JP2010111847A - 接着剤組成物及び接続体 - Google Patents

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笑 宮澤
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Abstract

【課題】 優れた接着強度を示し、信頼性試験後においても安定した性能を維持することが出来る接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】 (a)熱可塑性樹脂、(b)ラジカル重合性化合物、(c)芳香族ビニル化合物、及び(d)ラジカル重合開始剤を含む接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着剤組成物及び接続体に関する。
半導体素子及び液晶表示素子において、素子中の種々の部材を結合させる目的で従来から種々の接着剤が使用されている。接着剤に対する要求は、接着性をはじめとして、耐熱性、高温高湿状態における信頼性等多岐に渡る特性が要求されている。また、接着に使用される被着体は、プリント配線板やポリイミド等の有機基材をはじめ、銅、アルミニウム等の金属やITO、Si、SiO等の多種多様な表面状態を有する基材が用いられ、各被着体にあわせた分子設計が必要である。
従来から、半導体素子や液晶表示素子用の接着剤としては、高接着性でかつ高信頼性を示すエポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。この樹脂の構成成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と反応性を有するフェノール樹脂等の硬化剤、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進する熱潜在性触媒が一般に用いられている。熱潜在性触媒は硬化温度及び硬化速度を決定する重要な因子となっており、室温での貯蔵安定性と加熱時の硬化速度の観点から種々の化合物が用いられており、実際の工程での硬化条件は、170〜250℃の温度で1〜3時間硬化することにより、所望の接着を得ていた。
しかしながら、最近の半導体素子の高集積化、液晶素子の高精細化に伴い、素子間及び配線間ピッチが狭小化し、硬化時の加熱によって、周辺部材に悪影響を及ぼすおそれが出てきた。さらに低コスト化のためには、スループットを向上させる必要性があり、より低温でかつ短時間での硬化、換言すれば低温速硬化での接着が要求されている。この低温速硬化を達成するためには、活性化エネルギーの低い熱潜在性触媒を使用する必要があり、室温付近での貯蔵安定性を兼備することが非常に難しいことが知られている。
最近、アクリレート誘導体やメタアクリレート誘導体等のラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤である過酸化物を併用した、ラジカル硬化型接着剤が注目されている。ラジカル硬化は、反応活性種であるラジカルが反応性に富むため、短時間硬化が可能である(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ラジカル硬化系の接着剤は、硬化時の硬化収縮が大きいために、エポキシ樹脂を用いた場合と比較して、接着強度に劣ることが分かっている。接着強度の改良方法として、エーテル結合によって柔軟性及び可とう性を付与したウレタンアクリレート化合物をラジカル重合性化合物として使用する方法(特許文献3、4参照)が提案されている
特開平1−113480号公報 特開2002−203427号公報 特許第3522634号公報 特開2002−285128号公報
しかしながら、上記のウレタンアクリレートを使用した場合、硬化後の弾性率やガラス転移温度等の接着剤物性が低下し、さらに吸水率上昇や耐加水分解性が低下する問題がある。このため、高温高湿条件(例えば85℃/85%RH)で長時間の暴露(信頼性試験)した後も安定した性能が要求される半導体素子や液晶表示素子の接着剤に使用した場合、信頼性試験後に接着力や接続抵抗等の特性が悪化してしまうことがあった。
本発明は、ラジカル硬化系でありながら、優れた接着強度を示し、信頼性試験後においても安定した性能を維持することが出来る接着剤組成物、及びそれを用いた回路部材の接続体を提供することを目的とする。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において、(a)熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)とは、以下で定義される主分散ピーク温度をいう。すなわち、動的粘弾性測定装置(例えば、ティー・エイ・インスツルメント社製粘弾性アナライザー「RSA−3」(商品名))を用いて、(a)熱可塑性樹脂のフィルムについて、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、測定温度−150〜300℃の条件で動的粘弾性を測定し、tanδのピーク温度を主分散ピーク温度とする。
