JP3529761B2 - 静電アクチュエータ及びその駆動方法 - Google Patents

静電アクチュエータ及びその駆動方法

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JP3529761B2
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mover
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electrostatic actuator
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充伸 吉田
章裕 笠原
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • H02N1/002Electrostatic motors
    • H02N1/004Electrostatic motors in which a body is moved along a path due to interaction with an electric field travelling along the path

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  • Micromachines (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、可動子を静電気
力で駆動する静電アクチュエータ及びその駆動方法に係
り、特に、改良された簡単な構造を有し、可動子を高い
精度で駆動することができる静電アクチュエータ及びそ
の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】可動子を静電気力で駆動する静電アクチ
ュエータは、既に幾つかの文献、例えば、特開平8−1
40367号公報、特許第2928752号及び"Elect
rostatic Linear Microactuator Mechanism" JOURNAL O
F LIGHTWAVW TECHNOLOGYFIG,Vol. 17, No 1, January 1
999、IEEEに開示されている。これら文献に開示される
静電アクチュエータは、例えば、図1に示した特許第2
928752号に記載されるように電極が配列された構
造を有している。この静電アクチュエータでは、駆動さ
れるべき可動子101が互いに対向された2つの固定子
102、103間に矢印110に示す前進方向或いはそ
の反対の後退方向にスライド可能に配置されている。可
動子101には、電極部106が設けられ、一方の固定
子102には、異なるタイミングで電圧が印加される2
系の固定子電極102a及び102cが交互に配置さ
れ、また、他方の固定子103には、同様に異なるタイ
ミングで電圧が印加される2系の電極103b及び10
3dが交互に配置されている。この固定子102、10
3に設けたそれぞれの固定子電極102a、102c、
103b、103d及び可動子101の電極部106の
ピッチ及び電極幅は、それぞれ実質上同一であり、互い
に対向される固定子102の固定子電極102a及び1
02cと固定子103の電極103b及び103dは、
その配列位相が1/2だけシフトされるように配置され
ている。
【0003】このような構造を有する静電アクチュエー
タでは、固定子電極102aに電圧源104からスイッ
チング回路105を介して電圧が印加されると、固定子
電極102aと可動子電極106との間に静電力、即
ち、クーロン力が作用し、可動子101は、固定子電極
102aと可動子電極106が重なり合うように一方の
固定子102に吸引される。続いて、スイッチング回路
105が固定子電極102aから電極103bに切り替
えられて電圧が電極103bに印加されると、可動子1
01は、電極103bと可動子電極106が重なり合う
ように他方の固定子103に吸引される。また、スイッ
チング回路105が電極103bから電極102cに切
り換えられて電圧が電極102cに印加されると、可動
子101は、電極102cと可動子電極106が重なり
合うように一方の固定子102に吸引される。更に、ス
イッチング回路105が電極102cから電極103d
に切り替えられて電圧が電極103dに印加されると、
可動子101は、電極103dと可動子電極106が重
なり合うように他方の固定子103に吸引される。この
様に、電圧が固定子電極102a、電極103b、電極
102c、電極103dに順次切り替えられながら印加
されると、可動子101は、微視的には固定子102及
び103間で振動しながら、巨視的には図1に矢印11
0で示される前進方向に駆動される。電極に電圧を加え
る順番を逆にして、電極103d、電極102c、電極
103b、固定子電極102aの順序で順次に切り替え
ながら電圧が印加されると、可動子101は、図1に矢
印110で示される方向とは反対の後退方向に駆動され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した静電アクチュ
エータでは、一対の固定子102、103が精度良く位
置合わせされることが必要とされ、また、固定子10
2、103に精度良く等間隔で等幅の電極が形成される
ことが要求されている。従って、静電アクチュエータの
部品を製造し、この部品を精度良く組立てるに十分な時
間及び手間が必要とされ、結果として、静電アクチュエ
ータのコストが高くなり、量産を実現するには問題があ
るとされている。
【0005】以上説明したように、従来の静電アクチュ
エータでは、2枚の固定子102、103が正確に位置
決めされて両者間の配列位相が精度良く設定される必要
があり、可動子101の対向する2面に精度良く電極を
製作する必要があり、アクチュエータ機構の組立に要す
る時間及び手間が大きく、コストが高く、アクチュエー
タ機構の量産を実現することができない問題がある。
【0006】この発明は、上述したような事情に鑑みな
されたものであって、その目的は、静電気で駆動される
アクチュエータにおいて、量産性を維持しながら発生力
の向上を図ることができる静電アクチュエータ及びその
駆動方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、少な
くとも3系統の電極が所定方向に略同一ピッチで連続的
に配列されている第1の電極群を備えた第1の固定子
と、所定の空間を介して前記第1の固定子と対向して設
けられ、少なくとも3系統の電極が所定方向に略同一ピ
ッチで連続的に配列されている第2の電極群を備えた第
2の固定子と、前記空間に前記所定方向に関し移動可能
に配置され、前記第1及び第2の電極群に対向する第1
及び第2の可動子電極部を有する可動子と、前記第1の
電極群の電極と前記第2の電極群の電極とが略同一位相
で対向するように配置されている場合に前記可動子を駆
動可能な第1の電圧信号パターンと、前記第1の電極群
の電極と前記第2の電極群の電極とが略1/2位相差で
対向するように配置されている場合に前記可動子を駆動
可能な第2の電圧信号パターンとを発生可能な電圧信号
発生手段と、前記第1及び第2の電圧信号パターンの少
なくとも一方を前記第1及び第2の電極群に印加して前
記可動子の移動を検知する検知手段と、前記検知手段の
検知に応答して前記第1及び第2の電圧信号パターンの
いずれかを設定する設定手段とを備えたことを特徴とす
る静電アクチュエータが提供される。
【0008】この発明によれば、少なくとも3系統の電
極が所定方向に略同一ピッチで連続的に配列されている
第1の電極群を備えた第1の固定子と、所定の空間を介
して前記第1の固定子と対向して設けられ、少なくとも
3系統の電極が所定方向に略同一ピッチで連続的に配列
されている第2の電極群を備えた第2の固定子と、前記
空間に前記所定方向に関し移動可能に配置され、前記第
1及び第2の電極群に対向する第1及び第2の可動子電
極部を有する可動子と、を具備する静電アクチュエータ
の駆動方法において、前記第1の電極群の電極と前記第
2の電極群の電極とが略同一位相で対向するように配置
されている場合に前記可動子を駆動可能な第1の電圧信
号パターンと、前記第1の電極群の電極と前記第2の電
極群の電極とが略1/2位相差で対向するように配置さ
れている場合に前記可動子を駆動可能な第2の電圧信号
パターンとの少なくとも一方を前記第1及び第2の電極
群に印加して前記可動子の移動を検知し、前記検知手段
の検知に応答して前記第1及び第2の電圧信号パターン
のいずれかに設定することを特徴とする静電アクチュエ
ータの駆動方法が提供される。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態に係る静電ア
クチュエータについて、以下に図面を参照して詳細に説
