JP2012140559A - 樹脂組成物、成形体及び光ファイバー - Google Patents
樹脂組成物、成形体及び光ファイバー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012140559A JP2012140559A JP2011000911A JP2011000911A JP2012140559A JP 2012140559 A JP2012140559 A JP 2012140559A JP 2011000911 A JP2011000911 A JP 2011000911A JP 2011000911 A JP2011000911 A JP 2011000911A JP 2012140559 A JP2012140559 A JP 2012140559A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- optical fiber
- weight
- phosphoric acid
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】塩素含有重合体と、リン酸系化合物とを含有する樹脂組成物、この樹脂組成物から溶融押出法によって成形されてなる成形体及びコア部及び該コア部の外周に配置されたクラッド部からなる光ファイバーであって、前記コア部及びクラッド部の少なくとも一方が塩素含有重合体を含有し、かつ他方が、リン酸系化合物を含有して成形されてなる光ファイバー。前記塩素含有重合体が、該重合体を構成する全モノマーに対して、トリクロロエチルメタクリル酸70重量%以上を含むモノマーの重合体であるか、前記リン酸系化合物がトリフェニルホスフェートであるか、前記リン酸系化合物が、全樹脂組成物に対して0.1〜20重量%で含有されるものが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、透明性に優れた塩素含有重合体を含有し、より高性能なプラスチック光ファイバーを製造することができる樹脂組成物、成形体及び光ファイバーを提供することを目的とする。
(1)塩素含有重合体と、リン酸系化合物とを含有する樹脂組成物。
(2)塩素含有重合体と、リン酸系化合物とを含有する樹脂組成物からなり、溶融押出法によって成形されてなる成形体。
(3)コア部及び該コア部の外周に配置されたクラッド部からなる光ファイバーであって、前記コア部及びクラッド部の少なくとも一方が、塩素含有重合体を含有し、かつ前記コア部及びクラッド部の少なくとも一方が、リン酸系化合物を含有して成形されてなる光ファイバー。
前記塩素含有重合体が、該重合体を構成する全モノマーに対して、トリクロロエチルメタクリル酸70重量%以上を含むモノマーの重合体であることが好ましい。
前記リン酸系化合物がトリフェニルホスフェートであることが好ましい。
前記リン酸系化合物が、全樹脂組成物に対して1〜20重量%で含有されることが好ましい。
さらに、溶融押出法によって使用又は成形されるものであることが好ましい。
塩素含有重合体は、樹脂組成物において、主たる構成成分として含まれる。ここで、「主たる構成成分」とは、樹脂組成物を構成する全成分において最も多重量の成分を指し、主たる構成成分の他に、他の重合体(モノマー/オリゴマーを含む)、後述するリン酸系化合物、添加剤等を含んでいてもよいことを意味する。
アクリル系重合体としては、アクリル酸及びメタクリル酸並びにそれらの誘導体(以下、「アクリル酸等」と記す場合がある)に、1以上の塩素原子が置換された化合物に由来する構造単位を含有する重合体が挙げられる。
スチレン系重合体としては、スチレン及びそれらの誘導体(以下、「スチレン等」と記載する場合がある)に、1以上の塩素原子が置換された化合物に由来する構造単位を有する重合体が挙げられる。
塩素原子は、アクリル酸等及びスチレン等を構成する水素原子と置き換わったものでもよいが、例えば、クロロアルキル(例えば、炭素数1〜6程度)、クロロアルコキシ等のように、塩素原子を有する置換基が、アクリル酸等及びスチレン等を構成する1以上の水素原子と置き換わったものでもよい。なかでも、アクリル酸等及びスチレン等に、塩素原子、炭素数1〜3のクロロアルキル等が置換されたものが好ましい。具体的には、メチルα-クロロアクリレート、トリクロロエチル(メタ)アクリル酸、ジクロロエチル(メタ)アクリル酸、トリクロロメチル(メタ)アクリル酸、ジクロロメチル(メタ)アクリル酸、トリクロロエチルスチレン、ジクロロエチルスチレン、トリクロロスチレン、ジクロロスチレン等が挙げられる。
なかでも、トリクロロエチルメタクリレート(以下、「TCEMA」と記す場合がある)を用いた重合体が好ましく、さらにTCEMAを70重量%程度以上で用いた重合体が好ましい。
