JP2000319596A - プリント配線基板用接着剤組成物 - Google Patents

プリント配線基板用接着剤組成物

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JP2000319596A
JP2000319596A JP11129054A JP12905499A JP2000319596A JP 2000319596 A JP2000319596 A JP 2000319596A JP 11129054 A JP11129054 A JP 11129054A JP 12905499 A JP12905499 A JP 12905499A JP 2000319596 A JP2000319596 A JP 2000319596A
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Mieko Tamura
美枝子 田村
Toshiaki Takaoka
利明 高岡
Tomio Yamada
富穂 山田
Naoyuki Amaya
直之 天谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な機械強度を有しつつ、耐熱性、加工
性、接着性に優れ、特には高周波領域において低誘電特
性を示す等の諸特性を有するプリント配線基板用接着剤
組成物を提供する。 【解決手段】 フマル酸エステルを含むプリント配線基
板用接着剤組成物とする。さらには、(A)フマル酸エ
ステル、(B)ジアリル系オリゴマー、(C)ビニル芳
香族系化合物、(D)ビニル芳香族系ブロック共重合体
および(E)硬化剤からなるプリント配線基板用接着剤
組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
用接着剤に関する。さらに詳しくは、優れた電気特性、
特に高周波領域において低誘電率、低誘電正接性能を有
し、かつ高温領域までの耐熱性、基板材料および金属箔
に対する密着性ないし接着性に優れるプリント配線基板
用接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の高性能化、小型化
が更に進んでおり、それに伴って使用される電子部品に
対する小型化、軽量化が求められている。そのため、プ
リント配線基板を始めとする配線部品にも、高密度化、
高性能化が求められるようになってきた。特に、自動車
電話、デジタル携帯電話機等の携帯移動体通信、衛星通
信などの無線通信分野では、使用周波数がメガヘルツ帯
からギガヘルツ帯へと高周波化している。このような高
周波領域に対応した通信機の小型化、軽量化のために
は、優れた高周波電送特性と低誘電性特性とを合わせ持
つ電気絶縁材料の開発が必要である。電子回路内では、
伝送過程でエネルギー損失が生じる。これを誘電損失と
いうが、誘電損失は熱エネルギーとして電子回路内に放
出されるため、プリント配線基板ひいては各種電子機器
にとって好ましくない。誘電損失は比誘電率εの二乗根
と材料の誘電正接tanδの積に比例するため、絶縁材
料の誘電損失を少しでも小さくするにはtanδの小さ
い材料を用いる必要がある。また、誘電損失は周波数に
も比例するため、高周波数であるほどεおよびtanδ
が低いことが重要となる。誘電損失の小さい高分子材料
を用いることで誘電損失および電気抵抗による発熱が抑
制され、その結果信号の誤動作も少なくなる。前記のよ
うに、優れた高周波電送特性と低誘電性特性とを合わせ
持つことが電気絶縁材料にとって最重要課題であり、電
気絶縁材料の一部であるプリント配線基板用接着剤にも
必要とされる物性となる。
【0003】一般に低誘電率を有する電気絶縁性材料と
して、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン
(BT)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹
脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等が種々提案されてい
る。
【0004】これらの中で、現在低誘電率を有する電気
絶縁性材料として最も優れた性能を持つのはポリイミド
樹脂である。ポリイミド樹脂は、高い耐熱性、機械的強
度を有しており、しかも電気特性にも優れている。しか
しながら、ポリイミドの代表例であるポリピロメリット
イミドは、閉環状態でほとんど不溶、不融であり、応用
範囲が限定される。最近では、溶融流動性を改善するこ
とにより、ポリイミド系でありながら接着剤としての利
用を可能としたものが提案されてきているが、接着に高
温・長時間を要し、加工性に問題がある。また、吸湿し
易く吸湿後の電気特性が悪くなるという問題点もある。
【0005】その他比較的耐熱性が良好な樹脂として、