明する。
【0014】図2は、この発明の両側推進駆動タイプと
称せられる静電アクチュエータの一実施形態を示してい
る。この図2に示される両側推進駆動タイプと称せられ
る静電アクチュエータでは、駆動されるべき可動子11
が互いに対向された2つの固定子12、13間の空間に
矢印21に示す前進方向或いはその反対の後退方向にス
ライド可能に配置されている。可動子11には、電極部
16が設けられ、一方の固定子12には、異なるタイミ
ングで電圧が印加される4つの固定子電極12a、12
b、12c、12dのグループが連続するように配置さ
れ、また、他方の固定子13には、同様に異なるタイミ
ングで電圧が印加される4つの電極13e、13f、1
3g、13hのグループが連続するように配置されてい
る。このように4つの固定子電極に異なるタイミングで
電圧が印加される系を4電極系或いは単に4系統と称す
る。尚、固定子電極12a、12b、12c、12d、
13e、13f、13g、13hには、その符号12
a、12b、12c、12d、13e、13f、13
g、13hと共に説明の便宜の為に、符号A、B、C、
D、E、F、G、Hを付している。また、下記の説明に
おいてこの符号を参照して固定子A電極12a或いは単
にB電極12bと称する場合がある。この4電極系で
は、それぞれの固定子電極12a、12b、12c、1
2d、13e、13f、13g、13hのピッチPh及
び電極幅Wは、固定子12、13上にそれぞれ実質上同
一に形成される。また、固定子電極12a、12b、1
2c、12d及び固定子電極13e、13f、13g、
13hに対向される可動子11には、それぞれ電極幅
(L)が固定子電極12a、12b、12c、12d及
び固定子電極13e、13f、13g、13hの電極幅
幅(W)の1.5倍〜2.5倍に定められている可動子
電極16がピッチ4Phで形成されている。また、固定
子電極12a、12b、12c、12d及び固定子電極
13e、13f、13g、13hは、可動子11が可動
される範囲亘って設けられ、可動子電極16は、固定子
電極12a、12b、12c、12d及び固定子電極1
3e、13f、13g、13hの隣接するいずれか2つ
の電極に対向される。ここで、固定子電極12a、12
b、12c、12dと固定子電極13e、13f、13
g、13hは、静電アクチュエータの組立時には、従来
の静電アクチュエータとは異なり、単に両者が対向され
るように配置されるだけで両者が位置合わせされなくと
も、即ち、アライメントが取られなくとも良く、その配
列位相が一致されるように配置される場合、その配列位
相が1/2位相ずれように配置される場合、或いは、そ
の配列位相が0から1/2位相の範囲内で配列される場
合がある。但し、両者が対向されて配置される場合であ
れば、両者の位相のずれΔPは、0〜Ph/2以内の位
相のずれが生じているに過ぎない(0≦ΔP≦Ph/
2)。
【0015】図2に示される静電アクチュエータにおい
て、可動子電極16と固定子電極12a、12b、12
c、12dが図3に示されるような配置関係にある際
に、固定子電極12b、12cに電圧源6からスイッチ
ング回路5を介して電圧が印加されると、固定子電極1
2b、12cと可動子電極16との間に静電力、即ち、
クーロン力が作用し、可動子11は、固定子電極12
b、12Cと可動子電極16が重なり合うように一方の
固定子12に吸引される。続いて、スイッチング回路5
が固定子電極12b、12cから電極13f、13g或
いは電極13g、13hに切り替えられて電圧が電極1
3f、13g或いは電極13g、13hに印加される
と、可動子11は、可動子電極16と電極13f、13
g或いは電極13g、13hが重なり合うように他方の
固定子13に吸引される。また、スイッチング回路5が
電極13f、13g或いは電極13g、13hから電極
12c、12dに切り替えられて電圧が電極12c、1
2dに印加されると、可動子11は、可動子電極106
と電極12c、12dとが重なり合うように一方の固定
子12に吸引される。更に、同様にスイッチング回路5
が切り替えられて固定子13の電極に切り替えられと、
同様に可動子11は、他方の固定子13に吸引される。
この様に、電圧が順次切り替えられながら電極に印加さ
れると、可動子11は、微視的には固定子12及び13
間で振動しながら、巨視的には図2に矢印21で示され
る前進方向に駆動される。電極に電圧を加える順番を逆
にすれば、可動子11は、図1に矢印21で示される方
向とは逆の後退方向に駆動される。
【0016】次に、図3〜図6を参照して、図2に示し
た静電アクチュエータにおける、可動子電極16の位置
と、可動子電極16と固定子12に設けた4系統の電極
12a,12b,12c,12dとの間に生じる発生力
(垂直方向と水平方向(進行方向))の関係について説
明する。
【0017】可動子電極16に与えられる発生力(垂直
方向のベクトル成分をFz、水平方向(進行方向)のベ
クトル成分をFyと表す。)は、可動子電極16と固定
子12に設けた各電極12a,12b,12c,12d
を、共に厚さの無い平板状の電極と考えると、下記の式
(1)、式(2)によって表される。
【0018】Fz=n×ε(SV/2d)…(1) Fy=n×ε(MV/2d)…(2) ここで、nは可動子11に設けた凸部電極16の数、ε
は、可動子11の可動子電極16と固定子12に設けた
各電極12a,12b,12c,12dとの間の誘電率
である。この誘電率εは、真空の誘電率に、前記可動子
11と固定子12に設けた各電極12a,12b,12
c,12dとの間にある物質の比誘電率を乗じた値で表
される。真空の誘電率は、ε=8.85×10−12
[N/m]であり、比誘電率は、例えば、空気では、約
1、電極の絶縁等に用いられるポリイミドでは、約3で
ある。
【0019】また、Mは、可動子電極16と固定子12
の各電極12a,12b,12c,12dの内電圧が印
加されている電極とが重なり合っている場合、その可動
電極16の奥行き距離を表す。ただし、重なりが無い場
合は、0を表す。即ち、Mは、奥行き距離(可動子の移
動方向に直交する方向の長さ)か或いは0かの2値で表
わされる。ここで、図3は、電極12b,12cと可動
子電極16とが重なりあっている状態を示し、図4及び
図5は、電極12b,12cと可動子電極16とが全く
重なり合わない状態を示している。
【0020】また、Sは、可動子電極と固定子電極が互
いに対向している部分の面積である。ここで、対向して
いる固定子電極と可動子電極の幅(可動子の移動方向の
重複長さ)をRとすると、S=M×Rの関係が成り立
つ。ここで、図3から図5に示す電極配列では、Rは、
0≦R≦2Wの関係にある。ここで、Wは、水平方向に
動かす向きに沿った1つの固定電極の幅を示す。
【0021】さらに。Vは、電極間に加える電圧を表
す。dは、互いの電極間の距離を表している。この距離
dは、図3における可動子電極16と固定子電極との間
のギャップに相当している。
【0022】前述したが、これらの数式は、それぞれの
電極の厚さ方向を無視した場合のモデルである。よっ
て、可動子11の深さ方向の影響(つまり、図1の凸部
形状の可動子電極16において側面のテーパが付いた部
分)と、加えて固定子12に設けた各電極12a、12
b、12c、12d間相互による影響を無視している。
しかし、実際には、それらの影響を考慮する必要があ
る。考慮する必要性については後述する。
【0023】次に、図3から図5における座標(X−
Z)の定義を説明する。固定子12のB電極12bとC
電極12cの中間点を原点(X=0)とし、紙面におい
て左側をマイナス(−X)、右側をプラス(+X)とす
る。一方、可動子11においては、凸部電極16の中央
点Prefを基準とする。そして、固定子12と可動子1
1の間の変位とは、原点(X=0)に対する可動子11
の基準点Prefの変分を指し、正負は上述の通りであ
る。なお、水平方向に関する力の発生方向の正負も上述
と同様である。なお、上述した(式1)、(式2)は発
生力の大きさのみを表しており、力の作用する方向は表
していない。
【0024】電圧を印加する、固定子12の電極をB電
極12b、とC電極12cとして以下に説明を進める。
【0025】上記式(1)及び式(2)によると、図4
に示すように可動子11の変位がマイナスL(−L)よ
り小さければ、可動子11の凸部電極16とB電極12
bとは、互いに平行な関係であっても、互いに対向する
部分は無く、よって互いに重なりあう平行平板部分は無
い状態にある。よって、ここで、Lは、水平方向に動か
す向きに沿った1つの可動子電極16の幅を示す。式
(1)におけるS、及び式(2)におけるMがそれぞれ
0となり、垂直方向および水平方向(進行方向)の発生
力、FzとFyはそれぞれゼロとなる。
【0026】次に、可動子11の変位が、マイナスLか
ら0までの範囲内にある場合には、その可動子11の位
