JP3530218B2 - ▲n4▼−アシル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体の新規製造法 - Google Patents

▲n4▼−アシル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体の新規製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用な化合
物であるN−アシル−5′−デオキシ−5−フルオロ
シチジン誘導体の新規な製造法に関するものである。さ
らに特に、この方法は、新規5′−デオキシ−5−フル
オロ−N−2′−O,3′−O−トリアシルシチジン
誘導体を中間体として使用する新規な方法である。
【0002】
【発明の背景】下記の式で表されるN−アシル−5′
−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体は、抗腫瘍活
性を有する化合物である(Japanese Jour
nalof Cancer Research 81
巻、188−195頁、1990年)。
【0003】
【化12】 (式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基、アリール基、又はアルコキシ
基を表す)
【0004】当該化合物の製法としては、これまでに
5′−デオキシ−5−フルオロシチジンから製造する方
法が日本国特開平1−153696号公報参照に記載さ
れている。
【0005】この化合物のアミノ基にアシル基(R
O)を選択的に導入するために、この方法では先ず、こ
の化合物の糖部分の水酸基に対し、イソプロピリデン基
又はシリル基などの保護基を導入し、次いでそのシトシ
ン塩基部のアミノ基をアシル化し、次いでその保護基を
酸触媒などを用いて除去するという工程を経る。
【0006】
【化13】 (式中、Rは前述の意義を有する)
【0007】すなわち、上記の製造法は、5′−デオ
キシ−5−フルオロシチジンの水酸基への保護基の導
入、アミノ基のアシル化及び当該保護基の脱離の各
工程からなり、その工程中では、最終化合物の分子構造
中では不要の基である保護基の導入、およびその脱離を
行わなければならない。
【0008】また、出発物質である5′−デオキシ−5
−フルオロシチジンは、例えば5−フルオロシトシンか
ら、5−フルオロシチジン(Chem.Pharm.B
ull.26巻,10号,2990頁,1978年)を
経由して製造されるが、この方法は多くの工程を必要と
するものである(日本国特公昭58−34479号公
報)。
【0009】
【化14】
【0010】いずれにせよ、N−アシル−5′−デオ
キシ−5−フルオロシチジン誘導体の慣用の製法は、そ
れぞれの工程に応じて、糖部分の水酸基及び/又はシト
シン塩基部のアミノ基を適当な保護基で保護し、所望の
反応が完了した後、それらの保護基を脱離させる操作を
何度も行わなければならない工程を含む製法であり、工
業的規模で容易に行ないうる方法とはいえないものであ
る。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、前記一般式(V)で表
されるN−アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシ
チジン誘導体を極めて容易に、かつまた簡単に製造し得
る新規な製造法を提供することにある。
【0012】
【発明の開示】本発明者らは、N−アシル−5′−デ
オキシ−5−フルオロシチジン誘導体の工業上有利な製
造方法につき研究した結果、入手容易な5−フルオロシ
トシンを原料として、従来法に較べて極めて少ない工程
数で、収率よく、かつ、優れた純度で製造する方法を提
供することに成功した。本発明者らによって提供される
新規な製造法においては、下記一般式(IV)
【0013】
【化15】 (式中、Rは、低級アルキル基、アリール基又は置換
基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、アル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、又はアルコキシ基を表す)
【0014】で表わされる新規化合物が用いられ、その
糖部分のアシル基のみを選択的に除去するという工程は
極めて重要な特徴的工程となる。そして、この特徴的工
程により従来法に較べて極めて工程数の少ない方法によ
り、優れた収率をもってN−アシル−5′−デオキシ
−5−フルオロシチジン誘導体を製造することができ
る。
【0015】上述の選択的に脱アシル化を行うという特
徴的工程は、その操作性、収率および生成物の純度の点
においては、従来の技術からは予想しえない格別の特徴
的利点を有する。
【0016】一般的には、N,O−アシルシチジン誘
導体をアルカリで処理すると、主としてO−アシル基が
除去されることが知られているが、この際には、N−ア
シル基の切断もおこるため、O−アシル基のみを脱離さ
せた化合物を純度よく得るには煩雑な分離精製の操作を
必要とする(Nucleic Acids Resea
rch,4巻(4),1047−1063頁,1977
年、J.H.vanBoomら)。
【0017】N,O−アシルシチジン誘導体のN
アシル基は比較的切断され易く、例えば、N,2′−
O,3′−O,5′−O−テトラアシルシチジン誘導体
は、単にアルコール中で加熱するだけでN−アシル基の
みを選択的に除去し得ることは知られている(日本国特
開昭52−23085号公報)。
【0018】また、5−フルオロ−N,2′−O,
3′−O,5′−O−テトラアシルシチジン誘導体をメ
タノール中、0.5N−ナトリウムメトキシドにより室
温で処理すると全てのアシル基が除去され、5−フルオ
ロシチジンになることも知られている。(Chem.P
harm.Bull.26巻,10号,2990頁,1
978年)。
【0019】本発明者らにより5′−デオキシ−5−フ
ルオロ−N,2′−O,3′−O−トリアシルシチジ
ン誘導体の糖部分のアシル基のみを効率よく選択的に除
去することができ、それにより、極めて工程数の少ない
方法をもって優れた収率でN−アシル−5′−デオキ
シ−5−フルオロシチジン誘導体を得ることができるこ
とが見出されたのである。かかる知見は、これら従来の
公知技術からは予期し得ない驚くべきものである。
【0020】本発明により、先ず第一に、下記のN
アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジンの製造
法が提供される:5−フルオロシトシンと一般式(I
I)
【0021】
【化16】
【0022】(式中、Rは、低級アルキル基、アリー
ル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
そしてYはハロゲン原子、アシルオキシ基、アルコキシ
基を表す)で表される化合物とを反応させて、一般式
(III)
【0023】
【化17】
【0024】(式中、Rは前述の意義を有する)で表
される化合物を生成させ、次いでこの化合物のアミノ基
をアシル化して、一般式(IV)
【0025】
【化18】
【0026】(式中、Rは、前述の意義を有する。R
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す)
で表される化合物を生成させ、次いでこの化合物のR
CO基のみを、塩基物質の存在下、溶媒中で処理するこ
とにより選択的に脱アシル化することを特徴とする 一般式(V)
【0027】
【化19】
【0028】(式中、Rは前述の意義を有する)で表
