JP2007169392A - ポリアミド酸ワニス組成物および金属ポリイミド複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接着層を介することなく金属との密着性に優れ、かつ、ポリイミドの線熱膨張率が金属の線熱膨張率と同等である金属ポリイミド複合体、およびそれが得られるポリアミド酸ワニス組成物を提供する。
【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンとの付加重合により得られるポリアミド酸と溶媒とからなるポリアミド酸ワニス中にトリアジン化合物を添加することによって得られるポリアミド酸ワニス組成物。
【選択図】なし
【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンとの付加重合により得られるポリアミド酸と溶媒とからなるポリアミド酸ワニス中にトリアジン化合物を添加することによって得られるポリアミド酸ワニス組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、高接着のフレキシブルプリント基板用金属ポリイミド複合体、それに使用されるポリイミド樹脂、及びこのポリイミド樹脂を生成するためのポリアミド酸ワニス組成物に関する。
近年、電子機器の小型化や携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なフレキシブルプリント基板の利用が増大している。さらなる高密度化に対応した配線の微細化や耐折性等の信頼性の観点から、金属と絶縁樹脂との線熱膨張率の整合ならびに、密着性の向上及び絶縁樹脂層を形成するポリイミド層の薄膜化が必要とされている。
フレキシブル基板用金属ポリイミド複合材料の製造法として、ポリアミド酸溶液を金属箔に直接塗布して成膜するキャスト法が知られているが、金属との線熱膨張率の整合と、高密着性を同時に付与することは困難であり、密着性を確保するためには、熱可塑性ポリイミド、ガラス転移温度の低い可溶性ポリイミドもしくはイミド化後のガラス転移温度の低いポリアミド酸溶液による接着層が必要となり、それを実現するために多層塗りによる製法がとられている(特許文献1参照)。そのため、製造コストの上昇、フィルムの厚膜化による基板コストの上昇、耐折性の低下ならびに実装時の高温接合時において接着層が変形することによる配線不良等の信頼性低下をもたらしていた。接着層を別途設けずにイミダゾール化合物等の添加剤をワニス中に使用することにより密着性を向上させる検討もなされているが(特許文献2参照)、このときイミダゾール化合物が、フィルム中で可塑剤として働いてしまうため、ガラス転移温度や線熱膨張率等耐熱性の低下をもたらすという不具合があった。
特許第2746555号公報
特開平4−85363号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたもので、金属上のポリイミド絶縁層は、接着層を介することなく金属との密着性に優れ、かつ線熱膨張率が金属の線熱膨張率と同等となる絶縁層を形成できるポリアミド酸ワニス組成物、及び、それを用いたフレキシブルプリント基板用金属ポリイミド複合体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの付加重合により得られるポリアミド酸と、溶媒とからなるポリアミド酸ワニス中に、式(1)で示されるトリアジン化合物を添加して得られるポリアミド酸ワニス組成物を金属上に塗布乾燥し、イミド化させることにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの付加重合により得られるポリアミド酸と溶媒とからなるポリアミド酸ワニスであって、下式(1)で示されるトリアジン化合物を含むことを特徴とするポリアミド酸ワニス組成物。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの付加重合により得られるポリアミド酸と溶媒とからなるポリアミド酸ワニスであって、下式(1)で示されるトリアジン化合物を含むことを特徴とするポリアミド酸ワニス組成物。
(式中、Xは、下式(1a)〜(1c)で示されるイミダゾリル基である。R1は、アルキレン基であり、mは0又は1である。R2及びR3は、アルキレン基でありl及びnは、それぞれ0又は1である。R4、R5、R6及びR7は、それぞれ−H,−CH2OH、−CH2OCH3、−CH2OCOCH3、−COCH3、−COOtBu、−CH2Ph、−CHO水素基、アルキル基、置換アルキル基、置換アミド基、エステル基から選ばれる化合物であり、それぞれ独立して選ばれるが、少なくとも1つが、置換アルキル基、置換アミド基、エステル基である。R8は、アルキル基であり、pは0、1又は2である。)
(2)(1)のトリアジン化合物が、ポリアミド酸100重量部に対して0.01〜20重量部であるポリアミド酸ワニス組成物。
(3)(1)のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化させた後の、50〜200℃における線熱膨張率が、8〜25ppm/℃であるポリイミド樹脂。
(4)金属上に上記(1)記載のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られたポリイミド層が成膜されてなる金属ポリイミド複合体。
(5)上記(4)記載の金属が銅であるポリイミド銅複合体。
(3)(1)のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化させた後の、50〜200℃における線熱膨張率が、8〜25ppm/℃であるポリイミド樹脂。
(4)金属上に上記(1)記載のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られたポリイミド層が成膜されてなる金属ポリイミド複合体。
(5)上記(4)記載の金属が銅であるポリイミド銅複合体。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物は、例えば、該ポリアミド酸ワニス組成物を金属上に塗布乾燥加熱イミド化することにより金属ポリイミド複合体を作成できる。そうして得られた金属ポリイミド複合体は、金属との密着性に優れ、かつポリイミド樹脂の線熱膨張率が金属の線熱膨張率と同等であるため、高密度配線や高信頼性を必要とするフレキシブルプリント基板やICパッケージ基板等の配線基材に好適である。