本発明の接着剤組成物は、(a)熱可塑性樹脂、(b)ラジカル重合性化合物、(c)芳香族ビニル化合物((b)に該当するものを除く)、及び(d)ラジカル重合開始剤を含むものである。なお、芳香族ビニル化合物とは、芳香環にビニル基が直接結合した構造を有する化合物をいう。本発明の接着剤組成物は(a)〜(d)の構成を有することから、優れた接着強度を示し、信頼性試験(例えば高温高湿試験)後においても安定した性能(接続抵抗や接着強度など)を維持することができる。また、当該接着剤組成物の硬化物の耐熱性を向上させることができる。
本発明の接着剤組成物は、(e)リン酸基を有するビニル化合物をさらに含有することが好ましい。これにより回路部材、特に金属と優れた接着強度を得ることができる。
本発明の接着剤組成物において、(a)熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂を用いることにより、耐熱性、接着性の向上により、優れた接着強度を得ることができるとともに、前記硬化物の耐熱性の向上により、信頼性試験(高温高湿試験)後においてもより安定した性能を維持することができる。
本発明の接着剤組成物には、導電粒子を含有させてもよい。これにより、接着剤組成物に導電性又は異方導電性を付与することができるため、接着剤組成物を、接続端子を有する回路部材同士の接続用途等により好適に使用することが可能となる。また、上記接着剤組成物を介して電気的に接続した接続端子間の接続抵抗を十分に低減することができる。
本発明はまた、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有しており第一及び第二の接続端子が対向するように配置された第二の回路部材と、第一及び第二の回路部材間に配置され、第一及び第二の接続端子を電気的に接続する接着剤組成物と、を備える接続体であって、当該接着剤組成物が上述の本発明の接着剤又はその硬化物からなる接続体を提供する。
このような構造の接続体は、第一及び第2の回路部材を、上記接着剤組成物又はその硬化物により接続して電気的導通を図るとともに、両回路部材を接合したものである。そのため、回路部材間の接着強度を十分に高くすることができるとともに、信頼性試験(高温高湿試験)後にも安定した性能(接着強度や接続抵抗)を維持することができる。
本発明によれば、優れた接着強度を示し、信頼性試験後においても安定した接着強度及び接続抵抗を維持することが出来る接着剤組成物、及びそれを用いた回路部材の接続体を提供することができる。
本発明において用いる(a)熱可塑性樹脂は、加熱により粘度の高い液状状態になって外力により自由に変形でき、冷却し外力を取り除くとその形状を保ったままで硬くなり、この過程を繰りかえして行える性質を持つ樹脂(高分子)をいう。また、上記の性質を有する反応性官能基を有する樹脂(高分子)も含む。(a)熱可塑性樹脂のTgは、0〜190℃が好ましく、20〜170℃がより好ましい。
このような樹脂としては、ポリアミド、フェノキシ樹脂類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリエステルウレタン類、ポリビニルブチラール類、エチレン-ビニル酢酸共重合体、などを用いることができる。これらは単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。さらに、これら樹脂中にはシロキサン結合やフッ素置換基が含まれていてもよい。これらは、混合する樹脂同士が完全に相溶するか、もしくはミクロ相分離が生じて白濁する状態であれば好適に用いることができる。上記樹脂の分子量は大きいほどフィルム形成性が容易に得られ、また接着剤組成物としての流動性に影響する溶融粘度を広範囲に設定できる。
(a)熱可塑性樹脂の分子量は特に制限を受けるものではないが、一般的な重量平均分子量としては5,000〜500,000が好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい。この値が、5,000未満ではフィルム形成性が劣る傾向があり、また500,000を超えると他の成分との相溶性が悪くなる傾向がある。
本発明において用いる(b)ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合開始剤の作用でラジカル重合を生じる化合物をいうが、光や熱等の活性化エネルギーを付与することでそれ自体ラジカルを生じる化合物であってもよい。
ラジカル重合性化合物としては、具体的には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等のオリゴマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンアクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンアクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基にエチレングリコールやプロピレングリコールを付加させた化合物に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入した化合物、下記一般式(A〜B)で示される化合物が挙げられる。これらの化合物は、必要に応じて単独あるいは混合して用いてもよい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、同様の構造の化合物についても同様に解する。
Figure 2010111847

