JP2002236222A - 芳香族スルフィド化合物を用いた光学材料及び光学部品ならびに芳香族スルフィド化合物 - Google Patents

芳香族スルフィド化合物を用いた光学材料及び光学部品ならびに芳香族スルフィド化合物

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JP2002236222A
JP2002236222A JP2001162538A JP2001162538A JP2002236222A JP 2002236222 A JP2002236222 A JP 2002236222A JP 2001162538 A JP2001162538 A JP 2001162538A JP 2001162538 A JP2001162538 A JP 2001162538A JP 2002236222 A JP2002236222 A JP 2002236222A
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JP2001162538A
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Takahiro Fujiyama
高広 藤山
Hideo Hama
秀雄 浜
Atsuo Otsuji
淳夫 大辻
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性の改善された光学材料、特にドーパン
トタイプのGI型POFを提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表される芳香族スルフィ
ド化合物を少なくとも1種含有してなる光学材料。 【化1】 [式中、 nは2〜12の整数を表し、kは1〜nの整
数を表す。Aは、置換基を有していても良い、n価の炭
素環式芳香族環または複素環式芳香族環を表し、B1
nは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い、
炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族スルフィド
化合物を用いた光学材料及び光学部品ならびに芳香族ス
ルフィド化合物に関し、特にポリマー光ファイバーに関
する。
【0002】
【従来の技術】光学材料は以前はガラスであったが、近
年透明性ポリマー材料が普及し始めている。特に、光学
レンズ、光ディスク、光ファイバー、ロッドレンズ、光
導波路、光スイッチ、光ピックアップレンズ等の分野で
用いられている。光学用ポリマー材料は、透明化、高屈
折率化、低分散化、低複屈折率化、高耐熱化などと高機
能化を追及し、進化してきた。その中でもポリマー光フ
ァイバー(POF)は、LAN(local area networ
k)、ISDN(integrated service digital networ
k)等の次世代通信網構想において、重要性が増大して
いる。
【0003】POFはコア部ならびにクラッド部が共に
ポリマーから構成されており、石英光ファイバーに比べ
て加工や取り扱いが容易で、材料が低コストであること
から、伝送損失が実質的に問題にされない程度に短距離
の光伝送路として多用されている。
【0004】階段状に屈折率分布が変化するステップイ
ンデックス型(SI型)のPOFが50m程度の短距離
伝送用として既に実用化されているが、伝送容量が少な
いために光通信用途には適していない。それに対して、
半径方向に屈折率分布が変化するグレイテッドインデッ
クス型(GI型)のPOFはSI型に比べて伝送容量が
大きいので光通信用途に適しており、この屈折率分布が
滑らかになるほどファイバーの伝送容量が大きくなる。
【0005】GI型POFの作製方法としては二つのタ
イプがある。一つは、例えばWO93/08488号に開示され
ているようなドーパントタイプで、マトリックス用のポ
リマーに、当該ポリマーに対して反応性を有しない低分
子化合物を添加し、この低分子化合物の拡散により濃度
勾配を形成させることで屈折率分布を得る。他方は、例
えば、特開平5-173025号や特開平5-173026号に開示され
ている共重合タイプで、二種類のモノマーを共重合させ
る際に、両モノマーの反応性比の相違を利用して濃度勾
配を形成させることで屈折率分布を得る。
【0006】共重合タイプの場合には、共重合組成の違
いによるミクロな不均一構造の発生を避けがたく、これ
に起因する透明性の問題が生じやすい。そのため、現状
で可能な伝送距離は50m程度に留まり、家庭内LANな
どで要求される伝送距離を十分に満足させることができ
ない。一方、ドーパントタイプの場合には、ドーパント
の大きさが数Åオーダーであるので波長に対して極めて
透明性は高いが、耐熱性に問題がある。ある温度よりも
高温雰囲気下で使用すると、ドーパントの分布に変動し
やすくなり、そのため屈折率分布が変化し易く屈折率分
布の耐熱安定性に劣るという問題点を有する。
【0007】その原因は、ドーパントによる可塑効果に
よりコア材料のガラス転移点が低下するためである。従
来のPOFに用いられているPMMAのガラス転移点は
105℃前後であるが、ドーパントを添加するとガラス
転移点が室温付近まで低下してしまう。例えば安息香酸
ベンジル、フタル酸ベンジルn−ブチル、サリチル酸ベ
ンジル、ブロモベンゼン、ベンジルフェニルエーテル、
フタル酸ジフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエ
ーテル、ジフェニル、ジフェニルスルフィド、フェニル
ベンゾエート、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシ
ルなどがGI型POFのドーパントとして知られてい
る。これらの中でも、ジフェニルスルフィドが可塑効果
と高屈折率化を両立するドーパントとして特開平11−
142657に開示されている。しかしながら、このド
ーパントを用いても耐熱性を十分に満足させることが出
来なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の状況を
背景になされたものであり、光学材料に有用な芳香族ス
ルフィド化合物を提供することを目的としている。さら
に詳しくは、耐熱性の改善されたドーパントタイプのG
I型POFを提供するしようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
問題点を解決するために鋭意し、特定構造を有する芳香
族スルフィド化合物を光学材料のドーパントとして用い
ることにより、コア材料のガラス転移点が低下すること
を抑制することができ、耐熱性が改善され、ある温度よ
りも高温雰囲気下で使用し得ることを見出し、本発明を
完成した。
【0010】すなわち、本発明は、[1] 一般式(1)
で表される芳香族スルフィド化合物を少なくとも1種含
有してなる光学材料であり、また、
【0011】
【化5】 [式中、 nは2〜12の整数を表し、kは1〜nの整
数を表す。Aは、置換基を有していても良い、n価の炭
素環式芳香族環または複素環式芳香族環を表し、B1
nは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い、
炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基を表す。]
【0012】[2] 一般式(1)において、nが2〜4
の整数であり、かつAは置換基を有していても良い複素
環式芳香族環である[1]記載の光学材料であり、また、
[3] 一般式(1)において、B1〜Bnが、それぞれ独
立に、置換基を有していても良いフェニル基、置換基を
有していても良いピリミジル基、置換基を有していても
良いナフチル基、置換基を有していても良いチエニル
基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル基、置
換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、置換基
を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を有して
いても良いチアゾリル基のいずれかである[2]記載の光
学材料であり、また、
【0013】[4] 一般式(1)において、Aは置換基
を有していても良いチオフェン環、置換基を有していて
も良いチオフェン−1,1−ジオキシド環、置換基を有し
ていても良いチオフェンチアジアゾール基、置換基を有
していても良いチエノ[3,2−b]チオフェン環、置換
基を有していても良いトリアジン環、置換基を有してい
ても良いピリミジン環のいずれかから選ばれる2価の複
素環式芳香族環である[2]記載の光学材料であり、ま
た、[5] 一般式(1)において、B1〜Bnが、それぞ
れ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、置換
基を有していても良いピリミジル基、置換基を有してい
ても良いナフチル基、置換基を有していても良いチエニ
ル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル基、
置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、置換
基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を有し
