JP6969165B2 - 異方導電性接着剤組成物、異方導電性フィルム、及び接続構造体 - Google Patents

異方導電性接着剤組成物、異方導電性フィルム、及び接続構造体 Download PDF

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本発明は、異方導電性接着剤組成物、異方導電性フィルム、及び接続構造体に関する。
相対する電子部品を接続する技術として、異方導電性フィルム(ACF)が使用されている。異方導電性フィルムとは、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を含有する接着剤成分中に導電性粒子が分散されたフィルム状の接着剤である。当該フィルムにおいては、実装ツールを用いて加熱加圧した際に、接着剤成分中に分散された粒子が電極間に介在することで電気的接続を確立しつつ、接着剤が両電極を接着することで接続構造を維持する仕組みとなっている。そのため、異方導電性フィルムには、加熱加圧時に充分な流動性を示し、電極間の距離を短くし、かつ使用温度下では充分な強度を示し、電極間の接続を強固なものにすることが求められている。
その一方で、異方導電性フィルムには、一度実装された電極同士を引き剥がし、接続し直すこと、いわゆる「リペア性」が要求される場合がある。通常、電極同士は互いに強固に接着されているため、溶剤を用いてリペアを行ったとしても、残渣が残ってしまう傾向にある。また、溶剤を用いてリペアを行う場合、環境負荷の大きいケトン系溶剤が用いられることが一般的である。そのため、環境負荷を低減する観点から、異方導電性フィルムには、より負荷の小さいアルコール系溶剤によるリペア性に優れることが求められている。
リペア性を向上させる方法としては、例えば、異方導電性フィルムに、特定のガラス転移温度を有する樹脂を含有させる方法、フェノール性水酸基を有する樹脂を含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2010−102859号公報 特開平11−021531号公報
しかしながら、これら従来の異方導電性フィルムにおいても、アルコール系溶剤によるリペア性は充分といえず、未だ改善の余地がある。そこで、本発明は、アルコール系溶剤によるリペア性に優れる異方導電性接着剤組成物を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者らは、ポリアミドに特定の構成単位を導入することによって、ポリアミドのアルコール系溶剤に対する溶解性が向上することを見出した。また、このようなポリアミドを異方導電性接着剤組成物に適用することによって、アルコール系溶剤によるリペア性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一側面は、ポリアミドと、導電性粒子と、を含有し、ポリアミドが、ポリアミンに由来する構成単位と、ジカルボン酸に由来する構成単位と、を含み、ポリアミンに由来する構成単位のうち少なくとも一部が、下記一般式(1)で表される構成単位又は下記一般式(2)で表される構成単位の少なくとも一方である、異方導電性接着剤組成物を提供する。
Figure 0006969165

[式(1)中、Rはアルキレン基を示し、nは1〜5の整数を示す。複数存在するRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Figure 0006969165

[式(2)中、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示す。]
一般式(1)で表される構成単位又は一般式(2)で表される構成単位を含むポリアミドは、アルコール系溶剤に対する溶解性に優れる。そのため、このようなポリアミドを含有する異方導電性接着剤組成物は、アルコール系溶剤によるリペア性に優れるものとなり得る。
一般式(1)で表される構成単位及び一般式(2)で表される構成単位の合計の含有量は、ポリアミンに由来する構成単位全量を基準として、5モル%以上であってもよい。一般式(1)で表される構成単位及び一般式(2)で表される構成単位の合計の含有量がこのような範囲にあると、アルコール系溶剤に対するポリアミドの溶解性がより一層優れる傾向にあり、異方導電性接着剤組成物は、アルコール系溶剤によるリペア性により優れるものとなり得る。
ポリアミンに由来する構成単位又はジカルボン酸に由来する構成単位の少なくとも一方は、芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位を含んでいてもよい。このような構成単位を含むポリアミドは、耐熱性により優れる傾向にある。そのため、このようなポリアミドを含有する異方導電性接着剤組成物は、耐熱性により優れるものとなり得る。
芳香族基を含む2価の有機基は、下記式で表される基のいずれかであってもよい。
Figure 0006969165

[式中、mは1〜10の整数を示す。]
別の側面において、本発明は、上述の異方導電性接着剤組成物をフィルム状に形成してなる、異方導電性フィルムを提供する。このような異方導電性フィルムを用いることによって、接続構造体を効率よく製造することができる。
別の側面において、本発明は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成され、第二の回路電極と第一の回路電極とが対向するように配置された第二の回路部材と、第一の回路部材及び第二の回路部材の間に配置され、第一の回路電極と第二の回路電極とを電気的に接続する接続部材と、を備え、接続部材が、上述の異方導電性接着剤組成物の硬化物である、接続構造体を提供する。
本発明によれば、アルコール系溶剤によるリペア性に優れる異方導電性接着剤組成物を提供することできる。いくつかの形態に係る異方導電性接着剤組成物は、耐熱性の点でも優れる。また、本発明によれば、このような異方導電性接着剤組成物を用いた異方導電性フィルムを提供することができる。さらに、本発明によれば、異方導電性接着剤組成物を用いた接続構造体を提供することできる。
異方導電性フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。 接続構造体の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
本明細書において、「ポリアミン」は、分子内に2以上のアミノ基を有する化合物を意味する。
本明細書において、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はそれに対応するメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、ポリアミドと、導電性粒子と、を含有する。
[ポリアミド]
ポリアミドは、ポリアミンに由来する構成単位と、ジカルボン酸に由来する構成単位と、を含む。ポリアミドは、ポリアミンに由来する構成単位のうち少なくとも一部が、下記一般式(1)で表される構成単位(以下、「式(1)の構成単位」という場合がある。)又は下記一般式(2)で表される構成単位(以下、「式(2)の構成単位」という場合がある。)の少なくとも一方である。
