JP2002053576A - 含硫環状化合物および光学材料 - Google Patents

含硫環状化合物および光学材料

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JP2002053576A
JP2002053576A JP2000240928A JP2000240928A JP2002053576A JP 2002053576 A JP2002053576 A JP 2002053576A JP 2000240928 A JP2000240928 A JP 2000240928A JP 2000240928 A JP2000240928 A JP 2000240928A JP 2002053576 A JP2002053576 A JP 2002053576A
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sulfur
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Takahiro Fujiyama
高広 藤山
Atsuo Otsuji
淳夫 大辻
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のドーパントでは問題のあった耐熱性を
改善し、屈折率分布の変化の少ない光学材料を提供す
る。 【解決手段】 特定の構造を有する含硫環状化合物をド
ーパントとして用いる。 【効果】 屈折率分布の耐熱安定性の改善により、伝送
特性の信頼性が向上し、従来の屈折率分布型ポリマー光
ファイバーでは使用できなかった自動車のエンジンルー
ム等の耐熱性が要求される分野においても長期的に使用
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含硫環状化合物お
よびこれを用いた光学材料に関する。特に、レンズ材料
や光情報通信に用いるポリマー光ファイバー材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学材料は以前はガラスであったが、近
年透明性ポリマー材料が普及し始めている。特に、光学
レンズ、非球面レンズ、光ディスク、光ファイバー等の
分野では著しく用いられている。光学用ポリマー材料
は、透明化、高屈折率化、低分散化、低複屈折率化など
と高機能化を追及し、進化してきた。その中でもポリマ
ー光ファイバー(POF)は、LAN(local area net
work)、ISDN(integrated service digital netwo
rk)等の次世代通信網構想において、重要性が増大して
いる。
【0003】POFはコア部ならびにクラッド部が共に
ポリマーから構成されており、石英光ファイバーに比べ
て加工や取り扱いが容易で、材料が低コストであること
から、伝送損失が実質的に問題にされない程度に短距離
の光伝送路として多用されている。
【0004】階段状に屈折率分布が変化するステップイ
ンデックス型(SI型)のPOFが50m程度の短距離
伝送用として既に実用化されているが、伝送容量が少な
いために光通信用途には適していない。それに対して、
半径方向に屈折率分布が変化するグレイテッドインデッ
クス型(GI型)のPOFはSI型に比べて伝送容量が
大きいので光通信用途に適しており、この屈折率分布が
滑らかになるほどファイバーの伝送容量が大きくなる。
【0005】GI型POFの作製方法としては二つのタ
イプがある。一つは、例えばWO93/08488号に開示され
ているようなドーパントタイプで、マトリックス用のポ
リマーに、当該ポリマーに対して反応性を有しない低分
子化合物を添加し、この低分子化合物の拡散により濃度
勾配を形成させることで屈折率分布を得る。他方は、例
えば、特開平5-173025号や特開平5-173026号に開示され
ている共重合タイプで、二種類のモノマーを共重合させ
る際に、両モノマーの反応性比の相違を利用して濃度勾
配を形成させることで屈折率分布を得る。
【0006】共重合タイプの場合には、共重合組成の違
いによるミクロな不均一構造の発生を避けがたく、これ
に起因する透明性の問題が生じやすい。そのため、現状
で可能な伝送距離は50m程度に留まり、家庭内LANな
どで要求される伝送距離を十分に満足させることができ
ない。一方、ドーパントタイプの場合には、ドーパント
の大きさが数Åオーダーであるので波長に対して極めて
透明性は高いが、耐熱性に問題がある。ある温度よりも
高温雰囲気下で使用すると、ドーパントの分布に変動し
やすくなり、そのため屈折率分布が変化し易く屈折率分
布の耐熱安定性に劣るという問題点を有する。
【0007】その原因は、ドーパントによる可塑効果に
よりコア材料のガラス転移点が低下するためである。従
来のPOFに用いられているPMMAのガラス転移点は
105℃前後であるが、ドーパントを添加するとガラス
転移点が室温付近まで低下してしまう。このため、例え