されるN−アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシ
チジン誘導体の製造方法。
【0029】また、本発明は、第二に、下記の製造法を
提供する:5−フルオロシトシンのアミノ基をアシル化
して、RCO基を導入して、一般式(VI)
【化20】
【0030】(式中、Rは前述の意義を有する)の化
合物を生成させ、次いでこの化合物を、一般式(II)
【0031】
【化21】
【0032】(式中、RおよびYは、前述の意義を有
する)の化合物と反応させて、一般式(IV)
【0033】
【化22】
【0034】(式中、RおよびRは、前述の意義を
有する)の化合物を生成させ、次いでこの化合物におけ
るRCO基のみを、塩基物質の存在下、溶媒中で処理
することにより選択的に脱アシル化することを特徴とす
る 一般式(V)
【0035】
【化23】
【0036】(式中、Rは前述の意義を有する)で表
されるN−アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシ
チジン誘導体の製造方法。
【0037】上記第一の方法は以下の反応式で表され
る:
【0038】
【化24】
【0039】本発明の第一の方法によれば、N−アシ
ル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体は、
容易に入手できる5−フルオロシトシンを出発原料とし
て、極めて少ない工程数で、簡単な操作により、優れた
収率をもって、かつ、純度よく製造できる。
【0040】次に反応条件について説明する。一般式
(III)の化合物は、5−フルオロシトシンのシリル
化誘導体と一般式(II)の化合物とを、溶媒中、触媒
の存在下で、通常は、0℃〜100℃の間の適宜な温度
で反応させることにより得ることができる。5−フルオ
ロシトシンのシリル化誘導体は、常法に従って5−フル
オロシトシンにシリル化剤を反応させることにより得ら
れる。
【0041】上記のシリル化剤としては、ヘキサメチル
ジシラザン、トリメチルクロロシランなどがあげられ
る。シリル化剤の使用量としては、5−フルオロシトシ
ンの1モルに対し0.5モルから2モルが好ましい。
【0042】上記のシリル化の反応時間については、原
料物質の種類、反応温度、塩基物質の種類、溶媒の種
類、その他の条件により異なるが、通常は数時間であ
る。
【0043】上記縮合反応に用いられる溶媒としては、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、
塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、1,2−
ジクロロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などをあげることができる。
【0044】一般式 (II)の化合物において、R
は低級アルキル基、アリール基又は置換基を有していて
もよいアリール基を表す。これらの基の例としては、低
級アルキルとして、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などをあげる
ことができ、アリール基として、フェニル基をあげるこ
とができ、また、置換基を有していてもよいアリール基
として、メチルフェニル基、ニトロフェニル基、ハロゲ
ノフェニル基などをあげることができる。
【0045】Yはハロゲン原子、例えば、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素;アシルオキシ基、例えばそのアシル
オキシ基が炭素数2〜6のアルカノイルオキシ及びベン
ゾイルオキシ、その環上に置換基、例えばメチル基、メ
トキシ基、ニトロ基、ハロゲン基等を有するベンゾイル
オキシ基およびアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキ
シなどを表す。
【0046】当該化合物は、D−リボースから得られる
メチル(5−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデ
ン)−D−リボフラノシド(日本国特公昭61−402
39号公報参照)から得られる。その例としては、5−
デオキシ−1,2,3−トリ−O−アシル−D−リボフ
ラノシド、5−デオキシ−2,3−ジ−O−アシル−1
−O−メチル−D−リボフラノシド、5−デオキシ−
2,3−ジ−O−アシル−1−ハロゲノ−D−リボフラ
ノシド等をあげることができる。
【0047】触媒の例としては、ルイス酸、例えば、四
塩化スズ、塩化亜鉛、フッ化ほう素、フッ化ほう素のエ
ーテラート、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化ア
ンチモン、塩化第二鉄、四臭化スズ、臭化亜鉛、四塩化
ジルコニウム、硝酸銀など、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリ
ル、p−トルエンスルホン酸、2,4−ジニトロフェノ
ールなどをあげることができる。
【0048】また、一般式(III)の化合物は、5−
フルオロシトシンをシリル化することなく、前述の溶
媒、触媒などを用いて、0℃〜100℃の間の適宜な温
度で一般式(II)の化合物と反応させることにより得
ることもできる。
【0049】一般式(III)の化合物は、溶媒を使用
しないで、5−フルオロシトシン又は5−フルオロシト
シンのシリル体と一般式(II)の化合物とを、触媒、
例えばp−トルエンスルホン酸又は2,4−ジニトロフ
ェノールなどの存在下、加熱溶融することによっても得
られる。
【0050】上記方法で得られた一般式(III)の化
合物のアシル化は通常、一般式(III)の化合物を、
溶媒中、塩基物質の存在下、適宜な温度で一般式(VI
I) RCO−Z (VII) (式中、Rは、前述の意義を有し、そしてZは脱離基
を表す)で表されるカルボン酸の活性化誘導体と反応さ
せることにより行われる。
【0051】上記カルボン酸の活性化誘導体の例として
は、酸ハライド、活性エステル、酸エステル、酸無水
物、混合酸無水物などがあげられる。当該カルボン酸の
活性化誘導体は常法に従って製造することができる。
【0052】一般式(VII)の化合物の使用量は、一
般式(III)の化合物の1モル当たりにつき少なくと
も1モルであるのが適当である。
【0053】一般式(IV)の化合物は、常法により一
般式(III)の化合物を、必要ならば塩基物質の存在
下、縮合剤、例えばシアノりん酸ジエチル、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド、p−トルエンスルホニルクロラ
イド、メタンスルホニルクロライドなどを加えて、一般
式 R−COOH (式中、Rは前述の意義を有する)で表されるカルボ
ン酸と反応させることによっても製造できる。
【0054】この縮合剤の使用量は、上記各カルボン酸
の1モル当たりにつき少なくとも1モルであるのが適当
である。
【0055】反応時間については、原料の種類、反応温
度、塩基物質の種類、溶媒の種類、その他の条件により
異なるが、通常は、数分〜約20時間である。
【0056】上記反応に用いられる塩基物質の例として
は、有機塩基として、トリエチルアミン、トリブチルア
ミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ル
チジン、N−メチルモルホリン等があり、また無機塩基
として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化
物、炭酸塩又はアルコキシドがあり、例えば水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ナトリウ