PPE樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。しかしなが
ら、PPE樹脂は耐熱性が200℃以上あるものの誘電
率が3以上(1MHz)と比較的高く、要求特性を満た
していない。またエポキシ樹脂に関しては、特開平6−
192392号にみられるように、絶縁抵抗性、絶縁破
壊強度と耐熱温度においては要求特性を満たしている
が、誘電率が3以上と比較的高く、また溶媒キャスト法
による薄膜形成能および熱処理による成形加工性に乏し
いといった欠点もある。さらに、耐熱性の乏しいエポキ
シ樹脂の改良目的でクレゾールノボラックエポキシ樹
脂、難燃性および自消性を付与する目的でハロゲン化エ
ポキシ樹脂が検討されているが、フィルムとして力学的
特性が著しく低下するという欠点がある。
【0006】BT樹脂も誘電率が3以上と比較的高いた
め、種々の改良が試みられているが、誘電率は十分満足
できるレベルまで低下していない。
【0007】一方、フッ素ビニリデン樹脂、トリフルオ
ロエチレン樹脂、およびパーフルオロエチレン樹脂のよ
うなフッ素原子を分子鎖中に含有している重合体は、電
気特性(低誘電率、低誘電損失性)、耐熱性、化学安定
性に優れているが、汎用の有機溶剤に対し溶解性が低
く、溶媒キャスト法等による薄膜化が困難である。さら
に、透明性が低いため光による接着剤の硬化が難しい。
また、比較的溶解性の良い溶剤を選択して基板上にコー
ティングしても、ポリマーの強い撥水・疎水的性質によ
りポリマー被膜が基板から簡単にはがれてしまうという
問題点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題を解決し、十分な機械強度を有しつつ耐熱性、加工
性、接着性に優れ、特には高周波領域における低誘電特
性を示すプリント配線基板用接着剤組成物を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
研究を重ねた結果、フマル酸エステルを含むプリント配
線基板用接着剤組成物が、高周波領域において低誘電特
性を発現することをはじめ、優れた諸物性を有すること
を見出し、本発明に至った。
【0010】中でも、(A)フマル酸エステル、(B)
ジアリル系オリゴマーを含むプリント配線基板用接着剤
組成物において、特に優れた諸物性が発現し得ることを
見出した。
【0011】また特に、(A)フマル酸エステル、
(B)ジアリル系オリゴマー、(C)ビニル芳香族系化
合物、(D)ビニル芳香族系ブロック共重合体および
(E)硬化剤からなるプリント配線基板用接着剤組成物
が、さらに優れた諸物性を有することを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いるフマル酸エステル
(A)は、高分子材料としたとき低誘電性や耐熱性を付
与できるものであれば特に限定されるものではないが、
下記式(1)で表される化合物が好ましい。
【化1】 式1において、Rはアルキル基またはシクロアルキル
基を表し、Rはアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基を表す。RおよびRは同一でも異なるも
のであってもよい。
【0013】R、Rで表されるアルキル基として
は、総炭素数2〜12のものが好ましいが、これらは直
鎖状であっても分岐を有するものであってもよく、さら
には置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の
置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl)、アルコシ
キ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基等)、アリール基(フェニル基等)などが挙げられ
る。
【0014】R、Rで表されるアルキル基の具体例
としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基(n−アミル基)、sec−アミ
ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリフルオロエチル基、ヘキ
サフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル
基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロオクチ
ルエチル基、2−クロロエチル基、1−ブトキシ−2−
プロピル基、メトキシエチル基、ベンジル基などが挙げ
られる。
【0015】R、Rで表されるシクロアルキル基と
しては、総炭素数3〜14のものが好ましいが、これら
は単環であっても橋かけ環を有するものであってもよ
く、さらには置換基を有していてもよい。この場合の置
換基としては、上記にアルキル基について例示したもの
と同様のものを挙げることができる。