Figure 0006969165
式(1)中、Rはアルキレン基を示す。複数存在するRは互いに同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のような炭素数1〜3のアルキレン基であってもよく、エチレン基であってもよい。
式(1)中、nは1〜5の整数を示す。nは、1〜3の整数であってもよい。
式(1)の構成単位を与えるポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、式(1)の構成単位を与えるポリアミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、又はテトラエチレンペンタミンであってもよく、ジエチレントリアミンであってもよい。
Figure 0006969165
式(2)中、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示す。R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。R及びRは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はペンチレン基のような炭素数1〜5のアルキレン基であってもよく、プロピレン基であってもよい。
式(2)の構成単位を与えるポリアミンとしては、例えば、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノメチル)ピペラジン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、式(2)の構成単位を与えるポリアミンは、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンであってもよい。
式(1)の構成単位及び式(2)の構成単位の合計の含有量は、ポリアミンに由来する構成単位全量を基準として、5モル%以上であってもよい。これらの構成単位の含有量がこのような範囲にあると、アルコール系溶剤に対するポリアミドの溶解性がより一層優れる傾向にある。式(1)の構成単位及び式(2)の構成単位の含有量は、10モル%以上、20モル%以上、又は30モル%以上であってもよく、また、100モル%以下、90モル%以下、又は80モル%以下であってもよい。
ポリアミドは、式(1)の構成単位及び式(2)の構成単位以外のポリアミンに由来する構成単位を含んでいてもよい。
このような構成単位を与えるポリアミンとしては、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族基を含む2価の有機基を有するジアミン;1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族基を有するジアミン;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシテトラメチレンジアミン等のポリオキシアルキレンジアミン;脂肪族不飽和カルボン酸の二量体(ダイマー酸)から誘導されるダイマージアミンなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ダイマージアミンは、例えば、下記式(A−1)で表される化合物、下記式(A−2)で表される化合物、下記式(A−3)で表される化合物等であってもよい。ダイマージアミンは、「PRIAMINE 1074」、「PRIAMINE 1073」、「PRIAMINE 1075」(いずれもクローダジャパン株式会社製)等の市販品を使用することができる。
Figure 0006969165
ジイソシアネートは、加水分解によってジアミンを生じ得る。そのため、式(1)の構成単位及び式(2)の構成単位以外のポリアミンに由来する構成単位を与える化合物として、ジイソシアネートを用いることができる。ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドは、ポリアミンに由来する構成単位として、ポリオキシアルキレンジアミンに由来する構成単位を含んでいてもよい。このような構成単位を含むことによって、ポリアミドに柔軟性が付与され、アルコール系溶剤に対するポリアミドの溶解性がより優れる傾向にある。ポリオキシアルキレンジアミンに由来する構成単位の含有量は、ポリアミンに由来する構成単位全量を基準として、1モル%以上、3モル%以上、又は5モル%以上であってもよく、80モル%以下、50モル%以下、又は30モル%以下であってもよい。
ポリアミドは、ポリアミンに由来する構成単位として、ダイマージアミンに由来する構成単位を含んでいてもよい。このような構成単位を含むことによって、アルコール系溶剤に対するポリアミドの溶解性がより優れる傾向にある。ダイマージアミンに由来する構成単位の含有量は、ポリアミンに由来する構成単位全量を基準として、1モル%以上、3モル%以上、又は5モル%以上であってもよく、80モル%以下、50モル%以下、又は30モル%以下であってもよい。
ポリアミドは、ジカルボン酸に由来する構成単位を含む。ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族基を含む2価の有機基を有するジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族基又は脂環式基を有するジカルボン酸;これらの炭素数1〜10のアルキルエステル;これらの塩化物などが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリアミンに由来する構成単位又はジカルボン酸に由来する構成単位の少なくとも一方は、芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位を含んでいてもよい。このような構成単位を含むポリアミドは、耐熱性により優れる傾向にある。
芳香族基を含む2価の有機基は、下記式で表される基のいずれかであってもよい。
Figure 0006969165
式中、mは1〜10の整数を示す。mは、1〜5の整数であってもよい。
芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位の含有量は、ポリアミドの全構成単位を基準として、30モル%以上、40モル%以上、又は50モル%以上であってもよく、80モル%以下、70モル%以下、又は60モル%以下であってもよい。芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位の含有量がこのような範囲にあると、耐熱性により一層優れる傾向にある。
