JP2928752B2 - 静電アクチュエータ及びその駆動方法 - Google Patents

静電アクチュエータ及びその駆動方法

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JP2928752B2
JP2928752B2 JP31932995A JP31932995A JP2928752B2 JP 2928752 B2 JP2928752 B2 JP 2928752B2 JP 31932995 A JP31932995 A JP 31932995A JP 31932995 A JP31932995 A JP 31932995A JP 2928752 B2 JP2928752 B2 JP 2928752B2
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electrode
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賀 章 浩 古
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電気力によって駆
動される静電アクチュエータ及びその駆動方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造プロセスを利用した様
々なマイクロマシン駆動用静電アクチュエータが報告さ
れている。これら静電アクチュエータは静電気力によっ
て駆動されるが、いずれもマイクロマシン駆動用として
は必ずしも十分な性能を持つには至っていない。その原
因のひとつであり、これらのアクチュエータに共通する
問題点として、可動子と固定子間の摩擦の問題がある。
この解決策として多くは、可動子を弾性体により支持
し、可動子と固定子が接触しないよう構造をとってい
る。しかし、この様な構造においては可動子の移動範囲
が、支持する弾性体により制限され、大きな移動範囲を
実現することは困難である。
【0003】この問題を解決するために図7に示す構造
の静電アクチュエータが提案されている(静電駆動型リ
ニアマイクロアクチュエータの開発(ステッピング駆動
モデルのシリコン加工プロセスによる開発):日本機械
学会ロボティクス・メカトロニクス講演会‘95講演論
文集VOL.A pp.402〜403(199
5))。この静電アクチュエータは、一対の固定子60
a,60bと可動子71とを備えている。固定子60a
は、絶縁物または極めて電気抵抗の高い材料からなる本
体部62a上に2個の電極61a1 、61a2 を設けた
ものである。各電極61ai (i=1,2)は所定のピ
ッチをもって平行に配置された複数の平行電極部と、こ
れらの平行電極部の一端を接続する接続用電極部とから
構成される。そして電極61a1 と電極61a2 は互い
違いとなるように1/2ピッチずれて配置されている。
【0004】また固定子60bもまた同様に絶縁物また
は極めて電気抵抗の高い材料からなる本体部62b上に
2個の電極61b1 、61b2 を設けたものであり、各
電極61bi (i=1,2)は所定のピッチをもって平
行に配置された複数の平行電極部と、これらの平行電極
部の一端を接続する接続用電極部とから構成される。そ
して電極61b1 と電極61b2 は互い違いとなるよう
に1/2ピッチずれて配置されている。
【0005】一方、可動子71の電極72は電極パッド
65a1 、65a2 、65b1 、65b2 およびリニア
ガイド80とともにシリコン基板70をエッチングする
ことにより形成される。
【0006】一対の固定子60a、60bの電極が形成
された面が対向するようにして、エッチングされたシリ
コン基板70を挟み込んだ後に、シリコン基板70を、
図7に示す切断線90a、90b、91a、91bに沿
って切断する。すると、電極パッド65a1 、65a2
は固定子60aの電極61a1 、61a2 に各々接続
し、電極パッド65b1 、65b2 は固定子60bの電
極61b1 、61b2 に各々接続する。また、固定子6
0aと固定子60bの間にはリニアガイド80等によっ
て所定の隙間が形成され、この隙間を可動子71が固定
子60a、60b間で交互に吸着されながら移動するこ
とになる。
【0007】なお、固定子60aの電極61a1 、61
2 の表面及び固定子60bの電極61a1 、61a2
の表面は一般に絶縁膜63a及び絶縁膜63bによって
各々被覆される(図8参照)。また可動子71は電極7
2の表面が絶縁膜73a、73bによって被覆される
(図8参照)。
