JP3538505B2 - 温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素子およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ装置等
に使用する温度検知部を備えたバイポーラ半導体素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】少数キャリア注入型のいわゆるバイポー
ラ半導体素子(IGBT、バイポーラトランジスタ等)
はインバータ等に使用され、最近では、IGBTがバイ
ポーラトランジスタに置き変わって市場を拡大してきて
いる。IGBTは主に総合損失と安全動作領域の特性向
上を重点に開発されてきたが、近年は高機能化および取
扱の容易さに関しての要求が強まってきている。これら
の多彩な要求に応えるにはIGBT単体では限界がきて
おり、IGBT等のパワーデバイスのインテリジェント
化によって対応しようとしている。インテリジェント化
とは、パワーデバイスとそれらの周辺回路を一体化する
ことによってそれぞれの弱点を補いつつ高機能化を図る
ものであり、例えば、IPM(インテリジェントパワー
モジュール)はその初めの一つとして登場したデバイス
である。
【0003】このIPMの登場により、従来のサイリス
タやバイポーラトランジスタを用いていた応用分野にI
GBTが急速に浸透するようになった。IGBTをイン
バータ等で使用した場合には負荷短絡といつた過電圧、
過電流の印加されるモードがあり、これらからパワーデ
バイス単体での保護を図ることの他に、IPMの技術と
して外部回路を通して過熱を検出し、保護を図っている
例がある。
【0004】図14に、IGBTを含むIPMの過熱動
作時のタイミングチャートを示している。横軸は時間で
ある。過加熱検知としては、例えばIPMモジュール内
にサーミスタを下側アームのケースに取り付け、そのサ
ーミスタの温度特性を利用している。時刻T1から
(1)のゲート信号を与えると、(4)の出力電流が出
力される。すると、IGBTのスイッチング損失および
定常損失によって、温度上昇し、(3)のケース温度も
次第に上昇してゆく。ケース温度が設定レベルL1に達
すると(時刻T2)、(2)の保護回路が動作し、
(1)のゲート信号が停止され、(4)の出力電流も止
まり、加熱に対する保護動作が行われたことになる。
(3)のケース温度が低下し、設定レベルL2に達した
時点で(時刻T3)、(2)の保護回路が解除され、再
び時刻T4から(1)のゲート信号が与えられ、(4)
の出力電流が出力される。(5)は、(2)の保護回路
に同調して働く、例えばアラーム信号の出力である。
【0005】過熱を検出するためのセンサとしては、サ
ーミスタの他にダイオードを用いることもできる。ダイ
オードのある電流における順電圧(VF )の温度依存性
の例を図15に示す。横軸は温度、縦軸は順電圧であ
る。VF は温度が高い程、小さい値となっている。この
F の値から温度を検知することができる。しかし、温
度の検知は通常基板上に搭載されているパワーデバイス
の近傍で行っており、半導体素子の接合部の温度を検知
しているものではないため、半導体素子の温度が急激に
上昇するような異常モードに対する保護はできていな
い。このことは信頼性に大きな問題となる。半導体素子
の温度検知を行う場合、温度検知対象の半導体素子と温
度検知部はできるだけ近いことが望ましい。理想的に
は、半導体素子自体に温度検知部を形成することであ
る。
【0006】図16に、半導体素子自体に温度検知部を
付加したバイポーラ半導体素子の例として絶縁ゲートバ
イポーラトランジスタ(以下IGBTと略す)の部分断
面図を示す。図の右側部分は、IGBTの主電流の導
通、遮断のスイッチング作用を行う活性領域である。図
に示したのは一つの制御電極を含む単位の部分(以後セ
ルと呼ぶ)であって、活性領域は極めて多数のこのよう
なセルからなっている。また、IGBTの周縁部分に
は、ガードリング構造やフィールドプレート構造のよう
な耐圧構造が設けられているが、図には示していない。
【0007】図において、pコレクタ層1の上にn+
ッファ層2を介して積層されたnベース層3の表面層に
選択的にpベース領域4が形成されている。そのpベー
ス領域4内に選択的にnエミッタ領域5が形成され、n
ベース層3とnエミッタ領域5に挟まれたpベース領域
4の表面上に、ゲート酸化膜6を介して、ポリシリコン
からなりG端子に接続されるゲート電極層7とそのゲー
ト電極層7に接触するゲート電極12が設けられてい
る。また、pコレクタ層1の裏面にはC端子に接続され
るコレクタ電極9が、nエミッタ領域5の上にはnエミ
ッタ領域5とpベース領域4に共通に接触しE端子に接
続されるエミッタ電極8がそれぞれ設けられている。こ
のIGBTは、ゲート酸化膜6、ゲート電極層7、pベ
ース領域4、nエミッタ領域5、nベース層3、n+
ッファ層2で構成されるMOSFETとp型基板1、n
+ バッファ領域2、nベース層3、pベース領域4、で
構成されているpnpトランジスタとからなるものとみ
ることもできる。
【0008】このようなIGBTのnベース層3は、例
えば、p基板1とその上に積層されたn+ バッファ層2
とからなるサブストレート上にエピタキシャル成長によ
り形成される。またpベース領域4は、まず先に形成し
たゲート電極層7をマスクとした不純物の導入により形
成され、nエミッタ領域5は、図示されていないフォト
レジストをマスクとしての不純物の導入により形成され
る。図のようにゲート電極層7の上に、絶縁膜11を介
してエミッタ電極8を延長してもよい。
【0009】図16の左側部に、温度検知部として、温
度検知用ダイオード17が設けられている。すなわち、
nベース層3の表面層に選択的にpアノード領域13を
形成し、その表面層にnカソード領域14を形成する。
pアノード領域13とnカソード領域14にはそれぞれ
アノード電極15とカソード電極16が設けられてい
て、アノード電極15は電流源18に、カソード電極1
6はIGBT部のエミッタ電極8と接続されている。温
度検知用ダイオード17には、アノード電極15からカ
ソード電極16に外部から一定電流を流し、アノード電
極15、カソード電極16間の順方向電圧VF を検知
し、そのVF の温度依存性から温度を判定するものであ
る。
【0010】図16の中央部には、nベース層の表面層
にpベース領域4と一部が重複するようにp引き抜き領
域21が形成されている。このp引き抜き領域21は、
表面上にエミッタ電極8が接触しており、オフ動作時に
温度検知用ダイオード17付近のnベース層3内の正孔
を引き抜くためのものである。pアノード領域13とp
引き抜き領域21との間隔は、例えば50μm程度、p
アノード領域13とチャネル領域19との間隔は、例え
ば70μm程度である。
【0011】このIGBTのスイッチング動作は次のよ
うに行う。C端子に、E端子に対して正の電圧を印加し
た状態で、ゲート電極12にしきい値以上の電圧を印加
することによって、ゲート電極層7の直下のpベース領
域4の表面に反転層(チャネル領域19)が形成され、
前記MOSFETが導通する。その反転層を通ってnエ
ミッタ領域5から電子がnベース層3、n+ バッファ層
2に注入される。p基板1とn+ バッファ層2との間の
接合は順バイアスされているので、電子がこの接合を通
ってp基板1に流入する。すると、p基板1、n+ バッ
ファ層2とnベース層3、pベース領域4をそれぞれエ
ミッタ、ベース、コレクタとするpnpトランジスタが
動作し、伝導度変調を発生してIGBTがオンする。こ
のIGBTをオフする場合は、ゲート電極12の電圧を
除くことによって、ゲート電極層7直下のpベース領域
4の表面に形成されていた反転層が消滅し、nエミッタ
領域5からの電子の注入が止まりオフする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、試作した温
度検知部内蔵型IGBTにおいて、大電流領域における
動作電圧であるVCEサステイニング電圧(VCE(SUS)
が低いという問題があった。もう一つ、温度検知用ダイ
オード17の順方向電圧VF が、主IGBTを流れる主
電流によって変化するという問題がある。図16の構造