ていても良いチアゾリル基のいずれかである[4]記載の
光学材料であり、また、
【0014】[6] 一般式(1)において、Aが置換基
を有していても良いチオフェン環、置換基を有していて
も良いトリアジン環、置換基を有していても良いピリミ
ジン基のいずれかから選ばれる3価の複素環式芳香族環
である[2]記載の光学材料であり、また、[7] 一般式
(1)において、B1〜Bnが、それぞれ独立に、置換基
を有していても良いフェニル基、置換基を有していても
良いピリミジル基、置換基を有していても良いナフチル
基、置換基を有していても良いチエニル基、置換基を有
していても良いベンゾチアゾリル基、置換基を有してい
ても良いベンゾオキサゾリル基、置換基を有していても
良いチアジアゾリル基、置換基を有していても良いチア
ゾリル基のいずれかである[6]記載の光学材料であり、
また、
【0015】[8] 一般式(1)において、Aは置換基
を有していても良いチオフェン環、置換基を有していて
も良いチエノ[3,2−b]チオフェン環のいずれかから
選ばれる4価の複素環式芳香族環である[2]記載の光学
材料であり、また、[9] 一般式(1)において、B1
〜Bnが、それぞれ独立に、置換基を有していても良い
フェニル基、置換基を有していても良いピリミジル基、
置換基を有していても良いナフチル基、置換基を有して
いても良いチエニル基、置換基を有していても良いベン
ゾチアゾリル基、置換基を有していても良いベンゾオキ
サゾリル基、置換基を有していても良いチアジアゾリル
基、置換基を有していても良いチアゾリル基のいずれか
である[8]記載の光学材料であり、また、
【0016】[10] 一般式(1)において、nが2〜
6の整数であり、かつAが置換基を有していても良い炭
素環式芳香族環である[1]記載の光学材料であり、ま
た、[11] 一般式(1)において、B1〜Bnが、それ
ぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、置
換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有して
いても良いナフチル基、置換基を有していても良いチエ
ニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
有していても良いチアゾリル基のいずれかである[10]
記載の光学材料であり、また、
【0017】[12] 一般式(1)において、Aが置換
基を有していても良いベンゼン環、置換基を有していて
も良いナフタレン環、置換基を有していても良いフルオ
レン環、置換基を有していても良いビフェニル環のいず
れかから選ばれる2価の炭素環式芳香族環である[10]
記載の光学材料であり、また、[13] 一般式(1)に
おいて、B1〜Bnが、それぞれ独立に、置換基を有して
いても良いフェニル基、置換基を有していても良いピリ
ミジル基、置換基を有していても良いナフチル基、置換
基を有していても良いチエニル基、置換基を有していて
も良いベンゾチアゾリル基、置換基を有していても良い
ベンゾオキサゾリル基、置換基を有していても良いチア
ジアゾリル基、置換基を有していても良いチアゾリル基
のいずれかである[12]記載の光学材料であり、また、
【0018】[14] 一般式(1)において、Aが置換
基を有していても良いベンゼン環、置換基を有していて
も良いフルオレン環のいずれかから選ばれる3価の炭素
環式芳香族環である[10]記載の光学材料であり、ま
た、[15] 一般式(1)において、B1〜Bnが、それ
ぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、置
換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有して
いても良いナフチル基、置換基を有していても良いチエ
ニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
有していても良いチアゾリル基のいずれかである[14]
記載の光学材料であり、また、
【0019】[16] 一般式(1)において、Aが置換
基を有していても良いベンゼン環、置換基を有していて
も良いビフェニル環のいずれかから選ばれる4価の炭素
環式芳香族環である[10]記載の光学材料であり、ま
た、[17] 一般式(1)において、B1〜Bnが、それ
ぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、置
換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有して
いても良いナフチル基、置換基を有していても良いチエ
ニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
有していても良いチアゾリル基のいずれかである[16]
記載の光学材料であり、また、
【0020】[18] 光学材料がポリマー光ファイバー
材料である[1]〜[17]記載の光学材料であり、また、
[19] 光学材料がポリマー光ファイバーである[1]〜
[17]記載の光学材料であり、また、[20] ポリマー
光ファイバーがGI型ポリマー光ファイバーである[1]
〜[17]記載の光学材料であり、また、
【0021】[21] 一般式(1a)で表される芳香族
スルフィド化合物であり、また、
【0022】
【化6】 [式中、 kは1〜2の整数を表す。Aは、置換されて
いても良いベンゼン環、置換されていても良いナフタレ
ン環、置換されていても良いフルオレン環、置換基を有
していて良いビフェニル環、置換されていても良いチオ
フェン環、置換されていても良いチオフェン−1,1−ジ
オキシド環、置換されていても良いチオフェンチアジア
ゾール環、置換基を有していても良いチエノ[3,2−
b]チオフェン環、置換基を有していても良いトリアジ
ン環、置換基を有していても良いピリミジン環から選ば
れる2価の炭素環式芳香族環または複素環式芳香族環を
表し、B1、B2は、それぞれ独立に、置換されていても
良いフェニル基、置換されていても良いピリミジル基、
置換されていても良いナフチル基、置換されていても良
いチエニル基、置換されていても良いベンゾチアゾリル
基、置換されていても良いベンゾオキサゾリル基、置換
されていても良いチアジアゾリル基、置換されていても
良いチアゾリル基から選ばれる炭素環式芳香族基または
複素環式芳香族基を表す。]
【0023】[22] 一般式(1b)で表される芳香族
スルフィド化合物であり、また、
【0024】
【化7】 [式中、 kは1〜3の整数を表す。Aは、置換されて
いても良いベンゼン環、置換されていても良いフルオレ
ン環、置換されていても良いチオフェン環、置換されて
いても良いトリアジン環、置換されていても良いピリミ
ジン環から選ばれる3価の炭素環式芳香族環または複素
環式芳香族環を表し、B1、B2、B3は、それぞれ独立
に、置換されていても良いフェニル基、置換されていて
も良いピリミジル基、置換されていても良いナフチル
基、置換されていても良いチエニル基、置換されていて
も良いベンゾチアゾリル基、置換されていても良いベン
ゾオキサゾリル基、置換されていても良いチアジアゾリ
ル基、置換されていても良いチアゾリル基から選ばれる
炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基を表す。]
【0025】[23] 一般式(1c)で表される芳香族
スルフィド化合物である。
【0026】
【化8】 [式中、 kは1〜4の整数を表す。Aは、置換されて
いても良いベンゼン環、置換されていても良いビフェニ
ル環、置換されていても良いチオフェン環、置換されて
いても良いチエノ[3,2−b]チオフェン環から選ばれ
る炭素環式芳香族環または複素環式芳香族環を表し、B
1、B2、B3、B4は、それぞれ独立に、置換されていて
も良いフェニル基、置換されていても良いピリミジル
基、置換されていても良いナフチル基、置換されていて
も良いチエニル基、置換されていても良いベンゾチアゾ
リル基、置換されていても良いベンゾオキサゾリル基、
置換されていても良いチアジアゾリル基、置換されてい
ても良いチアゾリル基から選ばれる炭素環式芳香族基ま
たは複素環式芳香族基を表す。]
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の光学材料は、 (a)透明性ポリマー (b)芳香族スルフィド化合物が含有されていることを
特徴とする。本発明の光学材料は、一般式(1)で表さ
れる芳香族スルフィド化合物を少なくとも1種含有して
なることを特徴とする。
【0028】
【化9】 式中、 nは2〜12の整数を表し、kは1〜nの整数
を表す。Aは、置換基を有していても良い、n価の炭素
環式芳香族環または複素環式芳香族環を表し、B1〜Bn
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い、炭素
環式芳香族基または複素環式芳香族基を表す。
【0029】まず、中心骨格を形成する一般式(1)の
Aについて説明する。複素環式芳香族環は、2種または
それ以上の元素の原子から芳香族環が構成されている。
2種以上の元素の原子としては炭素原子、酸素原子、リ
ン原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられる。好まし
