JP4031545B2 - 接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤に関する。更に詳しくは、本発明は、例えば電子部品のような微細構造を有する部品の接着に好適に使用できる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、はんだ接合に代わる電子部品の基板への接合方法として、接着剤を用いた方法が注目を集めている。
電子部品の高性能化に伴い、電子部品の動作時の発熱量は大きくなっている。また、電子部品の基板への接着後に行われる耐熱試験は、一般に150℃という高温で行われている。このような用途に使用される接着剤には、吸湿性、電気絶縁性等の観点から、基材樹脂が熱可塑性樹脂より熱硬化性樹脂であることが適している。熱硬化性樹脂の中でも、電気絶縁性、低温での硬化速度、コスト等を総合的に評価するとエポキシ樹脂が最も有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電子部品接合用の接着剤に用いられるエポキシ樹脂の初期縮合物は、液状のビスフェノールA又はF型のエポキシ樹脂の初期縮合物を使用しており、これらエポキシ樹脂の初期縮合物を用いた接着剤は、硬化後のガラス転移温度はそのほとんどが130℃程度である。
【0004】
ここで、電子部品の高性能化に伴って、電子部品の動作時の発熱量が大きくなっている。このため、電子部品を安定に基板に接合するために150℃という高温での耐熱試験も行われているが、このような高温での試験には、従来のエポキシ樹脂系の接着剤では耐えられなかった。
ここで、特開平7−240809号公報によれば、耐熱性及び耐湿性を向上させるために、分子中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物を含む接着剤が記載されている。この接着剤を使用すれば、上記耐熱試験にある程度対応することができると考えられる。
【0005】
しかしながら、従来の接着剤では、電子部品の基板への接合後に不良が発生した場合、リペア(リペアとは、接合後に電子部品を基板から除去し、基板に付着した接着剤の硬化物を拭き取ることができ、更にその除去部に電子部品を再搭載することを意味する。以下同じ。)が不可能であるという問題点があった。つまり、この問題点は、熱硬化性樹脂を接着剤に用いた場合、基板に付着した一旦硬化した樹脂を拭き取ることは困難であることを原因としている。
【0006】
そのため、製造のコストを低減するために、リペアを容易に行うことの可能な接着剤が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を鑑み、本発明の発明者等は、高温でも良好な接合安定性を示し、かつ、リペア可能な接着剤について検討した結果、本発明に至った。
かくして本発明によれば、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物、常温で液体状のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂の初期縮合物用硬化剤及び添加剤とからなり、前記アクリル系樹脂がトリメチロールプロパントリアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート由来の樹脂から選択されることを特徴とする接着剤が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用できるエポキシ樹脂の初期縮合物としては、ナフタレン骨格を有する樹脂の初期縮合物(プレポリマーとも称する)であれば、当該分野で公知の初期縮合物をいずれも使用できる。ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物は、従来のビスフェノール骨格を有するビスフェノールA又はF型等のエポキシ樹脂の初期縮合物に比べ、高いガラス転移点を有するので、得られる接着剤の耐熱性を向上させることができる。従って、発熱量の大きい電子部品を接着した場合でも、接着力を安定に維持することができる。なお、本発明における初期縮合物とは、硬化剤及び/又は熱等により重合及び/又は架橋しうる比較的低分子量の樹脂を意味する。
【0009】
エポキシ樹脂の初期縮合物の例としては、ジナフチルトリオールグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル(1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテルがより好ましい)、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル等を最小単位とする初期縮合物が挙げられる。なお、これら例示初期縮合物は、いずれもグリシジルエーテル型であるが、これに限定されず、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型の樹脂も使用できる。更に、この初期縮合物は、固形、又は半固形でもよく、エポキシ当量が250以下の初期縮合物であることが好ましい。
【0010】
また、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の耐熱性を妨げない範囲で、他のエポキシ初期縮合物を添加してもよい。他のエポキシ初期縮合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、グリシジルアミン型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボッラク型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、グリシジルエステル型エポキシ、脂環式エポキシ、ウレタン変性エポキシ等の初期縮合物が挙げられる。
