JP4605184B2 - 配線接続材料及びそれを用いた配線板製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は接着剤組成物と導電性粒子を用いた配線接続材料及び配線板の製造方法に関する。
エポキシ樹脂系接着剤は、高い接着強さが得られ、耐水性や耐熱性に優れるなどの理由で、電気・電子・建築・自動車・航空機等の各種用途に多用されている。中でも一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤と硬化剤との混合が必要ないことから、使用が簡便であり、フィルム状、ペースト状、粉体状で広く使用されている。一液型エポキシ樹脂系接着剤では、エポキシ樹脂と硬化剤及び変性剤とを多様に組み合わせることができるため、例えば、特許文献1に記載されているように、その組み合わせを適宜選択することによって、所望の性能を得ることができる。
しかし、この特許文献1に示されているフィルム状接着剤は、短時間硬化性(速硬化性)と貯蔵安定性(保存性)の両立により良好な安定性を得ることを目的として常温で不活性な触媒型硬化剤を用いていることから、硬化に際して十分な反応が得られないため、作業性には優れるものの、20秒程度の接続時間で140〜180℃程度の加熱、10秒では180〜210℃程度の加熱が必要であった。
しかし、近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、接続端子幅、接続端子間隔が極めて狭くなっている。このため、この従来のエポキシ樹脂系配線接続材料による接続条件で接続を行うと、配線の脱落や剥離、位置ずれが生じてしまう場合があった。また、生産効率向上のために10秒以下で接続できる接続時間の短縮化が求められてきている。これらの要求を満たすため、低温でしかも短時間で硬化する低温速硬化性の配線接続材料が求められている。
特開昭62−141083号公報
本発明は、従来のエポキシ樹脂系接続材料よりも低温速硬化性に優れ、かつ、可使時間を有する電気・電子用の配線接続材料と、それを用いた配線板の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明では、ポリウレタン樹脂2〜75重量部と、ラジカル重合性物質30〜60重量部と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤0.1〜30重量部とを含む配線接続材料が提供される。この本発明の配線接続材料は、相対向する接続端子間に介在させ、相対向する接続端子を加圧して加圧方向の接続端子間を電気的に接続するための接続材料として特に好適である。
本発明の配線接続材料は、さらにフィルム形成材及び/又は導電性粒子を含むことが望ましい。フィルム形成材料は、配合量を0〜40重量部とすることが望ましく、ポリイミド樹脂が好適である。
また、ポリウレタン樹脂としては、フローテスタ法により測定した流動点が40℃〜140℃である樹脂を用いることが好ましく、硬化剤としては、25℃、24時間の重量保持率(すなわち、室温(25℃)、常圧で24時間開放放置した前後の質量差の、放置前の質量に対する割合)が20重量%以上である硬化剤を用いることが望ましい。ラジカル重合性物質としては、ウレタンアクリレートが好適である。
また、本発明では、本発明の配線接続材料を用いて配線の端子間を接続する工程を含む配線板の製造方法が提供される。すなわち、本発明では、それぞれ接続端子を有する配線部材の間を、該接続端子間が導通可能なように接続する接続工程を含む配線板製造方法であって、接続工程が、接続端子を有する面が互いに対向するように配置された二以上の配線部材の間に挟持された本発明の配線接続材料を、配線部材を介して加圧しつつ、加熱する工程を含む配線板製造方法が提供される。この本発明の製造方法は、接続端子の少なくとも一つの表面が、金、銀及び白金族の金属から選ばれる少なくとも1種からなる場合に特に好適である。
本発明によれば、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使時間を有し、回路腐食性が少ない電気・電子用の配線接続材料の提供が可能となる。
A.硬化剤
本発明に用いる硬化剤は、過酸化化合物、アゾ系化合物などの加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものである。硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定することができるが、高い反応性及び長いポットライフを実現するためには、半減期10時間の温度が40℃以上かつ半減期1分の温度が180℃以下である有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上かつ半減期1分の温度が170℃以下である有機過酸化物がさらに好ましい。
接続時間を10秒以下とする場合、十分な反応率を得るためには、硬化剤の配合量は0.1〜30重量部とするのが好ましく、1〜20重量部がより好ましい。硬化剤の配合量が0.1重量部未満では、十分な反応率を得ることができず良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。配合量が30重量部を超えると、配線接続材料の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、配線接続材料のポットライフが短くなる傾向にある。