以下、本発明について具体的に説明する。式(1)で示されるトリアジン化合物はアミノ基を有するトリアジン化合物を構造変更することにより得られる。式(1)で示されるトリアジン化合物(1)中のXは、式(1a)〜(1c)で示されるイミダゾリル基である。R1は、アルキレン基であり、mは0又は1である。m=0の場合には、イミダゾール環とトリアジン残基とが直接結合している。m=1の場合には、R1のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン等を挙げることができる。R2及びR3は、アルキレン基でありl及びnは、それぞれ0又は1である。l及びn=0の場合には、R2及びR3のアルキル基は存在せず、イミダゾール環には、水素原子が結合している。l及びn=1である場合のR2及びR3のアルキル基としては、メチル、エチル、ノニル等を挙げることができる。R4及びR5及びR6及びR7は、水素基、アルコキシ基、エステル基、アシル基、ベンジル基から選ばれる化合物であり、それぞれ独立して選ばれるが、少なくとも1つが、アルコキシ基、エステル基、アシル基、ベンジル基である。それぞれ各官能基について例にあげると、アルキル基としては、−CH3、−C2H5、置換アルキル基としては、−CH2OH、−CH2OCH3、−CH2OCOCH3や−CH2Ph等のベンジル基、−CHO等のホルミル基、置換アミド基として−COCH3等のアシル基、エステル基としては、−COOtBu等があげられる。
耐熱性等の性能を向上する観点や、ポリアミド酸組成物ワニス中でのゲル化を抑制す
る観点から、架橋性能を有する−CH2OH、−CH2OCH3や、ポリアミド酸組成−COCH3などのアシル基や−COOtBu基等を利用することが好ましい。R8は、アルキル基であり、pは0、1又は2である。
式(1)で示されるトリアジン化合物はアミノ基を有するトリアジン化合物を構造変更することにより得られる。アミノ基を有するトリアジン化合物を例にあげると、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−メチルイミダゾリル)エチル]−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−ウンデシルイミダゾリル)−エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−(5‘−メチルイミダゾリル)エチル]−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−(5‘−ウンデシルイミダゾリル)−エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−(3’−エチル−5‘−メチルイミダゾリル)エチル] −s−トリアジンなどがあげられる。工業製品としての入手性の面から、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−メチルイミダゾリル)エチル]−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−ウンデシルイミダゾリル)−エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)エチル] −s−トリアジンの使用が好ましい。
る観点から、架橋性能を有する−CH2OH、−CH2OCH3や、ポリアミド酸組成−COCH3などのアシル基や−COOtBu基等を利用することが好ましい。R8は、アルキル基であり、pは0、1又は2である。
式(1)で示されるトリアジン化合物はアミノ基を有するトリアジン化合物を構造変更することにより得られる。アミノ基を有するトリアジン化合物を例にあげると、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−メチルイミダゾリル)エチル]−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−ウンデシルイミダゾリル)−エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−(5‘−メチルイミダゾリル)エチル]−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−(5‘−ウンデシルイミダゾリル)−エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2‘−(3’−エチル−5‘−メチルイミダゾリル)エチル] −s−トリアジンなどがあげられる。工業製品としての入手性の面から、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−メチルイミダゾリル)エチル]−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2‘−ウンデシルイミダゾリル)−エチル] −s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[1‘−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)エチル] −s−トリアジンの使用が好ましい。
式(1)で示されるトリアジン化合物のポリアミド酸ワニス組成物中への配合量は、固形成分であるポリアミド酸100重量部に対し、接着強度及び耐熱性の観点から、0.01〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部である。0.01重量部未満では、接着強度及び耐熱性に劣る傾向にあり、10重量部を超えると耐熱性が低下する傾向にあるからである。
