JP2007317657A - 熱架橋型回路接続材料及びそれを用いた回路板の製造方法 - Google Patents

熱架橋型回路接続材料及びそれを用いた回路板の製造方法 Download PDF

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征宏 有福
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貢 藤縄
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孝 中澤
Kazuyoshi Kojima
和良 小島
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Abstract

【課題】室温放置後の特性劣化が少なく良好な接続を得られる電気・電子用の熱架橋型回路接続用材料及びそれを用いた回路板の製造方法を提供する。
【解決手段】相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接続する接続材料であって、下記(1)〜(3)の成分を必須とする熱架橋型回路接続材料。
(1)加熱により遊離ラジカルを発生し、半減期10時間の温度が100℃以上かつ半減期1分の温度が200℃以下であり、かつ40℃以下で固形の硬化剤
(2)ラジカル重合性物質
(3)フィルム形成成分
【選択図】 なし

Description

本発明は熱架橋型回路接続材料および回路板の製造方法に関する。
近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、接続端子幅、接続端子間隔が極めて狭くなっている。このため、従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続材料の接続条件では、配線の脱落、剥離や位置ずれが生じるなどの問題があった。また、生産効率向上のために10秒以下で接続できる接続時間の短縮化が求められてきている。これらの要求を満たすためには、低温でしかも短時間で硬化することの出来る低温速硬化性の回路接続材料が必要不可欠となっている(例えば特許文献1)。
特開平11−97825号公報
しかしながら、上記熱架橋型回路接続材料に用いられる硬化剤のうち、室温で液状のものは25℃以上の温度において揮発してしまい、1週間以上室温で放置すると上記接続部材中の硬化剤が必要量以下になってしまい十分な特性が得られなくなる問題があった。本発明は、室温放置後の特性劣化が少なく良好な接続を得られる電気・電子用の熱架橋型回路接続材料及びそれを用いた回路板の製造方法を提供することにある。
本発明は、[1]相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接続する接続材料であって、下記(1)〜(3)の成分を必須とする熱架橋型回路接続用材料である。
(1)加熱により遊離ラジカルを発生し、半減期10時間の温度が100℃以上かつ半減期1分の温度が200℃以下であり、かつ40℃以下で固形の硬化剤
(2)ラジカル重合性物質
(3)フィルム形成成分
また、[2]熱架橋型回路接続材料のDSC(示差走査熱量計)測定での発熱量が130〜220J/gである上記[1]記載の熱架橋型回路接続材料である。
[3]さらに導電性粒子を配合した上記[1]または上記[2]に記載の熱架橋型回路接続材料である。
[4]25℃での弾性率が0.1〜100MPaであり、かつ平均粒径が20μm以下のシリコーン微粒子を(2)ラジカル重合性物質と(3)フィルム成形性成分の和100重量部に対して5〜200重量部含有する上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の熱架橋型回路接続材料である。
また、本発明は、[5]第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上記[1]ないし上記[4]のいずれかに記載の熱架橋型回路接続材料を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路板の製造方法である。
[6]少なくとも一方の回路部材がプラスチック製の絶縁基板に金属回路が形成されたフレキシブル回路板である上記[5]に記載の回路板の製造方法である。
[7]少なくとも一方の接続端子の表面が金、銀、白金族の金属から選ばれる少なくとも一種で構成される上記[5]または上記[6]に記載の回路板の製造方法である。
本発明によれば、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れかつ室温放置保存性を有し、回路腐食性が少ない電気・電子用の回路接続材料を提供が可能となる。
本発明に用いる加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物などの加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものであり、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定されるが、高反応性とポットライフの点から、半減期10時間の温度が100℃以上、かつ、半減期1分の温度が200℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が120℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物がさらに好ましい。接続時間を10秒以下とした場合、硬化剤の配合量は十分な反応率を得るためには0.1〜30重量部とするのが好ましく1〜20重量部がより好ましい。硬化剤の配合量が0.1重量部未満では、十分な反応率を得ることができず良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。配合量が30重量部を超えると、回路接続材料の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、回路接続材料のポットライフが短くなる傾向にある。これらの有機過酸化物には、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイドなどが例示され、これらのうち下記で示す40℃以下で固形の有機過酸化物を適宜選定できる。
