JPH11106712A - 自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法 - Google Patents

自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法

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JPH11106712A
JPH11106712A JP28289497A JP28289497A JPH11106712A JP H11106712 A JPH11106712 A JP H11106712A JP 28289497 A JP28289497 A JP 28289497A JP 28289497 A JP28289497 A JP 28289497A JP H11106712 A JPH11106712 A JP H11106712A
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resin
bonding
self
adherend
solvent
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JP28289497A
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Koji Nakayama
幸治 中山
Hitohide Sugiyama
仁英 杉山
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings
    • H05K3/285Permanent coating compositions

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  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、特に耐熱性が要求されるコ
イル等の巻線や積層板の製造、その他の電気、電子部品
同士の接着において、溶媒型接着または熱風型接着のど
ちらでも容易に接着可能な自己融着性耐熱塗料を使用し
た接着方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも芳香族ポリアミド樹脂を含有
する塗料組成物を被着材表面に塗布乾燥し、該被着材の
表面に樹脂被膜を形成させ、ついで被着材の樹脂被膜面
を加熱、または/および樹脂被膜面に該樹脂被膜を溶解
可能な溶媒を塗布した後、被着材を接着させることから
なる自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気機器または電子
機器等の部品を接着する方法に関する。さらに詳しく
は、特に耐熱性と絶縁性が要求されるコイル用絶縁電線
同士の接着あるいはコイルとコイル支持部材との接着な
ど高温環境下での接着力の維持が必要な機器用部品の接
着に好適な自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年電気、電子機器類の小型化高性能化
はめざましいものがあり、それに用いられる部品類にも
高い性能が要求されている。特に樹脂材料に対しては高
絶縁性、高耐熱性が求められている。電線の分野では、
導体上に絶縁被膜を介して融着塗料を塗布焼き付けた自
己融着性マグネットワイヤは、溶媒処理または加熱処理
により、融着被膜が容易に溶解、膨潤または溶融し、線
間相互を融着固化せしめることができる。このため、比
較的簡単にフラットコイル、偏向ヨークコイル、ボイス
コイル等の自己支持型コイルを作ることが可能であり、
複雑な形状のコイル巻線に広く利用されている。
【0003】このコイルの製造方法としては、自己融着
性マグネットワイヤを溶媒により溶解、膨潤させて接着
する溶媒接着型と、自己融着性マグネットワイヤの融着
被膜を熱風等により加熱して溶融後接着する熱風接着型
とがある。コイル巻線の際、自己融着性マグネットワイ
ヤを溶媒処理するか、加熱処理するかは融着被膜の特性
で決まる。融着塗料の主成分樹脂に用いられる樹脂とし
ては従来からポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリアミド樹脂等が知られている。中でも、接着特
性、電気特性等を考慮して溶媒接着型ワイヤおよび熱風
接着型ワイヤのいずれにおいてもポリアミド樹脂が比較
的多用されている。
【0004】溶媒接着型ワイヤの製造に当たっては、融
着被膜を形成する樹脂の良溶媒であれば樹脂の種類に制
限はないが、その取り扱い性を考慮してアルコール溶媒
を使用したアルコール巻線型が良く用いられる。このア
ルコール巻線型の融着被膜に用いる樹脂としてアルコー
ル可溶性のポリアミド樹脂が多用されている。アルコー
ル可溶性ポリアミド樹脂としては、6−10ナイロンと
6または6,6−ナイロン等の共重合体である、ウルト
ラミッド1C(BASF社製)、プラタボンドMX16
03(日本リルサン社製)、アミランCM40(東レ社
製)等が知られている。
【0005】熱風接着型ワイヤでは、融着被膜に用いる
樹脂として、アルコール不溶性ポリアミド樹脂、例えば
グリルアミドELY60(エムスジャパン社製)、ダイ
アミドL1801(ダイセル社製)、プラタボンドM1
426(日本リルサン社製)等を用いることが可能であ
る。しかしながら、これらの脂肪族ポリアミド樹脂は熱
可塑性であり、高融点の樹脂を使用することによって、
ある程度耐熱性の改善は可能であるが、150℃以上の
高温環境下では接着性の低下によるコイルの歪みや融着
面のズレの発生が避けられなかった。そのため、耐熱性
を向上させ、高温環境下での接着性を改善するため、こ
れらのポリアミド樹脂に熱硬化樹脂、例えばエポキシ樹