【0016】R、Rで表されるシクロアルキル基の
具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、アダマンチル基、ジメチルアダマンチル基などが挙
げられる。
【0017】Rで表されるアリール基としては、総炭
素数6〜18のものが好ましい。これらは単環であるこ
とが好ましいが、多環(縮合環ないし環集合)であって
もよく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基
は、アルキル基、シクロアルキル基について上記に例示
したものと同様のものが挙げられる。
【0018】Rで表されるアリール基の具体例として
は、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0019】上記のようなR、Rを含み、式1で表
されるフマル酸エステルとして、具体的にはジエチルフ
マレート、ジ−n−プロピルフマレート、ジ−n−ヘキ
シルフマレート、イソプロピル−n−ヘキシルフマレー
ト、ジイソプロピルフマレート、ジ−n−ブチルフマレ
ート、ジ−sec−ブチルフマレート、ジ−tert−
ブチルフマレート、ジ−sec−アミルフマレート、n
−ブチルイソプロピルフマレート、sec−ブチルイソ
プロピルフマレート、tert−ブチル−4−メチル−
2−ペンチルフマレート、tert−ブチルイソプロピ
ルフマレート、sec−アミルイソプロピルフマレー
ト、ジ−4−メチル−2−ペンチルフマレート、ジイソ
アミルフマレート、ジ−4−メチル−2−ヘキシルフマ
レート、tert−ブチルイソアミルフマレート等のジ
アルキルフマレート類;ジシクロペンチルフマレート、
ジシクロヘキシルフマレート、ジシクロヘプチルフマレ
ート、シクロペンチルシクロヘキシルフマレート、ビス
(アダマンチル)フマレート、ビス(ジメチルアダマン
チル)フマレート等のジシクロアルキルフマレート類;
シクロヘキシルイソプロピルフマレート、アダマンチル
イソプロピルフマレート、ジメチルアダマンチルイソプ
ロピルフマレート、シクロヘキシル−tert−ブチル
フマレート等のアルキルシクロアルキルフマレート類;
イソプロピルフェニルフマレート等のアルキルアリール
フマレート類;ベンジル−tert−ブチルフマレー
ト、ベンジルイソプロピルフマレート等のアラルキルア
ルキルフマレート類;ジトリフルオロエチルフマレー
ト、ジヘキサフルオロイソプロピルフマレート、ジパー
フルオロイソプロピルフマレート、ジパーフルオロブチ
ルエチルフマレート等のジフルオロアルキルフマレート
類;イソプロピルパーフルオロオクチルエチルフマレー
ト、ヘキサフルオロイソプロピルイソプロピルフマレー
ト等のアルキルフルオロアルキルフマレート類;1−ブ
トキシ−2−プロピル−tert−ブチルフマレート、
イソプロピルメトキシエチルフマレート、2−クロロエ
チルイソプロピルフマレート等のアルキル置換アルキル
フマレート類などが挙げられる。
【0020】中でも、ジイソプロピルフマレート、ジシ
クロヘキシルフマレート、ジ−sec−ブチルフマレー
ト、ジ−tert−ブチルフマレート、tert−ブチ
ルイソプロピルフマレート、n−ブチルイソプロピルフ
マレート、n−ヘキシルイソプロピルフマレートなど
が、合成の容易さおよび重合性の点で特に好ましい。
【0021】前記フマル酸エステルは、通常のエステル
化技術および異性化技術を組み合わせることにより、合
成することができる。
【0022】上記のフマル酸エステルは、本発明の接着
剤組成物中に1種類のみが含まれていてもよく、2種類
以上が同時に含まれていてもよい。
【0023】フマル酸エステル(A)の使用量は、後述
する有機溶剤等の揮発成分を除く接着剤組成物の総重量
を100重量部とした場合、好ましくは20〜70重量
部、さらに好ましくは40〜60重量部である。フマル
酸エステルの使用量が20重量部より少ない場合、高周
波領域における低誘電特性が十分に発現できない。一
方、70重量部より多い場合は、基板材料および金属箔
に対する密着性ないし接着性が不十分となる。
【0024】本発明で用いるジアリル系オリゴマー
(B)としては、下記式(2)の構造を持つものが望ま
しい。
【化2】 ここで、Rは多価アルコールから誘導された炭素数が
2〜20、好ましくは2〜8からなる炭化水素残基であ
り、nは1〜100、好ましくは1〜10の数を表わ
す。
【0025】Rの炭化水素残基を誘導する多価アルコ
ールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3−シクロヘキサンジオール、p−キシリレン
グリコール、スチレングリコール等の脂肪族または芳香
族環を含んだ2価のアルコール、グリセリン等の3価の
アルコール等が挙げられる。これらの中でも、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール等の直鎖脂