(ここでR及びRは、各々独立に水素又はメチル基を示し、a及びbは各々独立に1〜8の整数を表す。)
Figure 2010111847

(ここでR及びR4は、各々独立に水素又はメチル基を示し、c及びdは、各々独立に0〜8の整数を表す。)
これらの化合物は単独で使用する以外に、必要に応じて複数の化合物を混合して用いてもよい。
(b)ラジカル重合性化合物として、単独で30℃に静置した場合にワックス状、ろう状、結晶状、ガラス状、粉状等の流動性が無く固体状態を示すものについても、特に制限することなく使用できる。
このような化合物としては、具体的には、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、N−フェニルマレイミド、N−(o−メチルフェニル)マレイミド、N−(m−メチルフェニル)マレイミド、N−(p−メチルフェニル)−マレイミド、N−(o−メトキシフェニル)マレイミド、N−(m−メトキシフェニル)マレイミド、N−(p−メトキシフェニル)−マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-オクチルマレイミド、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N−メタクリロキシマレイミド、N−アクリロキシマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、N−メタクリロイルオキシコハク酸イミド、N−アクリロイルオキシコハク酸イミド、2−ナフチルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、2−ポリスチリルエチルメタクリレート、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、テトラメチルピペリジルメタクリレート、テトラメチルピペリジルアクリレート、ペンタメチルピペリジルメタクリレート、ペンタメチルピペリジルアクリレート、オクタデシルアクリレート、N−t−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−(ヒドロシキメチル)アクリルアミド、下記一般式(C〜L)で示される化合物が挙げられる。これらの化合物は、必要に応じて単独あるいは混合して用いてもよい。
Figure 2010111847

(ここでeは、1〜10の整数を表す。)
Figure 2010111847

Figure 2010111847

(ここでRは、水素又はメチル基、Rは、水素又はメチル基、fは、15〜30の整数を表す。)
Figure 2010111847

(ここでR、は、水素又はメチル基、Rは、水素又はメチル基、gは、15〜30の整数を表す。)
Figure 2010111847

(ここでRは、水素又はメチル基を表す。)
Figure 2010111847

(ここでR10は、水素又はメチル基、hは、1〜10の整数を表す。)
Figure 2010111847

(ここでR11は、水素又は下記一般式i若しくはiiで示す有機基、繰り返し数であるiは、1〜10の整数を表す。)
Figure 2010111847

Figure 2010111847

Figure 2010111847

(ここでR12、は水素又は下記一般式iii若しくはivで示す有機基、jは、1〜10の整数を表す。)
Figure 2010111847

Figure 2010111847

Figure 2010111847

(ここでR13は、水素又はメチル基を表す。)
Figure 2010111847

(ここでR14は、水素又はメチル基を表す。)
(b)ラジカル重合性化合物の添加量は、(a)熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜100質量部である。添加量が1質量部未満の場合、硬化後の耐熱性が低下して接続抵抗が上昇するおそれがある。200質量部以上の場合、フィルムとして使用する場合にフィルム形成性が低下するとともに、硬化後の膜質が脆化して接着力が低下するおそれがある。
本発明において用いる(c)芳香族ビニル化合物(分子内に芳香族ビニル基を含む化合物)は、上述のように、芳香環にビニル基が直接結合した構造を有する化合であり、芳香環は縮合環など複数の環からなっていてもよく、ビニル基の水素原子はメチル基等のアルキル基やハロゲン原子等で置換されていてもよい。また、(c)芳香族ビニル化合物は、反応性(時にラジカル重合性)を有することが好ましい。
このような化合物としては、例えば、1−t−ブチル−4−ビニルベンゼン、1−メチル−4−ビニルベンゼン、1−オクチル−4−ビニルベンゼン、1,3,5−トリメチル−2−ビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸、4−ビニルアニリン、3−ビニルアニリン、1,4−ジメチル−2−ビニルベンゼン、1−メトキシ−2−ビニルベンゼン、1−メトキシ−3−ビニルベンゼン、1−メトキシ−4−ビニルベンゼン、1,3,5−トリメチル−2−ビニルベンゼン、1−エトキシ−4−ビニルベンゼン、1−ニトロ−3−ビニルベンゼン、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−ビニル安息香酸メチル、2−ビニル安息香酸メチル、1−メトキシメトキシ−4−ビニルベンゼン、2−メトキシ−4−安息香酸メチル、2−(ビニルフェノキシ)テトラヒドロフラン、1−(1−エトキシエトキシ)−4−ビニルベンゼン、2−メチル−4−(1−メチルエチル)アセトキシベンゼン、p−t-ブトキシカルボニルメトキシ−4−ビニルベンゼン、t−ブチルジメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン、4−ビニル安息香酸t−ブチル、2−(4−ビニルフェノキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン、2−メチル−4−(1−メチルエチル)アセトキシベンゼンが挙げられる。また、下記一般式(M)〜(N)の構造を有する化合物を合成して用いることもできる。これらの化合物は、必要に応じて単独あるいは混合して用いてもよい。
Figure 2010111847