ムメトキサイド又はこれらのリチウム塩、カリウム塩、
カルシウム塩、バリウム塩等をあげることができる。
【0057】この明細書においてRのアルキル基と
は、1〜22個の炭素原子を有する直鎖状あるいは分枝
鎖状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、ノナデシル基などを意味する。
【0058】シクロアルキル基とは、例えばシクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基又はアダマンチル基などを示す。
【0059】アルケニル基とは2〜22個の炭素原子を
有する非置換のまたは置換基を有するアルケニル基を意
味し、例えばアリル基、1−プロペニル基、ブテニル
基、3−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−2−プ
ロペニル基、ヘキセニル基、デセニル基、ウンデセニル
基、トリデセニル基、ペンタデセニル基、ヘプタデセニ
ル基、ヘプタデカジエニル基、ペンタトリデカトリエニ
ル基、ノナデセニル基、ノナデカジエニル基、ノナデカ
テトラエニル基又は2−フェニルビニル基などを示す。
【0060】アラルキル基とは、非置換のまたは置換基
を有するアラルキル基を示し、例えばベンジル基、1−
フェニルエチル基、メチルベンジル基、フルオロベンジ
ル基、クロロベンジル基、メトキシベンジル基、ジメト
キシベンジル基、ニトロベンジル基、フェネチル基、ピ
コリル基及び3−インドリルメチル基などを示す。
【0061】アリール基は非置換のまたは置換基を有す
るアリール基を示し、例えばフェニル基、トリル基、キ
シリル基、メシチル基、クメニル基、エチルフェニル
基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、ヨードフェニル基、ジフルオロフェニル基、
ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシ
フェニル基、トリメトキシフェニル基、エトキシフェニ
ル基、ジエトキシフェニル基、トリエトキシフェニル
基、プロポキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル
基、(メチルチオ)フェニル基、ニトロフェニル基、シ
アノフェニル基、アセチルフェニル基、カルバモイルフ
ェニル基、メトキシカルバモイルフェニル基、ナフチル
基、ビフェニリル基、チエニル基、メチルチエニル基、
フリル基、ニトロフリル基、ピロリル基、メチルピロリ
ル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、メ
チルピリジル基及びピラジニル基などを示す。
【0062】アルコキシ基とは、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキ
シ基などを示す。
【0063】上記アシル化に用いられる溶媒としては、
極性又は非極性溶媒、たとえばアセトニトリル、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、塩化メチレン、ニトロメタ
ン、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメ
チルアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ピリジン、ルチジンなどが挙げられ
る。
【0064】上記製造法において反応は極めて容易に進
み、一般式(IV)の化合物は、通常、反応溶液を常法
で処理したのち、残分に適当な溶媒を加えることにより
容易に結晶化させることにより、純度よく、かつ、収率
よく得られる。また、この化合物は純度よく、かつ、収
率よく得られるので、特に単離することなく、そのまま
次の工程の反応に使用することができる。
【0065】再結晶に用いる溶媒としては、例えばメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのア
ルコール類、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、
酢酸メチル、酢酸エチルなどをあげることができる。ま
た必要ならば再結晶をすることにより、より純度の高い
化合物を容易に得ることができる。
【0066】次に、上記方法で得られた一般式(IV)
の化合物から、N−アシル−5′−デオキシ−5−フ
ルオロシチジン誘導体を製造する反応について説明す
る。
【0067】本発明者らは、一般式(IV)の化合物が
溶媒中、塩基物質の存在下で、O−アシル基のアシルの
みが選択的に脱離され、上記式(V)で表されるN
アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体
が得られることを見出した。
【0068】この反応は下記の反応式で表される;
【0069】
【化25】
【0070】本発明による上述の各製法においては、一
般式(IV)の化合物を溶媒中、塩基物質の存在下、選
択的に脱アシル化するという上記の特徴的な工程が含ま
れている。
【0071】この特徴的工程における反応温度は、原料
の種類、溶媒の種類、塩基物質の種類、各物質の濃度、
その他の条件により種々の範囲から選択されることか
ら、制限はない。通常は、室温又は室温以下で、好まし
くは0℃から35℃の間である。
【0072】反応時間は、原料の種類、反応温度、塩基
物質の種類、溶媒の種類その他の条件により異なるが、
通常は、数分から約20時間の範囲である。
【0073】塩基物質は水又は有機溶媒あるいは水と有
機溶媒の混液に溶解させ、反応に使用する。
【0074】塩基物質は、無機または有機の塩基物質の
いずれも使用できる。無機塩基物質としては、例えばア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又
はアルコキシドがあり、例えば水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキサイ
ド又はこれらのリチウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、バリウム塩などをあげることができ、また有機塩基
物質としては、アンモニア、トリエチルアミン、DB
U、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド又は強塩基
性イオン交換樹脂(OH型)などをあげることができ
る。
【0075】これらの塩基物質は適宜な濃度で使用でき
るが、通常は0.4〜2Nの溶液として使用するのが好
ましい。また塩基物質の使用量は、使用される溶媒の種
類又はその組合わせにより異なるが、一般式(IV)の
化合物の1モル当量に対し適宜な量、好ましくは1〜4
モル当量の範囲内である。
【0076】溶媒は、極性溶媒又は非極性溶媒であり、
例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、イソプロパノールのようなアルコール類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、ア
セトン類、ジメチルホルムアミドのような酸アミド類、
塩化メチレン、クロロホルム等のようなハロゲン化炭
素、又はトルエン、キシレンなど芳香族炭化水素があ
り、これらは単独で又は組み合わせて使用することがで
きる。
【0077】例えば、水と塩化メチレンなどとの不均一
系を用いた場合でも、アミド生成物を収率良く得ること
ができる。また溶媒が不均一系の場合には、相転移触媒
を添加して行ってもよい。