肪族系炭化水素から誘導された2価のアルコールが好ま
しい。これらは、一種類だけで用いてもよいし、数種類
以上を同時に用いてオリゴマーを合成してもよい。
【0026】ジアリル系オリゴマー(B)の使用量は、
揮発成分を除く接着剤組成物の総重量を100重量部と
した場合、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましく
は10〜30重量部である。ジアリル系オリゴマーの使
用量が5重量部より少ない場合、機械物性が下がる傾向
にある。一方、40重量部より多い場合は、高周波領域
における低誘電特性が十分に発現できない。
【0027】本発明で用いるビニル芳香族系化合物
(C)としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、o−、m−またはp−メチルスチレン、2,4−ジ
メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセ
ンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ま
しく用いられる。これらのビニル芳香族化合物は単独で
用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0028】ビニル芳香族系化合物(C)の使用量は、
揮発成分を除く接着剤組成物の総重量を100重量部と
した場合、10〜40重量部であることが好ましい。
【0029】本発明で用いるビニル芳香族系ブロック共
重合体(D)は、例えばビニル芳香族系化合物(C)に
ついて上記に記載したようなビニル芳香族系化合物から
形成された重合体ブロックA、およびオレフィン性重合
体からなる重合体ブロックB、を有するものであること
が望ましい。
【0030】ビニル芳香族系ブロック共重合体における
重合体ブロックAの含有率は、5〜50重量%の範囲内
にあることが好ましい。ビニル芳香族系ブロック共重合
体におけるビニル芳香族化合物の含有率が5重量%より
低い場合、ビニル芳香族系ブロック共重合体のゴム弾性
が不十分であり、得られる接着剤組成物の接着力が低下
する。一方、50重量%より大きくなると、ビニル芳香
族系ブロック共重合体の柔軟性が低下し、得られる接着
剤組成物の粘着力が十分ではない。ビニル芳香族系ブロ
ック共重合体におけるビニル芳香族化合物の含有率は、
10〜35重量%の範囲内にあることが、より好まし
い。
【0031】一方、ビニル芳香族系ブロック共重合体に
おけるオレフィン性重合体からなる重合体ブロックB
は、ビニル芳香族系ブロック共重合体中でソフトセグメ
ントとして作用する。なお、重合体ブロックBの構造は
特に制限されないが、例えばアルキル分岐の割合などを
適宜調節することにより、ビニル芳香族系ブロック共重
合体の機械物性を変えることができる。
【0032】オレフィン性重合体からなる重合体ブロッ
クBとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエンないし1,3−ヘキサジエンから形成され
る重合体またはこれらの混合物の重合体の水素添加物の
他、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレ
フィンの重合体などが挙げられる。これらの中でも、重
合体ブロックBとして好ましいものは、1,3−ブタジ
エンまたはイソプレンから形成される重合体、またはこ
れらの混合物の重合体の水素添加物である。
【0033】重合体ブロックBが1,3−ブタジエンや
イソプレンなどの共役ジエンの重合体の水素添加物であ
る場合、該共役ジエンに基づく炭素−炭素二重結合の7
0%以上が水素添加されていることが、耐熱性に優れた
粘着性樹脂組成物を得ることができるので好ましい。ま
たその場合、重合体ブロックBにおける1,2−結合あ
るいは3,4−結合の含有量は50モル%以下であるこ
とが好ましい。
【0034】ビニル芳香族系ブロック共重合体の数平均
分子量は、通常10万以上、好ましくは10〜100
万、より好ましくは15〜50万である。ここで数平均
分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
(以下GPCと略記する)で測定された、ポリスチレン
換算の数平均分子量をいう。
【0035】ビニル芳香族系ブロック共重合体の分子構
造は、直鎖状、分岐状あるいはこれらの任意の組み合わ
せのいずれであってもよい。また、ブロック共重合体
は、その特性が失われない限り、分子末端または分子鎖
中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、
ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0036】ビニル芳香族系ブロック共重合体の製造方
法としては、従来から公知の方法を特に制限なく利用す