(ここでR15は水素又はメチル基R16O、CH、又は下記一般式vで示す有機基、R17は、O、CH、S、又は下記一般式viで示す有機基、R18、R19は独立に水素、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、kは1〜8の整数、lは1〜3の整数を示す。)
Figure 2010111847

Figure 2010111847

(上記v、viにおいて、R20、R21は独立に水素、炭素数1〜5の直鎖アルキル基、フェニル基を示す。)
Figure 2010111847

(ここでR22は水素又はメチル基、R23、R24は独立に水素、炭素数1〜5の直鎖アルキル基、フェニル基、R25O、CH、又は下記一般viiで示す有機基、R26は、O、CH、S、又は下記一般式viiiで示す有機基、R27、R28は独立に水素、炭素数1〜5の直鎖アルキル基、フェニル基、mは1〜8の整数、nは1〜3の整数を示す。)
Figure 2010111847

Figure 2010111847

(ここでR29、R30は独立に水素、炭素数1〜5の直鎖アルキル基、フェニル基を示す。)
(c)芳香族ビニル化合物は、芳香族ビニル基を2つ以上含むことが好ましい。このような化合物としては、例えば、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,3−イソプロペニルベンゼンが挙げられる。また、下記一般式(O)で示される構造を有する化合物を合成して用いることもできる。例えば、芳香族ビニル基と芳香族エーテルオリゴマー類とを反応して得られる化合物が挙げられる。
Figure 2010111847

(R31、R32、R33、R34、R35は独立に水素もしくはメチル基を示す。oは5〜20の整数を示す。)
2価のアルキル若しくはアリールエーテル基としては、2価の芳香族エーテルオリゴマー基が好ましく、このような基としては、オリゴ(2,6ージメチルフェニレン−1,4ーエーテル)、オリゴ(2ーメチルー6ーエチルフェニレンー1,4ーエーテル)、オリゴ(2,6ージエチルフェニレンー1,4ーエーテル)、オリゴ(2,6ージクロルフェニレンー1,4ーエーテル)、オリゴ(2ークロルー6ーメチルフェニレンー1,4ーエーテル)、オリゴ(2ーフェニルフェニレンー1,4ーエーテル)、オリゴ(2ーメチルー6ーnープロピルフェニレンー1,4ーエーテル)、オリゴ(5ーメチルフェニレンー1,3ーエーテル)、オリゴ(フェニレンー1,3ーエーテル)等が挙げられる。これらの化合物は、必要に応じて単独あるいは混合して用いてもよい。また、ポリアクリル骨格を主鎖に有し、側鎖に芳香族ビニル基を有する化合物を合成して用いることもできる。
(c)芳香族ビニル化合物の添加量は、(a)熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜100質量部である。添加量が1質量部未満の場合、硬化後の耐熱性が低下して接続抵抗が上昇するおそれがある。200質量部以上の場合、フィルムとして使用する場合にフィルム形成性が低下するとともに、硬化後の膜質が脆化して接着力が低下するおそれがある。
本発明において用いる(d)ラジカル重合開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物等の、活性化エネルギーの付与によりラジカルを発生する化合物を用いることができるが、安定性、反応性、相溶性の観点から、1分間半減期温度が90〜175℃で、かつ分子量が180〜1,000の過酸化物が好ましい。このような(d)ラジカル重合開始剤の具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキサイド、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いる他に、2種以上の化合物を混合して用いてもよい。
また、(d)ラジカル重合開始剤として、150〜750nmの光照射によってラジカルを発生する化合物を用いることができる。このような化合物としては、特に制限無く、公知の化合物を使用することができるが、例えば、Photoinitiation,Photopolymerization,and Photocuring,J.−P. Fouassier,Hanser Publishers(1995年)、p17〜p35に記載されているα−アセトアミノフェノン誘導体やホスフィンオキサイド誘導体が光照射に対する感度が高いためより好ましい。
これらの化合物は、単独で用いる他に、上記過酸化物やアゾ化合物と混合して用いてもよい。
(d)ラジカル重合開始剤の添加量は、(a)熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がさらに好ましい。ラジカル重合開始剤が0.1質量部未満の場合、硬化不足が懸念され、また、30質量部以上の場合には、放置安定性が低下する恐れがある。
本発明において用いることのできる(e)リン酸基を有するビニル化合物としては、ビニル基としてラジカル重合性に優れる(メタ)アクリロイル基を分子内に少なくとも一つ以上有するリン酸(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。このような化合物としては、下記一般式(P)〜(R)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010111847

