JPH09236715A - 光ファイバ用鞘材 - Google Patents
光ファイバ用鞘材Info
- Publication number
- JPH09236715A JPH09236715A JP8068927A JP6892796A JPH09236715A JP H09236715 A JPH09236715 A JP H09236715A JP 8068927 A JP8068927 A JP 8068927A JP 6892796 A JP6892796 A JP 6892796A JP H09236715 A JPH09236715 A JP H09236715A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compd
- optical fiber
- fluorine
- sheath material
- copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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Landscapes
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い耐熱性と良好な機械的性質、ならびに優
れた透明性を有する光ファイバ用鞘材の提供。 【解決手段】 特定構造のラクトン化合物と、特定構造
の含フッ素化合物との共重合体で鞘材を構成する。
れた透明性を有する光ファイバ用鞘材の提供。 【解決手段】 特定構造のラクトン化合物と、特定構造
の含フッ素化合物との共重合体で鞘材を構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用鞘材
に関し、より詳しくはラクトン環構造を有するラクトン
化合物と含フッ素化合物との共重合体からなる光ファイ
バ用鞘材に関する。
に関し、より詳しくはラクトン環構造を有するラクトン
化合物と含フッ素化合物との共重合体からなる光ファイ
バ用鞘材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】光フ
ァイバによる光伝送は、大容量で電磁ノイズの影響を全
く受けないという特長を生かして通信媒体として広く用
いられている。実用化されている光の伝送体には、その
素材により石英系とプラスチック系に大別される。
ァイバによる光伝送は、大容量で電磁ノイズの影響を全
く受けないという特長を生かして通信媒体として広く用
いられている。実用化されている光の伝送体には、その
素材により石英系とプラスチック系に大別される。
【0003】市販されている石英系ファイバは、一般に
低損失で、広帯域であるという特長を生かして、長距離
の大容量通信幹線に用いられている。一方、プラスチッ
ク系は、大口径(500〜1000μm程度)、高開口
数(NA≒0.5)でありながら柔軟性に優れているこ
とを最大の特長としている。
低損失で、広帯域であるという特長を生かして、長距離
の大容量通信幹線に用いられている。一方、プラスチッ
ク系は、大口径(500〜1000μm程度)、高開口
数(NA≒0.5)でありながら柔軟性に優れているこ
とを最大の特長としている。
【0004】しかし、石英系ファイバは広帯域である
が、同時に極めて受光面となるコア径が小さく、かつコ
アとクラッドの屈曲率差が小さいため、光源との位置関
係や入射角に対する許容範囲が狭く、周辺機器との結合
時のアラインメント(位置、角度あわせ)操作に労力を
要する。さらには、素材が石英であるため、受発光素子
との結合部分である端面処理も困難を伴う。このため上
記のような欠点を補うためにコア材に石英、クラッド材
にプラスチックを用いたプラスチッククラッド石英コア
ファイバも市販されているが、端面処理の困難さはさけ
られず、なおかつ柔軟性の改善も充分なものとは言えな
い。
が、同時に極めて受光面となるコア径が小さく、かつコ
アとクラッドの屈曲率差が小さいため、光源との位置関
係や入射角に対する許容範囲が狭く、周辺機器との結合
時のアラインメント(位置、角度あわせ)操作に労力を
要する。さらには、素材が石英であるため、受発光素子
との結合部分である端面処理も困難を伴う。このため上
記のような欠点を補うためにコア材に石英、クラッド材
にプラスチックを用いたプラスチッククラッド石英コア
ファイバも市販されているが、端面処理の困難さはさけ
られず、なおかつ柔軟性の改善も充分なものとは言えな
い。
【0005】一方、プラスチック光ファイバは大口径で
ありながら柔軟で取り扱い性がよく、結合のアラインメ
ントの許容範囲が広いので、接続が容易で高価な加工装
置、光学装置が不要である等の特長を生かして、データ
リンクなどの短距離通信やセンサー等への応用が浸透し
つつある。また今後、FA用、OA用などフロアー内外
の機器間LANのような施設網や加入者網(FTTH)
における末端配線など、接続点の多い近距離の低コスト
情報伝送線として期待されている。また、柔軟性に優れ
ているため振動する環境でも破損、折損や劣化が起きに
くく、この点でも石英系よりもはるかに優れ、自動車、
電車、飛行機などの移動帯中のネットワークなど信号伝
送線への応用も図られている。
ありながら柔軟で取り扱い性がよく、結合のアラインメ