ることができ、アニオン重合法により得られた重合体を
水素添加する方法、カチオン重合などのイオン重合法、
チーグラー重合法、シングルサイト重合法、ラジカル重
合法など、いずれの方法を用いてもよい。
【0037】ビニル芳香族系ブロック共重合体(D)の
使用量は、揮発成分を除く接着剤組成物総重量を100
重量部とした場合、好ましくは5〜30重量部、さらに
好ましくは10〜20重量部である。ビニル芳香族系ブ
ロック共重合体の使用量が5重量部より少ない場合、基
板材料および金属箔に対する密着性ないし接着性が不十
分となる。一方、30重量部より多い場合は、他の原料
と相分離を起こす恐れがある。
【0038】本発明においては、プリント配線基板用接
着剤組成物を硬化させるために、公知の重合開始剤の全
てを硬化剤(E)として用いることができるが、10時
間半減期温度が30〜130℃の有機過酸化物およびア
ゾ化合物の1種類または2種類以上を好ましく用いるこ
とができる。その具体例としては、例えば過酸化ベンゾ
イル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、te
rt−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t
ert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、te
rt−ブチルペルオキシピバレート、ジクミルペルオキ
シド、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジ−te
rt−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(tert−ブチ
ルペルオキシ)ジ−m−イソプロピルベンゼン等の有機
過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等
のアゾ系化合物が挙げられる。
【0039】硬化剤(E)の使用量としては、揮発成分
を除く接着剤組成物総重量を100重量部とした場合、
0.1〜5重量部であることが好ましく、さらに好まし
くは0.5〜2重量部である。硬化剤の使用量が0.1
部重量部より少ない場合、硬化が不十分となり電気特
性、耐熱性等が低下してしまう。一方、5重量部より多
い場合は、高周波領域における低誘電特性が悪くなる傾
向がある。
【0040】またプリント配線基板用接着剤組成物を硬
化させる際の条件としては、適時重合系を不活性ガス、
例えば窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等で置換
した雰囲気下、あるいは脱気条件下で硬化させることが
好ましい。その際の温度としては、使用する硬化剤の種
類により異なるが40〜180℃が好ましく、さらに好
ましくは60〜150℃である。
【0041】本発明のプリント配線基板用接着剤組成物
には、上記(A)〜(E)の各構成成分に加えて、有機
溶剤を添加することもできる。有機溶剤としては、上記
したような接着剤構成成分を溶解するものであれば特に
限定するものではないが、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トル
エン、キシレン等の芳香族系溶媒などが挙げられる。
【0042】プリント配線基板となる材料としては特に
限定されるものではなく、例えばフマレート樹脂系、エ
ポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、
不飽和ポリエステル樹脂系等の熱硬化性樹脂成形板や、
これらの熱硬化性樹脂に無機充填材等を配合したものの
板、ガラス等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミ
ド、木綿等の有機質繊維のクロス、ペーパー等の基材を
上記熱硬化性樹脂等で接着した板などが挙げられる。
【0043】次に、プリント配線基板用接着剤組成物を
用いる単層板ないし積層板、そしてプリント配線基板の
製造法について説明する。まず、配合したプリント配線
基板用接着剤組成物をプリント配線基板を形成する材料
上に塗布し、もう一枚の基板形成材料を重ねた後、熱で
プレ硬化させる。2枚の基板形成材料では厚みが不足し
ている場合には、接着剤塗布と積層を繰り返して所望の
厚みの積層板を作成し、同様に熱でプレ硬化させる。こ
の際、積層板の最も外側の面にも接着剤層を形成してお
くと、後の工程で両面に金属箔を貼る際に接着剤なしで
金属箔をそのまま重ねることができる。その場合には、
プレ硬化の段階で両面にタック性があるため、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムのような耐熱性のあるフィ
ルムをさらに外側に重ねてからプレ硬化するとよい。塗
布方法については、特に限定するものではない。