の温度検知部内蔵型IGBTを図18に示す誘導負荷回
路によって動作させたときの各部電圧、電流波形を図1
9に示した。
【0013】図18において、温度検知用ダイオード1
7を持つIGBT31はリアクトル32と直列に電源3
3に接続され、IGBT31のゲートは抵抗を介してゲ
ート電源34に接続されている。温度検知用ダイオード
17には直流電源18から一定電流が流される。35は
コンデンサである。図19に見られるように、(2)コ
レクタ電極、エミッタ電極間にVCEが印加された状態
で、(1)ゲート電極にVg を与え、IGBTをオンす
るとき、負荷がインダクタンス成分の大きい所謂L負荷
であると、(3)IGBTの主電流すなわちコレクタ電
流IC は、ほぼ直線的に増大する。このとき、(4)温
度検知ダイオードに一定電流IF を流しても、(5)温
度検知用ダイオードの順電圧V F に増大が見られる。従
って、この期間の温度検知精度が低下し、或いは制御方
式が複雑化する。
【0014】以上の二つの課題に鑑みて本発明の目的
は、VCE(SUS) の大きい、そして温度検知部の主電流依
存性が小さく、温度検知精度の高い温度検知部内蔵型I
GBTを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題の起きる機構に
ついて考察した。図7のような温度センス内蔵型IGB
Tでは、pアノード領域13、nカソード領域14の表
面上にそれぞれアノード電極15、カソード電極16が
形成された温度検知用ダイオード17の他に、p引き抜
き領域21、nベース層3、pアノード領域13で構成
される横方向のpnpトランジスタが形成されている。
アノード電極15からpアノード領域13に流入した正
孔電流は、ほとんどnカソード領域14に注入される
が、pアノード領域13、nベース層3間のpn接合に
形成される内蔵電界によって、一部はnベース層3にも
注入される。nベース層3に流入した正孔は、エミッタ
電極8に負の電圧が印加されているためにnベース層3
とp引き抜き領域21との間のpn接合部に広がってい
る空乏層に入り、p引き抜き領域21を通してエミッタ
電極8へと抜けることになる。つまり、nベース層3に
注入された正孔がpアノード領域13、nベース層3、
p引き抜き領域21で形成されるpnpトランジスタの
ベース電流となり、このpnpトランジスタがオンする
ことになる。
【0016】一方、IGBTのゲートに信号を与え活性
領域20をオン状態にすると、pコレクタ領域1からn
ベース層3に注入された正孔電流は、pベース領域4、
p引き抜き領域21に流れるが、上記横方向pnpトラ
ンジスタがオンすることにより、一部がpアノード領域
13、nカソード領域14を通ってカソード電極16へ
抜けることになる。従って、図16の温度検知部内蔵型
IGBTの温度検知用ダイオード17のnカソード領域
14とpアノード領域13との間のpn接合を流れる電
流は、電流源18から注入された電流より大きくなるこ
ともある。
【0017】このnカソード領域14とpアノード領域
13との間のpn接合を通り、カソード電極16へ流れ
る正孔電流は、nカソード領域14、pアノード領域1
3、nベース層3、n+ バッファ層2、pコレクタ層1
からなる寄生サイリスタ部のゲート電流にあたるので、
この電流が大きいとそのサイリスタ部がオンし、ラッチ
アップ耐量は小さくなる。
【0018】すなわち、寄生サイリスタ部がオンする正
孔電流の大きさは、コレクタ−エミッタ間の印加電圧、
コレクタ電流の大きさとともに、pアノード領域13
と、p引き抜き領域21との間の距離が関係していると
思われる。そこで、pアノード領域13と、p引き抜き
領域21との間の距離の異なる数種類のIGBTを試作
し、VCE(SUS) を測定したところ、図17のような結果
が得られた。
【0019】従って、上記第一の課題解決のため本発明
のIGBTは、第一導電型半導体層と、その第一導電型
半導体層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二
導電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面
層に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第
二導電型ベース領域の第一導電型半導体層と第一導電型
エミッタ領域に挟まれた部分であるチャネル領域の表面
上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、チ
ャネル領域以外の第二導電型ベース領域および第一導電
型エミッタ領域の表面上に共通に接触するエミッタ電極
と、第一導電型半導体層の表面層の別の部分に形成され
た第二導電型コレクタ領域と、その第二導電型コレクタ
領域の表面に接触して設けられたコレクタ電極とからな
る主セル部を有するバイポーラ半導体素子において、そ
の第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分に
第二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表面
上にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き領
域と、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型引き抜
き領域に隣接した領域に形成された第二導電型アノード
領域と、その第二導電型アノード領域の表面層に選択的
に形成された第一導電型カソード領域と、その第一導電
型カソード領域の表面上に主セル部のエミッタ電極と接
続して設けられたカソード電極と、第二導電型アノード
領域の表面上に設けられたアノード電極とからなる温度
検知部とを有し、第二導電型アノード領域と第二導電型
引き抜き領域との間の間隔が1〜30μmの範囲内にあ
るものとする。
【0020】そのようにすれば、第二導電型コレクタ領
域から第一導電型ベース層に注入されたキャリアの大部
分が、第二導電型ベース領域または第二導電型引き抜き
領域に流れ、第二導電型アノード領域に流れる分が少な
くなるので、寄生サイリスタはオンしにくくなり、VCE
サステイニング電圧(VCE(SUS) )が向上する。また、
第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分に第
二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表面上
にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き領域
を有し、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型引き
抜き領域に隣接した部分に形成された第二導電型フロー
ティング領域と、その第二導電型フローティング領域の
表面層の一部に形成された第一導電型フローティング領
域と、その第一導電型フローティング領域の表面層の一
部に形成された第二導電型アノード領域と、その第二導
電型アノード領域の表面層の一部に形成された第一導電
型カソード領域と、その第一導電型カソード領域の表面
上に主セル部のエミッタ電極と接続して設けられたカソ
ード電極と、第二導電型アノード領域の表面上に設けら
れたアノード電極とからなる温度検知部を設けても良
い。
【0021】そのようにすれば、第一導電型フローティ
ング領域、第二導電型フローティング領域が、温度検知
用ダイオードと第一導電型ベース層との間の分離層とな
り、第二導電型コレクタ領域から第一導電型ベース層に
注入されたキャリアが、殆ど第二導電型アノード領域に
流れず、寄生サイリスタはオンしにくくなる。特に、第
二導電型アノード領域と第二導電型引き抜き領域との間
の間隔が1〜30μmの範囲内にあるものとすれば、第
二導電型コレクタ領域から第一導電型ベース層に注入さ
れたキャリアは大部分が第二導電型引き抜き領域に流れ
ることになる。
【0022】更に、第一導電型半導体層の一方の側の表
面層の別の部分に第二導電型ベース領域と一部を重複し
て形成され、表面上にエミッタ電極が接触している第二
導電型引き抜き領域を有し、第一導電型半導体層の表面
