JP2972001B2 - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JP2972001B2
JP2972001B2 JP27989391A JP27989391A JP2972001B2 JP 2972001 B2 JP2972001 B2 JP 2972001B2 JP 27989391 A JP27989391 A JP 27989391A JP 27989391 A JP27989391 A JP 27989391A JP 2972001 B2 JP2972001 B2 JP 2972001B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定子と可動子との間
にクーロン力を作用させることによって可動子を移動さ
せる静電アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、クーロン力を用いた静電アク
チュエータとしては、図18に示すように、帯状に形成
された多数の固定子電極11を一方向に配列した固定子
1と、誘電体層と高抵抗体層との積層体よりなり固定子
電極11の配列面に対向して配置される可動子2とを備
え、駆動回路によって各固定子電極11に複数相の駆動
電圧を印加するようにしたものが考えられている(特開
平2−285978号公報参照)。この静電アクチュエ
ータでは、固定子電極11に駆動電圧を印加することに
よって可動子2の誘電体層と高抵抗体層との境界に電荷
を静電誘導し、可動子2に静電誘導された電荷と、固定
子電極11の電荷との間に作用するクーロン力によって
可動子2を移動させようとするものである。この場合、
固定子電極11が帯状に形成されているから、可動子2
は固定子電極11の長手方向に直交する方向の一直線上
でのみ移動可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、この種の静電ア
クチュエータは面状であることに着目し、一直線上だけ
でなく2次元的に移動させようとする試みがある。2次
元的に移動させる構成としては、たとえば図19に示す
ように、互いに直交する方向の帯状の固定子電極11
a、11bを、固定子電極11a,11bの配列面内で
異なる部位に設けることが考えられる。この構成では、
可動子2が両方向の固定子電極11a,11bに跨がっ
て位置する領域以外では、可動子2は一直線上でしか移
動できないという問題がある。すなわち、可動子2が2
次元的に移動できる範囲が、固定子1の一部の領域に制
限されるという問題がある。
【0004】これに対して、図20に示すように、固定
子基板12の表裏に帯状の固定子電極11a,11bを
形成し、各固定子電極11a,11bの長手方向を互い
に直交させることが考えられる。この構成では、固定子
1の大部分の領域で可動子2を2次元的に移動させるこ
とが可能である。しかしながら、可動子2は固定子1の
一面側に配置されるから、可動子2の移動方向によって
可動子2と固定子電極11a,11bとの間に作用する
駆動力に差が生じることになる。すなわち、可動子2に
対する駆動力はクーロン力であって、クーロン力は距離
の2乗に反比例するから、固定子基板10の厚み程度の
距離差であっても駆動力の差が大きくなるという問題が
生じるのである。また、異なる方向の固定子電極11
a,11bが交差しているので、各固定子電極11a,
11bから可動子2に作用するクーロン力が干渉するこ
とになり、可動子2を安定して駆動するのが難しいとい
う問題もある。
【0005】さらに、図21に示すように、固定子電極
11a,11bをそれぞれ絶縁被覆電線によって形成
し、両固定子電極11a,11bを編んで固定子1を形
成することも考えられる。この構成では、図19や図2
0に示した構成の欠点は解消されるが、図19や図20
に示した構成では印刷配線基板等を用いることによって
固定子電極11a,11bのピッチを正確かつ狭くする
ように加工できたのに対して、図21に示した構成では
固定子電極11a,11bのピッチを正確にする加工が
難しく、また、ピッチが広くなって可動子2を微小距離
ずつ移動させることができないという問題が生じる。
【0006】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、可動子を2次元的に移動させるのはもちろ
ん、可動子を固定子のほぼ全域で移動させることができ
るとともに、可動子のすべての駆動方向についてほぼ均
一な駆動力が得られ、しかも、固定子電極のピッチを正
確かつ狭く加工することができるようにした静電アクチ
ュエータを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記目的を達成するために、面上に複数個の固定子電極を
配列した固定子と、少なくとも一部の固定子電極に対面
する可動子とを備え、各固定子電極への駆動電圧の印加