式(1)の構成単位及び式(2)の構成単位の合計に対する、芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位のモル比(芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位のモル量/式(1)の構成単位及び式(2)の構成単位の合計のモル量)は、0.8以上、1.0以上、又は1.2以上であってもよく、2.0以下、1.9以下、又は1.8以下であってもよい。モル比がこのような範囲にあると、アルコール系溶剤に対する溶解性と耐熱性とを高水準で両立することが可能である。
ポリアミドの重量平均分量は、2000以上又は5000以上であってもよい。重量平均分量がこのような範囲にあると、ポリアミドの耐熱性及びフィルム成形性がより優れる傾向にある。ポリアミドの重量平均分量は、200000以下又は100000以下であってもよい。重量平均分量がこのような範囲にあると、アルコール系溶剤に対するポリアミドの溶解性及び他の材料との相溶性に優れ、かつ取扱い性に優れる傾向にある。なお、重量平均分量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレン検量線に基づき換算した値を意味する。
ポリアミドは、25℃で固形状であってもよい。ポリアミドが固形状であると、取扱い性に優れる傾向にある。
ポリアミドは、25℃において、アルコール系溶剤に対して可溶である。なお、本明細書中、「アルコール系溶剤」は、溶剤全量を基準として、アルコールを25質量%以上含む溶剤を意味する。アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、又は2−プロパノールであってもよい。溶剤に含まれる非アルコール溶剤は、水、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN,N−ジメチルホルムアミドであってもよい。
ポリアミドの含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、10〜95質量%であってもよい。ポリアミドの含有量は、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってもよい。ポリアミドの含有量が10質量%以上であると、得られる異方導電性フィルムがアルコール系溶剤によるリペア性により優れる傾向にある。また、ポリアミドの含有量は、90質量%以下、80質量%以下、又は70質量%以下であってもよい。ポリアミドの含有量が95質量%以下であると、得られる異方導電性フィルムがより耐熱性に優れ、より良好なフィルム形成性を示す傾向にある。
ポリアミドは、ポリアミドの原料(例えば、等モル量のポリアミン及びジカルボン酸等)を通常の方法によって重合することによって得ることができる。
重合反応は、溶媒中で又は無溶媒条件下で行ってもよいが、均一なポリアミドが得られる観点から、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒は、ポリアミドの原料を溶解させることができるものであれば特に制限されないが、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等であってもよい。
ポリアミドの原料として、ポリアミン及びジカルボン酸二塩化物を用いる場合、重合反応時に反応熱を生じることから、重合反応は冷却しながら行うことが好ましい。また、同様の観点から、重合反応は溶媒中で行うことが好ましく、ポリアミン又はジカルボン酸二塩化物のいずれか一方を滴下しながら行うこと好ましい。さらに、重合反応は系中に発生する塩酸を捕捉するために、塩酸捕捉剤を共存させて行うことが好ましい。
塩酸捕捉剤は、トリエチルアミン、ピリジン等であってもよい。塩酸捕捉剤は、ジカルボン酸二塩化物に対して、1.0〜1.5当量であってもよい。塩酸捕捉剤が1.0当量以上であると、充分に塩酸を捕捉でき、重合反応が促進される傾向にある。塩酸捕捉剤が1.5当量以下であると、ポリアミドの重量平均分子量が充分に大きくなる傾向にある。
重合反応には、必要に応じて、活性触媒を添加してもよい。活性触媒としては、例えば、ホウ酸、鉄粉等を挙げられる。
重合反応の温度は、ポリアミドの原料の種類に応じて、適宜選択することができる。重合温度は、120〜300℃であってもよく、150〜200℃であってもよい。重合温度が120℃以上であると、重合反応が促進される傾向にあり、重合反応が300℃以下であると、特殊な設備を必要することなく、ポリアミドを製造することができる。
[導電性粒子]
導電性粒子としては、例えば、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子、カーボン粒子などが挙げられる。導電性粒子は、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を核体とし、この核体に上記金属、金属粒子、カーボン等を被覆したものであってもよい。また、導電性粒子としては、銅からなる金属粒子に銀を被覆したものであってもよい。これらの導電性粒子を使用すると、加熱加圧により変形性を有するので回路部材同士を接続する際に、導電性粒子と電極との接触面積が増加し、接続信頼性により優れる回路接続構造体が得られる。また、導電性粒子としては、導電性粒子の表面を絶縁性粒子により被覆したもの、ハイブリダイゼーション等の方法により上記導電性粒子の表面に絶縁性物質からなる絶縁層が設けられたもの等であってもよい。このような導電性粒子を用いることで、隣接する導電性粒子同士の接触による短絡が生じ難くなる。
導電性粒子は、核体の中核部の表面上に形成される核側突起部が存在するものを用いると、さらに接続信頼性が向上する傾向にある。このような核体は、中核部の表面に中核部よりも小さな径を有する核側突起部を複数個吸着させることによって形成することができる。なお、突起部を有する導電性粒子の平均粒径は、突起部を含めた導電性粒子全体の粒径を意味する。
導電性粒子の平均粒径は、分散性及び導電性の観点から、1〜10μmであってもよい。平均粒径が1μm以上であると、回路の電気的接続が充分となり、10μm以下であると、導電性粒子の凝集が起こり難く、充分に分散する傾向にある。
上述の突起部の高さは、50〜500nm又は75〜300nmであってもよい。また、隣接する突起部間の距離は、1000nm以下又は500nm以下であってもよい。突起部の高さが50nm又は隣接する突起部間の距離が1000nm以下であると、電気的接続に対する突起の効果が充分に発現する傾向にある。例えば、対向配置された一対の回路部材(第1及び第2の回路部材)同士を接続する場合に、突起部の高さが500nm以下であると、導電性粒子と第1及び第2の回路部材の電極部との接触面積が大きくなるため、接続抵抗値が低くなる傾向がある。なお、導電性粒子の突起部の高さ及び隣接する突起部間の距離は、電子顕微鏡によって測定することができる。
これらの導電性粒子の表面をさらに高分子樹脂等で被覆した微粒子は、導電性粒子の配合量が増加した場合の粒子同士の接触による短絡を抑制し、回路電極間の絶縁性を向上させることができる。導電性粒子の表面を高分子樹脂等で被覆した粒子は、それを単独で又は他の導電性粒子と混合して用いることができる。