置によらず水平方向(進行方向)の発生力Fyは、一定
となる。これは、上述したR(可動子11の凸状電極1
6と固定子電極が水平方向に重なり合う量)の成分が水
平方向(進行方向)の発生力Fyを表す(式2)には無
く、この(式2)のMは、重なりに対しては、ゼロか一
定値かの2値的な値を取るためである。なお、発生力の
方向は、プラス側(+Xの方向)である。また、垂直方
向の発生力Fzは、可動子11の凸状電極16と固定子
電極が水平方向に重なり合う量の増加、つまりRの増加
に従って増えていく。可動子11の変位がちょうど0の
時、重なり合う量は最大であり、Fzは最大値をとる。
図3に可動子11の変位が0の状態を示す。
【0027】次に、可動子11の変位が、0からプラス
Lの範囲内にある場合にも、その可動子の位置によらず
水平方向(進行方向)の発生力Fyは、一定であり、力
の向きが逆のマイナスとなっている。理由は、上述の通
りである。なお、垂直方向の発生力Fzは、重なり合う
量の減少、つまりRの減少に従って減っていく。可動子
11の変位がLを越えると、重なり合う量はなくなり、
説明の冒頭であったように、垂直方向および水平方向
(進行方向)の発生力、FzとFyはそれぞれゼロとな
る。可動子11の変位が、プラスLの状態を図5に示
す。
【0028】つまり、水平方向(進行方向)の発生力F
yは、可動子の変位がマイナスLより小さければゼロ、
マイナスLから0まではプラスの一定値、0からプラス
Lまではマイナスの一定値、プラスLより大きければ再
びゼロという、方形波的な変化をとることが分かる。し
かし、実際には、発生力はゼロから一定値に瞬時に変化
する訳ではなく、徐々に変化していく。それは、(式
1)及び(式2)で無視した各電極の厚さ方向の成分に
よる影響に基づいている。そして、この徐々に変化して
いく部分の発生力が、アクチュエータの駆動に与える影
響は大きく、実際には、無視はできない。
【0029】次に、厚さ方向の成分を考慮した発生力の
結果を示す。図6に示した発生力のグラフは、有限要素
法を用いて、可動子11の凸状電極16と固定子12に
設けた各電極12a、12b、12c、12dとの位置
関係による発生力Fz、Fyの変化を示したものであ
る。位置関係は上述で定義した座標系の通りである。
【0030】この図6において、垂直方向の発生力Fz
には、矩形のマークでプロットされているグラフが相
当し、水平方向(進行方向)の発生力Fyには、丸のマ
ークでプロットされているグラフが相当する。縦軸
は、力(単位[N])を表し、横軸は、可動子11の可
動子電極16と固定子2に設けた固定子電極B12b、
と固定子電極C12c、との位置関係を変位(μm)で
表している。
【0031】図6に示したグラフのデータを得るための
静電アクチュエータのサイズは、後述するようなカメラ
モジュールとして携帯電話等のモバイル機器に適用する
場合を想定して、そのディメンションが定められてい
る。例えば、ギャップdは7.8μm、固定子電極の幅
wは12μm、ピッチPhは16μm、可動子11に設
けた凸部状可動子電極16の幅Lは28μm、また可動
子電極16の数は94である。図6のグラフより分かる
様に、水平方向(進行方向)の発生力は、可動子11の
凸部状可動子電極16が固定子B電極12bと重なり合
う前後および離れる前後で徐々に変化しており、上述の
厚さを無視した(式1)と(式2)のモデルとは異なっ
ていることが分かる。
【0032】なお、簡便の為に、下記の駆動方法の説明
においては、水平方向(進行方向)の発生力は、0点と
最大値を結ぶ正弦波波形に置きかえられるものとして説
明する。なお、図6のグラフにおいては、固定子電極1
2b,12cに加えている電圧Vは、100Vでの算出
値である。この発明の実施形態に係る静電アクチュエー
タでは、図6に示した特性の考察を基にして、例えば、
後述する第1の電圧パターンVP1及び第2の電圧パタ
ーンVP2の一方を指定するスイッチングモード指定回
路7が図2に示されるように設けられ、静電アクチュエ
ータに設けられた固定子電極12a、12b、12c、
12dと固定子電極13e、13f、13g、13hと
の配置に依存して電圧パターンVP1及び電圧パターン
VP2のうち適切な一方が固定子電極12a、12b、
12c、12d及び固定子電極13e、13f、13
g、13hに印加される。即ち、静電アクチュエータの
組立時に固定子電極12a、12b、12c、12dと
固定子電極13e、13f、13g、13hとが図7に
破線50で示されるようにほぼ位置合わせされ、その結
果、その互いに対応する電極、例えば、固定子A電極1
2aと固定子E電極13eとの間のずれΔPが実質的に
0か、或いは、十分に小さい(0≦|ΔP|≦Ph/
4)である場合には、固定子電極間では、位相が合って
いるとして図8に示す第1の電圧パターンVP1が固定
子電極12a、12b、12c、12d及び固定子電極
13e、13f、13g、13hに印加される。これに
対して、静電アクチュエータの組立時に固定子電極12
a、12b、12c、12dと固定子電極13e、13
f、13g、13hとの間に図9に破線52で示される
ように位置ずれΔPが生じ、その結果、その互いに対応
する電極、例えば、固定子A電極12aと固定子E電極
13eとの間のずれΔPが実質的にPh/2か、或い
は、十分にPh/2に近い(Ph/2≧|ΔP|≧Ph
/4)場合には、固定子電極間には、1/2位相差があ
るとして図10に示す第2の電圧パターンVP2が固定
子電極12a、12b、12c、12d及び固定子電極
13e、13f、13g、13hに印加される。
【0033】図7から図12を参照してより詳細にこの
発明の実施形態に係る静電アクチュエータの動作につい
て説明する。
【0034】図7は、固定子電極12a,12b,12
c,12dに対してこれに対応する固定子電極13e,
13f,13g,13hがそれぞれずれを生ぜずに互い
に重なり合う配置関係を示し、このような配置関係で
は、固定子電極12a,12b,12c,12dに対す
る固定子電極13e,13f,13g,13hの配置に
関する位相差は、0となっている。図9は、固定子電極
12a,12b,12c,12dに対してこれに対応す
る固定子電極13e,13f,13g,13hが最も大
きな位相差のずれを生ずる配置関係を示し、このような
配置関係では、固定子電極12a,12b,12c,1
2dに対する固定子電極13e,13f,13g,13
hの配置に関する位相差は、1/2となり、そのずれΔ
Pは、Ph/2となる。
【0035】図7に示す位相差0の配置では、図8
(a)及び図8(b)に示すように、固定子12に設け
たA電極12a及びB電極12bに電圧が始めに印加さ
れるものとする。既に説明したように可動子11に吸引
力14が働き、可動子11の凸部電極16がA電極12
a及びB電極12bに重なり合うように駆動される。続
いて、図8(f)及び図8(g)に示すように、A電極
12a及びB電極12bに正しく対向するE電極13e
及びF電極13fではなく、A電極12a及びB電極1
2bに対して1ピッチPhだけ進行方向に離れたF電極
13f及びG電極13gに電圧が印加される。このF電
極13f及びG電極13gへの電圧の印加によって、同
様に吸引力15が働き、可動子11の凸部電極16がF
電極13f及びG電極13gに重なり合うように駆動さ
れる。同様に、図8(b)及び図8(c)に示すよう
に、固定子12に設けたB電極12b及びC電極12c
に電圧が印加され、続いて図8(g)及び図8(h)に
示すように、G電極13g及びH電極13hに電圧が印
加され、また、図8(c)及び図8(d)に示すよう
に、固定子12に設けたC電極12c及びD電極12d
に電圧が印加され、続いて図8(h)及び図8(e)に
示すように、H電極13h及びE電極13eに電圧が印
加され、更に、図8(d)及び図8(a)に示すよう
に、固定子12に設けたD電極12d及びA電極12a
に電圧が印加され、続いて図8(e)及び図8(f)に
示すように、E電極13e及びF電極13fに電圧が印
加される。この1サイクルの電圧印加パターンが繰り返
されると、可動子11は、微視的には上下に振動しなが
ら、巨視的に見れば紙面の右側へと前進駆動される。こ
の説明から明らかなように、各電極12a、12b、1
2c、12d、13e、13f、13g、13hに加え
る電圧パターンの順序を逆にすると、紙面の左側へ後退
駆動される。
【0036】図7に示す位相差0の配置において、可動
子11の駆動動作を前述の個々の電極部での発生力Fy
に着目すると、図11に示されるような関係となる。
【0037】図11の見方を説明する。横軸の位置は、
可動子11の固定子12に対する水平方向(進行方向)
の相対位置を表しており、縦軸の発生力は、そのそれぞ
れの相対位置に可動子11がある際の進行方向の発生力
を示している。なお、横軸に沿ったAB相〜DA相との
記述は、それぞれ図7に示した符号に相当する電極、例
