JPH1121477A - 導電性ペースト組成物及びこれを用いた電子部品 - Google Patents

導電性ペースト組成物及びこれを用いた電子部品

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JPH1121477A
JPH1121477A JP9173829A JP17382997A JPH1121477A JP H1121477 A JPH1121477 A JP H1121477A JP 9173829 A JP9173829 A JP 9173829A JP 17382997 A JP17382997 A JP 17382997A JP H1121477 A JPH1121477 A JP H1121477A
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JP9173829A
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Takehiro Shimizu
健博 清水
Takashi Dodo
隆史 堂々
Junji Yamada
淳司 山田
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペースト塗布乾燥後良好な導電性を示し、しか
も高温・高湿度下での安定性に優れ、かつ高温での半田
濡れ性の良好な導電性ペースト及びこれを用いた電子部
品を提供する。 【解決手段】(a)ガラス転移温度(Tg)が90〜2
60℃の熱可塑性樹脂 100 重量部 (b)パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケ
ニル基及びアクリル基又はメタクリル基を有する重合性
化合物の共重合体で表面被覆した銅粉 200〜2400 重量部 (c)分散剤 0.2〜240 重量部
及び (d)有機溶剤 75〜4600 重量部 を含有してなる導電性ペースト組成物及びこれを用いた
電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半田濡れ性が良好
でかつ耐湿性に優れ、電子部品等に応用することで優れ
た耐湿信頼性を付与可能な導電性ペースト組成物及びこ
れを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品の分野に於いては、金属をはじ
めとする導電性物質を樹脂に練り込みペースト状とし、
これを電気回路や電極の形成に利用することが一般に行
われている。銀はその中でも最も代表的な導電性物質で
あるが、高湿度条件下に於いて電圧を負荷した状態に於
いては非常にイオン化しやすく、マイグレーションと称
する銀の移行現象がしばしば観察される。マイグレーシ
ョンが発生すると電極間での短絡が起こり、耐湿信頼性
低下の原因となる。
【0003】上記の問題点を解決するために銀系の導電
性ペーストに代わり種々の導電性粉末が検討されてき
た。銅はこの中で最も多く利用されている金属である。
銅粉は、銀粉に比較するとマイグレーションは殆ど起こ
らず、このものを電子部品の回路等に応用すると良好な
特性を示す。しかし、銅粉表面は活性でペースト或いは
空気中の酸素と結合し酸化されやすい。そのため高温或
いは高湿度条件下では著しい導電性の低下や半田濡れ性
の劣化が認められる。これを解決するために、銅粉の表
面処理が数多く行われてきたが、これらはいずれも、導
電性、半田濡れ性、あるいは長期の保存安定性に問題が
ある。特に、高温域での半田付着性が著しく劣化すると
いう問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するためになされたものであり、ペースト塗
布乾燥後良好な導電性を示し、しかも高温・高湿度下で
の安定性に優れ、かつ高温での半田濡れ性の良好な導電
性ペースト組成物及びこれを用いた電子部品を提供する
ものである。すなわち、本発明者らは上記問題点を解決
するために種々検討を重ねた結果、使用する銅粉の表面
をパーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルケ
ニル基およびアクリル酸基もしくはメタクリル酸基を有
する重合性化合物の共重合体で表面被覆することで良好
な導電性を示し、かつ高温高湿度下での保存安定に優
れ、高温域での半田濡れ性の良好な導電性ヘ゜ースト組成物
を見い出すことができ本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は、(a)ガラス転移温度(Tg)が90〜260℃の熱可塑性樹脂 100 重量部 (b)パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基及びアクリル基又 はメタクリル基を有する重合性化合物の共重合体で表面被覆した銅粉 200〜2400 重量部 (c)分散剤 0.2〜240 重量部 及び (d)有機溶剤 75〜4600 重量部 を含有してなる導電性ペースト組成物及びこれを用いた