本発明の硬化剤として好適な有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドなどが例示される。
ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等を挙げることができる。
パーオキシケタール類では、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
シリルパーオキサイド類としては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
本発明では、硬化剤としてこれらの化合物のうち1種類を用いてもよく、2種類以上の化合物を併用してもよい。また、これらの硬化剤(遊離ラジカル発生剤)を分解促進剤、抑制剤等と併用してもよい。
なお、配線部材の接続端子の腐食を抑えるため、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものが好ましい。また、作製した配線接続材料の安定性が向上することから、室温(25℃)常圧下で24時間の開放放置後の重量保持率が20重量%以上であることが好ましい。
また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
B.ポリウレタン樹脂
ポリウレタン樹脂としては、分子内に2個の水酸基を有するジオールと、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートとの反応により得られる樹脂が、硬化時の応力緩和に優れ、極性を有するため接着性が向上することから、本発明に好適である。
ジオールとしては線状化合物であって末端に水酸基を有するものであれば使用することができ、具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリカプロラクトンポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネート、シリコーンポリオール、アクリルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。これらは、いずれかの化合物を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4、4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。これらは、いずれかの化合物を単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、10000〜1000000が好ましい。重量平均分子量が10000未満では、配線接続材料の凝集力が低下し、十分な接着強度が得られにくくなる傾向にあり、1000000を超えると混合性、流動性が悪くなる傾向にある。
また、ポリウレタン樹脂の合成に際しては、これらのジオール及びジイソシアネートに加え、さらに多価アルコール、アミン類、酸無水物等を配合して適宜反応させてもよく、例えば酸無水物と反応させて得られるイミド基含有ポリウレタンは、接着性や耐熱性が向上するので好ましい。
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、変性されたものであってもよい。特にラジカル重合性の官能基で変性したものは、耐熱性が向上するため好ましい。
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、フローテスタ法での流動点が40℃〜140℃の範囲内であるものが好ましく、50℃〜100℃のものがより好ましい。なお、フローテスタ法での流動点とは、直径1mmのダイを用い、3MPaの圧力をかけて、昇温速度2℃/分で昇温させた場合の、シリンダが動き始める温度であり、フローテスタを用いて測定する。フローテスタ法での流動点が40℃未満では、フィルム成形性、接着性に劣る場合があり、140℃を超えると流動性が悪化して電気的接続に悪影響する場合がある。
C.フィルム形成材
本発明で使用するフィルム形成材としては、ポリイミド樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらは、いずれかを単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
なお、フィルム形成材とは、液状物を固形化し、構成組成物を、自己支持性を備えるフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしないといった、通常の状態でフィルムとしての取扱いができる機械特性を付与するものである。
フィルム形成材としては、特にポリイミド樹脂が耐熱性の面から本発明に適している。ポリイミド樹脂は、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの付加反応により合成したポリアミド酸を加熱縮合させてイミド化したものを用いることができる。ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、フィルム形成性の点から10000〜150000程度が好ましい。
