JP3452739B2 - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JP3452739B2
JP3452739B2 JP31344796A JP31344796A JP3452739B2 JP 3452739 B2 JP3452739 B2 JP 3452739B2 JP 31344796 A JP31344796 A JP 31344796A JP 31344796 A JP31344796 A JP 31344796A JP 3452739 B2 JP3452739 B2 JP 3452739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、鉄道、航空
機、船舶等の窓用の遮光装置、各種メータ等の駆動源と
して好適に使用される静電アクチュエータに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、絶縁体に複数の電極を櫛歯状
に設けてなる移動子と固定子とを備え、これら固定子及
び移動子の電極に所定波形の電圧を印加し、電極間に生
じる静電気による吸引力・反発力(クーロン力)によっ
て移動子を駆動するようにした静電アクチュエータが提
供されている。
【0003】この種の静電アクチュエータでは、一対の
移動子と固定子を備えるもの(単層型)が一般的である
(実開平7−16599号公報、、特開平5−1765
58号公報等参照)。この単層型の静電アクチュエータ
において、移動子に対する駆動力を高めるには、上記移
動子及び固定子に設ける電極の面積を大きくする必要が
ある。しかし、一定面積の絶縁体に設ける電極の面積を
大きくするのは製造上の制約から限界がある。また、静
電アクチュエータの用途によっては、配置空間の制約か
ら絶縁体の面積を大きく設定することができないことも
ある。そのため、単層型の静電アクチュエータでは、十
分な駆動力を得ることができない場合がある。
【0004】これに対して、移動子と固定子とを交互に
多数層積層した構造の静電アクチュエータ(積層型の静
電アクチュエータ)が提案されている。例えば、特開平
6−78566号公報には、図14(A)に示すよう
に、連結体1Aに所定間隔をあけて移動子2,2…の一
端を固定してなる移動部材3と、同様に、連結体1Bに
所定間隔をあけて固定子4,4…の一端を固定してなる
固定部材5とを備え、これら移動子2,2と固定子4,
4とが交互に配置されるようにした静電アクチュエータ
が記載されている。
【0005】図14(B)に示すように、この静電アク
チュエータでは、各移動子2の絶縁体6に設けた帯状の
電極7a,7b,7c…7a,7b,7c…のうち2つ
置きに位置する電極7a,7b,7cを接続して3相と
している。また、各固定子4の絶縁体8に設けた電極9
a,9b,9c…9a,9b,9c…のうち2つ置きに
位置する電極9a,9b,9cを相互に接続して3相と
している。そして、移動子2及び固定子4の各相の電極
7a〜7c,9a〜9cにそれぞれ位相を異ならせた正
弦波電圧を印加し、移動子2の電極7a〜7cと固定子
4の電極9a〜9cとの間に作用する吸引力・反発力に
より移動子2を固定子4に対して移動させる。
【0006】また、特開平7−274540号公報に記
載された積層型の静電アクチュエータでは、図15に示
すように、各移動子11及び固定子12をそれぞれ絶縁
体13に電極14を設けてなる上層部材15と下層部材
16とを貼り合わせた構造としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図14に
示す特開平6−78566号公報に記載のもののよう
に、移動子2及び固定子4の電極7a〜7c,9a〜9
cを3相構造とする場合、絶縁板6,8にスルーホール
を設けて立体的な配線を行う必要がある。このような立
体的な配線とした場合、各移動子2の両面に駆動力が均
等に作用しないため、移動子2を滑らかに移動させるこ
とができない。また、スルーホール等を設けることによ
り、移動子及び固定子の構造の構造が複雑になる。
【0008】一方、上記図15に示す特開平7−274
540号公報に記載のもののように、移動子11及び固
定子12を上層部材15と下層部材16からなる2層構
造とすれば、移動子11の両面に均等に駆動力が作用す
る。しかし、この場合、移動子や固定子を通常の構造と
した場合と比較して2倍の個数の電極が必要であり、配
線構造が複雑となるため製造コストが増大する。
【0009】本発明は、上記従来の積層型の静電アクチ
ュエータにおける問題を解決するためになされたもので