パターンを変化させることにより固定子電極と可動子と
の間に作用するクーロン力によって固定子電極を配列し
た面に沿うように可動子を移動させる静電アクチュエー
タにおいて、各固定子電極が、固定子電極を配列した面
内で互いに交差する方向にそれぞれ所定間隔で設定し
た複数本ずつの平行線の格子点上に、互いに離間した形
で配置され、上記2方向にそれぞれa本ずつの平行線を
選択し、それらの平行線によって構成されるa 2 個の格
子点上の固定子電極を1組の単位電極群とし、各組の単
位電極群の対応する位置の固定子電極を導電路を介して
相互に電気的に接続しているのである。
【0008】請求項2の発明では、固定子電極は、上記
各方向の平行線のうちの3本ずつが交差する格子点上の
合計9個を単位電極群としている。
【0009】請求項の発明では、固定子電極は面状の
絶縁体である固定子基板の同一平面上に配列され、上記
導電路は固定子基板の厚み方向に離間して複数層に配置
されているのである。請求項の発明では、可動子は、
フィルム状の誘電体層と、誘電体層を挟んで固定子電極
とは反対側で誘電体層に積層された高抵抗体層とからな
り、固定子電極に駆動電圧を印加することによって誘電
体層と高抵抗体層との境界に電荷が静電誘導されるよう
になっている。
【0010】請求項の発明では、可動子は、絶縁体の
可動子基板の面内で互いに交差する2方向にそれぞれ所
定間隔で設定した複数本ずつの平行線の格子点上に互い
に離間した形で配置した複数個の可動子電極を備え、
記2方向にそれぞれb本ずつの平行線を選択し、それら
の平行線によって構成されるb 2 個の格子点上の可動子
電極を1組の単位電極群とし、各組の単位電極群の対応
する位置の可動子電極を相互に電気的に接続しているの
である。
【0011】請求項の発明では、固定子電極と可動子
電極との少なくとも一方への駆動電圧の印加パターンを
制御する電圧制御手段を具備している。
【0012】
【作用】請求項1の構成によれば、固定子電極を配列し
た面内で互いに交差する2方向にそれぞれ所定間隔で設
定した複数本ずつの平行線の格子点上に、各固定子電極
を互いに離間した形で配置しているので、各固定子電極
に印加する駆動電圧の印加パターンを変化させることに
よって、可動子を固定子に対して2次元的に移動させる
ことができるのである。とくに、2方向にそれぞれa本
ずつの平行線を選択し、それらの平行線によって構成さ
れるa 2 個の格子点上の固定子電極を1組の単位電極群
とし、各組の単位電極群の対応する位置の固定子電極を
導電路を介して相互に電気的に接続しているので、単位
電極群を構成する固定子電極の個数に応じて、固定子電
極への駆動電圧の印加パターンを比較的少数のパターン
数に制限することができ、制御が容易になるのである。
また、固定子電極を平行線同士の格子点上に配置してい
ることによって、固定子電極を固定子の全域に亙って均
等に分布させることができるのであって、結果的に、可
動子を固定子のほぼ全域で移動させることができ、しか
も、固定子電極は印刷配線板などを用いてその一面側に
形成することが可能であるから、各固定子電極と可動子
との距離を等しくして可動子のすべての駆動方向につい
て均一な駆動力を得ることができるのである。さらに、
固定子電極を固定子基板に形成しているから、たとえば
印刷配線板の加工技術を用いれば、固定子電極のピッチ
を正確かつ狭く加工することができて、可動子を正確か
つ精密に移動させることが可能になるのである。また、
固定子電極への駆動電圧の印加パターンを変えるだけで
可動子の駆動方向を変化させることができるのであっ
て、可動子側の電荷の分布パターンを変更することなく
可動子の駆動方向を変更できることになる。
【0013】
【0014】請求項の構成は、単位電極群の構成例の
望ましい実施態様であって、単位電極群を3×3個の固
定子電極によって構成したものである。請求項の構成
によれば、固定子電極を固定子基板における同一平面上
に配列し、導電路を固定子基板の厚み方向に離間して複
数層に配置しているので、各固定子電極と可動子との距
離を一定にすることができて可動子の駆動力が一定にな
るとともに、導電路を固定子基板の厚み方向に配列する
ことによって、配線効率を高め導電路の占有面積を小さ
くすることができるのであって、固定子電極のピッチを
狭くすることが可能になる。
【0015】請求項の構成によれば、可動子を誘電体
層と高抵抗体層との積層体とし、固定子電極に駆動電圧
を印加することにより誘電体層と高抵抗体層との境界に
電荷が静電誘導されるようにしているので、固定子に対
する可動子の位置合わせが不要になり、また、固定子電
極の加工精度も比較的低いものでよいことになる。請求
の構成によれば、可動子に固定子電極と同様の可動
子電極を設けているので、可動子の駆動開始時に可動子
に静電誘導による電荷を発生させる必要がなく、可動子
の駆動開始時における処理が簡単になる。また、固定子
電極と可動子電極とを所定のピッチで形成することによ
