JP5129108B2 - ポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂、および金属−ポリイミド複合体 - Google Patents

ポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂、および金属−ポリイミド複合体 Download PDF

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Description

本発明は、高接着のフレキシブルプリント基板用金属−ポリイミド複合体、ポリイミド樹脂およびそのためのポリアミド酸ワニス組成物に関する。
近年、電子機器の小型化や携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なフレキシブルプリント基板の利用が増大している。さらなる高密度化に対応した配線の微細化や耐折性等の信頼性の観点から、金属と絶縁樹脂との線熱膨張率の整合ならびに、密着性の向上及び絶縁樹脂層を形成するポリイミド層の薄膜化や低弾性率化が必要とされている。
フレキシブル基板用金属ポリイミド複合材料の製造法として、ポリアミド酸ワニスを金属箔に直接塗布して成膜するキャスト法が知られているが、金属との線熱膨張率の整合と、高密着性を同時に付与することは困難であり、密着性を確保するためには、熱可塑性ポリイミド、ガラス転移温度の低い可溶性ポリイミドもしくはイミド化後のガラス転移温度の低いポリアミド酸溶液による接着層が必要となり、それを実現するために多層塗りによる製法がとられている(特許文献1参照)。そのため、製造コストの上昇、フィルムの厚膜化による基板コストの上昇、耐折性の低下ならびに実装時の高温接合時において接着層が変形することによる配線不良等の信頼性低下をもたらしていた。接着層を別途設けずにイミダゾール化合物等の添加剤をワニス中に使用することにより密着性を向上させる検討もなされているが(特許文献2参照)、このときイミダゾール化合物が、フィルム中にて可塑剤として働いてしまうため、ガラス転移温度や線熱膨張率等の低下、また極性基の導入にともなう吸湿膨張率の増加をもたらすという不具合があった。
また、アミド基を有するジアミンをモノマーとして使用し、得られるポリアミド酸により金属薄に接着層を介さずに密着性を向上した低線熱膨張率であるポリイミド樹脂層(以下「ポリイミドフィルム」ともいう。)も見られるが(特許文献3参照)、アミド基のような極性基をポリイミド骨格中に導入することによる吸水性能の低下が見られた。
また、同様にしてアミド基を有するジアミンをモノマーとして使用し、ポリアミド酸をイミド化する際にオキサゾール環を形成させ、低熱膨張係数となるポリイミドフィルムが得られている(特許文献4参照)が、イミド化時のオキサゾール環形成にともなう高弾性率化によりフレキシブルプリント基板に求められる屈曲性の低下をもたらす。また、ポリイミド骨格中でオキサゾール環を形成するアミド基を有するジアミンを共重合成分として利用しポリイミド骨格中へ導入することによる製造コストの上昇をもたらしていた。
特許第2746555号公報 特開平4−85363号公報 特開平03−61352号公報 特許第3019704号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、接着層を介することなく金属箔との密着性に優れ、線熱膨張率が金属箔の線熱膨張率と同等となるポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂、および金属−ポリイミド複合体を提供することを目的とする。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物は、ポリアミド酸溶液と、式(1)の構造を内部に有するジアミンと、を含有することを特徴とする。
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本発明のポリアミド酸ワニス組成物においては、前記ジアミンが、式(2)、式(3)、式(4)および式(5)のいずれか1種類以上で示されるジアミンであることが好ましい。
(式中、X1は、式(2)、式(3)で表される4価の芳香族基であり、X2は、式(4)で表される2価の芳香族基であり、、Y1〜Y3は、エーテル、−S−、C1〜C4の飽和、不飽和アルキレン基、スルホニル基または、フェニル基である。Z1、Z2は2価の芳香族基、脂肪族基を表し、それぞれ独立であり、同じであっても異なっていてもよい。また、R1〜R9は、C1〜C4のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、−SOH、−OPh、−SCH、または−SPhであり、n=0,1,2である。)
Figure 0005129108
Figure 0005129108
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また、本発明のポリアミド酸ワニス組成物においては、前記ジアミンが、式(6)、式(7)および式(8)のいずれか1種類以上で示されるジアミンであることが好ましい。
(式中、X3は、式(6)で表される4価の芳香族基である。X4は、式(7)で表される2価の芳香族基である。)
Figure 0005129108
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また、本発明のポリアミド酸ワニス組成物においては、ポリアミド酸100質量部と、前記ジアミン0.01〜20質量部と、を含有することが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、上記ポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られることを特徴とする。
本発明の金属−ポリイミド複合体は、上記ポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られるポリイミド樹脂と、金属箔と、を備えることを特徴とする。