くは2〜5種の元素の原子で構成されており、より好ま
しくは2〜4種の元素の原子で構成されている。なお、
炭素原子以外の原子をヘテロ原子と記載する。
【0030】複素環式芳香族環は、五員環あるいは六員
環から構成される。好ましくは単環又は2〜4個の芳香
族環が縮合して構成されており、より好ましくは単環又
は2〜3個の芳香族環が縮合して構成されている。
【0031】複素環式芳香族環に含有される炭素数は、
好ましくは4〜14個であり、より好ましくは4〜11
個である。
【0032】さらに好ましい複素環式芳香族環の具体的
例示として記載する。まず、一般式(2)に示すヘテロ
原子1個を含む五員環が挙げられる。一般式(2)にお
いて、Z=Oのフラン環であり、Z=Sのチオフェン環
であり、Z=NHのピロール環が挙げられる。これらの
中で好ましくはチオフェン環、フラン環であり、より好
ましくはチオフェン環である。
【0033】
【化10】
【0034】また、一般式(2)にベンゼン環が縮合し
た一般式(3)が挙げられる。一般式(3)において、
Z=NHのインドール環であり、Z=Oのベンゾフラン
環であり、Z=Sのベンゾチオフェン環が挙げられる。
【0035】
【化11】
【0036】また、一般式(2)のZ=Sのチオフェン
環に芳香環が縮合した式(4a)〜(4f)が挙げられ
る。これらの中で好ましくは、イソチアナフテン環、チ
エノチアジアゾール環、チエノ[3,2−b]チオフェン
環であり、より好ましくはチエノチアジアゾール環、チ
エノ[3,2−b]チオフェン環である。
【0037】
【化12】
【0038】次に、一般式(5a)又は(5b)に示す
ヘテロ原子2個を含む五員環が挙げられる。一般式(5
a)において、Z1=Oのオキサゾール環であり、Z1
Sのチアゾール環であり、Z1=NHのイミダゾール環
が挙げられる。また、一般式(5b)において、Z2
Oのイソオキサゾール環であり、Z2=Sのイソチアゾ
ール環であり、Z2=NHのピラゾール環が挙げられ
る。これらの中で好ましくはオキサゾール環、チアゾー
ル環であり、より好ましくはチアゾール環である。
【0039】
【化13】
【0040】また、一般式(5a)又は(5b)の五員
環にベンゼン環が縮合した一般式(6a)又は(6b)
が挙げられる。一般式(6a)において、Z1=Oのベ
ンゾオキサゾール環であり、Z1=Sのベンゾチアゾー
ル環であり、Z1=NHのベンゾイミダゾール環が挙げ
られる。また、一般式(6b)において、Z2=Oのベ
ンゾイソオキサゾール環であり、Z2=Sのベンゾイソ
チアゾール環であり、Z2=NHのベンゾピラゾール環
が挙げられる。
【0041】
【化14】
【0042】ヘテロ原子3個以上含む五員環として、n
−トリアゾール環、s−トリアゾール環、1,2,4−オキ
サジアゾール環、1,3,5−オキサジアゾール環、1,2,5−
オキサジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,5
−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、テト
ラゾール環が挙げられる。これらの中で好ましいのは、
1,3,5−オキサジアゾール環、1,3,5−チアジアゾール環
であり、より好ましいのは1,3,5−チアジアゾール環で
ある。
【0043】ヘテロ原子1個含有する六員環として、ピ
リジン環が挙げられる。さらに、ピリジン環にベンゼン
環が縮合したキノリン環、イソキノリン環を挙げられ
る。
【0044】次に、ヘテロ原子2個含有する六員環とし
て、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環が挙げら
れる。また、これらの六員環にベンゼン環が縮合したベ
ンゾ[d]ピリダジン環、ベンゾ[c]ピリダジン環、キナ
ゾリン環、キノキサリン環が挙げられる。
【0045】さらに、ヘテロ原子3個含有する六員環と
して、トリアジン環が挙げられる。
【0046】また、一般式(1)におけるAは多環系で
あっても良い。具体的には、一般式(7)に示すよう
な、複数の環系が単結合1本ずつで一次元的に連結され
た多環系である。
【0047】ここで、Zは酸素原子または硫黄原子を表
す。また、mは0〜2の整数を表す。これらの中で好ま
しくは、Zが硫黄原子である。また、mの好ましい範囲
は0または1であり、より好ましい範囲は0である。
【0048】
【化15】
【0049】一般式(1)におけるAの炭素環式芳香族
環は、芳香族環を構成する原子が全て炭素原子である環
式化合物である。炭素環式芳香族環は、五員環あるいは
六員環から構成される。好ましくは単環又は2〜5個の
芳香族環が縮合して構成されており、より好ましくは単
環又は2〜4個の芳香族環が縮合して構成されている。
【0050】炭素環式芳香族環に含有される炭素数は、
好ましくは6〜22個であり、より好ましくは6〜18
個である。
【0051】このような炭素環式芳香族環の具体的例示
として、縮合多環式芳香族環が挙げられる。ペンタレン
環、フェナレン環、トリフェニレン環、ペリレン環、イ
ンデン環、アズレン環、フェナントレン環、ピレン環、
ピセン環などが挙げられる。その中でもアセン形芳香族
環が好ましい。具体的な例示としては、ベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環、ナフタセン環、ペンタセ
ン環などが挙げられる。これらの中でより好ましくはベ
ンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環であり、さら
に好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
【0052】次に、一般式(1)におけるAは多環系で
あっても良い。具体的には、一般式(8)に示すよう
な、複数の環系が単結合1本ずつで一次元的に連結され
た多環系である。ここで、mは0〜2の整数である。ま
た、mの好ましい範囲は0または1であり、より好まし
い範囲は0である。
【0053】
【化16】
【0054】さらに、一般式(1)におけるAは一般式
(9)で示すような構造であっても良い。具体的例示と
しては、Z3=NHのカルバゾール環、Z3=Oのジベン
ゾフラン環、Z3=Sのジベンゾチオフェン環、Z3=C
2のフルオレン環、Z3=COのフルオレノン環、Z3
=SO2のジベンゾチオフェンスルフォン環が挙げられ
る。これらの中で、好ましくはジベンゾチオフェン環、
フルオレン環、フルオレノン環、ジベンゾチオフェンス
ルフォン環であり、より好ましくはジベンゾチオフェン
環、フルオレン環、フルオレノン環である。
【0055】
【化17】
【0056】Aで示される炭素環式芳香族環または複素
環式芳香族環として好ましい構造は、下記の構造式であ
る。
【0057】
【化18】
【0058】一般式(1)におけるAで示される複素環
式芳香族環または炭素環式芳香族環は置換基を有してい
ても良い。置換基としては、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0059】アルキル基としては、炭素数1〜4のアル
キル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、n−ブチル基の直鎖状のものと、イソ
プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基の分岐状のも
のが好ましい。
【0060】アルコキシ基としては、炭素数1〜3のア
ルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が好ましい。
【0061】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。好ましく
は、フッ素原子、塩素原子である。
【0062】これらの置換基は、融点やポリマーへの相
溶性等を考慮して決められる。ポリマーへの相溶性が悪
い場合には、嵩高いt−ブチル基等を導入するのが効果
的である。
【0063】次に、一般式(1)のB1〜Bnについて説
明する。B1〜Bnは、それぞれ独立に、置換基を有して
いても良い、炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基
を表す。
【0064】複素環式芳香族基は、2種またはそれ以上
の元素の原子から芳香族環が構成されている。2種以上
の元素の原子としては炭素原子、酸素原子、リン原子、
硫黄原子、窒素原子などが挙げられる。好ましくは2〜
5種の元素の原子で構成されており、より好ましくは2
〜4種の元素の原子で構成されている。なお、炭素原子
以外の原子をヘテロ原子と記載する。
【0065】複素環式芳香族基は、五員環あるいは六員
環から構成される。好ましくは1〜4個の芳香族環が縮
合して構成されており、より好ましくは1〜3個の芳香
族環が縮合して構成されている。
【0066】複素環式芳香族基に含有される炭素数は、
好ましくは4〜14個であり、より好ましくは4〜11
個である。
【0067】このような複素環式芳香族基の具体的例示
としては、まず、一般式(10)に示すヘテロ原子1個
を含む五員環を挙げられる。一般式(10)において、
Z=Oのフリル基であり、Z=Sのチエニル基であり、
Z=NHのピロリル基が挙げられる。これらの中で好ま
しくはチエニル基、フリル基であり、より好ましくはチ
エニル基である。
【0068】
【化19】