(ここでR36は、アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基、R37は水素又はメチル基、p、qは独立に1〜8の整数を示す。)
Figure 2010111847

(ここでR38は、アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基、r、s、tは独立に1〜8の整数を示す。)
Figure 2010111847

(ここでR39は、アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基、R40は、水素又はメチル基、u、vは独立に1〜8の整数を示す。)
具体的には、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、2,2’-ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、EO変性リン酸ジメタクリレート、リン酸変性エポキシアクリレート、リン酸ビニル等が挙げられる。
(e)リン酸基を有するビニル化合物の添加量は、(a)熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜30質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部である。添加量が0.05質量部未満の場合、高接着強度が得られにくく、また、30質量部以上の場合には、硬化後の接着剤組成物の物性低下が著しく、信頼性が低下する恐れがある。
本発明に用いることのできる導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等が挙げられる。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を核とし、この核に前記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものでもよい。導電性粒子が、プラスチックを核とし、この核に前記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものや熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。またこれらの導電性粒子の表面を、さらに高分子樹脂などで被覆した微粒子は、導電性粒子の配合量を増加した場合の粒子同士の接触による短絡を抑制し、電極回路間の絶縁性が向上できることから、適宜これを単独あるいは導電性粒子と混合して用いてもよい。
この導電性粒子の平均粒径は、分散性、導電性の点から1〜18μmであることが好ましい。導電性粒子の使用量は、特に制限は受けないが、接着剤組成物の全体積を基準として0.1〜30体積%とすることが好ましく、0.1〜10体積%とすることがより好ましい。この値が、0.1体積%未満であると導電性が劣る傾向があり、30体積%を超えると回路の短絡が起こる傾向がある。なお、体積%は23℃の硬化前の各成分の体積をもとに決定されるが、各成分の体積は、比重を利用して重量から体積に換算することができる。また、メスシリンダー等にその成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れたものに、その成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
本発明の接着剤組成物には、硬化速度の制御や貯蔵安定性を付与するために、安定化剤を添加することできる。このような安定化剤としては、ベンゾキノンやハイドロキノン等のキノン誘導体、4−メトキシフェノールや4-t-ブチルカテコール等のフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルや4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のアミノキシル誘導体、テトラメチルピペリジルメタクリレート等のヒンダードアミン誘導体が好ましい。
安定化剤の添加量は、(a)熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜10質量部である。添加量が0.01質量部未満の場合、添加効果が著しく低下することが懸念され、また、30質量部以上の場合には、他の成分との相溶性が低下する恐れがある。
本発明の接着剤組成物には、アルコキシシラン誘導体やシラザン誘導体に代表されるカップリング剤及び密着向上剤、レベリング剤、尿素樹脂、メラミン樹脂などの接着助剤を適宜添加してもよい。具体的には、下記一般式(S)で示される化合物が好ましく、単独で用いる他に、2種以上の化合物を混合して用いてもよい。
Figure 2010111847