【0011】
次に、液体状のアクリル系樹脂としては、常温で液体状の樹脂であれば、当該分野で公知の樹脂をいずれも使用できる。また、本発明においてアクリル樹脂とは、α−メチルアクリロ基を有するモノマーから得られる樹脂を意味する。液体状アクリル樹脂を接着剤に含有させることにより、接着剤の硬化物を該アクリル樹脂を溶解しうる溶剤で容易に拭き取ることができる。従って、接着した電子部品に不良が発見された場合等でも容易にリペアすることができる。アクリル系樹脂の例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等を最小単位とする樹脂が挙げられる。特に分子量が千以下のモノマー、1万以下のオリゴマーからなる樹脂が好ましい。
【0012】
ここで、アクリル系樹脂の配合量は、上記ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物100重量部に対して、5〜200重量部の範囲であることが好ましく、特に10〜100重量部であることが好ましい。
次に、硬化剤としては、エポキシ樹脂の初期縮合物用の硬化剤であれば、公知の硬化剤をいずれも使用できる。硬化剤の例としては、ジエチレトリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン系硬化剤、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤、ジシアンジアミド、ヒドラジド系硬化剤、無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物系硬化剤、キシリレンジアミン等のフェノール系硬化剤等が挙げられる。ここで、硬化剤の配合量は、上記ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物100重量部に対して、5〜100重量部の範囲であることが好ましく、特に30〜70重量部であることが好ましい。
【0013】
上記硬化剤は、カプセル状の熱可塑性樹脂中に包含された硬化剤(以下、カプセル状硬化剤と称する)であれば、所望時に接着剤を硬化させることができるのでより好ましい。カプセル状硬化剤を構成する熱可塑性樹脂としては、所望の温度で溶融しうる樹脂であれば、特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0014】
添加剤としては、無機充填剤、導電性粒子、溶剤、カップリング剤、消泡剤、レベリング剤等が挙げられる。これら添加剤は、複数種接着剤に添加してもよい。接着剤は、特に無機充填剤及び/又は導電性粒子を含むことが好ましい。
無機充填剤としては、金属の炭酸塩、金属の硫酸塩、アルミナ、シリカ、酸化チタン等が挙げられる。この内、アルミナ、シリカが好ましい。無機充填剤は、粒子状であることが好ましく、その粒子径は、接着剤を使用する分野によっても相違するが、例えば電子部品を基板に接着する場合、10μm以下、好ましくは0.1〜10μmの範囲である。なお、無機充填剤を添加することにより、接着剤の熱導電率が向上し、硬化時間を短縮することができる。更に、接着剤の熱膨張係数を低減することができ、電子部品と基板の接合を安定に維持することができる。
【0015】
次に、導電性粒子としては、銀、金、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子、銀−パラジウム合金等の合金微粒子、無定形カーボン、グラファイト等の粉末等が挙げられる。この内、銀が好ましい。導電性粒子の粒子径は、接着剤を使用する分野によっても相違するが、例えば電子部品を基板に接着する場合、1〜15μmの範囲である。1μmより小さい場合は、複数の接着部がある場合において、接着部の間隔のバラツキを緩和できず、接合不良を起こすので好ましくない。一方、15μmより大きい場合は、隣接する接着部とも導通するおそれがあるので好ましくない。
【0016】
更に、上記導電性粒子は、絶縁性樹脂で被覆することによりマイクロカプセル型導電性粒子であることが好ましい。導電性粒子を絶縁性樹脂で被覆することにより、接着時に接着を所望する部分に圧力をかけて絶縁性樹脂を破壊して導通をとり、それ以外の部分はカプセルが破壊されないので絶縁性を保つことができる。ここで使用する絶縁性樹脂としては、電気的な絶縁性を有する樹脂であれば、特に限定されず、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のいずれも使用することができる。具体的には、アミン系硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂が挙げられる。
【0017】
その他の添加剤の内、溶剤は、接着剤の構成成分を均一に混合させる目的、粘度調整の目的で使用してもよい。使用できる溶媒は、特に限定されない。具体的には、n−ヘキサン、n−デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ブチルアセテート、ベンジルアセテート等のエステル系溶剤、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジグライム等の多価アルコール系溶剤等が挙げられる。
【0018】