ントの許容範囲が広いので、接続が容易で高価な加工装
置、光学装置が不要である等の特長を生かして、データ
リンクなどの短距離通信やセンサー等への応用が浸透し
つつある。また今後、FA用、OA用などフロアー内外
の機器間LANのような施設網や加入者網(FTTH)
における末端配線など、接続点の多い近距離の低コスト
情報伝送線として期待されている。また、柔軟性に優れ
ているため振動する環境でも破損、折損や劣化が起きに
くく、この点でも石英系よりもはるかに優れ、自動車、
電車、飛行機などの移動帯中のネットワークなど信号伝
送線への応用も図られている。
【0006】このようなプラスチック光ファイバの芯材
としては、ポリメタクリル酸メチルが一般的であるが、
ポリメタクリル酸メチル自体の耐熱性は高々100℃程
度で、特に耐熱性が要求される用途ではポリカーボネー
ト、アモルファスポリオレフィン等が実用化されてい
る。
としては、ポリメタクリル酸メチルが一般的であるが、
ポリメタクリル酸メチル自体の耐熱性は高々100℃程
度で、特に耐熱性が要求される用途ではポリカーボネー
ト、アモルファスポリオレフィン等が実用化されてい
る。
【0007】上記のようなプラスチック光ファイバの鞘
材に要求される特性としては、芯より低屈折率であり透
明性、機械的強度、芯材との密着性が良いこと等が挙げ
られ、フッ素原子を有するフッ化ビニリデン、トリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ素化(メ
タ)アクリレート等の構造単位を有するホモポリマー、
コポリマー、ブレンドポリマーが用いられている。特
に、特開平1−223104号公報、特開平1−105
205号公報および特公平7−11605号公報に開示
されているフッ素化(メタ)アクリレートを含有する共
重合体は、透明性、機械的強度、芯材との密着性に優れ
ている。
材に要求される特性としては、芯より低屈折率であり透
明性、機械的強度、芯材との密着性が良いこと等が挙げ
られ、フッ素原子を有するフッ化ビニリデン、トリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ素化(メ
タ)アクリレート等の構造単位を有するホモポリマー、
コポリマー、ブレンドポリマーが用いられている。特
に、特開平1−223104号公報、特開平1−105
205号公報および特公平7−11605号公報に開示
されているフッ素化(メタ)アクリレートを含有する共
重合体は、透明性、機械的強度、芯材との密着性に優れ
ている。
【0008】しかし、機械的強度、芯材との密着性等の
点でフッ素化メタクリレート共重合体は、光ファイバ用
鞘材として優れているが、その耐熱性はポリメタクリル
酸メチル程度であり、近年、移動体用途の展開が期待さ
れるポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンを
芯材とする耐熱タイプのプラスチック光ファイバへの使
用は困難である。このため、耐熱性の高いα−フルオロ
アクリル酸エステルを共重合させる試みもなされている
が、共重合体の透明性が低下し、光ファイバの伝送損失
を増大させるため光ファイバ用鞘材として十分な性質を
有しているとはいえない。
点でフッ素化メタクリレート共重合体は、光ファイバ用
鞘材として優れているが、その耐熱性はポリメタクリル
酸メチル程度であり、近年、移動体用途の展開が期待さ
れるポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンを
芯材とする耐熱タイプのプラスチック光ファイバへの使
用は困難である。このため、耐熱性の高いα−フルオロ
アクリル酸エステルを共重合させる試みもなされている
が、共重合体の透明性が低下し、光ファイバの伝送損失
を増大させるため光ファイバ用鞘材として十分な性質を
有しているとはいえない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高い耐熱
性と良好な機械的性質、ならびに優れた透明性を有する
光ファイバ用鞘材を得ることを目的として鋭意検討を進
めた結果、特定のラクトン化合物と含フッ素化合物の共
重合体が上記の目的を達成し得ることを見い出し本発明
を完成した。
性と良好な機械的性質、ならびに優れた透明性を有する
光ファイバ用鞘材を得ることを目的として鋭意検討を進
めた結果、特定のラクトン化合物と含フッ素化合物の共
重合体が上記の目的を達成し得ることを見い出し本発明
を完成した。
【0010】すなわち本発明は、下記一般式(I)で表
わされるラクトン化合物(a)の少なくとも1種と、下
記一般式(II)で表わされる含フッ素化合物(b)の少
なくとも1種との共重合体からなることを特徴とする光
ファイバ用鞘材にある。
わされるラクトン化合物(a)の少なくとも1種と、下
記一般式(II)で表わされる含フッ素化合物(b)の少
なくとも1種との共重合体からなることを特徴とする光
ファイバ用鞘材にある。
【化3】
【化4】
【0011】
【発明の実施の態様】本発明で用いられるラクトン化合
物(a)は、上記一般式(I)で示されるα−メチレン
−γ−ブチロラクトンおよびその誘導体である。α−メ
チレン−γ−ブチロラクトンは、α位にメチレン基を有