えば、AB相であれば、A電極12a及びB電極12b
に図8に示されるような電圧が印加されていることを表
している。
【0038】次に、座標の定義を説明する。固定子12
のA電極12a、とB電極12b、の中間点を原点Oと
し、紙面において左側をマイナス、右側をプラスとす
る。一方、可動子11においては、凸部電極16の中央
点Prefを基準とする。そして、可動子11の固定子1
2に対する位置とは、可動子11の基準点のPref、原
点Oに対する変分を指し、正負は上述の通りである。
【0039】ここでは、AB相(A電極12a及びB電
極12bへの電圧の印加)からFG相(F電極12f及
びG電極12gへの電圧の印加)に切り替わる例につい
て説明する。尚、静電アクチュエータのサイズは、図6
の説明の際に上記したのと同様とする。A電極12aと
B電極12bに電圧を印加した時、水平方向の発生力F
yは、−16μmの位置に極大値を有する正弦波状の発
生力となる。−32μmの位置と、0μmの位置でそれ
ぞれ発生力がゼロとなっているが、同じゼロであって
も、意味合いが異なるので説明する。
【0040】−32μmの位置は、可動子11の凸部電
極16が、ちょうど電極C12c、と電極D12dと対
向している状態である。この状態で電極A12a、と電
極B12bに電圧が印加されると、可動子11の凸部電
極16には、進行方向前方のAB相(A電極12a,と
B電極12b。以後略記。)からは、図6で変位が−3
2μmの時に相当する発生力をプラス側に受け、一方、
進行方向後方のAB相からは、図6で変位が+32μm
の時に相当する発生力をマイナス側に受け、この両者が
相殺されて発生力はゼロとなる。一方、0μmの位置
は、可動子11の凸部電極16がA電極12aとB電極
B12bと対向している状態である。この状態でAB相
に電圧が印加されると、図6で変位が0μmの時に相当
する発生力となり、水平方向の発生力はゼロである。
【0041】一方、F電極13fとG電極13gに電圧
を印加した時の発生力は、原点0に極大値を有する正弦
波状で表される。A電極12aとB電極12bから、F
電極13fとG電極13gに電圧印加の電極を切り替え
るとは、図11の横軸に示したAB相からFG相への実
線の部分をたどることに相当している。図7に示すよう
な電極配置、即ち、各電極12a,12b,12c,1
2dとこれに対向される電極13e,13f,13g,
13h間の位相差が0であれば、図11から明らかなよ
うに、発生力の最小値は同じ値でかつ変動も少ないこと
が判る。なお、実際には可動子11がA電極12aとB
電極12bに吸引される場合は、可動子11と固定子1
2電極12a、12b間の距離d(図3に示されるギャ
ップに相当する。)が変化する為、それに応じて発生力
Fy(進行方向)が増大し(発生力は、dに反比例する
為)、もっと複雑な発生力曲線を取る。ここでは、安全
側に考える意味で、発生力Fy(進行方向)のミニマム
値を用いて説明している。
【0042】次に、図9を参照して位相差1/2の配置
での静電アクチュエータの動作について説明する。この
図9の配置において、図10(a)及び図10(b)に
示すように、固定子12に設けたA電極12a及びB電
極12bに電圧が始めに印加されるものとする。既に説
明したように可動子11に吸引力14が働き、可動子1
1の凸部電極16がA電極12aとB電極12bと重な
り合うように駆動される。続いて、図10(e)及び図
10(f)に示すように、A電極12a及びB電極12
bに対して半ピッチPh/2だけ進行方向に離れたE電
極13e及びF電極13fに電圧が印加される。このE
電極13e及びF電極13fへの電圧の印加によって、
同様に吸引力15が働き、可動子11の凸部電極16が
E電極13e及びF電極13fに重なり合うように駆動
される。同様に、図10(b)及び図10(c)に示す
ように、固定子12に設けたB電極12b及びC電極1
2cに電圧が印加され、続いて図10(f)及び図10
(g)に示すように、F電極13f及びG電極13gに
電圧が印加され、また、図10(c)及び図10(d)
に示すように、固定子12に設けたC電極12c及びD
電極12dに電圧が印加され、続いて図10(g)及び
図10(h)に示すように、G電極13g及びH電極1
3hに電圧が印加され、更に、図10(d)及び図10
(a)に示すように、固定子12に設けたD電極12d
及びA電極12aに電圧が印加され、続いて図10
(h)及び図10(e)に示すように、H電極13h及
びE電極13eに電圧が印加される。この1サイクルの
電圧印加パターンが繰り返されると、可動子11は、微
視的には上下に振動しながら、巨視的に見れば紙面の右
側へと前進駆動される。この説明から明らかなように、
各電極12a、12b、12c、12d、13e、13
f、13g、13hに加える電圧パターンの順序を逆に
すると、紙面の左側へ後退駆動される。
【0043】上述した可動子11の駆動動作を前述の個
々の電極部での発生力Fyに着目すると図12に示され
るような関係となる。即ち、図10に示される第2の電
圧パターンVP2が電極12a,12b,12c,12
d,13e,13f,13g,13hに印加されると、
可動子11と各電極12a,12b,12c,12d,
13e,13f,13g,13hの位相差により、発生
力は図12に示したような関係となる。ここで、AB相
(A電極12a及びB電極12bへの電圧の印加)から
EF相(E電極12e及びF電極12fへの電圧の印
加)に切り替わる点を例にとって説明すると、E電極1
3eとF電極13fが、A電極12aとB電極12bに
対して、電極ピッチ(例えば16μm)の半位相分(つ
まり8μm)ずれている為に、EF相の発生力の半円弧
は、紙面左側に8μm分だけずれる格好となる。これを
先ほどと同様に可動子11に発生する力の部分を実線で
示すと、図12に示されるようになる。図11と比べる
と発生力の変動(フォース・ギャップForce Gap)が大
きく、ミニマム値も下がっていることが分かる。しかし
常に発生力Fy(進行方向)が発生されている。
【0044】固定子12,13の配置に関する位相差
は、既に説明したように最小(0)〜最大(半位相)の
範囲内にある。従って、第1の電圧パターンVP1及び
第2の電圧パターンVP2がスイッチング回路5から発
生されれば、いずれかの電圧パターンで静電アクチュエ
ータが駆動されることとなる。即ち、固定子12,13
が位置合わせされなくとも、常に発生力Fy(進行方向
の力)が発生され、可動子11が駆動されることとな
る。従って、始めに第1及び第2の駆動電圧パターンV
P1及びVP2を異なるタイミングで固定子電極に印加
することによって、何れの駆動電圧パターンVP1及び
VP2を印加することが適切であるかと判断するように
しても良い。例えば、図2に示されるように可動子11
の移動を検知する位置センサ8が静電アクチュエータに
設けられ、第1及び第2の駆動電圧パターンVP1及び
VP2のいずれかで可動子11が駆動されたかをこのセ
ンサ8で検知し、この位置センサ8の出力に応答してス
イッチングモード指定回路7で第1及び第2の駆動電圧
パターンVP1及びVP2の一方が指定されても良い。
【0045】図2に示された静電アクチュエータでは、
4つの固定子電極に異なるタイミングで電圧が印加され
る4系統のタイプであるが、図13に示すように3つの
固定子電極に異なるタイミングで電圧が印加される3系
統のタイプの静電アクチュエータであっても同様にこの
発明を適用することができる。
【0046】即ち、図13に示された静電アクチュエー
タにおいて、固定子電極12a,12b,12c及び固
定子電極13e,13f,13gがほぼ位相差0で配置
される場合には、図14(a)から図14(f)に示す
ような第1の電圧パターンV1が固定子電極12a,1
2b,12c及び固定子電極13e,13f,13gに
印加される。図14(a)及び図14(b)に示すよう
に固定子12に設けたA電極12a及びB電極12bに
電圧が印加されると、可動子11に吸引力14が働き、
可動子11の凸部電極16がA電極12aとB電極12
bと重なり合うように駆動される。続いて、図14
(e)及び図14(f)に示すように、A電極12a及
びB電極12bに正しく対向するE電極13e及びF電
極13fではなく、A電極12a及びB電極12bに対
して1ピッチPhだけ進行方向に離れたF電極13f及
びG電極13gに電圧が印加される。このF電極13f
及びG電極13gへの電圧の印加によって、同様に吸引
力15が働き、可動子11の凸部電極16がF電極13
f及びG電極13gに重なり合うように駆動される。同
様に、図14(b)及び図14(c)に示すように、固
定子12に設けたB電極12b及びC電極12cに電圧
が印加され、続いて図14(f)及び図14(d)に示
すように、G電極13g及びE電極13eに電圧が印加
され、また、図14(c)及び図14(a)に示すよう