本発明のポリアミド酸ワニスにおける芳香族テトラカルボン酸ニ無水物としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、オキシジフタル酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸等の二無水物があげられる。線熱膨張率やガラス転移温度等の耐熱性を向上する観点から、3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル二無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。また、各々の芳香族テトラカルボン酸ニ無水物を単独で用いても、併用して用いてもよい。また、非芳香族テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸等の二無水物を、本発明の効果を損なわない範囲で用いてもよい。
本発明のポリアミド酸ワニスにおける芳香族ジアミンにおいても、従来公知のものを使用することができる。例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、 4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノベンズアニリド、2,2−ジメチル−4,4−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4‘−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4‘−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホンがあげられる。線熱膨張率やガラス転移温度などの耐熱性を向上する観点から、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4‘−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルを使用することが好ましい。
本発明におけるポリアミド酸は、前記のテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を反応させて得られる。ポリアミド酸を構成する繰り返し単位の規則性は、ブロック構造が含有されていても、あるいはランダム構造であってもよい。
本発明のポリイミド樹脂は、本発明のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化することにより得られる。通常、製造にあたったテトラカルボン酸ニ無水物とジアミン化合物の仕込み比を調節することによって、生成するポリイミド樹脂の分子量や末端構造を調節することができる。好ましい分子量を得るための全テトラカルボン酸二無水物と全ジアミンのモル比は、0.90〜1.10である。
得られるポリイミドの末端構造は、製造時における全テトラカルボン酸二無水物と全ジアミンのモル仕込み比によって、アミンもしくは酸無水物構造となる。末端構造がアミンの場合は、カルボン酸無水物にて末端封止してもよい。これらの例としては、無水フタル酸、4-フェニルフタル酸無水物、4−フェノキシフタル酸無水物、4−フェニルカルボニルフタル酸無水物、4−フェニルスルホニルフタル酸無水物等があげられるが。これに限るものではない。これらのカルボン酸無水物を単独もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
また、末端構造が酸無水物の場合は、モノアミン類にて末端封止してもよい。具体的には、アニリン、トルイジン、アミノフェノール、アミノビフェニル、アミノベンゾフェノン、ナフチルアミン等があげられる。これらのモノアミンを単独もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のポリイミド樹脂は、金属の線熱膨張率との整合性の観点から、50〜200℃における線熱膨張率が、8〜25ppm/℃であるポリイミドであることが好ましい。このような線熱膨張率の調整は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの選択の調整によって行うことができる。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物における溶媒としては、前記のポリアミド酸と混合するものであればよく、例として、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラメチル尿素等が挙げられる。本発明に使用する好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンである。これらは単独、または2種以上を混合して用いることができる。これらの溶媒の使用量には、特に制限はなく、ポリアミド酸ワニス組成物の粘度等に応じて利用することができる。
また、物性を損なわない範囲において、添加剤として、脱水剤、シリカ等のフィラー、及びシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の表面改質剤や、ポリイミドの硬化を促進するピリジン、イミダゾール、トリアゾール等のイミド化剤等を加えても良い。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物は、芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンとを溶媒中で付加重合させることによって得られるポリアミド酸ワニス中に、式(1)のトリアジン化合物を添加し、混合溶解することにより得られる。
溶媒中での固形分濃度に特に制限はない。固形分濃度とは、溶媒を含めた全芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンの総重量に対する全芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンの重量の百分率である。好ましい固形分濃度は、5〜35%であり、より好ましくは10〜25%である。