って、固定子に対する可動子の基準位置を正確に設定で
きることになる。
【0016】請求項の構成によれば、固定子電極と可
動子電極との少なくとも一方への駆動電圧の印加パター
ンを制御する電圧制御手段を設けているので、駆動電圧
の印加パターンを切り換えることによって、可動子を2
次元的に円滑に駆動することができるのである。
【0017】
【実施例】(基本構成) 図1に示すように、固定子1は、面状の絶縁体よりなる
固定子基板12の面内で複数個の固定子電極11を配列
したものであって、各固定子電極11は、固定子基板1
2の面内で設定した互いに直交する方向の複数本ずつ
平行線によって構成される格子点上にそれぞれ配置され
る。ここで、各方向の平行線を等間隔としているから、
平面格子の格子点の上に各固定子電極11が配置される
ことになる。また、図では各固定子電極11を矩形状に
形成しているが、必ずしもこの形状に限定する必要はな
い。各固定子電極11には各別に給電線13が接続さ
れ、各給電線13にはリレー接点等からなるスイッチ要
素3を介して直流電源4が接続される。直流電源4は、
+V、0、−Vの3種類の電圧を出力し、スイッチ要素
3は、切換制御部5からの制御信号に呼応して、各固定
子電極11に印加する駆動電圧をそれぞれ直流電源4の
3種類の出力電圧から択一的に選択する。したがって、
各固定子電極11には、+V、0、−Vのいずれかの駆
動電圧がそれぞれ独立して印加されることになる。この
ように、固定子電極11には複極の駆動電圧が印加さ
れ、スイッチ要素3、直流電源4、切換制御部5によっ
て電圧制御手段が構成される。ここに、固定子電極11
がたとえばn×m個であれば、給電線13もn×m本に
なり、電圧制御手段もn×m個必要である。
【0018】可動子2は、従来例で説明したものと同様
であって、高抵抗体層21とフィルム状の誘電体層22
との積層体になっている(図3参照)。この可動子2
は、固定子1の一部に対面するように配置され、固定子
電極11に駆動電圧を印加することによって高抵抗体層
21と誘電体層22との境界に電荷が静電誘導されるの
であり、固定子電極11に印加する駆動電圧の印加パタ
ーンの鏡像が可動子2に転写されることになる。
【0019】可動子2に静電誘導による電荷が生じた後
は、切換制御部5によって固定子電極11に印加する駆
動電圧の印加パターンを変化させることによって、固定
子1に対して可動子2を所望の方向に移動させることが
できるのである。また、固定子電極11に印加する駆動
電圧は、各固定子電極11ごとに設定できるから、所望
の方向に可動子1が移動するように駆動電圧を設定する
ことによって、可動子1を2次元的に移動させることが
できるのである。
【0020】(実施例基本構成 では、固定子電極11が個々に独立しているか
ら、駆動電圧の印加パターンの制御が煩雑である。そこ
で、本実施例では、図2に示すように、各方向の3本ず
つの平行線によって構成される9個の格子点上の固定子
電極11を1組の単位電極群10として扱うようにして
いる。すなわち、3×3個の固定子電極11を単位電極
群10として扱い、各組の単位電極群10における対応
する位置の固定子電極11を、導電路15を介して共通
接続している。1組の単位電極群10は9個の固定子電
極11によって構成されているから、導電路15は最終
的に9相の給電線13にまとめることができる。各給電
線13にはスイッチ要素3を介して直流電源4を接続す
る。したがって、電圧制御手段は9個になるのであっ
て、基本構成に比較すれば制御が格段に容易になる。
【0021】固定子1は、図3に示すように、絶縁体層
16を挟んで離間した4層の導電層17a〜17dを形
成した多層配線板であり、ガラス・エポキシ多層基板、
ガラス・ポリイミド多層基板等のリジッドな多層基板を
用いたり、固定子基板12としてポリイミドフィルムや
ポリエチレンフィルムを絶縁体層16とするフレキシブ
ルな多層基板を用いたりして形成される。また、各導電
層17a〜17dは、絶縁体層16によって被覆され、
外部に露出しないようになっている。導電層17a〜1
7dのうちの第1層17aには固定子電極11が形成さ
れ、他の導電層7b〜17dによって導電路15が形成
される。また、給電線13は、固定子電極11と同じく
第1層17aに形成される。
【0022】固定子電極11や給電線13と各導電路1
5との接続は、スルーホール18を通して行われる。す
なわち、図4に示すように、各固定子電極11に対して
接続される導電層17b〜17dには固定子電極11に
重複するランド19が形成され、各給電線13に対して
接続される導電層17b〜17dには給電線13に重複
するランド(図示せず)が形成され、めっきスルーホー
ル法等の周知の方法を用いることによって、固定子電極
11や給電線13とランド19とが電気的に接続され、
図5に示すように、各固定子電極11を9相の給電線1
3のいずれかに接続することができるのである。
【0023】次に動作を説明する。ここでは、固定子1
