JP2006273996A - 半導体用接着剤付きテープおよびこれを用いた銅張り積層板、半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ACF等との長期接着信頼性に優れた半導体用接着剤付きテープおよびそれを用いた半導体集積回路接続用基板、銅張り積層板ならびに半導体装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも可撓性を有する有機絶縁性フィルム層(A)上に、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する接着剤層(B)を有する半導体用接着剤付きテープであって、有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P1)と、接着剤層(B)の有機絶縁性フィルム層(A)と接着していない側に銅箔を貼り合わせた場合の接着剤層(B)と銅箔との接着力(P2)と、該銅箔を貼り合わせた半導体用接着剤付きテープを121℃、100%RHで96時間処理した後の有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P3)と、接着剤層(B)と銅箔との接着力(P4)が、P3/P1≧0.40およびP4/P2≧0.40を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープ。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも可撓性を有する有機絶縁性フィルム層(A)上に、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する接着剤層(B)を有する半導体用接着剤付きテープであって、有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P1)と、接着剤層(B)の有機絶縁性フィルム層(A)と接着していない側に銅箔を貼り合わせた場合の接着剤層(B)と銅箔との接着力(P2)と、該銅箔を貼り合わせた半導体用接着剤付きテープを121℃、100%RHで96時間処理した後の有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P3)と、接着剤層(B)と銅箔との接着力(P4)が、P3/P1≧0.40およびP4/P2≧0.40を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体用接着剤付きテープおよび半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置に関するものである。さらに詳しくは、半導体集積回路を実装する際に用いられる、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターン加工テープ、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポ−ザー等の半導体接続用基板、リードフレーム固定テープ、LOC固定テープ、銅張り積層板およびカバーレイ等を作製するために適した接着剤付きテープおよびそれを用いた半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置に関するものである。
従来、半導体集積回路(IC)の実装には、金属製のリードフレームを用いた方式がもっとも多く用いられているが、近年では、ガラスエポキシやポリイミド等の有機絶縁性フィルム上にIC接続用の導体パターンを形成した、接続用基板を介した方式が増加している。
パッケージ形態としては、デュアルインラインパッケージ(DIP)、スモールアウトラインパッケージ(SOP)あるいはクアッドフラットパッケージ(QFP)等のパッケージ形態が用いられてきた。しかしながら、ICの多ピン化とパッケージの小型化に伴って、最もピン数を多くすることができるQFPにおいても、それらの対応には限界が近づいている。そこで、パッケージの裏面に、接続端子を配列するBGA(ボ−ルグレッドアレイ)やCSP(チップスケールパッケージ)が用いられるようになってきた。
また、半導体用接続基板の接続方式としては、代表的なものとして、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式によるテープキャリアパッケージ(TCP)が挙げられる。
BGA、CSPがQFP、SOPと構造的に最も大きく異なる点は、前者がインターポーザーと称される基板を必要とするのに対し、後者は金属製のリードフレームを用いることにより必ずしも基板を必要としない点にある。ここでいうインターポーザーは、前述のTCPのパターンテープと同様の機能を有するものなので、TAB用接着剤付きテープ(以下、TAB用テープと称する。)を使用することができる。これは、インナーリードを有する接続方式に有利であることは当然であるが、半田ボール用の孔やIC用のデバイスホールを機械的に打ち抜いた後に、銅箔をラミネートしたりするプロセス等に適している。
図1および図2に、BGA型半導体装置とCSP型半導体装置の一態様の断面図を示す。図1は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(BGA)の一態様を示す断面図である。また、図2は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(CSP)の一態様を示す断面図である。
図1において、半導体装置は、有機絶縁性フィルム12に接着剤層13およびリード14を介して半導体集積回路15と半田ボール18が設けられており、有機絶縁性フィルム12の反対面にスティフナー(補強板)19が設けられており、リード14と半導体集積回路15が金バンプ17を介して接続され、封止樹脂16にて被覆されている。
図2においては、有機絶縁性フィルム20に接着剤21を介してリード22と半田ボール26、ソルダーレジスト27、封止樹脂24が設けられており、これに金バンプ25を介して半導体集積回路23が接続されている。
一方、TAB方式は一括してボンディングする方式(ギャングボンディング)であるため、ICチップとインナーリードを接続する際に、他の接続方式と比べ短時間でボンディングできることからコスト的に有利であり、半田ボール用の孔やIC用のデバイス孔を機械的に打ち抜いた後に銅箔をラミネートするプロセス等にも適用されている。