する5員環構造のラクトン化合物であり、構造的にはメ
タクリル酸メチルのα位の炭素とエステル結合している
メチル基の炭素とが結合し、環状化した構造を有するも
のである。ラクトン環構造を有する化合物は、生理活性
を有しているものも多く、医薬品の分野を中心として多
くの研究が行われており、その合成については、Ang
ew,Chem.Ed.Engl第24巻94頁(19
85年)、有機合成化学協会誌第39巻359頁(19
81年)等に記載されている。
物(a)は、上記一般式(I)で示されるα−メチレン
−γ−ブチロラクトンおよびその誘導体である。α−メ
チレン−γ−ブチロラクトンは、α位にメチレン基を有
する5員環構造のラクトン化合物であり、構造的にはメ
タクリル酸メチルのα位の炭素とエステル結合している
メチル基の炭素とが結合し、環状化した構造を有するも
のである。ラクトン環構造を有する化合物は、生理活性
を有しているものも多く、医薬品の分野を中心として多
くの研究が行われており、その合成については、Ang
ew,Chem.Ed.Engl第24巻94頁(19
85年)、有機合成化学協会誌第39巻359頁(19
81年)等に記載されている。
【0012】本発明で用いられる上記一般式(I)で表
わされるラクトン化合物(a)において、置換基R1 ,
R2 の構造が嵩高くなると共に、共重合時の重合性が低
下し、得られる共重合体の耐熱性を低下させるようにな
るため、置換基R1 ,R2 は水素原子、メチル基、エチ
ル基から選択されるものが好ましい。このような化合物
としては、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−メ
チレン−4−エチル−ブチロラクトン、α−メチレン−
4,4−ジメチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられ
る。
わされるラクトン化合物(a)において、置換基R1 ,
R2 の構造が嵩高くなると共に、共重合時の重合性が低
下し、得られる共重合体の耐熱性を低下させるようにな
るため、置換基R1 ,R2 は水素原子、メチル基、エチ
ル基から選択されるものが好ましい。このような化合物
としては、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−メ
チレン−4−エチル−ブチロラクトン、α−メチレン−
4,4−ジメチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられ
る。
【0013】また、本発明で用いられる含フッ素化合物
(b)は、上記一般式(II)で表わされるフッ素アルキ
ル基を有するビニル系エステル化合物である。この化合
物は上記一般式(II)において置換基R4 の構造が嵩高
くなると共重合時の重合性、共重合体の耐熱性が低下す
ることから、置換基R4 は炭素数が1〜12の含フッ素
アルキル基であることが好ましい。ここでいう炭素数1
〜12の含フッ素アルキル基とは、構造式Cn Fm H
2n+1-m(mは1〜12までの整数、mは1〜2n+1ま
での整数)で表わされるものであり、その形状は直鎖状
であっても、分岐を有していてもよく、フッ素原子の含
有数、存在位置についても限定されるものではない。
(b)は、上記一般式(II)で表わされるフッ素アルキ
ル基を有するビニル系エステル化合物である。この化合
物は上記一般式(II)において置換基R4 の構造が嵩高
くなると共重合時の重合性、共重合体の耐熱性が低下す
ることから、置換基R4 は炭素数が1〜12の含フッ素
アルキル基であることが好ましい。ここでいう炭素数1
〜12の含フッ素アルキル基とは、構造式Cn Fm H
2n+1-m(mは1〜12までの整数、mは1〜2n+1ま
での整数)で表わされるものであり、その形状は直鎖状
であっても、分岐を有していてもよく、フッ素原子の含
有数、存在位置についても限定されるものではない。
【0014】上記一般式(II)で示される含フッ素化合
物(b)としては、例えば(メタ)アクリル酸2,2,
2トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,
3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸
2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)ア
クリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフル
オロペンチル、(メタ)アクリル酸2−(パーフルオロ
オクチル)エチル、αフルオロアクリル酸2,2,2−
トリフルオロエチル、αフルオロアクリル酸2,2,
3,3−テトラフルオロプロピル、αフルオロアクリル
酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、αフ
ルオロアクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オ
クタフルオロペンチル等が挙げられる。これらの中では
メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチルは、
