JP2012131966A - 新規含フッ素重合体及びその製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバー - Google Patents

新規含フッ素重合体及びその製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバー Download PDF

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Abstract

【課題】BHFIPF化合物類の透明性を損なわず、BHFIPF化合物類をモノマー成分として共重合された新規含フッ素重合体を提供することを目的とする。
【解決手段】式(1a)で表される含フッ素重合体。
Figure 2012131966

(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。R3は、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。mは0〜5を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、新規含フッ素重合体に関し、より詳細には、光ファイバーなどの光学製品に最適に利用できる新規含フッ素重合体及びその製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバーに関する。
一般に、近赤外〜赤外域(600〜1550nm)で光吸収を起こす炭素−水素結合が少ないハロゲン含有重合体は、理論的には透明性に優れるはずである。
例えば、以下の式(2)で表されるビス(ヘキサフルオロイソプロピル)フマレート(BHFIPF)は、12個のフッ素原子を含有し、その単独重合体は理論的にかなり透明性に優れるはずである。
Figure 2012131966
しかし、BHFIPFは単独重合しないことが知られている(非特許文献1)。
Cochin D, Laschewsky A, Pantoustier N, Polymer, 2000, 41, 3895
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、BHFIPFの透明性を損なわず、BHFIPFをモノマー成分として共重合された新規含フッ素重合体と、その製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバーとを提供することを目的とする。
本発明の含フッ素重合体は、式(1a)で表されることを特徴とする。
Figure 2012131966
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。R3は、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。mは0〜5を表す。以下、これらの置換基の定義は同義である。)
式(1a)の含フッ素重合体は、式(1)である重合体であることが好ましい。
Figure 2012131966
また、本発明の含フッ素重合体(式(1a)であらわされる)の製造方法は、式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物とを重合させることを特徴とする。
Figure 2012131966
この含フッ素重合体の製造方法では、BHFIPFとスチレンとを重合させることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、式(1a)又は式(1)で表されるフッ素重合体を含有することを特徴とする。
さらに、本発明の光ファイバーは、上述した樹脂組成物を用いて成形されてなることを特徴とする。
本発明によれば、新規な含フッ素重合体であり、優れた透明性を有する。従って、この新規含フッ素重合体を含む樹脂組成物を用いることにより、優れた特性を有する光ファイバーを提供することが可能となる。
本発明の含フッ素重合体(実線)及び比較例としてのスチレン単独重合体(点線)の透過率を示すグラフである。
本発明の重合体は、以下の構造式を有する新規重合体である。
Figure 2012131966
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。R3は、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。mは0〜5を表す。)
ここで、水素原子とは、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
ハロゲン化アルキル基及びアルキル基は、炭素数が1〜20程度が挙げられ、1〜10程度が好ましく、1〜6程度がより好ましい。
ハロゲン化アルキル基としては、パーフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パークロルメチル、パークロルエチル、パーブロモプロピル、パーヨードブチル等が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖及び分岐のいずれでもよい。
なかでも、以下の式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012131966
式(1a)で表される含フッ素重合体は、以下のように、式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物とを重合させることにより製造することができる。
Figure 2012131966
この場合の重合方法は、当該分野で公知の方法、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合等の方法が挙げられる。なかでも、異物、不純物の混入を防ぐという観点から、塊状重合法が好ましい。