に、固定子12に設けたC電極12c及びA電極12a
に電圧が印加され、続いて図14(d)及び図8(e)
に示すように、E電極13e及びF電極13Fに電圧が
印加される。この1サイクルの電圧印加パターンが繰り
返されると、可動子11は、微視的には上下に振動しな
がら、巨視的に見れば紙面の右側へと前進駆動される。
この説明から明らかなように、各電極12a、12b、
12c、13e、13f、13gに加える電圧パターン
の順序を逆にすると、紙面の左側へ後退駆動される。
【0047】図13に示された静電アクチュエータにお
いて、固定子電極12a,12b,12c及び固定子電
極13e,13f,13gがほぼ位相差1/2で配置さ
れている場合、図15(a)から図15(f)に示すよ
うな第2の電圧パターンVP2が固定子電極12a,1
2b,12c及び固定子電極13e,13f,13gに
印加される。図15(a)及び図15(b)に示すよう
に固定子12に設けたA電極12a及びB電極12bに
電圧が印加されると、可動子11に吸引力14が働き、
可動子11の凸部電極16がA電極12a及びB電極1
2bに重なり合うように駆動される。続いて、図15
(d)及び図15(e)に示すように、A電極12a及
びB電極12bに対して半ピッチPh/2だけ進行方向
に離れたE電極13e及びF電極13fに電圧が印加さ
れる。このE電極13e及びF電極13fへの電圧の印
加によって、同様に吸引力15が働き、可動子11の凸
部電極16がE電極13e及びF電極13fに重なり合
うように駆動される。同様に、図15(b)及び図15
(c)に示すように、固定子12に設けたB電極12b
及びC電極12cに電圧が印加され、続いて図15
(e)及び図15(f)に示すように、F電極13f及
びG電極13gに電圧が印加され、また、図15(c)
及び図15(a)に示すように、固定子12に設けたC
電極12c及びA電極12aに電圧が印加され、続いて
図15(f)及び図15(a)に示すように、G電極1
3g及びA電極13aに電圧が印加される。この1サイ
クルの電圧印加パターンが繰り返されると、可動子11
は、微視的には上下に振動しながら、巨視的に見れば紙
面の右側へと前進駆動される。この説明から明らかなよ
うに、各電極12a、12b、12c、13e、13
f、13gに加える電圧パターンの順序を逆にすると、
紙面の左側へ後退駆動される。
【0048】図13の説明から明らかなようにこの発明
の実施形態に係る静電アクチュエータでは、3つ以上の
固定子電極に異なるタイミングで電圧が印加される3系
統以上のタイプであれば、同様にこの発明を適用するこ
とができることは明らかである。
【0049】次に、図16から図20を参照してこの発
明の静電アクチュエータに係る他の実施形態について説
明する。
【0050】図16は、片側推進駆動タイプと称せられ
る静電アクチュエータであって、図2に示された両側推
進駆動タイプと称せられる静電アクチュエータと異なり
一方の固定子12には、異なるタイミングで電圧が印加
される4つの固定子電極12a、12b、12c、12
cのグループが連続するように配置されるに対して他方
の固定子13には、平坦な単一系統の固定子電極13e
が設けられている。
【0051】図16に示される片側推進駆動タイプの静
電アクチュエータにおいては、単に交互に固定子電極に
電圧を印加したのでは、電圧をE電極13eに印加して
可動子11を吸引する際、進行方向の発生力Fyが発生
されないことから、静電アクチュエータの姿勢によって
は、動作が不安定となる虞がある。これに対し、図17
に示すように、E電極13eで吸引する際に、もう一方
の固定子12に設けられる固定子電極12a,12b,
12c,12dのいずれかに、可動子11の動きに応じ
て補助電圧を印加することにより、可動子11をE電極
13eで吸引する際にも発生力Fy(進行方向)を生じ
させることができる。
【0052】可動子11をE電極13eで吸引する際に
も発生力Fy(進行方向)を生じさせることができる原
理について、B電極12bとC電極12cから、E電極
13eに電圧を切り替える場合を例にとって説明する。
図16の状態から図17に示すようにE電極13eに電
圧を切り替える場合、通常の片側推進タイプの静電アク
チュエータでは、可動子11には図18に概略的に示す
よう発生力Fyが発生される。可動子11の動きに応じ
て電圧を印加する場合には、即ち、図19に示すよう
に、可動子11をE電極13eで吸引する場合において
も固定子C電極12cに補助電圧を印加することによっ
て発生力Fy(進行方向)を発生させることができる。
尚、図18は、この発明の実施形態の理解を助ける為に
比較例として示している。この様に、E電極68で吸引
する際に、可動子64の動きに応じて、固定子電極12
a,12b,12c,12dのいずれかにも補助電圧を
印加することにより、常に発生力Fyを生じさせること
ができる。
【0053】具体的な一例としては、図20(a)から
図20(e)に示すような電圧パターンが固定子電極1
2a,12b,12c,12d及び固定子電極13eに
印加される。即ち、図20(a)及び図20(b)に示
すように固定子A電極12a及び固定子B電極12bに
電圧が印加されて可動子電極16が固定子A電極12a
及び固定子B電極12bに向けて引き寄せられる。図2
0(e)に示すようにあるタイミングで固定子A電極1
2a及び固定子B電極12bから固定子電極13eに切
り替えられて固定子電極13eに向けて可動子電極16
が引き寄せられるが、微動を開始した後において、図2
0(b)に示すように固定子B電極12bに補助電圧V
sが一時的に印加されると、固定子電極13eに向けて
微動して可動子電極16には、固定子B電極12bに向
けて微動する駆動力が与えられる。従って、固定子電極
13eに向けられている間にも可動子電極16には、駆
動力Fyが発生される。既に説明したように、固定子電
極13eから固定子B電極12b及び固定子C電極12
cに切り替えられると、可動子電極16は、固定子B電
極12b及び固定子C電極12cに向けて微動される。
また、次のあるタイミングで固定子B電極12b及び固
定子C電極12cから固定子電極13eに切り替えられ
て固定子電極13eに向けて可動子電極16が引き寄せ
られ、図20(c)に示すように固定子C電極12cに
補助電圧Vsが一時的に印加されると、固定子電極13
eに向けて微動しながら可動子電極16には、図19に
示すように固定子C電極12cに向けて微動する駆動力
が与えられる。同様に、固定子電極13eから固定子C
電極12c及び固定子D電極12dに切り替えら、可動
子電極16は、固定子C電極12c及び固定子D電極1
2dに向けられる。その後、固定子C電極12c及び固
定子D電極12dから固定子電極13eに可動子電極1
6が向けられ、図20(d)に示すように固定子D電極
12dに補助電圧Vsが一時的に印加されると、可動子
電極16には、図19に示すように水平方向の駆動力F
yが与えられる。このような一連の動作が繰り返されて
可動子11は、前進或いは後退される。
【0054】尚、図18及び図19において、tは、各
電極12a,12b,12c,12d,12に電圧を印
加しているタイミングを表している。
【0055】更に、図21から図23を参照してこの発
明の静電アクチュエータに係る他の実施形態について説
明する。
【0056】図21には、図16と同様に片側推進駆動
タイプの静電アクチュエータが示されている。既に説明
したように片側推進駆動タイプの静電アクチュエータで
は、可動子11をE電極13eに引き付ける際、進行方
向の発生力が生じないことから静電アクチュエータの姿
勢によって、動作が不安定となる虞がある。これに対
し、図22に示すように、E電極13eに向けて引き付
けるためにE電極13eに高レベルの電圧を印加する期
間と、各固定子電極12a,12b,12c,12dで
吸引する為に高レベルの電圧を印加する期間の割合を変
化させている。図23に可動子11に生じる発生力Fy
(進行方向)の概略が示されている。図22に示される
ように、各固定子電極12a,12b,12c,12d
に高レベルの電圧を印加する期間に対してE電極13e
に高レベルの電圧を印加する期間の割合を2:1に設定
している。このように各固定子電極12a、12b、1
2c、12dに電圧を印加する期間よりE電極13eに
電圧を印加する期間を短く設定することにより、静電ア
クチュエータ自体の姿勢変更に伴う自重(重力)による
影響での動作が不安定なる期間を小さくすることがで
き、結果として静電アクチュエータの動作が不安定なる
ことを低減することができる。
【0057】上述した実施例において、各固定子電極1
2a,12b,12c,12dに高レベルの電圧を印加
する期間に対してE電極13eに高レベルの電圧を印加
する期間の割合の設定は、下記のような根拠に基づいて
行われる。
【0058】静電アクチュエータが動作されて可動子1