【0008】次にこの静電アクチュエータの動作を図8
を参照して説明する。
【0009】まず、固定子60bの電極61b2 に電圧
Vボルトを印加し、可動子71を下側の固定子60bの
電極61b2 に引きつける(図8(a)参照)。このと
き可動子71の電極72及び固定子60bの電極61
b,並びに固定子60aの電極61a1 、61a2 には
零ボルトが印加されている。
【0010】次に固定子60aの電極61a2 にのみ電
圧Vボルトを印加し、固定子60aの電極61a1 及び
固定子60bの電極61b1 、61b2 並びに可動子7
1の電極72に零ボルトを印加すると、可動子71が上
側の固定子60aの電極61a2 に引き上げられ、可動
子71が半ピッチ分、図面上で右側に移動する(図8
(b)参照)。
【0011】続いて固定子60bの電極61b1 のみに
電圧Vボルトを印加し、他の電極に零ボルトを印加する
と、可動子71は下側の固定子60bの電極61b1
引きつけられ、可動子71が半ピッチ分右側に移動する
(図8(c)参照)。
【0012】その後、固定子60aの電極61a1 のみ
に電圧Vボルトを印加し、他の電極に零ボルトを印加す
ると、可動子71は更に半ピッチ分右側に移動すること
になる(図8(d)参照)。
【0013】このような静電アクチュエータにおいて
は、可動子71が固定子60a、60b間で交互に吸着
されながら駆動されることにより、摺動部を持たないた
め、摩擦の影響が低減され、大きな駆動範囲を持ってい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな可動子71が固定子60a及び固定子60bに交互
に吸着され、接触しつつ駆動される静電アクチュエータ
においては、可動子と固定子の互いに接触する表面にお
いて、接触による帯電現象が発生し、現れた電荷による
静電気力の影響のため、可動子の動きを固定子の電極へ
の印加電圧によって安定的に制御することは困難であっ
た。例えば図8(a)に示すように固定子60bの電極
60b2 にVボルト、可動子71の電極72に零ボルト
の電圧を印加すると、静電吸引力が発生し、固定子60
bと可動子71が引きつけられて吸着する。この際、固
定子60bの表面の絶縁膜63bと可動子71の表面の
絶縁膜73bが接触し、各々の絶縁膜63b、73bが
帯電する。このとき上記絶縁膜63b、73bに現れる
電荷の極性と電荷の量は、互いの絶縁膜63b、73b
の材料特性と印加する電圧の大きさにより決定される。
上記絶縁膜63b、73bに帯電による電荷が発生し、
残留した場合には、図8(b)に示すように電圧Vボル
トを印加する電極を、電極61b2 から上側固定子60
aの電極61a2 に切り替えても、可動子71は下側固
定子60bに吸着されたままとなり、可動子71を剥離
し、上側固定子60aへ吸着することが困難となる。
【0015】これは静電吸引力の大きさが、引きつけあ
う電荷どうしの距離の2乗に反比例するため、帯電現象
により発生した電荷の量がたとえ少なくても、吸着して
いる下側固定子60bとの距離が可動子71を引き離そ
うとするための電極61a2との距離に比べて十分に短
く、下側固定子60bとの吸着力がそれを剥離させる力
よりも大きくなるからである。
【0016】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、可動子の良好かつ安定した駆動を実現するこ
とのできる静電アクチュエータ及びその駆動方法を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による静電アクチ
ュエータの第1の態様は、第1の本体部と、この第1の
本体部の面上に形成されて少なくとも2相の電圧が印加
される複数の電極と、を有している固定子と、前記第1
の本体部と対向するように配置される第2の本体部と、
この第2の本体部の、前記第1の本体部の電極が形成さ
れた面と対向する面に形成された複数の電極と、を有し
ている可動子と、を備え、前記第1および第2の本体部
における前記電極がそれぞれ形成された面のうちの一方
の面の、前記電極が形成された領域と干渉しない領域
に、前記第1および第2の本体部における互いの電極同
士が間接的に又は直接的に接触するのを防止すべく、他
方の面に当接する突起が設けられていることを特徴とす
る。
【0018】また本発明による静電アクチュエータの第
2の態様は、第1の本体部と、この第1の本体部の面上
に形成されて少なくとも2相の電圧が印加される複数の
電極と、この電極を覆う第1の絶縁膜と、を有している
固定子と、前記第1の本体部と対向するように配置され
