JP3532749B2 - 導電性組成物、それを用いた導電性接着剤 - Google Patents

導電性組成物、それを用いた導電性接着剤

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JP3532749B2
JP3532749B2 JP36847197A JP36847197A JP3532749B2 JP 3532749 B2 JP3532749 B2 JP 3532749B2 JP 36847197 A JP36847197 A JP 36847197A JP 36847197 A JP36847197 A JP 36847197A JP 3532749 B2 JP3532749 B2 JP 3532749B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器・部品等の組立
の際の接合あるいは印刷による回路板の製造などに有用
な導電性組成物および該組成物を用いた導電性接着剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器の部品の接合剤の分野で
はハンダが用いられてきた。しかし、近年ハンダに代っ
導電性接着剤が用いられてきている。ハンダを用いる
ときには、ハンダ付け性を良好にするため部品や基板の
メッキや予備ハンダメッキ等の予備工程が必要である。
しかし、導電性接着剤は種々の材料を容易に接合するこ
とができるため、上記予備工程が不要となり、前処理工
程を簡素化することが可能である。また、接着剤の硬化
工程は、接着剤の種類、硬化時間や硬化温度などの条件
を自由に選択することができるため、ハンダのリフロー
工程よりもフレキシブルな工程を組むことができる。し
たがって、これらの工程が簡素化されることにより製造
コストの低減や信頼性の向上が期待できる。さらに、導
電性接着剤は従来の錫・鉛ハンダで問題となっている鉛
公害という問題がなくなる利点がある。
【0003】また、ハンダは清浄な金属表面にのみ接着
性が得られる。このため、リフロー工程で表面酸化物を
除去するためのフラックスを使用する場合には、リフロ
ー後のフラックス残査が部品の腐蝕の原因となるためこ
れを除去する必要がある。このフラックス残査を洗浄す
るためにフロン系洗浄剤での電子機器や部品の洗浄が従
来より行われている。しかし、フロン系材料には種々の
問題があるため、このフロン系材料に代わる洗浄剤が種
々検討されているが、まだ解決していない状況である。
しかし、導電性接着剤ではこのような洗浄を行う必要が
なく、脱フロンの達成、ひいてはオゾン層の保護に役立
つ材料であり、環境にも優しい材料として注目されてい
る。また、ハンダ付けには通常200℃以上の加熱が必
要であったが、導電性接着剤は使用される樹脂と硬化剤
の組合せを選択することにより、低温加熱でも硬化が可
能であるため、電子機器や部品を損傷する心配がない。
このように利点の多い導電性接着剤であるが、従来市販
されている導電性物質をエポキシ樹脂中に分散させたエ
ポキシ系接着剤等では、接着強度、曲げ強度、耐熱性が
不充分であり、熱サイクルによる劣化の少ない高性能な
導電性接着剤の開発が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は充分な
導電性、機械強度、耐熱性を有し、接着剤や塗料として
用いた場合に接着強度や曲げ強度が良好であり、高温環
境下で、長期間使用してもその性能が実質的に劣化しな
い導電性組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも銀
粒子とフェノール性水酸基を有する芳香族ポリアミド樹
脂を含有することを特徴とする導電性組成物、それを用
いた導電性接着剤を提供する。本発明の導電性組成物を
次に示す。少なくとも銀粒子とフェノール性水酸基を有
する芳香族ポリアミド樹脂とを含有する導電性組成物で
あって、該芳香族ポリアミド樹脂は、末端アミノアリー
ル基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基を有する
芳香族ジアミン化合物とフェノール性水酸基を有するジ
カルボン酸を含有する下記一般式(1)で示されるくり
返し構造単位5〜100モル%と下記一般式(2)で示
される繰り返し構造単位0〜95モル%とが不規則に結
合しており、
【化3】 (ただし、上記一般式中、Arは少なくとも2価の芳香
族基を示し、R、Rは、それぞれ独立にHまたは炭素
数1〜4までのアルキル基、ただし同時にHであること
は無い、を示し、Rは炭素数1から3までのアルキレ
ン基、ただしフッ素原子で置換されていても良い、を示
し、nは1または2を示す)かつ、前記芳香族ポリアミ
ド樹脂がポリエーテル成分とブロック共重合されている
ことを特徴とする導電性組成物。本発明の導電性接着剤
は、少なくとも銀粒子とフェノール性水酸基を有する芳
香族ポリアミド樹脂とエポキシ樹脂とを含有する接着剤
であって、芳香族ポリアミド樹脂が、上記芳香族ジアミ
ン化合物と上記一般式(1)及び一般式(2)に示され