付加重合条件については、従来より行われているポリアミド酸の付加重合条件に準じて行うことができる。具体的には、まず、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下、大気圧中で芳香族ジアミン類を溶剤に0℃〜80℃にて溶解させ、40〜100℃にてテトラカルボン酸二無水物を、すみやかに加えながら、4〜8時間付加重合させる。これによりポリアミド酸ワニス組成物が得られる。得られるポリアミド酸ワニスの粘度については、1poiseから250poiseとなるように、固形分濃度を調節することが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、本発明のポリアミド酸ワニス組成物を加熱下で脱溶媒、熱イミド化(脱水)することにより得ることができる。脱溶媒及び熱イミド化の条件に特に制限はないが、好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、イミド化反応が進行する温度となる200〜400℃にて行うことができる。反応時間についても特に制限はないが、イミド化の進行、生産性を考慮すると、好ましくは10分〜6時間である。
金属と複合体にした際の信頼性の観点から、ポリイミド樹脂の50〜200℃における線熱膨張率は、8〜25ppm/℃であることが好ましい。
本発明の金属ポリイミド複合体とは、金属上に本発明のポリイミド樹脂絶縁層が設けられているものである。ポリイミド層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは50μm以下、より好ましくは3〜25μmである。
金属としては、種々のものを使用することができるが、フレキシブルプリント基板用としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔などの金属箔や、ステンレス板、アルミニウム板が好適に用いられる。これらの金属箔は、マット処理、メッキ処理、クロメート処理、アルミニウムアルコラート処理、アルミニウムキレート処理、シランカップリング剤処理等の表面処理を行ってもよい。
金属の厚みは、特に限定されないが、好ましくは35μm以下、より好ましくは18μm以下である。
金属ポリイミド複合体は、以下の様にして製造することができる。まず、本発明のポリアミド酸組成物を金属上にブレードコーターや、リップコーター、グラビアコーター等を用い塗工を行い、その後乾燥させてポリイミド前駆体層としてのポリアミド酸層を形成する。塗工厚は、ポリアミド酸ワニス組成物の固形分濃度に影響される。ポリアミド酸層を、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下にて、200〜400℃にて熱イミド化させることによりポリイミド樹脂絶縁層を形成することができる。
このようにして得られる金属ポリイミド複合体は、金属、特に銅とポリイミド樹脂層との密着性が良好である。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、ポリアミド酸ワニス組成物の特性や、イミド化後のポリイミド樹脂および銅ポリイミド複合体の物性測定は、次のようにして行った。
(1)E型粘度
E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、23℃において回転数1rpm〜5rpmにてポリアミド酸ワニスの粘度測定を行った。
(2)ガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)
得られた銅ポリイミド複合体を長さ50mm、幅3mm、厚み25μmに切出し、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。得られたポリイミドフィルムを105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、熱分析装置(TMA-50、株式会社島津製作所製)を用いて引っ張りモード、5g荷重、試料長15mm、昇温速度10℃/min、N2雰囲気下にて測定を行い、接線の交点からTgを求め、また50℃〜200℃の線熱膨張率を算出した。
(3)接着強度
上記と同様にして銅ポリイミド複合体を長さ150mm、幅10mm、厚み25μmに切出し、幅10mmの中央部の幅3mmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られたフレキシブル基板を105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、幅3mmの銅をポリイミド層から剥離し、その応力を測定した。剥離角度を180度、剥離速度を50mm/minとした。
(4)ハンダ耐熱性
縦3cm×横6cmの銅ポリイミド複合体を切り出し、中央部の2.5cm×2.5cmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られた銅ポリイミド複合体を105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、300℃に設定したハンダ浴中に試料を銅光沢面側がハンダ浴に接触するように1min静置した際の外観変化による評価を行った。
(5)煮沸ハンダ耐熱性
上記と同様にして縦3cm×横6cmの銅ポリイミド複合体を切り出し、中央部の2.5cm×2.5cmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られた試料を煮沸水中にて2時間浸漬し、その後室温にて水中に浸漬し取出し、表面に付着する水をふき取り、すみやかに、280℃1min静置した際の外観変化による評価を行った。
(6)吸水率
得られた銅ポリイミド複合体を縦10cm×横10cm×厚さ25μmに切出し、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。得られたポリイミドフィルムを105℃にて60分間加熱乾燥した後、質量を測定し、その後、室温中で水中に24時間浸漬させた後、フィルム表面の水滴をふき取り質量を測定した。吸水率は、以下の計算式にて計算した。
吸水率(%)=(浸漬後の質量−浸漬前の質量)/浸漬前の質量×100
(7)ワニス安定性(ゲル化評価)