また、TCPの接続用基板(パターンテープ)には、一般的にTAB用テープが使用されている。通常のTAB用テープは、ポリイミドフィルムなどの可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、未硬化状態の接着剤層、および離型性を有するポリエステルフィルムなどの保護フィルム層を積層した3層構造で構成されている。
TAB用テープは、(1)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、(2)銅箔との熱ラミネート、(3)パターン形成(レジスト塗布、エッチング、レジスト除去)、および(4)スズまたは金−メッキ処理などの加工工程を経て半導体集積回路接続用基板に加工される。
図3に、半導体集積回路搭載前の半導体集積回路接続用基板の形状の一例を示す。図3は半導体集積回路搭載前の半導体集積回路接続用基板の斜視図であり、有機絶縁性フィルム1上に接着剤層2とリード5が配置されており、有機絶縁性フィルム1には有機絶縁性フィルム1を送るためのスプロケット孔3とデバイスを設置するデバイス孔4が設けられている。
また、図4は、図3の半導体集積回路接続用基板を用いた半導体装置の一態様を示す断面図である。図4において、半導体集積回路接続用基板には、有機絶縁性フィルム1上に接着剤層2を介して固定されたインナーリード部6とアウターリード部7を有するリード5が配置されている。この半導体集積回路接続用基板のインナーリード部6を、保護膜11を有する半導体集積回路8の金バンプ10に熱圧着(インナーリードボンディング)し、半導体集積回路8を搭載する。次いで、封止樹脂9による樹脂封止工程を経て半導体装置が作製される。また、インナーリード部6を有さず、半導体集積回路接続用基板のリード5と半導体集積回路8の金バンプ10との間をワイヤーボンディングで接続する方式も採用されている。このような半導体装置をテープキャリアパッケージ(TCP)型半導体装置と称する。最後に、TCP型半導体装置は、他の部品を搭載した回路基板やガラス基板等とアウターリード部7により接続(アウターリードボンディング)される。この接続方法の一つに異方導電性フィルム(ACF)を介してTCPとガラス基板等が接続される実装形態がある。一般的な接続方法として、ACFとTCPを仮接着した後、ガラス基板等の回路とTCP回路を位置合わせし、熱圧着してACFを熱硬化させる方法があり、これにより接続信頼性を高められる。
近年、電子機器の小型化と高密度化が進行するに伴い、TAB方式における導体幅と導体間距離が非常に狭くなってきており、ACFとの接着においても高信頼性が求められてきている。また電子機器内部はますます高温下に曝されるため、ACFとTAB用テープとの高温接着信頼性が更に要求されている。そこでTAB用テープとの高温接着信頼性に優れるACF材料の開発等が行われている。
近年、ACFの接着力改良が行われてきた結果、TAB用テープの接着剤層あるいは銅箔とACFとの界面で発生する剥離が解消されてきている。しかし、TAB用テープの接着剤層と銅箔との界面あるいは接着剤層と有機絶縁性フィルム層との界面での剥離現象が顕在化している。特にACF実装後のTAB用テープが高温高湿環境下に曝されると、TAB用テープの接着剤層と銅箔、および接着剤層と有機絶縁性フィルム層との接着力が著しく低下する。これは銅箔、接着剤層および有機絶縁性フィルム層表面の加水分解が促進されているためであるが、特に影響力の大きい接着剤層について高温高湿環境下における耐加水分解性の要望がますます強くなってきている。本現象はACFだけに限定されたものではなく、ACFと同様にTAB用テープの回路パターン上に積層される材料すべてに共通するものであり、封止樹脂や回路の保護膜として使用されるソルダーレジストも同様である。
耐リフロー性(耐熱性)及び耐高温高湿性に優れた接着剤組成物として、有機絶縁性フィルムと金属板をシート化された接着剤組成物を介して貼り合わせ、150℃で2時間加熱硬化後の有機絶縁性フィルムを剥離するときの剥離力と、前記加熱硬化後からさらに高温高湿条件で250時間放置後の剥離力の変化が、40%以下であることを特徴とする接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このような接着剤組成物を用いても、他方の面に張り合わせられる銅箔との接着耐久性を両立することができないため、銅箔と接着剤との界面に応力が集中すると容易に銅箔から剥離が発生するという課題があった。
特開2003−301162号公報(請求項1)
本発明は、ACF等との長期接着信頼性に優れた半導体用接着剤付きテープおよびそれを用いた半導体集積回路接続用基板、銅張り積層板ならびに半導体装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明の半導体用接着剤付きテープは、主として次の構成を有する。すなわち、少なくとも可撓性を有する有機絶縁性フィルム層(A)上に、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する接着剤層(B)を有する半導体用接着剤付きテープであって、有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P1)と、接着剤層(B)の有機絶縁性フィルム層(A)と接着していない側に銅箔を貼り合わせた場合の接着剤層(B)と銅箔との接着力(P2)と、該銅箔を貼り合わせた半導体用接着剤付きテープを121℃、100%RHで96時間処理した後の有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P3)と、接着剤層(B)と銅箔との接着力(P4)が、P3/P1≧0.40およびP4/P2≧0.40を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープである。
本発明によれば、ACF等との長期接着信頼性に優れた半導体用接着剤付きテープが得られる。この半導体装置用接着剤付きテープを用いることで高密度実装用の半導体集積回路接続用基板ならびにそれを用いた銅張り積層板および半導体装置を工業的に有利に製造することができ、得られる半導体装置の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体用接着剤付きテープは、可撓性を有する有機絶縁性フィルム層(A)上に、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する接着剤層(B)を有する。接着剤層(B)上には、必要により保護フィルム層を設けてもよい。