導電性粒子の含有量は、異方導電性接着剤組成物の導電性粒子以外の固形分全体積を基準として、0.1〜30体積%であってもよく、0.1〜10体積%であってもよい。導電性粒子の含有量が0.1体積%以上であると、導電性が充分に得られる傾向にあり、30体積%以下であると、回路電極間の短絡を抑制できる傾向にある。導電性粒子の含有量は、23℃での硬化前の異方導電性接着剤組成物の各成分の体積をもとに決定される。なお、各成分の体積は、比重を利用して質量を体積に換算することで求めることができる。また、体積を測定しようとする成分を溶解又は膨潤させることがなく、その成分をよく濡らすことができる適当な溶媒(水、アルコール等)をメスシリンダー等に入れ、そこへ測定対象の成分を投入して増加した体積をその成分の体積として求めることもできる。
[熱可塑性樹脂]
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、熱可塑性樹脂をさらに含有していてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種又は2種以上の樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂であってもよい。このような熱可塑性樹脂をポリアミドと組み合わせることによって、異方導電性接着剤組成物のガラス転移温度(Tg)、接着性、耐熱性等を調節することができる。
熱可塑性樹脂には、シロキサン結合又はフッ素置換基が含まれていてもよい。これらは、混合する樹脂同士が完全に相溶するか、若しくはミクロ相分離が生じて白濁する状態であれば好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、5000〜200000であってもよく、10000〜150000であってもよい。重量平均分子量が5000以上であると、フィルム形成性が向上する傾向にあり、200000以下であると、他の成分との相溶性が向上する傾向にある。
熱可塑性樹脂の含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、10〜95質量%であってもよい。熱可塑性樹脂の含有量は、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってもよい。熱可塑性樹脂の含有量が10質量%以上であると、得られる異方導電性フィルムがより良好なフィルム成形性を示す傾向にある。熱可塑性樹脂の含有量は、90質量%以下、80質量%以下、又は70質量%以下であってもよい。熱可塑性樹脂の含有量が95質量%以下であると、回路間の導通に必要な導電性粒子を配合でき、より良好な接続信頼性が得られる傾向にある。
ポリアミド及び熱可塑性樹脂の合計の含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、5〜95質量%又は10〜95質量%であってもよい。これらの合計の含有量が5質量%以上であると、フィルム形成性がより向上する傾向にあり、95質量%以下であると、回路間の導通に必要な導電性粒子を配合でき、より良好な接続信頼性が得られる傾向にある。
[ラジカル重合性化合物]
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、ラジカル重合性化合物をさらに含有していてもよい。ラジカル重合性化合物は、特に制限されず、任意のものであってもよい。ラジカル重合性化合物は、後述の化合物のモノマ及びオリゴマのいずれであってもよく、両者を併用したものであってもよい。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、多官能の(メタ)アクリレート化合物、単官能(メタ)アクリレート化合物、ラジカル重合性の官能基を有する化合物、リン酸基を有するビニル化合物等が挙げられる。
多官能の(メタ)アクリレート化合物は、2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1種又は2種以上の多官能の(メタ)アクリレート化合物であってもよい。より具体的には、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート及びイソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルの2つのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート並びにビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルの2つのグリシジル基にエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを付加させた化合物に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入した化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、複数のグリシジル基を有するエポキシ樹脂のグリシジル基の一つを(メタ)アクリル酸と反応させることで得られるグリシジル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合性の官能基を有する化合物は、アリル基、マレイミド基、ビニル基等のラジカル重合性の官能基を有する化合物であってもよい。より具体的には、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、4,4‘−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)へキサン等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
リン酸基を有するビニル化合物としては、例えば、下記式(20)、(21)又は(22)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006969165
式(20)中、Rは(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、w及びxはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。同一分子中の複数のR、R、w及びxは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006969165
式(21)中、Rは(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、y及びzはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。同一分子中の複数のR、y及びzは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006969165