層の第二導電型引き抜き領域に隣接した領域に形成され
た第二導電型アノード領域と、その第二導電型アノード
領域の表面層に選択的に形成された第一導電型カソード
領域と、その第一導電型カソード領域の表面上に設けら
れたカソード電極と、第二導電型アノード領域の表面上
に主セル部のエミッタ電極と接続して設けられたアノー
ド電極とからなる温度検知用ダイオードを設けるものと
することができる。
【0023】そのようにすれば、第二導電型アノード領
域と第一導電型カソード領域との間のpn接合を流れる
電流を正確に捕らえることができる。さらにまた、第一
導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分に第二導
電型ベース領域と一部を重複して形成され、表面上にエ
ミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き領域を有
し、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型引き抜き
領域に隣接した領域に形成された環状の第二の第二導電
型アノード領域と、その第二の第二導電型アノード領域
の表面層に選択的に形成された第二の第一導電型カソー
ド領域と、第二の第二導電型アノード領域に囲まれた第
一導電型半導体層の表面層の一部に形成された第一の第
二導電型アノード領域と、その第二導電型アノード領域
の表面層に選択的に形成された第一の第一導電型カソー
ド領域と、その第一導電型カソード領域の表面上に主セ
ル部のエミッタ電極と接続して設けられたカソード電極
と、第二導電型アノード領域の表面上に設けられたアノ
ード電極とからなる温度検知部を有するものとしてもよ
い。
【0024】そのようにすれば、第二の第二導電型アノ
ード領域および第一導電型カソード領域により周辺から
の影響を抑えることができる。この場合も特に、第二導
電型アノード領域と第二導電型引き抜き領域との間の間
隔が1〜30μmの範囲内にあるものとすれば、第二導
電型コレクタ領域から第一導電型ベース層に注入された
キャリアは大部分が第二の第二導電型アノード領域に流
れることになる。
【0025】そしてまた、第一導電型半導体層の一方の
側の表面層の別の部分に第二導電型ベース領域と一部を
重複して形成され、表面上にエミッタ電極が接触してい
る第二導電型引き抜き領域を有し、第一導電型半導体層
の表面層の第二導電型引き抜き領域に隣接した領域に形
成された第二導電型アノード領域と、その第二導電型ア
ノード領域の表面上に設けられたアノード電極と、第二
導電型引き抜き領域と、その表面上のエミッタ電極とか
らなる温度検知部を有するものでもよい。
【0026】そのようにすれば、寄生サイリスタは形成
されないのでラッチアップが起きず、またゲートオン時
にアノード電極とエミッタ電極との間にダイオードがで
きる。しかもそのダイオードの順方向電圧は、第二導電
型コレクタ領域から第一導電型ベース層に注入されたキ
ャリアの影響を受けない。一方、上記第二の課題につい
ては、次のように考える。
【0027】図16では温度検知ダイオード17をでき
るだけ活性部20の近くに配置し、主IGBTの温度上
昇を精度良く検知しようとしている。温度検知ダイオー
ドの順方向電圧VF が、主電流の増加に伴って増大する
のは、主IGBTがオン状態になっている際に、pコレ
クタ層1から注入される正孔によりnベース層3に伝導
度変調が起き、主電流がpベース領域4やp引き抜き領
域21を通過してnエミッタ電極8へ抜けるだけでな
く、pアノード領域13にも流れ込むからである。
【0028】また、この温度検知部内蔵型IGBTで
は、p引き抜き領域21、nベース層3、pアノード領
域13で構成される横方向のpnpトランジスタが形成
されており、アノード電極15からpアノード領域13
に流入した正孔電流は、ほとんどnカソード領域14に
注入される。しかし、pアノード領域13、nベース層
3間のpn接合に形成される内蔵電界によって、一部は
nベース層3にも注入される。nベース層3に流入した
正孔は、エミッタ電極8に負の電圧が印加されているた
めにnベース層3とp引き抜き領域21との間のpn接
合部に広がっている空乏層に入り、p引き抜き領域21
を通してエミッタ電極8へと抜けることになる。つま
り、nベース層3に注入された正孔がpnpトランジス
タのベース電流となり、このpnpトランジスタがオン
することになる。この横方向pnpトランジスタがオン
することにより、pコレクタ領域1からnベース層3に
注入された正孔電流の、一部はpアノード領域13、n
カソード領域14を通ってカソード電極16へ抜けるこ
とになる。
【0029】その対策としては、pアノード領域13に
流れ込む電流を低減する方法を考えればよい。そのよう
な方法としては、先に上げたpアノード領域13とp引
き抜き領域21とを近づける方法もあるが、他に、pア
ノード領域13を主IGBT部から隔離する方法があ
る。すなわち、本発明の温度検知部内蔵型バイポーラ半
導体素子は、上部にゲート絶縁膜を介してゲート電極層
が設けられたチャネル領域と、第二導電型アノード領域
との間の距離が300〜3000μmの範囲内にあるも
のとする。
【0030】そのようにして、両領域の隔離作用を働か
せれば、第二導電型コレクタ領域から第一導電型ベース
層に注入されたキャリアの大部分が、第二導電型ベース
領域または第二導電型引き抜き領域に流れ、第二導電型
アノード領域に流れる分が少なくなるので、温度検知用
ダイオードの順電圧効果が主電流によって影響されるこ
とが少なく、また、半導体素子の無効な領域が過大にな
ることが無い。
【0031】また、上部にゲート絶縁膜を介してゲート
電極層が設けられたチャネル領域の下方と、第二導電型
アノード領域の下方との間の第一導電型ベース層のキャ
リアライフタイムが、活性部の第一導電型ベース層にお
けるその値より小さいものでもよい。そのような方法で
も、上記両領域の隔離作用を働かせることができる。
【0032】そして、本発明の第一導電型半導体層と、
その第一導電型半導体層の一方の側の表面層に選択的に
形成された第二導電型ベース領域と、その第二導電型ベ
ース領域の表面層に選択的に形成された第一導電型エミ
ッタ領域と、第二導電型ベース領域の第一導電型半導体
層と第一導電型エミッタ領域に挟まれた部分であるチャ
ネル領域の表面上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲ
ート電極層と、そのゲート電極層に接触して設けられた
ゲート電極と、チャネル領域以外の第二導電型ベース領
域および第一導電型エミッタ領域の表面上に共通に接触
するエミッタ電極と、第一導電型半導体層の表面層の別
の部分に形成された第二導電型コレクタ領域と、その第
二導電型コレクタ領域の表面に接触して設けられたコレ
クタ電極とからなる主セル部と、その第一導電型半導体
層の一方の側の表面層の別の部分に第二導電型ベース領
域と一部を重複して形成され、表面上にエミッタ電極が
接触している第二導電型引き抜き領域と、第一導電型半
導体層の表面層の第二導電型引き抜き領域に隣接した領
域に形成された第二導電型アノード領域と、その第二導
電型アノード領域の表面層に選択的に形成された第一導
電型カソード領域と、その第一導電型カソード領域の表
面上に主セル部のエミッタ電極と接続して設けられたカ
ソード電極と、第二導電型アノード領域の表面上に設け
られたアノード電極とからなる温度検知部とを有する温
度検知部内蔵型バイポーラ半導体素子の製造方法として
は、上部にゲート絶縁膜を介してゲート電極層が設けら
れたチャネル領域の下方と、第二導電型アノード領域の
下方との間の第一導電型ベース層に選択的に粒子線を照
射するものとする。
【0033】そのようにすれば、チャネル領域の下方
と、第二導電型アノード領域の下方との間の第一導電型
ベース層に選択的にキャリアライフタイムキラーを生起
させることができる。特に、金属マスクにより、照射範
囲を限定するものとする。そのようにすれば、選択的な
キャリアライフタイムキラーの生起が容易である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、本発明
の実施例について説明する。尚、以下でp、nを冠した