【0069】また、一般式(10)にベンゼン環が縮合
した一般式(11)が挙げられる。一般式(11)にお
いて、Z=NHのインドリル基であり、Z=Oのベンゾ
フリル基であり、Z=Sのベンゾチエニル基が挙げられ
る。これらの中で好ましくはベンゾチエニル基、ベンゾ
フリル基であり、より好ましくはベンゾチエニル基であ
る。
【0070】
【化20】
【0071】次に、一般式(12a)又は(12b)に
示すヘテロ原子2個を含む五員環が挙げられる。一般式
(12a)において、Z1=Oのオキサゾリル基であ
り、Z1=Sのチアゾリル基であり、Z1=NHのイミダ
ゾリル基が挙げられる。また、一般式(12b)におい
て、Z2=Oのイソオキサゾリル基であり、Z2=Sのイ
ソチアゾリル基であり、Z2=NHのピラゾリル基が挙
げられる。これらの中で好ましくはオキサゾリル基、チ
アゾリル基であり、より好ましくはチアゾリル基であ
る。
【0072】
【化21】
【0073】また、一般式(12a)又は(12b)に
示す五員環にベンゼン環が縮合した一般式(13a)又
は(13b)が挙げられる。一般式(13a)におい
て、Z 1=Oのベンゾオキサゾリル基であり、Z1=Sの
ベンゾチアゾリル基であり、Z 1=NHのベンゾイミダ
ゾリル基が挙げられる。また、一般式(13b)におい
て、Z2=Oのベンゾイソオキサゾリル基であり、Z2
Sのベンゾイソチアゾリル基であり、Z2=NHのベン
ゾピラゾリル基が挙げられる。これらの中で好ましくは
ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基であり、よ
り好ましくはベンゾチアゾリル基である。
【0074】
【化22】
【0075】ヘテロ原子3個以上含有する五員環とし
て、n−トリアジル基、s−トリアジル基、1,2,4−オ
キサジアゾリル基、1,3,5−オキサジアゾリル基、1,2,5
−オキサジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,
3,5−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、テ
トラゾリル基が挙げられる。これらの中で好ましいの
は、1,3,5−オキサジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリ
ル基であり、より好ましいのは1,3,5−チアジアゾリル
基である。
【0076】ヘテロ原子1個含有する六員環として、ピ
リジル基が挙げられる。また、ピリジル基にベンゼン環
が縮合したキノリル基、イソキノリル基が挙げられる。
好ましいのはピリジル基である。
【0077】次に、ヘテロ原子2個含有する六員環とし
て、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基が挙げら
れる。また、これらの六員環にベンゼン環が縮合したベ
ンゾ[d]ピリダジル基、ベンゾ[c]ピリダジル基、キナ
ゾリル基、キノキサリニル基が挙げられる。
【0078】さらに、ヘテロ原子3個含有する六員環と
して、トリアジル基が挙げられる。
【0079】一般式(1)におけるB1〜Bnの炭素環式
芳香族基は、芳香族環を構成する原子が全て炭素原子で
ある環式化合物基である。炭素環式芳香族基は、五員環
あるいは六員環から構成される。好ましくは単環又は2
〜5個の芳香族環が縮合して構成されており、より好ま
しくは単環又は2〜4個の芳香族環が縮合して構成され
ている。
【0080】炭素環式芳香族基に含有される炭素数は、
好ましくは6〜22個であり、より好ましくは6〜18
個である。
【0081】このような炭素環式芳香族基の具体的例示
として、縮合多環式芳香族基が挙げられる。ペンタレニ
ル基、フェナレニル基、トリフェニレニル基、ペリレニ
ル基、インデニル基、アズレニル基、フェナントリル
基、ピレニル基、ピセニル基などが挙げられる。その中
でもアセン形芳香族基が好ましい。具体的な例示として
は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ナフタセ
ニル基、ペンタセニル基などが挙げられる。これらの中
で好ましくはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル
基であり、より好ましくは、フェニル基、ナフチル基で
ある。
【0082】一般式(1)におけるB1〜Bnの好ましい
構造は、下記の構造式である。
【0083】
【化23】
【0084】一般式(1)においてB1〜Bnは、全て同
じであっても良いし、全て異なっていても良い。
【0085】B1〜Bnで示される炭素環式芳香族基また
は複素環式芳香族基は置換されていても良い。置換基と
しては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子など
を挙げることができる。
【0086】アルキル基としては、炭素数1〜4のアル
キル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、n−ブチル基の直鎖状のものと、イソ
プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基の分岐状のも
のが好ましく、特に好ましくはメチル基、エチル基、n
−ブチル基、t−ブチル基である。
【0087】アルコキシ基としては、炭素数1〜3のア
ルコキシ基が好ましい。具体的には、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、
メトキシ基は特に好ましい。
【0088】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。好ましく
は、フッ素原子、塩素原子、特に好ましくはフッ素原子
である。
【0089】これらの置換基は、融点やポリマーへの相
溶性等を考慮して決められる。ポリマーへの相溶性が悪
い場合には、嵩高いt−ブチル基等を導入するのが効果
的である。また、直鎖状アルキル基においては、非対称
の位置、例えばフェニル基にメチル基を導入する場合に
はパラ位よりもメタ位の方が好ましい。
【0090】一般式(1)においてnは2〜12の整数
を表す。nはAの分子構造により決まるもので、特に限
定されるものではない。Aが複素環式芳香族環である場
合には、nの好ましい範囲は2〜6であり、より好まし
い範囲は2〜4である。また、Aが炭素環式芳香族環で
ある場合には、nの好ましい範囲は2〜10であり、よ
り好ましい範囲は2〜6である。
【0091】一般式(1)においてkは1〜nの整数を
表す。置換位置は、できるだけ分子の対称性が高くなる
ように導入するのが好ましい。具体的には、n=3の場
合に、ベンゼン環の1,2,4−位よりも1,3,5−
位に置換基を導入することが好ましい。
【0092】本発明にかかる芳香族スルフィド化合物を
用いた光学材料は、レンズや光学フィルターなどの材
料、あるいは低屈折率な材料と組み合わせて積層フィル
ムとすることにより、反射防止膜として利用することも
できる。また、一般カメラ用レンズ、ビデオカメラ用レ
ンズ、レーザーピックアップレンズ、レーザブリンター
用fθレンズ、フレネルレンズ、液晶プロジェクター用
レンズ、眼鏡用レンズ等のレンズ、プロジェクター用ス
クリーン、光ファイバー、光導波路、プリズム等の光学
部品などへの適用が挙げられる。これらの中でもPOF
の材料として好適に用いることができる。
【0093】このような光学部品において、透明性ポリ
マーとドーパントが均一に分散されている場合と分布を
持つ場合に分けられる。屈折率分布を持つ場合にはGI型
POFと複写機に使用されているアレイレンズへの適用が
好ましい。
【0094】本発明の光学材料の製造方法としては、射
出成形法、圧縮成形法、マイクロモールド法、フローテ
ィングモールド法、ローリンクス法、注型法等の公知の
成形法を利用することができる。注型法においては、部
分的に重合を進めた後、型に注入し、最終的な重合を行
って、成形品を得ると同時に本発明に係わる光学材料を
製造してもよい。また、成型用サンプルは、射出成形法
の場合には熱可塑性樹脂にドーパントを配合して均一に
なるまで撹拌することにより得ることができ、注入法の
場合には例えばUV硬化性モノマーにドーパントを添加
して均一になるまで撹拌することにより得ることができ
る。
【0095】さらに、上記のような成形法により得られ
た成形品表面に、MgF2、SiO2などの無機化合物を
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法などによってコーティングすること、また、成形品表
面にシランカップリング剤などの有機シリコン化合物、
ビニルモノマー、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素
系樹脂、シリコーン樹脂などをハードコートすることな
どによって、耐湿性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性、
曇り止めなどを向上させることができる。
【0096】以下、GI型POFの材料として本発明の
芳香族スルフィド化合物を用いる場合についてより詳細
に説明する。
【0097】かかる用途として、本発明の芳香族スルフ
ィド化合物を用いる場合は、高屈折率ドーパントとして
用いられることが一般的であるため、屈折率が1.60
〜2.0の範囲であることが好ましく、1.63〜1.