る繰り返し単位とが上記の割合で不規則に結合してお
り、かつ、前記芳香族ポリアミド樹脂がポリエーテル成
分とブロック共重合されており、かつ変性脂肪族ポリア
ミン型硬化剤が添加され、硬化前の粘度が所定範囲にあ
る導電性接着剤である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
目的は、少なくとも耐熱性および反応性の良好なフェノ
ール性水酸基を有する成分を含有する芳香族ポリアミド
樹脂(以下アラミド樹脂という)を樹脂成分全体あるい
は一部として用い、その樹脂中に銀粒子を分散させるこ
とによる導電性の高い樹脂組成物の提供、及びハンダの
使用を不要とする該樹脂組成物を使用した耐熱性と接着
性の良好な導電性接着剤の提供にある。
【0007】本発明に用いるアラミド樹脂は、末端アミ
ノアリール基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基
を有する芳香族ジアミン化合物とフェノール性水酸基を
有するジカルボン酸とを含有する下記一般式(1)で示
されるくり返し構造単位5〜100モル%と下記一般式
(2)で示される繰り返し構造単位0〜95モル%とが
不規則に結合してなるものであって、ポリエーテル成分
とブロック成分と共重合されているものである。前記ア
ラミド樹脂は良好な溶媒溶解性と反応性を有し、製膜性
も良好で耐熱性の高い面形成が可能である。フェノール
性水酸基を有するこのようなアラミド樹脂は高温で加熱
することにより自己架橋し、飛躍的に耐熱性が向上す
る。また、アラミド樹脂をフェノール性水酸基と反応す
る他の熱硬化性樹脂と複合することにより、接着性の向
上や低温での硬化を可能とすることもできる。本発明の
フェノール性水酸基を含有するアラミド樹脂を含有する
導電性組成物を接着層や回路としたときに、マトリック
ス樹脂を架橋構造とすることによって、長期使用におけ
る抵抗値変化の抑制、あるいは折り曲げによる抵抗値変
化も抑制することが可能となる。
【0008】
【化4】 (ただし、上記一般式中、Arは2価の芳香族基を示
し、R、Rは、それぞれ独立にHまたは炭素数1〜4
までのアルキル基、ただし同時にHであることは無い、
を示し、Rは炭素数1から3までのアルキレン基、た
だしフッ素原子で置換されても良い、を示し、nは1ま
たは2を示す)。
【0009】末端アミノアリール基のオルト位に少なく
とも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物と
しては、例えば、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3エチル−5−メチ
ルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−プロピル
フェニル)メタン、ビス(4−アミノ3,5−ジプロピ
ルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−イソプロ
ピルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジ
イソプロピルフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3,5−
ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−
ビス(3、5−ジエチル−4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ア
ミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ
フェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ
プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ア
ミノフェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサフル
オロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジエチル−4
−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサ
フルオロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジイソプ
ロピル−4−アミノフェニル)1,1,1,3,3,
3,−ヘキサフルオロプロパン等がある。
【0010】フェノール性水酸基を有するジカルボン酸
の例としては、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒド
ロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、2
−ヒドロキシテレフタル酸、2,3−ジヒドロキシテレ
フタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、および
その誘導体が挙げられる。これらの単量体は単独で使用
しても良いし、複数種類を混合して使用しても良い。
【0011】本発明のアラミド樹脂は、まず、ピリジン
誘導体を含む有機溶媒、例えばN−メチルピロリドン、
ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒中に亜リン酸エ
ステルを添加する。その後、ジカルボン酸類とジアミン
類を添加し、窒素等の不活性雰囲気下で加熱撹拌するこ
とにより得ることができる。反応終了後、反応液をその
まま塗料として用いても良いが、副生成物や無機塩類等
を除去する必要がある場合には、反応液をメタノール等
の非溶媒中に投入し、生成重合体を分離した後、再沈殿
法によって精製し、高純度のアラミド重合体を得ること
ができる。
【0012】また、本発明の導電性組成物は目的とする
耐熱性、柔軟性を得るために異なる構造のアラミド樹脂
同士の混合、あるいはアラミド樹脂以外の樹脂成分との
混合も可能である。アラミド樹脂以外の樹脂成分として
は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン
樹脂、オレフィン系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、そ
の他のエラストマー樹脂等特に制限はないが、長期の耐
熱安定性の良好な物が好ましい。
【0013】アラミド樹脂と他の樹脂成分を混合する場
合、単なる混合では、樹脂の種類によってはアラミド樹
脂との相溶性が悪く、混合したときに樹脂が分離し充分
な均一性が得られない場合があるので、本発明で用いる
アラミド樹脂はポリエーテル成分とブロック共重合され
ている。ポリエーテルの例としてはエラスマー1000
(イハラケミカル社製)、POE#1000(川研ファ
インケミカル社製)が挙げられる。
【0014】また、接着性の向上や長期の使用における
抵抗値変化の抑制を図るためには、バインダー樹脂を架
橋構造とすることが好ましく、この目的のために熱硬化
性樹脂との混合も可能である。熱硬化性樹脂の例として
はエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂等が
挙げられる。アラミド樹脂との相溶性、被膜の耐熱性、
および接着性等の観点からはエポキシ化合物、例えばエ
ポキシ樹脂等を用いることが最も好ましい。エポキシ樹
脂の例としてはビスフェノールA型、ビスフェノールF
型、その他多官能エポキシ樹脂等を用いることができ
る。導電性組成物として銀粒子を混合した後の粘度上昇
を押さえるためには、極力低粘度のエポキシ樹脂を用い
ることが好ましく、25℃における粘度が100poi
se以下のエポキシ樹脂を用いることが最も好ましい。
さらに一般的なエポキシ樹脂の低粘度化剤すなわち希釈
剤を添加して粘度調整を図ることも可能である。
【0015】また、フェノール性水酸基を含有するアラ
ミド樹脂は加熱することにより自己架橋させることも可
能であるが、さらに積極的に架橋剤を添加して架橋させ
ても良い。この場合の架橋剤としては水酸基と反応させ
ることができる架橋剤であれば特に制限はなく、末端に
カルボン酸、アミン、エポキシ、イソシアネート等の官
能基を有する2官能以上の架橋剤を用いることができ
る。これらの架橋剤を用いることによって、架橋反応の
開始温度を低下させることが可能となり、それほど高温
耐熱性の良好でない部品等の接着や基材への回路形成に
おいても導電性組成物の架橋被膜を形成させることが可
能である。
【0016】本発明の導電性物質としては銀粒子を用い
る。電気回路を形成できる程度の導電性を付与するため
には導電性物質の中では銀粒子が最も好ましく、形状は
球状、フレーク状、樹枝状のものが使用可能であるが、
良好な導電性を付与するためにはフレーク状あるいは樹
枝状のものが好ましい。また、導電性組成物中での分散
を良好とするためには粒径が5μm以下が好ましい。更
に2μm以下のものを用いることが最も好ましい。この
様な銀粒子としては徳力化学研究所株式会社製商品名;
TCG−7(フレーク状、平均粒径1.8μm)あるい
は商品名;E−20(樹枝状、平均粒径0.3μm)等
が挙げられる。さらに抵抗調整その他の目的で、例えば
導電性カーボンブラック等のカーボンブラック類、球状
あるいは鱗片状のグラファイト、カーボンファイバ、導
電性チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウ
イスカー等の導電性ウイスカー類、酸化亜鉛、酸化チタ
ン等の金属酸化物、その他種々の金属粒子を併用するこ
とも可能である。これらの導電性物質は抵抗値のばらつ
きの少ないもの、樹脂への分散性の良好なものを選択す
ることが好ましい。
【0017】銀粒子の使用量は導電性組成物中の50重
量%以上、90重量%以下が好ましい。50重量%未満
であると導電性が充分でなく、90重量%を越えると接
着剤や回路としたときの硬化後の導電性組成物層が脆く