【0078】反応終了後は、常法に従って一般式(V)
の化合物を分離精製して取得する。一般式(V)の化合
物の分離精製方法は特定されず、通常の分離精製に使用
される手段を適宜組み合わせて行うことができる。
【0079】上記の塩基物質としては、工業的には安価
な無機塩基物質を使用する方が有利である。
【0080】上記したように、本発明の製法において特
徴的工程である選択的脱アシル化工程は、一般式(I
V)の化合物から、安価な塩基物質を用いて、簡単な操
作で、純度よく、かつまた良好な収率をもって式(V)
の化合物を製造できるので、工業上極めて大きい利点が
ある。
【0081】本発明に係わる上記の製造法の各工程にお
ける収率は極めて高い。また、各工程において得られる
中間体はそれぞれ、次工程に移行することができる。
【0082】前述の一般式(IV)で表される新規化合
物は、5−フルオロシトシンから以下の方法によっても
製造することができる。すなわち、5−フルオロシトシ
ンをアシル化し、得られた一般式(VI)
【0083】
【化26】 (式中、Rは前述の意義を有する)
【0084】の化合物、すなわちN−アシル−5−フ
ルオロシトシン誘導体を、上記一般式(II)の化合物
と反応させることにより製造することができる。したが
って、本発明により前述の第二の方法が提供される。
【0085】この5−フルオロシトシンのアシル化反応
について説明すると、この反応は、5−フルオロシトシ
ンおよび前記一般式(VII)の化合物を溶媒中、室温
から還流温度の間の適宜な温度で、常法により反応させ
ることにより行われる。
【0086】反応時間は、原料の種類、反応温度、塩基
物質の種類、溶媒の種類、その他の条件により異なる
が、通常は、数十分〜数時間である。
【0087】溶媒としては前述の第一の方法におけるア
シル化に用いた溶媒が用いられる。
【0088】アシル化剤の量は5−フルオロシトシン1
モルにつき少なくとも1モルであるのが適当である。
【0089】一般式(IV)の化合物は、上記製法で得
られた一般式(VI)の化合物、すなわちN−アシル
−5−フルオロシトシン誘導体を前述のシリル化剤を用
いてシリル化した後、溶媒中、又は無溶媒で、触媒の存
在下、一般式(II)の化合物と反応させることにより
得ることができる。
【0090】一般式(VI)の化合物又は一般式(V
I)の化合物のシリル化された誘導体と一般式(II)
の化合物との反応は、前述の、5−フルオロシトシンと
一般式(II)の化合物とを反応させる条件と同様の条
件の下に行うことができる。
【0091】シリル化剤の使用量は一般式(VI)の化
合物の1モルに対し0.5モルから2モルであると好ま
しい。
【0092】この反応は、通常は室温又は室温以下で行
われ、必要な場合には氷冷してもよい。反応時間につい
ては、原料の種類、反応温度、塩基物質の種類、溶媒の
種類その他の条件により異なるが、通常は、数時間であ
る。
【0093】上記の式(IV)で表される化合物の製法
は以下の反応式で表される;
【0094】
【化27】 (式中、RおよびRは前述の意義を有する)
【0095】一般式(IV)の化合物は、前述の方法と
同様にして、一般式(VI)の化合物を溶媒中又は無溶
媒で、触媒の存在下に、一般式(II)の化合物と反応
させることによっても得ることができる。
【0096】一般式(IV)で表される化合物は新規化
合物である。
【0097】以下に、代表的な一般式(IV)で表され
る化合物を例示する。5′−デオキシ−2′,3′−ジ
−O−アセチル−5−フルオロ−N−パルミトイルシ
チジン、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチ
ル−5−フルオロ−N−オクチルオキシカルボニルシ
チジン、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチ
ル−5−フルオロ−N−(3−メチルベンゾイル)シ
チジン、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチ
ル−5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメトキシ
ベンゾイル)シチジン、5′−デオキシ−2′,3′−
ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N−(2−メトキ
シベンゾイル)シチジン、N−(4−クロロベンゾイ
ル)−5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル
−5−フルオロシチジン、5′−デオキシ−2′,3′
−ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N−(4−ニト
ロベンゾイル)シチジン、5′−デオキシ−2′,3′
−ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N−(2−フロ
イル)シチジン、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O
−アセチル−5−フルオロ−N−(ニコチノイル)シ
チジン、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチ
ル−5−フルオロ−N−(2−テノイル)シチジン、
−クロトノイル−5′−デオキシ−2′,3′−ジ
−O−アセチル−5−フルオロシチジン、N−シクロ
ヘキサンカルボニル−5′−デオキシ−2′,3′−ジ
−O−アセチル−5−フルオロシチジン、5′−デオキ
シ−2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N
−(フェニルアセチル)シチジン、および5′−デオ
キシ−2′,3′−ジ−O−4−トルオイル−5−フル
オロ−N−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)
シチジン。
【0098】以下に実施例を挙げて本発明の方法を具体
的に説明する。
【0099】
【実施例】
実施例1 トルエン103mlおよびヘキサメチルジシラザン3
2.3g中に、5−フルオロシトシン25.8gを懸濁
させた。この混合物を110℃で3時間加熱し反応させ
た。反応液を減圧下に濃縮した。この残分に塩化メチレ
ン330mlおよび5−デオキシ−1,2,3−トリ−
O−アセチル−β−D−リボフラノシド59.3gを加
えた。次いでこれに氷冷下、無水塩化第二スズ62.5
gを10分間で滴下して加えた。この混合物を室温でさ
らに2時間撹拌した後に、重炭酸ナトリウム101gを
加え、引き続いて水35mlを20分間で滴下した。生
成する混合物を室温で3時間撹拌した後、不溶物をろ別
し、このろ液を4%重炭酸ナトリウム溶液100mlで
洗浄した。溶媒を減圧下留去し、残分にイソプロパノー
ル180mlを加え、再結晶化させた。次いで、この結
晶を採取し、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−ア
セチル−5−フルオロシチジン49.9g(76%)を
得た。上記結晶をイソプロパノールから再結晶した生成
物の融点は191.5〜193.2℃であった。 紫外線吸収スペクトル λmax(HO)nm:27
8(ε=7,800),239(ε=8,800),1
93(ε=19,100). 旋光度[α](20℃) +86(CHCl,C=
1). H−NMR(90MHz,CDCl):1.45
(d,J=6.4Hz,3H),2.08(s,3
H),2.09(s,3H),5.96(dd,(J=
4.4Hz,1.5Hz),1H),7.38(d,J
=6.4Hz,1H).