本発明は、有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層との接着力(P1)と、接着剤層(B)上に銅箔を貼り合わせたときの接着剤層(B)と銅箔との接着力(P2)と、該銅箔を貼り合わせた半導体用接着剤付きテープを121℃、100%RHで96時間処理した後の有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P3)と、接着剤層(B)と銅箔との接着力(P4)が、P3/P1≧0.40およびP4/P2≧0.40であることを特徴とする。ここで、半導体用接着剤付きテープが保護フィルム層を有する場合には、P2は保護フィルム層を剥離して銅箔を貼り合わせたときの接着力をいう。
ここでいう接着力とは50mm/分の引き剥がし速度で90°剥離で測定したものをいう。銅箔は厚さ12〜18μm厚さの電解銅箔を用いる。有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力は、銅箔を貼り合わせた半導体用接着剤付きテープを有機絶縁性フィルム層(A)が上側になるようにSUS板にセットした後に、銅箔および接着剤層を固定したまま有機絶縁性フィルム側から引き剥がした時の荷重より算出する。一方、接着剤層(B)と銅箔との接着力は、有機絶縁性フィルム層(A)が下側になるようにSUS板にセットした後に銅箔側から引き剥がした時の荷重より算出する。ここで、P1およびP2は、熱硬化後の接着剤層との接着力をいう。熱硬化後とは、銅箔を貼り合わせた後に100℃以上で加熱処理した後のことを示す。
本発明においては、P3/P1およびP4/P2が0.40以上であることが必要であり、好ましくは0.60以上であり、更に好ましくは0.70以上である。一例として、TAB用テープに応用した場合について説明する。P3/P1あるいはP4/P2が0.40未満であると、応力が働くと有機絶縁性フィルム層あるいは銅箔と接着剤層との界面から容易に剥離する。この理由は次のように考えられる。有機絶縁性フィルム層と銅箔、接着剤層は互いに熱膨張係数が異なることから、121℃の環境下で、各層の界面において熱膨張係数差による引っ張り合いの応力が生じる。ここで、接着力変化が大きいことは、接着剤層の劣化(脆化)を意味しており、その結果として劣化歪みによる内部応力が増大する。この内部応力と各層の界面における引っ張り合いの応力が作用する結果、界面の剥離が発生する。
上記接着剤層(B)は121℃、100%RHで96時間処理後の接着力P3およびP4がいずれも5N/cm以上であることが好ましく、更に好ましくは10N/cm以上である。
本発明において接着剤層(B)は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含む。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂およびポリエステル樹脂等が挙げられる。例えば、TAB用テープの場合には、熱可塑性樹脂として公知の種々のポリアミド樹脂を好ましく使用することができる。特に、炭素数が20〜50であるジカルボン酸(いわゆるダイマー酸)を必須成分として含むと、接着剤層に可撓性をもたせることができ、低吸水率のため絶縁性に優れた接着剤層が得られるため好適である。ダイマー酸を含むポリアミド樹脂は、常法によるダイマー酸とジアミンの重縮合により得られるが、この際に、ダイマー酸以外のアジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸等のジカルボン酸を共重合成分として含有してもよい。ジアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびピペラジン等の公知のものを使用することができ、吸湿性と溶解性の点から2種以上を混合してもよい。
側鎖に官能基を有するポリアミド樹脂を用いると、架橋密度が増大するため、高いガラス転移温度(Tg)が得られ、高温高湿処理による加水分解を軽減することができる。官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、フェノール基等が挙げられる。これらの中でも特にフェノール基を側鎖に有するポリアミド樹脂は好適である。耐熱性に優れるフェニル基を有している上に種々の構造の熱硬化性樹脂との相溶性に優れているため、熱硬化性樹脂と該ポリアミド樹脂とが効率的に反応し、剛直な化学構造が得られる。その結果、高温高湿下における耐加水分解性に優れ、接着剤層の接着力低下の軽減に効果をもたらせることとなる。また接着性に寄与するアミド結合は残しておくことが好ましいことから、側鎖に官能基を有していることが好ましい。このようなポリアミド樹脂としては、多価カルボン酸あるいは多価アミンを上述したダイマ−酸とジアミンと共重合し、該多価カルボン酸あるいは多価アミンを介して官能基を導入する方法が挙げられる。多価カルボン酸としてはトリカルボン酸以上を示しており、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,3トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、3,3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等を例示することができる。多価アミンとしてはトリアミン以上を示しており、ジエチレントリアミン、4,4’、4”−トリアミノトリフェニルメタン、トリアムテレン等が例示される。
上記の官能基を側鎖に有するポリアミド樹脂は、他の熱可塑性樹脂と任意に組み合わせることは可能である。上記官能基を側鎖に有するポリアミド樹脂含有量は、全熱可塑性樹脂中5〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは20〜100重量%である。含有量が5重量%以上であれば、高温高湿処理による接着力低下の抑制効果が得られる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シアナート樹脂、マレイミド樹脂およびアセタール樹脂等が挙げられ、特にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、例えば、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタレン等のジグリシジルエーテル、脂環式タイプ、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタンおよびエポキシ化メタキシレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも、特に25℃で液体であるエポキシ樹脂が好ましく、低温流動性を上げることができる。エポキシ樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは5〜100重量部であり、より好ましくは20〜70重量部である。