ば安息香酸ベンジル、フタル酸ベンジルn−ブチル、サ
リチル酸ベンジル、ブロモベンゼン、ベンジルフェニル
エーテル、フタル酸ジフェニル、ジフェニルメタン、ジ
フェニルエーテル、ジフェニル、ジフェニルスルフィ
ド、フェニルベンゾエート、リン酸トリフェニル、リン
酸トリクレシルなどの公知のドーパントを用いると耐熱
性を十分に満足させることが出来なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の状況を
背景になされたものであり、光学材料に有用な化合物を
提供することを目的としている。さらに詳しくは、レン
ズ材料のやポリマー光ファイバー材料に有用な高屈折率
ドーパントを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
問題点を解決するため鋭意検討し、特定構造を有する含
硫環状化合物を光学材料のドーパントとして用いること
により、コア材料のガラス転移点の低下を抑制すること
ができ、耐熱性が改善されることを見出し、本発明を完
成した。すなわち、本発明は、[1] 下記式(1)
[化3]で表される含硫環状化合物
【0010】
【化3】
【0011】[式中、R1とR2はそれぞれ独立に、下記
式(2)[化4]で表わされる化合物
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R3〜R10は、水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜4のアルキル基または−SCH3
を表す)。よりなるからなる群から選ばれる基を表
す。]であり、[2] 式(1)で表される含硫環状化
合物を含有することを特徴とする光学材料であり、
[3] 前記光学材料がポリマー光ファイバーであるこ
とを特徴とする[2]に記載の光学材料であり、[4]
式(1)で表される含硫環状化合物を高屈折率ドーパ
ントとして含有することを特徴とするポリマー光ファイ
バー材料であり、[5] 式(1)で表される含硫環状
化合物を高屈折率ドーパントとして含有することを特徴
とするポリマー光ファイバーである。
【0014】このように、本発明のポリマー光ファイバ
ー材料は、上記に記載の含硫環状化合物を高屈折率ドー
パントとして含有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
式(2)のR3〜R10は、水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、ハロゲン原子を表す。
【0016】炭素数1〜4のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の直鎖状のもの
と、イソプロピル基、t−ブチル基などの分岐状のもの
が挙げられる。
【0017】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子が挙げられる。または、−SCH3基を表す。
【0018】本発明の光学材料化合物は、1.60〜
1.78の屈折率を有する。これらの屈折率は、有機材
料の中でも高屈折率に相当する。しかも、アッべ数が高
いという特徴も有する。
【0019】このような化合物は、レンズや光学フィル
ターなどの材料として有用である。さらに、低屈折率な
材料と組み合わせて積層フィルムとすることにより、反
射防止膜として有用である。
【0020】なお、これらの含硫環状化合物を高屈折率
ドーパントとして含有する場合には、コア部に単独で含
まれていても良く、これらの中から複数選択してコア部
に含まれていても良く、または、他の公知のドーパント
とこれらの1つないし複数とがコア部に含まれていても
良い。
【0021】POFのコア部に含まれる高屈折率ドーパ
ントの含有量は、所望の屈折率分布が得られ、かつファ
イバーの機械的強度等を損なわなければ特に制限される
ものではない。好ましくは、高屈折率ドーパントは母材
が重合により製造される際に、コア部を構成する重合体
のモノマーに添加され、このモノマーと高屈折率ドーパ
ントとの混合物に対して重合反応を行うことにより製造
された母材のコア部に含まれる。POFのコア部におけ
る高屈折率ドーパントの含有量は、好ましくは60重量%
以下であり、より好ましくは50重量%以下であり、さら
に好ましくは45重量%以下である。
【0022】本発明に係る含硫化合物は、上記式(1)
で表される骨格を有することを特徴とするが、このよう
な含硫環状化合物としては、具体的には次に掲げる[化
5]〜[化7]に記載した化合物を挙げることができ
る。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】光ファイバの中心部と外周部とに高屈折率
差があることは、開口数を大きくさせ、伝送損失を低く
するだけでなく、結合損失及び曲げ損失を低くする。本
発明のプラスチック光ファイバにおける開口数は、0.