ジアシルパーオキサイド類としては2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等を挙げることができる。
パーオキシケタール類では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
また、回路部材の接続端子の腐食を抑えるために、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。これらは適宜混合して用いることができる。これらの加熱により遊離ラジカルを発生しかつ40℃以下で固形の硬化剤は、単独または他の硬化剤と混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いても良い。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
本発明で使用するフィルム形成成分としては、シリコーン変性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらは適宜併用して用いることができる。これらの中で、フェノキシ樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。フィルム形成成分とは、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取扱いができるものである。また、フィルム形成成分はラジカル重合性の官能基により変性されていても良い。
本発明で用いるシリコーン変性ポリイミド樹脂は、酸二無水物とジアミンのどちらか一方または両方がシロキサン骨格を有しており、例えばテトラカルボン酸二無水物とシロキサン骨格を有するジアミンの付加反応により合成したポリアミック酸を加熱縮合させイミド化し得られる樹脂であり、シリコーン骨格を有するためガラス、金属など無機物に対する接着性が向上し、ポリイミド骨格のため耐熱性が向上する。シリコーン変性ポリイミド樹脂は、フィルム形成性の点から、重量平均分子量は10000〜150000程度が好ましい。また、フッ素、塩素、水酸基、カルボキシル基により変性されたシリコーン変性ポリイミドは相溶性、接着性の観点からより好ましい。この時、酸二無水物とジアミンは溶剤への溶解性やラジカル重合性材料との相溶性の点から適宜選択され、多成分を混合して用いることもできる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂は、分子内に2個の水酸基を有するジオールと2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートの反応により得られる樹脂であり、硬化時の応力緩和に優れ、極性を有するため接着性が向上する。ジオールとしては線状の末端水酸基を有するものであれば使用することができ、具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリカプロラクトンポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネート、シリコーンポリオール、アクリルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。これらは、単独でも、また、2種以上を併用することもできる。また多価アルコールを併用することもできる。ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4、4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独あるいは併用して用いても良い。本発明で用いるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、10000〜1000000が好ましい。重量平均分子量が、10000未満では、回路接続材料の凝集力が低下し、十分な接着強度が得られにくくなる傾向にある。1000000を超えると混合性、流動性が悪くなる傾向にある。また、ジオールとジイソシアネートからポリウレタン樹脂を合成する際に、多価アルコール、アミン類、酸無水物等を配合し適宜反応させても良く、例えば酸無水物と反応させて得られるイミド基含有ポリウレタンは、接着性や耐熱性が向上するので好ましい。本発明で使用するポリウレタン樹脂は、ラジカル重合性の官能基などによって変性されていても良く、ラジカル重合性の官能基で変性したものは耐熱性が向上するため好ましい。本発明で使用するポリウレタン樹脂は、フローテスタ法での流動点が40〜140℃の範囲内であるものが好ましい。フローテスタ法での流動点は、フローテスタを用いて測定し、直径1mmのダイを用い、3MPaの圧力をかけて、昇温速度2℃/分で昇温した時のシリンダの動き始める温度である。本発明で使用するポリウレタン樹脂は、このフローテスタ法での流動点が40〜140℃の範囲内で適用可能であり、50℃〜100℃であることがより好ましい。フローテスタ法での流動点が、40℃未満では、フィルム成形性、接着性に劣るようになり、140℃を超えると流動性が悪化し電気的接続に悪影響するようになる。