得られたポリアミド酸ワニス組成物15gを50gサンプル管中にて密栓した。そのサンプル管を室温中(23℃)に14日間放置した後の粘度を測定し、経時変化を比較することにより、ワニス安定性を評価した。
(1)E型粘度
E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、23℃において回転数1rpm〜5rpmにてポリアミド酸ワニスの粘度測定を行った。
(2)ガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)
得られた銅ポリイミド複合体を長さ50mm、幅3mm、厚み25μmに切出し、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。得られたポリイミドフィルムを105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、熱分析装置(TMA-50、株式会社島津製作所製)を用いて引っ張りモード、5g荷重、試料長15mm、昇温速度10℃/min、N2雰囲気下にて測定を行い、接線の交点からTgを求め、また50℃〜200℃の線熱膨張率を算出した。
(3)接着強度
上記と同様にして銅ポリイミド複合体を長さ150mm、幅10mm、厚み25μmに切出し、幅10mmの中央部の幅3mmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られたフレキシブル基板を105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、幅3mmの銅をポリイミド層から剥離し、その応力を測定した。剥離角度を180度、剥離速度を50mm/minとした。
(4)ハンダ耐熱性
縦3cm×横6cmの銅ポリイミド複合体を切り出し、中央部の2.5cm×2.5cmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られた銅ポリイミド複合体を105℃にて熱風乾燥機にて乾燥させた後、300℃に設定したハンダ浴中に試料を銅光沢面側がハンダ浴に接触するように1min静置した際の外観変化による評価を行った。
(5)煮沸ハンダ耐熱性
上記と同様にして縦3cm×横6cmの銅ポリイミド複合体を切り出し、中央部の2.5cm×2.5cmをビニールテープにてマスキングし、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。その後、ビニールテープを除去し、得られた試料を煮沸水中にて2時間浸漬し、その後室温にて水中に浸漬し取出し、表面に付着する水をふき取り、すみやかに、280℃1min静置した際の外観変化による評価を行った。
(6)吸水率
得られた銅ポリイミド複合体を縦10cm×横10cm×厚さ25μmに切出し、塩化第2鉄水溶液(鶴見曹達製)に浸漬し、銅層をエッチング処理し水洗を行った。得られたポリイミドフィルムを105℃にて60分間加熱乾燥した後、質量を測定し、その後、室温中で水中に24時間浸漬させた後、フィルム表面の水滴をふき取り質量を測定した。吸水率は、以下の計算式にて計算した。
吸水率(%)=(浸漬後の質量−浸漬前の質量)/浸漬前の質量×100
(7)ワニス安定性(ゲル化評価)
得られたポリアミド酸ワニス組成物15gを50gサンプル管中にて密栓した。そのサンプル管を室温中(23℃)に14日間放置した後の粘度を測定し、経時変化を比較することにより、ワニス安定性を評価した。
[合成例1]
2,4−ジアミノ−6−[2−(2−エチル−4−メチル−1−イミダゾリル)エチル] −S−トリアジン(四国化成株式会社製 製品名2E4MZ−A)9.2gを35wt%ホルマリン溶液20ml及び炭酸カリウム0.1gを還流冷却器付きのフラスコに入れ、60℃2h反応させた。その後、ホルマリン溶液を減圧留去させ残留物を得た。
2,4−ジアミノ−6−[2−(2−エチル−4−メチル−1−イミダゾリル)エチル] −S−トリアジン(四国化成株式会社製 製品名2E4MZ−A)9.2gを35wt%ホルマリン溶液20ml及び炭酸カリウム0.1gを還流冷却器付きのフラスコに入れ、60℃2h反応させた。その後、ホルマリン溶液を減圧留去させ残留物を得た。
その後、メタノールに溶解させ、不溶物をろ別した後、メタノール溶液を留去することによりアミノ基末端がメチロール基に変換されたトリアジン化合物(式2)を得た。
IR:3320(OH)、1570(トリアジン環骨格伸縮)、1015、820(トリアジン環変角)
IR:3320(OH)、1570(トリアジン環骨格伸縮)、1015、820(トリアジン環変角)
[合成例2]
合成例1にて得られたトリアジン化合物10.0gを、還流冷却器付きのフラスコに入れ無水酢酸100ml中で90℃2時間加熱還流を行った。その後、その後、無水酢酸溶液を減圧留去させエステル化されたトリアジン化合物(式3)を得た。
IR:1730(C=O)、1570(トリアジン環骨格伸縮)、1230、1020、820(トリアジン環変角)
合成例1にて得られたトリアジン化合物10.0gを、還流冷却器付きのフラスコに入れ無水酢酸100ml中で90℃2時間加熱還流を行った。その後、その後、無水酢酸溶液を減圧留去させエステル化されたトリアジン化合物(式3)を得た。
IR:1730(C=O)、1570(トリアジン環骨格伸縮)、1230、1020、820(トリアジン環変角)