フェノール樹脂としては、レゾール型およびノボラック型のいずれの樹脂であってもよい。例えば、ストレート以外にクレゾール、ターシャリブチルあるいはノニルなど種々の置換基を有した構造のフェノール樹脂を使用することができ、また同時に、これらの異なった構造のフェノール樹脂を併用してもよい。また、レゾール型とノボラック型樹脂の併用も何ら制限がない。フェノール樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは5〜100重量部であり、より好ましくは20〜70重量部である。
また、高温高湿環境下においてはTAB用テープの接着剤層(B)と銅箔および接着剤層(B)と有機絶縁性フィルム層(A)との接着力のバランスを制御することが更に好ましい。ACF、TAB用テープの銅箔、接着剤層、有機絶縁性フィルム層等の異種材料が積層されていると、各材料の温度膨張係数が異なるために各層ならびにその界面に三次元的に応力が発生する。更に接着剤層の加水分解が進むと、接着剤層と面している銅箔あるいは有機絶縁性フィルム層との界面に劣化応力が加わる。その際に接着剤層の双方の面の接着力に大きな差が生ずると、接着力の小さい面にこれらの応力が集中し、原子レベルではなく、界面からのマクロ的な剥離を助長することにつながる。これらを抑制するためには高温高湿環境下におかれた後の有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P3)と、有機絶縁性フィルム層(A)と銅箔との接着力(P4)との比P3/P4が0.40〜1.60の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.60〜1.40、更に好ましくは0.70〜1.30の範囲である。P3/P4が0.4〜1.60の範囲であれば接着力の小さい面に対する応力集中を軽減することができ、剥離を抑制することができる。
P3/P4は、TAB用テープにおける銅箔あるいは有機絶縁性フィルム層と接着剤層との埋まり込み性と密接に関与している。TAB用テープにおける接着剤層の埋まり込みが不十分であると、高温高湿環境下に曝された時に該界面の空洞に水分が滞留し、接着剤層、銅箔あるいは有機絶縁性フィルム層の表面の加水分解が促進されるために、P3あるいはP4の接着力が著しく低下し、結果的にP3/P4を制御することが困難になる。埋まり込み性は、銅箔および有機絶縁性フィルム層(A)に接着剤層(B)をラミネートして積層する際の接着剤層の流動性に起因する。例えば銅箔あるいは有機絶縁性フィルム層の表面粗さが大きい場合やラミネート温度が低温側にばらつくと、接着剤層の流動性不足が生じる。したがって、高温でラミネートすることによって接着剤層の流動性を確保することができるが、銅箔、有機絶縁性フィルム層、接着剤層の各温度膨張係数が異なるために、各層を高温でラミネートすると残留応力が発生し、テープ変形が発生する。そこで高温でのラミネート工程を回避するためには、低温で流動性に優れる接着剤層であることが好ましい。特に低分子量の熱硬化性樹脂を用いることが有効であり、2個以上のメチロール基を有するフェノールモノマーを使用することが好ましい。このようなフェノールモノマーを用いると、ラミネートでは十分に軟化して銅箔あるいは有機絶縁性フィルム層との埋まり込み性に好影響を与えながらも、メチロール基を多く有しているため銅箔ラミネート後のキュア工程で反応が起こるため剛直な硬化物が得られる。該フェノールモノマーの含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは5〜95重量部、更に好ましくは10〜60重量部である。5重量部以上であれば良好な流動性を得ることができ、95重量部以下であればラミネートした時に接着剤層が過度に流れすぎてはみ出しが生じない。また該フェノールモノマーの含有量と、前述のフェノール樹脂の含有量との比は、フェノールモノマー/フェノール樹脂=5/95〜95/5であることが好ましい。
本発明において、接着剤層中には熱硬化性樹脂の硬化剤および硬化促進剤を含んでいてもよい。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂およびレゾール型フェノールである場合、芳香族ポリアミンや三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾールや2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸や無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミドやトリフェニルフォスフィン等公知のものが使用することができる。硬化剤と硬化促進剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
接着剤層には、以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤やイオン捕捉剤などの有機または無機成分を含有することができる。
接着力比P3/P1、P4/P2を制御するために上述した官能基を側鎖に有するポリアミド樹脂を用いることが有効であるが、架橋密度の増大により接着剤層が高Tg化しているため接着剤層の残留歪みが増大し、硬化後の常温におけるTAB用テープの反りが発生する場合がある。そこで、常温における接着剤層が可撓性を有することが好ましい。すなわち、熱硬化後の接着剤層の常温における貯蔵弾性率が100〜3000MPaの範囲であることが好ましく、より好ましくは300〜2000MPa、更に好ましくは500〜1500MPaの範囲である。100MPa以上であれば耐薬品性に優れており、3000MPa以下であると反り低減効果が得られる。ここでいう貯蔵弾性率とは、粘弾性試験機により昇温5℃/分、周波数1Hzの条件で25℃における測定値である。サンプルは、接着剤層を積層したものを用いる(15mm×30mm×50μm厚さ)。25℃における貯蔵弾性率を調整するためには、フレキシブル骨格を有する熱可塑性エラストマを混合することが有効である。例えばゴム物性を有するNBR系、SBR、イソプレン系等が有効であり、その他にポリアミド樹脂のエーテル変性品等が挙げられる。該熱可塑性エラストマの含有量は、全熱可塑性樹脂中2〜80重量%が好ましく、より好ましくは5〜60重量%、更には10〜40重量%であることが好ましい。