電子部品に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の導電性ペースト組
成物について詳しく説明する。本発明におけるガラス転
移温度(Tg)が90℃〜260℃の熱可塑性樹脂とし
ては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポ
リエーテルアミド樹脂等がある。熱可塑性樹脂のTgが
90℃未満であると塗膜のタック性が増し均一な塗膜が
得にくく、またTgが260℃を超えると乾燥時に樹脂
が可塑化しにくく有機溶剤が抜けにくいという問題点が
ある。上記の熱可塑性樹脂の中でも芳香族ジカルボン酸
もしくはその反応性酸誘導体とジアミンとを重縮合させ
て得られるポリアミド重合体または芳香族トリカルボン
酸もしくはその反応性誘導体とジアミンとを縮重合させ
て得られるポリアミドイミド重合体が好ましい。
【0007】これらのポリアミド重合体およびポリアミ
ドイミド重合体は、芳香族ジカルボン酸もしくは芳香族
トリカルボン酸またはそれらの反応性酸誘導体とジアミ
ンとを重縮合させて得られるものである。そのジアミン
は、特に制限はないが、(a)一般式(I)で表される芳
香族ジアミンが好ましい。
【化3】 式中、R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立に水素、低
級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を
表し、Xは化学結合、−O−、
【化4】 を表し、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水
素、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、トリクロ
ロメチル基またはフェニル基を表す)で表される芳香族
ジアミン。
【0008】前記(a)一般式(I)で表されるエーテル
結合を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−
ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−
ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]シクロペンタン、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]スルホン、4,4'−カルボニ
ルビス(p−フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4'
−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等がある。
2,2−ビス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパンが好ましい。
【0009】(b)上記以外の芳香族ジアミンとして
は、例えば1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
4−4'−[1.3−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスアニリン、4,4'−[1,4−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、
3,3'−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスアニリン、4,4'−ジアミノフェニル
エーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,
4'−ジアミノ−3,3'、5,5'−テトラメチルジフ
ェニルエーテル、4,4'−ジアミノ−3,3',5,
5'−テトラジメチルフェニルメタン、4,4'−ジアミ
ノ−3,3',5,5'−テトラエチルジフェニルエーテ
ル、2,2−[4,4'−ジアミノ−3,3',5,5'
−テトラメチルジフェニル]プロパン、メタフェニレン
ジアミン、パラフェニレンジアミン、3,3'−ジアミ
ノジフェニルスルホン等があり、これを併用することも
できる。
【0010】さらにその他のジアミンとしては、例え
ば、ピベラジン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、テトラメチレンジアミン、pーキシリレ
ンジアミン、m−キシリレンジアミン、3−メチルヘプ
タメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンがありこれを併
用することもできる。
【0011】芳香族ジカルボン酸は、芳香環に2個のカ
ルボキシル基が結合されているものであり、芳香族トリ
カルボン酸は、芳香環に3個のカルボキシル基が結合さ
れ、かつ、3個のカルボキシル基のうち2個は隣接炭素
原子に結合しているものである。もちろん、この芳香環
はヘテロ原子が導入されたものでもよく、また、芳香環
同士がアルキレン基、酸素、カルボニル基などと結合さ
れていてもよい。さらに、芳香環に例えば、アルコキシ
基、アリルオキシ、アルキルアミノ基、ハロゲンなどの
縮合反応に関与しない置換基が導入されていてもよい。
【0012】芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカル
ボン酸−4,4'、ジフェニルスルホンカルボン酸−
4,4'、ジフェニルジカルボン酸−4,4'、ナフタレ
ンジカルボン酸−1,5等を挙げることができるが、テ
レフタル酸およびイソフタル酸が入手容易で廉価である
から好ましい。特にテレフタル酸とイソフタル酸との混
合物の使用は、生成する重合体の溶解性の点から望まし
い。なお、本発明における芳香族ジカルボン酸の反応性
誘導体とは、前記芳香族ジカルボン酸のジハライド、例
えば、ジクロライド、ジブロマイド、ジエステル等を意
味する。
【0013】また、芳香族トリカルボン酸としては、ト
リメリット酸、3,3,4'−ベンゾフェノントリカル
ボン酸、2,3,4'−ジフェニルトリカルボン酸、
2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4'−
ベンズアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタリ
ントリカルボン酸、2'−クロロベンズアニリド−3,
4,4'−トリカルボン酸などが挙げることができる。
【0014】また、上記芳香族トリカルボン酸の反応性
誘導体とは、前記芳香族トリカルボン酸の酸無水物、ハ
ライド、エステル、アミド、アンモニウム塩等を意味す
る。これらの例としては、トリメリット酸無水物、トリ
メリット酸無水物モノクロライド、1,4ジカルボキシ
−3−N,N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4
−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4
−ジカボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6
−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6
−ジカルボキシ−5−カルバモイルナフタリン、上記芳
香族トリカルボン酸類とアンモニア、ジメチルアミン、
トリエチルアミン等からなるアンモニウム塩などが挙げ
られる。これらのうち、トリメリット酸無水物及びトリ
メリット酸無水物モノクロライドが入手容易であり廉価
であるから好ましい。
【0015】本発明において、芳香族ジカルボン酸芳香
族トリカルボン酸またはそれらの反応性誘導体は、ジア
ミンの総量100モル%に対して総量で80〜120モ
ル%使用するのが好ましい。95〜105モル%使用す
るのがより好ましい。ジアミンの総量に対してこれらの
総量で等モル使用したときに最も高分子量のものが得ら
れる。ジアミンに対して芳香族ジカルボン酸、芳香族ト
リカルボン酸またはそれらの反応性誘導体が多すぎても
少なすぎても、分子量が低下して機械的強度、耐熱性等
が低下する傾向がある。
【0016】上記のような芳香族ジカルボン酸、芳香族
トリカルボン酸またはそれらの反応性誘導体とジアミン
とを重縮合反応させて得られるポリアミド重合体または
ポリアミドイミド重合体は、ジメチルホルムアミド0.
2重量%溶液における30℃での還元粘度が0.2〜
2.0dl/gであるのが好ましい。この還元粘度が小
さすぎると、耐熱性、機械的強度が低下し、大きすぎる
と、有機溶剤への溶解性が低下する傾向がある。ポリア
ミド重合体またはポリアミドイミド重合体は、有機溶剤
に溶かしてワニスとすることができる。
【0017】本発明において用いられる銅粉は、銅粉単
独或いは銅粉表面を銀、ニッケル、スズ等で一部あるい
は全部を被覆したものが使用可能である。形状は、球
状、樹枝状、フレーク状、不定形のいずれでも良いが、
粒径は100μm以下が好ましく、1〜30μmがより
好ましい。粒径が100μmを超えると、塗膜表面が荒
れて均一な塗膜を得ることができず、また1μm未満で
あると粒子の酸化が著しく、導電性および半田付着性が
劣化する傾向がある。