ポリイミド樹脂を合成する際に用いられる酸二無水物及びジアミンは、溶剤への溶解性やラジカル重合性材料との相溶性などの点から適宜選択することができる。また、それぞれ、単独の化合物を用いてもよく、2種以上の化合物を併用してもよい。なお、接着性、柔軟性が向上することから、酸二無水物及びジアミンのうちの少なくとも1種類の化合物がシロキサン骨格を有することが好ましい。
なお、本発明において用いられるフィルム形成材は、ラジカル重合性の官能基により変性されていてもよい。
D.ラジカル重合性物質
本発明で使用するラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であり、アクリレート、メタクリレート、マレイミド化合物等が挙げられる。これらは、いずれかを単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
なお、ラジカル重合性物質は、モノマー及びオリゴマーいずれの状態でも用いることができ、モノマーとオリゴマーとを併用することもできる。
本発明に好適なアクリレートの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシメトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート及びウレタンアクリレートが挙げられる。また、これらのアクリレートに対応するメタクリレートも本発明に好適である。
なお、ジシクロペンタニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環のうちの少なくとも1種を有するラジカル重合性物質は、得られる配線接続材料の耐熱性が向上するため好ましい。
本発明に用いられるラジカル重合性物質としては、接着性に優れるため、ウレタンアクリレートが特に好適である。ウレタンアクリレートは、分子内に少なくとも1個以上のウレタン基を有するものであり、例えば、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオールと、ポリイソシアネート及び水酸基含有アクリル化合物との反応生成物を挙げることができる。
また、金属等の無機物表面での接着強度が向上することから、これらのラジカル重合性物質に加えて、さらにリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を併用することが好ましい。
本発明に好適なリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質としては、無水リン酸と、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はそれに対応するメタクリレートである2−ヒドロキシエチルメタクリレートの反応物を挙げることができる。具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等を用いることができる。これらは1種類の化合物を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
マレイミド化合物としては、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するものが本発明に適している。このようなマレイミド化合物としては、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。
なお、本発明では、これらのラジカル重合性物質に加え、必要に応じてハイドロキノン類、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。
E.配合比
以上の各成分の、本発明の配線接続材料における配合量は、ポリウレタン樹脂が2〜75重量部、ラジカル重合性物質が30〜60重量部、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤が0.1〜30重量部であり、フィルム形成材を含む場合、その含有量は0〜40重量部とする。これらの成分の配合量は、上述の範囲で適宜決定することができる。
ポリウレタン樹脂の配合量が2重量部未満では、配線接続材料の硬化時、熱負荷時等の応力緩和の効果に乏しく接着強度が低下する。また、75重量部を超えると、接続信頼性が低下する恐れがある。
ラジカル重合性物質の配合量は、30重量部未満では、硬化後の配線接続材料の機械的強度が低下する傾向にあり、60重量部を超えると硬化前の配線接続材料のタック性が増し、取扱性に劣るようになる。
また、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤の配合量が、0.1重量部未満では、前記したように十分な反応率を得ることができず良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。さらに、この硬化剤の配合量が30重量部を超えると、配線接続材料の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、配線接続材料のポットライフが短くなる傾向にある。