1が移動される標準移動速度を1.0mm/sと仮定する。こ
のような移動では、図22に示されるようなパターンの
周期(1サイクル)は、1msに設定される。一方、静電
アクチュエータの可動子が下部電極13eに吸引され
て、上部電極12a、12b、12c、12dから下部
電極13eに到達するまでの時間は、式(3)、式
(4)に基づいた式(5)で計算される。式(3)は、
下部電極13eで発生される可動子11を吸引する発生
力Fである。
【0059】
【数1】
【0060】ここで、εは、誘電率(真空中では8.85×
10-12F/m)、Sは、下部電極13eの電極面積、Vは、
下部電極13eに印加される印加電圧及びdは、可動子
11と下部電極13eとの間の電極間距離である。
【0061】上式より、可動子に加わる加速度(α)
は、下記式(4)で求められる。
【0062】
【数2】
【0063】ここで、mは、可動子11及びこの可動子
11と共に移動される負荷(例えば、レンズ自重)の質
量である。
【0064】可動子の上下振動の運動を等加速度運動と
仮定すると、上下振動に要する時間は、次式(5)で表
される。
【0065】
【数3】
【0066】Hは、可動子11の移動距離(上下振動の
振幅値に相当する。) 可動子11が下部電極13eで吸引される際に、電極間
のギャップ中を可動子11が前記移動距離Hだけ移動す
る前に、電圧が印加される電極が切り替えられれば、有
効な電極間ギャップの距離(実質的には、可動子の移動
距離)が減少され、可動子11を移動させる発生力を向
上させることができる。従って、アクチュエータの下部
に設けられる固定子電極13eに可動子11を吸引する
時間は、可動子11が固定子電極12a,12b,12
c,12dに向けて移動される時間よりも短くしておく
必要がある。上式より、その時間を求めると、約0.2
〜0.3ms程度である。尚、可動子11の製作精度等で
電極ギャップ等が変化し、移動時間も変化されることも
付け加えておく。
【0067】また、可動子11が上下に振動する運動に
おいては、可動子11と固定電極12a,12b,12
c,12d或いは固定電極12間の空気の粘性が影響す
る。基本的には、可動子11の速度に比例する反力が可
動子11に加わるが、その大きさや方向は、固定電極1
2a,12b,12c,12d或いは固定電極12に対
する可動子11の姿勢(向き)により、空気の流路がど
の様になるかで大きく変化される。その為、実験にて試
してみると、上記の移動時間は、約0.3ms〜0.8ms
となっている。現在、想定している標準速度において
は、パターンの周期は、1msである。その為、固定電極
13eに印加される駆動パルスは、典型的なデューティ
ー比としてd=0.5に設定している。もちろん、デュ
ーティー比dは、0.5に限定されるものではなく、用
いた駆動パターンの周期から、下部に設けられる固定電
極13eで吸引する時間が上記の範囲(0.3ms〜0.
8ms)に収まる様に設定されていればよい。例えば、可
動子11の移動速度が1.0mm/s(パターン周期が1m
s)の場合であれば、0.3<d<0.8の範囲で設定
しても良い。
【0068】尚、この発明の実施形態に係る電圧の印加
タイミングを示す図22では、各固定子電極12a,1
2b,12c,12dに高レベルの電圧を印加する期間
に対してE電極13eに高レベルの電圧を印加する期間
の割合を2:1としているが、既に述べたようにこの割
合に限定されるものでは無い。E電極13eに高レベル
の電圧を印加する期間が各固定子電極12a,12b,
12c,12dに高レベルの電圧を印加する期間よりも
短い条件を満たせば、他の適切な期間の割合でも良いこ
とは明らかである。上述した実施例では、可動子11の
可動子電極16の電位が接地電位にある場合には、各固
定子電極12a,12b,12c,12dに高レベルの
電圧を印加することによって可動子11が微動駆動され
る。これに対して、可動子11の可動子電極16の電位
が高レベル電位に維持される場合には、各固定子電極1
2a,12b,12c,12dに低レベルの電圧を印加
することによって可動子11が微動駆動される。従っ
て、このような実施形態では、E電極13eに低レベル
の電圧を印加する期間が各固定子電極12a,12b,
12c,12dに低レベルの電圧を印加する期間よりも
短いとの条件に変更されることは明らかである。
【0069】また、図22に示すよう電圧を印加する期
間を適切に変更すると共に図20に示すようにE電極8
3eに電圧を印加する期間に他の固定子電極に電圧を印
加するようにしても良いことは明らかである。
【0070】更に、可動子11を移動させる発生力を向
上させる為に、アクチュエータの下部に設けられる固定
子電極13eに可動子11を吸引する時間が固定子電極
12a,12b,12c,12dに向けて可動子11が
移動される時間よりも短くする点について図24から図
28を参照して下記により詳細に説明する。
【0071】ここで、図24(a)は、可動子11が上
下動される際の可動子11の移動距離とその経過時間を
示し、図24(b)は、下部側の固定子13eに印加さ
れる電圧によって生じる固定子13eと可動子11との
間の電位差の変化を示している。可動子11が固定子電
極12a,12b,12c,12dの側に吸引されてい
る状態から、ある時点taで固定子13eに駆動電圧が
図24(b)に示すように与えられると、図24(a)
に示すように、ある時間遅れTdの後の時点tbから可
動子11が固定子13eに向けて移動が開始される。図
24(b)に示すよう固定子13eと可動子11との間
の電位差が増加されるとともに可動子11が固定子13
eに向けて移動速度Vmで移動される。時点tbからあ
る移動時間TMだけ経過した時点tcに、可動子11が
固定子13eの側に位置され、そのままに保持される。
その後、図24(b)に示すように時点tdから固定子
13eと可動子11との間の電位差が低下されると共に
可動子11の固定子電極12a,12b,12c,12
dの側への移動が開始される。ここで、移動速度Vm
は、移動距離Hを移動時間TMで割ることによって求め
られ、固定子13eに駆動電圧が印加される時点taか
ら可動子11が固定子13eの側に位置される時点tc
までの時間が可動子11の単位変動(移動距離Hを単位
とする可動子の移動)に要する時間TUと定義される。
この時間TUは、移動時間TMに時間遅れTdを加えた
時間に相当する。(単位変動に要する時間TU=時間遅
れTd+移動時間TM)ここで、固定子電極13eに可
動子11が吸引される際に、移動時間TMに相当する吸
引時間を短くすることによって、可動子が櫛歯状の固定
子電極12a、12b、12c、12dにほぼ接触され
ているような状態に維持される。このように可動子を駆
動することにより、可動子11には、より大きな水平方
向の駆動力が与えられる。これは、可動子11と固定子
電極13eに吸引される際も、可動子11と固定子電極
12a、12b、12c、12dとの間のギャップが小
さいままに維持されるからである。
【0072】ここで、この下部固定子電極13eへの吸
引時間(移動時間TMに相当する。)は、図24(a)
及び(b)に示すように可動子が上下振動するに必要な
時間(いわゆる、「単位変動に要する時間TU」と以下
称する。)より短く、また、駆動パルス信号が下部固定
子電極13eに与えられてその指令値の電圧が変化を開
始してから可動子11が反応するまでに要する時間(い
わゆる、「時間遅れTd」)より長いことが重要であ
る。つまり、下部固定子電極13eで吸引される時間T
Mは、下式を満足する必要がある。
【0073】「時間遅れTd」<「下部固定子電極での
吸引時間TM」<「単位変動に要する時間TU」 上記の「時間遅れTd」及び「単位変動に要する時間T
U」は、可動子の電気導電率により変化される。即ち、
「時間遅れTd」と「単位変動に要する時間TU」は、
用いる素子材料の電気抵抗率により変化される。図25
及び図26は、印加電圧と時間遅れTdとの関係及び印
加電圧と単位変動に要する時間TUとの関係を示してい
る。これらのデータは、材質が金属(チタン、電気抵抗
率:0.5Ω)及び樹脂(住友ベークライト製:ポチコ
ン(商品名)、電気抵抗率:250Ω)について夫々印
加電圧120V、150V及び170Vについて2点を
測定し、その2点の間の平均値を代表値としてグラフ化
している。この図25及び図26において、時間遅れT
d及び単位変動に要する時間TUが上昇時と下降時で異
なるのは、上昇時は重力の影響を受けるためである。
【0074】次に図28及び図29は、電気抵抗率と時
間遅れTdとの関係及び電気抵抗率と単位変動に要する
時間TVとの関係を示している。ここで、ある印加電
圧、例えば、図27及び図28に示すような印加電圧が
150Vの時の、可動子11の材質がチタンの場合の
「時間遅れTd」と「単位変動に要する時間TU」の選
び方について説明する。チタンの電気抵抗率は、約0.