層、領域等はそれぞれ正孔、電子が多数キャリアである
層、領域等を意味する。 〔実施例1〕図1は、半導体素子自体に温度検知部を内
蔵したバイポーラ半導体素子の例として温度検知部を内
蔵したIGBTの部分断面図である。
【0035】図の右側部分は、IGBTの主電流の導
通、遮断のスイッチング作用を行う活性領域20であ
る。図に示したのは一つの制御電極を含む単位の部分
(以後セルと呼ぶ)であって、活性領域20は極めて多
数のこのようなセルからなっている。また、IGBTの
周縁部分には、ガードリング構造やフィールドプレート
構造のような耐圧構造が設けられているが、図には示し
ていない。
【0036】図において、pコレクタ層1の上にn+
ッファ層2を介して積層されたnベース層3の表面層に
選択的にpベース領域4が形成されている。そのpベー
ス領域4内に選択的にnエミッタ領域5が形成され、n
ベース層3とnエミッタ領域5に挟まれたpベース領域
4の表面上に、ゲート酸化膜6を介して、ポリシリコン
からなりG端子に接続されるゲート電極層7およびその
ゲート電極層7に接触するゲート電極12が設けられて
いる。また、pコレクタ層1の裏面にはC端子に接続さ
れるコレクタ電極9が、nエミッタ領域5の上にはnエ
ミッタ領域5とpベース領域4に共通に接触しE端子に
接続されるエミッタ電極8がそれぞれ設けられている。
このIGBTは、ゲート酸化膜6、ゲート電極層7、p
ベース領域4、nエミッタ領域5、nベース層3、n+
バッファ層2で構成されるMOSFETとp型基板1、
+ バッファ領域2、nベース層3、pベース領域4で
構成されているpnpトランジスタとからなるものとみ
ることもできる。
【0037】このようなIGBTのnベース層3は、例
えば、pコレクタ層1とその上に積層されたn+ バッフ
ァ層2とからなるサブストレート上にエピタキシャル成
長により形成される。またpベース領域4は、まず先に
形成したゲート電極層7をマスクとした不純物の導入に
より形成され、nエミッタ領域5は、図示されていない
フォトレジストをマスクとしての不純物の導入により形
成される。図のようにゲート電極層7の上に、絶縁膜1
1を介してエミッタ電極8を延長してもよい。
【0038】図1の左側部に、温度検知部として、温度
検知用ダイオード17が設けられている。すなわち、n
ベース層3の表面層に選択的にpアノード領域13を形
成し、その表面層にnカソード領域14を形成する。p
アノード領域13とnカソード領域14にはそれぞれア
ノード電極15とカソード電極16が設けられていて、
アノード電極15は電流源18に、カソード電極16は
IGBT部のエミッタ電極8と接続されている。温度検
知用ダイオード17には、アノード電極15からカソー
ド電極16に外部から一定電流を流し、順方向電圧VF
を検知し、VFから温度を判定するものである。温度検
知用ダイオード17の大きさは例えば、pアノード領域
13の直径が100μm、nカソード領域14の直径が
50μmである。
【0039】図1の中央部には、nベース層の表面層に
pベース領域4と一部が重複するようにp引き抜き領域
21が形成されている。このp引き抜き領域21は、表
面上にエミッタ電極8が接触しており、温度検知用ダイ
オード17付近のnベース層3内の正孔を引き抜くため
のものである。図1の実施例1のIGBTにおいては、
pアノード領域13とp引き抜き領域21との間隔L1
が20μmと接近していることによって、ラッチアップ
し難くなっている。
【0040】その機構を以下に説明する。温度検知用ダ
イオード17は、その下方にnカソード領域14、pア
ノード領域13、nベース層3、n+ バッファ層2、p
コレクタ層1で構成される四層の寄生サイリスタを有し
ている。アノード電極15からカソード電極16に、温
度検知のための一定電流(今の場合200μA)を流
す。アノード電極15から供給される正孔電流は、大部
分がnカソード領域14からカソード電極16へと抜け
る。この電流は寄生サイリスタのゲート電流となるが、
寄生サイリスタがオンする程大きくはない。正孔電流の
一部はpアノード領域13からnベース層3へも注入さ
れる。これは、pアノード領域13、nベース層3、p
引き抜き領域21のpnpトランジスタのベース電流と
なり、nベース層3へ注入された正孔の更に一部は、p
引き抜き領域21に入ってエミッタ電極8へ流れる。
【0041】コレクタ電極9とエミッタ電極8との間に
高電圧を印加し、ゲート電極12にゲート電圧VG を印
加すると、ゲート電極12の直下のpベース領域4の表
面層のチャネル領域19に反転層を生じ、その反転層を
通じてnエミッタ領域5からnベース層3に電子が供給
され、pコレクタ層1、nベース層3、pベース領域4
のpnpトランジスタのベース電流となって、このpn
pトランジスタがオンする。すると、pコレクタ層1か
ら多量の正孔がnベース層3に注入され、nベース層3
の伝導度変調を生じる。注入された正孔は、pベース領
域4、p引き抜き領域21に流れ込み、エミッタ電極8
に達するが、一部は、pアノード領域13にも流れ込
み、nカソード領域14を通ってエミッタ電極8と接続
されているカソード電極16に流れる。
【0042】IGBTのコレクタ電極9とエミッタ電極
8との間に印加されている高電圧は温度検知用ダイオー
ド17部分では、コレクタ電極9とカソード電極16と
の間に同様に印加されることになる。この部分には、先
に述べたようにnカソード領域14、pアノード領域1
3、nベース層3、nバッファ層2およびpコレクタ層
1のpnpn四層の寄生サイリスタができている。そし
て、pアノード領域13からnカソード領域14に流れ
る正孔電流はこのサイリスタのゲート電流となる。
【0043】しかも、通常のサイリスタでは、pアノー
ド領域13とnカソード領域14間のpn接合に相当す
るpn接合が短絡されているが、この場合の寄生サイリ
スタでは短絡されておらず、通常のサイリスタ構造より
はむしろGTO(ゲートターンオフ)サイリスタの構造
に近くなり、負性抵抗分が大きくなる。そして、比較的
低電圧でラッチアップすることになり、高電圧でのスイ
ッチングには耐えられない。
【0044】pアノード領域13に流入してnカソード
領域14に流れる正孔電流は、pアノード領域13とp
引き抜き領域21との間隔L1 との距離に依存し、その
距離が大きい程大きくなる。VCEサステイニング電圧
(VCE(SUS) )とこの間隔L1との関係は、先に図17
に示した通りである。間隔L1 が30μm以下の領域で
は、500V以上のVCE(SUS) となつている。すなわ
ち、pアノード領域13とp引き抜き領域21との間隔
を狭くすることによって、pアノード領域13とp引き
抜き領域21に挟まれるnベース層3の抵抗分が小さく
なり、オン期間中にnベース層3にある正孔のうち、p
引き抜き領域21からエミッタ電極8へ抜ける正孔の量
が増加し、pアノード領域13からnカソード領域1
4、カソード電極16へ抜ける正孔の量が減って、ラッ
チアップし難くなるのである。L1 は小さいほどV
CE(SUS) は向上するが、プロセス上の困難が増す点から
下限値は約1μmであろう。
【0045】以上説明したように本発明によれば、埋め
込み型ダイオードを内蔵しても、V CE(SUS) が高く、容
易にラッチアップ破壊を起こさない温度検知部内蔵型I
GBTができる。 〔実施例2〕本発明の第二の実施例の部分断面図を図2
に示す。
【0046】pアノード領域13、nカソード領域14
で構成される温度検知用ダイオード17のまわりに、p
フローティング領域23、nフローティング領域24が
形成されている。これらのフローティング領域23、2
4を設けることによって、温度検知用ダイオード17が
電気的に絶縁された状態になり、IGBTがオン状態の
時、nベース層3中に注入された正孔が、温度検知用ダ
イオード17に入り込まなくなり、温度検知用ダイオー
ド17の順方向電圧VF がIGBTの主電流の影響を受
けにくくなる。
【0047】特に、p引き抜き領域21とpアノード領
域13の間の距離が30μm以下であれば、増分は一層
少なく、また、そのため、寄生サイリスタがラッチアッ
プしなくなる。 〔実施例3〕本発明の第三の実施例の部分断面図を図3
に示す。