フィルム形成材の配合量が40重量部を超えると、配線接続材料の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したりする傾向にある。なお、フィルム形成材は、ポリウレタン樹脂、ラジカル重合性物質、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤といった他の成分により十分なフィルム形成ができれば、配合しなくてもよい。
F.導電性粒子
本発明の配線接続材料は、導電性粒子を含んでいなくても接続端子間の直接接触により接続が得られるため、特に導電性粒子を含んでいなくてもよい。しかし、より安定した接続が得られることから、導電性粒子を含むことが望ましい。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子や、カーボン粒子等を用いることができる。十分なポットライフを得るためには、粒子の表層はNi、Cuなどの遷移金属類ではなくAu、Ag、白金族の貴金属類であることが好ましく、Auが特に好ましい。
なお、Niなどの遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆した複合粒子や、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等の粒子表面が上述の金属等からなる導通層によって被覆されており、さらにその表面が貴金属類からなる最外層により覆われている複合粒子のように、粒子の一部が導電性を有している粒子も、導電性粒子として本発明に用いることができる。
このような複合粒子における貴金族類の被覆層の厚みは、特に制限されるものではないが、良好な抵抗を得るため100Å以上とすることが好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の表面に貴金属類の層を設ける場合は、導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により酸化還元作用が生じて遊離ラジカルが発生し、ポットライフの低下を引き起こす場合がある。このため、貴金属類層の厚さは300Å以上とすることが好ましい。また、貴金属類層の厚さが1μmより厚いと、効果が飽和してくる場合があるため、コスト等の点から、1μm以下の膜厚が効果的である。
なお、プラスチックを核とした複合粒子や、熱溶融金属粒子は、加熱及び加圧による変形性が高いことから、接続に際して行われる加熱及び加圧により容易に変形し、接続端子との接触面積が増加して信頼性が向上するため好ましい。
本発明の配線接続材料に導電性粒子を配合する場合、その配合量は、接着剤成分に対して0.1〜30体積%とすることが望ましく、用途に応じて適宜決定することができる。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには、0.1〜10体積%とすることが好ましい。
G.添加剤
本発明の配線接続材料は、上述したA〜Fの各成分に加えて、さらに充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含んでいてもよい。
充填材を配合すれば、得られる配線接続材料の接続信頼性等を向上させることができ、好ましい。充填材の最大径は、導電性粒子の粒径未満であることが好ましく、その配合量は5〜60体積%であることが好ましい。60体積%を超えると信頼性向上の効果が飽和する。
カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。
H.フィルム構造
本構成の配線接続材料は、単一層中にすべての成分が存在している必要はなく、2層以上の積層フィルムとしてもよい。例えば、遊離ラジカルを発生する硬化剤を含有する層と、導電性粒子を含有する層との2層構造にしてこれらの成分を分離すれば、高精細化することができるという効果に加えて、ポットライフの向上という効果が得られる。
I.配線接続材料の特性
本発明の配線接続材料は、接続時に接着剤が溶融流動し相対向する接続端子を接触させて接続した後、硬化して接続を保持するものであり、接着剤の流動性は重要な因子である。本発明の配線接続材料は、厚み0.7mm、15mm×15mmのガラスを用いて、厚み35μm、5mm×5mmの配線接続材料をこのガラスに挟み、160℃、2MPa、10秒で加熱及び加圧した場合、初期の面積(A)と加熱加圧後の面積(B)を用いて表わされる流動性(B)/(A)の値が1.3〜3.0であることが好ましく、1.5〜2.5であることがより好ましい。1.3以上であれば、十分な流動性があり、良好な接続を得ることができる。また、3.0以下であれば、気泡が発生しにくく、信頼性に優れる。
さらに、本発明の配線接続材料は、示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で測定した場合、発熱反応の立ち上がり温度(Ta)が70〜110℃の範囲内であり、ピーク温度(Tp)がTa+5〜30℃であり、かつ終了温度(Te)が160℃以下であることをが好ましい。このような特性を備えることにより、低温接続性、室温での保存安定性を両立することができる。