【0100】実施例2 塩化メチレン16.5mlおよびアセトニトル3.4m
lの溶液中に、5−フルオロシトシン1.29gを懸濁
させた。この懸濁液に5−デオキシ−1,2,3−トリ
−O−アセチル−β−D−リボフラノシド2.97gを
加えた後、室温下、無水塩化第二スズ3.91gを5分
間で滴下して加えた。この溶液を室温でさらに3時間撹
拌し、引き続いて実施例1と同様に後処理した。ここに
エタノール7.4mlを加えて再結晶させた後、結晶を
ろ取し、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチ
ル−5−フルオロシチジン2.12g(64.4%)を
得た。得られた化合物の機器分析の結果は実施例1のも
のと一致した。
【0101】実施例3 トルエン2mlおよびヘキサメチルジシラザン0.42
gの溶液中に、5−フルオロシトシン0.52gを懸濁
させ、この混合物を110℃で3時間加熱した。この反
応混合物を減圧下濃縮し、残分に塩化メチレン6.6m
lおよび5−デオキシ−1,2,3−トリ−O−アセチ
ル−β−D−リボフラノシド1.19gを加えた。次い
でここに室温で、トリフルオロメタンスルホン酸トリメ
チルシリル1.07gを加えた。この混合物を室温で一
夜撹拌後、飽和重炭酸ナトリウム13mlを加えた。こ
の混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を分取し、
水性層を塩化メチレン5mlで抽出した。有機層を合わ
せ、水洗した。溶媒を減圧下に除去し残分をイソプロパ
ノール6mlから再結晶させ、5′−デオキシ−2′,
3′−ジ−O−アセチル−5−フルオロシチジン結晶
0.69g(52.4%)を得た。得られた化合物の機
器分析の結果は、実施例1の結果と一致した。
【0102】実施例4 塩化メチレン190ml中に、実施例1の方法で得られ
た5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル−5
−フルオロシチジン38gを溶解させ、次いでピリジン
14.3gを加えた。この溶液に3,4,5−トリメト
キシベンゾイルクロライド34.6gを室温で加えた。
一夜室温で撹拌後、生成する溶液に塩化メチレン152
mlおよび水76mlを加えて抽出を行った。有機層を
分取し、4%重炭酸ナトリウム水溶液76mlで洗浄
し、次いで溶媒を減圧下留去した。残分をメタノール6
20mlの添加により再結晶し、5′−デオキシ−
2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N
(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)シチジン5
8.2g(96.4%)を結晶性粉末として得た。この
結晶を酢酸エチルより再結晶した生成物の融点は13
0.8〜133.2℃であった。 紫外線吸収スペクトル λmax(HO)nm:31
4(ε=16,300),255(ε=11,10
0),209(ε=36,800). 旋光度[α](20℃)+45(CHCl,C=
1). H−NMR(90MHz,CDCl):1.48
(d,J=6.4Hz,3H),2.10(s,3
H),2.12(s,3H),3.92(s,3H),
3.93(s,6H),5.98(dd,(J=4.9
Hz,1.0Hz),1H),7.48(d,J=5.
4Hz,1H),7.57(s,2H).
【0103】実施例5〜16 実施例4と同様にして、表1、表2及び表3に示した化
合物を合成した。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】実施例17 塩化メチレン12mlおよびピリジン1.65g中に、
3,4,5−トリメトキシ安息香酸1.10gを溶解さ
せ、ついで、メタンスルホニルクロライド0.60gを
室温で加えた。2時間室温で撹拌後、この溶液に5′−
デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フルオ
ロシチジン1.32g加えた。66時間室温で撹拌後、
生成する溶液に水10mlを加えて、抽出した。有機層
を分取し、4%重炭酸ナトリウム水溶液10mlで洗浄
した。溶媒を減圧下に除去し、残分を酢酸エチルから再
結晶し、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチ
ル−5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメトキシ
ベンゾイル)シチジン1.27g(60.5%)を結晶
性粉末として得た。機器分析の結果は実施例4で得られ
たものに一致した。
【0108】実施例18 ピリジン78ml中に、5−フルオロシトシン12.9
gを懸濁させ、次いでこの懸濁液に3,4,5−トリメ
トキシベンゾイルクロライド23.1gを加え、100
℃で5時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却
し、次いで水310ml中に室温下20分間で注入し
た。沈殿した結晶をろ取し、5−フルオロ−N
(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)シトシン2
9.2g(90.4%)を得た。
【0109】上記生成物14.6gをメタノール600
mlから再結晶して得られた生成物の融点は201.4
〜202.2℃(分解)であった。 H−NMR(90MHz,DMSO−d):3.7
4(s,3H),3.84(s,6H),7.37
(s,2H),8.09(d,J=5.9Hz,1
H). トルエン10mlおよびヘキサメチルジシラザン2.1
0g中に、上記方法で得られた5−フルオロ−N
(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)シトシン6.
47gを懸濁させ、100℃で3時間反応させた。この
反応溶液を減圧下に濃縮した。次いでこの残分に塩化メ
チレン60mlを加え、次いで5−デオキシ−1,2,
3−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシド5.