【0048】pアノード領域13上のアノード電極15
が主IGBTのエミッタ電極8と電気的に接続されてお
り、nカソード領域14の表面には、カソード電極16
が接触している。従って、アノード電極15上の電流を
云々することは意味が無く、カソード電極16から流れ
だす電流を一定に制御する。このとき温度検知用ダイオ
ード17の電流は、pコレクタ領域1からnベース層3
に注入され、pアノード領域13に流れ込んだ正孔電流
を含むため、pアノード領域13、nカソード領域14
間のpn接合を流れる電流を正確に把握できる。従っ
て、その電流を一定に制御すれば、順方向電圧VF は、
正確に温度の影響を反映したものとなる。
【0049】またこの実施例では、アノード電極15は
主IGBTのエミッタ電極8と接続されているために、
IGBTがオン状態の時に発生する正孔はpアノード領
域13を通してエミッタ電極8へ抜けることになり、従
来のIGBTのようにnカソード領域14に入り込む正
孔電流は少なくなるため、ラッチアップしにくくなる。 〔実施例4〕本発明の第四の実施例のIGBTの部分断
面図を図4に示す。
【0050】pアノード領域13、nカソード領域14
で構成される温度検知用ダイオード17の周りに、温度
検知用ダイオード17と同様の構造の環状の素子が形成
されている。すなわち、nベース層3の表面層に環状の
第二pアノード領域43を選択的に形成し、その第二p
アノード領域43の表面層に選択的に環状の第二nカソ
ード領域44を形成する。第二pアノード領域43の表
面上には第二アノード電極45が設けられる。第二nカ
ソード領域44上の第二カソード電極46は、温度検知
用ダイオード17のカソード電極16と接続されてお
り、更にIGBTのエミッタ電極8(図示せず。図1参
照)と接続されている。第二アノード電極45に第二電
流源48が接続され、一定の電流が流されている。
【0051】この実施例の素子シリコン基板表面の部分
平面図を図5に示す。pアノード領域13の周りに環状
の第二pアノード領域43が見られる。その第二pアノ
ード領域43の中に第二nカソード領域44が見られ
る。このように温度検知用ダイオード17の周囲に電流
を流す第二pアノード領域43を設けて、IGBTがオ
ンした状態でのnベース層3の正孔電流を、周辺の第二
pアノード領域43によって引き抜く構造にすることに
よって、pアノード領域13への流入を抑制し、IGB
Tの主電流の影響を少なくすることができる。
【0052】特に、p引き抜き領域21とpアノード領
域13の間の距離が30μm以下であれば、増分は一層
少なく、また、そのため、寄生サイリスタがラッチアッ
プしなくなる。 〔実施例5〕本発明の第五の実施例を図6に示す。
【0053】p引き抜き領域21から隔離して、nベー
ス層3の表面層にpアノード領域13が形成され、その
表面上にアノード電極15が設けられ、電流源18がつ
ながれている。この場合、ゲートオン時には、ゲート電
極7直下に生じたチャネルを通じて、アノード電極15
とエミッタ電極8間にダイオードができる。そのダイオ
ードに一定電流を流し、順方向電圧を測定する。
【0054】pコレクタ領域1からnベース層3に注入
された正孔は、pアノード領域13には流れない。従っ
て、上記ダイオードの順方向電圧は、主としてpアノー
ド領域13とnベース層3間のpn接合に由来するもの
であり、IGBTの主電流の影響は問題とならない。そ
して、pアノード領域13内にnカソード領域が無いの
で、寄生サイリスタを構成せず、従ってラッチアップの
問題も無い。
【0055】またゲートオフ時には、温度検知部はpア
ノード領域13、nベース層3、p引き抜き領域21で
構成されるpnpトランジスタとする。温度検知用pn
pトランジスタのエミッタであるアノード電極15から
一定電流を流し、pnpトランジスタのコレクタ電極で
あるIGBTのエミッタ電極8との間の電圧を測定す
る。p引き抜き領域21とnベース層3との間のpn接
合は逆方向となるが、特に温度が高い場合は例えば20
0μA程度の電流であれば流れる。
【0056】この構造を取れば、他の温度検知用ダイオ
ードのようなnカソード領域やカソード電極が不要であ
るので、安価な温度検知部内蔵型IGBTとすることが
できる。 〔実施例6〕図7は、第二の課題を解決した本発明の第
六の実施例の部分断面図である。
【0057】この例で、図16の従来例と違っているの
は、温度検知用ダイオード17と主IGBT部20との
間の距離L2 が、かなり大きく離されている点である。
具体的には、pアノード領域13と上部にゲート酸化膜
6を介してゲート電極層7が設けられたチャネル領域1
9との間の距離が500μm隔離されている。その他の
構造は図1の実施例1と同じである。すなわち図の右側
部分には、活性領域20がありpコレクタ層1の上にn
+ バッファ層2を介して積層されたnベース層3の表面
層に選択的にpベース領域4が形成されている。そのp
ベース領域4内に選択的にnエミッタ領域5が形成さ
れ、nベース層3とnエミッタ領域5に挟まれたpベー
ス領域4の表面上に、ゲート酸化膜6を介して、ポリシ
リコンからなりG端子に接続されるゲート電極層7およ
びそのゲート電極層7に接触するゲート電極12が設け
られている。また、pコレクタ層1の裏面にはC端子に
接続されるコレクタ電極9が、nエミッタ領域5の上に
はnエミッタ領域5とpベース領域4に共通に接触しE
端子に接続されるエミッタ電極8がそれぞれ設けられて
いる。図7の中央部には、nベース層の表面層にpベー
ス領域4と一部が重複するようにp引き抜き領域21が
形成されている。このp引き抜き領域21は、表面上に
エミッタ電極8が接触しており、nベース層3内の正孔
を引き抜くためのものである。
【0058】図の左側部に、温度検知部として、温度検
知用ダイオード17が設けられている。すなわち、nベ
ース層3の表面層に選択的にpアノード領域13を形成
し、その表面層にnカソード領域14を形成する。pア
ノード領域13とnカソード領域14にはそれぞれアノ
ード電極15とカソード電極16が設けられていて、ア
ノード電極15は電流源18に、カソード電極16はI
GBT部のエミッタ電極8と接続されている。温度検知
用ダイオード17には、アノード電極15からカソード
電極16に電流源18から一定電流(例えば200μ
A)を流し、順方向電圧VF を検知し、VF から温度を
判定する。温度検知用ダイオード17の大きさは例え
ば、pアノード領域13の直径が100μm、nカソー
ド領域14の直径が50μmである。また、IGBTの
周縁部分には、ガードリング構造やフィールドプレート
構造のような耐圧構造が設けられているが、図には示し
ていない。p引き抜き領域21とpアノード領域13の
間の距離は20μmであり、寄生サイリスタがラッチア
ップせず、VCE(SUS) が大きく保たれている。
【0059】図9は、実施例6の温度検知部内蔵型IG
BTの温度検知ダイオードの順電圧の変動を示す図であ
る。温度検知ダイオードの順方向電圧VF の増分が僅か
であることがわかる。これは、以下に説明する理由によ
ると考えられる。コレクタ電極9とエミッタ電極8との
間に高電圧を印加し、ゲート電極12にゲート電圧VG
を印加すると、ゲート電極層7直下のチャネル領域19
にチャネルを生じ、そのチャネルを通じてnエミッタ領
域5から電子が供給され、pコレクタ領域1、nベース
層3、pベース領域4のpnpトランジスタのベース電
流となって、このpnpトランジスタがオンする。そし
て、pコレクタ領域1から多量の正孔がnベース層3に
注入され、nベース層3に伝導度変調を生じる。注入さ
れた正孔は、pベース領域4、p引き抜き領域21に流
れ込み、エミッタ電極8に達するが、一部は、pアノー
ド領域13にも流れ込み、nカソード領域14を通って
エミッタ電極8と接続されているカソード電極16に流
れることは前にも述べた。
【0060】このとき、pアノード領域13に流れ込む
正孔電流が大きいと、pアノード領域13とnカソード
領域14間のpn接合を通る電流は、電流源18から流
される電流より大きく、温度検知用ダイオード17の順
方向電圧VF が大きくなる。しかし、pコレクタ層1か
ら注入される正孔電流は、チャネル領域19からnベー
ス層3を通ってpコレクタ層1に流れ込む電子電流によ