あり、構造が簡単であり、かつ、移動子を滑らかに移動
させることができる積層型の静電アクチュエータを提供
することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、第1の絶縁板に複数の電極を所定間隔をあ
けて配設した複数の固定子と、第2の絶縁板に複数の
極を所定間隔をあけて配設した複数の移動子とを備え、
上記固定子と移動子を所定間隔をあけて交互に積層する
と共に、固定子及び移動子をそれぞれ一体に連結してな
り、移動子の電極と固定子の電極の間に発生する静電気
による吸引力及び反発力によって移動子を駆動する積層
型の静電アクチュエータであって、上記移動子の電極を
一つ置きに配設された電極毎に互いに接続して2相とす
ると共に、上記固定子の電極を一つ置きに配置された電
極毎に互いに接続して2相とし、上記移動子及び固定子
の少なくとも一方において、隣接する2つの電極の間に
接地部を設け、上記固定子の各電極は、上記第1の絶縁
板の一方の表面までの距離と、他方の表面までの距離と
が等しくなるように設けられ、かつ、上記移動子の各電
極は、上記第2の絶縁板の一方の表面までの距離と、他
方の表面までの距離とが等しくなるように設けられてい
ることを特徴としている。固定子及び移動子の電極を2
相としたため、スルーホール等の立体的な配線構造を設
ける必要がなく、構造が簡単になる。また、上記移動子
及び固定子の少なくとも一方において、隣接する2つの
電極の間に接地部を設けている。これによって、移動子
や固定子の帯電を防止することができる。さらに、固定
子の各電極は、第1の絶縁板の一方の表面までの距離
と、他方の表面までの距離とが等しくなるように設けら
れ、かつ、移動子の各電極は、第2の絶縁板の一方の表
面までの距離と、他方の表面までの距離とが等しくなる
ように設けられている。これによって、移動子の両面に
駆動力が均等に作用するため、移動子をより滑らかに駆
動することができる。
【0011】上記固定子及び移動子のうち少なくとも一
方において、電極の幅及び/又は間隔を不均一とするこ
とが好ましい。これによって、移動子を滑らかに駆動さ
せることができる。
【0012】
【0013】
【0014】なお、上記移動子は、固定子に対して相対
的に直進移動するものであってもよく、固定子に対して
相対的に回転するものであってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す実施形態に基づ
いて本発明を詳細に説明する。図1及び図2に示す、本
発明の第1実施形態に係る積層型の静電アクチュエータ
は、移動部材21、固定部材22、電圧切換手段23、
制御手段25、操作スイッチ26及び高圧電源27を備
えている。
【0016】移動部材21は、図1に示すように、連結
板29Aにその一端が連結された複数の移動子30,3
0…を備えている。各移動子30は互いに平行、かつ、
等間隔に配置されている。
【0017】移動子30は、図3(A),(B)に示す
ように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹
脂からなる長方形状の絶縁板31内に、導電性を有する
金属からなり細長い長方形帯状の複数の電極32a,3
2b…32a,32b…を、絶縁板31の長さ方向に櫛
歯状に設けている。これらの電極32a,32bは一つ
置きに位置する電極32a,32b毎に絶縁板31の幅
方向の両側に設けた給電部33A,33Bに接続されて
おり、一方の給電部33Aに接続された電極32a,3
2a…がa相を構成し、他方の給電部33Bに接続され
た電極32b,32b…がb相を構成している。これら
a相及びb相の電極32a,32bは、絶縁板31の一
方の表面31aからの距離t1と他方の表面31bから
の距離t2が等しくなるように絶縁板31内に設けてい
る。
【0018】一方、固定部材22も、移動部材21と同
様に、連結板20Bにその一端が連結された複数の固定
子35,35…を備え、これらは互いに平行に、かつ、
等間隔に配置されている。
【0019】固定子35は、図4(A),(B)に示す
ように、PET等の樹脂からなる長方形状の絶縁板36
内に、導電性を有する金属からなり、細長い長方形帯状
の複数の電極37a,37b…37a,37b…を、絶
縁板36の長さ方向に櫛歯状に設けている。これらの電
極37a,37bは一つ置きに位置する電極37a,3
7b毎に絶縁板36の両側に設けた給電部38A,38
Bに接続され、一方の給電部38Aに接続された電極3
7a,37a…がU相を構成し、他方の給電部38Bに