ここで、本発明の接着剤は、その中に含まれる不純物イオン濃度の総量が50ppm以下であることが、短絡を防止する観点から好ましい。なお、不純物イオンに該当するものは、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、塩素等のハロゲンイオンである。
上記接着剤は、硬化剤とそれ以外の構成成分を混合した一液型、使用時に硬化剤とそれ以外の構成成分を混合する二液型の形態であってもよい。本発明の接着剤は、一液型の形態であることが好ましい。
【0019】
本発明の接着剤は、公知の接着剤と同様に使用することができる。例えば、電子部品と基板を接着する場合、基板に厚さ10〜150μmで塗布する。次いで、電子部品を載置し、所望の温度で加熱して接着剤を硬化させることにより電子部品と基板を接着することができる。
なお、本発明により接着することができる部材としては、半導体チップとリードフレーム、水晶振動子及びsdcメータ等とリード線、マイクロモータ用の青銅とカーボンブラシ、液晶表示装置の基板、導電接着が必要とされるプラスチック類、プリント配線板等が挙げられる。
【0020】
更に、本発明の接着剤は、接着後であってもリペア可能であるという効果を奏する。本発明の接着剤がリペア可能であるのは、次の理由によると考えられる。即ち、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の初期縮合物は、一旦硬化してエポキシ樹脂となると、溶剤に不溶であるためリペアすることができない。そこで、液体状のアクリル樹脂を添加することにより、リペア時に該アクリル樹脂を溶解する溶剤で処理すれば、アクリル樹脂が溶解し、その溶解に伴ってエポキシ樹脂も剥離させることができるためであると考えられる。
【0021】
リペア時に使用する溶剤は、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。これら溶剤は、単独でも、組み合わせて使用してもよい。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0023】
実施例1
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物(1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル)、液体状のアクリル系樹脂(トリメチロールプロパントリアクリレート)及びエポキシ樹脂の初期縮合物用硬化剤(旭化成HX−3921、イミダゾールを熱可塑性樹脂で被覆したマイクロカプセル状硬化剤)と、添加剤としてシリカ粉末(無機充填剤)を重量比で40重量%と、個々の銀粒子表面をエポキシ樹脂で被覆したマイクロカプセル型の導電性粒子を体積比で5体積%で混合して6種類の導電性の接着剤を作製した。なお、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物、液体状のアクリル系樹脂及びエポキシ樹脂の初期縮合物用硬化剤の配合比を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
これら接着剤について以下の評価を行った。
(1)接着剤の硬化時のガラス転移点をTMA(熱機械分析)により測定した。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
本発明の接着剤は、高いガラス転移点を有していることがわかった。特に、液体状アクリル樹脂が1〜200重量部含まれる接着剤のガラス点移転は150℃以上であった。
(2)6種類の接着剤について室温(20℃)で放置し、粘度の経時変化(製造直後、15日後及び1か月後の変化)をEH型粘度計により測定した。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
本発明の接着剤は、粘度の経時変化が殆どなく良好なポットライフを示すことがわかった。特に、液体状アクリル樹脂が5〜210重量部含まれる接着剤の粘度の経時変化はより少なかった。
(3)図1に示す如きAl電極(1、2)からなるくし形パターンを使用して電食試験を行った。図1のくし形パターンは、電極1の3本のくし状電極と電極2の4本のくし状電極が、交互になるように配置されている。更に、隣合う電極7のくし状電極と電極8のくし状電極の間隔と重なりを、それぞれ20μmと30μmとした。
【0030】
図1のくし型パターン上に6種類の接着剤をそれぞれ塗布し、170℃で1分間、続いて150℃で2時間接着剤を硬化させた。この後、85℃、湿度85%、DC5Vで500時間電食試験を行った。結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
表4から明らかなように、くし形パターン間の絶縁抵抗は、1011Ω以上であり、500時間経過後も変化は殆どなく、良好な電食性を示した。
(4)6種類の導電性の接着剤を用いて、ガラスエポキシ基板上に、隣合う端子のピッチが100μmとなるように端子数が360個のチップを熱圧着した。このガラスエポキシ基板と同様の基板を50枚形成した。この基板に、−65℃〜150℃の温度付与を1000サイクル行うことにより温度サイクル試験を行った。結果を表5に示す。なお、エポキシ樹脂の初期縮合物としてビスフェノールA型の初期縮合物を使用した場合も合わせて表5に示す(No.7)。
【0033】
【表5】
【0034】
表5から明らかなように、液体状アクリル樹脂が210重量部含まれる接着剤については若干の不良が発生するものの、全体として本発明の接着剤は良好な接着性を示した。一方、ビスフェノールA型の初期縮合物は、多くの不良が発生した。