重合性モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系化合物として、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、フルオロアクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル等;スチレン系化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、ブロモスチレン等;ビニルエステル類として、ビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルフェニルアセテート、ビニルクロロアセテート等;マレイミド類として、マレイミド、N−メチルマレイミド、N―n−ブチルマレイミド、N―tert−ブチルマレイミド、N―イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等;その他、フマル酸ジシクロヘキシル、アクリロニトリル、9−ビニルカルバゾール、メタクリル酸無水物等;及びこれらモノマーの重水素置換物等が例示される。
この際の重合温度は、特に限定されず、例えば、80〜150℃程度が適している。反応時間は、モノマーの量、種類、後述する重合開始剤、連鎖移動剤等の量、反応温度等に応じて適宜調整することができ、20〜60時間程度が適している。
重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤が挙げられる。例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル4,4,ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレートなどのパーオキサイド系化合物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'―アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3'−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3'−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジ−t−ブチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤は、全モノマーに対して0.01〜2重量%程度で用いることが適している。
具体的には、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリス−2−エチルヘキシルホスフェート(TOP)、トリエチルホスフェート(TEP)、リン酸トリクレジル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
リン酸系化合物は、全樹脂組成物に対して、0.1〜20重量%程度で含有されることが好ましく、さらに1〜20重量%程度、2〜15重量%程度で含有されることがより好ましい。
また、樹脂組成物における塩素含有重合体のガラス転移温度の低下を防止できるとともに、樹脂組成物自体の耐熱性を確保することができる。
さらに、高い透明性を得ることができ、特に、光ファイバーとして、またそのコア部材として好適に用いることができる。
特に、リン酸系化合物を用いることにより、樹脂組成物において屈折率分布を調整することができ、このような特性を求める用途に有利である。
また、樹脂組成物を用いて押出成形する場合に、その流動性を向上させることができる。
ここでの溶融押出法は、当該分野で公知の方法のいずれであってもよい。その諸条件も、成形体の種類、特性、用途等によって適宜調整することができる。
成形体としては、特に限定されないが、高い透明性が求められる物品に有効であり、例えば、高速通信を意図する光ファイバー、光ファイバーケーブルの構成要素、光導波路等の光導性素子類、スチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠鏡用、眼鏡用、プラスチックコンタクトレンズ用及び太陽光集光用等のレンズ類、凹面鏡、ポリゴン等の鏡類、ペンタプリズム類等のプリズム類等の光学部材とすることができる。
さらにマルチモード光ファイバーは、ステップインデックス(SI)型と屈折率分布を有するグレーデッドインデックス(GI)型とに分類されるが、本発明の光ファイバーは、GI型であることが好ましい。
ここで、屈折率分布とは、ファイバーの中心から半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で又は一定幅で段階的に変化することを意味する。なかでも、中心から半径方向に向かって屈折率が低下しているものが好ましい。このような屈折率分布をもたせることにより、通信速度を向上させることができる。
TCEMA70重量%以上を含むモノマー由来の重合体は、TCEMAのみ用いられた重合体であってもよいし、全モノマーにおいてTCEMAが95重量%以下で用いられた重合体であってもよい。特に、コア部におけるTCEMAは、全モノマーにおいて80〜95重量%、80〜100重量%、さらに100重量%で含有されることが好ましい。
TCEMAを70重量%以上の割合で用いた重合体を、主たる構成成分としてコア部を形成する場合には、透明性に優れ、通信距離を伸ばすことができる。
MAをこの範囲とする場合には、コア部の屈折率を適度に調節することができ、透明性、可撓性を維持しながら通信速度を向上させることができる。