本発明の金属−ポリイミド複合体においては、上記金属箔の十点平均粗さRzが0.7μm以下であることが好ましい。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物の製造方法は、ポリアミド酸と、一般式(1)の構造を内部に含有するジアミンと、を含有するポリアミド酸ワニス組成物の製造方法であって、前記ポリアミド酸が、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重合体であり、前記ポリアミド酸を重合した後、前記ジアミンをポリアミド酸に添加することを特徴とする。
本発明によれば、接着層を介することなく金属箔との密着性に優れ、線熱膨張率が金属箔の線熱膨張率と同等となるポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂、および金属−ポリイミド複合体を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
ポリアミド酸の付加重合後に添加する(以後「外添」ともいう。)式(1)の構造を有するジアミンは、式(2)、式(3)、式(4)および式(5)のいずれか1種類以上で示されるジアミンであることが好ましい。式中、X1は、式(2)、式(3)で表される4価の芳香族基であり、X2は、式(4)で表される2価の芳香族基であり、Y1〜Y3は、エーテル、−S−、C1〜C4の飽和、不飽和アルキレン基、スルホニル基または、フェニル基である。Z1、Z2は2価の芳香族基、脂肪族基を表し、それぞれ独立であり、同じであっても異なっていてもよいまた、R1〜R9は、C1〜C4のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、−SOH、−OPh、−SCH、または−SPhであり、n=0,1,2である。
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また、耐熱性の点から、式(6)、式(7)および式(8)のいずれか1種類以上で示されるジアミンであることがより好ましい。式中、X3は、式(6)で表される4価の芳香族基である。X4は、式(7)で表される2価の芳香族基である。
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本発明に用いられる式(1)の構造を有するジアミンの製造方法は、特に制限はなく、各種公知の製造方法を用いることができる。例えば、特許第3019704号公報に記載された方法に従って、ニトロアミノフェノールとp−ニトロ塩化ベンゾイルをテトラヒドロフラン溶媒中にて窒素雰囲気中にて0℃にて反応させた後、析出した反応物をろ過し、水やメタノール洗浄し乾燥し再結晶することによって前駆体となるヒドロキシ−ジニトロベンズアニリドを得た後、Pd触媒中で水素を導入し還元することによって一般式(1)の構造を内部に含有するジアミンを得ることができる。また、ここで、一般式(1)の構造を内部に含有するとは、ジアミンの分子骨格中に一般式(1)の構造を有しているということを意味する。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを溶媒中で付加重合することによって得られたポリアミド酸溶液中に、ジアミンを外添し、混合溶解することにより得られる。ここでいう外添とは、ポリアミド酸の付加重合時には、添加することなく、重合が完了した後にポリアミド酸溶液中にジアミンを添加することを意味する。ポリアミド酸の付加重合時は、分子量の向上に伴い溶液中の粘度が上昇する。溶液中の粘度の上昇が見られなくなった時点で重合完了を確認することができる。
ジアミンのポリアミド酸ワニス組成物中への配合量は、固形成分であるポリアミド酸100質量部に対し、接着強度及び耐熱性の観点から、0.01質量部〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.1質量部〜10質量部である。
本発明に係るポリアミド酸は、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの付加重合により得られる。
本発明に係るポリアミド酸溶液における芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(以下、TABPとする)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、オキシジフタル酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸等の酸二無水物があげられる。線熱膨張率やガラス転移温度等の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。また、各々の芳香族テトラカルボン酸二無水物を単独で用いても、併用して用いてもよい。また、非芳香族テトラカルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸等の酸二無水物を、本発明の効果を損なわない範囲で用いてもよい。
本発明に係るポリアミド酸溶液におけるジアミンにおいても、従来公知のものを使用することができるが、弾性率の点から、一般式(1)の構造を内部に含有していないジアミンを用いることが好ましい。例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、2,2−ジメチル−4,4−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート(以下、APABとする)、2−メチル−4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4−アミノフェニル−3’−アミノベンゾエート、2−メチル−4−アミノフェニル−3’−アミノベンゾエート、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート(以下、BPIPとする)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホンがあげられる。線熱膨張率やガラス転移温度等の観点から、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、4−アミノフェニル−3’−アミノベンゾエート、2−メチル−4−アミノフェニル−3’−アミノベンゾエート、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルを使用することが好ましい。