脂、フェノール樹脂などを混合し、巻線後に加熱硬化さ
せる試みがなされている。
【0006】しかしながら、これらの熱硬化性樹脂は被
膜とした場合に可撓性が乏しく、多量の添加では巻線時
に被膜にひび割れが生ずる等の問題があり、添加量が制
限される。また、少量の添加では充分な耐熱性が得られ
ない。また、熱硬化性樹脂は塗料を被着材上に塗布乾燥
させる工程において加熱硬化が起こり、熱風接着型では
その後の加熱接着工程において被膜の溶融流動性が不充
分となり満足な接着強度が得られない場合があった。一
方、アルコール巻線型では塗料を被着材上に塗布乾燥さ
せる工程で硬化が進み、アルコールへの再溶解性が悪く
なり、その後の溶媒接着時に充分な接着性が得られない
という問題が生じていた。熱風接着型ワイヤは、整列巻
線性において溶剤接着型ワイヤより優れており、寸法精
度の良いコイルを得ることができる。このため汎用性が
高く、工程の自動化も容易であり、広範囲に使用され
る。一方、溶剤接着型ワイヤは、溶剤に可溶であれば高
融点の樹脂でも用いることが可能なため、耐熱性の要求
される分野のコイルの製造に適用される。前述のよう
に、従来のコイルの製造においては、どちらの接着方法
に置いても充分な耐熱性を有し、接着強度の良好なコイ
ルの接着方法がなかった。したがって、どちらのプロセ
スにも適用可能な高耐熱、高絶縁性で接着強度の強い接
着方法が求められていた。
【0007】また、積層板製造の分野では、金属箔の一
面に塗布した耐熱性絶縁樹脂溶液を乾燥硬化せしめた耐
熱絶縁層つき金属箔を得、該金属箔の絶縁コート層を内
面にしてプリプレグを挟み込みこれを熱圧して一体積層
化する金属箔付き積層板の製造方法が知られている。こ
の積層板の耐熱性を向上させるため、各種の耐熱性樹脂
を用いた金属張り板が使用されている。例えば、ポリイ
ミド樹脂系銅張り板、ポリスルフォン樹脂系銅張り板、
フッ素樹脂系銅張り板等である。しかしながらこれらの
耐熱性基板は、一体積層化に際して、高温をかけた状態
での熱圧が必要になるため特殊な高温プレスが必要とな
ることや素材が高価であること等から経済的に好ましい
ものではない。さらに金属板との密着性が悪いため、特
殊な処理銅箔を用いる必要があったり、耐熱性樹脂をエ
ポキシ樹脂等で変性する等の方法が用いられたりしてい
る。このように、種々の煩雑な手法が用いられている
が、充分実用特性の満足できる耐熱性積層板は得られて
いない。したがって、できるだけ低温の熱圧処理で充分
な接着性が得られ、しかも、耐熱性を有する積層板の製
造が可能な接着方法が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題点を解決するためになされたものであ
り、特に耐熱性が要求されるコイル等の巻線や積層板の
製造、その他の電気、電子部品同士の接着において、溶
媒型接着または熱風型接着のどちらでも容易に接着可能
な自己融着性耐熱塗料を使用した接着方法の提供を目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも芳
香族ポリアミド樹脂を含有する塗料組成物を被着材表面
に塗布乾燥し、該被着材の表面に樹脂被膜を形成させ、
ついで被着材の樹脂被膜面を加熱し、または/および樹
脂被膜面に該樹脂被膜を溶解可能な溶媒を塗布した後、
被着材を接着させることを特徴とする自己融着性耐熱塗
料を用いた接着方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は耐熱性の良好な芳香族ポリアミド樹脂(以下ア
ラミド樹脂ともいう)成分を、好ましくは樹脂成分全体
を100重量部としたときにアラミド樹脂が5〜100
重量部、さらに好ましくは30〜100重量部となるよ
うに、含有した塗料組成物を被着材表面に塗布乾燥させ
て被膜を形成し、その被膜を加熱または溶媒塗布によっ
て容易に支持体に接着することができ、かつ高温での接
着力低下の少ない自己融着性耐熱性耐熱塗料を用いた接
着方法を提供する。
【0011】本発明に用いるアラミド樹脂は芳香族ジカ
ルボン酸と芳香族ジアミンとの重縮合により合成される
芳香族ポリアミド樹脂である。使用される芳香族ジカル
ボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−メ
チレン二安息香酸、4,4’−メチレン二安息香酸、
4,4’−オキシ二安息香酸、4,4’−チオ二安息香
酸、3,3’−カルボニル二安息香酸、4,4’−カル
ボニル二安息香酸、4,4’−スルホニル二安息香酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フェ
ニルマロン酸、ベンジルマロン酸、フェニルスクシン
酸、フェニルグルタル酸、ホモフタル酸、1,3−フェ
ニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、4−カルボ
キシフェニル酢酸、5−ブロモ−N−(カルボメチル)
アントラニル酸、3,3’−ビス(4−カルボキシルフ
ェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシルフェニル)
メタン、3,3’−ビス(4−カルボキシルフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸、3,4−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸等を挙げることができる。
【0012】また、本発明で使用する芳香族ジアミンと
してはm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、m−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニル
エーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’
−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテ
ル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−
ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ベ
ンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−
ジメトキシベンジジン、3,3’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェ
ニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、1,3−ビス(メタアミノフェニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、4,4’−ビス(アミノフェノキシ)
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(アミノフェニルメル
カプト)ベンゾフェノン、2,2’−ビス(3−アミノ
フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェ
ニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニ
ル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−
(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4
−(2−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス
(4−(3−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキ
シ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビ
ス(4−(3−トリフルオロメチル−5−アミノフェノ
キシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−
ビス(4−(4−トリフルオロメチル−5−アミノフェ
ノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’
−ビス(4−(2−ノナフルオロブチル−5−アミノフ
ェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2’−ビス(4−(4−ノナフルオロブチル−5−アミ
ノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメ
トキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,
3’−ジアミノジフェニルメタン、2,5−ジアミノピ
リジン等を挙げることができる。
【0013】本発明では特に、末端アミノアリール基の
オルト位に少なくとも一個のアルキル基を有する芳香族
ジアミン化合物と、フェノール性水酸基を有するジカル
ボン酸とを構成単位として有する下記式(1)で示され
る繰り返し構造単位5〜100モル%と、末端アミノア
リール基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基を有
する芳香族ジアミン化合物と、ジカルボン酸とを構成単
位として有する下記式(2)で示される繰り返し構造単
位0〜95モル%とが、不規則に結合してなるアラミド
樹脂を用いることが好ましい。前記アラミド樹脂は良好
な溶媒溶解性と反応性を有し、接着性と耐熱性を良好に
することができる。フェノール性水酸基を有する上記の
アラミド樹脂は高温で加熱することにより自己架橋し、
飛躍的に耐熱性が向上する。さらに、反応性の高いフェ
ノール性水酸基と反応する架橋剤を用いることにより、
架橋反応の開始温度を低下させることも可能となり、接
着温度の低温下を図ることもできる。
【0014】
【化2】 (ただし、上記一般式中、Arは2価の芳香族基を示
し、R、R1は、水素原子または炭素数1〜4までのア
ルキル基、ただし同時に水素原子であることは無い、を
示し、R2は炭素数1から3までのアルキレン基、ただ
しフッ素原子で置換されていても良い、を示し、nは1
または2を示す)。
【0015】末端アミノアリール基のオルト位に少なく
とも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物と
しては、例えば、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3エチル−5−メチ
ルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−プロピル
フェニル)メタン、ビス(4−アミノ3,5−ジプロピ
ルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−イソプロ
ピルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジ
イソプロピルフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3,5−
ジメチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−
ビス(3、5−ジエチル−4−アミノフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ア
ミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ
フェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ
プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ア
ミノフェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサフル
オロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジエチル−4
−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3,−ヘキサ
フルオロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジイソプ
ロピル−4−アミノフェニル)1,1,1,3,3,
3,−ヘキサフルオロプロパン等がある。
【0016】フェノール性水酸基を有するジカルボン酸
の例としては、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒド
ロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、2
−ヒドロキシテレフタル酸、2,3−ジヒドロキシテレ
フタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、および
その誘導体が挙げられる。これらの単量体は単独で使用
しても良いし、複数種類を混合して使用しても良い。
【0017】上記の構造を有する溶媒溶解性の良好なア
ラミド樹脂は、熱風接着型、溶剤接着型のいずれでも、
ともにに好適に用いることができる。さらに、前記構造
式のジアミン化合物のアルキル基の炭素数が多くなるほ
どアルコール溶媒への溶解性が良好となるので、特にア
ルコールを溶媒とする溶媒接着に用いるアラミド樹脂と
しては少なくとも炭素数が2以上のアルキル基を1個以
上有するジアミンを用いることが好ましい。
【0018】本発明のアラミド樹脂の製造方法について
説明する。まず、ピリジン誘導体を含む有機溶媒、例え
ばN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のア
ミド系溶媒中に亜リン酸エステルを添加する。その後、
ジカルボン酸類とジアミン類を添加し、窒素等の不活性
雰囲気下で加熱撹拌することにより得ることができる。
反応終了後、反応液をそのまま塗料として用いても良い
が、副生成物や無機塩類等を除去する必要がある場合に
は、反応液をメタノール等の非溶媒中に投入し、生成重
合体を分離した後、再沈殿法によって精製し、高純度の
アラミド重合体を得ることができる。
【0019】また本発明の接着方法では自己融着性塗料
の接着力を向上させるために、異なる構造のアラミド樹
脂同士の混合、あるいはアラミド樹脂以外の樹脂成分と
の混合も可能である。アラミド樹脂以外の樹脂成分とし
ては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコー
ン系樹脂、オレフィン系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂
等熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、脂肪族ポリ
アミド系樹脂が特に好ましい。アラミド樹脂と他の樹脂
との混合割合は、全樹脂成分を100重量部としたとき
にアラミド樹脂が5〜100重量部、好ましくは30〜
100重量部となるようにする。アラミド樹脂が上記範
囲の下限よりも少ないとアラミド樹脂添加による耐熱性
向上という効果が生じない。また、要求される耐熱性に
応じて、混合する熱可塑性樹脂の軟化点または融点をコ
ントロールする必要があり、耐熱性を良好とするために
は、150℃以上の融点のものを用いることが好まし
い。150℃以上の融点をもつ脂肪族ポリアミド系樹脂
としては、例えばアルコール可溶性脂肪族ポリアミド樹
脂である、ウルトラミッド1C(BASF社製、融点1
80〜190℃)、プラタボンドMX1603(日本リ
ルサン社製、融点190〜200℃)、プラタボンドM
X1178(日本リルサン社製、融点170〜180
℃)等が挙げられる。アルコール不溶性の脂肪族ポリア
ミド樹脂としては、グリルアミドELY60(エムスジ
ャパン社製、融点160℃)、グリロンCR9(エムス
ジャパン社製、融点200℃)、ダイアミドL1801
(ダイセル社製、融点175〜180℃)、プラタボン
ドM1426(日本リルサン社製、融点195〜200
℃)等が挙られる。溶剤接着型、特にアルコール接着型
の方法を採用する場合には、前記アルコール可溶性脂肪
族ポリアミド樹脂を混合して用いることが好ましい。
【0020】アラミド樹脂と他の樹脂成分を混合する場
合、単なる混合では、樹脂の種類によってはアラミド樹
脂との相溶性が悪く、接着層としたときに樹脂が分離し
充分な接着強度が得られない場合がある。この場合、ア
ラミド樹脂と他の樹脂成分とをブロック共重合し、相溶
性を改善する手法をとることができる。アラミド樹脂と
ブロック共重合させる成分としては、低Tgの熱可塑性
樹脂が最も好ましい。熱可塑性樹脂とのブロック共重合
体とすることにより、加熱接着させる工程において、接
着温度を低下させることが可能となり、また、接着強度
も向上させることができる。アラミド樹脂とブロック共
重合する樹脂の例としては、末端にカルボキシル基また
はアミノ基を有するポリブタジエン、ポリブタジエンア
クリロニトリル共重合体、ポリエーテル、ポリシロキサ
ン等が挙げられる。ポリブタジエンの例としてはHyc
ar CTB(BF Goodrich社製)が挙げられ
る。ポリブタジエンアクリロニトリル共重合体の例とし