cHA、TCEA及びcHMAをこの範囲とする場合には、透明性、可撓性に優れた光ファイバーとして使用することができる。
iBoAをこの範囲とする場合には、コア部のガラス転移温度を上げることができ、透明性、可撓性を維持しながら耐熱性に優れた光ファイバーとして使用することができる。
コア部は、重合体成分としては、実質的にTCEMAが70重量%以上用いられた重合体のみで形成されることが好ましい。
クラッド部は、MMAを、全モノマーにおいて20重量%以上用いた重合体によって形成することが適している。クラッド部は、MMAのみ用いられた重合体によって形成されていてもよいし、全モノマーにおいてMMAが95重量%以下で用いられた重合体によって形成されていてもよい。特に、クラッド部におけるMMAは、全モノマーにおいて30〜95重量%、30〜100重量%で含有されることが好ましい。
MMAを20重量%以上の割合で用いた重合体を、主たる構成成分としてクラッド部を形成する場合には、可撓性に優れ、コア部よりも屈折率を適度に低減させることができ、曲げ損失を抑え、かつ通信速度を向上させることができる。
MA、cHA、TCEA及びcHMAをこの範囲とする場合には、クラッド部の屈折率を適度に調節することができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性に優れた光ファイバーとして使用することができる。
iBoAをこの範囲とする場合には、クラッド部の屈折率を適度に調節することができると同時に、クラッド部のガラス転移温度を上げることができ、透明性、可撓性を維持しながら高速通信性、耐熱性に優れた光ファイバーとして使用することができる。
クラッド部は、重合体成分としては、MMAと、任意成分としてTCEMA、MA、N−cHMI、cHA、TCEA、iBoA及びcHMAから選択される少なくとも1種のモノマーによって形成された重合体のみで形成されることが好ましい。
なお、コア部及びクラッド部を構成する構成成分は、同一組成、つまり、構成モノマー種及びその割合が同一であってもよいが、異なる組成であることが好ましい。
このようなリン酸化合物を又はリン酸化合物とドーパントとを含有させることにより、光ファイバーにおけるコア部及び/又はクラッド部の屈折率を変化させ、屈折率分布をもたせることができる。なかでも、中心から半径方向に向かって屈折率が低下しているものが好ましい。このような屈折率分布をもたせることにより、通信速度を向上させることができる。特に、屈折率分布をもたせるために、コア部においてドーパントの濃度分布を調整することが有効である。なお、クラッド部には、ドーパントが含有されていてもよい。
また、光ファイバーの透明性、耐熱性、可撓性を維持しながら、曲げ損失を抑え、かつ通信速度を向上させることができる。
高い屈折率をもつ化合物をリン酸系化合物及び/又はドーパントとする場合は、中心から半径方向に向かってドーパント濃度が低下するように濃度分布を調整することにより、中心から半径方向に向かって屈折率が低下する屈折率分布をもたせることができる。
低い屈折率をもつ化合物をリン酸系化合物及び/又はドーパントとする場合は、中心から半径方向に向かってドーパント濃度が上昇するように濃度分布を調整することにより、中心から半径方向に向かって屈折率が低下する屈折率分布をもたせることができる。
また、リン酸系化合物及び/又はドーパントを配合する際に、二種類以上の屈折率の異なる化合物を配合してもよい。この二種類以上の化合物の中に、コア部及び/又はクラッド部の主たる構成成分である重合体の屈折率と比較して、高屈折率の化合物及び低屈折率の化合物が含まれることが好ましい。このような高屈折率の化合物及び低屈折率の化合物を併用することにより、高屈折率の化合物のみ又は低屈折率の化合物のみを配合した場合と比較して、これと同じ屈折率差を得るために配合させるリン酸系化合物及び/又はドーパントの添加量を相対的に少なくすることができる。このため、ガラス転移点が相対的に高くなり、これによって得られる光ファイバーの耐熱性を向上させることができる。
ドーパントの候補としては、低分子化合物又はこれら化合物中に存在する水素原子を重水素原子に置換した化合物等が挙げられる。高い屈折率をもつ低分子化合物としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリス−2−エチルヘキシルホスフェート(TOP)、リン酸トリクレジル等のリン酸化合物;ジフェニルスルホン(DPSO)及びジフェニルスルホン誘導体(例えば、4,4'−ジクロロジフェニルスルホン、3,3',4,4'−テトラクロロジフェニルスルホン等の塩化ジフェニルスルホン)、ジフェニルスルフィド(DPS)、ジフェニルスルホキシド、ジベンゾチオフェン、ジチアン誘導体等の硫黄化合物;安息香酸ベンジル;フタル酸ベンジルn−ブチル;フタル酸ジフェニル;ビフェニル;ジフェニルメタン等が挙げられる。低い屈折率をもつ低分子化合物としては、TOP等が挙げられる。なかでも、リン酸化合物が好ましい。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、DPS、TPP、TOPがより好ましい。DPSは光ファイバー製造時の熱負荷によるTCEMAを主成分とするモノマーの重合体の熱分解を抑制する効果があり、TPP、TOPは熱負荷により脱離した塩酸を捕捉することができる。