【0018】銅粉の表面を被覆するパーフルオロアルキ
ル基またはパーフルオロアルケニル基およびアクリル酸
基またはメタクリル酸基を有する共重合体を構成する重
合性化合物の例としては、式
【化5】 (式中、Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル
基またはパーフルオロアルケニル基、R12は水素または
炭素数1〜10のアルキル基、R13は炭素数1〜10の
アルキレン基、R14は水素またはメチル基、Arは置換
基を有することもあるアリール基、nは1〜10の整数
を表す)で示される化合物を挙げることが出来る。
【0019】その他の共重合可能な重合性化合物とし
て、アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル類、
脂肪酸のビニルエステル類、スチレン系化合物、ハロゲ
ン化ビニル、ビニリデン化合物類、脂肪酸のアリルエス
テル類、ビニルアルキルケトン類、アクリルアミド類、
ジエン類等が挙げられる。
【0020】銅粉表面にこれらの共重合体を被覆する方
法としては、例えば上記重合性化合物を共重合して得た
重合体を有機溶剤に溶解し、銅粉とともに攪拌混合した
後、有機溶剤を除去する方法が採用される。
【0021】銅粉100重量部に対して上記共重合体を
好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜
1重量部添加し処理することで良好な安定性を有した銅
粉が得られる。共重合体の添加量が0.05重量部未満
では高温高湿度条件下での酸化安定性が悪く、安定した
導電性が得られない。共重合体の添加量が3重量部を超
えると導電性が著しく低下すると供に、塗膜の基材に対
する密着性が低下し好ましくない。
【0022】表面被覆した銅粉の配合量は、ガラス転移
温度(Tg)が90〜260℃の熱可塑性樹脂100重
量部に対して200〜2400重量部の範囲で用いら
れ、500〜1600重量部が好ましい。導電性粉体の
配合量が200重量部未満であると、導電性が著しく低
下するとともに半田付着性能も劣化し、逆に2400重
量部を越えると、塗膜の機械強度が低下し、塗膜として
の機能性が劣る。
【0023】本発明に使用する分散剤としては飽和脂肪
酸または不飽和脂肪酸の金属塩が用いられる。飽和脂肪
酸としては、炭素数16〜20のパルミチン酸、ステア
リン酸等が、不飽和脂肪酸としては炭素数16〜18の
オレイン酸、リノレン酸等が用いられ、これらの金属塩
としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、
銅等の金属との塩が用いられる。これらの分散剤の配合
量は、樹脂100重量部に対して0.2〜240重量部
の範囲とされ、2〜120重量部の範囲が好ましい。分
散剤の配合量が0.2重量部未満であれば、銅粉の分散
性が著しく悪くなり、均一なペーストが得られない。逆
に240重量部を超えると、塗膜の導電性が低下すると
供に基材との密着性が低下し好ましくない。
【0024】本発明に使用する有機溶剤としては、例え
ば1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、ニトロベンゼン、グリコールカーボネート
等の極性溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート等の
エチレン系グリコールエ−テル化合物、プロピレングリ
コールモノメチルエ−テル、プロピレングリコールメチ
ルエーテルアセテート等のプロピレン系グリコールエ−
テル化合物、2−シクロヘキサノン、4−メチル−2−
シクロヘキサノン等の脂環式ケトン化合物等が挙げられ
る。これらの溶剤は、ペースト作製時の樹脂の溶解、或
いはペーストの粘度調整に用いられる。またペーストを
作製する際には、これらの有機溶剤を単独でまたは2種
以上組み合わせた溶剤として用いられる。
【0025】溶剤の添加量はガラス転移温度(Tg)が
90〜260℃の熱可塑性樹脂樹脂100重量部に対し
て、75〜4600重量部の範囲で用いられ、好ましく
は125〜3060重量部とされる。溶剤の添加量が7
5重量部未満では樹脂が溶解しにくく、4600重量部
を越えると、樹脂粘度が著しく低下し導電性粉体が沈降
し易くなるため、ペーストとした場合に塗膜形成能が著
しく劣る。
【0026】本発明の導電性ペースト組成物は、例え
ば、i) ガラス転移温度(Tg)が90〜260℃の熱
可塑性樹脂100重量部にii)パーフルオロアルキル基
またはパーフルオロアルケニル基およびアクリル酸基ま
たはメタクリル酸基を有する重合性化合物の共重合体で
表面被覆した銅粉200〜2400重量部、iii)分散剤
0.2〜240重量部およびiv)有機溶剤75〜460