って誘起されるので、チャネル領域19から余り遠くま
では拡散しない。
【0061】この実施例6のIGBTでは、図16に示
した従来の温度検知部内蔵型IGBTと異なって、pア
ノード領域13とチャネル領域19との間隔が500μ
mと離されている。このため、nベース層3からpアノ
ード領域13に流れる正孔電流は従来より少なく、温度
検知用ダイオード17には、主電流の影響は殆ど及ば
ず、順方向電圧VF の増分は僅かになる。
【0062】このように、温度検知部を主IGBT部か
ら隔離することによって、順方向電圧VF の増分を低下
させることができる。図10は、温度検知用ダイオード
17と活性領域20との間の距離L2 が温度検知ダイオ
ードの順電圧に及ぼす影響を示す図である。横軸はpア
ノード領域13とチャネル領域19との間の距離、縦軸
は温度検知用ダイオードの順電圧VFの増分ΔVF であ
る(コレクタ電流IC =200A)。この図から、IG
BTの活性領域から300μm程度隔離することによっ
て、主電流の影響が少なくなり、800μm隔離するこ
とにより、ほぼ影響を抑制できることがわかる。ただ
し、この距離を余り大きくすると、IGBTとしては無
効な部分が大きくなるので、3000μm程度が上限で
あろう。
【0063】図11は、実施例6の温度検知部内蔵型I
GBTの安全動作領域を示す図である。横軸はコレクタ
・エミッタ間電圧(VCE)、縦軸はコレクタ電流
(IC )である。温度検知用ダイオード17と活性部2
0との間の距離L2 が500μmの実施例6の温度検知
部内蔵型IGBT(○)は、比較例の温度検知部を有し
ないIGBT(×)とほぼ同じく、従来の温度検知部内
蔵型IGBT(△)より遙に大きい安全動作領域を持つ
ことがわかる。なお、実線で示したのは定格特性であ
る。
【0064】温度検知用ダイオード17の順方向電圧V
F がIGBTの主電流の影響を受け難く、それだけ温度
検知精度が高められるだけでなく、安全動作領域の広い
温度検知部内蔵型IGBTが得られる。 [実施例7]図8は、第二の課題を解決した本発明の第
七の実施例の部分断面図である。
【0065】この例では、図7の実施例6と違って温度
検知用ダイオード17と活性領域20との間の距離L2
が、50μmと再び短くなっているが、その間のnベー
ス層3のキャリアライフタイムが短くなっている。具体
的には、pアノード領域13と上部にゲート酸化膜6を
介してゲート電極層7が設けられたチャネル領域19と
の間の距離が50μmであり、その間のnベース層3に
キャリアライフタイムが約1μsと短い短寿命領域36
が設けられている。
【0066】図12は、実施例6、7の温度検知部内蔵
型IGBTの温度検知用ダイオードの順電圧増分(ΔV
F )と従来例および実施例6、7のそれらとの比較図で
ある。本実施例の温度検知用ダイオードの順方向電圧V
F の増分が僅かであることがわかる。このように、活性
領域20と温度検知用ダイオード17とを隔離している
領域のキャリアライフタイムを短くすることも、両者の
分離作用を高める上で効果があり、順方向電圧VF の増
分は僅かになるため、温度検知精度は向上する。
【0067】図11に、実施例7の温度検知部内蔵型I
GBTの安全動作領域をも示した(●)。実施例7の温
度検知部内蔵型IGBTは、実施例6とほぼ同様に、従
来の温度検知部内蔵型IGBTより遙に大きい安全動作
領域を持つことがわかる。なお、短寿命領域36に主電
流が流れることは無いので、オン電圧等に悪影響を与え
ることは無い。また、温度検知用ダイオード17の下方
と活性領域20の下方との間のnベース層3の全体にわ
たって短寿命領域36が設けられている必要はなく、そ
の一部に10μm以上の幅に設けられていればよい。
【0068】図13は、実施例7の温度検知部内蔵型I
GBTを得るためのライフタイムキラーの形成方法を示
す図である。IGBTの表面を保護する最終保護膜51
を形成した後、その保護膜51上に選択的にステンレス
スチール等の金属膜52を形成し、それをマスクにして
ヘリウムイオンを照射した。加速電圧は約25MeV、
照射量は1012〜1013cm -2とし、照射後約300℃
でアニールした。このような方法で、活性領域20と温
度検知ダイオード17との間の領域のキャリアライフタ
イムを局所的に短縮することができる。
【0069】以上説明したように本発明によれば、埋め
込み型ダイオードを内蔵した絶縁ゲートバイポーラトラ
ンジスタにおいて、ラッチアップ破壊を起こさず、しか
も温度検知用ダイオードの順方向電圧が受ける主電流の
影響を軽減でき、制御性のよい温度検知部内蔵型IGB
Tができることを明らかにした。以上の実施例では、n
チャネル型のIGBTについて説明したが、導電型を入
れ換えたpチャネルIGBTでも同様に適用できる。ま
た、IGBT以外のMCT(MOS制御サイリスタ)、
EST(エミッタ分離サイリスタ)、BSIT(バイポ
ーラモード静電誘導トランジスタ)、SITh(静電誘
導サイリスタ)といった少数キャリアの注入を伴うバイ
ポーラ半導体素子にも有効である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、温
度検知部を埋め込んだ形の少数キャリアの注入を伴うバ
イポーラ半導体素子において、温度検知用ダイオードの
第二導電型アノード領域と、第二導電型引き抜き領域と
の間を30μm以内に近づけることによって、寄生サイ
リスタがラッチアップ破壊を起こさず、VCEサスティニ
ング電圧のような動作電圧の向上した温度検知部内蔵型
バイポーラ半導体素子とすることができる。
【0071】また、温度検知部と活性領域との間を30
0μm以上に離すことによって、温度検知ダイオードの
順方向電圧への主電流の影響を低減でき、制御性の良い
温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素子とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分断面図
【図2】本発明第二の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分断面図
【図3】本発明第三の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分断面図
【図4】本発明第四の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分断面図
【図5】本発明第四の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分平面図
【図6】本発明第五の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分断面図
【図7】本発明第六の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分平面図
【図8】本発明第七の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの部分断面図
【図9】本発明第六の実施例の温度検知部内蔵型IGB
Tの各部の電圧、電流波形図
【図10】pアノード領域とチャネル領域との間の距離
2 と順電圧増分との関係を示す図
【図11】本発明第六の実施例の温度検知部内蔵型IG
BTおよび比較例の安全動作領域を示す図
【図12】本発明第七の実施例の温度検知部内蔵型IG
BTおよび比較例の温度検知ダイオードの順電圧増分を
示す図
【図13】本発明第七の実施例の温度検知部内蔵型IG
BTの製造方法を示す図
【図14】IPMの昇温時のタイミングチャート
【図15】温度検知ダイオードの順電圧の温度特性図
【図16】従来の温度検知部内蔵型IGBTの部分断面
【図17】pアノード領域とp引き抜き領域との間の距
離がVCE(sus) に及ぼす影響を示す図
【図18】温度検知部内蔵型IGBTを用いた誘導負荷
回路図
【図19】従来の温度検知部内蔵型IGBTの各部の電
圧、電流波形図
【符号の説明】