と可動子2との電荷の関係が理解しやすいように、図7
のように固定子1と可動子2とを分離して図示する。可
動子2の上で破線で囲んだ部分20は、可動子1が静止
しているときに固定子電極11と対向している領域を示
し、固定子電極11に電荷を与えると、この部分20に
電荷が静電誘導される。また、上述したように、固定子
電極11は9相の給電線13に接続されるから、図2、
図5、図6、図7に示すように、各相の給電線13をA
〜I相とするとともに、A〜I相の給電線13に接続し
た各固定子電極11をそれぞれ固定子電極a〜iとして
説明する。以下の説明では、固定子1における単位電極
群10を構成する固定子電極a〜iの電荷の組を、 {a ,d ,g , b ,e ,h , c ,f ,i } として示し、可動子2に静電誘導された電荷の組を、 〔a′,d′,g′, b′,e′,h′, c′,f′,i′〕 として示すことにする。また、駆動電圧は、+V、−
V、0の3種であるが、電荷については極性のみに着目
して、+、−、0の3種で示すことにし、固定子電極1
1の結線関係も省略する。さらに、図6に示すように、
単位電極群10の中で固定子電極a,d,gが並ぶ方向
をX軸の正方向、固定子電極c,b,aが並ぶ方向をY
軸方の正方向とする。ここに、単位電極群10の中心位
置の固定子電極eに着目すれば、8個の固定子電極a〜
d,f〜iが隣接するから、固定子電極eから各固定子
電極a〜d,f〜iに向かう方向を規定することができ
る。そこで、固定子電極eから固定子電極hに向かう方
向を方向とし、固定子電極eから各固定子電極g,
d,a,b,c,f,iに向かう方向を、それぞれ〜
方向と規定する。このように方向を取り決めると、X
軸の正方向は方向、X軸の負方向は方向、Y軸の正
方向は方向、Y軸の負方向は方向になる。
【0024】まず、X軸またはY軸に沿って可動子1を
移動させる場合について考える。この場合、方向につ
いて基本動作として考察すれば、方向、方向、方
向についても同様の考え方を適用できる。そこで、方
向に可動子1を移動させる場合について説明する。ま
ず、A相、E相の駆動電圧を+V、B相、D相の駆動電
圧を−V、残りのC相、G相、H相、I相の駆動電圧を
0とすれば、図8(a)に示すように、単位電極群10
(図7参照。図8〜図15において固定子1の上で一点
鎖線で示している領域である)の電荷の組は、 {+,−,0, −,+,0, 0,0,0} になる。固定子電極11にこのような電荷を与えると、
初めは電荷が存在しなかった可動子2の高抵抗体層21
内に電流が流れ、図8(b)のように高抵抗体層21と
誘電体層22との境界に電荷が誘導されて平衡状態にな
る。このとき、可動子2の各部分20(図7参照。図8
〜図15において可動子2の上で破線で示している領域
である)の電荷の組は、 〔−,+,0, +,−,0, 0,0,0〕 になる。この操作を充電操作と呼ぶことにする。このと
き、可動子2は固定子1に吸引されている。以下では、
充電操作の際に固定子電極a,b,d,eの電荷によっ
て可動子2に電荷が静電誘導された各部分20をそれぞ
れ領域a′,b′,d′,e′と呼ぶことにする。
【0025】次に、B相、D相、H相の駆動電圧を+
V、A相、E相、G相の駆動電圧を−V、C相、F相、
I相の駆動電圧を0とするように切り換えると、図8
(c)に示すように、単位電極群10の電荷の組は、瞬
時に次のように変化する。 {−,+,−, +,−,+, 0,0,0} 一方、可動子2の電荷は高抵抗体層21を流れようとす
るが、高抵抗であるからすぐには移動できない。すなわ
ち、上述したようにA,B,D,E,G,Hの各相への
駆動電圧を切り換えると、各固定子電極a,b,d,e
に対して可動子2の各領域a′,b′,d′,e′と同
極性の電荷を与えたことになり、両者の間に反発力が生
じて可動子2が固定子1に対して浮上する。また、可動
子2の領域a′,b′,d′,e′に対向する各固定子
電極a,b,d,eにそれぞれ隣接した固定子電極11
から各領域a′,b′,d′,e′の電荷に作用する力
を考えると、可動子2が移動する直前の状態では次のよ
うになる。
【0026】すなわち、領域a′に対しては、固定子電
極b,d,hからそれぞれ,,方向の吸引力、固
定子電極e,gからそれぞれ、方向の反発力が作用
する。領域b′に対しては、固定子電極a,e,gから
それぞれ,,方向の吸引力、固定子電極d,hか
らそれぞれ,方向の反発力が作用する。領域d′に
対しては、固定子電極a,e,gからそれぞれ,,
方向の吸引力、固定子電極b,hからそれぞれ,
方向の反発力が作用する。領域e′に対しては、固定子
電極d,hからそれぞれ,方向の吸引力、固定子電
極a,b,gからそれぞれ,,方向の反発力が作
用する。これらの力のうちで方向と方向とを除いた
Y軸方向の成分を含む力を考えると、方向と方向、
方向と方向、方向と方向とがそれぞれ同数であ
るから相殺され、Y軸方向への力は作用しないことにな