90の範囲であることがより好ましい。
【0098】なお、これらの高屈折率ドーパントは、コ
ア部に単独で含まれていても良く、これらの中から複数
選択してコア部に含まれていても良く、または、他の公
知のドーパントとこれらの1つないし複数とがコア部に
含まれていても良い。
【0099】POFのコア部に含まれる高屈折率ドーパ
ントの含有量は、所望の屈折率分布が得られ、かつファ
イバーの機械的強度等を損なわなければ特に制限される
ものではない。好ましくは、高屈折率ドーパントはPO
F材料が重合により製造される際に、コア部を構成する
重合体のモノマーに添加され、このモノマーと高屈折率
ドーパントとの混合物に対して重合反応を行うことによ
り製造されたPOF材料のコア部に含まれる。POFの
コア部における高屈折率ドーパントの含有量は、好まし
くは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%
以下であり、さらに好ましくは45質量%以下である。
【0100】本発明のPOFに使用される高屈折率ドー
パント化合物の分子体積は、使用するコア部POF材料
のモノマーとの組み合わせにより決定されるものであ
り、特に限定されるものではない。従来のPOFで用い
られているメタクリル酸メチルの分子体積は101Å3
程度であることを考慮すると、メタクリル酸メチルをコ
ア部母材モノマーとして用いる場合には、100〜50
0Å3の範囲であることが好ましく、150〜400Å3
の範囲であることがより好ましい。
【0101】光ファイバの中心部と外周部とに高屈折率
差があることは、開口数を大きくさせ、伝送損失を低く
するだけでなく、結合損失及び曲げ損失を低くするので
好ましい。本発明のプラスチック光ファイバーにおける
開口数は、好ましくは0.15〜0.40の範囲であ
り、より好ましくは0.18〜0.30の範囲である。
【0102】以上説明したように、本発明に係る芳香族
スルフィド化合物は、一般式(1)で表される骨格を有
する化合物からなり、このような芳香族スルフィド化合
物としては、具体的には次表に記載した化合物を挙げる
ことができる。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
【表6】
【0109】
【表7】
【0110】
【表8】
【0111】
【表9】
【0112】
【表10】
【0113】
【表11】
【0114】
【表12】
【0115】
【表13】
【0116】
【表14】
【0117】
【表15】
【0118】
【表16】
【0119】
【表17】
【0120】
【表18】
【0121】
【表19】
【0122】
【表20】
【0123】
【表21】
【0124】
【表22】
【0125】
【表23】
【0126】
【表24】
【0127】
【表25】
【0128】
【表26】
【0129】
【表27】
【0130】
【表28】
【0131】
【表29】
【0132】
【表30】
【0133】
【表31】
【0134】
【表32】
【0135】
【表33】
【0136】
【表34】
【0137】
【表35】
【0138】
【表36】
【0139】
【表37】
【0140】
【表38】
【0141】
【表39】
【0142】
【表40】
【0143】
【表41】
【0144】本発明の芳香族スルフィド化合物は、ハロ
ゲン体とチオール体とを塩基下にて反応させることによ
り得ることが出来る。
【0145】
【化24】
【0146】次に本発明のn=2の場合の芳香族スルフ
ィド化合物の製造方法について詳しく説明する。製造方
法として、上記いずれの合成経路でも製造可能である
が、これらに限定されるものではない。
【0147】以下、方法Iについて詳細に説明する。即
ち、本発明のPOFに含有する芳香族スルフィド化合物
は、ジハロゲン体とチオール体とを塩基の存在下にて反
応させることにより得ることができる。
【0148】反応に用いられるジハロゲン体は、目的と
する芳香族化合物をハロゲン化することにより容易に得
ることができる。
【0149】反応に用いられるチオール体は、例えばCa
n. J. Chem., 53, 1480 (1975)等に記載されているよう
なジアゾニウム塩と硫化アニオンとの求核置換反応によ
り容易に得られる。チオール体の合計使用量はジハロゲ
ン体に対して2〜5倍モル、好ましくは2〜3倍モルで
ある。
【0150】本発明に用いられる塩基としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、N,N―ジメチルアニリン等の第3
級アミン、ナトリウムメチラートやナトリウムエチラー
ト、カリウムtert−ブチラート等の金属アルコラート等
が挙げられる。好ましくは、ナトリウムメチラートやナ
トリウムエチラート等の金属アルコラートである。
【0151】塩基の使用量はジハロゲン体に対して2〜
5倍モル、好ましくは2〜3倍モルである。
【0152】反応温度は、100〜200℃の範囲であ
り、好ましくは130〜180℃の範囲である。反応温
度が180℃を超えると副生成物が増加し、目的とする
芳香族スルフィド化合物の収率が低下する。また、反応
温度が100℃より低いと反応速度が遅くて実用的では
ない。
【0153】反応溶媒は極性有機溶媒を用いることが好
ましい。極性有機溶媒としては、例えば、N−メチル−
2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等を挙げることができる。
【0154】その他の製造方法としては、例えばTetrah
edron Lett., 39, 543 (1998)に記載の方法により製造
することができる。
【0155】なお、上記方法は本発明で高屈折率ドーパ
ントとして用いられる芳香族スルフィド化合物の製造方
法の一例であって、本発明で高屈折率ドーパントとして
用いられる芳香族スルフィド化合物は、この製造方法で
のみ得られる化合物に限定されるものではない。
【0156】本発明のPOF材料は、コア部と、コア部
の中心部より低い屈折率を有するクラッド部とから構成
されている。
【0157】本発明のPOFのコア部を構成する重合体
は、透明な重合体を形成しうるものであれば特に制限は
なく使用することが可能である。例えば、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メ
タクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸ジシクロペ
ンタニル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチ
ル、メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピル、メタクリル酸2,2,3,3、3−ペンタフルオ
ロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘ
キサフルオロブチル、メタクリル酸1−トリフルオロメ
チル−2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸
1H,1H,5H−オクタフルオルペンチル等のメタク
リル酸エステル類の単独重合体あるいは共重合体もしく
はこれらのブレンド重合体、置換基としてメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シク
ロヘキシル基等を有する脂肪族のN−置換マレイミド単
量体類の単独重合体あるいは共重合体もしくはこれらの
ブレンド重合体、スチレン及びその誘導体の単独重合体
あるいは共重合体もしくはこれらのブレンド重合体等が
挙げられる。
【0158】本発明のPOFのクラッド部を構成する重
合体には、透明な重合体を形成しうるものであれば特に
制限はなく使用することが可能である。例えば、ポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(P
C)、メタクリル酸あるいはメタクリル酸メチルと他の
単量体との透明な共重合体が用いられる。他の単量体と
しては、単官能の(メタ)アクリレート類、フッ素化ア
ルキル(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリ
ル酸等のアクリル系単量体などが使用可能である。
【0159】本発明のPOFは公知の方法にて製造する
ことができるが、一般的には以下に例示する2通りの方
法で製造される。一つはプリフォーム(母材)からファ
イバーを熱延伸する方法で、他方はプリフォームを介さ
ずに連続的にファイバーを成形する方法である。なお、
ポリマー光ファイバーへと紡糸する前の状態の光学材料
をPOF母材と定義する。
【0160】プリフォーム法では、予め作製しておいた
重合体製中空管の中空内に、その中空管の重合体を溶解
しかつ非重合性低分子化合物を分散含有する重合性溶液
(単量体成分、重合開始剤、分子量調整剤を含む単量体
混合物)を充填させ、外部から加熱または光照射により
単量体を外部から重合させ、ロッド状のプリフォームを
得、その後に、所望の径になるように加熱延伸する方法
である。この際の重合体製中空管は、非重合性の低分子
化合物を含有しない以外は中空部内に充填した物と同じ
単量体混合物から形成してもよいし、また、その主成分
となる単量体が同じであれば異なる単量体混合物から形
成してもよい。
【0161】また、分子量調整剤としてはn−ブチルメ
ルカプタン等のメルカプタン類等の通常のラジカル連鎖
移動剤が用いられる。また、重合開始剤としてはアゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイ
ル等の過酸化物等の通常のラジカル重合開始剤が用いら
れる。このとき、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル
等の、約40℃〜約100℃で有効にラジカルを発生す
るいわゆる中温開始剤が好適に使用可能である。従っ
て、このような中温開始剤を用いた場合、重合反応の温
