施の形態について動作の具体例の続きを示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態の動作を示す流れ図である。
【図7】第2の実施の形態について動作の具体例を示す回路図である。
【図8】第2の実施の形態について動作の具体例の続きを示す回路図である。
【図9】本発明とSPICEの処理対象とする回路の回路図である。
【図10】本発明とSPICEとの計算精度の比較結果を示す図である。
【図11】従来例の動作を示す流れ図および回路例の図である。
【図12】従来例について動作の具体例を示す回路図である。
【図13】従来例について動作の具体例の続きを示す回路図である。
【図14】入力波形鈍りtrf、ゲート遅延tpd、配線遅延twireについての説明図である。
【符号の説明】
11 入力装置
12 データ処理装置
13 記憶装置
121 ゲート・RCネット読込み手段
122 π型変換手段
123 π型ネットの出力波形鈍り算出手段
124 配線遅延算出,出力波形鈍り算出手段
125 ゲート遅延算出手段
126 π型ネットによる配線遅延算出,出力波形鈍り算出手段
127 π型ネットによるゲート遅延算出手段
131 ゲート・RCネット記憶部
132 仮の入力波形鈍り記憶部
133 入力波形鈍り記憶部
134 π型ネット記憶部
301 ゲート1
302 ゲート2
303 ゲート3
304 RCネット1
305 RCネット2
306 RCネット3
307 回路への入力波形鈍り
308 π型ネット1
309 π型ネット2
310 π型ネット3
311 ランプ入力の鈍りを表す固定時間Δt’
312 ゲート2への仮の入力波形鈍りtrf2’
313 ランプ入力の鈍りを表す固定時間Δt’
314 ゲート3への仮の入力波形鈍りtrf3’
315 ランプ入力の鈍りを表す固定時間Δt’
316 ゲート2への仮の入力波形鈍りtrf2’
317 RCネット2の配線遅延twire2
318 ゲート3への入力波形鈍りtrf3
319 RCネット1の配線遅延twire1
320 ゲート2への入力波形鈍りtrf2
321 RCネット3の配線遅延twire3A
322 RCネット3の配線遅延twire3B
323 ゲート2への入力波形鈍りtrf2
324 出力波形鈍りtrf4
325 ゲート2のゲート遅延tpd2
326 ゲート1のゲート遅延tpd1
327 ゲート3のゲート遅延tpd3
328 求まっていない入力波形鈍り
329 求まっていない入力波形鈍り
330 任意の入力波形鈍り
701 インバータ1
702 バッファ2
703 バッファ3
704 バッファ4
705 バッファ5
706 バッファ6
707 バッファ7
708 バッファ8
709 バッファ9
710 バッファ10
711 バッファ11
712 バッファ12
713 バッファ13
714 バッファ14
715 バッファ15
716 バッファ16
717 バッファ17
718 バッファ18
719 バッファ19
905 ゲート1
906 ゲート2
907 ゲートN
908 回路への入力波形鈍りtrf
909 ゲート2への入力波形鈍りtrf1
910 ゲートNへの入力波形鈍りtrf(N−1)

Claims (14)

  1. コンピュータによって論理回路の遅延を計算する方法であって、
    複数のゲートと前記複数のゲートをそれぞれ接続する複数の配線とを含む論理回路を、可変電圧源と抵抗からなるゲートとそのゲートに接続されRCネットとなる配線とを単位とする複数の単位回路に分割する第1のステップと、
    前記単位回路毎に固定入力波形鈍りを与えたときの出力遅延を仮出力波形鈍りとして求める第2のステップと、
    前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続させる単位回路の前記仮出力波形鈍りを仮入力波形鈍りとして与えたときの出力遅延を当該単位回路の出力波形鈍りとして求める第3のステップと、
    前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続される単位回路の前記出力波形鈍りを入力波形鈍りとして与え当該単位回路の伝播遅延時間を求める第4のステップとを含み、
    前記第2乃至第4のステップにおいて前記複数の単位回路について同時に並行して処理されることを特徴とする論理回路の遅延計算方法。
  2. 前記単位回路の伝播遅延時間に基いて前記論理回路に対する入力信号が変化してから出力信号が変化するまでの信号の伝播遅延時間を求める第5のステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の論理回路の遅延計算方法。
  3. 単位回路の仮出力波形鈍りと出力波形鈍りとの差異が一定値以内に収束するまで前記出力波形鈍りに基いて仮出力波形鈍りを与え直して前記第3のステップを繰り返すことを特徴とする請求項1または2記載の論理回路の遅延計算方法。
  4. 前記第1のステップは、ゲートとそのゲートの出力に接続される配線とを単位として分割するステップであって、前記第2のステップは、ゲートを前記固定入力波形鈍りで電圧が変化する可変電圧源と抵抗のモデルに置き換え、配線の抵抗、容量成分をπ型ネットに縮退して前記仮出力波形鈍りを求めるステップであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の論理回路の遅延計算方法。