93gを加え、次いで氷冷下に無水塩化第二スズ6.2
5gを滴下して加えた。この反応溶液を室温でさらに3
0分間撹拌し、次いで重炭酸ナトリウム10.1gを加
えた。室温下、ここに水3.5mlを10分間で添加し
た。室温で3時間撹拌後、不溶物をろ去し、ろ液を6%
重炭酸ナトリウム溶液10mlで洗浄した。溶媒を減圧
下に除去し、この残分にメタノール100mlを加えて
再結晶させ、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−ア
セチル−5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメト
キシベンゾイル)シチジン8.20g(78.3%)を
結晶性粉末として得た。得られた化合物の機器分析の結
果は実施例4の結果と一致した。
【0110】実施例19 塩化メチレン70ml中に、5−フルオロ−N
(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)シトシン5.
55gを懸濁させた。ここに5−デオキシ−1,2,3
−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシド5.0
9gを加えた後、室温下、無水塩化第二スズ5.36g
を5分間で滴下して加えた。この反応溶液を室温でさら
に45分間撹拌した。以下、この反応混合物を実施例1
8と同様の後処理に付し、5′−デオキシ−2′,3′
−ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N−(3,4,
5−トリメトキシベンゾイル)シチジン6.17g(6
8.6%)を得た。得られた化合物の機器分析の結果
は、実施例4の結果と一致した。
【0111】実施例20 塩化メチレン300ml中に、実施例4の方法で得られ
た、5′−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル−
5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメトキシベン
ゾイル)シチジン35.5gを溶解させ、この溶液に氷
冷下、撹拌しながら1N−NaOH水溶液270mlを
滴下して加えた。この溶液を同温度下で30分撹拌後、
この反応溶液に、メタノール30mlを加えた。ここに
氷冷下、濃塩酸を滴下し、pHを6に調整した後、その
有機層を分離し、水60mlで洗浄し、次いで減圧下濃
縮した。この残分を酢酸エチル150mlから結晶化さ
せ、次いでろ取することにより、5′−デオキシ−5−
フルオロ−N−(3,4,5−トリメトキシベンゾイ
ル)シチジン25.4g(85.4%)を結晶として得
た。この結晶を酢酸エチルより再結晶して得られた生成
物の融点は167.0〜168.4℃であった。 H−NMR(90MHz,DMSO−d):1.3
4(d,3H),3.75(s,3H),3.85
(s,6H),5.08(d,1H),5.45(d,
1H),5.73(d,1H),7.36(s,2
H),8.22(d,1H).
【0112】実施例21 N−NaOH 0.4ml中に、5′−デオキシ−
2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フルオロ−N
(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)シチジン5
2.3mgを添加し、この混合物を26℃で5分間撹拌
した。この時点の反応の進行状況をTLCで確認したと
ころ、出発原料のスポットが完全に消失し、5′−デオ
キシ−5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメトキ
シベンゾイル)シチジンのスポットのみが見い出され
た。反応の完了後、この反応溶液に塩化メチレンを加え
た。次いで濃塩酸を滴下して、この溶液のpHを6に調
整した。その有機層を分離し、水洗し、次いで減圧下濃
縮した。この残分を酢酸エチルから再結晶させ5′−デ
オキシ−5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメト
キシベンゾイル)シチジンを得た。機器分析の結果は実
施例20の結果と一致した。
【0113】実施例22〜31 実施例21の方法にしたがい、式(IV)の化合物、溶
媒の種類、塩基物質の種類と使用量、反応時間及び反応
温度を下記表4に示されているように選択して反応を行
った。以下、実施例21の場合と同様の方法で後処理
し、5′−デオキシ−5−フルオロ−N−(3,4,
5−トリメトキシベンゾイル)シチジンを得た。各実施
例の各反応時間後の、反応の進行状況を確認したとこ
ろ、出発原料のスポットが完全に消失し、5′−デオキ
シ−5−フルオロ−N−(3,4,5−トリメトキシ
ベンゾイル)シチジンのスポットのみであることが見い
出された。
【0114】
【0115】実施例32 THF 14mlおよびメタノール11ml中に、5′
−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フル
オロ−N−パルミトイル)シチジン1.14gを溶解
させ、次いでN−NaOH、8mlを30℃で添加し、
5分間撹拌した。反応の進行状況をTLCで確認したと
ころ、出発原料のスポットが完全に消失し、目的生成物
のスポットのみが見い出された。ついで、この反応溶液
に10%塩酸を加え、pH5に調整した。減圧下有機溶
媒を除去し、この残分を塩化メチレン100mlにより
抽出した。その有機層を分取し、水洗し、次いで、減圧
下濃縮した。この残分をメタノール7mlから再結晶さ
せた後、結晶をろ取し、5′−デオキシ−5−フルオロ
−N−パルミトイルシチジン0.64g(66%)を
得た。得られた化合物の機器分析の結果を以下に示す。 融点;93.0〜95.0℃ H−NMR(90MHz,DMSO−d):0.8
6(t,3H),1.24(s,メチレン),1.33
(d,3H),3.5〜4.15(m,3H),5.0
4(d,1H),5.42(d,1H),5.68(d
d,1H),8.08(d,1H).
【0116】実施例3 THF 14mlおよびメタノール11ml中に、5′
−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フル
オロ、−N−(4−クロロベンゾイル)シチジン0.
98gを溶解させ、次いでN−NaOH、8mlを30
℃で添加し、5分間撹拌した。反応の進行状況を確認し
たところ、出発原料のスポットが完全に消失し、目的生
成物のスポットのみが見い出された。以下、生成する溶
液を実施例32と同様に処理し、得られた残分を酢酸エ
チルから再結晶させ、N−(4−クロロベンゾイル)
−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン0.40g
(49.8%)を得た。得られた化合物の機器分析の結
果は以下に示す。 融点;142.3〜145.6℃、 H−NMR(90MHz,DMSO−d):1.3
2(d,3H),3.5〜4.2(m,3H),5.0
8(d,1H),5.42(d,1H),5.71(d
d,1H),7.58(d,2H),8.02(d,1
H),8.02(d,2H).