る第2の本体部と、この第2の本体部の、前記第1の本
体部の電極が形成された面と対向する面に形成された複
数の電極と、この電極を覆う第2の絶縁膜と、を有しい
ている可動子と、を備え、前記第1および第2の絶縁膜
の少なくとも一方は導電体によって覆われていることを
特徴とする。
【0019】また本発明による静電アクチュエータの第
3の態様は、本体部と、この本体部の対向する面上に形
成される複数の電極と、を各々有し、所定の隙間をもっ
て対向配置された一対の固定子と、前記一対の固定子間
に配置され、前記固定子の電極に所定の電圧パルスが印
加されることにより一方の端部から他方の端部へと順
次、前記一対の固定子に交互に吸着されながら前記隙間
を行進する可動子と、を備え、前記可動子は、前記固定
子に対向する面内に、貫通しない穴が設けられているこ
とを特徴とする。
【0020】また本発明による静電アクチュエータの駆
動方法は、本体部と、この本体部の対向する面上に形成
される複数の電極と、を各々備え、所定の隙間をもって
対向配置された一対の固定子と、前記一対の固定子間に
配置され、前記固定子の電極に所定の電圧パルスが印加
されることにより一方の端部から他方の端部へと順次、
前記一対の固定子に交互に吸着されながら前記隙間を進
行する可動子と、を有する静電アクチュエータにおい
て、前記可動子が前記固定子の一方に吸着される際に、
前記可動子が前記一方の固定子に接触する直前に、電圧
を印加する電極を前記一方の固定子から他方の固定子に
切り換えることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明による静電アクチュエータ
の第1の実施の形態の構成を図1に示す。この実施の形
態の静電アクチュエータは、1対の固定子1a、1b
と、可動子11とを備えている。固定子1aは例えばパ
イレックスガラス等の絶縁体からなる本体部2aと、こ
の本体部2aの一表面上に形成された、例えばアルミニ
ウム、チタン、金または銅等の導電性材料からなる複数
個(図面上では1個)の電極3aと、この電極3aを覆
う、例えばポリイミド、酸化シリコンまたは窒化シリコ
ン等の絶縁性材料からなる絶縁膜4aとを備えている。
また同様に固定子1bも、本体部2bと、この本体部2
bの一表面上に形成された複数個(図面上では1個)の
電極3bと、この電極3bを覆う絶縁膜4bとを備えて
いる。そしてこれらの固定子1a、1bは電極3a、3
bが形成された面が対向するように所定の隙間をもって
配置される。なお、複数個の電極3a及び電極3bには
少なくとも2相駆動の電圧パルスが印加される。
【0022】一方可動子11は例えばシリコン等からな
る本体部12と、この本体部12の各々の面に形成され
た電極13a、13bと、これらの電極13a、13b
を覆う絶縁膜14a、14bとを備えており、上記固定
子1a、1b間の隙間に配置される。なお電極13a及
び電極13bは電気的に接続されている。そして可動子
11の本体部12の表面には、固定子との接触による帯
電現象の発生を防止するために、微小な突起12a、1
2bが設けられている。
【0023】この突起12a、12bは、固定子1aの
電極3a及び絶縁膜4aと、固定子1bの電極3b及び
絶縁膜4bと、可動子11の電極13a、13b及び絶
縁膜14a、14bとが形成されている領域と干渉しな
い、可動子11の本体部12の表面上の領域に設けられ
る。そしてこの突起12aの高さは固定子1aの電極3
a及び絶縁膜4aの厚みと、可動子11の電極13a及
び絶縁膜14aの厚みとの和よりも高く、突起12bの
高さは、固定子1bの電極3b及び絶縁膜4bの厚み
と、可動子11の電極13b及び絶縁膜14bの厚みと
の和よりも高くなるように設定されている。
【0024】上述の突起12a、12bを設けたことに
より、固定子1a、1bの電極3a、3bの一方に電圧
+Vボルトを印加し、可動子11の電極13a、13b
に電圧−Vボルトを印加しても可動子11が固定子1a
または固定子1bに接触することがなくなり、帯電現象
の発生を防止することが可能となる。これにより可動子
の良好かつ安定した駆動を実現することができる。
【0025】なお、上記実施の形態の静電アクチュエー
タにおいては、突起12a、12bは可動子11側に設
けたが、固定子1a、1b側に設けても良い。
【0026】また、互いに対向する面が吸着、剥離を繰
り返して駆動される静電アクチュエータの対向する面の
一方に突起を設ければ良好かつ安定した駆動を実現する
ことができる。
【0027】なお、可動子11の電極13a、13bを