る。一方、方向と方向とを除いたX軸方向の成分を
含む力を考えると、可動子2を方向に前進させる力は
方向、方向、方向の力であって、方向に後退さ
せる力である方向、方向、方向も多少は作用して
いるが、合力を考えれば方向に前進させる力が優勢で
あり、可動子2は方向に移動するのである。可動子2
が初めの位置から方向に移動し始めれば、可動子2を
浮上させていた反発力も前進力として作用する。こうに
して、X軸方向における固定子電極11の1ピッチ分だ
け可動子2が移動すれば、図8(d)のように可動子2
の各部分20の電荷と、その部分20に対向する固定子
電極11の電荷とが同極性になるから、可動子2は停止
する。以上の操作を駆動操作と呼ぶことにする。
【0027】可動子2が移動後に停止した状態で、図8
(e)のようにA相とB相との駆動電圧を0にすれば、
単位電極群10の電荷の組は次のようになる。 {0,+,−, 0,−,+, 0,0,0} すなわち、充電操作においてX軸方向における固定子電
極11の1ピッチ分だけ単位電極群10内で電荷の位置
を移動させたことに相当する。可動子2に静電誘導され
た電荷は駆動操作によって拡散するから、可動子2の停
止後に再び充電操作を行うようにしているのである。以
上の操作をまとめると次のようになる。
【0028】 上記パターンから明らかなように、方向に可動子2を
移動させる場合には、単位電極群10の中でX軸方向に
並ぶ固定子電極11について、駆動操作では前の充電操
作の電荷の極性を反転させるとともに、電荷が0である
固定子電極11に左隣(X軸方向の3個の固定子電極1
1の配列が循環すると考え、たとえば、a,d,gの場
合にaの左隣はgになる)の固定子電極11とは反対の
極性の電荷を与え、次の充電操作では前の充電操作の電
荷の極性を右に循環させればよいのである。
【0029】X軸の負方向、すなわち方向に可動子2
を移動させる場合には、駆動操作におけるX軸方向の反
発力および吸引力がX軸の負方向に作用するように変更
すればよい。すなわち、図9に示すように、駆動操作に
おいて前の充電操作の電荷の極性を反転させるととも
に、電荷が0である固定子電極11に右隣の固定子電極
11と反対の極性の電荷を与え、次の充電操作では前の
充電操作の電荷の極性を左に循環させればよい。具体的
には以下のような操作になる。
【0030】 ここに、単位電極群10の中では各固定子電極11が行
列の要素と同様に配列されているから、行列と類比する
ことによって、単位電極群10の中で固定子電極a,
e,iを通る直線を主対角線と呼ぶことにし、主対角線
を挟んで対称の位置の固定子電極11の電荷を入れ換え
る操作を転置と呼ぶことにする。すなわち、転置すると
は、固定子電極bとd、cとg、fとhの各電荷を相互
に入れ換えることを指す。
【0031】Y軸の正方向、すなわち方向に可動子2
を移動させるには、方向の移動の操作を転置すればよ
いのであり、Y軸の負方向、すなわち方向に可動子2
を移動させるには、方向の移動の操作を転置すればよ
いのである。つまり、方向の移動では、図10に示す
ように、駆動操作において前の充電操作とは反対の極性
の電荷を与えるとともに、電荷が0である固定子電極1
1には下隣(Y軸方向の固定子電極11の配列は循環す
ると考え、たとえばa,b,cの場合に、cの下隣はa
になる)の固定子電極11とは反対の極性の電荷を与
え、次の充電操作では前の充電操作の電荷の極性を上に
循環させればよい。方向の移動では、図11に示すよ
うに、駆動操作において前の充電操作とは反対の極性の
電荷を与えるとともに、電荷が0である固定子電極11
には上隣の固定子電極11とは反対の極性の電荷を与
え、次の充電操作では前の充電操作の電荷の極性を下に
循環させるのである。具体的には、方向の移動では、 という操作になる。また、方向の移動では、 という操作になる。
【0032】以上のような可動子2の移動操作を組み合
わせれば、X軸方向およびY軸方向における固定子電極
11の間のピッチの精度で可動子2を任意の位置に2次
元的に移動させることができることになる。ところで、
X軸方向やY軸方向へに可動子2を移動させた場合に、
可動子2の位置によって、充電操作のパターンは次の9
種類になる。
【0033】 {+,−,0, {0,+,−, {−,0,+, −,+,0, 0,−,+, +,0,−, 0,0,0} 0,0,0} 0,0,0} {−,+,0, {0,−,+, {+,0,−, 0,0,0, 0,0,0, 0,0,0, +,−,0} 0,+,−} −,0,+} {0,0,0, {0,0,0, {0,0,0, +,−,0, 0,+,−, −,0,+, −,+,0} 0,−,+} +,0,−} 上に示した充電操作の各パターンのうち、横に並ぶもの
はX軸方向に可動子2が移動したときの関係を示し、縦
に並ぶものはY軸方向に可動子2が移動したときの関係
を示す。いずれの状態であっても、可動子2を移動させ
たい方向に応じて、上述した規則を適用すれば、所望の