0重量部を混合し、らいかい機、3本ロール、ボールミ
ル等で混練分散することにより製造することができる。
【0027】また、本発明の導電性ペースト組成物を製
造する際に、半田濡れ性を向上させるために、ロジン或
いは金属キレート剤を添加して使用してもよい。ロジン
としては水添ロジン、蒸留ロジン、マレイン化ロジン、
ロジンエステル等が使用できる。また、金属キレート剤
としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミンが使用でき
る。これらの半田濡れ性促進剤は、上記熱可塑性樹脂1
00重量部に対して10重量部以下の配合で添加するこ
とが好ましい。
【0028】本発明は使用する銅粉の表面をパーフルオ
ロアルキル基もしくはパーフルオロアルケニル基および
アクリル酸基あるいはメタクリル酸基を有する重合性化
合物の共重合体で表面被覆することで良好な導電性を示
し、かつ高温高湿度下での保存安定に優れ、高温域での
半田濡れ性の良好な導電性ペースト組成物を提供するも
のである。
【0029】本発明の導電性ペースト組成物を用いた電
子部品としては、アルミ電解コンデンサ、タンタルコン
デンサ、セラミックコンデンサ等の電極材料及びスクリ
ーン印刷によって各種基板によって形成される導電回
路、さらにはICカード内に形成されるアンテナ用回路
等の導電回路形成部品などがある。本発明の導電性ペー
スト組成物により形成された塗膜は、半田濡れ性に富む
特長を有する。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 合成例1 温度計、撹拌機、窒素導入管および冷却管を装着した四
つ口フラスコ中に窒素ガス雰囲気下でジアミンとして
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン100gをN−メチル−2−ピロリドン4
00gに溶解した。この溶液を−10℃に冷却し、この
温度でイソフタル酸クロライド49.5gを温度が−5
℃を超えないように添加した、その後プロピレンオキシ
ドを56.6gを添加し室温で3時間撹拌を続けた。反
応液を純水中に投入して重合体を単離した。これを乾燥
した後、再びN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、こ
れを純水中に投入してポリアミド重合体を精製した。得
られた熱可塑性樹脂のTgは220℃であった。
【0031】合成例2 温度計、撹拌機および還流機を装着した四つ口フラスコ
に窒素雰囲気下でCF3(CF2)nCH2CH2OCOCH=CH265g、イ
ソボニルメタクリレート33g、1-クロロ-2-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル
メタクリレート2g、ステアリルトリメチルアンモニュウムクロライト゛2g、オクチルフェニル
エーテル5g、アセトン20g、エチレンク゛リコール10g、純水120
g、n-ラウリルメルカフ゜タン0.1gおよびアソ゛ヒ゛スイソフ゛チルアミシ゛ン二
塩酸塩0.2gを撹拌混合し、充分乳化分散させた。1
時間撹拌後、60℃に加熱し乳化重合を開始させた。6
0℃で3時間反応させ、その後冷却し、共重合体を得
た。
【0032】実施例1 パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基
及びアクリル酸基又はメタクリル酸基を有する重合性化
合物の共重合体をn−ヘキサンに溶解したワニス(ダイ
キン工業社製「G652]:固形分15重量%)5.4
重量部をn−ヘキサン100重量部中に添加することに
より希釈し、これに平均粒径10μmのアトマイズ銅粉
(日本アトマイズ加工社製)を100重量部添加し、ロ
ーラ上で回転させながら3時間表面処理を行った。その
後真空乾燥機又は、エバポレータを用いて溶剤分を除去
して銅粉100重量部に対し表面被覆共重合体が固形分
で1重量部の表面被覆銅粉を得た。これを合成例1で得
たポリアミド重合体100重量部にジエチレングリコー
ルジメチルエーテル230重量部を加え溶解したワニス
にステアリン酸カルシウムを表1に示す割合で配合し、
溶剤としてジエチレングリコールジメチルエーテルを加
え、30分間ディスパーで分散しペーストを得た。
【0033】得られた組成物を脱泡した後、ペーストを
スクリーン印刷法にて一定量スライドガラス上に薄く延
ばし、140〜160℃で20〜40分加熱乾燥させて
硬化物を得た。得られた硬化物について、体積抵抗率の
測定を行った。同様にアルミ板(1cm2)をペースト
にディップした後引き上げ、室温にて30分風乾した
後、上記乾燥条件にて乾燥・硬化させ硬化物を得た。こ
れをロジン系のフラックス(荒川化学工業製,KE−3
11)に浸漬した後230〜290℃の溶融半田(Pb