本発明の半導体用接着剤付きテープに用いられる有機絶縁性フィルム層(A)としては、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミドなどのいわゆる耐熱性フィルム、あるいはフレキシブルエポキシ/ガラスクロスなどの複合材料などが好ましく挙げられる。また、有機絶縁性フィルム層は、後述する保護フィルム層と同一のフィルムであっても良い。特にポリイミドフィルムは、熱寸法安定性の点から特に好ましく用いられる。またコロナやプラズマ等の表面処理を施すことは接着剤層との接着力向上という点において好ましい。
本発明の半導体用接着剤付きテープにおいて、保護フィルム層を設ける場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのフィルムが使用可能である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリフェニレンサルファイドフィルムは、引張り弾性率、引張り伸度がパンチングに適しており、シャープなホール断面を形成することができ、特に好ましく用いられる。保護フィルム層の厚さは、10〜100μmのものが使用できるが、より好ましくは20〜40μmである。
本発明の半導体接着剤付きテープは、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂、必要に応じて触媒等を添加した接着剤溶液をフィルム基材に塗布、乾燥することによって得ることができる。
本発明の半導体用接着剤付きテープは、銅箔と張り合わせた銅張り積層板や半導体接続用基板ならびにその半導体用装置に用いることができる。
本発明に用いられる銅箔は、電解銅箔、圧延銅箔のいずれでもよく、接着剤層との張り合わせ面にメッキ処理等が施されたものが好適に用いられる。銅箔の厚さは数μmから50μmまでのものが好ましい。
本発明の半導体用接着剤付きテープは、図3に示すような、半導体集積回路の実装方法であるテープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターンテープや、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポーザ等の半導体接続用基板、ダイボンディング材、リードフレーム固定テープ、LOCテープ、および多層基板の層間接着シート等のフィルム形状の接着剤を用いた半導体装置を作製するために好ましく使用され、特に図4に示すようなTCP型半導体装置や、図1に示すようなBGA型半導体装置、図2に示すようなCSP型半導体装置の作製に好ましく使用することができる。
本発明の半導体集積回路接続用基板は、上記半導体用接着剤付きテープを使用したものであり、また本発明の半導体装置は、上記半導体集積回路接続用基板を用いたものである。
本発明の半導体用接着剤付きテープをTAB用テープとして用いる場合は、まず、上記半導体用接着剤付きテープに、所定のパターンを有するパンチング用金型を設置したプレス機によってパンチングを行う。保護フィルム層を有する場合にはこれを剥離し、銅箔ラミネートを行った後、加熱処理する。銅箔ラミネート条件は、温度100〜160℃、押圧0.1〜0.3MPaが好ましい。また加熱条件は、ステップ加熱していくことが好ましく、50〜90℃の比較的低温領域から除々に昇温しながら最終的には150〜180℃まで昇温していくことが好ましい。次いで、フォトリソグラフィ−により半導体集積回路接続用の導体回路を形成することで半導体集積回路接続用基板が得られ、その半導体集積回路接続用基板を用いて、好適には400〜500℃、1秒〜1分の条件でインナーリードボンディングを行い、半導体集積回路を接続し、しかる後に、エポキシ系液状封止剤で樹脂封止を行うことで半導体装置を製造することができる。
以下に、一例としてTAB用テープを挙げて、本発明の半導体用接着剤付きテープについて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に評価方法について述べる。
(1)貯蔵弾性率E’の測定
硬化後のTAB用テープの接着剤層を剥離し、接着剤層同士を積層して30mm×10mm、厚さ50μmのサンプルを作製した。このサンプルを、粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント(株)製 DMS6100)にて、昇温5℃/分、周波数1Hzで振動させ、25℃における貯蔵弾性率E’を測定した。
硬化後のTAB用テープの接着剤層を剥離し、接着剤層同士を積層して30mm×10mm、厚さ50μmのサンプルを作製した。このサンプルを、粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント(株)製 DMS6100)にて、昇温5℃/分、周波数1Hzで振動させ、25℃における貯蔵弾性率E’を測定した。
(2)接着力の測定
TAB用テープの保護フィルムを剥離し、厚み18μmの電解銅箔を、130℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、銅箔付きTAB用テープを作製した。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に、常法によりフォトレジスト膜を形成し、エッチング、レジスト剥離を行い、それぞれ導体幅1mmおよび50μmの導体回路を作製し、接着強度評価用サンプルとした。次に、ホウフッ酸系の無電解スズメッキ液(シプレイ・ファーイースト(株)製 スズメッキ液(商品名)TINPOSIT LT−34)に70℃で5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施し、以下の方法で接着力を測定した。
(a)接着剤層(B)と銅箔との接着力
上記作製した導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、銅箔が上面となるように固定し、導体を90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
(b)有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(C)との接着力