式(22)中、Rは(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、a及びbはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。同一分子中の複数のR及びbは同一でも異なっていてもよい。
リン酸基を有するビニル化合物は、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、2,2’−ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、EO(エチレンオキサイド)変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、リン酸ビニル等であってもよい。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合性化合物の含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、5〜95質量%であってもよい。ラジカル重合性化合物の含有量は、10質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であってもよい。ラジカル重合性化合物の含有量が5質量%以上であると、加熱後の異方導電性フィルムの耐熱性及び機械特性がより向上し、より良好な接続信頼性が得られる傾向にある。ラジカル重合性化合物の含有量は、90質量%以下、80質量%以下、又は70質量%以下であってもよい。ラジカル重合性化合物の含有量が95質量%以下であると、回路間の導通に必要な導電性粒子を配合でき、より良好な接続信頼性が得られる傾向にある。
[ラジカル重合開始剤]
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、上述のラジカル重合性化合物とともに、ラジカル重合開始剤をさらに含有していてもよい。ラジカル重合開始剤は、過酸化物及びアゾ化合物等の化合物から任意に選択することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキサイド、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、3−メチルベンゾイルパーオキサイド、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合開始剤の含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、0.1〜20質量%又は1〜10質量%であってもよい。
[エポキシ樹脂]
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、エポキシ樹脂をさらに含有していてもよい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、芳香族多環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、脂肪族多環式エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。これらの中で、接続信頼性がより向上する観点から、芳香族多環式エポキシ樹脂又はビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であってもよく、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であってもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、5〜95質量%又は10〜90質量%であってもよい。
[フィラー]
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、フィラーをさらに含有していてもよい。フィラーは、導電性粒子の他に、絶縁性の有機又は無機微粒子等であってもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、シリカ−アルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子等の金属酸化物微粒子の他、窒化物微粒子などが挙げられる。有機微粒子としては、例えば、シリコーン微粒子、(メタ)アクリレート−ブタジエン−スチレン微粒子、アクリル−シリコーン微粒子、ポリアミド微粒子、ポリイミド微粒子等が挙げられる。これらの微粒子は、均一な構造を有していてもよいし、コア−シェル型構造を有していてもよい。
フィラーの含有量は、異方導電性接着剤組成物の全量を基準として、5〜40質量%又は10〜30質量%であってもよい。
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、常温(25℃)で液状である場合、ペースト状接着剤として使用することができる。異方導電性接着剤組成物が常温で固体である場合、加熱して使用してもよいし、溶剤を加えることによりペースト化して使用してもよい。ペースト化のために使用する溶剤は、異方導電性接着剤組成物(含有成分も含む。)との反応性を実質的に有さず、かつ異方導電性接着剤組成物を充分に溶解可能なものであれば特に制限されない。
本実施形態の異方導電性接着剤組成物は、フィルム状に成形して、異方導電性フィルムとして用いることができる。異方導電性フィルムは、例えば、異方導電性接着剤組成物に必要に応じて溶剤等を加えるなどして得られた溶液を、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型紙等の剥離性支持体上に塗布し、溶剤等を除去する方法により得ることができる。異方導電性フィルムは、取り扱い等の点から一層便利であるあるため、効率よく接続構造体を製造できる。
図1は、異方導電性フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す積層フィルム100は、支持体8と、支持体8上に剥離可能な状態で積層された異方導電性フィルム40と、を備える。異方導電性フィルム40は、絶縁性接着剤層5と、絶縁性接着剤層5中に分散した導電性粒子7と、から構成される。絶縁性接着剤層5は、上述の異方導電性接着剤組成物のうち導電性粒子以外の成分から構成される。この異方導電性フィルムによれば、取り扱いが容易であり、被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。異方導電性フィルムは、2種以上の層からなる多層構成を有していてもよい。
本実施形態の異方導電性接着剤組成物及び異方導電性フィルムによれば、通常、加熱及び加圧を併用して被着体同士を接着させることができる。加熱温度は、100〜250℃であってもよい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば特に制限されないが、一般的には0.1〜10MPaであってもよい。これらの加熱及び加圧は、0.5〜120秒間の範囲で行うことが好ましい。本実施形態の異方導電性接着剤組成物及び異方導電性フィルムによれば、例えば、140℃、1MPa程度の条件にて、5秒間の短時間の加熱及び加圧でも被着体同士を充分に接着させることが可能である。