接続された電極37b,37b…がV相を構成してい
る。これらU相及びV相の電極37a,37bは、絶縁
板36の一方の表面36aからの距離t3と他方の表面
36bからの距離t4が等しくなるように設けている。
【0020】また、固定子35には、グランド39に接
続され、常時電位が“0”である接地部40を設けてい
る。この接地部40は、図4(A)に示すように、導電
性を有する金属材料を電極37a,37bの間に蛇行状
に設けてなる。具体的には、接地部40は、任意のV相
の電極37bと、この電極37bに対して図において右
側に隣接するU相の電極37aとの間に設けた太幅矩形
状の第1部分40aと、任意のU相の電極37aと、こ
の電極37aに対して図において右側に隣接するV相の
電極37bとの間に設けた細幅矩形状の第2部分40b
とを備えている。これら第1部分40aと第2部分40
bは、電極37a,37bに対して平行であり、給電部
38A,38Bに対して平行に設けた細幅の接続部40
cにより直列に接続されている。また、接地部40は、
上記U相及びV相の電極37a,37bと同様に、絶縁
板36の一方の表面36aからの距離t5と他方の表面
からの距離t6とが等しくなるように設けている。
【0021】このように固定子35では、図において右
側に向けて順に設けたV相の電極37b、接地部40の
第1部分40a、U相の電極37a及び接地部40の第
2部分40bからなるサイクルCを繰り返すように、電
極37a,37b及び接地部40が設けられている。
【0022】本実施形態では、上記のように移動子30
の電極32a,32bと固定子35の電極37a,37
bを共に2相としているため、移動子30及び固定子3
5のいずれにもスルーホールを設ける必要がなく、移動
子30及び固定子35の構造が簡単である。また、固定
子及び移動子の電極を3相とした場合と比較して、後述
する電圧の極性の切り換えに必要なスイッチの個数を低
減することができる。
【0023】移動子30の電極32a,32bと固定子
35の電極37a,37b及び接地部40の幅及びそれ
らの間隔を、以下のように設定している。
【0024】図3(A)に示すように、移動子30のa
相の電極32aとb相の電極32bを同一幅d1として
いる。また、移動子30の電極32a,32b間の間隔
はすべて同一間隔d’1としている。そのため、任意の
a相の電極32aと、この電極32aの図において右側
に隣接するb相の電極32bとのピッチをL1、任意の
b相の電極32bと、この電極32bの図において右側
に隣接するa相の電極32aとのピッチをL2とする
と、L1:L2が1:1となっている。
【0025】図4(A)に示すように、固定子35で
は、U相の電極37aとV相の37bを同一幅d2とし
ており、この幅d2は、上記した移動子30の電極32
a,32bの幅d1と同一である。また、接地部40の
第1部分40aの幅d3は、上記U相及びV相の電極3
2a,32bの2倍に設定し、第2部分40bの幅d4
は、第1部分40aの幅d3の1/5に設定している。
さらに、電極37a,37b及び接地部40の第1部分
40a、第2部分40b間を同一間隔d’2に設定して
おり、この間隔d’2は上記移動子30の間隔d’1の
5/6である。よって、固定子35では、U相の電極3
7aとV相の電極37bの間の間隔が不均一となってい
る。すなわち、任意のV相の電極37bと、この電極3
7bの図において右側に隣接するU相の電極37aとの
ピッチをL3、任意のU相の電極37aと、この電極3
7bの図1中右側に隣接するU相の電極37aとのピッ
チをL4とすると、L3:L4が5:3となっている。
【0026】上記幅d1〜d3及び間隔d’1,d’2
の比は、d1:d2:d3:d’1:d’2=10:1
0:20:4:6:5となっている。よって、固定子3
0における上記1回のサイクルCの長さと、移動子30
におけるU相の電極37aとV相の電極37bの組を2
回繰り返した長さC’とが同一である。
【0027】図2に示すように、電圧切換手段23は、
スイッチSW1〜SW8を備え、各移動子30及び固定
子35の電極32a,32b,37a,37bは、電圧
切換手段23を介して高圧電源27側に接続されてい
る。なお、図2では、説明のために一対の移動子30及
び固定子35のみを図示している。
【0028】移動子30のa相の電極32aは、給電部
33AからスイッチSW1を介して高圧電源27の
“−”側とグランド39とに接続されている。また、移
動子30のb相の電極32bは、給電部33Bからスイ
ッチSW2を介して高圧電源27の“+”側とグランド
39とに接続されている。