【0044】また、前記金属箔として、プリント配線基
板用接着剤組成物を金属箔の一方の面に塗布し、それを
熱硬化させて金属箔の一方の面に接着剤層を形成した樹
脂付き金属箔を形成させてもよい。この樹脂付き金属箔
を用いた場合、得られるプリント配線基板の金属箔と内
側の材料の間に気泡が生ずることが少ないため、電気信
頼性が優れたプリント配線基板が得られ好ましい。な
お、前記金属箔の材料としては、銅箔、アルミニウム箔
等が使用され、厚みとしては0.012〜0.070m
mのものが一般的に使用される。
【0045】前記積層板を用いてプリント配線基板を製
造する方法としては、例えば積層板の最も外側の面にも
接着剤層を形成した積層板をプレ硬化したものの外側に
金属箔を重ねて被圧体とし、この被圧体を加熱、加圧し
てプリント配線基板とする。
【0046】プリント配線基板を製造するための加熱、
加圧条件は、プリント配線基板用接着剤組成物を硬化し
たもののガラス転移温度に依存するため、その組成に応
じて適宜選ぶとよいが、加熱温度は通常100〜260
℃、好ましくは180〜230℃、圧力は通常1〜40
MPa、好ましくは2〜10MPa、10〜120分程
度の条件で加熱と同時に加圧する。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】 <実施例1>(プリント配線基板用接着
剤組成物の調整) 日本油脂株式会社製ジシクロヘキシルフマレート(略
称:DcHF)と、昭和電工株式会社製ジアリル系オリ
ゴマー[商品名BA101]、スチレンモノマー、クラ
レ株式会社製ポリスチレン含有ブロック共重合体[商品
名ハイブラー5125]および日本油脂株式会社製硬化
剤1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン[商品名パーヘキサ
3M]を表に示す割合で配合し、プリント配線基板用接
着剤組成物を得た。
【0049】 (プリント配線基板用接着剤組成物の硬
化)プリント配線基板用接着剤組成物をガラス板2枚お
よび1.5mm厚のシリコンゴムシートガスケットから
なる型に注入し、120℃のオーブン内で10時間加熱
硬化した。室温まで放冷してから硬化物を取り出し、板
状の硬化物を得た。
【0050】プリント配線基板用接着剤組成物およびそ
の板状硬化物の物性は、次の方法により測定した。
【0051】 (粘度)プリント配線基板用接着剤組成
物をガラス瓶に入れ、25℃の恒温槽中でB型粘度計
(ローターNo.4、60rpm)を用いて測定した。
【0052】 (重合転化率)板状硬化物を粉砕した
後、約1g精秤して20mlのTHFで24時間抽出
し、n−デカンを内標としてガスクロマトグラフィーに
て残存モノマーを定量して重合転化率を求めた。
【0053】 (電気物性)板状硬化物をダイヤモンド
刃のマイクロカッターにて切断し、1.5×1.5×1
00mmの電気絶縁材料を得た。誘電率εおよび誘電損
失正接tanδを空洞共振器摂動法により求め、εおよ
びtanδの逆数Qを表中に載せた。
【0054】 (曲げ強度)板状硬化物を用い、JIS
C−6481に準拠して測定した。
【0055】 <実施例2〜11>実施例1と同様の手
順でプリント配線基板用接着剤組成物の調製、硬化およ
び各種試験を行った。ただし、使用したフマル酸エステ
ル、ジアリル系オリゴマーおよびビニル芳香族系ブロッ
ク共重合体は表1〜3に示すように適宜変更した。な
お、実施例2〜11においては、実施例1で使用した原
料の他に、フマル酸エステルエステルとして日本油脂株
式会社製ジイソプロピルフマレート(略称:DiP
F)、昭和電工株式会社製ジアリル系オリゴマー[商品
名BA901]および[商品名AA101]、並びに、ク
ラレ株式会社製ビニル芳香族系ブロック共重合体[商品
名セプトン2002]、[商品名ハイブラー5127]お
よび[商品名ハイブラー7125]を使用した。硬化温度
は、実施例2〜4は実施例1と同様の条件とし、実施例
5〜8は60℃から120℃まで2時間かけて昇温しさ
らに120℃で2時間加熱した。実施例9〜11は60
℃から120℃まで4時間かけて昇温した。
【0056】結果を表1〜3に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】表1〜3より、本発明のプリント配線基板
用接着剤硬化物は高周波領域において低誘電率を有し、
優れた電気特性を有することがわかる。さらに、曲げ強
度、特に弾性率の大きさから実施例1の接着剤組成が、
特に好ましいことがわかる。
【0061】 <実施例12および比較例1〜8>実施
例1のプリント配線基板用接着剤組成物(実施例12)
あるいは市販のプリント配線基板用接着剤(比較例1〜
8)を用い、両面銅張り積層板を作製した。なお、市販
接着剤としては、以下のものを使用した。 東芝シリコーン(株)製シリコン系接着剤[商品名TS