被覆する絶縁膜14a、14bは高電圧駆動の場合に必
要であるが、低電圧駆動の場合には無くても良い。
【0028】次に本発明による静電アクチュエータの第
2の実施の形態の構成を図2に示す。この実施の形態の
静電アクチュエータは、固定子20aと、可動子20b
を有している。固定子20aは絶縁体からなる本体部2
1aと、この本体部21aの表面上に形成された導電性
材料からなる複数個(図面上では1個)の電極22a
と、この電極22aを覆う絶縁膜23aとを有してい
る。また可動子20bは絶縁体からなる本体部21b
と、この本体部21bの表面上に形成された導電性材料
からなる複数個(図面上では1個)の電極22bと、こ
の電極22bを覆う絶縁膜23bと、この絶縁膜23b
を覆う導電性材料からなる導電膜4とを備えている。な
お、複数個の電極22aは少なくとも2相駆動電圧パル
スが印加される。
【0029】そして固定子20aの電極22aが形成さ
れた面と、可動子20bの電極22bが形成された面を
対向するように配置し、固定子20aの電極22aに+
Vボルトの電圧を印加し、可動子20bの電極22bに
−Vボルトの電圧を印加すれば、可動子20bは固定子
20aに吸着し、また同じ極性の電圧を印加すれば、可
動子20bは、固定子20aから剥離する。
【0030】上述のように構成された静電アクチュエー
タにおいては、可動子20bには絶縁膜23bを覆うよ
うに導電膜24が形成されているため、接触帯電により
発生した電荷を導電膜24を介して逃がすことが可能と
なり、帯電現象による、可動子への電荷の影響を減少す
ることができる。これにより良好かつ安定した駆動を実
現することができる。なお、上記実施の形態において
は、導電膜24は可動子20bに設けたが、固定子20
aにのみ設けても良いし、固定子20a及び可動子20
bの両方に設けても良い。
【0031】また、図8に示す従来の静電アクチュエー
タにおいて、固定子60a、60b及び可動子71の一
方または両方に絶縁膜を覆うように導電膜を設ければ、
良好かつ安定した可動子の駆動を実現することができる
ことは言うまでもない。
【0032】次に本発明による静電アクチュエータの駆
動方法の第1の実施の形態を図3及び図4を参照して説
明する。この実施の形態の駆動方法に用いられる静電ア
クチュエータは、図7及び図8に示す従来の静電アクチ
ュエータと同一の構造を有している。すなわち、この静
電アクチュエータは、一対の固定子30a、30bと、
可動子40とを備えている。固定子30aは複数の電極
31a、32aを有しており、これらの電極31a、3
2aは絶縁膜33aに覆われている。また固定子30b
も同様に複数の電極31b、32bを有しており、これ
らの電極31b、32bは絶縁膜33bに覆われてい
る。そしてこれらの一対の固定子30a、30bは所定
の隙間を持って対向配置される。一方、可動子40は、
上記隙間に配置され、本体部41とこの本体部41上に
形成された電極42とを有しており、これらの本体部4
1及び電極42は絶縁膜43a、43bによって覆われ
ている。
【0033】次にこの静電アクチュエータの動作を説明
する。
【0034】可動子40の電極42には動作中は常に配
線44を介して−Vボルトの電圧が印加されている。こ
の状態で固定子30bの電極31bに+Vボルトの電圧
を印加すると、可動子40は固定子30bに引きつけら
れる。(図3(a)及び図4の状態(a)参照)。可動
子40の表面が固定子30bの表面に接触する直前に
(図4に示す時刻t1 参照)電圧+Vボルトを印加する
電極を、下側の固定子30bの電極31bから上側の固
定子30aの電極32aに切り換える(図4の状態
(a)参照)。これは可動子40が慣性力によって下側
固定子30bに接触しようとするのを、上側固定子30
aとの静電吸引力により防ぐものである。こうすること
により、可動子40は下側固定子30bに接触すること
なく、図4に示す状態(a)から状態(b)すなわち可
動子40が上側固定子30aに吸引される状態(図3
(b)参照)に移行する。
【0035】そして、可動子40が上側固定子30aに
接触する直前に(図4に示す時刻t2 参照)、電圧+V
ボルトを印加する電極を、上側固定子30aの電極32
aから下側固定子30bの電極32bに切り換える。す
ると、可動子40は上側固定子30aに接触することな
く、図4に示す状態(b)から状態(c)すなわち可動
子40が下側固定子30bに吸引される状態(図3
(c)参照)に移行する。
【0036】そして可動子40が下側固定子30bに接
触する直前に(図4に示す時刻t3参照)、電圧+Vボ