後述の溶融押出ドーパント拡散法で製造する場合、押出に用いるコア部材に高屈折率ドーパントを含有させる及び/又は押出に用いるクラッド部材に低屈折率ドーパントを含有させることにより、中心から半径方向に向かって屈折率が低下する屈折率分布をもたせることができる。
また、クラッド部材に含有させるドーパント量は、クラッド部を構成する重合体の組成、意図する屈折率、用いるコア部を構成する重合体の屈折率、用いるドーパントの種類等によって適宜調整することができ、例えば、クラッド部を構成する重合体100重量部に対して0〜25重量部程度、さらに0〜20重量部程度、0〜15重量部程度などが挙げられる。
特に、リン酸化合物を用いる場合には、全樹脂組成物に対して0.1〜20重量%程度、好ましくは0.1〜15重量%程度が挙げられる。なかでも、TOPを用いる場合には、0〜25重量%程度、好ましくは0〜20重量%程度、より好ましくは0〜15重量%程度などが挙げられる。
ドーパント量をこの範囲とすることにより、コア部の屈折率分布を好適に調整することができ、光ファイバーのTgの低下を防止することができるとともに、光ファイバーの透明性、耐熱性、可撓性を維持しながら曲げ損失を抑え、かつ通信速度を向上させることができる。さらに後述の溶融押出ドーパント拡散法で光ファイバーを製造する場合、コア部材及び/又はクラッド部材の押出時の流動性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。
これらの配合物とモノマー又は重合体とを混合する方法は、例えば、ホットブレンド法、コールドブレンド法、溶液混合法等が挙げられる。
光ファイバーの製造方法の一態様としては、例えば、1層または2層以上のコア部の外周に1層または2層以上のクラッド部を形成するために、界面ゲル重合法、回転重合、溶融押出ドーパント拡散法、複合溶融紡糸およびロッドインチューブ法等を利用することができる。
本発明の光ファイバーの製造方法では、プリフォームを形成し、延伸、線引き等を行ってもよいし、直接ファイバーを形成してもよい。
つまり、コア部及びクラッド部を構成する重合体等を、それぞれ加熱溶融させ、個々の流路から多層ダイ及び多層用紡糸ノズルへ注入する。このダイ及びノズルでコア部を押出成形すると同時に、その外周に1層又は2層以上の同心円状のクラッド部を押出し、溶着一体化させることでファイバー又はプリフォームを形成することができる。
プラスチックの被覆材は、機械強度特性に優れ、且つクラッド部と十分な密着性が得られるものであれば、どのようなもので形成してもよいが、光ファイバーケーブル等に必要な、強度、難燃性、柔軟性、耐薬品性、耐熱性等を満足するものを選択することが好ましい。特に、クラッド部の外周をポリカーボネートで被覆することにより、透明性、耐熱性を維持しながら可撓性に優れた光ファイバーとして使用することができる。
繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。
金属線としては、ステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。
なかでも、ポリカーボネートを主成分とするプラスチックで形成されていることが適しており、耐薬品性、流動性に優れる点で、ポリエステルと複合された変性ポリカーボネートが好ましい。
被覆材による被覆層の厚みは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下が適している。この範囲とすることにより、可撓性に優れ、且つ柔軟性等の光ファイバーに必要な物性を満足できる。
また、光ファイバーを用いたケーブルは、端部に接続用光プラグを用いてジャック部に確実に固定することが好ましい。プラグおよびジャックにより構成されるコネクタとしては、PN型、SMA型、SMI型、F05型、MU型、FC型、SC型などの市販の各種コネクタを利用することが可能である。
光ファイバーを用いたケーブルの端部に接続用プラグは用いず、メディアコンバーター等の接続機器側にOptoLock(商品名、Firecomms社製)等のプラグレスコネクタを取り付け、切り放したケーブルを差し込んで接続することも可能である。
以下、本発明の樹脂組成物、成形体、つまり光ファイバーの実施態様を詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
精製したTCEMAと、TPP、TOP又はTEPとを、重量比でTCEMA:TPP(又はTOP、TEP)=100:4又は8の割合で混合した。
さらに、全重量中の濃度がそれぞれ0.03重量%及び0.2重量%となるように、重合開始剤としてジt−ブチルパーオキサイド及び連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンを添加した。
その後、細孔径0.2μmのメンブレンフィルタにより濾過を行った。
この混合液を、超音波を与えながら減圧脱気し、ガラス製重合容器に入れ、重合容器の温度を120℃に維持しながら、40時間かけてモノマーを重合した。