【0117】実施例3 THF 14mlおよびメタノール11ml中に、5′
−デオキシ−2′,3′−ジ−O−アセチル−5−フル
オロ−N−(2−メトキシベンゾイル)シチジン0.
93gを溶解させ、この溶液にN−NaOH、8mlを
30℃で添加し、この混合物を次いで5分間撹拌した。
この時点の反応の進行状況をTLCで確認したところ、
出発原料のスポットが完全に消失し、目的生成物のスポ
ットのみが見い出された。以下、この反応溶液を実施例
32と同様に処理し、得られた残分をメタノールから再
結晶させ、5′−デオキシ−5−フルオロ−N−(2
−メトキシベンゾイル)シチジン0.40g(52.5
%)を得た。得られた化合物の機器分析の結果は以下に
示す。 融点;196.8〜197.9℃(分解) H−NMR(90MHz,DMSO−d):1.3
4(d,3H),3.93(s,3H),3.5〜4.
3(m,3H),5.05(d,1H),5.45
(d,1H),5.70(dd,1H),7.1〜7.
8(m,4H),8.15(d,1H).
【0118】実施例35 塩化メチレン25ml中に、5′−デオキシ−2′,
3′−ジ,O−アセチル−5−フルオロ−N−(3−
メチルベンゾイル)シチジン447mgを溶解させ、
0.5N−NaOH、8mlを14℃で添加し、この混
合物を次いで5分間撹拌した。この時点の反応の進行状
況をTLCで確認したところ、出発原料のスポットが完
全に消失し、目的生成物のスポットのみが見い出され
た。ついで、この反応溶液に10%塩酸を加えて、pH
5に調整し、生成する溶液をメタノール5mlにより抽
出した。その水性層を、塩化メチレン10mlの添加に
よりさらに抽出した後に、その有機層を合わせ、水洗
(10ml)した。有機溶媒を減圧下留去し、この残分
をエタノール4mlから再結晶させ、5′−デオキシ−
5−フルオロ−N−(3−メチルベンゾイル)シチジ
ンを301mg(82.9%)を得た。 融点;146.5〜147.8℃
【0119】実施例36〜44 実施例35の方法にしたがい、表5記載の化合物(I
V)を、適宜な量の塩化メチレンに溶解し、相当する化
合物のモル数に対し、4倍モル相当の0.5N−NaO
Hの存在下、選択的な脱アシル化を行った。以下、実施
例35と同様に後処理することにより目的化合物を得
た。その反応条件及び得られた化合物の収率は表5に示
されている通りであり、これらの化合物の物理化学的性
質は、融点、NMRなどの機器分析により確認した。
【0120】
【表5】
【0121】実施例45 水0.44ml中に、5′−デオキシ−2′,3′−ジ
−O−アセチル−5−フルオロ−N−(3,4,5−
トリメトキシベンゾイル)シチジン52.3mgを懸濁
した。この懸濁液を26℃で撹拌しながら10%テトラ
メチルアンモニウムヒドロシンド溶液0.36mlを滴
下して添加した後、この混合物を同温度下で5分間撹拌
した。この時点の反応の進行状況を確認したところ、出
発原料のスポットが完全に消失し、目的生成物のスポッ
トのみが見い出された。以下、実施例21と同様に後処
理して、5′−デオキシ−5−フルオロ−N−(3,
4,5−トリメトキシベンゾイル)シチジンを得た。機
器分析の結果は実施例20の結果と一致した。
【0122】実施例46 水0.74ml中に、5′−デオキシ−2′,3′−ジ
−O−アセチル−5−フルロ−N−(3,4,5−ト
リメトキシベンゾイル)シチジン52.3mgを懸濁し
た。この懸濁液に26℃で撹拌しながら、DBU 60
μlを滴下して加えた後、この混合物を同温度で5分間
撹拌した。この時点の反応の進行状況を確認したとこ
ろ、出発原料のスポットが完全に消失し、目的生成物の
スポットのみが見い出された。以下、実施例21と同様
の後処理を行ない、5′−デオキシ−5−フルオロ−N
−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)シチジン
を得た。機器分析の結果は実施例20の結果と一致し
た。
【0123】実施例47 水0.74ml中に、5′−デオキシ−2′,3′−ジ
−O−アセチル−5−フルオロ−N−(3,4,5−
トリメトキシベンゾイル)シチジン52.3mg懸濁し
た。この懸濁液に、27℃で撹拌しながらトリエチルア
ミン55.5μlを滴下して加えた後、この混合物を同
温度で3時間撹拌した。この時点の反応の進行状況を確
認したところ、出発原料のスポットが完全に消失し、目
的生成物のスポットのみが見い出された。以下、実施例
21と同様の後処理を行ない、5′−デオキシ−5−フ
ルオロ−N−(3,4,5−トリメトキシベンゾイ
ル)シチジンを得た。機器分析の結果は実施例20の結
果と一致した。
【0124】実施例48 トルエン100mlおよびヘキサメチルジシラザン21
g中に、5−フルオロシトシン25.8gを懸濁させ、
この懸濁液を110℃で3時間加熱して、反応させた。
この反応混合物を減圧下濃縮し、この残分に塩化メチレ
ン330mlおよび5−デオキシ−1,2,3−トリ−
O−アセチル−β−D−リボフラノシド59.3gを加
えた。この氷冷した溶液に、無水塩化第二スズ62.5
gを10分間で滴下して加えた。この混合物を室温でさ
らに2時間撹拌し、ここに重炭酸ナトリウム101gを
室温で加え、次いで水35mlを20分間で滴下して加
えた。この混合物を室温で3時間撹拌した後、不溶物を
ろ別した。このろ液を4%重炭酸ナトリウム水溶液10
0mlで洗浄し、乾燥(NaSO)させた。次いで
上記溶液にピリジン23gを加えた後、3,4,5−ト
リメトキシベンゾイルクロライド56gを室温で加え
た。この混合物を一夜室温で撹拌後、この反応混合物を
塩化メチレン250mlと水125mlとに分配した。
その有機層を分取し、4%重炭酸ナトリウム水溶液12
5mlで洗浄した。上記の方法で得られた有機層に、氷
冷下、撹拌しながらN−NaOH水溶液732mlを滴
下して加えた。30分撹拌後、この反応混合物に塩化メ
チレン200mlおよびメタノール70mlを加えた。
生成する溶液のpHを濃塩酸で6に調整した後、その有
機層を分取し、水160mlで洗浄し、次いで減圧下濃
縮した。この残分を酢酸エチル370mlから結晶化さ
せ、この結晶をろ取した。これらの結晶を酢酸エチル1