本発明におけるポリアミド酸は、前記のテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン酸成分とを反応させて得られる。ポリアミド酸を構成する繰り返し単位の規則性は、ブロック構造が含有されていても、あるいはランダム構造であってもよい。本発明のポリイミド樹脂は、50℃〜200℃における線熱膨張率が、8ppm/℃〜25ppm/℃であるポリイミド樹脂である。また、銅との線熱膨張率係数の整合の点から15ppm/℃〜22ppm/℃であることがより好ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、本発明のポリアミド酸ワニス組成物を従来の公知技術によりイミド化することにより得られる。通常、製造にあたったテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の仕込み比を調節することによって、生成するポリイミド樹脂の分子量や末端構造を調節することができる。好ましい全テトラカルボン酸二無水物と全ジアミンのモル比は、0.90〜1.10である。
得られるポリイミドの末端構造は、製造時における全テトラカルボン酸二無水物と全ジアミンのモル仕込み比によって、アミンもしくは酸無水物構造となる。末端構造がアミンの場合は、カルボン酸無水物にて末端封止してもよい。これらの例としては、無水フタル酸、4−フェニルフタル酸無水物、4−フェノキシフタル酸無水物、4−フェニルカルボニルフタル酸無水物、4−フェニルスルホニルフタル酸無水物等があげられるが。これに限るものではない。これらのカルボン酸無水物を単独もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
また、末端構造が酸無水物の場合は、モノアミン類にて末端封止してもよい。具体的には、アニリン、トルイジン、アミノフェノール、アミノビフェニル、アミノベンゾフェノン、ナフチルアミン等があげられる。これらのモノアミンを単独もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物における溶媒としては、前記のポリアミド酸と混合するものであればよく、例として、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラメチル尿素等が挙げられる。本発明に使用する好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンである。これらは単独、または2種以上を混合して用いることができる。
また、物性を損なわない範囲において、添加剤として、脱水剤、シリカ等のフィラー、及びシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の表面改質剤や、ポリイミドの硬化を促進するピリジン、イミダゾール、トリアゾール等のイミド化剤等を加えても良い。
これらの溶媒の使用量には、特に制限はなく、ポリアミド酸ワニス組成物の粘度等に応じて利用することができる。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを付加重合させることによって得られるポリアミド酸にジアミンを外添し、混合溶解することにより得られる。
溶媒中での固形分濃度に特に制限はない。固形分濃度とは、ポリアミド酸(またはポリイミド)溶液の総質量に対する全芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と全ジアミン成分との質量の和の百分率である。好ましい固形分濃度は、5質量%〜35質量%であり、より好ましくは10質量%〜25質量%である。
付加重合条件については、従来より行われているポリアミド酸の付加重合条件に準じて行うことができる。具体的には、まず、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下、大気圧中でジアミン類を溶媒に0℃〜80℃にて溶解させ、40℃〜100℃にてテトラカルボン酸二無水物を、すみやかに加えながら、4時間〜8時間付加重合させる。これによりポリアミド酸ワニス組成物が得られる。得られるポリアミド酸ワニスの粘度については、1poiseから2500poiseとなるように、固形分濃度を調節することが好ましい。
また、ポリイミドフィルムの靭性およびワニスのハンドリングの観点から、ポリアミド酸の固有粘度は好ましくは0.1dL/g〜25.0dL/gの範囲であり、好ましくは0.3dL/g〜20dL/gさらに好ましくは0.5dL/g〜15.0dL/gの範囲であることがより好ましい。
本発明の金属−ポリイミド複合体とは、金属上にポリイミド樹脂層(ポリイミドフィルム)が設けられているものである。金属上にて本発明のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られたポリイミド樹脂層との複合体または、金属上にて本発明のポリアミド酸ワニス組成物を高温乾燥して得られるポリイミド樹脂層との複合体である。ポリイミド樹脂層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは50μm以下、より好ましくは1μm〜25μmである。
金属としては、種々の金属箔を使用することができるが、フレキシブルプリント基板用としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔等が好適に用いられる。これらの金属箔は、マット処理、メッキ処理、クロメート処理、アルミニウムアルコラート処理、アルミニウムキレート処理、シランカップリング剤処理等の表面処理を行ってもよい。