また、本発明の配線接続材料は、接続後の樹脂の内部応力を低減し、接着力の向上に有利であり、かつ、良好な導通特性が得られることから、硬化後の25℃での貯蔵弾性率が100〜2000MPaであることが好ましく、300〜1500MPaであることがより好ましい。
J.配線板の製造方法
本発明の配線接続材料は、ICチップとチップ搭載基板との接着や電気回路相互の接着用のフィルム状接着剤としても有用である。
すなわち、本発明の配線接続材料を用いることにより、第一の接続端子を有する第一の配線部材と、第二の接続端子を有する第二の配線部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子とを対向して配置して第一の配線部材と第二の配線部材との間に本発明の配線接続材料(フィルム状接着剤)を介在させ、加熱及び加圧することにより、第一の接続端子と第二の接続端子とを電気的に接続させ、配線板を製造することができる。
なお、配線部材としては、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、チップが搭載された及び/又はレジスト処理が施されたプリント基板、TAB(テープオートメーティドボンディング)テープにチップを搭載し、レジスト処理を施したTCP(テープキャリアパッケージ)、液晶パネルなどが挙げられ、シリコン、ガリウム・ヒ素、ガラス、セラミックス、ガラス・熱硬化性樹脂の複合材料(ガラス・エポキシ複合体など)、ポリイミドなどのプラスチック(プラスチックフィルム、プラスチックシートなど)等からなる絶縁基板に、接着剤を介して導電性の金属箔を形成し接続端子を含めた配線を形成したもの、絶縁基板にめっきや蒸着で導電性の配線を形成したもの、めっき触媒等の材料を塗布して導電性の配線を形成したものなども例示することができる。本発明の製造方法を用いて接続するのに好適な配線部材としては、TABテープ、FPC(フレキシブルプリント回路基板)、PWB(プリント配線基板)、ITO(インジウムスズ酸化物)、接続パッドを有する半導体チップが代表的なものとして挙げられる。
配線部材の材質は、特に限定されるものではなく、半導体チップ類のシリコンやガリウム・ヒ素等、ガラス、セラミックス、ポリイミド、ガラス・熱硬化性樹脂の複合材料(ガラス・エポキシ複合体など)、プラスチック等のいずれであってもよい。
配線接続材料と接する導電性の接続端子の表面が銅やニッケル等の遷移金属からなる場合、その酸化還元作用により遊離ラジカルを発生する。このため、第一の接続端子に配線接続材料を仮接着して一定時間放置すると、ラジカル重合が進行してしまい、接続材料が流動しにくくなり、位置合わせした第二の接続端子との本接続時に十分な電気的接続を行えなくなるおそれがある。そのため、少なくとも一方の接続端子の表面を金、銀、白金族の金属又は錫から選ばれる少なくとも1種で構成することが好ましい。銅/ニッケル/金のように複数の金属を組み合わせ多層構成としてもよい。
さらに、本発明の配線板製造方法においては、少なくとも一方の接続端子がプラスチック基材の表面に直接配置されていることが好ましい。ここでプラスチック基材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂のフィルムやシートが挙げられ、ポリイミド樹脂からなることが好ましい。
このプラスチック基材を用いることにより、配線板の厚みをより薄くし、しかも軽量化することができる。本発明の製造方法では、本発明の配線接続材料を使用することにより低温での接続が可能であることから、ガラス転移温度又は融点が比較的低いプラスチックを使用することができ、経済的に優れた配線板を得ることができる。
なお、薄型、軽量化には接続部材となるプラスチックと導電材料の接続端子を接着剤で接着するよりも接着剤を使用しない接続端子がプラスチック上に直接存在して構成される配線部材であることが好ましい。接着剤を用いないで銅箔等の金属箔上に直接樹脂溶液を一定厚さに形成するダイレクトコート法により得られた金属箔付ポリイミド樹脂が市販されており、この金属箔をパターン化して形成した配線部材が、本発明に好適である。また、押出機等から直接フィルム形状に押し出されたフィルムと金属箔を熱圧着したものを用い、この金属箔をパターン化したものも、本発明に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
<実施例1>
(1)ポリウレタン樹脂の合成
平均分子量2000のポリブチレンアジペートジオール450重量部、平均分子量2000のポリオキシテトラメチレングリコール450重量部、1,4−ブチレングリコール100重量部を混合し、メチルエチルケトン4000重量部を加えて均一に混合した後、ジフェニルメタンジイソシアネート390重量部を加えて70℃にて反応し固形分20重量%で15Pa・s(25℃)のポリウレタン樹脂A溶液を得た。このポリウレタン樹脂の重量平均分子量は35万であり、フローテスタ法での流動点は80℃であった。
(2)配線接続材料の調製