具体的には、例えば、式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物とを45:55〜55:45(好ましくは、略等モル比)で混合/投入し、−10〜150℃程度の温度範囲で、10〜60時間程度の反応時間で重合させることが適している。これら式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物とは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、式(1)で表される含フッ素重合体は、通常、BHFIPFとスチレンとを重合させることにより製造することができる。
このような式(1a)で表されるフッ素重合体及び式(1)で表される含フッ素重合体は、上述した原料化合物、式(1)の場合には、BHFIPFとスチレンと以外に、他のモノマー成分を用いないことが好ましいが、得られる重合体の特性を損なわない範囲で、さらに重合性モノマー等を含有していてもよい。この場合の他の重合性モノマーの含有量は、例えば、重合体を構成する全モノマーに対して、10モル%程度以下とすることが適している。
重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系化合物として、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、フルオロアクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル等;スチレン系化合物として、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等;ビニルエステル類として、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等;マレイミド類として、マレイミド、N−メチルマレイミド、N―n−ブチルマレイミド、N―tert−ブチルマレイミド、N―イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等;その他、フマル酸ジシクロヘキシル、アクリロニトリル、9−ビニルカルバゾール、メタクリル酸無水物等;及びこれらモノマーのC−H結合の水素原子が重水素原子又はフッ素原子で置換されたもの等が例示される。
なお、重合体を製造する際、重合開始剤及び/又は連鎖移動剤等の添加剤を使用することが好ましい。
重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が挙げられる。例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル4,4,ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレートなどのパーオキサイド系化合物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'―アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3'−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−t−ブチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤を用いる場合には、重合で用いる全モノマー成分100重量部に対して0.01〜2重量部程度が挙げられる。
連鎖移動剤としては、特に限定されることなく、公知のものを用いることができる。例えば、アルキルメルカプタン類(n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)等が挙げられる。なかでも、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが好適に用いられる。
また、C−H結合の水素原子が重水素原子又はフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いてもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤は、通常、成形上及び物性上、重合体を適当な分子量に調整するために用いられる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人、昭和47年刊)等を参考にして、実験によって求めることができる。よって、連鎖移動定数を考慮して、さらに含有させる重合性モノマー等の種類等に応じて、適宜、その種類及び添加量を調整することが好ましい。例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.01〜4重量部程度が挙げられる。
式(1a)で表されるフッ素重合体及び式(1)で表される含フッ素重合体では、nは、例えば、500〜2000程度であり、nの値は、重合する際の開始剤量、連鎖移動剤量を調整することによって、適宜調整することができる。
式(1a)で表されるフッ素重合体及び式(1)で表される含フッ素重合体のn又は分子量は、その使用目的によって適宜調整することができるが、例えば、光学用途に使用する場合には、重量平均分子量は、例えば、25万〜100万程度が挙げられ、35万〜70万程度が好ましい。なお、重量平均分子量は、実施例に示したように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の値を指す。
なお、本発明の式(1a)で表されるフッ素重合体及び式(1)で表される含フッ素重合体は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(1)で表される含フッ素重合体は、種々の用途、特に光学用途に使用するために、樹脂組成物とすることができる。樹脂組成物には、透明性、耐熱性等の性能を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、屈折率調節剤、熱安定化助剤、加工助剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤の1以上を組み合わせることができる。また、樹脂組成物の透明性、耐熱性等の性能を損なわない範囲で、上述した他のモノマー又は他の重合体を樹脂組成物に含有させてもよい。