1 pコレクタ層 2 n+ バッファ層 3 nベース層 4 pベース領域 5 nエミッタ領域 6 ゲート酸化膜 7 ゲート電極層 8 エミッタ電極 9 コレクタ電極 10 酸化膜 11 絶縁膜 12 ゲート電極 13 pアノード領域 14 nカソード領域 15 アノード電極 16 カソード電極 17 温度検知用ダイオード 18 電流源 19 チャネル領域 20 活性領域 21 p引き抜き領域 23 pフローティング領域 24 nフローティング領域 31 温度検知部内蔵型IGBT 32 リアクトル 33 電源 34 ゲート電源 35 コンデンサ 36 短寿命領域 43 第二pアノード領域 44 第二nカソード領域 45 第二アノード電極 46 第二カソード電極 48 電流源 51 保護膜 52 金属遮蔽膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/04 (72)発明者 工藤 基 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−232410(JP,A) 特開 平8−8422(JP,A) 特開 平7−169952(JP,A) 特開 平5−114736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 657

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電型半導体層と、その第一導電型半
    導体層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二導
    電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面層
    に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第二
    導電型ベース領域の第一導電型半導体層と第一導電型エ
    ミッタ領域に挟まれた部分であるチャネル領域の表面上
    にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極層と、そ
    のゲート電極層に接触して設けられたゲート電極と、チ
    ャネル領域以外の第二導電型ベース領域および第一導電
    型エミッタ領域の表面上に共通に接触するエミッタ電極
    と、第一導電型半導体層の表面層の別の部分に形成され
    た第二導電型コレクタ領域と、その第二導電型コレクタ
    領域の表面に接触して設けられたコレクタ電極とからな
    る主セル部を有するバイポーラ半導体素子において、 その第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分
    に第二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表
    面上にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き
    領域と、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型引き
    抜き領域に隣接した領域に形成された第二導電型アノー
    ド領域と、その第二導電型アノード領域の表面層に選択
    的に形成された第一導電型カソード領域と、その第一導
    電型カソード領域の表面上に主セル部のエミッタ電極と
    接続して設けられたカソード電極と、第二導電型アノー
    ド領域の表面上に設けられたアノード電極とからなる温
    度検知部とを有し、第二導電型アノード領域と第二導電
    型引き抜き領域との間の距離が1〜30μmの範囲内に
    あることを特徴とする温度検知部内蔵型バイポーラ半導
    体素子。
  2. 【請求項2】第一導電型の半導体層からなる第一層と、
    第一層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二導
    電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面層
    に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第二
    導電型ベース領域の第一層と第一導電型エミッタ領域に
    挟まれた部分であるチャネル領域の表面上にゲート絶縁
    膜を介して形成されたゲート電極層と、そのゲート電極
    層に接触して設けられたゲート電極と、チャネル領域以
    外の第二導電型ベース領域および第一導電型エミッタ領
    域の表面上に共通に接触するエミッタ電極と、第一導電
    型半導体層の表面層の別の部分に形成された第二導電型
    コレクタ領域と、その第二導電型コレクタ領域の表面に
    接触して設けられたコレクタ電極とからなる主セル部を
    有するバイポーラ半導体素子において、 その第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分
    に第二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表
    面上にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き
    領域を有し、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型
    引き抜き領域に隣接した部分に形成された第二導電型フ
    ローティング領域と、その第二導電型フローティング領
    域の表面層の一部に形成された第一導電型フローティン
    グ領域と、その第一導電型フローティング領域の表面層
    の一部に形成された第二導電型アノード領域と、その第
    二導電型アノード領域の表面層の一部に形成された第一
    導電型カソード領域と、その第一導電型カソード領域の
    表面上に主セル部のエミッタ電極と接続して設けられた
    カソード電極と、第二導電型アノード領域の表面上に設
    けられたアノード電極とからなる温度検知部を有するこ
    とを特徴とする温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素
    子。
  3. 【請求項3】第二導電型アノード領域と第二導電型引き
    抜き領域との間の距離が1〜30μmの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項2記載の温度検知部内蔵型バイポ
    ーラ半導体素子。
  4. 【請求項4】第一導電型の半導体層からなる第一層と、
    第一層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二導
    電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面層
    に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第二
    導電型ベース領域の第一層と第一導電型エミッタ領域に
    挟まれた部分であるチャネル領域の表面上にゲート絶縁
    膜を介して形成されたゲート電極層と、そのゲート電極
    層に接触して設けられたゲート電極と、チャネル領域以
    外の第二導電型ベース領域および第一導電型エミッタ領
    域の表面上に共通に接触するエミッタ電極と、第一導電
    型半導体層の表面層の別の部分に形成された第二導電型
    コレクタ領域と、その第二導電型コレクタ領域の表面に
    接触して設けられたコレクタ電極とからなる主セル部を
    有するバイポーラ半導体素子において、 その第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分
    に第二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表
    面上にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き
    領域を有し、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型
    引き抜き領域に隣接した領域に形成された第二導電型ア