(ここでR41、R42、R43は独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、アリール基、R44は(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、イソシアナート基、イミダゾール基、メルカプト基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、モルホリノ基、ピペラジノ基、ウレイド基、グリシジル基、
wは1〜10の整数を示す。)
本発明の接着剤組成物は、応力緩和及び接着性向上を目的に、ゴム成分を併用してもよい。具体的には、ポリイソプレン、ポリブタジエン、カルボキシル基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、カルボキシル基末端1,2−ポリブタジエン、水酸基末端1,2−ポリブタジエン、アクリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、水酸基末端スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基又はモルホリン基をポリマ末端に含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水酸基末端ポリ(オキシプロピレン)、アルコキシシリル基末端ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリオレフィングリコール、ポリ−ε−カプロラクトン、アクリルゴムが挙げられる。
上記ゴム成分としては、接着性向上の観点から、高極性基であるシアノ基、カルボキシル基を側鎖あるいは末端に含むゴム成分が好ましく、さらに流動性向上の観点から、液状ゴムがより好ましい。具体的には、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基又はモルホリン基をポリマ末端に含有する液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状カルボキシル化ニトリルゴムが挙げられ、極性基であるアクリロニトリル含有量は10〜60%が好ましい。これらの化合物は単独で用いる他に、2種以上の化合物を混合して用いてもよい。
本発明の接着剤組成物は、(a)熱可塑性樹脂、(b)ラジカル重合性化合物、(c)芳香族ビニル化合物及び(d)ラジカル重合開始剤を、これらの成分を溶解・分散できる溶剤とともに又は溶剤を用いずに混合して製造できる。この場合、製造途中に、(d)ラジカル重合開始剤からラジカルが発生したり、(b)ラジカル重合性化合物が自己重合を開始しないように、温度や活性光線の制御を行なう。(e)リン酸基を有するビニル化合物、導電性粒子、安定化剤、ゴム成分等他の添加成分は、上記(a)〜(d)成分の製造過程のいずれかで系に添加すればよい。
本発明の接着剤組成物は、常温で液状である場合にはペースト状で使用することができる。室温で固体の場合には、加熱して使用する他、溶剤を使用してペースト化してもよい。使用できる溶剤としては、接着剤組成物及び添加剤と反応性がなく、かつ十分な溶解性を示すものであれば、特に制限は受けないが、常圧での沸点が50〜150℃であるものが好ましい。沸点が50℃以下の場合、室温で放置すると揮発する恐れがあり、開放系での使用が制限される。また、沸点が150℃以上だと、溶剤を揮発させることが難しく、接着後の信頼性に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明の接着剤組成物はフィルム状にして用いることもできる。接着剤組成物に必要により溶剤等を加えるなどした溶液を、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離形紙等の剥離性基材上に塗布し、あるいは不織布等の基材に前記溶液を含浸させて剥離性基材上に載置し、溶剤等を除去してフィルムとして使用することができる。フィルムの形状で使用すると取扱性等の点から一層便利である。
本発明の接着剤組成物は加熱及び加圧を併用して接着させることができる。加熱温度は、特に制限は受けないが、100〜250℃の温度が好ましい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば、特に制限は受けないが、一般的には0.1〜10MPaが好ましい。これらの加熱及び加圧は、0.5秒〜120秒間の範囲で行うことが好ましく、120〜200℃、3MPa、10秒の加熱でも接着させることが可能である。
本発明の接着剤組成物は、熱膨張係数の異なる異種の被着体の接着剤として使用することができる。具体的には、異方導電接着剤、銀ペースト、銀フィルム等に代表される回路接続材料、CSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、ダイボンディングフィルム、ダイボンディングペースト等に代表される半導体素子接着材料として使用することができる。
以下に、本発明の接着剤組成物及び導電粒子を使用して作製したフィルム状接着剤(異方導電フィルム)を用い、接続端子が対向するように配置された回路部材同士を接続する場合の一例について説明する。異方導電フィルムを、回路部材上の対向する接続端子間に配置し、加熱加圧することにより、対向する接続端子の電気的接続と回路部材の接着を同時に行い、回路部材同士を接続することができる。回路部材に用いられる基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機質、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等のこれら複合の各組み合わせが適用できる。
上述の方法により、例えば、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とが、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置されており、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上述した接着剤組成物(又はその硬化物)が介在されており、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子のみが電気的に接続されている回路端子の接続構造体、を得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
・(a)熱可塑性樹脂の準備
(フェノキシ樹脂の調整)
フェノキシ樹脂(YP−50、東都化成社製商品名)40gを、メチルエチルケトン60gに溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液を調整した。
(ポリエステルウレタン樹脂の調整)