以下、本実施形態の異方導電性フィルムを用いて、回路基板及び回路基板の主面上に形成された回路電極を有する回路部材同士を被着体として接続し、接続構造体を製造する一例について説明する。
図2は、接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す接続構造体1は、対向配置された第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えている。第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接着及び接続する接続部材10が設けられている。
第一の回路部材20は、第一の回路基板21と、第一の回路基板21の主面21a上に形成された第一の回路電極22と、を備える。第一の回路基板21の主面21a上には、絶縁層が形成されていてもよい。
第二の回路部材30は、第二の回路基板31と、第二の回路基板31の主面31a上に形成された第二の回路電極32と、を備える。第二の回路基板31の主面31a上にも、絶縁層が形成されていてもよい。
第一の回路部材20及び第二の回路部材30は、電気的接続を必要とする回路電極を有するものであれば、特に制限されない。第一の回路基板21及び第二の回路基板31としては、例えば、半導体、ガラス、セラミック等の無機材料の基板、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機材料の基板、ガラス/エポキシ等の無機物と有機物とを含む基板等が挙げられる。第一の回路基板21がガラス基板であり、第二の回路基板31がフレキシブル基板(好ましくは、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルム)であってもよい。
接続される回路部材としては、例えば、液晶ディスプレイに用いられている、ITO(indium tin oxide)膜等の電極が形成されているガラス又はプラスチック基板、プリント配線板、セラミック配線板、フレキシブル配線板、半導体シリコンチップ等が挙げられる。これらは必要に応じて組み合わせて使用される。このように、本実施形態の異方導電性接着剤組成物によれば、プリント配線板及びポリイミドフィルム等の有機材料から形成された表面を有する部材の他、銅、アルミニウム等の金属、ITO、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)などの無機材料から形成された表面を有する部材のように、多種多様な表面状態を有する回路部材を接着するために用いることができる。
例えば、一方の回路部材が、フィンガー電極、バスバー電極等の電極を有する太陽電池セルであり、他方の回路部材がタブ線であるとき、これらを接続して得られる接続構造体は、太陽電池セル、タブ線及びこれらを接着する接続部材(異方導電性接着剤組成物の硬化物)を備える太陽電池モジュールである。
接続部材10は、本実施形態の異方導電性接着剤組成物の硬化物からなる。接続部材10は、絶縁層11及び絶縁層11中に分散した導電性粒子7を含有している。導電性粒子7は、対向する第一の回路電極22と第二の回路電極32との間のみならず、主面21a、31aの間にも配置されている。第一の回路電極22及び第二の回路電極32は、導電性粒子7を介して電気的に接続されているため、第一の回路電極22及び第二の回路電極32間の接続抵抗が充分に低減される。したがって、第一の回路電極22及び第二の回路電極32間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を充分に発揮することができる。接続部材が導電性粒子を含有していない場合には、第一の回路電極22と第二の回路電極32とが接触することで、電気的に接続される。
接続構造体1は、例えば、回路電極を有し対向配置された一対の回路部材を、異方導電性接着剤組成物からなる異方導電性フィルムを間に挟んで配置する工程と、一対の回路部材及び異方導電性フィルムを、異方導電性フィルムの厚み方向に加圧しながら加熱して硬化することによって、一対の回路部材を異方導電性接着剤組成物の硬化物を介して接着する工程(本接続工程)と、を備える方法によって、製造することができる。
図3は、接続構造体の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。図3の(a)に示されるように、異方導電性フィルム40が、第一の回路部材20の第一の回路電極22側の主面上に配置される。異方導電性フィルム40が上述の支持体上に設けられている場合、異方導電性フィルム40が第一の回路部材20側に位置する向きで、異方導電性フィルム及び支持体の積層体が回路部材に配置される。異方導電性フィルム40は、フィルム状であることから取り扱いが容易である。このため、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間に異方導電性フィルム40を容易に介在させることができ、第一の回路部材20と第二の回路部材30との接続作業を容易に行うことができる。
異方導電性フィルム40の厚さは、10〜50μmであってもよい。異方導電性フィルム40の厚さが10μm以上であると、第一の回路電極22及び第二の回路電極32間が、接着剤成分が充分に充填され易くなる傾向にある。異方導電性フィルムの厚さが50μm以下であると、導通を容易に確保できる傾向にある。
異方導電性フィルム40の厚み方向に、図3の(a)に示されるように圧力A、Bを加えることによって、異方導電性フィルム40が第一の回路部材20に仮接続される(図3の(b)を参照。)。このとき、加熱しながら加圧してもよい。ただし、加熱温度は異方導電性フィルム40中の異方導電性接着剤組成物が硬化しない温度、すなわちラジカル重合開始剤がラジカルを急激に発生する温度よりも充分に低い温度に設定される。
続いて、図3の(c)に示されるように、第二の回路部材30を、第二の回路電極32が第一の回路部材20側に位置する向きで異方導電性フィルム40上に配置する。異方導電性フィルム40が支持体上に設けられている場合は、支持体を剥離してから第二の回路部材30を異方導電性フィルム40上に配置する。
その後、異方導電性フィルム40を、その厚み方向に圧力A、Bを加えながら、加熱する。このときの加熱温度は、ラジカル重合開始剤がラジカルを充分に発生する温度に設定される。これによって、ラジカル重合開始剤からラジカルが発生し、ラジカル重合性化合物の重合が開始される。このような接続によって、図2に示す接続構造体が得られる。異方導電性フィルム40を加熱することによって、第一の回路電極22と第二の回路電極32との間の距離を充分に小さくした状態で絶縁性接着剤が硬化して絶縁層11を形成する。その結果、第一の回路部材20と第二の回路部材30とが、絶縁層11を含む接続部材10を介して強固に接続される。