[実施例1]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、パラフェニレンジアミン(精工化学株式会社製)23.7g(以下PPDと略す)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製)(以下ODAと略す)11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、ジメチルアセトアミド(脱水)(和光純薬工業株式会社製)(以下DMAcと略す)694mlに50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(宇部興産製)(以下BPDAと略す)80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。このポリアミド酸50gに、上記合成例1で得られたトリアジン化合物(式2)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、80poiseであった。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、パラフェニレンジアミン(精工化学株式会社製)23.7g(以下PPDと略す)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製)(以下ODAと略す)11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、ジメチルアセトアミド(脱水)(和光純薬工業株式会社製)(以下DMAcと略す)694mlに50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(宇部興産製)(以下BPDAと略す)80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。このポリアミド酸50gに、上記合成例1で得られたトリアジン化合物(式2)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、80poiseであった。
このポリアミド酸ワニスを80℃に保温された銅箔F3−WS(厚み18μm、電解箔)(古河サーキットホイル株式会社)上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して厚み45μmのポリアミド酸層を形成した。空気循環式の乾燥炉にて窒素雰囲気下で150℃30分、200℃60分、400℃60分(昇温速度5℃/min)の熱処理(イミド化)を実施し、25〜26μmのポリイミド絶縁層を有する銅ポリイミド複合体を得た。
[実施例2]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、120poiseであった。このポリアミド酸50gに、上記合成例2で得られたトリアジン化合物(式3)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、130poiseであった。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、120poiseであった。このポリアミド酸50gに、上記合成例2で得られたトリアジン化合物(式3)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、130poiseであった。
このポリアミド酸ワニスを80℃に保温された銅箔F3−WS(厚み18μm、電解箔)(古河サーキットホイル株式会社)上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して厚み45μmのポリアミド酸層を形成した。空気循環式の乾燥炉にて窒素雰囲気下で150℃30分、200℃60分、400℃60分(昇温速度5℃/min)の熱処理(イミド化)を実施し、25〜26μmのポリイミド絶縁層を有する銅ポリイミド複合体を得た。
[実施例3]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、NMP640mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、120poiseであった。このポリアミド酸50gに、上記合成例1で得られたトリアジン化合物(式2)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、130poiseであった。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、NMP640mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、120poiseであった。このポリアミド酸50gに、上記合成例1で得られたトリアジン化合物(式2)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、130poiseであった。
このポリアミド酸ワニスを80℃に保温された銅箔F3−WS(厚み18μm、電解箔)(古河サーキットホイル株式会社)上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して厚み45μmのポリアミド酸層を形成した。空気循環式の乾燥炉にて窒素雰囲気下で150℃30分、200℃60分、400℃60分(昇温速度5℃/min)の熱処理(イミド化)を実施し、25〜26μmのポリイミド絶縁層を有する銅ポリイミド複合体を得た。
[実施例4]
表1の配合組成に従い、実施例1〜3と同様の操作を繰り返すことにより、実施例4を行いポリアミド酸ワニスおよびポリイミド樹脂ならびに銅ポリイミド複合体を得た。
表1の配合組成に従い、実施例1〜3と同様の操作を繰り返すことにより、実施例4を行いポリアミド酸ワニスおよびポリイミド樹脂ならびに銅ポリイミド複合体を得た。
[比較例1]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。
このポリアミド酸ワニスを80℃に保温された銅箔F3−WS(厚み18μm、電解箔)(古河サーキットホイル株式会社)上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して厚み45μmのポリアミド酸層を形成した。空気循環式の乾燥炉にて窒素雰囲気下で150℃30分、200℃60分、400℃60分(昇温速度5℃/min)の熱処理(イミド化)を実施し、25〜26μmのポリイミド絶縁層を有する銅ポリイミド複合体を得た。得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸水率、銅ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表2に示す。