上記作製した導体幅1mmのサンプルを導体に沿って長さ50mmに有機絶縁性フィルムごとカットし、銅箔が下面になるように固定し、有機絶縁性フィルム層から90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
TAB用テープの保護フィルムを剥離し、厚み18μmの電解銅箔を、130℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、銅箔付きTAB用テープを作製した。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に、常法によりフォトレジスト膜を形成し、エッチング、レジスト剥離を行い、それぞれ導体幅1mmおよび50μmの導体回路を作製し、接着強度評価用サンプルとした。次に、ホウフッ酸系の無電解スズメッキ液(シプレイ・ファーイースト(株)製 スズメッキ液(商品名)TINPOSIT LT−34)に70℃で5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施し、以下の方法で接着力を測定した。
(a)接着剤層(B)と銅箔との接着力
上記作製した導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、銅箔が上面となるように固定し、導体を90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
(b)有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(C)との接着力
上記作製した導体幅1mmのサンプルを導体に沿って長さ50mmに有機絶縁性フィルムごとカットし、銅箔が下面になるように固定し、有機絶縁性フィルム層から90°方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
(3)高温高湿後の接着力の測定
上記(2)で作製した導体幅50μmの評価用サンプルを用いて121℃、100%RH、96h処理を行った後、上記(2)(a)および(b)と同様の方法で銅箔および有機絶縁性フィルム層との接着力を測定した。
上記(2)で作製した導体幅50μmの評価用サンプルを用いて121℃、100%RH、96h処理を行った後、上記(2)(a)および(b)と同様の方法で銅箔および有機絶縁性フィルム層との接着力を測定した。
(4)ACF実装品の剥離発生率
上記(2)で作製した導体幅50μmの評価用サンプルの導体側面とITOで表面処理したガラス面との間にACF(日立化成(株)製 AC7201−18)を170℃、20秒、0.3MPaの条件で熱圧着し、ACF評価用サンプルを作製した。作製したACF評価用サンプルを121℃、100%RH、96h処理を行った後、超音波探傷装置(日立建機(株)製 SAT)にてポリイミドフィルム面側より観察し、ACF貼り付け面積に対する剥離発生部分の面積の比率を剥離発生率とした。
上記(2)で作製した導体幅50μmの評価用サンプルの導体側面とITOで表面処理したガラス面との間にACF(日立化成(株)製 AC7201−18)を170℃、20秒、0.3MPaの条件で熱圧着し、ACF評価用サンプルを作製した。作製したACF評価用サンプルを121℃、100%RH、96h処理を行った後、超音波探傷装置(日立建機(株)製 SAT)にてポリイミドフィルム面側より観察し、ACF貼り付け面積に対する剥離発生部分の面積の比率を剥離発生率とした。
(5)反り
TAB用テープを190mm×48mmにカットし、保護フィルムを剥離し、18μmの電解銅箔を、130℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、銅箔付きTAB用テープを作製した。反りの測定は、SEMI−G76−0299に準じて23℃、55%RHで24時間調湿した後行い、サンプルの短辺側の一辺を押さえて反り上がったサンプルの反対側の高さをノギスで測定し、反り量とした。銅箔側に反る場合をプラスとした。
TAB用テープを190mm×48mmにカットし、保護フィルムを剥離し、18μmの電解銅箔を、130℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、銅箔付きTAB用テープを作製した。反りの測定は、SEMI−G76−0299に準じて23℃、55%RHで24時間調湿した後行い、サンプルの短辺側の一辺を押さえて反り上がったサンプルの反対側の高さをノギスで測定し、反り量とした。銅箔側に反る場合をプラスとした。
(6)耐薬品性
上記(2)で作製した導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、1N NaOHで40℃、1h処理した時の銅箔との接着力を測定し、その処理前後の接着力比を接着保持率(%)とした。
上記(2)で作製した導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、1N NaOHで40℃、1h処理した時の銅箔との接着力を測定し、その処理前後の接着力比を接着保持率(%)とした。
(参考例1)(ポリアミド樹脂PA−1の合成)
酸としてダイマー酸(ユニケマ社製、商品名PRIPOL1009)およびアジピン酸(ダイマー酸/アジピン酸=2/1(モル比))を、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミンを用い、酸/アミン比をほぼ等量の範囲で混合し、1重量%以下の消泡剤および1重量%以下のリン酸触媒を加え、反応体を調製した。この反応体を、140℃、1時間撹拌加熱後、205℃まで昇温し、約1.5時間撹拌した。約2kPaの真空下で、0.5時間保持し、温度を低下させた。最後に、酸化防止剤(チバガイギ社製、“イルガノックス”1010)を1重量%以下添加し、分子末端にアミノ基を有するアミン価10、分子量25000のポリアミド樹脂PA−1を取り出した。
酸としてダイマー酸(ユニケマ社製、商品名PRIPOL1009)およびアジピン酸(ダイマー酸/アジピン酸=2/1(モル比))を、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミンを用い、酸/アミン比をほぼ等量の範囲で混合し、1重量%以下の消泡剤および1重量%以下のリン酸触媒を加え、反応体を調製した。この反応体を、140℃、1時間撹拌加熱後、205℃まで昇温し、約1.5時間撹拌した。約2kPaの真空下で、0.5時間保持し、温度を低下させた。最後に、酸化防止剤(チバガイギ社製、“イルガノックス”1010)を1重量%以下添加し、分子末端にアミノ基を有するアミン価10、分子量25000のポリアミド樹脂PA−1を取り出した。