金属箔の厚みは、特に限定されないが、好ましくは35μm以下、より好ましくは18μm以下である。また、金属箔表面の十点平均粗さ(以下、Rzとする)は、エッチング時の微細配線性の観点から、2.2μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.7μm以下がさらに好ましい。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物から得られる金属−ポリイミド複合体は、以下の様にして製造することができる。まず、本発明のポリアミド酸ワニス組成物を金属箔上にブレードコーターや、リップコーター、グラビアコーター等を用い塗工を行い、その後乾燥させてポリイミド前駆体樹脂層としてのポリアミド酸ワニス組成物層を形成する。塗工厚は、ポリアミド酸ワニス組成物の固形分濃度に影響される。ポリアミド酸ワニス組成物層を、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、200℃〜400℃にて熱イミド化させることによりポリイミド樹脂絶縁層を形成することができる。
このようにして得られる金属−ポリイミド複合体は、金属、特に銅とポリイミド樹脂層との密着性が良好である。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例において、ポリアミド酸ワニス組成物の特性や、イミド化後のポリイミド樹脂および銅−ポリイミド複合体の物性測定は、次のようにして行った。
(1)固有粘度(η)
0.5質量%のポリアミド酸ワニス組成物を、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)
得られた銅−ポリイミド複合体を長さ50mm、幅3mm、厚み25μmに切出し、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達社製)に浸漬し、銅箔層をエッチング処理し水洗を行った。得られたポリイミドフィルムを105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、熱分析装置(TMA-50、株式会社島津製作所社製)を用いて引っ張りモード、5g荷重、試料長15mm、昇温速度10℃/分、N雰囲気下にて測定を行い、接線の交点からTgを求め、また50℃〜200℃の線熱膨張率を算出した。
(3)接着強度
上記と同様にして銅−ポリイミド複合体を長さ150mm、幅10mm、厚み25μmに切出し、幅10mmの中央部の幅1.5mmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達社製)に浸漬し、銅箔層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られたフレキシブル基板を105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、幅3mmの銅箔をポリイミド層から剥離し、その応力を測定した。剥離角度を90°、剥離速度を50mm/分とした。
(4)ハンダ耐熱性
縦3cm×横6cmの銅−ポリイミド複合体を切り出し、中央部の2.5cm×2.5cmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達社製)に浸漬し、銅箔層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られた銅−ポリイミド複合体を105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、300℃に設定したハンダ浴中に試料を、銅箔光沢面側をハンダ浴に接触するように1分静置した際の外観変化による評価を行った。
(5)煮沸ハンダ耐熱性
上記と同様にして縦3cm×横6cmの銅−ポリイミド複合体を切り出し、中央部の2.5cm×2.5cmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達社製)に浸漬し、銅箔層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られた試料を煮沸水中にて2時間浸漬し、その後室温にて水中に浸漬し取出し、表面に付着する水をふき取り、すみやかに、280℃で1分静置した際の外観変化による評価を行った。
(6)吸湿膨張率:CHE
アルバック理工社製熱機械分析装置(TM−9400)及び湿度雰囲気調整装置(HC−1)を用いて、幅3mm、長さ20mm(チャック間長さ15mm)、厚み20μm〜25μm、のフィルムを23℃、荷重5gにて湿度30%RHから70%RHに変化させた際の試験片の伸びから30%RH〜70%RHにおける平均値としてポリイミドフィルムの吸湿膨張係数を求めた。
(7)弾性率、破断伸び
オリエンテック社製RTG−1210型引張試験装置を用い、試験長50mm、試験速度50mm/分にて3mm×50mmのポリイミドフィルムを引き伸ばし、弾性率は、ポリエステルイミドフィルムの引張伸度0.4%〜1.0%間における応力の傾きより算出した。(50mmの試料が100mmに伸びた時点で破断した場合に「引張破断伸度が100%」と表記する。)
(合成例1)ジアミンの合成1
2Lセパラブルフラスコ中に、N,N−ジメチルホルムアミド1200ml、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル200mmol(和歌山精化工業社製)とトリエチルアミン400mmolを溶解し、窒素雰囲気下にて0℃に冷却した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド100mlにp−ニトロ塩化ベンゾイル400mmolを溶かした溶液を、10℃以下のなるように2時間かけて滴下し、その後、6時間攪拌を行った。次いで、析出物をろ過し、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄し、更に水で洗浄した後、乾燥して、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジニトロビフェニルアニリドの黄白色結晶を得た。1000mlのオートクレーブに得られた3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジニトロビフェニルアニリド300mmolを5%Pd/C5g、N,N−ジメチルホルムアミド600mlで攪拌しながら水素を導入し、水素の吸入が認められなくなるまで攪拌を続けた。冷却後ろ過して触媒を除去し、減圧濃縮して水中へ注ぎ、沈殿物をろ過し、水で洗浄、減圧乾燥し下記式(9)で表されるジアミン(3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルアニリド)の黄色結晶(以下、BBOzと称する)を得た。