150mlから再結晶させ、5′−デオキシ−5−フル
オロ−N−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)
シチジン56.0g(63.8%)を結晶として得た。
得られた化合物の機器分析の結果は、実施例20の結果
と一致した。
【0125】実施例49 ピリジン78ml中に、5−フルオロシトシン12.9
gを懸濁させ、この懸濁液に3,4,5−トリメトキシ
ベンゾイルクロライド23.1gを加え、この混合物を
100℃で5時間反応させた。反応終了後、この反応混
合物を水300mlに室温下撹拌しながら注加した。生
成する混合物を、さらに3時間撹拌後、沈殿した結晶を
ろ取し、水洗し、乾燥させ、5−フルオロ−N(3,
4,5−トリメトキシベンゾイル)シトシン29.2g
を得た。トルエン46mlおよびヘキサメチルジシラザ
ン9.5g中に、上記の方法で得られた結晶を懸濁さ
せ、この混合物を110℃で3時間加熱して、反応させ
た。この反応混合物を減圧下に蒸発させ、残分に塩化メ
チレン270mlおよび5−デオキシ−1,2,3−ト
リ−O−アセチル−β−D−リボフラノシド26.8g
を加え、ここに氷冷下、無水塩化第二スズ28.2gを
5分間で滴下して加えた。この溶液を室温でさらに1時
間撹拌し、次いで重炭酸ナトリウム45.5g加え、次
いで室温で水16mlを10分間で滴下して加えた。こ
の混合物を室温で3時間撹拌した後、不溶物をろ別し、
このろ液を6%重炭酸ナトリウム溶液45mlで洗浄し
た。次いで上記の方法で得られた有機層に、氷冷下撹拌
しながらN−NaOH 292mlを滴下して加えた。
同温度で30分撹拌後に、この混合物に塩化メチレン5
0mlおよびメタノール30mlを加えた。この混合物
のpHを濃塩酸で6に調整後に、その有機層を分取し、
水洗し、次いで減圧下濃縮した。残分を酢酸エチル15
0mlから結晶化させ、結晶をろ取した。このろ取した
結晶を、酢酸エチル480mlからさらに再結晶させ、
5′−デオキシ−5−フルオロ−N−(3,4,5−
トリメトキシベンゾイル)シチジン23.2g(52.
8%)を結晶として得た。得られた化合物の機器分析の
結果は、実施例20の結果と一致した。
【0126】
【発明の効果】本発明により、工業的に容易に入手でき
る、5−フルオロシトシンから、少ない工程数により極
めて高い収率で、N−アシル−5′−デオキシ−5−
フルオロシチジン誘導体を製造することができる。しか
も、生成物は各工程において高収率で得ることができ、
従って中間体を単離精製することなく、次の工程に移行
することができる。したがって、本発明による上記製造
法は、工業的に極めて優れた製造法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 博 富山県富山市水橋辻ケ堂2256番地の27 (72)発明者 石塚 誠 富山県富山市五福4区4884番地 (56)参考文献 特開 昭50−7974(JP,A) 特開 昭56−59794(JP,A) 国際公開93/12128(WO,A1) 欧州特許602478(EP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 19/067 CA(STN) REGISTRY(STN) MEDLINE(STN) CASREACT(STN) BIOSIS(STN) EMBASE(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5−フルオロシトシンと 一般式(II) 【化1】 (式中、Rは、低級アルキル基、アリール基又は置換
    基を有していてもよいアリール基を表し、Yはハロゲン
    原子、アシルオキシ基またはアルコキシ基を表す)で表
    される化合物とを反応させて 一般式(III) 【化2】 (式中、Rは前述の意義を有する)で表される化合物
    を生成させ、次いでこの化合物をアシル化剤と反応させ
    て、この化合物のアミノ基にRCO基を導入して、 一般式(IV) 【化3】 (式中、Rは、前述の意義を有し、Rは、アルキル
    基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
    アリール基、又はアルコキシ基を表す)で表される化合
    物を生成させ、次いでこの化合物におけるRCO基の
    みを、塩基物質の存在下、溶媒中で処理することにより
    選択的に脱アシル化することを特徴とする 一般式(V) 【化4】 (式中、Rは前述の意義を有する)で表されるN
    アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 5−フルオロシトシンをアシル化剤と反
    応させて、そのアミノ基にRCO基を導入して、 一般式(VI) 【化5】 (式中、Rは前述の意義を有する)の化合物を生成さ
    せ、次いでこの化合物を、 一般式(II) 【化6】 (式中、RおよびYは、前述の意義を有する)の化合
    物と反応させて、 一般式(IV) 【化7】 (式中、RおよびRは、いずれも前述の意義を有す
    る)の化合物を生成させ、次いでこの化合物におけるR
    CO基のみを、塩基物質の存在下、 溶媒中で処理する
    ことにより選択的に脱アシル化することを特徴とする 一般式(V) 【化8】 (式中、Rは前述の意義を有する)で表されるN
    アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(IV) 【化9】 (式中、RおよびRは、いずれも前述の意義を有す
    る)で表される化合物を、塩基物質の存在下、溶媒中で
    処理することにより、この化合物におけるRCO基の
    みを選択的に脱アシル化することからなる 一般式(V) 【化10】 (式中、Rは、前述の意義を有する)で表されるN
    −アシル−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導
    体の製造方法。
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