/Sn=40/60)に2秒間浸漬し引き上げた後、半
田の濡れ状態を観察した。また、体積抵抗率の測定に使
用したガラス基板を用いて密着性の測定を実施した。密
着性の測定は、加熱硬化した硬化物に1mm間隔に碁盤
目状に切り傷をつけ、その上からセロハンテープを張り
付け、引き剥がした時に基板上に残る升目の数を数え
た。
【0034】実施例2 共重合体表面被覆粉として銀コート銅粉(ジャパンエナジ
ー社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてペース
トを作製した。
【0035】実施例3 樹脂ワニスにトリエタノールアミンおよび蒸留ロジン
(荒川化学社製)を表1の割合で配合した以外は、実施
例1と同様にしてペーストを作製した。
【0036】実施例4 共重合体表面被覆粉として銀コート銅粉(ジャパンエナジ
ー社製)を用い樹脂ワニスにトリエタノールアミンおよ
び蒸留ロジン(荒川化学社製)を表1の割合で配合した
以外は、実施例1と同様にしてペーストを作製した。
【0037】比較例1 表面被覆処理をしない銅粉を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして導電性ペースト組成物を作製した。特性
の評価結果を表1に示す。
【0038】比較例2 n−ヘキサンに添加した表面被覆共重合体のワニス量を
0.2重量部にしたこと以外は実施例1と同様にして組
成物を作製した。特性の評価結果を表1に示す。
【0039】比較例3 n−ヘキサンに添加した表面被覆共重合体のワニス量を
26.7重量部にしたこと以外は実施例1と同様にして
組成物を作製した。特性の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の導電性ペースト組成物は、良好
な導電性を示し、かつ高温高湿度下での保存安定に優
れ、高温域での半田濡れ性の良好な導電性ペースト組成
物であり、高温半田付け性或いは耐湿信頼性が要求され
る電子部品に対する導電性塗膜として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 1/22 H01B 1/22 A H01G 4/008 H05K 1/09 D H05K 1/09 H01G 1/01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ガラス転移温度(Tg)が90〜260℃の熱可塑性樹脂 100 重量部 (b)パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基及びアクリル基又 はメタクリル基を有する重合性化合物の共重合体で表面被覆した銅粉 200〜2400 重量部 (c)分散剤 0.2〜240 重量部 及び (d)有機溶剤 75〜4600 重量部 を含有してなる導電性ペースト組成物。
  2. 【請求項2】共重合体の処理量が固形分で銅粉100重
    量部に対して、0.05〜3重量部である請求項1記載
    の導電性ペースト組成物
  3. 【請求項3】銅粉の表面を銀、ニッケル、スズなどで被
    覆した請求項1または2記載の導電性ペースト組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の熱可塑性樹脂として芳香族
    ジカルボン酸もしくはその反応性酸誘導体とジアミンと
    を重縮合させて得られるポリアミド重合体または芳香族
    トリカルボン酸もしくはその反応性誘導体とジアミンと
    を縮重合させて得られるポリアミドイミド重合体を用い
    た請求項1、2または3記載の導電性ペースト組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載のジアミンが、(a)一般式
    (I) 【化1】 (式中、R1,R2,R3およびR4はそれぞれ独立に水素、
    低級アルキル基、 低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、Xは化学
    結合、−O−、 【化2】 を表し、ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水
    素、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、トリクロ
    ロメチル基またはフェニル基を表す)で表される請求項
    4記載の導電性ペースト組成物。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5記載の導電
    性ペースト組成物を用いた電子部品。
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