本接続は、加熱温度が100〜250℃、圧力が0.1〜10MPa、加圧時間が0.5〜120秒の条件で行われることが好ましい。これらの条件は、使用する用途、異方導電性接着剤組成物、回路部材によって適宜選択される。本接続後、必要に応じて、後硬化を行ってもよい。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ポリアミド:PA−1の合成)
窒素雰囲気下において、窒素導入管付滴下漏斗、還流冷却器、温度計、及び撹拌機を備えた300mLのセパラブルフラスコに、ジカルボン酸二塩化物として二塩化イソフタロイル20.3g(0.10mol)及び溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)70.0gを加え、氷浴を用いて10℃まで冷却しながら15分間撹拌した。続いて、ポリアミンとして、ダイマージアミン(炭素数36、クローダジャパン株式会社製、「PRIAMINE 1074」)10.7g(0.02mol)、及び1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン(式(2)の構成単位を与えるポリアミン)16.0g(0.08mol)、及び発生する塩酸捕捉剤としてトリエチルアミン22.3g(0.22mol)をNMP39.8gに溶解し、滴下漏斗に導入した。滴下漏斗からジアミン化合物及び塩酸捕捉剤のNMP溶液を、フラスコ内の温度が30〜35℃になるように調節しながら滴下し、ポリアミド(PA−1)のNMP溶液を得た。得られたPA−1のNMP溶液を水中に投入し、析出物を回収した。この析出物を粉砕及び乾燥して25℃で固形状のPA−1を得た。
(ポリアミド:PA−2の合成)
素雰囲気下において、窒素導入管付滴下漏斗、還流冷却器、温度計、及び撹拌機を備えた300mLのセパラブルフラスコに、ジカルボン酸二塩化物として二塩化イソフタロイル20.3g(0.10mol)及び溶媒としてNMP100.0gを加え、氷浴を用いて10℃まで冷却しながら15分間撹拌した。続いて、ポリアミンとして、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製、「ジェファーミン D−2000」)20.0g(0.01mol)、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン(式(2)の構成単位を与えるポリアミン)14.0g(0.07mol)、2、2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン8.2g(0.02mol)、及び発生する塩酸捕捉剤としてトリエチルアミン22.3g(0.22mol)をNMP45.9gに溶解し、滴下漏斗に導入した。滴下漏斗からジアミン化合物及び塩酸捕捉剤のNMP溶液を、フラスコ内の温度が30〜35℃になるように調節して滴下しながら、ポリアミド(PA−2)のNMP溶液を得た。得られたPA−2のNMP溶液を水中に投入し、析出物を回収した。この析出物を粉砕及び乾燥して25℃で固形状のPA−2を得た。
(ポリアミド:PA−3の合成)
窒素雰囲気下において、窒素導入管付滴下漏斗、還流冷却器、温度計、及び撹拌機を備えた300mLのセパラブルフラスコに、ジカルボン酸二塩化物として二塩化イソフタロイル25.4g(0.12mol)及び溶媒としてNMP130.0gを加え、氷浴を用いて10℃まで冷却しながら15分間撹拌した。続いて、ポリアミンとして、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製、「ジェファーミン D−2000」)25.0g(0.01mol)、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン(式(2)の構成単位を与えるポリアミン)17.5g(0.09mol)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル5.0g(0.02mol)、及び発生する塩酸捕捉剤としてトリエチルアミン27.8g(0.27mol)をNMP40.1gに溶解し、滴下漏斗に導入した。滴下漏斗からジアミン化合物及び塩酸捕捉剤のNMP溶液を、フラスコ内の温度が30〜35℃になるように調節しながら滴下し、ポリアミド(PA−3)のNMP溶液を得た。得られたPA−3のNMP溶液を水中に投入し、析出物を回収した。この析出物を粉砕及び乾燥して25℃で固形状のPA−3を得た。
(ポリアミド:PA−4の合成)
PA−5:窒素雰囲気下において、ディーンスターク還流冷却器、温度計、及び撹拌機を備えた300mLのセパラブルフラスコに、ポリアミンとしてダイマージアミン(クローダジャパン株式会社製、「PRIAMINE 1074」)187.6g(0.35mol)、ジカルボン酸としてアジピン酸51.2g(0.35mol)、及び活性触媒としてホウ酸0.65gを加え、室温で15分間攪拌した。その後、200℃まで昇温し、ディーンスターク還流冷却器によって析出する水を除去しながら6時間反応させた。フラスコの加温を停止し、150℃以上の高温のままフラスコ内から粘性状樹脂をかき出し、25℃で固形状のポリアミド(PA−4)を得た。
(ポリアミド:PA−5の合成)
窒素雰囲気下において、窒素導入管付滴下漏斗、還流冷却器、温度計、及び撹拌機を備えた300mLのセパラブルフラスコに、ジカルボン酸二塩化物として二塩化イソフタロイル20.3g(0.10mol)及び溶媒としてNMP140.0gを加え、氷浴を用いて10℃まで冷却しながら15分間撹拌した。続いて、ポリアミンとして、ポリオキシプロピレンジアミン(HUNTSMAN社製、「ジェファーミン D−2000」)20.0g(0.01mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン37.0g(0.09mol)、及び発生する塩酸捕捉剤としてトリエチルアミン22.3g(0.22mol)をNMP40.3gに溶解し、滴下漏斗に導入した。滴下漏斗からジアミン化合物及び塩酸捕捉剤のNMP溶液を、フラスコ内の温度が30〜35℃になるように調節しながら滴下し、ポリアミド(PA−5)のNMP溶液を得た。得られたPA−5のNMP溶液を水中に投入し、析出物を回収した。この析出物を粉砕及び乾燥して25℃で固形状のPA−5を得た。
(フェノキシ樹脂:YP−50の準備)
フェノキシ樹脂(商品名:YP−50、新日鉄住金化学株式会社製、重量平均分子量:60000、ガラス転移温度:80℃)40質量部を、メチルエチルケトン60質量部に溶解して、固形分40質量%の溶液を調製した。
(ラジカル重合性化合物:DCP−Aの準備)
C−1:ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート(商品名:ライトアクリレートDCP−A、共栄社化学株式会社製)を準備した。
(ラジカル重合性化合物:UA−1の合成)