(参考例2)(ポリアミド樹脂PA−2の合成)
酸としてダイマー酸(ユニケマ社製、商品名PRIPOL1009)およびアゼライン酸(ダイマー酸/アジピン酸=2/1(モル比))を、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミンをほぼ当量の範囲で、参考例1と同様に脱水重縮合反応を行い、側鎖にアミノ基を有するポリアミド樹脂PA−2を得た(分子量26000、アミン価10)。
酸としてダイマー酸(ユニケマ社製、商品名PRIPOL1009)およびアゼライン酸(ダイマー酸/アジピン酸=2/1(モル比))を、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミンをほぼ当量の範囲で、参考例1と同様に脱水重縮合反応を行い、側鎖にアミノ基を有するポリアミド樹脂PA−2を得た(分子量26000、アミン価10)。
(参考例3)(ポリアミド樹脂PA−3の合成)
参考例2で得られたポリアミド樹脂PA−2にヒドロキシフェニル安息香酸を該ポリアミド樹脂のアミン価に相当するモル数だけ添加し脱水縮合反応を行い、フェノール基を側鎖に有するポリアミド樹脂PA−3を得た(分子量26000、アミン価0.8)。
参考例2で得られたポリアミド樹脂PA−2にヒドロキシフェニル安息香酸を該ポリアミド樹脂のアミン価に相当するモル数だけ添加し脱水縮合反応を行い、フェノール基を側鎖に有するポリアミド樹脂PA−3を得た(分子量26000、アミン価0.8)。
(参考例4)(ポリアミド樹脂PA−4の合成)
参考例1で得られたポリアミド樹脂PA−1にヒドロキシフェニル安息香酸を該ポリアミド樹脂のアミン価に相当するモル数だけ添加し脱水縮合反応を行い、フェノール基を分子末端に有するポリアミド樹脂PA−4を得た(分子量25000、アミン価0.8)。
参考例1で得られたポリアミド樹脂PA−1にヒドロキシフェニル安息香酸を該ポリアミド樹脂のアミン価に相当するモル数だけ添加し脱水縮合反応を行い、フェノール基を分子末端に有するポリアミド樹脂PA−4を得た(分子量25000、アミン価0.8)。
実施例、比較例に使用したフェノール樹脂およびフェノールモノマーは以下のとおりである。
ショウノールBKS316:クレゾール型レゾール樹脂(昭和高分子製)
ショウノールCKM1636:p−tBu型レゾール樹脂(昭和高分子製)
ショウノールCKS380A:高分子量ビスフェノールA型レゾール樹脂(昭和高分子製)
TD773:p−tBu型レゾール樹脂(DIC製)
ベルパールS890:高分子量ストレート型レゾール樹脂(鐘紡製)
MR−1:ビスフェノールA型(四官能メチロール)モノマー(明和化成製)
ショウノールCKS3866A:ビスフェノールA型(四官能メチロール)モノマー(昭和高分子製)
THMP(トリヒドロキシメチルフェノール):ストレート型(三官能メチロール)モノマー。
ショウノールBKS316:クレゾール型レゾール樹脂(昭和高分子製)
ショウノールCKM1636:p−tBu型レゾール樹脂(昭和高分子製)
ショウノールCKS380A:高分子量ビスフェノールA型レゾール樹脂(昭和高分子製)
TD773:p−tBu型レゾール樹脂(DIC製)
ベルパールS890:高分子量ストレート型レゾール樹脂(鐘紡製)
MR−1:ビスフェノールA型(四官能メチロール)モノマー(明和化成製)
ショウノールCKS3866A:ビスフェノールA型(四官能メチロール)モノマー(昭和高分子製)
THMP(トリヒドロキシメチルフェノール):ストレート型(三官能メチロール)モノマー。
(実施例1)
(i)TAB用テープの作製
メタノール/トルエン=20/80(重量比)の混合溶媒に、参考例1および3で得られたポリアミド樹脂PA−3、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパン・エポキシ・レジン(株)製、“エピコート”828)、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製、“ショウノール”BKS316)およびフェノールモノマー(明和化成(株)製、MR−1)を、それぞれ表1に示す重量比で固形分20重量%となるように配合し、さらに全固形分に対し0.5重量%の1,8―ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)を硬化促進剤として添加し、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液をバーコータで、離型処理を施した保護フィルム(“ルミラー”)に約12μmの乾燥厚さとなるように塗布し、180℃で1分間の乾燥を行い接着剤シートを作製した。さらに、得られた接着剤シートを厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、“ユーピレックス”75S)に100℃、0.1MPaの条件でラミネートし、TAB用テープを作製した。
(i)TAB用テープの作製
メタノール/トルエン=20/80(重量比)の混合溶媒に、参考例1および3で得られたポリアミド樹脂PA−3、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパン・エポキシ・レジン(株)製、“エピコート”828)、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製、“ショウノール”BKS316)およびフェノールモノマー(明和化成(株)製、MR−1)を、それぞれ表1に示す重量比で固形分20重量%となるように配合し、さらに全固形分に対し0.5重量%の1,8―ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)を硬化促進剤として添加し、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液をバーコータで、離型処理を施した保護フィルム(“ルミラー”)に約12μmの乾燥厚さとなるように塗布し、180℃で1分間の乾燥を行い接着剤シートを作製した。さらに、得られた接着剤シートを厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、“ユーピレックス”75S)に100℃、0.1MPaの条件でラミネートし、TAB用テープを作製した。
(ii)半導体集積回路接続用基板の作製