  5. 前記第3のステップは、ゲートを前記仮入力波形鈍りで電圧が変化する可変電圧源と抵抗のモデルに置き換え、配線の抵抗、容量成分をπ型ネットに縮退して前記出力波形鈍りを求めるステップであることを特徴とする請求項4記載の論理回路の遅延計算方法。
  6. 複数のゲートと前記複数のゲートをそれぞれ接続する複数の配線とを含む論理回路を、可変電圧源と抵抗からなるゲートとそのゲートに接続されRCネットとなる配線とを単位とする複数の単位回路に分割する回路分割手段と、前記単位回路毎に固定入力波形鈍りを与えたときの出力遅延を仮出力波形鈍りとして求める単位回路仮出力波形鈍り算出手段と、
    前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続させる単位回路の前記仮出力波形鈍りを仮入力波形鈍りとして与えたときの出力遅延を当該単位回路の出力波形鈍りとして求める単位回路出力鈍り算出手段と、
    前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続される単位回路の前記出力波形鈍りを入力波形鈍りとして与え当該単位回路の伝播遅延時間を求める単位回路伝播遅延時間算出手段とを含み、前記複数の単位回路について前記仮出力鈍り、出力波形鈍り及び伝播遅延時間が夫々同時に並行して算出されることを特徴とする論理回路の遅延計算装置。
  7. 前記単位回路出力波形鈍り算出手段は、全ての単位回路の仮出力波形鈍りと出力波形鈍りとの差異が一定値以内に収束するまで前記出力波形鈍りに基いて仮出力波形鈍りを与え直して出力波形鈍りの算出を繰り返すことを特徴とする単位回路出力鈍り算出手段であることを特徴とする請求項6記載の論理回路の遅延計算装置。
  8. 前記回路分割手段は、ゲートとそのゲートの出力に接続される配線とを単位として論理回路を分割する回路分割手段であって、
    前記単位回路仮出力波形鈍り算出手段は、ゲートを前記固定入力波形鈍りで電圧が変化する可変電圧源と抵抗のモデルに置き換え、配線の抵抗、容量成分をπ型ネットに縮退して前記仮出力波形鈍りを求める単位回路仮出力波形鈍り算出手段であることを特徴とする請求項6または7記載の論理回路の遅延計算装置。
  9. 前記単位回路出力波形鈍り算出手段は、ゲートを前記仮入力波形鈍りで電圧が変化する可変電圧源と抵抗のモデルに置き換え、配線の抵抗、容量成分をπ型ネットに縮退して前記出力波形鈍りを求める単位回路出力波形鈍り算出手段であることを特徴とする請求項8記載の論理回路の遅延計算装置。
  10. コンピュータに論理回路の遅延計算を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
    複数のゲートと前記複数のゲートをそれぞれ接続する複数の配線とを含む論理回路を、可変電圧源と抵抗からなるゲートとそのゲートに接続されRCネットとなる配線とを単位とする複数の単位回路に分割する第1のステップと、
    前記単位回路毎に固定入力波形鈍りを与えたときの出力遅延を仮出力波形鈍りとして求める第2のステップと、
    前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続させる単位回路の前記仮出力波形鈍りを仮入力波形鈍りとして与えたときの出力遅延を当該単位回路の出力波形鈍りとして求める第3のステップと、
    前記単位回路毎に当該単位回路の入力に接続される単位回路の前記出力波形鈍りを入力波形鈍りとして与え当該単位回路の伝播遅延時間を求める第4のステップとを含み、前記第2乃至第4のステップにおいて前記複数の単位回路について同時に並行して処理されることを特徴とする論理回路の遅延計算プログラムを記録した記録媒体。
  11. 前記単位回路の伝播遅延時間に基いて前記論理回路に対する入力信号が変化してから出力信号が変化するまでの信号の伝播遅延時間を求める第5のステップをさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の論理回路の遅延計算プログラムを記録した記録媒体。
  12. 単位回路の仮出力波形鈍りと出力波形鈍りとの差異が一定値以内に収束するまで前記出力波形鈍りに基いて仮出力波形鈍りを与え直して前記第3のステップを繰り返すことを特徴とする請求項10または11記載の論理回路の遅延計算プログラムを記録した記録媒体。
  13. 前記第1のステップは、ゲートとそのゲートの出力に接続される配線とを単位として分割するステップであって、
    前記第2のステップは、ゲートを前記固定入力波形鈍りで電圧が変化する可変電圧源と抵抗のモデルに置き換え、配線の抵抗、容量成分をπ型ネットに縮退して前記仮出力波形鈍りを求めるステップであることを特徴とする請求項10乃至12いずれか1項記載の論理回路の遅延計算プログラムを記録した記録媒体。
  14. 前記第3のステップは、ゲートを前記仮入力波形鈍りで電圧が変化する可変電圧源と抵抗のモデルに置き換え、配線の抵抗、容量成分をπ型ネットに縮退して前記出力波形鈍りを求めるステップであることを特徴とする請求項13記載の論理回路の遅延計算プログラムを記録した記録媒体。
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