ルトを印加する電極を、下側固定子30bの電極32b
から上側固定子30aの電極31aに切り換える。する
と、可動子40は下側固定子30bに接触することな
く、図4に示す状態(c)から状態(d)すなわち可動
子40が上側固定子30aに吸引される状態(図3
(d)参照)に移行する。
【0037】上述のことを繰り返すことにより、可動子
40を固定子30a、30bに接触することなく、駆動
することが可能となるので、接触帯電による電荷の発生
を防ぐことができ、これにより良好かつ安定した駆動を
実現することができる。
【0038】次に本発明による静電アクチュエータの駆
動方法の第2の実施の形態を図5を参照して説明する。
この実施の形態の駆動方法は、図3及び図4に示す第1
の実施の形態の駆動方法において、電圧を印加する電極
を切り換える直後のみ、印加電圧+Vボルトよりも高い
電圧を印加するものである。
【0039】例えば、状態(a)から状態(b)に移行
する場合は、第1の実施の形態では時刻t1 で電極31
b(電極A)に印加する電圧を+Vボルトから零ボルト
に、電極32a(電極B)に印加する電圧を零ボルトか
ら+Vボルトに切り換えたが、この第2の実施の形態に
おいては、電極Aに印加する電圧を+Vボルトから零ボ
ルトに、電極Bに印加する電圧を零ボルトから+Vより
高い電圧値に切り換え、少し経過した時点で電極Bに印
加する電圧を+Vボルトにするものである。
【0040】このように印加電極を切り換える直後のみ
印加電圧値を高くすることにより、可動子の慣性力に打
勝つ静電吸引力を発生せしめ、可動子が固定子に接触す
ることなくスムーズに状態の移行(例えば図5に示す状
態(a)から状態(b)への移行等)を実現することを
可能にし、良好かつ安定した駆動を実現することができ
る。
【0041】次に本発明による静電アクチュエータの第
3の実施の形態を図6を参照して説明する。図6は第3
の実施の形態の静電アクチュエータの可動子の構成を示
す斜視図である。この実施の形態の静電アクチュエータ
は、図3及び図4で説明した静電アクチュエータにおい
て、可動子40の代わりに図6に示す可動子50を用い
たものである。
【0042】この可動子50は例えばシリコン基板をエ
ッチングすることによって形成され、本体部50aと、
パッド部50b1 ,50b2 とを有している。そして本
体部50aの一対の固定子に対向する面内に、複数の貫
通しない孔51が設けられている。これらの孔51は可
動子50の進行方向(図6において矢印で示す方向)と
ほぼ直交する方向に形成される。なおこれらの孔51は
側面に迄達しないよう形成されるのが望ましい。これら
の孔は、可動子50が固定子と接触しないように印加電
極を切り換える際に、可動子50が固定子に近づくにつ
れ、その運動を防げるように働く流体(例えば、空気、
水等)の粘性力による力(スクイズフィルム効果)を利
用するためのものである。
【0043】なお、この実施の形態においては、静電ア
クチュエータの起動時に固定子からの剥離を容易にする
ために、可動子50の上記孔51が形成された面に上記
複数個の孔51を連通するように上記孔51に比べて浅
くて細い溝53が形成されている。この溝53は可動子
50の進行方向に2個設けられているが、進行方向とほ
ぼ直交する方向に設けても良いことは言うまでもない。
また可動子50と固定子との剥離が容易な場合は上記溝
53は設けなくても良い。
【0044】なお、図6に示す可動子50のパッド50
1 ,50b2 には、可動子50に外部から電圧を印加
するために用いられる導線(例えば図3に示す導線4
4)が接続される。
【0045】以上説明したように本実施の形態の静電ア
クチュエータにおいては、可動子50の固定子と対向す
る面に貫通しない孔51が設けられていることにより、
印加電極の切り換えを行えば、可動子50を固定子に接
触させることなくスムーズに駆動することができ、良好
かつ安定した駆動を実現することができる。
【0046】なお、上記第3の実施の形態の静電アクチ
ュエータにおいては、孔51は複数個設けたが1個でも
良いことは言うまでもない。また、この孔51は可動子
50の進行方向に形成しても良い。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、良好
かつ安定した駆動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静電アクチュエータの第1の実施
の形態の構成を示す断面図。
【図2】本発明による静電アクチュエータの第2の実施
の形態の構成を示す断面図。