Figure 0005129108
(合成例2)ジアミンの合成2
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルの代わりに、5−ニトロ−2−アミノフェノールを用い、p−ニトロ塩化ベンゾイルと仕込みモル比を当量にした以外は、合成例1と同様にして、N,N−ジメチルホルムアミド中にて前駆体合成、また、オートクレーブ中にて還元反応及び分離・精製を行い、下記式(10)で表されるアミド基構造含有ジアミン(以下、BOzと称する)を得た。
Figure 0005129108
[実施例1]
<ポリアミド酸ワニス組成物、イミド化およびポリイミドフィルム特性の評価>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中にモノマー骨格中にエステル基を含有する4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート(以下APABと称する)47.5mmol、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業社製)(以下ODAと称する)2.5mmol、N−メチル−2−ピロリドン191mL(脱水)(和光純薬工業社製)(以下NMPと称する)に溶解した後、この溶液にモノマー骨格中にエステル基を含有するp−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(以下MTAHQと称する)の粉末50mmolを徐々に加えた。30分後、溶液粘度が急激に増加した。更に80℃で4時間撹拌し透明、均一で粘稠なエステル基を有するポリアミド酸溶液(ワニス)を得た。このポリアミド酸溶液中に、合成例1で得られたジアミン(BBOz)を樹脂固形分に対して6質量部となるように外添し、溶解させポリアミド酸ワニス組成物を得た。得られたポリアミド酸ワニス組成物は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。NMP中、30℃、0.5質量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸ワニス組成物の固有粘度は、0.72dL/gであった。
このポリアミド酸ワニス組成物を、金属製の塗工台に12μm厚の銅箔(古河サーキットフォイル社 F2−WS、)マット面側を表面になるように静置する。塗工台の表面温度を90℃に設定し、Rz=2.1μmポリアミド酸ワニス組成物を用いてドクターブレードにて銅箔マット面に塗布する。その後、塗工台で30分静置、さらに乾燥器中で100℃、30分静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み45μm)を得た。その後、SUS製金属板にポリアミド酸フィルムをはりつけ、窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。カールのない25μm厚みの銅箔つきポリイミドフィルムが得られた。
この銅箔付きポリイミドフィルムを塩化第2鉄溶液にて銅箔をエッチングすることにより膜厚25μmの薄茶色のポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。また有機溶媒に対しても全く溶解性を示さなかった。このポリイミドフィルムは、TMA測定により線熱膨張率(50℃から200℃の間の平均値)は19ppm/℃と銅箔同等の低い線熱膨張率を示した。また、吸湿膨張率を測定したところ5.5ppm/%RH(30%RHから70%RHの間の平均値)と、極めて低い吸湿膨張率を示した。また、90°銅箔接着強度を測定したところ1.0kg/cmと高い接着強度を示した。
また同様にして、このポリアミド酸ワニス組成物を6インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(MS−250 ミカサ社製)にてスピンコートし、乾燥器中で100℃30min静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み17μm)を得た。その後、シリコンウエハを窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。その後、フッ酸にてシリコンウエハから剥離して10μm厚みのポリイミドフィルムが得られた。得られたポリイミドフィルムを引っ張り試験により弾性率7.8GPa及び破断伸び55%が得られた。
[実施例2]
ジアミンとして、BBOzの代わりに表1に示すように、合成例2で得られたBOzを樹脂固形分に対して6質量部となるように外添し、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、ポリアミド酸ワニスおよびポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[実施例3]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、パラフェニレンジアミン(精工化学社製)220mmol(以下PPDと略す)、ODA55mmolを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15質量%となるように、NMP694mlに50℃〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学社製)(以下BPDAと略す)278mmolをフラスコに除々に加え、80℃〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。このポリアミド酸溶液中に、合成例1で得られたジアミン(BBOz)を樹脂固形分に対して6質量部となるように外添し溶解させポリアミド酸ワニス組成物を得た。得られたポリアミド酸ワニス組成物は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。NMP中、30℃、0.5質量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸ワニス組成物の固有粘度は、1.7dL/gであった。