得られたロッドから2.5gの加熱試験用試験片を切り出した。
試験片をガラス製容器に入れ、容器内を窒素置換した後密閉し、容器を220℃に設定した空気循環式オーブン内で2時間加熱した。容器を空冷して加熱後のポリマーを取り出し、30mlのテトラヒドロフランに一旦溶解させ、300mlのメタノールへ投入して再沈殿を行った。
その後、沈殿物をろ過して取り除き、溶液のpHを測定した。
測定には通常用いられるpHメータを使用した。
これらの結果を表1に示す。
押出成形用樹脂ロッドの作成
精製したTCEMAとTPPとを重量比でTCEMA:TPP=100:4の割合で混合した。さらに、全重量中の濃度がそれぞれ0.03重量%及び0.2重量%となるように、重合開始剤としてジt−ブチルパーオキサイド及び連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタンを添加した。その後、細孔径0.2μmのメンブレンフィルタにより濾過を行った。
この混合液を、超音波を与えながら減圧脱気した。
その後、ガラス製重合容器に入れ、重合容器の温度を120℃に維持しながら、40時間かけてモノマーを重合した。
得られた重合体から、コア部材ロッド(外径30mm)を得た。
クラッド部材ロッド(外径30mm)を得た。
溶融押出ドーパント拡散法を利用して、光ファイバーを作成した。
得られたコア部材ロッドとクラッド部材ロッドを、別々の押出成形機とそれらに連結された2層金型とを用いて、コア部、クラッド部の積層複層状を形成し、さらに加熱流路(220℃)に一定時間通して、コア部に含有されるドーパントをクラッド部に拡散させた。金型出口より吐出される溶融樹脂を引き取り、コア部径、クラッド部径が、それぞれ、200μm、280μmであるGI型プラスチック光ファイバーを得た。
この溶融押出時において、2層金型内のコア樹脂・クラッド樹脂それぞれの流路の黒化状態を目視により観察した。
作成したファイバーについて、損失測定を行った。カットバック法を用いて665nmでの伝送損失を測定した。
これらの結果を表2に示す。
同様に作成したコア部材ロッドを用いて、溶融押出成形にて板材を作成した。具体的には、コア樹脂を溶融させ、板材成形用ダイに流し込み、厚さ3mmになるよう引取りを行った。このとき、ダイ温度は240℃にて成形を行った。得られた板材のイエローインデックスを、色差計(東京電色製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
押出成形用ロッドの作成
TCEMA及びMαCAの精製モノマーを、重量比でTCEMA:MαCA =80:20の割合で混合した。混合モノマーにTPPを重量比で(混合モノマー):TPP=100:4の割合で混合した。さらに、重合開始剤アゾイソブチロニトリル0.01モル%、連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン0.3モル%を加え、重合容器に入れ、重合容器の温度を50℃で5時間、次いで1時間に10℃の割合で昇温し、140℃で2時間保持してモノマーを重合した。
クラッド部材は、実施例7と同様に作成した。
作成したロッドを使用し、実施例7と同様に光ファイバー、板材を成形し、評価した。
また、溶融押出法によっても、塩素含有重合体への熱負荷による脱塩酸反応による塩酸の発生を低減させることができ、その結果、金型を腐食、つまり、流路の表面の黒変を有効に防止することができることが確認された。これにより、金型寿命の低下を低減させることが可能となる。
Claims (13)
- 塩素含有重合体と、リン酸系化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 前記塩素含有重合体が、該重合体を構成する全モノマーに対して、トリクロロエチルメタクリル酸70重量%以上を含むモノマーの重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記リン酸系化合物がトリフェニルホスフェートである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記リン酸系化合物が、全樹脂組成物に対して0.1〜20重量%で含有される請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
- 塩素含有重合体と、リン酸系化合物とを含有する樹脂組成物からなり、溶融押出法によって成形されてなる成形体。
- 前記塩素含有重合体が、該重合体を構成する全モノマーに対して、トリクロロエチルメタクリル酸70重量%以上を含むモノマーの重合体である請求項5に記載の成形体。
- 前記リン酸系化合物がトリフェニルホスフェートである請求項5又は6に記載の成形体。
- 前記リン酸系化合物が、全樹脂組成物に対して0.1〜20重量%で含有される請求項5〜7のいずれか1つに記載の成形体。
- コア部及び該コア部の外周に配置されたクラッド部からなる光ファイバーであって、
前記コア部及びクラッド部の少なくとも一方が、塩素含有重合体を含有し、かつ