ポリエステルウレタン樹脂(UR−1400、東洋紡社製商品名)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分30質量%のポリエステルウレタン樹脂溶液を調整し、これをトルエンと質量比1:1で混合させた。
(ポリウレタン樹脂の調整)
ポリウレタン樹脂(ミラクトロンP22M、軟化点:64℃ 日本ポリウレタン工業株式会社製)15gを、メチルエチルケトン85gに熔解して、固形分15質量%のポリウレタン樹脂溶液を調整した。
・(b)ラジカル重合性化合物の準備
(ウレタンアクリレート(UA)の合成)
攪拌機、温度計、塩化カルシウム乾燥管を備えた還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に数平均分子量860のポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール(アルドリッチ社製)860質量部(1.00モル)、ジブチルスズジラウレート(アルドリッチ社製)5.53質量部を投入する。充分に窒素ガスを導入した後、70〜75℃に加熱し、イソフォロンジイソシアネート(アルドリッチ社製)666質量部(3.00モル)を3時間で均一に滴下し、反応させた。滴下完了後約10時間反応を継続した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(アルドリッチ社製)238質量部(2.05モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(アルドリッチ社製)0.53質量部を投入し、さらに10時間反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレート(UA)を得た。得られたUAの数平均分子量(Mn)は3,700であった。
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(M−215、東亜合成株式会社製商品名)を準備した。
・(c)芳香族ビニル化合物の準備
数平均分子量(Mn)1200、2200のスチリル基含有オリゴフェニレンエーテル(商品名:OPE−2St(Mn:1200)、OPE−2St(Mn:2000)、共に三菱ガス化学社製)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分10質量%のメチルエチルケトン溶媒溶解品を調整した。
・(d)ラジカル重合開始剤の準備
ラジカル重合開始剤としてt―ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂株式会社製商品名)を調整した。
・(e)リン酸基を有するビニル化合物の準備
2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート(商品名:ライトエステルP−2M、共栄社株式会社製)を準備した。
・導電性粒子の作製
ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径4μm、比重2.5の導電性粒子を作製した。
上述の成分(a)〜(e)を下記表1に示す固形質量比、すなわち溶液から溶媒を除いた場合の質量比で配合し、さらに接着剤組成物の全体積を基準として、上記導電性粒子を1.5体積%配合分散させた。これを、厚み80μmのフッ素樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥することにより、接着剤層の厚みが18μmである、実施例1〜8、比較例1〜3のフィルム状接着剤組成物を得た。
Figure 2010111847
〔接続抵抗、接着強度の測定〕
実施例1〜8、比較例1〜3のフィルム状接着剤組成物を、ライン幅25μm、ピッチ50μm、厚み18μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)と、0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラス(厚み1.1mm、表面抵抗20Ω/□)との間に介在させた。これを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用いて、170℃、3MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続し、接続体を作製した。この接続体の隣接回路間の抵抗値を、接着直後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に240時間保持した後(信頼性試験後)にマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗37点の平均で示した。
また、この接続体の接着強度をJIS−Z0237に準じて90度剥離法で測定し、評価した。ここで、接着強度の測定装置は東洋ボールドウィン株式会社製テンシロンUTM−4(剥離速度50mm/min、25℃)を使用した。以上のようにして行ったフィルム状接着剤組成物の接続抵抗及び接着強度の測定の結果を下記表2に示した。
Figure 2010111847
実施例1〜8で得られた接着剤組成物は、加熱温度170℃において、接着直後及び85℃、85%RHの高温高湿槽中に240時間保持した後(試験後)で、3Ω未満の良好な接続抵抗を有しながら、600N/m以上の良好な接着強度を示すことが明らかとなった。
これらに対して、(c)芳香族ビニル化合物を含まない比較例1、2では、良好な接続抵抗を示すものの、特に試験後の接着力が低いことが明らかとなった。
また、同様に(c)芳香族ビニル化合物を含まない比較例3では、接着直後及び試験後の接続抵抗が高く、接着強度も低いことが明らかとなった。

Claims (5)

  1. (a)熱可塑性樹脂、(b)ラジカル重合性化合物、(c)芳香族ビニル化合物、及び(d)ラジカル重合開始剤を含む接着剤組成物。
  2. (e)リン酸基を有するビニル化合物をさらに含有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. (a)熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 導電性粒子をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、
    第二の接続端子を有しており、前記第一及び第二の接続端子が対向するように配置された、第二の回路部材と、
    前記第一及び第二の回路部材間に配置され、前記第一及び第二の接続端子を電気的に接続する接着剤組成物と、を備える接続体であって、
    前記接着剤組成物は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物又はその硬化物からなる、接続体。
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