方向に可動子2を移動させることができるのである。
【0034】次に、図12に示すように、X軸方向およ
びY軸方向に対して45度をなす方向に可動子2を移動
させる場合の操作について説明する。すなわち、方
向、方向、方向、方向への移動である。まず、基
本操作として方向に可動子2を移動させる場合の操作
を説明する。充電操作は、上述したように9種類のパタ
ーンがあるが、基本パターンとして下の場合を考える。
他の場合については基本パターンと同じ規則を適用すれ
ばよい。
【0035】 {+,−,0, −,+,0, 0,0,0} このとき可動子2に静電誘導される電荷は、次のように
なる。 〔−,+,0, +,−,0, 0,0,0〕 次に、駆動操作では単位電極群10の中の固定子電極1
1に次のような極性の電荷が印加されるように、駆動電
圧の印加パターンを設定する。
【0036】 {−,+,−, +,−,+, +,−,−} 上2列については、方向に移動させる場合と同じであ
る。左2列については、方向に移動させる場合と同じ
である。固定子電極iについては、ここでは固定子電極
eと同極性の電荷を与える。このようなパターンで電荷
を与えれば、方向と方向との合力が作用し、方向
に可動子2が移動することは容易に推測される。そこ
で、方向に可動子2を移動させる場合と同様に、可動
子2の各領域a′,b′,d′,e′に作用する力を分
析する。
【0037】充電操作から駆動操作に切り換えた直後に
は、各領域a′,b′,d′,e′に対向する固定子電
極a,b,d,eからは可動子2を浮上させる反発力が
作用する。また、各固定子電極a,b,d,eにそれぞ
れ隣接した固定子電極11から各領域a′,b′,
d′,e′に作用する力は以下のようになる。まず、領
域a′に対しては、固定子電極b,c,d,hからそれ
ぞれ,,,方向の吸引力、固定子電極e,f,
g,iからそれぞれ,,,方向の反発力が作用
する。領域b′に対しては、固定子電極a,e,f,
g,iからそれぞれ,,,,方向の吸引力、
固定子電極c,d,hからそれぞれ,,方向の反
発力が作用する。領域d′に対しては、固定子電極a,
e,f,g,iからそれぞれ,,,,方向の
吸引力、固定子電極b,c,hからそれぞれ,,
方向の反発力が作用する。領域e′に対しては、固定子
電極b,c,d,hからそれぞれ,,,方向の
吸引力、固定子電極a,f,g,iからそれぞれ,
,,方向の反発力が作用する。これらの力のうち
で、方向と方向との力は同数であるから相殺され
る。また、方向と方向、および、方向と方向と
の合力については、それぞれ方向および方向への力
が強く、方向と方向との合力については、方向の
力が強くなるが、方向と方向との合力によって作用
する方向の力は、方向の力よりも大きいから、結果
的に可動子2は方向に移動することになる。また、可
動子2が初めの位置から方向に移動し始めれば、可動
子2を浮上させていた反発力も前進力として作用する。
このようにして、可動子2が方向に移動し、X軸方向
およびY軸方向における固定子電極11の1ピッチ分だ
け進むと、領域a′,b′,d′,e′は、固定子電極
f,d,g,iに重なるから、この時点で、固定子電極
f,d,g,iに対して、次のような電荷を与えれば、
可動子2が停止するとともに充電操作を行うことができ
る。
【0038】 {0,−,+, 0,0,0, 0,+,−} 以上の操作をまとめると次のようになる。 上記パターンから明らかなように、方向に可動子2を
移動させる場合には、単位電極群10の各固定子電極1
1について、駆動操作では上2列を方向の駆動操作、
左2列を方向の駆動操作の組み合わせとし、残りの固
定子電極11については、左上の固定子電極11と同じ
極性を与えればよい。また、充電操作では前の充電操作
に対して、各固定子電極11の電荷を右に循環するとと
もに上に循環すればよい。
【0039】同様にして、方向では、図13に示すよ
うに、駆動操作において方向と方向との駆動操作を
組み合わせるとともに、残りの固定子電極11について
は、右上の固定子電極11と同じ極性の電荷を与え、充
電操作では前の充電操作に対して、各固定子電極11の
電荷を左に循環するとともに上に循環すればよい。方
向では、図14に示すように、駆動操作において方向
と方向との駆動操作を組み合わせるとともに、残りの
固定子電極11については、右下の固定子電極11と同
じ極性の電荷を与え、充電操作では前の充電操作に対し
て、各固定子電極11の電荷を左に循環するとともに下
に循環すればよい。方向では、図15に示すように、
駆動操作において方向と方向との駆動操作を組み合
わせるとともに、残りの固定子電極11については、左
下の固定子電極11と同じ極性の電荷を与え、充電操作
では前の充電操作に対して、各固定子電極11の電荷を
右に循環するとともに下に循環すればよい。具体的に示
すと、以下のようになる。すなわち、方向では、 になる。また、方向では、 になる。さらに、方向では、 になる。
【0040】(実施例) 本実施例は、固定子基板12に60度で交差する平行線