このポリアミド酸ワニス組成物を、金属製の塗工台に12μm厚の銅箔(古河サーキットフォイル社 F2−WS箔、Rz=2.1μm)マット面側を表面になるように静置する。以後、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、ポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
また同様にして、このポリアミド酸ワニス組成物を6インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(MS−250 ミカサ社製)にてスピンコートし、乾燥器中で100℃、30分静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み17μm)を得た。その後、シリコンウエハを窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。その後、フッ酸にてシリコンウエハから剥離して10μm厚みのポリイミドフィルムが得られた。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[実施例4]
ジアミンとして、BBOzの代わりに表1に示すように、合成例2で得られたBOzを樹脂固形分に対して6質量部となるように外添し、実施例3と同様の操作を繰り返すことによりポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂および銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[実施例5]
12μm厚の銅箔としてF2−WS箔(古河サーキットフォイル社製)の代わりに、NA−DFF箔(三井金属社製、Rz=0.6μm)を用いた以外は、実施例3と同様の操作を繰り返すことによりポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂および銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[実施例6]
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に、式(11)で表されるジアミン(以下、BPIPとする)6.42mmol、式(12)で表されるジアミン(以下、APABとする)6.42mmolを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15質量%となるように、NMP61mlに50℃〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、式(13)に表される酸二無水物(以下、TABPとする)13.38mmolをフラスコに除々に加え、80℃に保持しながら4時間撹拌した。このポリアミド酸溶液中に、BBOzを樹脂固形分に対して3質量部となるように外添して溶解させポリアミド酸ワニス組成物を得た。得られたポリアミド酸ワニス組成物は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。NMP中、30℃、0.5質量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸ワニス組成物の固有粘度は、1.2dL/gであった。
このポリアミド酸ワニス組成物を、金属製の塗工台に12μm厚の銅箔(古河サーキットフォイル社製 F2−WS箔、Rz=2.1μm)マット面側を表面になるように静置する。以後、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、ポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
また同様にして、このポリアミド酸ワニス組成物を6インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(MS−250 ミカサ社製)にてスピンコートし、乾燥器中で100℃、30分静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み17μm)を得た。その後、シリコンウエハを窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。その後、フッ酸にてシリコンウエハから剥離して10μm厚みのポリイミドフィルムが得られた。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
Figure 0005129108
Figure 0005129108
Figure 0005129108
[実施例7]
12μm厚の銅箔としてF2−WS箔(古河サーキットフォイル社製)の代わりに、NA−DFF箔(三井金属社製、Rz=0.6μm)を用いた以外は、実施例6と同様の操作を繰り返すことによりポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂および銅−ポリイミド複合体を得た。得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例1]
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中にモノマー骨格中にエステル基を含有するAPAB47.5mmol、ODA2.5mmol、NMP191mL(脱水)に溶解した後、この溶液にモノマー骨格中にエステル基を含有するMTAHQの粉末50mmolを徐々に加えた。30分後、溶液粘度が急激に増加した。更に80℃で4時間撹拌し透明、均一で粘稠なエステル基を有するポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。NMP中、30℃、0.5質量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸溶液の固有粘度は、0.72dL/gであった。