ては、Hycar CTBN(BF Goodrich社
製)、Hycar ATBN(BF Goodrich社
製)が挙げられる。ポリエーテルの例としてはエラスマ
ー1000(イハラケミカル社製)、POE#1000
(川研ファインケミカル社製)、ポリシロキサンの例と
してはx−22−161AS(信越シリコーン社製)、
TSL9306)東芝シリコーン社製)が挙げられる。
樹脂全体を100重量部としたときにブロック共重合し
たアラミド樹脂成分が5〜100重量部、好ましくは5
0〜100重量部となるようにする。
【0021】また高温での接着強度を向上させるために
は、熱硬化性樹脂との混合も可能である。熱硬化性樹脂
の例としてはエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノー
ル樹脂等が挙げられる。アラミド樹脂との相溶性、被膜
の耐熱性、および接着性等の観点からはエポキシ樹脂を
用いることが最も好ましい。エポキシ樹脂の例としては
エピコート828、1001、1004、1007(何
れもシェル化学社製)等のビスフェノールA型のエポキ
シ樹脂を用いることができる。さらに、溶媒接着型、特
にアルコール接着用に用いる場合には、EHPE−31
50(ダイセル化学社製)等の脂環型のアルコール可溶
性エポキシ樹脂を用いることが最も好ましい。フェノキ
シ樹脂の例としては、エポノールOL−55(シェルケ
ミカル社製)、PKHH(ユニオンカーバイド社製)、
YP−50J(東都化成社製)等が挙げられる。また、
フェノール樹脂としては、レジトップPL−220(群
栄化学工業社製)等が用いられる。これらの熱硬化性樹
脂の硬化剤および硬化促進剤はその反応温度と時間を調
整するために同時に使用することが可能であり、150
〜200℃程度で硬化できる条件を選択することが好ま
しい。この他、目的に応じて他の樹脂材料、あるいは無
機化合物や有機化合物の添加剤を塗料に添加することも
可能である。
【0022】接着工程はまず塗料用の樹脂を溶媒に溶解
し、塗布に最適な粘度になるよう固形分を調整する。使
用する溶媒は樹脂組成物を溶解できるものであれば特に
制限はないが、NMP、DMAc、DMF等の高沸点溶
媒を用いると塗料の継時安定性、脱溶媒後の被膜の表面
状態が良好となるため好ましい。被膜の厚さは使用目的
に応じて調整されるが、おおよそ5〜200μmの範囲
になるように被着材表面に塗料を塗布する。その後、熱
風乾燥機等を使用して脱溶媒し、被着体上に被膜を形成
する。この場合、被膜を目的の厚みに均一に形成するた
めには、2回以上の多数回の塗布を実施することも好ま
しい方法である。脱溶媒後の被膜中の残留溶媒は被膜形
成後の被膜のブロッキング性を解消するためには極力少
ないことが望ましく、通常は3重量%以下とされる。さ
らに好ましくは1重量%以下である。その後、被着体を
加熱接着する場合には、まず被着体同士の場合には被膜
側を内側にして合わせ、必要に応じて接着面に一定の荷
重をかけながら加熱炉中で、所定温度、所定時間熟成し
接着する。また、溶剤接着の場合には被膜にスプレーあ
るいは浸漬によって被膜を溶解できる溶媒を塗布した
後、被膜面同士を向かい合わせ、そのまま常温で風乾す
るか、必要に応じてさらに熱風で乾燥し接着する。アル
コール可溶性の被膜の場合にはアルコール系溶媒、例え
ばメタノール、エタノール等を用いて実施することがで
きる。
【0023】被着材が導体である場合には、本発明の自
己融着性塗料をそのまま被着材上に塗布接着しても良い
が、接着後の良好な絶縁性を保持するために、他の樹脂
等の絶縁層を介して樹脂被膜を形成させることも可能で
ある。この場合の絶縁層としては、一般の油性エナメル
塗料、ホルマール塗料、ポリエステル塗料、ポリウレタ
ン塗料、ポリイミド塗料、ポリアミドイミド塗料等を用
いることができるが、耐熱性を要求される分野ではポリ
イミド塗料やポリアミドイミド塗料を用いることが好ま
しい。
【0024】本発明は、前記したように少なくともアラ
ミド樹脂成分を含有する塗料組成物を被着材表面に塗布
乾燥して該被着材の表面に樹脂被膜を形成させ、ついで
被着材の樹脂被膜面を樹脂被膜を溶解可能な溶媒を塗布
しながら、または/および加熱して被着材を接着させる
ことを特徴とする自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法
である。自己融着性塗料にアラミド樹脂を含有させるこ
とにより、耐熱性を向上させ、高温環境下においても接
着強度の低下の少ない接着層を形成させる接着方法を提
供することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
なお、実施例において部は重量部を示す。
【0026】実施例1 メカニカルスターラ、還流冷却器、温度計、塩化カルシ
ウム管、および窒素導入管を取り付けた容量300ml
の三口丸底フラスコに、ビス(4−アミノ−3−エチル
−5−メチルフェニル)メタン(イハラケミカル製、商
品名:キュアハードMED)11.30g(40mmo
l)、5−ヒドロキシイソフタル酸(日本化薬社製)
7.28g(40.0mmol)、安定化剤として塩化
カルシウム2.02g、塩化リチウム0.66g、およ
び縮合剤としてN−メチル−2−ピロリドン120g、
ピリジン4.0g、亜りん酸トリフェニル24.82g
(80.0mmol)を投入した。ついで、フラスコを
オイルバスで120℃に加温しながら窒素雰囲気下4時
間攪拌した。攪拌後、反応液を室温まで冷却し、溶液
(水/メタノール=1/1)4リットルに滴下して樹脂
を析出させた。これを吸引濾過し、溶液(水/メタノー
ル=9/1)で2回洗浄し、乾燥して収率98%でフェ
ノール性水酸基を有するアラミド樹脂を得た。得られた
アラミド樹脂の固有粘度(h)は、0.63dl/g
(溶媒: N,N−ジメチルアセトアミド、濃度:0.