を設定し、平行線によって構成される格子点上にそれぞ
れ固定子電極11を配置したものである。したがって、
一つの固定子電極11に隣接する固定子電極は60度ず
つ離れて6方向に存在することになる。すなわち、図1
6に示すように、各平行線の方向をX1軸方向、X2
方向としたときに、X1 軸方向、X2 軸方向、X2 軸方
向を挟んでX1 軸方向とは反対側に60度離れたX3
方向に可動子2を移動させることができ、60度刻みで
6方向に可動子2の移動方向が設定できるのである。こ
の場合、X1 軸方向の移動は、実施例におけるX軸方
向の移動と同様に考えればよく、X2 軸方向およびX3
軸方向への移動は、実施例におけるY軸方向への移動
と同様に考えればよい。他の構成および動作は実施例
と同様である。
【0041】(実施例) 上記各実施例では、可動子2を高抵抗体層21と誘電体
層22との積層体として形成していたが、本実施例で
は、図17に示すように、固定子1と同様に、可動子2
を可動子基板24の上で設定した互いに交差する方向の
平行線によって構成される格子点上にそれぞれ可動子電
極23を配置している。また、3×3個の可動子電極2
3を1組の単位電極群25とし、各組の単位電極群25
のうちで対応する位置の可動子電極23を共通接続する
ことによって、可動子電極23に対して9相の駆動電圧
を印加するようになっている。駆動電圧は、固定子1と
同様に、スイッチ要素3、直流電源4、切換制御部5に
より与えられる。
【0042】この構成によれば、可動子2に対する充電
操作を省略することができ、滑らかな移動が可能にな
る。また、可動子2において電荷を与えることができる
位置が固定されているから、固定子1に対する可動子2
の位置決めが容易にできるのである。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明は、固定子電極を配列し
た面内で互いに交差する2方向にそれぞれ所定間隔で設
定した複数本ずつの平行線の格子点上に、各固定子電極
を互いに離間した形で配置しているので、各固定子電極
に印加する駆動電圧の印加パターンを変化させることに
よって、可動子を固定子に対して2次元的に移動させる
ことができるという効果がある。とくに、2方向にそれ
ぞれa本ずつの平行線を選択し、それらの平行線によっ
て構成されるa 2 個の格子点上の固定子電極を1組の単
位電極群とし、各組の単位電極群の対応する位置の固定
子電極を導電路を介して相互に電気的に接続しているの
で、単位電極群を構成する固定子電極の個数に応じて、
固定子電極への駆動電圧の印加パターンを比較的少数の
パターン数に制限することができ、制御が容易になると
いう効果がある。また、固定子電極を平行線同士の格子
上に配置していることによって、固定子電極を固定子
の全域に亙って均等に分布させることができるのであっ
て、結果的に、可動子を固定子のほぼ全域で移動させる
ことができ、しかも、固定子電極は印刷配線板などを用
いてその一面側に形成することが可能であるから、各固
定子電極と可動子との距離を等しくして可動子のすべて
の駆動方向について均一な駆動力を得ることができると
いう利点を有する。さらに、固定子電極を固定子基板に
形成しているから、たとえば印刷配線板の加工技術を用
いれば、固定子電極のピッチを正確かつ狭く加工するこ
とができて、可動子を正確かつ精密に移動させることが
可能になる。
【0044】請求項3の構成によれば、固定子電極を固
定子基板における同一平面上に配列し、導電路を固定子
基板の厚み方向に離間して複数層に配置しているので、
各固定子電極と可動子との距離を一定にすることができ
て可動子の駆動力が一定になるとともに、導電路を固定
子基板の厚み方向に配列することによって、配線効率を
高め導電路の占有面積を小さくすることができるのであ
って、固定子電極のピッチを狭くすることが可能になる
という効果を奏する。
【0045】請求項の構成によれば、可動子を誘電体
層と高抵抗体層との積層体とし、固定子電極に駆動電圧
を印加することにより誘電体層と高抵抗体層との境界に
電荷が静電誘導されるようにしているので、固定子に対
する可動子の位置合わせが不要になり、また、固定子電
極の加工精度も比較的低いものでよいという利点があ
る。
【0046】請求項の構成によれば、可動子に固定子
電極と同様の可動子電極を設けているので、可動子の駆
動開始時に可動子に静電誘導による電荷を発生させる必
要がなく、可動子の駆動開始時における処理が簡単にな
る。また、固定子電極と可動子電極とを所定のピッチで
形成することによって、固定子に対する可動子の基準位
置を正確に設定できるという利点がある。
【0047】請求項の構成によれば、固定子電極と可
動子電極との少なくとも一方への駆動電圧の印加パター
ンを制御する電圧制御手段を設けているので、駆動電圧
の印加パターンを切り換えることによって、可動子を2