25以上、さらには0.30以上にも達する。
【0027】本発明の含硫環状化合物は以下の方法[化
8]で製造することができる。
【0028】
【化8】
【0029】上記合成経路に示された本発明で高屈折率
ドーパントとして用いられる含硫環状化合物の製造方法
をさらに詳しく説明する。即ち、本発明のPOFに含有
する含硫環状化合物は、ジブロモ体とメルカプト体とを
塩基の存在下にて反応させることにより得ることができ
る。
【0030】反応に用いられるジブロモ体はジアリルジ
スルフィドに臭素を反応させて環化二量化させてジブロ
モ体を合成する。反応に用いられるメルカプト体は、例
えばCan. J. Chem., 53, 1480 (1975)等に記載されてい
るようなジアゾニウム塩と硫化アニオンとの求核置換反
応により容易に得られる。メルカプト体の合計使用量は
ジブロモ体に対して2〜5倍モル、好ましくは2〜3倍
モルである。
【0031】本発明に用いられる塩基としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、N,N―ジメチルアニリン等の第3
級アミン、ナトリウムメチラートやナトリウムエチラー
ト、カリウムtert−ブチラート等の金属アルコラート等
が挙げられる。好ましくは、ナトリウムメチラートやナ
トリウムエチラート等の金属アルコラートである。
【0032】塩基の使用量はジハロゲン体に対して2〜
5倍モル、好ましくは2〜3倍モルである。
【0033】反応温度は、100〜200℃の範囲であ
り、好ましくは130〜180℃の範囲である。反応温
度が180℃を超えると副生成物が増加し、目的とする
含硫化合物の収率が低下する。また、反応温度が100
℃より低いと反応速度が遅くて実用的ではない。
【0034】反応溶媒は極性有機溶媒を用いることが好
ましい。極性有機溶媒としては、例えば、N−メチル−
2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等を挙げることができる。
【0035】なお、上記方法は本発明で高屈折率ドーパ
ントとして用いられる芳香族スルフィド化合物の製造方
法の一例であって、本発明で高屈折率ドーパントとして
用いられる芳香族スルフィド化合物は、この製造方法で
のみ得られる化合物に限定されるものではない。
【0036】本発明のPOF母材は、コア部と、コア部
の中心部より低い屈折率を有するクラッド部とから構成
されている。
【0037】本発明のPOFのコア部を構成する重合体
は、透明な重合体を形成しうるものであれば特に制限は
なく使用することが可能である。例えば、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸(n−、i
−)プロピル、メタクリル酸(n−、i−、s−、t
−)ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ボル
ニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸トリシ
クロデシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタク
リル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、メタクリル
酸2,2,3,3、3−ペンタフルオロプロピル、メタ
クリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチ
ル、メタクリル酸1−トリフルオロメチル−2,2,2
−トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,5H
−オクタフルオルペンチル等のメタクリル酸エステル類
の単独重合体あるいは共重合体もしくはこれらのブレン
ド重合体、置換基としてメチル基、エチル基、(n−、
i−)プロピル基、(n−、i−、s−、t−)ブチル
基、シクロヘキシル基等を有する脂肪族のN−置換マレ
イミド単量体類の単独重合体あるいは共重合体もしくは
これらのブレンド重合体、スチレン及びその誘導体の単
独重合体あるいは共重合体もしくはこれらのブレンド重
合体等が挙げられる。
【0038】本発明のPOFのクラッド部を構成する重
合体には、透明な重合体を形成しうるものであれば特に
制限はなく使用することが可能である。例えば、ポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(P
C)、メタクリル酸あるいはメタクリル酸メチルと他の
単量体との透明な共重合体が用いられる。他の単量体と
しては、単官能の(メタ)アクリレート類、フッ素化ア
ルキル(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリ
ル酸等のアクリル系単量体などが使用可能である。
【0039】POF母材を加熱溶融してPOFへと紡糸
する際の線引きの作業性の点から、母材のコア部とクラ
ッド部とを構成する重合体の重量平均分子量が、10,
000以上300,000以下であることが好ましく、
更には30,000以上250,000以下であること
が好ましく、特に50,000以上200,000以下
であることが好ましい。
【0040】本発明のポリマー光ファイバーは公知の方
法にて製造することができるが、一般的には以下に例示
する2通りの方法で製造される。一つはプリフォームか
らファイバーを熱延伸する方法で、他方はプリフォーム
を介さずに連続的にファイバーを成形する方法である。
【0041】プリフォーム法では、予め作製しておいた
重合体製中空管の中空内に、その中空管の重合体を溶解
しかつ非重合性低分子化合物を分散含有する重合性溶液
(単量体成分、重合開始剤、分子量調整剤を含む単量体
混合物)を充填させ、外部から加熱または光照射により
単量体を外部から重合させ、ロッド状のプリフォームを
得、その後に、所望の径になるように加熱延伸する方法
である。この際の重合体製中空管は、非重合性の低分子
化合物を含有しない以外は中空部内に充填した物と同じ
単量体混合物から形成してもよいし、また、その主成分
となる単量体が同じであれば異なる単量体混合物から形
成してもよい。
【0042】また、重合開始剤としてはアゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の過
酸化物等の通常のラジカル重合開始剤が、また、分子量
調整剤としてはn−ブチルメルカプタン等のメルカプタ
ン類等の通常のラジカル連鎖移動剤が用いられる。
【0043】また、連続方式としては、非重合性化合物
を含有する低重合度重合体と非重合性化合物を含まぬ高
重合度重合体を、非重合性化合物を含まぬ高重合度重合
体を外側にして、複合紡糸し、内部の非重合性化合物を
加熱拡散する方法も採用できる。
【0044】本発明にいう光伝送体は、上記のように引
き延ばして得られる光ファイバで代表されるが、延伸せ
ずにロッドレンズとしてもよい。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。屈折率分布の測定は、カールツアイス社製インター
ファコ干渉顕微鏡を用いて公知の方法で測定した。光伝
送損失はHe−Neレーザー光(波長633nm)を用いて
カットバック法により測定した。
【0046】[実施例1]撹拌機、温度計、ジムロート
型冷却菅を備えた4つ口フラスコにチオフェノール1
3.22g(0.120mol)、水酸化カリウム6.
73g(0.120mol)、DMI80mlを仕込
み、反応温度80℃で1時間撹拌を続けた。この反応液
に、2,5−ジブロモメチル−1,4−ジチアン15.
30g(0.050mol)を30分かけて滴下し、滴
下終了後130℃で15時間還流させた。この反応液
に、水500gを加えて撹拌し、さらにトルエン800
gを加えて撹拌し、反応液を分液した。有機層を飽和N
aCl水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱
水し、トルエンを留去して淡黄色の固体を得た。この固
体を再結晶して精製することにより、白色固体を得るこ
とができた。
【0047】この含硫化合物の構造を決定するために分
析を行った。結果を以下に示す。 質量分析:(M+H)+=364 元素分析値:理論値 C:59.29 H:5.53 S:35.18 分析値 C:59.25 H:5.53 S:35.22 上記の分析により、得られた固体は、目的物であると同
定された。収量は10.79gで、収率は59.2%で
あった。
【0048】
【化9】
【0049】[実施例2]水平に保持した長さ500m
m、内径18mmのガラス管にモノマーとしてメタクリ
ル酸メチル(MMA)112g、重合開始剤としてベン
ゾイルパーオキサイド0.56g、連鎖移動剤としてn
−ブチルメルカプタン350μリットルを充填した。ガ
ラス管の両端をシールした後、3000rpmで回転さ
せながら70℃で20時間加熱し、その後回転を止め9
0℃で10時間加熱し重合してポリメタクリル酸メチル
(PMMA)からなる重合管を作製した。このポリマー
ロッドの中心にドリルで5mm径の中空部を形成して中
空管を得た。
【0050】このPMMA製中空管の片端を封じ、MM
A48g、下記に示した含硫観環状化合物[化10]を
高屈折率ドーパントとして12g、重合開始剤としてジ
−t−ブチルパーオキサイド54μリットル、連鎖移動
剤としてn−ラウリルメルカプタン160μリットルを
充填し、他端を封じた後、水平に保持し、10rpmで
回転させながら95℃で24時間加熱、その後回転を止
め110℃で48時間加熱し重合して外径18mmのロ