度条件は、好適には約40℃〜約100℃である。反応
熱や反応自体による膨脹収縮によって重合反応中若しく
は反応後ポリマーにクラック等が生じないように、並び
に、反応熱によってモノマーが反応中に沸騰することの
ないように、重合反応速度は調節される必要があり、こ
れは重合温度と開始剤濃度との組み合わせにより調節可
能である。ラジカル重合反応の開始剤の添加量は、約4
0℃〜約100℃の重合反応開始の条件に関して、系全
体に対して0.001〜10質量%程度、更には0.0
1〜0.3質量%程度であればよい。尚、このような熱
エネルギーによる塊状重合以外にも、光エネルギーを用
いた塊状重合等も使用可能である。この場合においても
同様に、温度等の入力エネルギー量と開始剤濃度との組
み合わせにより、重合反応速度を調節することが可能で
ある。
【0162】POF母材を加熱溶融してPOFへと紡糸
する際の線引きの作業性の点から、POF母材のコア部
とクラッド部とを構成する重合体の重量平均分子量が、
10,000以上300,000以下であることが好ま
しく、更には30,000以上250,000以下であ
ることが好ましく、特に50,000以上200,00
0以下であることが好ましい。
【0163】プラスチック光ファイバ材料のコア又はク
ラッド部が、加熱により開始する重合反応により製造さ
れる場合には、コア又はクラッド部の製造に用いられる
製造装置は、POF母材を回転可能で、且つ温度制御の
機能をもつ加熱手段を有する装置であれば、形態を問わ
ず、本発明に好適に使用できる。但し、この重合反応に
は、空気中の酸素に反応の進行が阻害される場合もある
ため、POF母材をモールドに挿入して設置する際、そ
の両端を封止できる機能が具備されることが好ましい。
【0164】また、連続方式としては、非重合性化合物
を含有する低重合度重合体と非重合性化合物を含まぬ高
重合度重合体を、非重合性化合物を含まぬ高重合度重合
体を外側にして、複合紡糸し、内部の非重合性化合物を
加熱拡散する方法も採用できる。
【0165】このように作製したGI型POFの外周部
に被覆層(ジャケット層)を設けることができる。被覆
層は2層以上の多層構造とすることができる。被覆層
(ジャケット層)にはポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
塩素化ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリオレフィ
ンエラストマ、ポリウレタン、ナイロン樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等の公知の物を使用できる。
【0166】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。本発明に係る芳香族スルフィド化合物の合成例を実
施例1〜7に示す。
【0167】本発明の光学材料の屈折率測定は、以下の
ように行なった。PMMA(アルドリッチ製試薬、Mw
=120,000)中に組成比を変えたサンプルをシリコン基
板上にスピンコートし、プリズムカプラ法(波長633
nm)により屈折率を測定した。また、組成比と屈折率
との関係から、本発明に係る芳香族スルフィド化合物の
屈折率を算出した。
【0168】本発明の光学材料のガラス転移温度は、マ
ックサイエンス社製DSCを用いて昇温速度10℃/m
inにて測定した。
【0169】本発明に係る芳香族スルフィド化合物を用
いたPOFの光学部品としての性能を実施例16〜21
に示す。屈折率分布の測定は、カールツアイス社製イン
ターファコ干渉顕微鏡を用いて公知の方法で測定した。
光伝送損失はHe−Neレーザー光(波長633nm)を用
いてカットバック法により測定した。
【0170】実施例1:2,5−ビス(フェニルチオ)
チオフェンの合成 2,5−ジブロモチオフェン12.10g(0.050
mol)、チオフェノール12.12g(0.110m
ol)、酸化銅(I)3.58g(0.025mol)
をピリジン/キノリン(1/4)100mlに入れて1
60℃で42時間還流させた。反応液を6N塩酸で処理
し、トルエンで抽出した。有機層を取り出してエバポレ
ーターで溶媒を除去して、淡黄色の液体を得た。得られ
た液体をエタノールから再結晶することにより、目的物
を得た。収量:10.1g(収率67.0%)。融点:
47〜48℃。
【0171】
【化25】
【0172】実施例2:4,4’−ビス(フェニルチ
オ)ビフェニルの合成 4,4’−ジブロモビフェニル12.50g(0.040mo
l)、チオフェノール9.70g(0.088mol)、KOH4.94
g(0.088mol)をDMI100mlに入れて、160℃で6
2時間反応させた。反応液をトルエンで抽出後、溶媒を
除去して白色固体を得た。これをトルエン/ヘキサン(2
/8)を展開溶媒としてカラム精製を行い、白色固体を得
た。IPA/酢酸エチル(9/1)から再結晶を行い、光沢の
ある薄板状の白色固体の目的物を得た。収量:11.5
g(収率78.0%)。融点:117.7℃。
【0173】
【化26】
【0174】実施例3:1,4−ビス(フェニルチオ)
ベンゼンの合成 p−ジブロモベンゼン11.80g(0.050mol)、チオフ
ェノール13.22g(0.120mol)、KOH6.73g(0.120m
ol)をDMI100mlに入れて、160℃で57時間反応さ
せた。反応液をトルエンで抽出後、溶媒を除去して白色
固体を得た。これをトルエン/ヘキサン(1/9)を展開溶
媒としてカラムクロマトグラフィーを行い、淡黄色の固
体を得た。エタノールから再結晶を行い、光沢のある薄
板状の白色固体の目的物を得た。収量7.18g(収率
49.0%)。融点:80〜81℃。
【0175】
【化27】
【0176】実施例4:1,3,5−トリス(フェニル
チオ)ベンゼンの合成 1,3,5−トリブロモベンゼン15.40g(0.0489mo
l)、チオフェノール16.43g(0.149mol)、酸化銅
(I)3.56g(0.025mol)をピリジン/キノリン(1
/4)100mlに入れて160℃で57時間還流させた。反
応液(固体)をトルエンに溶解させて水洗した。その
後、6N塩酸で洗浄し、トルエン層を抽出して溶媒を除
去し、淡黄色の液体を得た。トルエン/ヘキサン(2/8)
を展開液としてカラムクロマトグラフィーを行い、白色
固体の目的物を得た。収量:13.0g(収率66.0
%)。融点:40〜41℃。
【0177】
【化28】
【0178】実施例5:2,5’−ビス(フェニルチ
オ)ビチオフェンの合成 撹拌機、温度計、ジムロート型冷却菅を備えた4つ口フ
ラスコに5,5’−ジブロモ-2,2’−ジチオフェン4.86g
(0.015mol)、チオフェノール6.78g(0.062mo
l)、水酸化カリウム4.04g(0.072mol)、脱水D
MI50mlを仕込み、反応温度130℃で13時間30分、160
℃で6時間30分還流させた。この反応液に、水500gを加
えて撹拌し、さらにトルエンを加えて撹拌し、反応液を
分液した。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで脱水し、トルエンを留去して淡
黄色の固体を得た。この固体をIPAから再結晶して精
製することにより、淡黄色の針状結晶の目的物を得た。
収量:5.23g(収率91.1%)。融点:110〜
112℃。
【0179】
【化29】
【0180】実施例6:4,6−ビス(フェニルチオ)
ピリミジンの合成 撹拌機、温度計、ジムロート型冷却菅を備えた4つ口フ
ラスコに4,6−ジクロロピリミジン7.45g(0.050m
ol)、チオフェノール22.12g(0.201mol)、水酸
化カリウム11.32g(0.202mol)、脱水DMI80ml
を仕込み、反応温度130℃で1時間50分、150℃で4時間3
0分還流させた。この反応液に、水1000gを加えて撹拌
し、さらに酢酸エチルを加えて撹拌し、反応液を分液し
た。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで脱水し、酢酸エチルを留去して茶色の
固体と液体の混合物を得た。この液体をトルエン/酢酸
エチル(8/2)でカラム精製を行い、黄色固体を得た。
この固体と先の固体をIPAから再結晶して精製するこ
とにより、淡黄色の結晶の目的物を得た。収量:7.7
5g(収率52.3%)。融点:117℃。
【0181】
【化30】
【0182】実施例7:1,3,5−トリス(フェニル
チオ)トリアジンの合成 撹拌機、温度計、ジムロート型冷却菅を備えた4つ口フ
ラスコに、チオフェノール16.58g(0.150mol)、水
酸化カリウム9.90g(0.176mol)、脱水DMI80m
lを仕込み、反応温度80℃で2時間加熱した。この反応
液に、塩化シアヌル9.22g(0.050mol)を加えて反
応温度120℃で3時間、140℃で9時間還流させた。この反
応液に水を加えて撹拌し、さらに酢酸エチルを加えて撹
拌し、反応液を分液した。有機層を飽和NaCl水溶液
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、酢酸エ
チルを留去して黄色の粘性のある液体を得た。この液体
をトルエン/ヘキサン(6/4)でカラム精製を行い、黄色
の粘性のある液体を得た。(放置後結晶化)この固体を
IPAから再結晶して精製することにより、白色の針状
結晶の目的物を得た。収量:8.79g(収率:43.3%)。
融点:97〜99℃。
【0183】
【化31】
【0184】[屈折率の測定] 実施例8 実施例4に記載した1,3,5−トリス(フェニルチ
オ)ベンゼンをPMMA中に組成比を変えて分散させた
スピンコート膜の屈折率をプリズムカプラー法により測
定した。結果を図1に示す。この直線を外挿することに
より、1,3,5−トリス(フェニルチオ)ベンゼンは
n=1.702の屈折率を有することが分かった。
【0185】比較例1 ジフェニルスルフィドをPMMA中に分散させたスピン
コート膜の屈折率を実施例8と同様に測定した。結果を
図1に示す。外挿よりジフェニルスルフィドはn=1.