5Ω(この値は、可動子の形状によって変化する。例え
ば、体積が大きくなれば、当然、可動子11としての電
気抵抗率は、大きくなる。)である。図27に示すよう
に、可動子の「時間遅れTd」は、上昇時で約0.6m
s、下降時で約0.4msである。また、図28に示すよ
うに「単位変動に要する時間TU」は、上昇時で約1.
7ms、下降時で約1.2msである。その為、アクチュエ
ータの使用姿勢によらず、可動子11が下部固定子電極
11eに接触せず、櫛歯状の固定子電極12a、12
b、12c、12dにあたかも吸着されたように駆動す
るには、下部固定子電極11eで吸引する時間を0.6
ms<下部電極吸引時間TM<1.2msの範囲にするする
必要がある。ここで、上昇時の「時間遅れTd」(約
0.6ms)より、下降時の「単位変動に要する時間(約
1.2ms)」が小さいことが重要である。この大小関係
が成り立っていないと、アクチュエータが設置された姿
勢によって、下部電極に電圧を印加する時間を変えなけ
ればその効果を十分に発揮することが難しい。印加電圧
が変化した場合、また用いる可動子の材質(電気抵抗
率)が変化した場合は、上記と同様の手順を踏んで、下
部電極に印加する時間を決定すれば良い。なお、「時間
遅れTd」、「単位変動に要する時間TU」は、可動子
11のサイズが変更になることによる抵抗値(同じ抵抗
率でも体積が増えると、その分、抵抗値は増加)および
負荷の重さによる影響で変化する。その為、可動子を製
造変更し、下部電極に印加する時間を決める際には、ま
ず、上記で示した、印加電圧・電気導電率と「時間遅れ
Td」「単位変動に要する時間TU」を測定し、その結
果に基づいて、下部電極に電圧を印加する時間を決定す
ればよい。
【0075】上述した実施例においては、予め複数の駆
動パターンが用意され、上部及び下部固定子電極の配列
に適した駆動パターンが選択されて印加される。このよ
うに複数の駆動パターンを用意した場合には、適切なあ
る駆動パターンを選択することに関して、図29に示す
ように映像情報を利用して適切な駆動パターンを選択す
ることができる。この適切な駆動パターンを選択するシ
ステムについて図29を参照して説明する。
【0076】図29において、符号20は、上述した実
施例に係る静電アクチュエータを示し、この静電アクチ
ュエータ20の可動子11の空洞部には、対物レンズ系
21が設けられ、静電アクチュエータ20には、可動子
11を既に述べたように駆動する駆動回路22に接続さ
れている。この静電アクチュエータ20は、スチル或い
はムービカメラ24にカメラモジュールとして格納され
ている。対物レンズ系21は、被写体23に向けられる
ように配置され、静電アクチュエータ20に或いはカメ
ラ内に撮像素子26(CCDもしくはCMOS)が固定
されている。この対物レンズ系21及び撮像素子26
は、対物レンズ系21で撮影された被写体像が撮像素子
26に結像されるように配置されている。撮像素子26
からは、画素信号が映像処理回路27、例えば、映像処
理用ICに供給されて画素信号が処理されて映像信号に
変換される。この映像処理回路27からは、映像信号が
カメラ或いはカメラ外に設けたモニター30に供給さ
れ、このモニター30に被写体像が表示される。映像処
理回路27、例えば、映像処理用ICには、駆動パター
ンを選択する駆動処理回路28が接続され、この駆動処
理回路28には、映像信号に含まれる輝度信号或いは輝
度情報(アナログ或いはディジタルの輝度情報)が供給
される。
【0077】この図29に示されるカメラ24のシステ
ムにおいて、駆動信号パターンを選択するには、図29
に示されるようにカメラ24外に設けた測定器29に駆
動処理回路28が接続されて次のような原理で駆動信号
パターンが選択される。
【0078】駆動信号パターンの選択時には、カメラ前
方の所定距離(L)に被写体23が設置され、ある駆動
パターンが駆動回路22から静電アクチュエータ20に
与えられる。同時に、撮像素子26が駆動されて映像処
理回路27から輝度値情報が駆動処理回路28に与えら
れ、輝度値情報が測定器29でモニターされる。一般
に、輝度値は、被写体23にピント(焦点)が合ったと
きにもっとも大きな値が得られることが知られ、輝度値
をモニターすることによって可動子11が移動してピン
トが合った際に最も大きな輝度値が測定される。
【0079】駆動回路22からの駆動信号パターンが適
切であれば、静電アクチュエータ20内の可動子11が
移動されて静電アクチュエータ20内で対物レンズ系2
1が複数回前後に往復駆動される。従って、図29に示
される測定器29内の表示部29Aには、対物レンズ2
1の往復道によってピーク値が周期的に表れる輝度値が
表示される。即ち、対物レンズ21が移動し、しかも、
往復道の過程で同一位置を通過する場合には、測定器2
9内の表示部29Aには、周期的なピーク値が表示され
る。このように周期的なピーク値が表れる場合には、適
切な駆動パターンが駆動回路22から静電アクチュエー
タ20に与えられているとして駆動処理回路28は、当
該静電アクチュエータ20に常にその駆動パターンを与
えるようにロック信号を駆動回路22に与え、駆動回路
22から発生される駆動パターンをその1つに規制する
ように制御することとなる。
【0080】一方、輝度値が単調増加、或いは、単調減
少の場合、又は、ピーク値はあるが、可動子11を駆動
する周期とそのピーク値が現れる周期が大きくずれてい
る場合には、可動子11が動いていない、若しくは、可
動子11が適切な駆動パターンで駆動されていないとし
て、駆動処理回路28は、この駆動パターンが適切でな
いと判断し、他の駆動パターンを駆動回路22から静電
アクチュエータ20に与えるように駆動回路22を制御
することとなる。
【0081】上述したように、静電アクチュエータ20
に可動子11の移動を検知するセンサを設けなくとも、
或いは、目視によって静電アクチュエータ20内で可動
子11が適切に移動していることを確認しなくとも、静
電アクチュエータを組み込んだ機器を測定することによ
って可動子11が適切に移動されていることを検知する
ことが可能となる。
【0082】
【発明の効果】本発明により、安価でかつ量産性を損な
うことなく、発生力の向上を実現した焦点調節用の静電
アクチュエータを提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の静電アクチュエータの構造を示す概略図
である。
【図2】この発明の実施形態に係る静電アクチュエータ
の構造を示す概略図である。
【図3】図2に示した静電アクチュエータの動作を説明
する為の概略図である。
【図4】図2に示した静電アクチュエータの動作を説明
する為の概略図である。
【図5】図2に示した静電アクチュエータの動作を説明
する為の概略図である。
【図6】図3に示した静電アクチュエータにおける可動
子の変位と水平方向及び垂直方向の駆動力を説明するグ
ラフである。
【図7】図2に示した静電アクチュエータにおいて位相
をほぼ一致させて配置される固定子電極の配置例を示す
説明図である。
【図8】図7に示した電極配列の静電アクチュエータを
駆動する為の駆動電圧パターンを示すタイミングチャー
トである。
【図9】図2に示した静電アクチュエータにおいて1/
2位相だけずれて配置される固定子電極の配置例を示す
説明図である。
【図10】図9に示した電極配列の静電アクチュエータ
を駆動する為の駆動電圧パターンを示すタイミングチャ
ートである。
【図11】図7に示された静電アクチュエータを図8に
示す駆動電圧パターンで駆動した場合における発生力の
軌跡を示すグラフである。
【図12】図9に示された静電アクチュエータを図10
に示す駆動電圧パターンで駆動した場合における発生力
の軌跡を示すグラフである。
【図13】図2に示した変形実施形態に係る静電アクチ
ュエータの構造を示す概略図である。
【図14】図13に示した静電アクチュエータにおいて
位相をほぼ一致させて配置される固定子電極を駆動する
為の駆動電圧パターンを示すタイミングチャートであ
る。
【図15】図13に示した静電アクチュエータにおいて
1/2位相だけずれて配置される固定子電極を駆動する
為の駆動電圧パターンを示すタイミングチャートであ
る。
【図16】この発明の他の実施形態に係る静電アクチュ
エータの動作を示す概略図である。