【0029】固定子35のU相の電極37aは、給電部
38Aから、スイッチSW3を介して高圧電源27の
“−”側と接続し、スイッチSW5を介して高圧電源2
5の“+”側と接続し、さらに、スイッチSW7を介し
てグランド39に接続している。同様に、上記固定子3
5のV相の電極37bは、給電部38Bから、スイッチ
SW4,SW6,SW8を介して、高圧電源27の
“−”側と“+”側及びグランド39に接続されてい
る。
【0030】制御手段25は、電圧切換手段23のスイ
ッチSW1〜SW8を以下のように切り換えて、各移動
子30及び固定子35の電極32a,32b,37a,
37bに印加する電圧の極性を変化させる。
【0031】まず、移動子30の電極32a,32bに
“−”又は“+”の高電圧を印加する場合には、スイッ
チSW1,SW2をa1,b1側に切り換える。また、
これらの電極a1,b1をグランド39に接続する場合
には、スイッチSW1,SW2をa2,b2側に切り換
える。
【0032】一方、固定子35の電極37a,37bに
“−”の高電圧を印加するときには、制御手段25はス
イッチSW3,SW4を閉成し、スイッチSW5〜SW
8を開成する。また、固定子35の電極37a,37b
に“+”の高電圧を印加するときには、制御手段25は
スイッチSW5,SW6を閉成し、スイッチSW3,S
W4及びスイッチSW7,SW8を開成する。さらに、
固定子35の電極32a,32bの電位を“0”にする
場合は、スイッチSW7,SW8を閉成すると共に、ス
イッチSW3〜SW6を開成する。
【0033】次に、第1実施形態の動作について説明す
る。この静電アクチュエータでは、操作スイッチ26の
設定に応じて移動子30の電極32a,32bに固定的
に電圧を印加する一方、固定子35の電極37a,37
bに周期的に極性を切り換えて高電圧を印加する。図5
において、時刻tまでは、操作スイッチ26が“停
止”に設定されている。この間、スイッチSW1,SW
2はa2,b2側、スイッチSW3〜SW6は開状態、
スイッチSW7,SW8は閉状態である。そのため、移
動子30の電極32a,32b及び固定子35の電極3
7a,37bの電位は“0”である。よって、電極32
a〜37b間にクーロン力は作用せず、移動子30は停
止状態にある。
【0034】時刻t以降は、操作スイッチ26が“右
側に移動”に設定される。この時、移動子30のa相の
電極32aには“+”の高電圧が固定的に印加され、移
動子30のb相の電極32bには“−”の高電圧が固定
的に印加される。一方、固定子35のU相及びV相の電
極37a,37bに対して、極性を周期的に切り換えて
電圧が印加される。この固定子35に対して印加する電
圧の極性の切り換えの周期Tは、等時間間隔αの8個の
ステップからなる。また、U相の電極37aとV相の電
極37bに対して同一のパターンで極性及び電圧値を切
り換えているが、V相はU相に対して2ステップ(1/
4*T)分だけ位相を遅らせて極性を切り換えている。
【0035】まず、第1のステップ(図5の時刻t
ら時刻t)では、図6(A)に示すように、U相:
“0”、V相:“−”とする。第2のステップ(図3の
時刻tから時刻t)では、図6(B)に示すよう
に、U相:“−”、V相:“−”とする。第3のステッ
プ(図5の時刻tから時刻t)では、図6(C)に
示すように、U相:“−”、V相:“0”とする。第4
のステップ(図5の時刻tから時刻t)では、図7
(A)に示すように、U相:“−”、V相:“+”とす
る。第5のステップ(図5の時刻tから時刻t)で
は、図7(B)に示すように、U相:“0”、V相:
“+”とする。第6のステップ(図5の時刻tから時
刻t)では、図7(C)に示すように、U相:
“+”、V相:“+”とする。第7のステップ(図5の
時刻tから時刻t)では、図8(A)に示すよう
に、U相:“+”、V相:“0”とする。第8のステッ
プ(図5の時刻tから時刻t)では、図8(B)に
示すように、U相:“+”、V相:“−”とする。以
降、この周期Tを繰り返して電圧を印加する。例えば、
時刻tから時刻tは時刻tから時刻t1と同じく
U相:“0”、V相:“−”とする。
【0036】上記のように移動子30及び固定子35の
電極32a〜37bに電圧を印加すると、上記図6から
図8に示すように、移動子30の電極32a,32bと
固定子35の電極37a,37bの間との作用する吸引
力・反発力によって、各移動子30が各固定子35に対
して図において右方向に移動する。上記のように各移動
子30の一端は連結板29Aによって連結されているた
め、移動部材21全体が図において右側に移動する。な