615の屈折率を有することが分かった。
【0186】実施例9〜14 実施例8と同様にして屈折率の組成比依存性を測定し、
直線を外挿して本発明化合物の屈折率を算出した。結果
を表42に示す。いずれの化合物もジフェニルスルフィ
ドより高屈折率であることがわかった。
【0187】
【表42】
【0188】[ガラス転移温度の測定] 実施例15 実施例4に記載した1,3,5−トリス(フェニルチ
オ)ベンゼンをPMMA中に組成比を変えて分散させた
フィルムのガラス転移温度を測定した。図2に測定した
ガラス転移温度を屈折率に対してプロットした結果を示
した。
【0189】比較例2 ジフェニルスルフィドをPMMA中に分散させたフィル
ムのガラス転移温度を実施例15と同様に測定した。結
果を図2に示した。
【0190】[光学部品] 実施例16 水平に保持した長さ500mm、内径18mmのガラス
管にモノマーとしてメタクリル酸メチル(MMA)11
2g、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.
56g、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタン35
0μリットルを充填した。ガラス管の両端をシールした
後、3000rpmで回転させながら70℃で20時間
加熱し、その後回転を止め90℃で10時間加熱し重合
してポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる重合
管を作製した。このポリマーロッドの中心にドリルで5
mm径の中空部を形成して中空管を得た。
【0191】このPMMA製中空管の片端を封じ、MM
A48g、下記に示した高屈折率ドーパント12g、重
合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド54μリ
ットル、連鎖移動剤としてn−ラウリルメルカプタン1
60μリットルを充填し、他端を封じた後、水平に保持
し、10rpmで回転させながら95℃で24時間加
熱、その後回転を止め110℃で48時間加熱し重合し
て外径18mmのロッドを得た。
【0192】
【化32】
【0193】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向に連続的に減少していた。得ら
れた光ファイバの100m長における伝送特性を評価し
たところ、伝送損失が波長650nmにおいて17.8
dB、伝送帯域が3.4GHzであり、屈折率分布型P
OFとして良好な性能を有していた。また、得られた光
ファイバを85℃のオーブンに入れて加熱試験を行い、
3000時間後における屈折率分布を測定したところ、
初期の屈折率分布を保持していた。
【0194】実施例17 実施例16と同様に作製したPMMA製中空管を用い、
このPMMA製中空管にMMA48g、下記に示した高
屈折率ドーパント12g、重合開始剤としてジ−t−ブ
チルパーオキサイド54μリットル、連鎖移動剤として
n−ラウリルメルカプタン160μリットルを充填し、
他端を封じた後、水平に保持し、10rpmで回転させ
ながら95℃で24時間加熱、その後回転を止め110
℃で48時間加熱し重合して外径18mmのロッドを得
た。
【0195】
【化33】
【0196】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向になだらかに減少していた。得
られた光ファイバの100m長における伝送特性を評価
したところ、伝送損失が波長650nmにおいて15.
3dB、伝送帯域が3.1GHzであり、屈折率分布型
プラスチック光ファイバとして良好な性能を有してい
た。また、得られた光ファイバを85℃のオーブンに入
れて加熱試験を行い、3000時間後における屈折率分
布を測定したところ、初期の屈折率分布を保持してい
た。
【0197】実施例18 実施例16と同様に作製したPMMA製中空管を用い、
このPMMA製中空管にMMA48g、下記に示した高
屈折率ドーパント12g、重合開始剤としてジ−t−ブ
チルパーオキサイド54μリットル、連鎖移動剤として
n−ラウリルメルカプタン160μリットルを充填し、
片端を封じた後、水平に保持し、10rpmで回転させ
ながら95℃で24時間加熱、その後回転を止め110
℃で48時間加熱し重合して外径17.6mmのロッド
を得た。
【0198】
【化34】
【0199】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向になだらかに減少していた。得
られた光ファイバの100m長における伝送特性を評価
したところ、伝送損失が波長650nmにおいて14.
5dB、伝送帯域が2.3GHzであり、屈折率分布型
プラスチック光ファイバとして良好な性能を有してい
た。また、得られた光ファイバを85℃のオーブンに入
れて加熱試験を行い、3000時間後における屈折率分
布を測定したところ、初期の屈折率分布を保持してい
た。
【0200】実施例19 実施例16と同様に作製したPMMA製中空管を用い、
このPMMA製中空管にMMA48g、下記に示した高
屈折率ドーパント12g、重合開始剤としてジ−t−ブ
チルパーオキサイド54μリットル、連鎖移動剤として
n−ラウリルメルカプタン160μリットルを充填し、
他端を封じた後、水平に保持し、10rpmで回転させ
ながら95℃で24時間加熱、その後回転を止め110
℃で48時間加熱し重合して外径18mmのロッドを得
た。
【0201】
【化35】
【0202】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向に連続的に減少していた。得ら
れた光ファイバの100m長における伝送特性を評価し
たところ、伝送損失が波長650nmにおいて17.8
dB、伝送帯域が3.5GHzであり、屈折率分布型P
OFとして良好な性能を有していた。また、得られた光
ファイバを85℃のオーブンに入れて加熱試験を行い、
3000時間後における屈折率分布を測定したところ、
初期の屈折率分布を保持していた。
【0203】実施例20 実施例16と同様に作製したPMMA製中空管を用い、
このPMMA製中空管にMMA48g、下記に示した高
屈折率ドーパント12g、重合開始剤としてジ−t−ブ
チルパーオキサイド54μリットル、連鎖移動剤として
n−ラウリルメルカプタン160μリットルを充填し、
他端を封じた後、水平に保持し、10rpmで回転させ
ながら95℃で24時間加熱、その後回転を止め110
℃で48時間加熱し重合して外径18mmのロッドを得
た。
【0204】
【化36】
【0205】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径0.75mmの光ファイバを得た。得られた光ファイ
バのファイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折
率が中心部から外側方向になだらかに減少していた。得
られた光ファイバの100m長における伝送特性を評価
したところ、伝送損失が波長650nmにおいて16.
2dB、伝送帯域が3.1GHzであり、屈折率分布型
プラスチック光ファイバとして良好な性能を有してい
た。また、得られた光ファイバを85℃のオーブンに入
れて加熱試験を行い、3000時間後における屈折率分
布を測定したところ、初期の屈折率分布を保持してい
た。
【0206】実施例21 実施例1に記載した2,5−ビス(フェニルチオ)チオ
フェンをPMMAに20wt%添加し、乳鉢で10分間
混合した。この試料を熱プレス機によりフィルムを得て
光学物性を測定したところ、全光線透過率91%、色相
3.5、nd1.5187、アッべ数46.7のフィル
ムを得ることができた。PMMA単独の透過率や色相をあま
り変化させずに屈折率を向上させることがわかった。
【0207】
【発明の効果】本発明の光学材料は、従来知られていた
ドーパントよりも効率良く高屈折率化できるものであ
り、可塑効果が小さく耐熱性に優れており、光学材料と
しての信頼性を向上させるものである。
【0208】また、本発明の光学部品の一種であるGI型
POFは、従来のものに比べ屈折率分布の耐熱安定性に優
れたもであり、光ファイバとしての伝送特性の信頼性を
向上させたものである。
【0209】したがって、本発明のPOFは、従来のPOFで
は使用できなかった自動車のエンジンルーム等の耐熱性
が要求される分野においても長期的に使用が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8及び比較例1で測定したドーパント濃
度の変化によるスピンコート膜の屈折率の変化を示すグ
ラフである。
【図2】実施例15及び比較例2で測定したガラス転移
温度と屈折率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 277/74 C07D 277/74 4C071 285/125 307/66 4C072 307/66 333/18 4H006 333/18 333/34 4J002 333/34 333/48 333/48 333/62 333/62 403/14 403/14 405/14 405/14 409/12 409/12 409/14 409/14 413/12 413/12 413/14 413/14 417/12 417/12 417/14 417/14 495/04 101 495/04 101 513/04 301 513/04 301 C08K 5/372 C08K 5/372 C08L 33/10 C08L 33/10 C07D 285/12 D (72)発明者 大辻 淳夫 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 2H050 AB42Z AB43Z AB50Z AC05 AD00 4C033 AE09 AE17 4C036 AD08 AD27 4C056 AA01 AB01 AC02 AD03 AE03 CA19 CC01 4C063 AA03 AA05 BB08 CC43 CC62 CC67 CC75 CC92 DD29 DD52 DD62 DD67 DD75 EE10 4C071 AA01 BB01 CC21 DD04 EE13 FF23 HH11 JJ01 LL05 4C072 AA01 BB02 CC02 CC17 EE12 FF19 GG07 HH02 UU05 4H006 AA01 AA03 AB92 TA04 TB73 4J002 AA011 BG051 BG061 EV056

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される芳香族スルフィ
    ド化合物を少なくとも1種含有してなる光学材料。 【化1】 [式中、 nは2〜12の整数を表し、kは1〜nの整
    数を表す。Aは、置換基を有していても良い、n価の炭
    素環式芳香族環または複素環式芳香族環を表し、 B1〜Bnは、それぞれ独立に、置換基を有していても良
    い、炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基を表
    す。]
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、nは2〜4の整
    数であり、かつAは置換基を有していても良い複素環式
    芳香族環である請求項1記載の光学材料。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、B1〜Bnが、そ
    れぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、
    置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有し
    ていても良いナフチル基、置換基を有していても良いチ
    エニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
    基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
    置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
    有していても良いチアゾリル基のいずれかである請求項