5g/dl、温度:30℃)であり、アルコール系溶媒
に不溶であった。得られたアラミド樹脂100部にN,
N−ジメチルホルムアミド400部を加え、室温で溶解
し、本実施例で用いるアラミド樹脂塗料を得た。
【0027】実施例2 実施例1のビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチル
フェニル)メタン11.30g(40mmol)をビス
(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン(日
本化薬社製、商品名:KAYABOND C−300
S)12.42g(40.0mmol)に変更した以外
は実施例1と同様に操作して目的とするフェノール性水
酸基を有するアラミド樹脂を得た。得られたフェノール
性水酸基を有するアラミド樹脂の固有粘度(h)は、
0.60dl/g(溶媒: N,N−ジメチルアセトア
ミド、濃度:0.5g/dl、温度:30℃)であり、
アルコール系溶媒に可溶であった。得られたアルコール
可溶性アラミド樹脂100部にN,N−ジメチルホルム
アミド400部を加え、室温で溶解し、本実施例で用い
るアラミド樹脂塗料を得た。
【0028】実施例3 実施例1のビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチル
フェニル)メタン11.30g(40mmol)をビス
(4−アミノ3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン
(日本化薬社製、商品名:C−400)14.64g
(40mmol)に変更した以外は実施例1と同様に操
作して目的とするフェノール性水酸基を有するアラミド
樹脂を得た。得られたフェノール性水酸基を有するアラ
ミド樹脂の固有粘度(h)は、0.54dl/g(溶
媒: N,N−ジメチルアセトアミド、濃度:0.5g
/dl、温度:30℃)であり、アルコール系溶媒に可
溶であった。得られたアルコール可溶性アラミド樹脂1
00部にN,N−ジメチルホルムアミド400部を加
え、室温で溶解し、本実施例で用いるアラミド樹脂塗料
を得た。
【0029】実施例4 実施例2で合成したアルコール可溶性アラミド樹脂10
0部とビスフェノールA系ジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコー
ト828)10部に、N,N−ジメチルホルムアミド4
00部を加え、室温で溶解し、本実施例で用いるエポキ
シ樹脂含有アラミド樹脂塗料を得た。
【0030】実施例5 実施例2で得られたアルコール可溶性アラミド樹脂10
0部とフェノール樹脂(日立化成工業社、商品名:ヒタ
ノール1140)20部をN,N−ジメチルホルムアミ
ド400部に室温で溶解し、本実施例で用いるフェノー
ル樹脂含有アラミド樹脂塗料を得た。
【0031】実施例6 実施例2で得られたアルコール可溶性アラミド樹脂50
部とアルコール可溶性熱可塑性ポリアミド共重合体(B
ASF社製、商品名:ウルトラミッド1C)50部を
N,N−ジメチルホルムアミド400部に室温で溶解
し、本実施例で用いるアルコール可溶性樹脂混合物の塗
料を得た。
【0032】実施例7 メカニカルスターラ、還流冷却器、温度計、塩化カルシ
ウム管、および窒素導入管を取り付けた容量500ml
のセパラブルフラスコ中に、3,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル6.92g(34.57mmol)、5−
ヒドロキシイソフタル酸0.82g(4.50mmo
l)、イソフタル酸4.49g(27.01mmo
l)、塩化カルシウム2.64g、塩化リチウム0.8
8g、N,N−ジメチルアセトアミド67g、ピリジン
9.8g、および亜リン酸トリフェニル21.5gを投
入した。ついで、フラスコをオイルバスで95℃に加温
しながら窒素雰囲気下2時間攪拌し、アラミドオリゴマ
ー(固有粘度0.15dl/g)の溶液を調製した。次
に得られたアラミドオリゴマーの溶液に、両末端にカル
ボキシル基を有するアクリロニトリルブタジエン共重合
体(Goodrich社製、HycarCTBN130
0×8:平均分子量3600)11.0g(3.06m
mol)を44gのN,N−ジメチルアセトアミド溶解
して溶液にしたものを添加し、反応器中で更に2時間反
応させた。室温に冷却した後、反応溶液を3リットルの
メタノール中に投入しポリマーを析出させ、さらにメタ
ノール洗浄およびメタノール還流して精製し、芳香族ポ
リアミド−アクリロニトリルブタジエンブロック共重合
体を99.5%の収率で得た。この芳香族ポリアミドブ
ロック共重合体の固有粘度(h)は0.63dl/g
(溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド、濃度:0.5
g/dl、温度:30℃)であった。得られた芳香族ポ
リアミドブロック共重合体100部にN,N−ジメチル
ホルムアミド400部を加え、室温で溶解し、本実施例
で用いるポリアミド共重合体塗料を得た。
【0033】実施例8 メカニカルスターラ、還流冷却器、温度計、塩化カルシ
ウム管、および窒素導入管を取り付けた容量300ml
の三口丸底フラスコに、ビス(4−アミノ−3−エチル
−5−メチルフェニル)メタン(イハラケミカル製、商
品名:キュアハードMED)7.77g(27.5mm
ol)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノ
ベンゾエート(イハラケミカル社製、商品名:エラスマ
ー1000、分子量:約1240)15.48g(1
2.5mmol)、5−ヒドロキシイソフタル酸(日本
化薬社製)7.28g(40.0mmol)、安定化剤
として塩化カルシウム2.0g、塩化リチウム2.0
g、および縮合剤としてN−メチル−2−ピロリドン8
0g、ピリジン4.0g、亜りん酸トリフェニル24.