本発明で使用するシリコーン微粒子はシラン化合物やメチルトリアルコキシシラン及び/またはその部分加水分解縮合物を苛性ソーダやアンモニア等の塩基性物質によりpH>9に調整したアルコール水溶液に添加し、加水分解、重縮合させる方法やオルガノシロキサンの共重合等で得ることができる。また、分子末端もしくは分子内側鎖に水酸基やエポキシ基、ケチミン、カルボキシル基、メルカプト基などの官能基を含有したシリコーン微粒子はフィルム形成成分やラジカル重合性物質への分散性が向上するため好ましい。本発明の熱架橋型回路接続材料にシリコーン微粒子を用いることで回路端子を支持する基板が有機絶縁物質、ガラスから選ばれる少なくとも一種からなる回路部材及び表面が窒化シリコン、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着した回路部材に対して特に良好な接着強度が得られるだけでなく、フィルム形成成分を用いてフィルム状にした場合、支持材との剥離性が向上するため、この熱架橋型回路接続材料を用いて接続する電子材料に対する転写性が向上する。本発明に用いるシリコーン微粒子は球状及び不定形の微粒子を用いることができ、粒子の平均粒径が0.1μm〜20μmの微粒子が使用できる。また、平均粒径以下の粒子が微粒子の粒径分布の80%以上を占めるシリコーン微粒子が好ましく、微粒子表面をシランカップリング剤で処理した場合、樹脂に対する分散性が向上するのでより好ましい。また、本発明に用いるシリコーン微粒子の室温(25℃)の弾性率は0.1〜100MPaが好ましく、微粒子の分散性や接続時の界面応力の低減には1〜30MPaがより好ましい。ここで規定した弾性率はシリコーン微粒子の原料のアルコキシシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を重合させたシリコーンゴムを動的広域粘弾性測定により測定した弾性率である。本発明に用いるシリコーン微粒子はラジカル重合性物質、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、フィルム形成成分に直接混合することもできるが、有機溶剤に分散させた後に混合した場合フィルム形成成分やラジカル重合性物質に容易に分散できるため好ましい。
本発明で使用するラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であり、アクリレート、メタクリレート、マレイミド化合物等が挙げられる。ラジカル重合性物質はモノマー、オリゴマーいずれの状態でも用いることが可能であり、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。アクリレートの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシメトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ウレタンアクリレート及びそれらに対応するメタクリレート等が挙げられる。これらは単独または併用して用いることができ、必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。ジシクロペンタニル基および/またはトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。また、リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を上記ラジカル重合性物質と併用して用いた場合、金属等の無機物表面での接着強度が向上するので好ましい。
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの反応物として得られる。具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アッシドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アッシドホスフェート等が挙げられる。これらは単独でも併用することもできる。ウレタンアクリレートは分子内に少なくとも1個以上のウレタン基を有するもので、例えばポリテトラメチレングリコールなどのポリオールとポリイシシアネート及び水酸基含有アクリル化合物の反応物として得られもので、接着性に優れるため好ましい。
マレイミド化合物としては、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するもので、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。
さらに本発明の熱架橋型回路接続材料には、充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含有することもできる。充填材を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填材の最大径が導電性粒子の粒径未満であることが好ましく、5〜60体積%の範囲が好ましい。60体積%を超えると信頼性向上の効果が飽和する。カップリング剤としては、ケチミン、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。