【図17】図16に示した他の実施形態に係る静電アク
チュエータの動作を示す概略図である。
【図18】図16に示した他の実施形態に係る静電アク
チュエータを通常動作で駆動した場合における発生力の
軌跡を比較例として示すグラフである。
【図19】図16に示した他の実施形態に係る静電アク
チュエータにおいて、水平方向に発生力を生じさせるよ
うな動作で駆動した場合を示すグラフである。
【図20】図16に示した静電アクチュエータに図18
に示すように水平発生力を生じさせる為の駆動電圧パタ
ーンの一例を示すタイミングチャートである。
【図21】この発明の更に他の実施形態に係る静電アク
チュエータの動作を示す概略図である。
【図22】図21に示した静電アクチュエータを駆動す
る為の駆動電圧パターンを示すタイミングチャートであ
る。
【図23】図22に示した駆動電圧パターンで駆動され
る静電アクチュエータにおける発生力の軌跡を示すグラ
フである。
【図24】(a)は、図21に示される静電アクチュエ
ータにおける可動子の移動の状態を示す波形図であり、
(b)は、図21に示される静電アクチュエータにおけ
る固定子電極と可動子との間の電位の変化を示す波形図
である。
【図25】図21に示される静電アクチュエータにおい
て、印加電圧が150V時の電気抵抗率と時間遅れTd
との関係を示すグラフである。
【図26】図21に示される静電アクチュエータにおい
て、印加電圧が150V時の電気抵抗率と単位変動に要
する時間TUとの関係を示している。
【図27】図21に示される静電アクチュエータにおい
て、可動子の電気抵抗率と時間遅れTdの関係を示すグ
ラフを示している。
【図28】図21に示される静電アクチュエータにおい
て、可動子の電気抵抗率と単位変動に要する時間TUと
の関係を示すグラフを示している。
【図29】この発明の他の実施例に係る静電アクチュエ
ータを駆動する為の駆動信号パターンを最適化する為の
回路を組み込んだカメラシステムの一例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
5...スイッチング回路 7...スイッチングモード設定回路 6...電圧源 8...センサ 11...可動子 12,13...固定子 12a、12b、12c、12d...固定子電極 13e、13f、13g、13h...固定子電極 16...可動子電極 22...駆動回路 24...カメラ 26...撮像素子 27...映像処理回路 28...駆動回路 29...測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−150781(JP,A) 特開 平11−215852(JP,A) 特開 平10−239578(JP,A) 特開2000−128380(JP,A) 特開2001−346385(JP,A) 特開 平8−140367(JP,A) 欧州特許出願公開1139553(EP,A 1) 特許2928752(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 1/00 H02N 11/00 G02B 7/04 G02B 7/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3系統の電極が所定方向に略同
    一ピッチで連続的に配列されている第1の電極群を備え
    た第1の固定子と、 所定の空間を介して前記第1の固定子と対向して設けら
    れ、少なくとも3系統の電極が所定方向に略同一ピッチ
    で連続的に配列されている第2の電極群を備えた第2の
    固定子と、 前記空間に前記所定方向に関し移動可能に配置され、前
    記第1及び第2の電極群に対向する第1及び第2の可動
    子電極部を有する可動子と、 前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極とが
    略同一位相で対向するように配置されている場合に前記
    可動子を駆動可能な第1の電圧信号パターンと、前記第
    1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極とが略1/
    2位相差で対向するように配置されている場合に前記可
    動子を駆動可能な第2の電圧信号パターンとを発生可能
    な電圧信号発生手段と、 前記第1及び第2の電圧信号パターンの少なくとも一方
    を前記第1及び第2の電極群に印加して前記可動子の移
    動を検知する検知手段と、 前記検知手段の検知に応答して前記第1及び第2の電圧
    信号パターンのいずれかを設定する設定手段とを備えた
    ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記電圧信号発生手段は、前記第1及び第
    2の電極群において隣接する電極に電圧信号を同時に印
    加するとともに前記第1及び第2の電極群を交互に附勢
    する電圧信号を発生することを特徴とする請求項1の静
    電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】第1及び第2電極群の電極は、略等しい幅
    を有することを特徴とする請求項1の静電アクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の可動子電極部は、前記
    第1及び第2の電極群の電極の幅に略等しい幅を有する
    ことを特徴とする請求項1の静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】第1及び第2の可動子電極部は、それぞれ
    前記第1及び第2の電極群の電極の幅の1.5倍〜2.
    5倍に定められていることを特徴とする請求項1の静電
    アクチュエータ。
  6. 【請求項6】少なくとも3系統の電極が所定方向に略同
    一ピッチで連続的に配列されている第1の電極群を備え
    た第1の固定子と、 所定の空間を介して前記第1の固定子と対向して設けら
    れ、少なくとも3系統の電極が所定方向に略同一ピッチ
    で連続的に配列されている第2の電極群を備えた第2の
    固定子と、 前記空間に前記所定方向に関し移動可能に配置され、前
    記第1及び第2の電極群に対向する第1及び第2の可動
    子電極部を有する可動子と、 を具備する静電アクチュエータの駆動方法において、 前記第1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極とが
    略同一位相で対向するように配置されている場合に前記
    可動子を駆動可能な第1の電圧信号パターンと、前記第
    1の電極群の電極と前記第2の電極群の電極とが略1/
    2位相差で対向するように配置されている場合に前記可
    動子を駆動可能な第2の電圧信号パターンとの少なくと
    も一方を前記第1及び第2の電極群に印加して前記可動
    子の移動を検知し、 前記検知手段の検知に応答して前記第1及び第2の電圧
    信号パターンのいずれかに設定することを特徴とする静
    電アクチュエータの駆動方法。
  7. 【請求項7】前記電圧信号発生手段は、前記第1及び第
    2の電極群において隣接する電極に電圧信号を同時に印
    加するとともに前記第1及び第2の電極群を交互に附勢
    する電圧信号を発生することを特徴とする請求項6の静
    電アクチュエータの駆動方法。
  8. 【請求項8】第1及び第2電極群の電極は、略等しい幅
    を有することを特徴とする請求項6の静電アクチュエー
    タの駆動方法。
  9. 【請求項9】前記第1及び第2の可動子電極部は、前記
    第1及び第2の電極群の電極の幅に略等しい幅を有する
    ことを特徴とする請求項6の静電アクチュエータの駆動
    方法。
  10. 【請求項10】第1及び第2の可動子電極部は、それぞ
    れ前記第1及び第2の電極群の電極の幅の1.5倍〜
    2.5倍に定められていることを特徴とする請求項6の
    静電アクチュエータの駆動方法。
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