機械特性向上の点から本発明においては特に好ましい。
物(b)としては、例えば(メタ)アクリル酸2,2,
2トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,
3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸
2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)ア
クリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフル
オロペンチル、(メタ)アクリル酸2−(パーフルオロ
オクチル)エチル、αフルオロアクリル酸2,2,2−
トリフルオロエチル、αフルオロアクリル酸2,2,
3,3−テトラフルオロプロピル、αフルオロアクリル
酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、αフ
ルオロアクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オ
クタフルオロペンチル等が挙げられる。これらの中では
メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチルは、
機械特性向上の点から本発明においては特に好ましい。
【0015】本発明の鞘材を構成する共重合体は、上記
のラクトン化合物(a)と含フッ素化合物(b)のそれ
ぞれを1種または2種以上を用いて構成される。共重合
体の共重合組成は特に限定されないが、耐熱性の点から
ラクトン化合物(a)を共重合体中15重量%以上含有
するようにすることが好ましく、さらに好ましくは20
重量%以上である。含フッ素化合物(b)については、
所望の屈折率、機械強度、耐熱性から適宜選択し、組み
合わせて使用することが可能である。
のラクトン化合物(a)と含フッ素化合物(b)のそれ
ぞれを1種または2種以上を用いて構成される。共重合
体の共重合組成は特に限定されないが、耐熱性の点から
ラクトン化合物(a)を共重合体中15重量%以上含有
するようにすることが好ましく、さらに好ましくは20
重量%以上である。含フッ素化合物(b)については、
所望の屈折率、機械強度、耐熱性から適宜選択し、組み
合わせて使用することが可能である。
【0016】さらに、共重合体の耐熱性、力学的性質、
光学的性質などを損なわない範囲で他の化合物を共重合
化させてもよい。特に親水性の(メタ)アクリル酸を共
重合させることで共重合体のフッ素原子による撥水、撥
油性を低下させることができ、芯材との密着性が向上
し、耐熱分解性も向上させることができる。
光学的性質などを損なわない範囲で他の化合物を共重合
化させてもよい。特に親水性の(メタ)アクリル酸を共
重合させることで共重合体のフッ素原子による撥水、撥
油性を低下させることができ、芯材との密着性が向上
し、耐熱分解性も向上させることができる。
【0017】鞘材を共重合により得る場合、その重合方
法は特に限定されないが、ラジカル重合による方法が好
ましい。また、ラジカル重合の重合様式については、溶
液、塊状、懸濁、乳化など重合様式を用いることができ
るが、低損失化の観点から塊状重合が最適である。重合
開始剤としては、重合時に副反応や着色等の悪影響を及
ぼさないものであれば、特に限定されるものではなく、
重合様式、重合温度、重合率、重合時間に応じて任意に
選択でき、複数種の重合開始剤を併用して用いてもよ
い。重合開始剤の例としては、2,2′−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロへキ
サンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド
等を挙げることができる。
法は特に限定されないが、ラジカル重合による方法が好
ましい。また、ラジカル重合の重合様式については、溶
液、塊状、懸濁、乳化など重合様式を用いることができ
るが、低損失化の観点から塊状重合が最適である。重合
開始剤としては、重合時に副反応や着色等の悪影響を及
ぼさないものであれば、特に限定されるものではなく、
重合様式、重合温度、重合率、重合時間に応じて任意に
選択でき、複数種の重合開始剤を併用して用いてもよ
い。重合開始剤の例としては、2,2′−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロへキ
サンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド
等を挙げることができる。
【0018】また、重合時において分子量を調節する目
的で連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、
重合時に副反応や着色等の悪影響を及ぼさないものであ
れば、特に限定されず、目的とする分子量に対して任意
に選択でき、複数種の連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖
移動剤の例としては、n−ブチルメルカプタン、イソブ
チルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタンなど
の第一級、第二級、第三級メルカプタン、チオグリコー
ル酸および、そのエステルなどが挙げられる。
的で連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、
重合時に副反応や着色等の悪影響を及ぼさないものであ
れば、特に限定されず、目的とする分子量に対して任意
に選択でき、複数種の連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖
移動剤の例としては、n−ブチルメルカプタン、イソブ
チルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタンなど
の第一級、第二級、第三級メルカプタン、チオグリコー
ル酸および、そのエステルなどが挙げられる。
【0019】重合温度は、使用する重合開始剤、および
重合形式により一概には決められないが、50〜150
℃の範囲で行なうことが好ましい。
重合形式により一概には決められないが、50〜150
℃の範囲で行なうことが好ましい。
【0020】本発明の鞘材を用いることのできる光ファ
イバの芯材としては、鞘材よりも大きな屈折率を有して
いる材料であれば石英であっても、メタクリル樹脂、ポ
リカーボネート、アモルファスポリオレフィンなどのプ
ラスチック性のものでもかまわないが、プラスチックを
芯材とするものが好適である。
イバの芯材としては、鞘材よりも大きな屈折率を有して
いる材料であれば石英であっても、メタクリル樹脂、ポ
リカーボネート、アモルファスポリオレフィンなどのプ
ラスチック性のものでもかまわないが、プラスチックを
芯材とするものが好適である。
【0021】本発明の鞘材を用いて光ファイバを製造す
る方法としては特には、限定されないが、例えばファイ
バ状に賦形した芯材に本発明の鞘材を構成する共重合体
を溶融状態で塗布する方法、あるいは本発明の鞘材を構
成する共重合体を溶剤に溶解させた溶液を芯材に塗布し
た後溶剤を除去する方法等が挙げられる。また、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリカーボネートなどの熱可塑性プ
ラスチックを芯材とする場合には、同心円状ノズルを用
いた複合紡糸法により製造することもできる。
る方法としては特には、限定されないが、例えばファイ
バ状に賦形した芯材に本発明の鞘材を構成する共重合体
を溶融状態で塗布する方法、あるいは本発明の鞘材を構
成する共重合体を溶剤に溶解させた溶液を芯材に塗布し
た後溶剤を除去する方法等が挙げられる。また、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリカーボネートなどの熱可塑性プ
ラスチックを芯材とする場合には、同心円状ノズルを用
いた複合紡糸法により製造することもできる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。実施例および比較例における部は重量部を示
す。
明する。実施例および比較例における部は重量部を示
す。
【0023】[実施例1]10部のナトリウムエトキシ
ドを分散させた100部の無水テトラヒドロフラン中に
シュウ酸ジエチル25部を加えた後、15℃以下でγ−
ブチロラクトン15部を滴下し、終夜放置した。この反
応液中にホルムアルデヒドを吹き込み、溶媒を留去した
後エーテル抽出を行なった。このエーテル相を飽和炭酸
ナトリウム水溶液と混合し、1時間撹拌した。その後溶
媒を留去し、残渣をビグリュー管を付けて減圧蒸留する
ことによりα−メチレン−γ−ブチロラクトンを得た
(GLC純度99%以上)。
ドを分散させた100部の無水テトラヒドロフラン中に
シュウ酸ジエチル25部を加えた後、15℃以下でγ−
ブチロラクトン15部を滴下し、終夜放置した。この反
応液中にホルムアルデヒドを吹き込み、溶媒を留去した
後エーテル抽出を行なった。このエーテル相を飽和炭酸
ナトリウム水溶液と混合し、1時間撹拌した。その後溶
媒を留去し、残渣をビグリュー管を付けて減圧蒸留する
ことによりα−メチレン−γ−ブチロラクトンを得た
(GLC純度99%以上)。
【0024】このα−メチレン−γ−ブチロラクトン2
0部、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル5
0部、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチ
ル30部からなるモノマー溶液に対して0.1部の2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルおよびn−オクチル
メルカプタン0.03部を添加した混合溶液を反応温度
65℃、反応時間12時間の条件で塊状重合した後、さ
らに、120℃で8時間重合して共重合体を得た。この
重合体を230℃にてプレス成形し、ナトリウムのD線
を用いて25℃での屈折率nD を測定したところ1.4
04であり、また、動的粘弾性測定から求めたガラス転
移温度は118℃であった。
0部、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル5
0部、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチ
ル30部からなるモノマー溶液に対して0.1部の2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルおよびn−オクチル
メルカプタン0.03部を添加した混合溶液を反応温度
65℃、反応時間12時間の条件で塊状重合した後、さ
らに、120℃で8時間重合して共重合体を得た。この
重合体を230℃にてプレス成形し、ナトリウムのD線
を用いて25℃での屈折率nD を測定したところ1.4
04であり、また、動的粘弾性測定から求めたガラス転
移温度は118℃であった。
【0025】次に、この重合体を鞘材とし、ポリカーボ
ネートを芯材として、同心円状複合ノズルを用いてコア
径980μm、ファイバ径1mmの光ファイバを作製し
た。この光ファイバの伝送損失は670dB/km(測
定法:50m−5mカットバック法、波長770nm)
であり、120℃、1000時間熱処理した後の損失増
加は20dBであった。また、直径10mmのマンドル
に15mのファイバを100回巻き付けたときの透過光
量の保持率は71%であった。
ネートを芯材として、同心円状複合ノズルを用いてコア
径980μm、ファイバ径1mmの光ファイバを作製し
た。この光ファイバの伝送損失は670dB/km(測
定法:50m−5mカットバック法、波長770nm)
であり、120℃、1000時間熱処理した後の損失増
加は20dBであった。また、直径10mmのマンドル
に15mのファイバを100回巻き付けたときの透過光
量の保持率は71%であった。
【0026】[実施例2]37%ホルマリン水溶液50
部、アクリル酸メチル70部、および1,4−ジアザビ
シクロ[2,2,2]−オクタン30部を1,2−ジメ
トキシエタン200部に溶解させ、室温で50時間撹拌
した後、反応液から有機相を分離し、α−ヒドロキシメ
チルアクリル酸メチルを得た。
部、アクリル酸メチル70部、および1,4−ジアザビ
シクロ[2,2,2]−オクタン30部を1,2−ジメ
トキシエタン200部に溶解させ、室温で50時間撹拌
した後、反応液から有機相を分離し、α−ヒドロキシメ
チルアクリル酸メチルを得た。
【0027】次いで、このα−ヒドロキシメチルアクリ
ル酸メチルを6倍量の無水エーテル溶液で希釈し、三臭
化リン20部を氷浴下で滴下し、室温で3時間撹拌し
た。反応終了後水を加え有機相を分離し、α−ブロモメ
チルアクリル酸メチルを得た。
ル酸メチルを6倍量の無水エーテル溶液で希釈し、三臭
化リン20部を氷浴下で滴下し、室温で3時間撹拌し
た。反応終了後水を加え有機相を分離し、α−ブロモメ
チルアクリル酸メチルを得た。
【0028】次いで、このα−ブロモメチルアクリル酸
メチルを3倍量の無水テトラヒドロフランで希釈した溶
液を、亜鉛7部、アセトン25部を添加してなる100
部の無水テトラヒドロフラン溶液に滴下した。滴下終了
後3時間撹拌して10%の塩酸水溶液中に注ぎ、有機相
をよく水洗した後硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧留去
後、α−メチレン−4,4−ジメチル−γ−ブチロラク
トンを得た。(GCL純度99%以上)
メチルを3倍量の無水テトラヒドロフランで希釈した溶
液を、亜鉛7部、アセトン25部を添加してなる100
部の無水テトラヒドロフラン溶液に滴下した。滴下終了
後3時間撹拌して10%の塩酸水溶液中に注ぎ、有機相
をよく水洗した後硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧留去
後、α−メチレン−4,4−ジメチル−γ−ブチロラク
トンを得た。(GCL純度99%以上)
【0029】このα−メチレン−4,4−ジメチル−γ
−ブチロラクトン29.5部、メタクリル酸2,2,2
−トリフルオロエチル30部、メタクリル酸2−(パー
フルオロオクチル)エチル40部、メタクリル酸0.5
部からなるモノマー溶液に対して0.1部の2,2′−
アゾビスイソブチロニトリルおよびn−オクチルメルカ
プタン0.03部を添加した混合溶液を反応温度65
℃、反応時間12時間の条件で塊状重合した後、さらに
120℃で8時間重合した。この重合体を230℃にて
プレス成形し、25℃での屈折率nD を測定したところ
1.418であり、また、動的粘弾性測定から求めたガ
ラス転移温度は109℃であった。
−ブチロラクトン29.5部、メタクリル酸2,2,2
−トリフルオロエチル30部、メタクリル酸2−(パー
フルオロオクチル)エチル40部、メタクリル酸0.5
部からなるモノマー溶液に対して0.1部の2,2′−
アゾビスイソブチロニトリルおよびn−オクチルメルカ
プタン0.03部を添加した混合溶液を反応温度65
℃、反応時間12時間の条件で塊状重合した後、さらに
120℃で8時間重合した。この重合体を230℃にて
プレス成形し、25℃での屈折率nD を測定したところ
1.418であり、また、動的粘弾性測定から求めたガ
ラス転移温度は109℃であった。
【0030】次いで、この重合体を鞘材とし、ポリカー
ボネートを芯材として、同心円状複合ノズルを用いてコ
ア径980μm、ファイバ1mmの光ファイバを作製し
た。この光ファイバの伝送損失は660dB/km(測
定法:50m−5mカットバック法、波長770nm)
であり、120℃、1000時間加熱処理した後の損失