固形重量比で前記で合成したポリウレタン樹脂A(固形分として)40g、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート39g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社化学株式会社製商品名;P2M)1g、フェノキシ樹脂20g、ラウロイルパーオキサイド5g(メチルエチルケトン溶液として25g)を配合し、さらに導電性粒子を3体積%配合分散させ、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフテレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが35μmの配線接続材料を得た。
なお、ラジカル重合性物質としては、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートを用いた。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製商品名「PKHC」:重量平均分子量45000)を用いた。また、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としては、ラウロイルパーオキサイド(室温(25℃)常圧下で24時間の開放放置した際の重量保持率97%)の20重量%メチルエチルケトン溶液を用いた。導電性粒子としては、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設けた平均粒径10μmの導電性粒子を作製して用いた。
(3)配線の接続
図1(c)に示すように、ポリイミドフィルム18に厚み18μmの銅箔を接着剤17を介して接着した3層構成の銅箔付ポリイミドフィルムを用い、この銅箔をライン幅100μm、ピッチ200μmにパターンニングしてレジスト処理を施した後、銅箔から形成された配線及び接続端子16の表面にSnメッキを施してチップ(不図示)を搭載し、200℃で樹脂(不図示)で封止してTCP(テープキャリアパッケージ)19を作製した。
また、図1(a)に示すように、厚み35μmの銅箔を設けた積層基板11を用い、銅箔をライン幅100μm、ピッチ200μmにパターニングして回路12を形成し、レジスト処理を施し、銅箔表面に金メッキを施して、プリント基板(PWB)10を作製した。
つぎに、あらかじめ第1の配線部材であるPWB10表面に、樹脂組成物13と導電性粒子14とを含む配線接続材料15の接着面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで5秒間加熱加圧して仮接続した後、PETフィルムを剥離し(図1(b))、この上に第2の配線部材であるTCP19を位置合わせして載置し(図1(c))、加熱しつつ加圧20して接続し、配線板21(図1(d))を得た。
<実施例2>
(1)ウレタンアクリレートの合成
平均分子量800のポリカプロラクトンジオール400重量部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5重量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量部を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。次いでイソホロンジイソシアネート222重量部を滴下しさらに攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。NCOの反応率が99%以上になったことを確認後、反応温度を下げてウレタンアクリレートBを得た。
(2)ポリイミド樹脂の合成
酸二無水物である2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物(26.1g)をシクロヘキサノン120gに溶解し、酸二無水物溶液を得た。
また、ジアミンである2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(14.4g)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(3.8g)をシクロヘキサノン120gに溶解し、ジアミン溶液を得た。
このジアミン溶液を、反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、酸二無水物溶液のフラスコ内に滴下し、滴下終了後さらに10時間攪拌した。次ぎに水分留管を取り付け、トルエン50gを加え120℃に昇温して8時間保持して、イミド化を行った。
得られた溶液を室温まで冷却した後、メタノール中で再沈させ得られた沈降物を乾燥して重量平均分子量32000のポリイミド樹脂を得た。これをテトラヒドロフランに溶解して20重量%のポリイミド溶液Cとした。
(3)配線接続材料の調製及び配線板の製造
ポリウレタン樹脂として実施例1で合成したポリウレタン樹脂(固形分として)40gを用い、ラジカル重合性物質として(1)で合成したウレタンアクリレートB39g及びリン酸エステル型アクリレート1gを用い、フィルム形成材として(2)で合成したポリイミド樹脂C(固形分として)20gを用いた他は、実施例1と同様にして配線接続材料を調製し、配線板を製造した。
<実施例3>