実施例1と同様にして、このポリアミド酸溶液を、金属製の塗工台に12μm厚の銅箔(古河サーキットフォイル社製 F2−WS、Rz=2.1μm)マット面側を表面になるように静置する。塗工台の表面温度を90℃に設定し、ポリアミド酸溶液を用いてドクターブレードにて銅箔マット面に塗布する。その後、塗工台で30分静置、さらに乾燥器中で100℃30分静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み45μm)を得た。その後、SUS製金属板にポリアミド酸フィルムをはりつけ、窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。カールのない25μm厚みの銅箔付きポリイミドフィルムが得られた。
この銅箔付きフィルムを塩化第2鉄溶液にて銅箔をエッチングすることにより膜厚25μmの薄茶色のポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。また有機溶媒に対しても全く溶解性を示さなかった。
また同様にして、このポリアミド酸ワニス組成物を6インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(MS−250 ミカサ社製)にてスピンコートし、乾燥器中で100℃、30分静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み17μm)を得た。その後、シリコンウエハを窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。その後、フッ酸にてシリコンウエハから剥離して10μm厚みのポリイミドフィルムが得られた。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1で得られたポリアミド酸溶液に、2−エチル−4−メチル−イミダゾール(四国化成社製 製品名2E4MZ)を樹脂固形分に対して6質量部になるように添加したポリアミド酸ワニス組成物を得た。比較例1と同様の操作を繰り返すことによりポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例3]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD220mmol、ODA55mmolを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15質量%となるように、NMP694mlに50℃〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA278mmolをフラスコに除々に加え、80℃〜100℃に保持しながら4時間撹拌し、ポリアミド酸ワニス組成物を得た。得られたポリアミド酸ワニス組成物は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。NMP中、30℃、0.5質量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸ワニス組成物の固有粘度は、1.7dL/gであった。
このポリアミド酸ワニス組成物を、金属製の塗工台に12μm厚の銅箔(古河サーキットフォイル社製 F2−WS箔、Rz=2.1μm)マット面側を表面になるように静置する。以後、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、ポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
また同様にして、このポリアミド酸ワニス組成物を6インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(MS−250 ミカサ社製)にてスピンコートし、乾燥器中で100℃、30min静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み17μm)を得た。その後、シリコンウエハを窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。その後、フッ酸にてシリコンウエハから剥離して10μm厚みのフィルムが得られた。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例4]
比較例3で得られたポリアミド酸ワニス組成物に、2−エチル−4−メチル−イミダゾールを樹脂固形分に対して6質量部になるように添加したポリアミド酸ワニス組成物を得た。比較例3と同様の操作を繰り返すことによりポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例5]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、パラフェニレンジアミン(精工化学社製)220mmol(以下PPDと略す)、ODA55mmolを窒素ガス雰囲気下で、NMP694mlに50℃〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学社製)(以下BPDAと略す)278mmol、及び合成例1で得られたジアミン(BBOz)を全モノマー固形分に対して6質量部となるようにフラスコに除々に加え、80℃〜100℃に保持しながら4時間撹拌し、ポリアミド酸溶液を得た。以後、比較例4と同様の操作を繰り返すことによりポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例6]
12μm厚の銅箔としてF2−WS箔(古河サーキットフォイル社製)の代わりに、NA−DFF箔(三井金属社製、Rz=0.6μm)を用いた以外は、比較例3と同様の操作を繰り返すことによりポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂および銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例7]