なり、接着強度も不充分となるために好ましくない。接
着剤として用いる場合は70重量%以上85重量%以下
が接着性と導電性のバランスの点で最も好ましい。また
導電性ワニスとして用いる場合には80重量%以上90
重量%以下が導電性が充分得られる範囲として最も好ま
しい。この場合、導電性組成物全体の抵抗値は接着層あ
るいは回路とした時に体積固有抵抗が1×10−3Ωc
m以下となるように適宜銀粒子の量を調整することが好
ましい。
【0018】本発明の導電性組成物は硬化剤を混合した
組成物とするか、使用時に硬化剤を混合することによっ
て接着剤として用いることが可能である。その場合の接
着剤の粘度は25℃において100poise以上、2
000poise以下が好ましい。100poise未
満であると塗布したときの流れが良すぎてニジミやブリ
ッジの問題が発生し易くなり、これらが発生すると接着
後に除去することは困難になるため、所望の精度の回路
を得ることが困難となる。また、2000poiseを
越えると印刷やディスペンスによる塗布が困難となり、
ハンドリングに問題が出るので好ましくない。
【0019】本発明の導電性組成物を溶剤に溶解して導
電性ワニスとし、スクリーン印刷等の手段によって基材
上に印刷し、溶剤を乾燥させることによって電極あるい
は電気回路を形成することも可能である。電極の作成工
程はまず本発明のアラミド樹脂、その他の添加剤を溶媒
に溶解し、さらに銀粒子を混合する、その後、塗布に最
適な粘度になるように固形分を調整する。使用する溶媒
はアラミド樹脂を含有する樹脂組成物を溶解できるもの
であれば特に制限はないが、NMP、DMAc、DMF
等のアミド系溶媒を用いると塗料の継時安定性、脱溶媒
後の導電性物質膜の表面状態が良好となるため好まし
い。調製したワニスを目的の層厚になるように基材表面
に塗料を塗布する。その後、熱風乾燥機等を使用して溶
媒を乾燥し、さらに必要に応じて加熱硬化を行い基材上
に被膜を形成する。電極または電気回路用の基材として
はフィルム、不織布等のフレキシブルなものから金属、
セラミック、ガラス等のリジッドなものまで広範囲な材
料を用いることが可能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
なお、以下の各例において部とは重量部を示す。
【0021】合成 カニカルスターラ、還流冷却器、温度計、塩化カルシ
ウム管、および窒素道入管を取り付けた容量300ml
の三口丸底フラスコに、ビス(4−アミノ−3−エチル
−5−メチルフェニル)メタン(イハラケミカル製、商
品名:キュアハードMED)7.77g(27.5mm
ol)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノ
ベンゾエート(イハラケミカル社製、商品名:エラスマ
ー1000、分子量:約1240)15.48g(1
2.5mmol)、5−ヒドロキシイソフタル酸(日本
化薬社製)7.28g(40.0mmol)、安定化剤
として塩化カルシウム2.0g、塩化リチウム2.0
g、および縮合剤としてN−メチル−2−ピロリドン8
0g、ピリジン4.0g、亜りん酸トリフェニル24.
82g(80.0mmol)を投入した。ついで、フラ
スコをオイルバスで120℃に加温しながら窒素雰囲気
下2時間攪拌した。攪拌後、反応液を室温まで冷却し、
溶液(水/メタノール=1/1)4リットルに滴下して
樹脂を析出させた。これを吸引濾過し、溶液(水/メタ
ノール=9/1)で2回洗浄し、乾燥して収率86%で
フェノール性水酸基を含有したポリアミド−ポリエーテ
ル共重合体を得た。得られたポリアミド−ポリエーテル
共重合体Eの固有粘度は、0.63dl/g(溶媒:
N,N−ジメチルアセトアミド、濃度:0.5g/d
l、温度:30℃)であった。
【0022】実施例 合成例で合成したポリアミド−ポリエーテル共重合体5
0部とビスフェノールFタイプのエポキシ樹脂(旭電化
工業株式会社製 商品名;アデカレジンEP−490
1)100部にフレーク状銀粒子(徳力化学研究所株式
会社社製 商品名;TCG−7)250部、樹枝状銀粒
子(徳力化学研究所株式会社社製 商品名;E−20)
250部を添加し、溶媒N,N−ジメチルホルムアミド
800部を加え、80℃で溶解し充分混合した後脱溶媒
し本発明の 導電性組成物を得た。
【0023】次に前記実施例についての試験をおこな
った。 1.接着剤の作成 実施例1で得られた導電性組成物に変性脂肪族ポリアミ
ン型硬化剤(旭電化工業株式会社製 商品名;アデカハ
ードナーEH233B)40部を添加混合し、本実施例
で用いる導電性接着剤を得た。 2.接着性および導電性試験片の作成 前記で作成した導電性接着剤を35μmの銅箔上に50
μmの膜厚で塗布し、銅箔に被膜を形成させた。前記で
作成した試験片の上に更に銅箔を重ね合わせ、卓上用テ
ストプレス(神藤金属工業製)を用いて10Kg/cm
になるようにセットし、180℃、1時間プレスして
試験片を接着した。この接着剤付き銅箔を5cm×1c
mに裁断し接着試験および導電性評価用のサンプルとし