【図3】本発明による静電アクチュエータの駆動方法の
第1の実施の形態の動作を説明する動作説明図。
【図4】第1の実施の形態の駆動方法において印加され
る電圧の波形図。
【図5】本発明による静電アクチュエータの駆動方法の
第2の実施の形態において印加される電圧の波形図。
【図6】本発明による静電アクチュエータの第3の実施
の形態に用いられる可動子の構成を示す斜視図。
【図7】従来の静電アクチュエータの構成を示す斜視
図。
【図8】従来の静電アクチュエータの動作を説明する動
作説明図。
【符号の説明】
1a,1b 固定子 2a,2b 本体部 3a,3b 電極 4a,4b 絶縁膜 11 可動子 12 本体部 12a 突起 13a,13b 電極 14a,14b 絶縁膜 20a 固定子 20b 可動子 21a,21b 本体部 22a,22b 電極 23a,23b 絶縁膜 24 導電体 30a,30b 固定子 31a,31b 電極 32a,32b 電極 33a,33b 絶縁膜 40 可動子 41 本体部 42 電極 43a,43b 絶縁膜 44 導線 50 可動子 50a 本体部 50b,50c パッド部 51 孔 53 溝 60a,60b 固定子 61a1 ,61a2 電極 61b1 ,61b2 電極 62a,62b 本体部 65a1 ,65a2 電極パッド 65b1 ,65b2 電極パッド 70 シリコン基板 71 可動子 72 電極 80 リニアガイド 90a,90b 切断線 91a,91b 切断線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の本体部と、この第1の本体部の面上
    に形成されて少なくとも2相の電圧が印加される複数の
    電極と、を有している固定子と、 前記第1の本体部と対向するように配置される第2の本
    体部と、この第2の本体部の、前記第1の本体部の電極
    が形成された面と対向する面に形成された複数の電極
    と、を有している可動子と、 を備え、前記第1および第2の本体部における前記電極がそれぞ
    れ形成された面のうちの一方の面の、前記電極が形成さ
    れた領域と干渉しない領域に、前記第1および第2の本
    体部における互いの電極同士が間接的に又は直接的に接
    触するのを防止すべく、他方の面に当接する突起が設け
    られている ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】第1の本体部と、この第1の本体部の面上
    に形成されて少なくとも2相の電圧が印加される複数の
    電極と、この電極を覆う第1の絶縁膜と、を有している
    固定子と、 前記第1の本体部と対向するように配置される第2の本
    体部と、この第2の本体部の、前記第1の本体部の電極
    が形成された面と対向する面に形成された複数の電極
    と、この電極を覆う第2の絶縁膜と、を有しいている可
    動子と、 を備え、前記第1および第2の絶縁膜の少なくとも一方
    は導電体によって覆われていることを特徴とする静電ア
    クチュエータ。
  3. 【請求項3】本体部と、この本体部の対向する面上に形
    成される複数の電極と、を各々有し、所定の隙間をもっ
    て対向配置された一対の固定子と、 前記一対の固定子間に配置され、前記固定子の電極に所
    定の電圧パルスが印加されることにより一方の端部から
    他方の端部へと順次、前記一対の固定子に交互に吸着さ
    れながら前記隙間を行進する可動子と、 を備え、前記可動子は、前記固定子に対向する面内に、
    貫通しない穴が設けられていることを特徴とする静電ア
    クチュエータ。
  4. 【請求項4】本体部と、この本体部の対向する面上に形
    成される複数の電極と、を各々備え、所定の隙間をもっ
    て対向配置された一対の固定子と、 前記一対の固定子間に配置され、前記固定子の電極に所
    定の電圧パルスが印加されることにより一方の端部から
    他方の端部へと順次、前記一対の固定子に交互に吸着さ
    れながら前記隙間を進行する可動子と、 を有する静電アクチュエータにおいて、 前記可動子が前記固定子の一方に吸着される際に、前記
    可動子が前記一方の固定子に接触する直前に、電圧を印
    加する電極を前記一方の固定子から他方の固定子に切り
    換えることを特徴とする静電アクチュエータの駆動方
    法。
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