本発明の熱架橋型回路接続材料は導電性粒子がなくても、接続時に相対向する接続端子の直接接触により接続が得られるが、導電性粒子を含有した場合、より安定した接続が得られる。導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分なポットライフを得るためには、表層はNi、Cuなどの遷移金属類ではなくAu、Ag、白金族の貴金属類が好ましく、Auがより好ましい。また、Niなどの遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層に貴金属類を被覆したプラスチックを核とした場合や熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に接続端子との接触面積が増加したり、接続電極の高さばらつきを吸収して接続できるので信頼性が向上するので好ましい。貴金族類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100Å以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層を設ける場合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生しポットライフの低下を引き起こすため、300Å以上が好ましい。そして、厚くなるとそれらの効果が飽和してくるので最大1μmにするのが望ましいが制限するものではない。導電性粒子は、接着剤成分100体積に対して0.1〜30体積%の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10体積%とするのがより好ましい。また、本構成の熱架橋型回路接続材料を2層以上に分割し、遊離ラジカルを発生する硬化剤を含有する層と導電性粒子を含有する層に分離した場合、従来の高精細化可能な効果に加えて、ポットライフの向上が得られる。
本発明の熱架橋型回路接続材料は、ICチップとチップ搭載基板との接着や電気回路相互の接着用のフィルム状接着剤としても有用である。すなわち、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子とを対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子との間に本発明の熱架橋型回路接続材料を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させることができる。このような接続部材としては、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、チップ搭載及び/またはレジスト処理が施されたプリント基板、TABテープにチップ搭載及びレジスト処理を施したTCP(テープキャリアパッケージ)、液晶パネルなどがある。接続部材の材質は、半導体チップ類のシリコンやガリウム・ヒ素等や、ガラス、セラミックス、ポリイミド、ガラス・エポキシ複合体、プラスチック等がある。
本発明の熱架橋型回路接続材料は、接続時に接着剤が溶融流動し相対向する接続端子の接続を得た後、硬化して接続を保持するものであり、接着剤の流動性は重要な因子である。厚み0.7mm、15mm×15mmのガラスを用いて、厚み35μm、5mm×5mmの熱架橋型回路接続材料をこのガラスにはさみ、160℃、2MPa、10秒で加熱加圧を行った場合、初期の面積(A)と加熱加圧後の面積(B)を用いて表わされる流動性(B)/(A)の値は1.3〜3.0であることが好ましく、1.5〜2.5であることがより好ましい。1.3未満では流動性が悪く、良好な接続が得られず、3.0を超える場合は、気泡が発生しやすく信頼性に劣る。本発明の熱架橋型回路接続材料は、示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分の測定において、発熱反応の立ち上がり温度(Ta)が70〜110℃の範囲内で、ピーク温度(Tp)がTa+5〜30℃であり、かつ終了温度(Te)が200℃以下であることが好ましい。このようにすることにより、低温接続性、室温での保存安定性を両立することができる。また、熱架橋型回路接続材料のDSC(示差走査熱量計)測定での発熱量が130〜220J/gであることが好ましい。接着剤の発熱量が、220J/gを超えると接着剤の硬化収縮力及び弾性率の増大等によって内部応力が増大し、回路同士を接続した際、回路基板が反り、接続信頼性の低下や電子部品の特性低下を引き起こす問題を生じる。また、発熱量が130J/gを下回ると接着剤の硬化性が不充分であり、接着性及び接続信頼性の低下を引き起こすという問題を生じる。
本発明の熱架橋型回路接続材料は、硬化後の25℃での貯蔵弾性率100〜2000MPaが好ましく、300〜1500MPaがより好ましい。この場合、接続後の樹脂の内部応力を低減し、接着力の向上に有利であり、かつ、良好な導通特性が得られる。
本発明の回路板の製造方法は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に前記の回路接続材料を介在させ、加熱加圧して前期対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる。接続端子を有する回路部材として、半導体チップのシリコン、ガリウム・砒素等、ガラス、セラミック、ガラス・熱硬化性樹脂の複合材料、プラスチックフィルム、プラスチックシート等の絶縁基板に接着剤を介して導電性の金属箔を形成し接続端子を含めた回路を形成したもの、絶縁基板にめっきや蒸着で導電性の回路を形成したもの、あるいは、めっき触媒等の材料を塗布して導電性の回路を形成したものを例示することができ、TABテープ、FPC、PWB、ITO、接続パッドを有する半導体チップが代表的なものである。