    2記載の光学材料。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、Aは置換基を有
    していても良いチオフェン環、置換基を有していても良
    いチオフェン−1,1−ジオキシド環、置換基を有して
    いても良いチオフェンチアジアゾール環、置換基を有し
    ていても良いチエノ[3,2−b]チオフェン環、置換基
    を有していても良いトリアジン環、置換基を有していて
    も良いピリミジン環のいずれかから選ばれる2価の複素
    環式芳香族環である請求項2記載の光学材料。
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、B1〜Bnが、そ
    れぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、
    置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有し
    ていても良いナフチル基、置換基を有していても良いチ
    エニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
    基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
    置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
    有していても良いチアゾリル基のいずれかである請求項
    4記載の光学材料。
  6. 【請求項6】 一般式(1)において、Aが置換基を有
    していても良いチオフェン環、置換基を有していても良
    いトリアジン環、置換基を有していても良いピリミジン
    基のいずれかから選ばれる3価の複素環式芳香族環であ
    る請求項2記載の光学材料。
  7. 【請求項7】 一般式(1)において、B1〜Bnが、そ
    れぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、
    置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有し
    ていても良いナフチル基、置換基を有していても良いチ
    エニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
    基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
    置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
    有していても良いチアゾリル基のいずれかである請求項
    6記載の光学材料。
  8. 【請求項8】 一般式(1)において、Aは置換基を有
    していても良いチオフェン環、置換基を有していても良
    いチエノ[3,2−b]チオフェン環のいずれかから選ば
    れる4価の複素環式芳香族環である請求項2記載の光学
    材料。
  9. 【請求項9】 一般式(1)において、B1〜Bnが、そ
    れぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル基、
    置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を有し
    ていても良いナフチル基、置換基を有していても良いチ
    エニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾリル
    基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル基、
    置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換基を
    有していても良いチアゾリル基のいずれかである請求項
    8記載の光学材料。
  10. 【請求項10】 一般式(1)において、nが2〜6の
    整数であり、かつAは置換基を有していても良い炭素環
    式芳香族環である請求項1記載の光学材料。
  11. 【請求項11】 一般式(1)において、B1〜Bnが、
    それぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル
    基、置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を
    有していても良いナフチル基、置換基を有していても良
    いチエニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾ
    リル基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル
    基、置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換
    基を有していても良いチアゾリル基のいずれかである請
    求項10記載の光学材料。
  12. 【請求項12】 一般式(1)において、Aが置換基を
    有していても良いベンゼン環、置換基を有していても良
    いナフタレン環、置換基を有していても良いフルオレン
    環、置換基を有していても良いビフェニル環のいずれか
    から選ばれる2価の炭素環式芳香族環である請求項10
    記載の光学材料。
  13. 【請求項13】 一般式(1)において、B1〜Bnが、
    それぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル
    基、置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を
    有していても良いナフチル基、置換基を有していても良
    いチエニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾ
    リル基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル
    基、置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換
    基を有していても良いチアゾリル基のいずれかである請
    求項12記載の光学材料。
  14. 【請求項14】 一般式(1)において、Aが置換基を
    有していても良いベンゼン環、置換基を有していても良
    いフルオレン環のいずれかから選ばれる3価の炭素環式
    芳香族環である請求項10記載の光学材料。
  15. 【請求項15】 一般式(1)において、B1〜Bnが、
    それぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル
    基、置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を
    有していても良いナフチル基、置換基を有していても良
    いチエニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾ
    リル基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル
    基、置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換
    基を有していても良いチアゾリル基のいずれかである請
    求項14記載の光学材料。
  16. 【請求項16】 一般式(1)において、Aが置換基を
    有していても良いベンゼン環、置換基を有していても良
    いビフェニル環のいずれかから選ばれる4価の炭素環式
    芳香族環である請求項10記載の光学材料。
  17. 【請求項17】 一般式(1)において、B1〜Bnが、
    それぞれ独立に、置換基を有していても良いフェニル
    基、置換基を有していても良いピリミジル基、置換基を
    有していても良いナフチル基、置換基を有していても良
    いチエニル基、置換基を有していても良いベンゾチアゾ
    リル基、置換基を有していても良いベンゾオキサゾリル
    基、置換基を有していても良いチアジアゾリル基、置換
    基を有していても良いチアゾリル基のいずれかである請
    求項16記載の光学材料。
  18. 【請求項18】 ポリマー光ファイバー材料である請求
    項1〜17記載の光学材料。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のポリマー光ファイバ
    ー材料からなる光学部品。
  20. 【請求項20】 GI型ポリマー光ファイバーである請
    求項19記載の光学部品。
  21. 【請求項21】 一般式(1a)で表される芳香族スル
    フィド化合物。 【化2】 [式中、 kは1〜2の整数を表す。Aは、置換されて
    いても良いベンゼン環、置換されていても良いナフタレ
    ン環、置換されていても良いフルオレン環、置換基を有
    していて良いビフェニル環、置換されていても良いチオ
    フェン環、置換されていても良いチオフェン−1,1−ジ
    オキシド環、置換されていても良いチオフェンチアジア
    ゾール環、置換基を有していても良いチエノ[3,2−
    b]チオフェン環、置換基を有していても良いトリアジ
    ン環、置換基を有していても良いピリミジン環から選ば
    れる2価の炭素環式芳香族環または複素環式芳香族環を
    表し、 B1、B2は、それぞれ独立に、置換されていても良いフ
    ェニル基、置換されていても良いピリミジル基、置換さ
    れていても良いナフチル基、置換されていても良いチエ
    ニル基、置換されていても良いベンゾチアゾリル基、置
    換されていても良いベンゾオキサゾリル基、置換されて
    いても良いチアジアゾリル基、置換されていても良いチ
    アゾリル基から選ばれる炭素環式芳香族基または複素環
    式芳香族基を表す。]
  22. 【請求項22】 一般式(1b)で表される芳香族スル
    フィド化合物。 【化3】 [式中、 kは1〜3の整数を表す。Aは、置換されて
    いても良いベンゼン環、置換されていても良いフルオレ
    ン環、置換されていても良いチオフェン環、置換されて
    いても良いトリアジン環、置換されていても良いピリミ
    ジン環から選ばれる3価の炭素環式芳香族環または複素
    環式芳香族環を表し、 B1、B2、B3は、それぞれ独立に、置換されていても
    良いフェニル基、置換されていても良いピリミジル基、
    置換されていても良いナフチル基、置換されていても良
    いチエニル基、置換されていても良いベンゾチアゾリル
    基、置換されていても良いベンゾオキサゾリル基、置換
    されていても良いチアジアゾリル基、置換されていても
    良いチアゾリル基から選ばれる炭素環式芳香族基または
    複素環式芳香族基を表す。]
  23. 【請求項23】 一般式(1c)で表される芳香族スル
    フィド化合物。 【化4】 [式中、 kは1〜4の整数を表す。Aは、置換されて
    いても良いベンゼン環、置換されていても良いビフェニ
    ル環、置換されていても良いチオフェン環、置換されて
    いても良いチエノ[3,2−b]チオフェン環から選ばれ
    る炭素環式芳香族環または複素環式芳香族環を表し、 B1、B2、B3、B4は、それぞれ独立に、置換されてい
    ても良いフェニル基、置換されていても良いピリミジル
    基、置換されていても良いナフチル基、置換されていて
    も良いチエニル基、置換されていても良いベンゾチアゾ
    リル基、置換されていても良いベンゾオキサゾリル基、
    置換されていても良いチアジアゾリル基、置換されてい
    ても良いチアゾリル基から選ばれる炭素環式芳香族基ま
    たは複素環式芳香族基を表す。]
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