図2に示すように、ポリイミドフィルム22と厚み18μmの銅箔からなる2層構成の銅箔付ポリイミドフィルムを用い、この銅箔をライン幅100μm、ピッチ200μmにパターンニングして回路及び接続端子23を形成し、レジスト処理した後、接続端子23表面にAuメッキを施して、フレキシブル配線板(FPC)24を作製した。このFPC24をTCP19の代わりに用いた他は、実施例2と同様にして配線板を得た。
<実施例4>
プリント基板(PWB)10の代わりに、ガラス基板25の表面にITOにより接続端子及び配線26が設けられている液晶パネル27を用いた他は、実施例3と同様にして、厚さ15μmの配線接続材料を用い、配線板を得た。
<比較例1>
フェノキシ樹脂(PKHCユニオンカーバイド社製商品名「PKHC」:重量平均分子量45000)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製商品名「YL980」)及びイミダゾール系マイクロカプセル型硬化剤(旭化成工業株式会社製商品名「3941HP」)を用い、フェノキシ樹脂/ビスフェノールA型エポキシ樹脂/イミダゾール系マイクロカプセル型硬化剤の固形重量比を40/20/40とし、これに実施例1と同様に導電性粒子を配合して調製した配線接続材料を用いた他は、実施例1と同様にして配線板を製造した。
<比較例2>
ポリウレタン樹脂Aの代わりにフェノキシ樹脂(PKHC)を用いた他は、実施例1と同様にして配線接続材料を得て、配線板を製造した。
以上の実施例1〜4及び比較例1、2で得られた配線接続材料及び配線板を用いて、接着力、接続抵抗、保存性、絶縁性、ポリウレタン樹脂の流動性、配線接続材料の流動性、硬化後の弾性率、DSCを測定、評価した。結果を表1に示す。なお、測定及び評価方法はつぎのとおりである。
(1)接着力の測定
得られた配線部材の接続体(配線板)を、90度の方向に剥離速度50mm/分で剥離し、接着力を測定した。接着力は、配線板の作製初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後に測定した。
(2)接続抵抗の測定
得られた配線接続材料を用い、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μmのSnメッキした銅回路を100本配置したフレキシブル回路板(FPC)と、全面にITO膜を形成したガラス板とを、160℃、3MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続した。
この接続体の隣接回路間の抵抗値を、初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後にマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗50点の平均で示した。
(3)保存性の評価
得られた配線接続材料を30℃の恒温槽で30日間保持し、上記(2)と同様にして回路の接続を行い、保存性を評価した。
(4)絶縁性の評価
得られた配線接続材料を用い、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み35μmの銅回路を交互に250本配置した櫛形回路を有するプリント基板とライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)を160℃、3MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続した。この接続体の櫛形回路に100Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの高温高湿試験500時間後の絶縁抵抗値を測定した。
(5)ポリウレタン樹脂の流動点測定
フローテスタ(株式会社島津製作所製商品名「CFT−100型」)で直径1mmのダイを用い3MPaの圧力で2℃/分の昇温速度でシリンダの動き出す温度を測定し流動点とした。
(6)配線接続材料の流動性評価
厚み35μm、5mm×5mmの配線接続材料を用い、これを厚み0.7mm、15mm×15mmのガラスに挟み、160℃、2MPa、10秒で加熱加圧を行った。初期の面積(A)と加熱加圧後の面積(B)を用いて流動性(B)/(A)の値を求め流動性とした。
(7)硬化後の弾性率
配線接続材料を、160℃のオイル中に1分間浸漬して硬化させ。硬化したフィルムの貯蔵弾性率を、動的粘弾性測定装置を用いて測定し(昇温速度5℃/分、10Hz)、25℃の弾性率を測定した。
(8)DSCの測定
得られた配線接続材料を用いて、示差走査熱量計(DSC、TAインスツルメント社製商品名「910型」)を用いて10℃/分の測定における発熱反応の立ち上がり温度(Ta)、ピーク温度(Tp)及び終了温度(Te)を求めた。
Figure 0004605184
いずれの実施例においても、接着力の初期値は7.85〜9.81N/cm(800〜1000gf/cm)程度で、耐湿試験後においても5.88〜8.83N/cm(600〜900gf/cm)程度と、接着強度の著しい低下がなく良好な接着性を示した。比較例1は硬化反応が不十分であり、比較例2はポリウレタン樹脂を用いていないため接着強度が1.96N/cm(200gf/cm)程度であって接着力が低かった。