    ノード領域と、その第二導電型アノード領域の表面層に
    選択的に形成された第一導電型カソード領域と、その第
    一導電型カソード領域の表面上に設けられたカソード電
    極と、第二導電型アノード領域の表面上に主セル部のエ
    ミッタ電極と接続して設けられたアノード電極とからな
    る温度検知部を有することを特徴とする温度検知部内蔵
    型バイポーラ半導体素子。
  5. 【請求項5】第一導電型の半導体層からなる第一層と、
    第一層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二導
    電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面層
    に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第二
    導電型ベース領域の第一層と第一導電型エミッタ領域に
    挟まれた部分であるチャネル領域の表面上にゲート絶縁
    膜を介して形成されたゲート電極層と、そのゲート電極
    層に接触して設けられたゲート電極と、チャネル領域以
    外の第二導電型ベース領域および第一導電型エミッタ領
    域の表面上に共通に接触するエミッタ電極と、第一導電
    型半導体層の表面層の別の部分に形成された第二導電型
    コレクタ領域と、その第二導電型コレクタ領域の表面に
    接触して設けられたコレクタ電極とからなる主セル部を
    有するバイポーラ半導体素子において、 その第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分
    に第二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表
    面上にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き
    領域を有し、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型
    引き抜き領域に隣接した領域に形成された環状の第二の
    第二導電型アノード領域と、その第二の第二導電型アノ
    ード領域の表面層に選択的に形成された第二の第一導電
    型カソード領域と、第二の第二導電型アノード領域に囲
    まれた第一導電型半導体層の表面層の一部に形成された
    第一の第二導電型アノード領域と、その第二導電型アノ
    ード領域の表面層に選択的に形成された第一の第一導電
    型カソード領域と、その第一導電型カソード領域の表面
    上に主セル部のエミッタ電極と接続して設けられたカソ
    ード電極と、第二導電型アノード領域の表面上に設けら
    れたアノード電極とからなる温度検知部を有することを
    特徴とする温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素子。
  6. 【請求項6】第二の第二導電型アノード領域と第二導電
    型引き抜き領域との間の距離が1〜30μmの範囲内に
    あることを特徴とする請求項5記載の温度検知部内蔵型
    バイポーラ半導体素子。
  7. 【請求項7】第一導電型の半導体層からなる第一層と、
    第一層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二導
    電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面層
    に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第二
    導電型ベース領域の第一層と第一導電型エミッタ領域に
    挟まれた部分であるチャネル領域の表面上にゲート絶縁
    膜を介して形成されたゲート電極層と、そのゲート電極
    層に接触して設けられたゲート電極と、チャネル領域以
    外の第二導電型ベース領域および第一導電型エミッタ領
    域の表面上に共通に接触するエミッタ電極と、第一導電
    型半導体層の表面層の別の部分に形成された第二導電型
    コレクタ領域と、その第二導電型コレクタ領域の表面に
    接触して設けられたコレクタ電極とからなる主セル部を
    有するバイポーラ半導体素子において、 その第一導電型半導体層の一方の側の表面層の別の部分
    に第二導電型ベース領域と一部を重複して形成され、表
    面上にエミッタ電極が接触している第二導電型引き抜き
    領域を有し、第一導電型半導体層の表面層の第二導電型
    引き抜き領域に隣接した領域に形成された第二導電型ア
    ノード領域と、その第二導電型アノード領域の表面上に
    設けられたアノード電極と、第二導電型引き抜き領域
    と、その表面上のエミッタ電極とからなる温度検知部を
    有することを特徴とする温度検知部内蔵型バイポーラ半
    導体素子。
  8. 【請求項8】上部にゲート絶縁膜を介してゲート電極層
    が設けられたチャネル領域と、第二導電型アノード領域
    との間の距離が300〜3000μmの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の温
    度検知部内蔵型バイポーラ半導体素子。
  9. 【請求項9】上部にゲート絶縁膜を介してゲート電極層
    が設けられたチャネル領域の下方と、第二導電型アノー
    ド領域の下方との間の第一導電型ベース層のキャリアラ
    イフタイムが、活性部の第一導電型ベース層におけるそ
    の値より小さいことを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素
    子。
  10. 【請求項10】第一導電型半導体層と、その第一導電型
    半導体層の一方の側の表面層に選択的に形成された第二
    導電型ベース領域と、その第二導電型ベース領域の表面
    層に選択的に形成された第一導電型エミッタ領域と、第
    二導電型ベース領域の第一導電型半導体層と第一導電型
    エミッタ領域に挟まれた部分であるチャネル領域の表面
    上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極層と、
    そのゲート電極層に接触して設けられたゲート電極と、
    チャネル領域以外の第二導電型ベース領域および第一導
    電型エミッタ領域の表面上に共通に接触するエミッタ電
    極と、第一導電型半導体層の表面層の別の部分に形成さ
    れた第二導電型コレクタ領域と、その第二導電型コレク
    タ領域の表面に接触して設けられたコレクタ電極とから
    なる主セル部と、その第一導電型半導体層の一方の側の
    表面層の別の部分に第二導電型ベース領域と一部を重複
    して形成され、表面上にエミッタ電極が接触している第
    二導電型引き抜き領域と、第一導電型半導体層の表面層
    の第二導電型引き抜き領域に隣接した領域に形成された
    第二導電型アノード領域と、その第二導電型アノード領
    域の表面層に選択的に形成された第一導電型カソード領
    域と、その第一導電型カソード領域の表面上に主セル部
    のエミッタ電極と接続して設けられたカソード電極と、
    第二導電型アノード領域の表面上に設けられたアノード
    電極とからなる温度検知部とをを有する温度検知部内蔵
    型バイポーラ半導体素子の製造方法において、 上部にゲート絶縁膜を介してゲート電極層が設けられた
    チャネル領域の下方と、第二導電型アノード領域の下方
    との間の第一導電型ベース層に選択的に粒子線を照射す
    ること特徴とする温度検知部内蔵型バイポーラ半導体素
    子の製造方法。
  11. 【請求項11】金属マスクにより、照射範囲を限定する
    ことを特徴とする請求項10記載の温度検知部内蔵型バ
    イポーラ半導体素子の製造方法。
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