上記の手順で得られたTAB用テープを用いて、前述の評価方法(2)と同一の方法で半導体集積回路接続用の導体幅50μmの回路を形成し、図3に示す半導体集積回路接続用基板を得た。
上記の手順で得られたTAB用テープを用いて、前述の評価方法(2)と同一の方法で半導体集積回路接続用の導体幅50μmの回路を形成し、図3に示す半導体集積回路接続用基板を得た。
(iii)半導体装置の作製
上記(ii)で得られた半導体集積回路接続用基板を用いて、450℃、1分の条件でインナーリードボンディングを行い、半導体集積回路を接続した。しかるのちに、エポキシ系液状封止剤(ナミックス(株)製“チップコート”1320−617)で樹脂封止を行ない、図4で示される半導体装置を得た。
上記(ii)で得られた半導体集積回路接続用基板を用いて、450℃、1分の条件でインナーリードボンディングを行い、半導体集積回路を接続した。しかるのちに、エポキシ系液状封止剤(ナミックス(株)製“チップコート”1320−617)で樹脂封止を行ない、図4で示される半導体装置を得た。
(実施例2〜13)
実施例1の接着剤溶液を表1〜2に示す組成のものにした以外は実施例1と同様にして、TAB用テープ、半導体集積回路接続用基板および半導体装置を得た。
実施例1の接着剤溶液を表1〜2に示す組成のものにした以外は実施例1と同様にして、TAB用テープ、半導体集積回路接続用基板および半導体装置を得た。
(実施例14)
実施例1の接着剤溶液を表2に示す組成のものにかえ、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、“ユーピレックス”75S)に130℃、0.1MPaの条件でラミネートを行った以外は実施例1と同様にして、TAB用テープ、半導体集積回路接続用基板および半導体装置を得た。
実施例1の接着剤溶液を表2に示す組成のものにかえ、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、“ユーピレックス”75S)に130℃、0.1MPaの条件でラミネートを行った以外は実施例1と同様にして、TAB用テープ、半導体集積回路接続用基板および半導体装置を得た。
(比較例1〜3)
実施例1の接着剤溶液を表2に示す組成のものにした以外は実施例1と同様にして、TAB用テープ半導体集積回路接続用基板および半導体装置を得た。
実施例1の接着剤溶液を表2に示す組成のものにした以外は実施例1と同様にして、TAB用テープ半導体集積回路接続用基板および半導体装置を得た。
実施例1〜14および比較例1〜3の結果を表1〜2に示す。上記各実施例および各比較例から、本発明の半導体用接着剤付きテープを用いたTAB用テープは、ACF実装品の剥離発生率が小さく、ACFとの長期接着信頼性に優れることがわかった。また熱可塑性エラストマを適宜使用することにより、更に低反りに優れる半導体用接着剤付きテープであることがわかった。
1、12、20 有機絶縁性フィルム
2、13、21 接着剤層
3 スプロケット孔
4 デバイス孔
5、14、22 リード
6 インナーリード部
7 アウターリード部
8、15、23 半導体集積回路
9、16、24 封止樹脂
10、17、25 金バンプ
11 保護膜
18、26 半田ボール
19 スティフナー
27 ソルダーレジスト
2、13、21 接着剤層
3 スプロケット孔
4 デバイス孔
5、14、22 リード
6 インナーリード部
7 アウターリード部
8、15、23 半導体集積回路
9、16、24 封止樹脂
10、17、25 金バンプ
11 保護膜
18、26 半田ボール
19 スティフナー
27 ソルダーレジスト
Claims (7)
- 少なくとも可撓性を有する有機絶縁性フィルム層(A)上に、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する接着剤層(B)を有する半導体用接着剤付きテープであって、有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P1)と、接着剤層(B)の有機絶縁性フィルム層(A)と接着していない側に銅箔を貼り合わせた場合の接着剤層(B)と銅箔との接着力(P2)と、該銅箔を貼り合わせた半導体用接着剤付きテープを121℃、100%RHで96時間処理した後の有機絶縁性フィルム層(A)と接着剤層(B)との接着力(P3)と、接着剤層(B)と銅箔との接着力(P4)が、P3/P1≧0.40およびP4/P2≧0.40を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープ。
- 0.40≦P4/P3≦1.60であることを特徴とする請求項1記載の半導体用接着剤付きテープ。
- 25℃における接着剤層(B)の貯蔵弾性率が100〜3000MPaであることを特徴とする請求項1記載の半導体用接着剤付きテープ。
- 有機絶縁フィルム層(A)がポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1記載の半導体用接着剤付きテープ。
- 請求項1〜4のいずれか記載の半導体用接着剤付きテープと銅箔を積層してなる銅張り積層板。
- 請求項1〜4のいずれか記載の半導体用接着剤付きテープを用いてなる半導体集積回路接続用基板。
- 請求項6記載の半導体用接続用基板を用いてなる半導体装置。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
KR100860098B1 (ko) | 2008-02-29 | 2008-09-26 | 주식회사 이녹스 | 반도체 패키지용 접착 필름 |
JP2018203867A (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-27 | 日立化成株式会社 | 異方導電性接着剤組成物、異方導電性フィルム、及び接続構造体 |
-
2005
- 2005-03-29 JP JP2005094329A patent/JP2006273996A/ja active Pending
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JP2018203867A (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-27 | 日立化成株式会社 | 異方導電性接着剤組成物、異方導電性フィルム、及び接続構造体 |
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