前記コア部及びクラッド部の少なくとも一方が、リン酸系化合物を含有して成形されてなることを特徴とする光ファイバー。 - 前記光ファイバーが溶融押出法によって成形されてなる請求項9に記載の光ファイバー。
- 前記塩素含有重合体が、該重合体を構成する全モノマーに対して、トリクロロエチルメタクリル酸70重量%以上を含むモノマーの重合体である請求項9又は10に記載の光ファイバー。
- 前記リン酸系化合物がトリフェニルホスフェートである請求項9〜11のいずれか1つに2に記載の光ファイバー。
- 前記リン酸系化合物が、全樹脂組成物に対して0.1〜20重量%で含有される請求項9〜12のいずれか1つに記載の光ファイバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011000911A JP2012140559A (ja) | 2011-01-06 | 2011-01-06 | 樹脂組成物、成形体及び光ファイバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011000911A JP2012140559A (ja) | 2011-01-06 | 2011-01-06 | 樹脂組成物、成形体及び光ファイバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012140559A true JP2012140559A (ja) | 2012-07-26 |
Family
ID=46677169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011000911A Pending JP2012140559A (ja) | 2011-01-06 | 2011-01-06 | 樹脂組成物、成形体及び光ファイバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012140559A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020209375A1 (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-15 | 日東電工株式会社 | プラスチック光ファイバー及びその製造方法 |
JP2020173392A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 日東電工株式会社 | プラスチック光ファイバーの製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62147404A (ja) * | 1985-12-20 | 1987-07-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | プラスチツク光フアイバおよびその製法 |
JPH08110421A (ja) * | 1994-10-12 | 1996-04-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | プラスチック光ファイバ |
JPH08304634A (ja) * | 1995-05-12 | 1996-11-22 | Sumitomo Electric Ind Ltd | プラスチック光ファイバ母材の製造方法及びプラスチック光ファイバ |
JPH09243834A (ja) * | 1996-03-05 | 1997-09-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 屈折率分布型プラスチック光ファイバ |
JP2007171894A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-07-05 | Sekisui Chem Co Ltd | 光伝送体 |
WO2010095516A1 (ja) * | 2009-02-20 | 2010-08-26 | 積水化学工業株式会社 | Gi型光ファイバー及びその製造方法 |
JP5419815B2 (ja) * | 2009-07-10 | 2014-02-19 | 積水化学工業株式会社 | 光ファイバー及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-01-06 JP JP2011000911A patent/JP2012140559A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62147404A (ja) * | 1985-12-20 | 1987-07-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | プラスチツク光フアイバおよびその製法 |
JPH08110421A (ja) * | 1994-10-12 | 1996-04-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | プラスチック光ファイバ |