ッドを得た。
【0051】
【化10】
【0052】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向に連続的に減少していた。得ら
れた光ファイバの100m長における伝送特性を評価し
たところ、伝送損失が波長650nmにおいて17.8
dB、伝送帯域が3.3GHzであり、屈折率分布型P
OFとして良好な性能を有していた。また、得られた光
ファイバを85℃のオーブンに入れて加熱試験を行い、
3000時間後における屈折率分布を測定したところ、
初期の屈折率分布を保持していた。
【0053】[実施例3]実施例2と同様に作製したP
MMA製中空管を用い、このPMMA製中空管にMMA
48g、下記に示した含硫観環状化合物[化11]を高
屈折率ドーパント12g、重合開始剤としてジ−t−ブ
チルパーオキサイド54μリットル、連鎖移動剤として
n−ラウリルメルカプタン160μリットルを充填し、
他端を封じた後、水平に保持し、10rpmで回転させ
ながら95℃で24時間加熱、その後回転を止め110
℃で48時間加熱し重合して外径18mmのロッドを得
た。
【0054】
【化11】
【0055】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向になだらかに減少していた。得
られた光ファイバの100m長における伝送特性を評価
したところ、伝送損失が波長650nmにおいて14.
2dB、伝送帯域が2.7GHzであり、屈折率分布型
プラスチック光ファイバとして良好な性能を有してい
た。また、得られた光ファイバを85℃のオーブンに入
れて加熱試験を行い、3000時間後における屈折率分
布を測定したところ、初期の屈折率分布を保持してい
た。
【0056】
【発明の効果】本発明の光ファイバは、従来知られてい
た屈折率分布型ポリマー光ファイバーに比べ、屈折率分
布の耐熱安定性に優れたもであり、光ファイバとしての
伝送特性の信頼性をより向上させたものである。
【0057】したがって、本発明のポリマー光ファイバ
ーは、従来の屈折率分布型ポリマー光ファイバーでは使
用できなかった自動車のエンジンルーム等の耐熱性が要
求される分野においても長期的に使用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/04 G02B 1/04 6/00 391 6/00 391 Fターム(参考) 2H050 AB42Y AB43X AB43Y AB50X AB50Y 4C023 PA07 4C063 AA01 AA03 BB08 CC97 DD62 DD92 EE10 4J002 BG011 BG051 BG061 CG001 EV306 EV346 FD206 GP01 GP03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)[化1]で表される含硫環
    状化合物。 【化1】 [式中、R1とR2はそれぞれ独立に、下記式(2)[化
    2]で表わされる化合物 【化2】 (式中、R3〜R10は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
    数1〜4のアルキル基または−SCH3基を表す。)よ
    りなるからなる群から選ばれる基を表す。]
  2. 【請求項2】 式(1)で表される含硫環状化合物を含
    有することを特徴とする光学材料。
  3. 【請求項3】 前記光学材料がポリマー光ファイバーで
    あることを特徴とする請求項2に記載の光学材料。
  4. 【請求項4】 式(1)で表される含硫環状化合物を高
    屈折率ドーパントとして含有することを特徴とするポリ
    マー光ファイバー材料。
  5. 【請求項5】 式(1)で表される含硫環状化合物を高
    屈折率ドーパントとして含有することを特徴とするポリ
    マー光ファイバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007246884A (ja) * 2006-02-16 2007-09-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物、及び、それを用いた樹脂成形体、コーティング剤

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JP2007246884A (ja) * 2006-02-16 2007-09-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物、及び、それを用いた樹脂成形体、コーティング剤

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