増加は15dBであった。また、直径10mmのマンド
ルに15mのファイバを100回巻き付けたときの透過
光量の保持率は70%であった。
ボネートを芯材として、同心円状複合ノズルを用いてコ
ア径980μm、ファイバ1mmの光ファイバを作製し
た。この光ファイバの伝送損失は660dB/km(測
定法:50m−5mカットバック法、波長770nm)
であり、120℃、1000時間加熱処理した後の損失
増加は15dBであった。また、直径10mmのマンド
ルに15mのファイバを100回巻き付けたときの透過
光量の保持率は70%であった。
【0031】[比較例1]α−フルオロアクリル酸メチ
ル/α−フルオロアクリル酸2,2,2−トリフルオロ
エチル共重合体(15/85モル比)を鞘材とし、ポリ
カーボネートを芯材として、同心円状複合ノズルを用い
てコア径980μm、ファイバ径1mmの光ファイバを
作製した。この光ファイバの伝送損失は700dB/k
m(測定法:50m−5mカットバック法、波長770
nm)であり、120℃、1000時間熱処理した後の
損失増加は70dBであった。また、直径10mmのマ
ンドルに15mのファイバを100回巻き付けたときの
透過光量の保持率は69%であった。
ル/α−フルオロアクリル酸2,2,2−トリフルオロ
エチル共重合体(15/85モル比)を鞘材とし、ポリ
カーボネートを芯材として、同心円状複合ノズルを用い
てコア径980μm、ファイバ径1mmの光ファイバを
作製した。この光ファイバの伝送損失は700dB/k
m(測定法:50m−5mカットバック法、波長770
nm)であり、120℃、1000時間熱処理した後の
損失増加は70dBであった。また、直径10mmのマ
ンドルに15mのファイバを100回巻き付けたときの
透過光量の保持率は69%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の光ファイバ用鞘材を用いること
により、耐熱性、機械的性質、低損失にすぐれた光ファ
イバを得ることができる。
により、耐熱性、機械的性質、低損失にすぐれた光ファ
イバを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 省治 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 入江 菊枝 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるラクトン
化合物(a)の少なくとも1種と、下記一般式(II)で
表わされる含フッ素化合物(b)の少なくとも1種との
共重合体からなることを特徴とする光ファイバ用鞘材。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 含フッ素化合物(b)としてメタクリル
酸2−(パーフルオロオクチル)エチルを共重合成分の
少なくとも一部として含むことを特徴とする請求項1記
載の光ファイバ用鞘材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06892796A JP3506837B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 光ファイバ用鞘材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06892796A JP3506837B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 光ファイバ用鞘材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09236715A true JPH09236715A (ja) | 1997-09-09 |
JP3506837B2 JP3506837B2 (ja) | 2004-03-15 |
Family
ID=13387786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06892796A Expired - Fee Related JP3506837B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 光ファイバ用鞘材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3506837B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2624723A (en) | 1947-03-03 | 1953-01-06 | Allied Chem & Dye Corp | Lactone derivatives and method of making |
-
1996
- 1996-03-01 JP JP06892796A patent/JP3506837B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3506837B2 (ja) | 2004-03-15 |
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