屈折率調節剤としては、ジフェニルスルホン及びジフェニルスルホン誘導体(例えば、4,4'−ジクロロジフェニルスルホン、3,3',4,4'−テトラクロロジフェニルスルホン等の塩化ジフェニルスルホン)、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホキシド、ジベンゾチオフェン、ジチアン誘導体等の硫黄化合物;トリフェニルホスフェート、リン酸トリクレジル等のリン酸化合物;安息香酸ベンジル;フタル酸ベンジルn−ブチル;フタル酸ジフェニル;ビフェニル;ジフェニルメタン;トリス−2−エチルヘキシルホスフェート等が挙げられる。
屈折率調節剤は、樹脂組成物の用途等によって、意図する屈折率、用いる屈折率調節剤の種類等によって適宜調整することができ、例えば、重合体100重量部に対して0.1〜25重量部程度とすることができ、これによって、樹脂組成物の屈折率を好適な値に調節することができる。
熱安定化助剤及び加工助剤としては、特に限定されず、公知の剤のいずれをも使用することができる。
耐熱向上剤としては、例えば、α−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、上述した式(1)で表される含フッ素重合体に対して混合してもよいし、含フッ素重合体を構成するモノマーと混合して使用してもよい。混合する方法としては、例えば、ホットブレンド法、コールドブレンド法、溶液混合法等が挙げられる。
一般に、共重合体では、重合の初期と後期とで、重合体に含まれるモノマーの成分比が変化する。そのため、各モノマー成分の屈折率が等しくない場合には、得られた重合体は、屈折率の異なる高分子鎖の混合物となり、光を散乱し、透明性に劣るものとなる。
一方、本発明の含フッ素重合体では、BHFIPFとスチレンとの交互共重合体であるため、含まれる高分子鎖は全て同一の組成となり、光を散乱することなく、ハロゲン含有により炭素−水素結合が極めて少なく透明性に優れたものとなる。
本発明の光ファイバーは、上述した、式(1)で表される重合体を含有した樹脂組成物によって形成される。光ファイバーは、通常、コア部及びクラッド部とによって構成されており、上述した樹脂組成物は、そのままあるいは他のモノマー又は他の樹脂を含有させるか、上述した添加剤を任意の量で添加することにより、コア部又はクラッド部又はそれらの双方を構成することができる。
光ファイバーは、通常、マルチモード光ファイバーと、シングルモード光ファイバーとに分類され、さらにマルチモード光ファイバーは、ステップインデックス(SI)型と屈折率分布を有するグレーデッドインデックス(GI)型とに分類されるが、本発明の光ファイバーは、これらのうちのいずれでもよい。
本発明の光ファイバーを製造する方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、1層又は2層以上のコア部の外周に1層又は2層以上のクラッド部を形成するために、界面ゲル重合法、回転重合、溶融押出ドーパント拡散法、複合溶融紡糸及びロッドインチューブ法等を利用することができる。また、予めプリフォームを形成し、延伸、線引き等を行ってもよいが、上述した方法によって、直接ファイバーを形成してもよい。
具体的には、中空状のクラッド部を作製し、このクラッド部の中空部にコア部を作製する方法が挙げられる。
この場合、コア部を構成するモノマーをクラッド部の中空部に導入し、クラッド部を回転させながら重合体を重合して、クラッド部より高い屈折率を有するコア部を形成する。この操作を1回のみ行って、1層のコア部を形成してもよいし、この操作を繰り返すことにより、複数層からなるコア部を形成してもよい。
用いる重合容器は、ガラス、プラスチック又は金属性の円筒管形状の容器(チューブ)で、回転による遠心力などの外力に耐え得る機械的強度及び加熱重合時の耐熱性を有するものが利用できる。
重合時の重合容器の回転速度は、500〜3000rpm程度が例示される。
通常、モノマーをフィルターにより濾過して、モノマー中に含まれる塵埃を除去してから、重合容器内に導入することが好ましい。
さらに、2台以上の溶融押出機と2層以上の多層ダイ及び多層用紡糸ノズルを用いて、コア部及びクラッド部を形成する方法であってもよい。
上述した方法等によって光ファイバーのプリフォームを形成した場合、このプリフォームを溶融延伸することにより、プラスチック光ファイバーを作製することができる。延伸は、例えば、プリフォームを、加熱炉等の内部を通過させることによって加熱し、溶融させた後、延伸紡糸する方法が例示される。加熱温度は、プリフォームの材質等に応じて適宜決定することがでる。延伸条件(延伸温度等)は、得られたプリフォームの径、所望の光ファイバーの径及び用いた材料等を考慮して、適宜調整することができる。
本発明の光ファイバーは、そのままの形態で適用することができる。また、上述したように、その外周を1つ又は複数の樹脂層、繊維層、金属線等の被覆材で被覆することにより及び/又は複数のファイバーを束ねることにより、光ファイバーケーブル等の種々の用途に適用することができる。
本発明の樹脂組成物を利用することができる光学用途としては、光導波路等の光導性素子類、スチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠鏡用、眼鏡用、プラスチックコンタクトレンズ用、太陽光集光用等のレンズ類、凹面鏡、ポリゴン等の鏡類、ペンタプリズム類等のプリズム類等の光学部材等が挙げられる。
したがって、このような樹脂組成物は、当該分野で公知の方法によって、シート状、レンズ状、マス状、ファイバー状等の種々の形状に成形することが好ましい。
以下、本発明の含フッ素重合体等の実施例を詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