82g(80.0mmol)を投入した。ついで、フラ
スコをオイルバスで120℃に加温しながら窒素雰囲気
下2時間攪拌した。攪拌後、反応液を室温まで冷却し、
溶液(水/メタノール=1/1)4リットルに滴下して
樹脂を析出させた。これを吸引濾過し、溶液(水/メタ
ノール=9/1)で2回洗浄し、乾燥して収率86%で
フェノール性水酸基を含有したポリアミド−ポリエーテ
ル共重合体を得た。得られたポリアミド−ポリエーテル
共重合体の固有粘度(h)は、0.63dl/g(溶
媒:N,N−ジメチルアセトアミド、濃度:0.5g/
dl、温度:30℃)であった。得られたポリアミド−
ポリエーテル共重合体100部にN,N−ジメチルホル
ムアミド400部を加え、室温で溶解し、本実施例で用
いるポリアミド−ポリエーテル共重合体塗料を得た。
【0034】実施例9 実施例2で得られたアルコール可溶性アラミド樹脂10
0部にN,N−ジメチルホルムアミド400部を加え、
室温で溶解し、本実施例で用いるアラミド樹脂塗料を得
た。
【0035】比較例1 アルコール可溶性熱可塑性ポリアミド共重合体(BAS
F社製、商品名:ウルトラミッド1C)100部を80
℃に加温した溶液(エタノール/水=8/2)400部
に撹拌しながら溶解した後、室温まで冷却し、本実施例
で用いるポリアミド共重合体塗料を得た。
【0036】比較例2 アルコール可溶性熱可塑性ポリアミド共重合体(BAS
F社製、商品名:ウルトラミッド1C)100部を80
℃に加温したエタノール400部に撹拌しながら溶解し
た。室温に冷却した後、ビスフェノールA系ジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、
商品名:エピコート828)10部、アミン系硬化剤
(富士化成工業社製、商品名:デラミンCTU−10
0)0.5部を攪拌しながら溶解し、本実施例で用いる
エポキシ樹脂含有ポリアミド共重合体塗料を得た。
【0037】比較例3 アルコール可溶性熱可塑性ポリアミド共重合体(BAS
F社製、商品名:ウルトラミッド1C)20部を80℃
に加温したエタノール400部に撹拌しながら溶解し
た。室温に冷却した後、ビスフェノールA系ジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、
商品名:エピコート828)100部、アミン系硬化剤
(富士化成工業社製、商品名:デラミンCTU−10
0)1部を攪拌しながら溶解し、本実施例で用いるエポ
キシ樹脂含有ポリアミド共重合体塗料を得た。
【0038】次に前記実施例及び比較例で得られた塗料
について下記試験を実施した。 1.試験片の作成 実施例1〜8の塗料を35μmの銅箔上に10μmの膜
厚で塗布し、200℃、1min.温風乾燥機中で溶媒
量が1重量部%以下になるように脱溶媒し、銅箔に被膜
を形成させた。この樹脂付き銅箔を5cm×1cmに裁
断し接着試験用のサンプルとした。次いで、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルと無水トリメリット酸から
合成した極性溶媒可溶性芳香族ポリアミドイミド樹脂1
00部にN−メチル−2−ピロリドン450部を加えて
溶解した。得られたポリアミドイミド塗料を35μmの
銅箔上に20μmの膜厚で塗布し、200℃、2mi
n.温風乾燥機中で溶媒量が1重量%以下になるように
脱溶媒し、銅箔に被膜を形成させた。このポリアミドイ
ミド被膜銅箔に、実施例9のアラミド樹脂塗料を10μ
mの膜厚で塗布し、200℃、1min.温風乾燥機中
で溶媒量が1重量%以下になるように脱溶媒し、アルコ
ール可溶性アラミド樹脂樹脂被膜を形成させた。この樹
脂付き銅箔を5cm×1cmに裁断し接着試験用のサン
プルとした。 2.試験片の接着 1)熱接着法 前記で作成した試験片の樹脂被膜側を内側として重ね合
わせ、卓上用テストプレス(神藤金属工業製)を用いて
50Kg/cm2になるようにセットし、表1記載のそ
れぞれの温度および時間プレスして試験片を接着した。 2)溶媒接着法 前記で作成した試験片を約1秒間所定の溶媒に浸漬した
後、試験片の樹脂被膜側を内側として重ね合わせ、5K
g/cm2になるように重りを乗せて、熱風乾燥機中に
表2記載のそれぞれの温度および時間放置して試験片を
接着した。なお表2中、溶媒NMPはN−メチル−2−
ピロリドンを意味する。 3)接着強度の試験 テンシロンUCT−500型(オリエンテック社製)を
用いて下記条件で180度剥離強度を測定した。チャー
トからその剥離強度の平均値をもとめ接着強度とした。 ヘッドスピード:5mm/min. 測定温度:表1および表2記載の温度および時間で接着
した試験片を、25℃および150℃の雰囲気下で接着
強度を測定した。それぞれ測定雰囲気25℃における測