R108]、[商品名TSR117]、[商品名TSR14
4]、[商品名TSR145]および[商品名TSE336
0] 信越化学工業(株)製シリコン系接着剤[商品名KR2
42A]および[商品名KR105] アーロン社製テフロン基板用シート状接着剤[CUCL
AD6250]
【0062】 (両面銅張り積層板の作製)プリント配
線基板用接着剤組成物を、ポリフマル酸エステル溶液を
含浸し溶媒を乾燥させたガラスクロス(旭シュエーベル
社製Dガラス、厚さ60±2μm)上にバーコーターを
用いて塗布し、さらに同様のガラスクロスを重ねてゴム
ローラーで気泡を取り除いた。同様の方法を繰り返し、
含浸ガラスクロスを12枚積層した。積層板をガラス板
に挟み、所定時間をかけて熱硬化させた。銅箔を上下に
被せて熱プレスおよびコールドプレスを行い、プリント
配線基板を得た。
【0063】なお、物性は次の方法により測定した。
【0064】 (不揮発分)プリント配線基板用接着剤
組成物を105℃、3時間加熱した後の重量を測定し、
不揮発分を求めた。
【0065】 (比重)プリント配線基板用接着剤組成
物をJIS K−6350に準拠して測定した。
【0066】 (ピール強度)両面銅張り積層板(銅
箔:35μmあるいは18μm)を用い、JIS C−
6481に準拠して測定した。ただし、比較例5〜7は
接着剤が均一に塗布できなかったため測定していない。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】表4および表5より、実施例12に比較し
て比較例はいずれも銅箔に対する密着性が弱いことがわ
かる。
【0070】
【発明の効果】本発明のフマル酸エステルを含有するプ
リント配線基板用接着剤組成物を用いれば、十分な機械
強度を有しつつ、耐熱性、加工性、接着性に優れ、特に
は高周波領域において低誘電特性を示すプリント配線基
板が形成できる。さらに、ジアリル系オリゴマー、ひい
ては、ビニル芳香族系化合物、ビニル芳香族系ブロック
共重合体および硬化剤も一定重量比率で含有させること
により、より優れた諸特性の発現が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天谷 直之 愛知県知多郡武豊町字西門8番地 Fターム(参考) 4J040 DM001 DM002 DM011 DM012 FA041 FA042 FA061 FA062 FA181 FA182 FA231 FA232 HB41 HC18 JB02 KA16 LA06 LA08 LA09 MA02 NA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フマル酸エステルを含むプリント配線基板
    用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】(A)フマル酸エステル、(B)ジアリル
    系オリゴマーを含むプリント配線基板用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】(A)フマル酸エステル20〜60重量
    部、(B)ジアリル系オリゴマー5〜40重量部、
    (C)ビニル芳香族系化合物10〜40重量部、(D)
    ビニル芳香族系ブロック共重合体5〜30重量部および
    (E)硬化剤0.1〜5重量部を含むプリント配線基板
    用接着剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010111847A (ja) * 2008-10-09 2010-05-20 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物及び接続体
JP2012131966A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Sekisui Chem Co Ltd 新規含フッ素重合体及びその製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバー

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010111847A (ja) * 2008-10-09 2010-05-20 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物及び接続体
JP2012131966A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Sekisui Chem Co Ltd 新規含フッ素重合体及びその製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバー

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