熱架橋型回路接続材料と接する導電性の接続端子は、銅やニッケル等の遷移金属であると酸化還元作用で遊離ラジカルを発生し、第一の接続端子に熱架橋型回路接続材料を仮接着し、一定時間放置するとラジカル重合が進行してしまい、接続材料が流動しにくくなり、位置合わせした第二の接続端子との本接続時に十分な電気的接続を行えなくなるおそれが生じる。そのため、少なくとも一方の接続端子の表面を金、銀、白金族の金属または錫から選ばれる少なくとも一種で構成することが好ましい。銅/ニッケル/金のように複数の金属を組み合わせ多層構成としても良い。さらに、本発明の回路板の製造方法においては、少なくとも一方の接続端子がプラスチック上に直接存在して構成されると好ましく、プラスチックがポリイミド樹脂であることが好ましい。プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂のフィルムやシートが挙げられ、これらを用いることにより回路板の厚みをより薄くし、しかも軽量化することができる。本発明の熱架橋型回路接続材料を使用することにより低温で接続が可能となるため、ガラス転移温度ないし融点が比較的低いプラスチックを使用することができ、経済的に優れた回路板を得ることができる。薄型、軽量化には接続部材となるプラスチックと導電材料の接続端子を接着剤で接着するよりも接着剤を使用しない接続端子がプラスチック上に直接存在して構成される回路部材であると好ましい。接着剤を用いないで銅箔等の金属箔上に直接樹脂溶液を一定厚さに形成するダイレクトコート法により得られた金属箔付ポリイミド樹脂が市販されており、好適に使用することができる。その他に押出機等から直接フィルム形状に押し出されたフィルムと金属箔を熱圧着したものも使用することができる。
本発明の熱架橋型回路接続材料のポリイミドもしくはポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属回路を形成したフレキシブル基板(FPC)に対する粘着力(仮固定力)が40〜160N/mの場合、FPCに対向する接続端子を有する回路部材に対してFPCが固定されるため、加熱加圧してFPCの接続端子と回路部材の接続端子を接続させる際に、端子間の位置ずれもなく良好な接続が得られる。仮固定力が40N/m未満の場合、FPCが固定できず、160N/mを超える場合、FPCの端子と回路部材の接続端子が位置ずれしたままFPCが仮固定された場合にFPCを再剥離できなくなる。
本発明においては、従来のエポキシ樹脂系よりも低温速硬化性に優れ、かつ室温放置後の特性劣化がない電気・電子用の回路接続材料及びそれを用いた回路板の製造方法の提供が可能となる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
ラジカル重合性物質としてジメチロールトリシクロデカンジアクリレートとリン酸エステル型アクリレートを用いた。フィルム形成成分としてフェノキシ樹脂(PKHC;ユニオンカーバイド社製商品名、重量平均分子量45000)を用いた。加熱により遊離ラジカルを発生しかつ40℃以下で固形の硬化剤としてジクミルパーオキサイド(半減期10時間の温度116℃,半減期1分の温度175℃)の20重量%メチルエチルケトン溶液を用いた。ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設け、平均粒径10μmの導電性粒子を作製した。固形重量比でジメチロールトリシクロデカンジアクリレート49g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)1g、フェノキシ樹脂 50g、ジクミルパーオキサイドMEK溶液 25gとなるように配合し、さらに導電性粒子を3体積%となるように配合分散させ、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフテレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが35μmの熱架橋型回路接続材料を得た。
(回路の接続)
第一の回路部材としてライン幅100μm、ピッチ200μmで厚み18μmの銅回路500本をポリイミドフィルム(厚み100μm)上に形成したフレキシブル回路板(2層FPC)と、ポリイミドとポリイミドと銅箔を接着する接着剤及び厚み18μmの銅箔からなる3層構成で、ライン幅100μm、ピッチ200μmのフレキシブル回路板(3層FPC)をそれぞれ作製した。また第二の回路部材として厚み1.1mmのガラス上にインジュウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗<20Ω/□)を用いた。上記の熱架橋型回路接続材料を用いて、第二の回路部材であるITO基板上に接続材料の接着面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで5秒間加熱加圧して仮接続し、その後、PETフィルムを剥離して第一の回路部材であるFPCと160℃、2MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続した。但し、熱架橋型回路接続材料は、製造直後、室温(25℃)に放置し4週間を経た熱架橋型回路接続材料を用いた。
(実施例2)
(シリコーン変性ポリイミド樹脂の合成)
酸二無水物として、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパンニ無水物(26.1g)をシクロヘキサノン120gに溶解し、ジアミンとして2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(14.4g)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(3.8g)をシクロヘキサノン120gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、酸二無水物溶液のフラスコ内に滴下し、滴下終了後さらに10時間攪拌した。次ぎに水分留管を取り付け、トルエン50gを加え120℃に昇温して8時間保持して、イミド化を行った。得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中で再沈させ得られた沈降物を乾燥して重量平均分子量32000のポリイミド樹脂を得た。これをテトラヒドロフランに溶解して20重量%のポリイミド溶液とした。