JPH08304634A (ja) * | 1995-05-12 | 1996-11-22 | Sumitomo Electric Ind Ltd | プラスチック光ファイバ母材の製造方法及びプラスチック光ファイバ |
JPH09243834A (ja) * | 1996-03-05 | 1997-09-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 屈折率分布型プラスチック光ファイバ |
JP2007171894A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-07-05 | Sekisui Chem Co Ltd | 光伝送体 |
WO2010095516A1 (ja) * | 2009-02-20 | 2010-08-26 | 積水化学工業株式会社 | Gi型光ファイバー及びその製造方法 |
JP5419815B2 (ja) * | 2009-07-10 | 2014-02-19 | 積水化学工業株式会社 | 光ファイバー及びその製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020209375A1 (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-15 | 日東電工株式会社 | プラスチック光ファイバー及びその製造方法 |
JP2020173392A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 日東電工株式会社 | プラスチック光ファイバーの製造方法 |
JP7281328B2 (ja) | 2019-04-12 | 2023-05-25 | 日東電工株式会社 | プラスチック光ファイバーの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5419815B2 (ja) | 光ファイバー及びその製造方法 | |
JPWO2006070824A1 (ja) | 重合体組成物、プラスチック光ファイバー、プラスチック光ファイバーケーブル及びプラスチック光ファイバーの製造方法 | |
WO2010095516A1 (ja) | Gi型光ファイバー及びその製造方法 | |
JP2012140559A (ja) | 樹脂組成物、成形体及び光ファイバー | |
JP5276603B2 (ja) | Gi型光ファイバー | |
JP2008291138A (ja) | メチルメタクリレート系共重合体の製造方法、及びプラスチック光ファイバの製造方法 | |
WO2020209375A1 (ja) | プラスチック光ファイバー及びその製造方法 | |
JP2013023688A (ja) | 含フッ素重合体及びその製造方法、樹脂組成物並びに光ファイバー | |
JP5559710B2 (ja) | 光ファイバー | |
TWI485169B (zh) | 折射率分布型塑膠光纖 | |
JP5638414B2 (ja) | 新規含フッ素重合体及びその製造方法、該重合体を含む樹脂組成物並びに光ファイバー | |
JP4541895B2 (ja) | 光学部材、その製造のための組成物 | |
JP2005145861A (ja) | ジフェニルスルフィド基を有する化合物、並びに、該化合物を利用した共重合体、光学部材、プラスチック光ファイバプリフォームの製造方法およびプラスチック光ファイバの製造方法 | |
JP2007108374A (ja) | 光伝送部材及びその製造方法 | |
JP2009227787A (ja) | メチルメタクリレート系共重合体の製造方法、及びプラスチック光ファイバの製造方法 | |
JPH0451206A (ja) | プラスチック光ファイバ | |
JPH01223104A (ja) | 光ファイバー鞘材用重合体 | |
JP5491850B2 (ja) | クロロスチレン系重合体の製造方法及びプラスチック光ファイバーの製造方法 | |
JP2005321686A (ja) | マルチステップインデックス型プラスチック光ファイバ | |
JP3930421B2 (ja) | プラスチック光ファイバおよびその製造方法 | |
JP2004212723A (ja) | マルチステップインデックス型プラスチック光ファイバ | |
JP2004151661A (ja) | 光学部材の製造方法および光学部材 | |
JP2004061857A (ja) | 光伝送体の製造方法及び光伝送体 | |
JP2006011161A (ja) | プラスチック光ファイバー用鞘材 | |
JP2004099652A (ja) | 光学部材用重合性組成物、光学部材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131009 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140311 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140401 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141028 |