撹拌機、温度計、塩化カルシウム乾燥管を有する還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量1000のポリ(1,6−ヘキサンジオールカーボネート)(商品名:デュラノール T5652、旭化成ケミカルズ株式会社製)2500質量部(2.50mol)と、イソホロンジイソシアネート(シグマアルドリッチ社製)666質量部(3.00mol)とを3時間かけて均一に滴下し、反応容器に充分に窒素ガスを導入し、70〜75℃に加熱した。反応容器に、ハイドロキノンモノメチルエーテル(シグマアルドリッチ社製)0.53質量部と、ジブチルスズジラウレート(シグマアルドリッチ社製)5.53質量部とを添加した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート(シグマアルドリッチ社製)238質量部(2.05mol)を加え、空気雰囲気下、70℃で6時間反応させ、ウレタンアクリレート(UA−1)を得た。UA−1の重量平均分子量は15000であった。
(ラジカル重合性化合物:P−2Mの準備)
2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート(商品名:ライトエステルP−2M、共栄社化学株式会社製)を準備した。
(ラジカル重合開始剤:25Oの準備)
2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(商品名:パーヘキサ25O、日油株式会社製)を準備した。
(導電性粒子の作製)
ポリスチレンを核とする粒子の表面に厚み0.2μmのニッケル層を設けた後、このニッケル層の外側に厚み0.02μmの金層を設けて、平均粒径10μm、比重2.5の導電性粒子を作製した。
[実施例1〜3及び比較例1〜3]
(異方導電性接着剤組成物)
固形質量比で表1に示すようにポリアミド(PA−1〜5)、フェノキシ樹脂(YP−50)、ラジカル重合性化合物(DCP−A、UA−1、P−2M)、及びラジカル重合開始剤(25O)を配合し、さらに、接着剤固形分(異方導電性接着剤組成物における導電性粒子を除いた固形分)の全体積を基準として、導電性粒子を3.0体積%配合分散させて、異方導電性接着剤組成物を得た。得られた異方導電性接着剤組成物を、両面を表面処理(離型処理)した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの、表面処理量の少ない面に塗工装置を用いて塗布し、70℃で3分間の熱風乾燥することによって、PETフィルム上に厚み16μmの実施例1〜3及び比較例1〜3の異方導電性フィルムを得た。
Figure 0006969165
(接続構造体の作製)
回路部材として、ピッチ200μm(ライン:スペース=1:1)、35μm厚みの銅パターン(金/ニッケルめっき)を有するガラスエポキシプリント配線板及びピッチ200μm(ライン:スペース=1:1)、21μm厚みの銅パターン(金/ニッケルめっき)を有するポリイミドフレキシブルプリント基板を用意した。ガラスエポキシプリント基板上に1.0mm幅にスリットした実施例1〜3及び比較例1〜3の異方導電性フィルムを配置し、緩衝材(厚み50μmのシリコーンラバー)を介して、幅2.0mmの加熱ツールで180℃/4MPa/5秒の条件で加熱加圧し、実施例1〜3及び比較例1〜3の接続構造体を得た。
(リペア性の評価)
得られた接続構造体のガラスエポキシプリント配線板からポリイミドフレキシブルプリント基板を引き剥がした。引き剥がした後のガラスエポキシプリント配線板上に残った異方導電性フィルムを、2−プロパノールを含浸させた綿棒で擦り落とし、完全に除去できるまでの時間を計測した。除去できるまでの時間が60秒以内である場合をA(リペア可能)と評価し、60秒を超える場合をB(リペア不可)と評価した。結果を表2に示す。
(接続抵抗の測定)
得られた接続構造体の隣接回路間の抵抗値を、接続直後と85℃、85%RHの恒温恒湿槽中に250時間保持した後(高温高湿試験後)において、マルチメータを用いて測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗37点の平均で示した。結果を表2に示す。
Figure 0006969165
特定の構成単位を含むポリアミドを含有する実施例1〜3の異方導電性接着剤組成物は、高いリペア性を有し、さらに耐熱性に優れていた。これに対して、そのようなポリアミドを含有しない比較例1〜3の異方導電性接着剤組成物はリペア性が充分ではなかった。これらの結果から、本発明の異方導電性接着剤組成物がリペア性に優れることが確認された。
1…接続構造体、5…絶縁性接着剤層、7…導電性粒子、8…支持体、10…接続部材、11…絶縁層、20…第一の回路部材、21…第一の回路基板、21a…主面、22…第一の回路電極、30…第二の回路部材、31…第二の回路基板、31a…主面、32…第二の回路電極、40…異方導電性フィルム、100…積層フィルム。

Claims (6)

  1. ポリアミドと、導電性粒子と、を含有し、
    前記ポリアミドが、ポリアミンに由来する構成単位と、ジカルボン酸に由来する構成単位と、を含み、
    前記ポリアミンに由来する構成単位が、下記一般式(2)で表される構成単位及びダイマー酸から誘導されるダイマージアミンに由来する構成単位を含む、異方導電性接着剤組成物。
    Figure 0006969165

    [式(2)中、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示す。]
  2. 記一般式(2)で表される構成単位の含有量が、前記ポリアミンに由来する構成単位全量を基準として、5モル%以上である、請求項1に記載の異方導電性接着剤組成物。
  3. 前記ポリアミンに由来する構成単位又は前記ジカルボン酸に由来する構成単位の少なくとも一方が、芳香族基を含む2価の有機基を有する構成単位を含む、請求項1又は2に記載の異方導電性接着剤組成物。
  4. 前記芳香族基を含む2価の有機基が、下記式で表される基のいずれかである、請求項3に記載の異方導電性接着剤組成物。
    Figure 0006969165

    [式中、mは1〜10の整数を示す。]
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の異方導電性接着剤組成物をフィルム状に形成してなる、異方導電性フィルム。
  6. 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、
    第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成され、前記第二の回路電極と前記第一の回路電極とが対向するように配置された第二の回路部材と、
    前記第一の回路部材及び前記第二の回路部材の間に配置され、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを電気的に接続する接続部材と、
    を備え、
    前記接続部材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の異方導電性接着剤組成物の硬化物である、接続構造体。
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