固形重量比でジメチロールトリシクロデカンジアクリレート49g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)1g、シリコーン変性ポリイミド樹脂50g、ジクミルパーオキサイド 5g(MEK溶液として25g)となるように配合した以外は実施例1と同様にして熱架橋型回路接続材料を得て、回路板を製造した。
(実施例3)
(ポリウレタン樹脂の合成)
平均分子量2000のポリブチレンアジペートジオール450重量部、平均分子量2000のポリオキシテトラメチレングリコール450重量部、1,4−ブチレングリコール100重量部を混合し、メチルエチルケトン4000重量部を加えて均一に混合した後、ジフェニルメタンジイソシアネート390重量部を加えて70℃にて反応し固形分20重量%で150ポイズ(25℃)のポリウレタン樹脂溶液を得た。このポリウレタン樹脂の重量平均分子量は35万であり、フローテスタ法での流動点は80℃であった。固形重量比でジメチロールトリシクロデカンジアクリレート49g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)1g、ポリウレタン樹脂25g、フェノキシ樹脂25g、ジクミルパーオキサイド 5g(MEK溶液として25g)となるように配合した以外は実施例1と同様にして熱架橋型回路接続材料を得て、回路板を製造した。
(実施例4)
(ウレタンアクリレートの合成)
平均分子量800のポリカプロラクトンジオール400重量部と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5重量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量部を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。次いでイソホロンジイソシアネート222重量部を滴下し更に攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。NCOの反応率が99%以上になったことを確認後、反応温度を下げてウレタンアクリレートを得た。固形重量比でジメチロールトリシクロデカンジアクリレート24g、ウレタンアクリレート 25g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)1g、ポリウレタン樹脂25g、フェノキシ樹脂25g、ジクミルパーオキサイド5g(MEK溶液として25g)となるように配合した以外は実施例1と同様にして熱架橋型回路接続材料を得て、回路板を製造した。
(実施例5)
(シリコーン微粒子の合成)
20℃でメチルトリメトキシシランを300rpmで攪拌したpH12のアルコール水溶液に添加し、加水分解、縮合させ25℃における弾性率8MPa、平均粒径2μmの球状粒子を得た。得られたシリコーン微粒子100重量部を重量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤100重量部に分散した。固形重量比でジメチロールトリシクロデカンジアクリレート24g、ウレタンアクリレート 25g、リン酸エステル型アクリレート(共栄社油脂株式会社製、商品名P2M)1g、ポリウレタン樹脂25g、フェノキシ樹脂25g、シリコーン微粒子10g、ジクミルパーオキサイド 5g(MEK溶液として25g)となるように配合した以外は実施例1と同様にして熱架橋型回路接続材料を得て、回路板を製造した。
(比較例1)
ジクミルパーオキサイドの代わりに40℃以下で液状のt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(半減期10時間の温度が70℃、半減期1分の温度が133℃)を用いた他は、実施例1と同様にして熱架橋型回路接続材料を得て、回路板を製造した。但し、比較例1は、製造直後0.5日以内の熱架橋型回路接続材料を用いた。
(比較例2)
比較例1と同様にして熱架橋型回路接続材料を得て、回路板を製造した。但し、比較例2では、製造直後2日を経た熱架橋型回路接続材料を用いて、回路板を作製した。
上記実施例1〜5、比較例1、2で得られた熱架橋型回路接続材料及び回路板を用いて、接着力、接続抵抗、室温放置保存性、絶縁性、回路接続材料の流動性、硬化後の弾性率、DSC測定を測定、評価した。その結果を表1に示した。測定、評価方法は、下記のようにして行った。
(接着力の測定)
上述で得られた回路の接続体(回路板)を、90度の方向に剥離速度50mm/分で、剥離し接着力を測定した。接着力は、回路板の作製初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後に測定した。
(接続抵抗の測定)
上述の熱架橋型回路接続材料を用いて、上記で作製したライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μmの銅回路を100本配置したフレキシブル回路板(FPC)とITOベタガラスを160℃、3MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続した。この接続体の隣接回路間の抵抗値を、初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保持した後にマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗50点の平均で示した。
(室温放置保存性の評価)
得られた熱架橋型回路接続材料を25℃の恒温槽で所定時間処理し、上記と同様にして回路の接続を行い、未処理の熱架橋型回路接続材料におけるフレキシブル基板に対する粘着力に対して10%以上粘着力が低下するか、もしくは未処理の熱架橋型回路接続材料における接着力に対して10%以上接着力が変動するか、もしくは未処理の熱架橋型回路接続材料における接続抵抗に対して10%以上接続抵抗が変動した時点の処理時間を室温放置保存性とした。