(5)上記(4)と同様にして6種類の導電性の接着剤を使用したガラスエポキシ基板を形成した。次いで、加熱してチップを取り外した後、基板に残った接着剤の硬化物をアセトン、NMP、DMF、アセトン+NMP、NMP+DMF、アセトン+DMFで拭き取り、リペア性を観察した。結果を表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】
表6から明らかなように、本発明の接着剤は良好なリペア性を有していることがわかった。また、液体状アクリル樹脂を1重量部以上、特に50重量部以上含む場合、よりリペア性が向上することがわかった。
以上の(1)〜(5)より、液体状アクリル樹脂の配合量は、5〜200重量部であること特に好ましいこともわかった。
【0037】
実施例2
硬化剤の配合量をエポキシ樹脂の初期縮合物に対して1、5、100及び110重量部とした以外は、実施例1と同一の組成で接着剤を作製し、実施例1と同一の試験を行った。
【0038】
その結果、硬化剤の配合量が1、100重量部の接着剤は、完全硬化せずゴム状の硬化物となった。これは、1重量部の接着剤は硬化剤が少ない、110重量部のものは硬化剤が過剰であったためであると考えられる。従って、硬化剤の配合量は5〜100重量部であることが好ましいことがわかった。
【0039】
実施例3
無機充填剤を、シリカからアルミナに変更した以外は実施例1と同一の組成で接着剤を作製し、同一の試験を行った。
【0040】
得られた接着剤は、ガラス転移点、粘度の経時変化及び電食試験、温度サイクル試験、リペア性のいずれも実施例1と同等の結果を示した。
【0041】
実施例4
無機充填剤の配合量を40重量%から、1、5、80及び90重量%に変えた以外は、実施例1と同一の組成で接着剤を作製し、実施例1と同一の試験を行った。
【0042】
この実施例により以下のような結果が得られた。
(1)接着剤へのシリカの配合量が90重量%の場合、接着剤は十分な接着性を示さなかった。
(2)シリカの配合量が、1、5、80重量%の接着剤は、ガラス転移点、粘度の経時変化、電食試験及びリペア性においては、実施例1と同等の結果を示した。
(3)シリカの配合量が5、80重量%の接着剤は、温度サイクル試験において、実施例1と同一の結果を示した。しかし、シリカの配合量が1重量%の接着剤は、50枚の基板中、3枚の基板に不良が発生した。
【0043】
実施例5
無機充填剤をシリカからアルミナに変えた以外は、実施例4と同一の組成で接着剤を作製し、実施例4と同一の試験を行った。
【0044】
結果は実施例4と同じであった。
実施例4及び5から、無機充填剤の配合量は5〜80重量%であることが好ましいことがわかった。
【0045】
実施例6
接着剤の塩素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の不純物イオン濃度の総量を、50及び60ppmの2種類とした以外は、実施例1と同一の接着剤組成で、実施例1と同一の評価を行った。
【0046】
この実施例により以下のような結果が得られた。
(1)接着剤のガラス転移点、粘度の経時変化及び導電性接着剤の温度サイクル試験、リペア性は実施例1と同等の結果を示した。
(2)電食試験において、不純物イオン濃度が60ppmの接着剤は60時間後に108 Ω以下に低下したが、50ppmの接着剤は実施例1と同等の電食性を示した。
【0047】
【発明の効果】
本発明の接着剤は、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物、液体状のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂の初期縮合物用硬化剤及び添加剤とからなることを特徴とする。
従って、接着剤のガラス転移点を向上させることにより耐熱性を高めることができる。更に、接着剤の硬化物を溶剤で容易に拭き取りることができる。また、接着剤の熱膨張係数を低減できるので、接着剤の熱膨張係数を電子部品と基板の熱膨張係数に近づけることができる。よって、本発明の接着剤は、最近の高発熱を伴う電子部品の接合に使用できる。更にまた、電子部品の接合後に何らかの不具合が生じてもリペアが容易に行えるため製造コストを低減することができる。
【0048】
硬化剤が、イミダゾールを熱可塑性樹脂で被覆したカプセル状硬化剤であることにより、所望時に接着剤を硬化させることができる。
添加剤が、金属粒子表面を絶縁性樹脂で被覆したマイクロカプセル状導電性粒子であることにより、導通時の電気特性の優れた接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例で使用したくし型パターンの概略平面図である。
Claims (3)
- ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の初期縮合物、常温で液体状のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂の初期縮合物用硬化剤及び添加剤とからなり、前記アクリル系樹脂がトリメチロールプロパントリアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート由来の樹脂から選択されることを特徴とする接着剤。
- 前記硬化剤が、イミダゾールを熱可塑性樹脂で被覆したカプセル状硬化剤である請求項1の接着剤。
- 前記添加剤が、導電性粒子表面を絶縁性樹脂で被覆したマイクロカプセル状導電性粒子である請求項1の接着剤。
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