実施例1で得られた配線接続材料は初期の接続抵抗も低く、高温高湿試験後の抵抗の上昇もわずかであり、良好な接続信頼性を示した。また、実施例2、3、4、比較例2の配線接続材料も同様に良好な接続信頼性が得られた。これらに対して、比較例1は、硬化反応が不十分であるため接着状態が悪く、初期の接続抵抗が高くなった。
実施例1〜4では、30℃の恒温槽で30日間処理しない状態(初期)と同等の接続結果が得られた。また、実施例1〜4では、1.0×109Ω以上の良好な絶縁性が得られ、絶縁性の低下は観察されなかった。
流動性については、実施例1及び実施例2のいずれも1.9であった。また、実施例1の配線接続材料の、硬化後の25℃での弾性率を測定したところ、800MPaであった。
さらに、実施例1の配線接続材料の、硬化反応における立ち上がり温度は89℃、ピーク温度は107℃、終了温度は148℃であった。実施例2の立ち上がり温度は92℃、ピーク温度は106℃、終了温度は150℃であった。これより、より低温で硬化することが示され、また、保存性の評価結果より保存性にも優れている。
また、接続抵抗の測定において、銅回路にSnメッキしたものとしないものを準備し、実施例1で作製した配線接続材料を用い、実施例1と同様な条件でFPCに仮接続し、1日放置後に本接続し、接続抵抗を測定したところ、Snメッキされた場合の2.3Ωに対し、Snメッキしてない銅表面が露出したものでは5Ωとなった。
以上詳述したように本発明によれば、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ可使時間を有し、回路腐食性が少ない電気・電子用の配線接続材料の提供が可能となる。
実施例1の配線板製造方法を示す説明図である。 実施例3で用いたフレキシブル配線板の接続部分を示す断面図である。 実施例4で用いた液晶パネルの接続部分の配線基板を示す断面図である。
符号の説明
10…プリント基板、11…積層基板、12…回路、13…樹脂組成物、14…導電性粒子、15…配線接続材料、16…接続端子、17…接着剤、18…ポリイミドフィルム、19…テープキャリアパッケージ、21…配線板、22…ポリイミドフィルム、23…接続端子、24…フレキシブル配線板、25…ガラス基板、26…配線、27…液晶パネル。

Claims (11)

  1. 分子内に2個の水酸基を有するジオールと、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートとの反応により得られ、重量平均分子量が10000〜1000000であるポリウレタン樹脂2〜75重量部と、
    アクリレート、メタクリレート及びマレイミド化合物からなる群より選択される少なくとも一種のラジカル重合性物質30〜60重量部と、
    加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤0.1〜30重量部と
    を含む配線接続材料。
  2. さらに0重量部超40重量部以下のフィルム形成材を含む、請求項1記載の配線接続材料。
  3. 上記フィルム形成材は、ポリイミド樹脂である請求項2記載の配線接続材料。
  4. さらに導電性粒子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線接続材料。
  5. 上記ポリウレタン樹脂は、フローテスタ法により測定した流動点が40℃〜140℃である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線接続材料。
  6. 上記硬化剤は、25℃、24時間の重量保持率が20重量%以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線接続材料。
  7. 上記ラジカル重合性物質は、ウレタンアクリレートである請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線接続材料。
  8. 上記ラジカル重合性物質は、ジシクロペンタニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環のうちの少なくとも1種を有するラジカル重合性物質である請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線接続材料。
  9. さらにリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を含む、請求項7又は8記載の配線接続材料。
  10. それぞれ接続端子を有する配線部材の間を、該接続端子間が導通可能なように接続する接続工程を含む配線板製造方法であって、上記接続工程は、上記接続端子を有する面が互いに対向するように配置された二以上の上記配線部材の間に挟持された請求項1〜9のいずれか一項に記載の配線接続材料を、上記配線部材を介して加圧しつつ、加熱する工程を含む配線板製造方法。
  11. 上記接続端子のうちの少なくとも一つは、表面が金、銀及び白金族の金属から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項10に記載の配線板製造方法。

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