(絶縁性の評価)
得られた熱架橋型回路接続材料を用いて、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μmの銅回路を交互に250本配置した櫛形回路を有するプリント基板とライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)を160℃、2MPaで10秒間加熱加圧して幅2mmにわたり接続した。この接続体の櫛形回路に100Vの電圧を印加し、85℃、85%RHの高温高湿試験500時間後の絶縁抵抗値を測定した。
(ポリウレタン樹脂の流動点測定)
フローテスタ(株式会社島津製作所製、商品名CFT−100型)で直径1mmのダイを用い3MPaの圧力で2℃/分の昇温速度でシリンダの動き出す温度を測定し流動点とした。
(回路接続材料の流動性評価)
厚み35μm、5mm×5mmの熱架橋型回路接続材料を用い、これを厚み0.7mm、15mm×15mmのガラスに挟み、160℃、2MPa、10秒で加熱加圧を行った。初期の面積(A)と加熱加圧後の面積(B)を用いて流動性(B)/(A)の値を求め流動性とした。
(硬化後の弾性率)
熱架橋型回路接続材料を、160℃のオイル中に1分間浸漬して硬化させ。硬化したフィルムの貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定し(昇温速度5℃/分、10Hz)、25℃の弾性率を測定した。
(DSCの測定)
得られた熱架橋型回路接続材料を用いて、示差走査熱量計(DSC、TAインスツルメント社製商品名910型)を用いて10℃/分の測定において発熱量を測定した。
Figure 2007317657
実施例1及び比較例1における2層FPCの接着力の初期値600N/m及び85℃-85%RH500h処理後接着力400N/mと比較して実施例2〜5において初期及び85℃−85%RH500h処理後共に接着力が200〜400N/m高くなっている。これは実施例2に用いたシリコーン変性ポリイミド、実施例3に用いたポリウレタン、実施例4に用いたウレタンアクリレート、実施例5に用いたシリコーン微粒子が2層FPCに対する接着力を向上させているためである。実施例1〜5及び比較例1において3層FPCの接着力の初期値は1000〜1300N/m程度で、耐湿試験後においても700〜1300N/m程度と接着力の著しい低下が無く良好な接着性を示した。実施例1で得られた回路接続材料は2層FPC、3層FPCのいずれにおいても初期の接続抵抗も低く、高温高湿試験後の抵抗の上昇もわずかであり、良好な接続信頼性を示した。また、実施例2、3、4、5、比較例1の回路接続材料も同様に良好な接続信頼性が得られた。実施例1〜5において室温放置保存性は30日以上あるのに対し、比較例1の熱架橋型回路接続材料は室温放置保存性が1日しかない結果が得られた。また、比較例2では、製造直後から硬化剤が揮発してしまい、接着力、接続抵抗、弾性率、発熱量が大幅に変化してしまう。これは、硬化剤のうち、室温で液状のものは25℃以上の温度において揮発してしまい、放置するに従い上記接続部材中の硬化剤が必要量以下になってしまい十分な特性が得られなくなるためと思われる。これに対して、40℃以下で固形の硬化剤を用いることにより保存性が著しく向上した。絶縁抵抗では、1.0×10Ω以上の良好な絶縁性が得られ絶縁性の低下は観察されなかった。流動性の測定結果、実施例1は1.9であり、実施例2についても2.2であった。実施例1の熱架橋型回路用接続材料の硬化後の25℃での弾性率を測定したところ900MPaであり、硬化剤を変えた比較例1のそれは、800MPaと低く、流動性、DSC発熱量も低いことから硬化剤のフィルム形成時、架橋時の揮散度合いが影響していると思われる。実施例1〜5及び比較例1のDSC発熱量は150〜170J/gであった。

Claims (7)

  1. 相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧し加圧方向の電極間を電気的に接続する接続材料であって、下記(1)〜(3)の成分を必須とする熱架橋型回路接続材料。
    (1)加熱により遊離ラジカルを発生し、半減期10時間の温度が100℃以上かつ半減期1分の温度が200℃以下であり、かつ40℃以下で固形の硬化剤
    (2)ラジカル重合性物質
    (3)フィルム形成成分
  2. 熱架橋型回路接続材料のDSC(示差走査熱量計)測定での発熱量が130〜220J/gである請求項1記載の熱架橋型回路接続材料。
  3. さらに導電性粒子を配合した請求項1または請求項2に記載の熱架橋型回路接続材料。
  4. 25℃での弾性率が0.1〜100MPaであり、かつ平均粒径が20μm以下のシリコーン微粒子を(2)ラジカル重合性物質と(3)フィルム成形性成分の和100重量部に対して5〜200重量部含有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱架橋型回路接続材料。
  5. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱架橋型回路接続材料を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路板の製造方法。
  6. 少なくとも一方の回路部材がプラスチック製の絶縁基板に金属回路が形成されたフレキシブル回路板である請求項5に記載の回路板の製造方法。
  7. 少なくとも一方の接続端子の表面が金、銀、白金族の金属から選ばれる少なくとも一種で構成される請求項5または請求項6に記載の回路板の製造方法。
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