実施例:含フッ素重合体の合成
テトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解したヘキサフルオロイソプロピルアルコール33gとトリエチルアミン25gとTHF100mlに溶解したフマリルクロライド30gとを氷水で冷却しながら混合した。混合液を室温から50℃まで5時間かけて徐々に昇温しながら撹拌した。その後、蒸留により溶媒を取り除いた。残った生成物を水で処理し、過剰のトリエチルアミンとトリエチルアミン塩酸塩を取り除いた。得られた物質を、エタノールから再結晶させ、固体状の77gのビス(ヘキサフルオロイソプロピル)フマレート(BHFIPF)を得た。融点は56℃であった。
THF溶液重合法により、等モル量のBHFIPF及びスチレン、つまり、上記で得られたBHFIPF(0.02モル)と、スチレン(0.02モル)と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(0.00015モル)とを混合し、60℃にて10時間、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、過剰量のヘキサンを用いてTHF溶液から沈殿させることにより、粉状の9.2gの式(1)で表される含フッ素重合体を得た。
得られた重合体が、BHFIPFとスチレンとの交互共重合体が生成していることを、BHFIPFとスチレンとの単量体反応性比によって、r1=0、r2=0.02、r1r2=0であることから確認した。単量体反応性比は、BHFIPFとスチレンの濃度比を種々変えて重合反応を行い、10%以下の重合率の重合物の組成をNMRにより測定し、その結果を用いてFineman-Ross法により求めた。
得られた重合体の特性を以下に記す。
重量平均分子量:271,000
屈折率:532nm、633nm及び839nmにおいて、それぞれ、1.4089、1.4048及び1,4008
ガラス転移温度:110℃
分解温度:399℃
これらの特性は、以下の方法で測定した。
重量平均分子量及び数平均分子量:(Waters社製、Milford MA)を使用して測定した。溶出溶媒として液体クロマト用THFを使用した。標準物質として市販の分子量既知のポリスチレンを使用した。
屈折率(nd):アッベの屈折計を使用して測定した。測定に使用した試料は、後述するキャストフィルムである。
ガラス転移温度:示差熱分析装置(Castle社製、DE)を使用して測定した。測定は昇温速度10℃/minで、窒素気流下で行った。
分解温度:示差熱/熱重量同時分析装置(TA Instrument社製、5100system)を使用して測定した。測定は昇温速度10℃/minで、窒素気流下で行った。
評価
実施例で得られた0.25gの重合体を20ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解し、常温で1日、さらに90℃で5h乾燥し、キャストフィルムを作製した。
その後、得られた重合体のテトラヒドロフラン溶液から、キャストフィルム(厚さ100μm)を作製した。
また、キャストフィルムの比較例として、以下の重合体を重合した。
スチレン(0.04モル)と、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(0.00015モル)を用い、上記と同様の条件により、塊状重合法により単独重合を、60℃で行った。
得られた重合体を、上記と同様に溶解、乾燥し、キャストフィルム(厚さ100μm)を作製した。
作製した2種のキャストフィルムについて、透過率測定を行った。
透過率は、可視紫外分光光度計(Perkin Elmer社製、Lambda800)を使用して波長300〜900nmの範囲で測定した。
その結果を図1に示す。なお、図1においては、式(1)で表される含フッ素重合体の透過率を実線で、スチレン単独重合体の透過率を点線で示す。
本発明の含フッ素重合体は、透明性に優れた重合体であり、種々の用途、例えば、高速通信を意図する光ファイバーのコア材の構成要素として有用である。さらに、形状を変化させることにより、光導波路等の光導性素子類、スチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠鏡用、眼鏡用、プラスチックコンタクトレンズ用、太陽光集光用等のレンズ類、凹面鏡、ポリゴン等の鏡類、ペンタプリズム類等のプリズム類等の光学部材として応用することが可能である。

Claims (6)

  1. 式(1a)で表される含フッ素重合体。
    Figure 2012131966
    (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。R3は、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。mは0〜5を表す。)
  2. 式(1a)の含フッ素重合体が、式(1)である重合体である請求項1に記載の含フッ素重合体。
    Figure 2012131966
  3. 式(a)で表される化合物と式(b)で表される化合物とを重合させることを特徴とする式(1a)で表される含フッ素重合体の製造方法。
    Figure 2012131966
    (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。R3は、重水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はアルキル基を表す。mは0〜5を表す。)
  4. BHFIPFとスチレンとを重合させることを請求項2に記載の含フッ素重合体の製造方法。
  5. 式(1a)又は式(1)で表されるフッ素重合体を含有することを特徴とする含フッ素重合体を含む樹脂組成物。
  6. 請求項5の樹脂組成物を用いて成形された光ファイバー。
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