定結果を接着強度A、測定雰囲気150℃における測定
結果を接着強度Bとした。また、以下の計算式により、
接着条件が260℃、1時間の場合の接着強度Aに対す
る接着強度Bの割合を保持率として下記の式により求め
た。 接着強度保持率(%)=(150℃における接着強度)
/(25℃における接着強度)×100
【0039】上記試験によって得られた試験結果は、表
1及び表2に示す通りであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1及び表2の結果から明らかなように、
本発明の実施例1〜9の接着方法では熱風接着、溶媒接
着何れの方法においても常温での接着強度が充分得ら
れ、150℃の高温下でも接着強度の保持率が70%以
上であり、良好な接着性を示した。比較例1〜2の接着
方法では常温での接着性は充分であるが、150℃の高
温下での接着強度の保持率が30%以下であり、不充分
であった。比較例3では被膜が非常に脆いものであり、
試験片を曲げると亀裂が発生し、実用上問題のあるもの
であった。
【0043】
【発明の効果】このように、本発明のアラミド樹脂を含
有する自己融着性塗料を被着材に塗布乾燥して被着材表
面に樹脂被膜を形成させた後、加熱または/および溶剤
塗布により被着材を接着する接着方法を用いると、高温
環境下でも接着強度の低下が少ない優れた絶縁性と耐熱
性を有する接着層を形成することができ、電気または電
子機器等の部品を接着する場合に適用することにより、
機器の使用温度環境の拡大や信頼性の向上等の効果を奏
する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芳香族ポリアミド樹脂を含有
    する塗料組成物を被着材表面に塗布乾燥し、該被着材の
    表面に樹脂被膜を形成させ、ついで被着材の樹脂被膜面
    を加熱、または/および樹脂被膜面に該樹脂被膜を溶解
    可能な溶媒を塗布した後、被着材を接着させることを特
    徴とする自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミド樹脂がアルコール可溶
    性であり、アルコール系溶媒を塗布した後、風乾および
    /または加熱によって被着材を接着させることを特徴と
    する請求項1記載の自己融着性耐熱塗料を用いた接着方
    法。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミド樹脂が、末端アミノア
    リール基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基を有
    する芳香族ジアミン化合物と、フェノール性水酸基を有
    するジカルボン酸とを構成単位として有する下記式
    (1)で示される繰り返し構造単位5〜100モル%
    と、末端アミノアリール基のオルト位に少なくとも一個
    のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物と、ジカル
    ボン酸とを構成単位として有する下記式(2)で示され
    る繰り返し構造単位0〜95モル%とが、不規則に結合
    してなることを特徴とする請求項1記載の自己融着性耐
    熱塗料を用いた接着方法、 【化1】 (ただし、上記一般式中、Arは2価の芳香族基を示
    し、R、R1は、Hまたは炭素数1〜4までのアルキル
    基、ただし同時にHであることは無い、を示し、R2
    炭素数1から3までのアルキレン基、ただしフッ素原子
    で置換されても良い、を示し、nは1または2を示
    す)。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリアミド樹脂が、他の熱可塑性
    樹脂成分とブロック共重合されていることを特徴とする
    請求項1記載の自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法。
  5. 【請求項5】 塗料組成物が、熱硬化性樹脂を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の自己融着性耐熱塗料を
    用いた接着方法。
  6. 【請求項6】 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の自己融着性耐熱塗料を用
    いた接着方法。
  7. 【請求項7】 被着材が導体であり、直接または他の絶
    縁物を介して樹脂被膜を形成させたことを特徴とする請
    求項1記載の自己融着性耐熱塗料を用いた接着方法。
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