た。 3.接着強度の試験 テンシロンUCT−500型(オリエンテック社製)を
用いて下記条件で180度剥離強度を測定した。チャー
トからその剥離強度の平均値をもとめ接着強度とした。
ヘッドスピード:5mm/min.測定温度:25℃お
よび150℃また、以下の計算式により、接着強度の保
持率を求め、耐熱性の指標とした。 4.体積固有抵抗の測定 前記で作成した樹脂付き銅箔試験片を電極間に挟み、導
電性組成物の体積固有抵抗を抵抗計YMR−3型(山崎
精機研究所製)を用いて測定した。
【0024】上記試験によって得られた実例の結果は
表1に示す通りであった。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果より明らかなとおり、本発明の
実施例1の接着剤は常温における接着強度は充分であ
り、150℃の高温下でも接着強度の保持率が80%以
上であり、良好な接着性を示した。また導電性も充分得
られ実用上充分な導電性接着剤としての特性を示した。
【0027】
【発明の効果】このように、本発明の銀粒子とフェノー
ル性水酸基を有する芳香族ポリアラミド樹脂とを含有
る導電性組成物を接着剤として用いると、高温環境下で
も接着強度の低下が少ない優れた耐熱性と導電性を有す
る接着層を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/22 C08K 3/08 C08L 77/10 C09J 9/02 C09J 177/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも銀粒子とフェノール性水酸基
    を有する芳香族ポリアミド樹脂とを含有する導電性組成
    物であって、該芳香族ポリアミド樹脂は、末端アミノア
    リール基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基を有
    する芳香族ジアミン化合物とフェノール性水酸基を有す
    るジカルボン酸を含有する下記一般式(1)で示される
    くり返し構造単位5〜100モル%と下記一般式(2)
    で示される繰り返し構造単位0〜95モル%とが不規則
    に結合しており、 【化1】 (ただし、上記一般式中、Arは少なくとも2価の芳香
    族基を示し、R、Rは、それぞれ独立にHまたは炭素
    数1〜4までのアルキル基、ただし同時にHであること
    は無い、を示し、Rは炭素数1から3までのアルキレ
    ン基、ただしフッ素原子で置換されていても良い、を示
    し、nは1または2を示す)かつ、前記芳香族ポリアミ
    ド樹脂がポリエーテル成分とブロック共重合されている
    ことを特徴とする導電性組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエーテル成分の炭化水素が脂肪族で
    あることを特徴とする請求項1記載の導電性組成物。
  3. 【請求項3】 導電性組成物中に占める銀粒子の比率が
    50〜90重量%であることを特徴とする請求項1記載
    の導電性組成物。
  4. 【請求項4】 体積固有抵抗が1×10−3Ωcm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の導電性組成物。
  5. 【請求項5】 少なくとも請求項1記載の導電性組成物
    とエポキシ樹脂とを含有し、硬化前の25℃における粘
    度が100ポイズ以上、2000ポイズ以下であること
    を特徴とする導電性接着剤。
  6. 【請求項6】 少なくとも銀粒子とフェノール性水酸基
    を有する芳香族ポリアミド樹脂とエポキシ樹脂とを含有
    する導電性接着剤であって、該芳香族ポリアミド樹脂
    は、末端アミノアリール基のオルト位に少なくとも一個
    のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物とフェノー
    ル性水酸基を有するジカルボン酸を含有する下記一般式
    (1)で示されるくり返し構造単位5〜100モル%と
    下記一般式(2)で示される繰り返し構造単位0〜95
    モル%とが不規則に結合しており、 【化2】 (ただし、上記一般式中、Arは少なくとも2価の芳香
    族基を示し、R、Rは、それぞれ独立にHまたは炭素
    数1〜4までのアルキル基、ただし同時にHであること
    は無い、を示し、Rは炭素数1から3までのアルキレ
    ン基、ただしフッ素原子で置換されていても良い、を示
    し、nは1または2を示す)かつ、前記芳香族ポリアミ
    ド樹脂がポリエーテル成分とブロック共重合されてお
    り、かつ、変性脂肪族ポリアミン型硬化剤が添加され、
    硬化前の25℃における粘度が100ポイズ以上、20
    00ポイズ以下であることを特徴とする導電性接着剤。
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