[比較例2]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。ポリアミド酸50gに、2−エチル−4−メチル−イミダゾール(四国化成株式会社製 製品名2E4MZ)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、75poiseであった。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD23.7g、ODA11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。ポリアミド酸50gに、2−エチル−4−メチル−イミダゾール(四国化成株式会社製 製品名2E4MZ)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加し攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、75poiseであった。
このポリアミド酸ワニスを80℃に保温された銅箔F3−WS(厚み18μm、電解箔)(古河サーキットホイル株式会社)上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して厚み45μmのポリアミド酸層を形成した。空気循環式の乾燥炉にて窒素雰囲気下で150℃30分、200℃60分、400℃60分(昇温速度5℃/min)の熱処理(イミド化)を実施し、25〜26μmのポリイミド絶縁層を有する銅ポリイミド複合体を得た。得られたポリイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)および線熱膨張率(CTE)、吸水率、銅ポリイミド複合体の接着強度ならびにハンダ耐熱性および吸湿ハンダ耐熱性の結果を表2に示す。
[比較例3]
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD(精工化学株式会社製)23.7g、ODA(和歌山精化工業株式会社製)11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc(脱水)(和光純薬工業株式会社製)694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA(宇部興産製)80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた容量1000mlのガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、PPD(精工化学株式会社製)23.7g、ODA(和歌山精化工業株式会社製)11gを窒素ガス雰囲気下で固形分濃度15wt%となるように、DMAc(脱水)(和光純薬工業株式会社製)694mlに、50〜80℃にて溶解し、80℃に保持した。その後、BPDA(宇部興産製)80.8gをフラスコに除々に加え、80〜100℃に保持しながら4時間撹拌した。
反応終了後のポリアミド酸樹脂溶液の固形分濃度は15wt%であり、E型粘度は、65poiseであった。ポリアミド酸50gに、ベンゾグアナミン(和光純薬工業株式会社製)0.45g(固形分に対して6重量部相当)を添加して攪拌し、均一なポリアミド酸ワニスを得た。E型粘度は、90poiseであった。
このポリアミド酸ワニスを80℃に保温された銅箔F3−WS(厚み18μm、電解箔:古河サーキットホイル株式会社)上に塗布して30分放置後、空気循環式の乾燥炉で100℃30分乾燥して、厚み45μmのポリアミド酸層を形成した。空気循環式の乾燥炉にて窒素雰囲気下で150℃30分、200℃60分、400℃60分(昇温速度5℃/min)の熱処理(イミド化)を実施し、25〜26μmのポリイミド絶縁層を有する銅ポリイミド複合体を得た。
本発明のポリアミド酸ワニス組成物は、ポリイミド絶縁層が、接着剤を介することなく金属との密着性に優れ、かつ、ポリイミドの線熱膨張率が金属の線熱膨張率と同等となる絶縁層を形成できる。高密度配線、高信頼性のフレキシブルプリント基板やICパッケージ基板等の配線基材に好適である。
Claims (5)
- 芳香族テトラカルボン酸ニ無水物と芳香族ジアミンとの付加重合により得られるポリアミド酸と溶媒とからなるポリアミド酸ワニスであって、下式(1)で示されるトリアジン化合物を含むことを特徴とするポリアミド酸ワニス組成物。
- 請求項1記載のトリアジン化合物が、ポリアミド酸100重量部に対して0.01〜20重量部であるポリアミド酸ワニス組成物。
- 請求項1記載のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化させた後の、50〜200℃における線熱膨張率が、8〜25ppm/℃であるポリイミド樹脂。
- 金属上に、請求項1記載のポリアミド酸ワニス組成物をイミド化して得られたポリイミド層が成膜されてなる金属ポリイミド複合体。
- 金属が銅である請求項4記載の金属ポリイミド複合体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005366923A JP2007169392A (ja) | 2005-12-20 | 2005-12-20 | ポリアミド酸ワニス組成物および金属ポリイミド複合体 |
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---|---|---|---|---|
JP2009019132A (ja) * | 2007-07-12 | 2009-01-29 | Reika O | ポリアミック酸樹脂組成物及びフレキシブル銅張積層板 |
JP2009280660A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ポリイミド樹脂 |
JPWO2013024819A1 (ja) * | 2011-08-12 | 2015-03-05 | 宇部興産株式会社 | ポリイミド金属積層体の製造方法 |
-
2005
- 2005-12-20 JP JP2005366923A patent/JP2007169392A/ja not_active Withdrawn
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