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に、BPIP6.42mmol、APAB6.42mmolを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15質量%となるように、NMP61mlに50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、TABP13.38mmolをフラスコに除々に加え、80℃に保持しながら4時間撹拌した。得られたポリアミド酸ワニスは室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。NMP中、30℃、0.5質量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリアミド酸ワニスの固有粘度は、1.2dL/gであった。
このポリアミド酸ワニス組成物を、金属製の塗工台に12μm厚の銅箔(古河サーキットフォイル社製 F2−WS箔、Rz=2.1μm)マット面側を表面になるように静置する。以後、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより、ポリイミド樹脂ならびに銅−ポリイミド複合体を得た。
また同様にして、このポリアミド酸ワニス組成部を6インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(MS−250 ミカサ社製)にてスピンコートし、乾燥器中で100℃、30分静置の後、タック性のないポリアミド酸フィルム(厚み17μm)を得た。その後、シリコンウエハを窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分にて、150℃ 30分、200℃ 1時間、400℃ 1時間にてイミド化を行った。その後、フッ酸にてシリコンウエハから剥離して10μm厚みのポリイミドフィルムが得られた。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
[比較例8]
12μm厚の銅箔としてF2−WS箔(古河サーキットフォイル社製)の代わりに、NA−DFF箔(三井金属社製、Rz=0.6μm)を用いた以外は、比較例7と同様の操作を繰り返すことによりポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂および銅−ポリイミド複合体を得た。
得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸湿膨張率(CHE)、弾性率、破断伸び、銅−ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表1に示す。
Figure 0005129108
本発明に係るジアミンを含有したポリアミド酸ワニス組成物、ポリイミド樹脂および金属−ポリイミド複合体は、高密度配線や高信頼性を必要とするフレキシブルプリント基板やICパッケージ基板等の配線基材に好適である。

Claims (8)

  1. ポリアミド酸溶液と、式(1)の構造を内部に有するジアミンと、を含有することを特徴とするポリアミド酸ワニス組成物。
    Figure 0005129108
  2. 前記ジアミンが、式(2)、式(3)、式(4)および式(5)のいずれか1種類以上で示されるジアミンであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド酸ワニス組成物。
    (式中、X1は、式(2)、式(3)で表される4価の芳香族基であり、X2は、式(4)で表される2価の芳香族基であり、Y1〜Y3は、エーテル、−S−、C1〜C4の飽和、不飽和アルキレン基、スルホニル基または、フェニル基である。Z1、Z2は2価の芳香族基、脂肪族基を表し、それぞれ独立であり、同じであっても異なっていてもよい。また、R1〜R9は、C1〜C4のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、水酸基、−SOH、−OPh、−SCH、または−SPhであり、n=0,1,2である。)
    Figure 0005129108
    Figure 0005129108
    Figure 0005129108
    Figure 0005129108
  3. 前記ジアミンが、式(6)、式(7)および式(8)のいずれか1種類以上で示されるジアミンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリアミド酸ワニス組成物。
    (式中、X3は、式(6)で表される4価の芳香族基である。X4は、式(7)で表される2価の芳香族基である。)
    Figure 0005129108
    Figure 0005129108
    Figure 0005129108
  4. ポリアミド酸100質量部と、前記ジアミン0.01〜20質量部と、を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のポリアミド酸ワニス組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られることを特徴とするポリイミド樹脂。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られるポリイミド樹脂と、金属箔と、を備えることを特徴とする金属−ポリイミド複合体。
  7. 前記金属箔の十点平均粗さRzが0.7μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の金属−ポリイミド複合体。
  8. ポリアミド酸と、式(1)の構造を内部に含有するジアミンと、を含有するポリアミド酸ワニス組成物の製造方法であって、前記ポリアミド酸が、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重合体であり、前記ポリアミド酸を重合した後に、前記ジアミンを前記ポリアミド酸に添加することを特徴とするポリアミド酸ワニス組成物の製造方法。
    Figure 0005129108
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