次元的に円滑に駆動することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本構成を示す概略構成図である。
【図2】実施例を示す概略構成図である。
【図3】実施例の要部の断面図である。
【図4】実施例の固定子に多層配線基板を用いるとき
の導電パターンの一例を示す図である。
【図5】実施例の固定子の結線例を示す図である。
【図6】実施例の固定子電極の配列形態を示す説明図
である。
【図7】実施例の動作説明に必要な部分の定義を示す
図である。
【図8】実施例の動作説明図である。
【図9】実施例の動作説明図である。
【図10】実施例の動作説明図である。
【図11】実施例の動作説明図である。
【図12】実施例の動作説明図である。
【図13】実施例の動作説明図である。
【図14】実施例の動作説明図である。
【図15】実施例の動作説明図である。
【図16】実施例の固定子電極の配列形態を示す説明
図である。
【図17】実施例の概略構成図である。
【図18】従来例を示す概略構成図である。
【図19】他の従来例を示す固定子の平面図である。
【図20】さらに他の従来例を示す固定子の平面図であ
る。
【図21】別の従来例を示す固定子の一部の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 固定子 2 可動子 3 スイッチ要素 4 直流電源 5 切換制御部 10 単位電極群 11 固定子電極 12 固定子基板 21 高抵抗体層 22 誘電体層 23 可動子電極 24 可動子基板 25 単位電極群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−114872(JP,A) 特開 平2−285978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面上に複数個の固定子電極を配列した固
    定子と、少なくとも一部の固定子電極に対面する可動子
    とを備え、各固定子電極への駆動電圧の印加パターンを
    変化させることにより固定子電極と可動子との間に作用
    するクーロン力によって固定子電極を配列した面に沿う
    ように可動子を移動させる静電アクチュエータにおい
    て、各固定子電極は、固定子電極を配列した面内で互い
    に交差する2方向にそれぞれ所定間隔で設定した複数本
    ずつの平行線の格子点上に、互いに離間した形で配置さ
    、上記2方向にそれぞれa本ずつの平行線を選択し、
    それらの平行線によって構成されるa 2 個の格子点上の
    固定子電極を1組の単位電極群とし、各組の単位電極群
    の対応する位置の固定子電極を導電路を介して相互に電
    気的に接続して成ることを特徴とする静電アクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 固定子電極は、上記各方向の平行線のう
    ちの3本ずつが交差する格子点上の合計9個を単位電極
    群とすることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 固定子電極は面状の絶縁体である固定子
    基板の同一平面上に配列され、上記導電路は固定子基板
    の厚み方向に離間して複数層に配置されて成ることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の静電アクチュエ
    ータ。
  4. 【請求項4】 可動子は、フィルム状の誘電体層と、誘
    電体層を挟んで固定子電極とは反対側で誘電体層に積層
    された高抵抗体層とからなり、固定子電極に駆動電圧を
    印加することによって誘電体層と高抵抗体層との境界に
    電荷が静電誘導されることを特徴とする請求項1ないし
    請求項3のいずれかに記載の静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 可動子は、絶縁体の可動子基板の面内で
    互いに交差する2方向にそれぞれ所定間隔で設定した複
    数本ずつの平行線の格子点上に互いに離間した形で配置
    した複数個の可動子電極を備え、上記2方向にそれぞれ
    b本ずつの平行線を選択し、それらの平行線によって構
    成されるb 2 個の格子点上の可動子電極を1組の単位電
    極群とし、各組の単位電極群の対応する位置の可動子電
    極を相互に電気的に接続して成ることを特徴とする請求
    項1ないし請求項のいずれかに記載の静電アクチュエ
    ータ。
  6. 【請求項6】 固定子電極と可動子電極との少なくとも
    一方への駆動電圧の印加パターンを制御する電圧制御手
    段を具備して成ることを特徴とする請求項1ないし請求
    のいずれかに記載の静電アクチュエータ
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