お、操作スイッチ26が“左側に移動”に設定された場
合には、固定子35の電極37a,37bに対して同一
パターンで、かつV相の電極37bに対して、U相の電
極37aより2ステップだけ位相を進ませて、極性を切
り換えて電圧を印加し、これによって移動部材21全体
が図において左側に移動する。
【0037】この静電アクチュエータでは、上記のよう
に複数の移動子30及び固定子35を積層しているた
め、投影面積あたりの駆動力が高い。
【0038】また、固定子35の電極37a,37bの
間隔を不均一としているため、移動子30を滑らかに駆
動させることができる。
【0039】さらに、移動子30、固定子35とも絶縁
板31,36の両面から電極32a〜37bまでの距離
を等しく設定しているため、各移動子30の両面に駆動
力が均等に作用し、各移動子30をより滑らかに駆動す
ることができる。
【0040】さらにまた、上記のように固定子35で
は、U相の電極37aとV相の電極37bとの間に、常
時電位が“0”に保持される接地部40を設けているた
め、固定子35の絶縁板36の帯電を防止することがで
きる。上記図5に示すように、時刻t〜t、時刻t
〜tでは、固定子35のU相の電極37aに印加さ
れる電圧と、V相の電極37bに対して印加される電圧
の極性が同じであるため、これらの電圧は絶縁板36を
逆極性に帯電させるように作用する。例えば、上記時刻
〜tであれば、絶縁板36を“+”に帯電させよ
うとする作用が働く。しかし、電極37a,37b間に
電位が“0”である接地部40を設けているため、絶縁
板36の帯電を防止することができ、帯電による駆動力
の低下を防止することができる。
【0041】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。なお、図9から図13において、第1実施形態と
同一の要素には同一の符号を付している。
【0042】図9から図13に示す本発明の第2実施形
態に係る静電アクチュエータは、移動子42が固定子4
3に対して相対的に回転する回転型の静電アクチュエー
タであり、円板状の移動子42と固定子43とを交互に
積層してなる。
【0043】移動子42の絶縁板44は、両端が閉鎖さ
れた中空円管部材からなる回転軸46に等間隔で取り付
けられている。図12に示すように、回転軸46の周壁
46aにねじ部材47を貫通させており、このねじ部材
47を中心孔44aの周壁に螺合することにより絶縁板
44を回転軸46に固定している。なお、回転軸46の
下端は、図示しない軸受機構により、図9において矢印
Aで示す方向に回転自在に支持されている。
【0044】移動子42の絶縁板44内には、図10に
示すように、細長い長方形状のa相の電極48a及びb
相の電極48bを中心側から外周側へ向けて放射状に設
けている。
【0045】図12に示すように、移動子42の絶縁板
44の内周側には、円環状のa相及びb相の給電部49
A,49Bを厚さ方向に間隔をあけて配設している。各
給電部49A,49Bには、所定間隔で絶縁板44の厚
さ方向中央部まで突出する突部50,51を設けてお
り、電極48a,48bはこれら突部50,51の先端
から絶縁板44の外周側に向けて突出している。そのた
め、第1実施形態と同様、電極48a,48bから絶縁
板44の上下面44a,44bまでの距離が等しい。各
給電部49A,49Bの一部には線状の導体53,54
の一端が接続しており、この導体53,54は上記回転
軸46の中空部を介して上記電圧切換手段23に接続し
ている。
【0046】各固定子43の絶縁板55は、その外周を
上記回転軸46に対して平行に設けた一対のフレーム部
材57,57に接着して固定している。これらフレーム
部材57は、上下端部がL状に屈曲した長尺な箱状の本
体57aと、この本体57aの内部を閉鎖する蓋57b
とからなる。また、各固定子43の絶縁板55の中心部
には、上記回転軸46を遊挿する挿通孔55aを設けて
いる。
【0047】固定子43の絶縁板55内には、図11に
示すように、細長い長方形状のU相の電極58a、V相
の電極58b、接地部59の第1部分59a及び第2部
分59bを放射状に設けている。
【0048】図13に示すように、絶縁板55の外周側
に、円環状のU相及びV相の給電部60A,60Bを厚
さ方向に間隔をあけて設けている。また、V相の給電部
60Bのさらに外周側には、接地部59の環状の接続部
59cを設けている。上記U相及びV相の電極58a,
58bは給電部60A,60Bから絶縁板55の厚さ方
向中央部まで突出する突部61,62の先端より回転軸
46へ向けて突出している。また、上記接地部59の第
1部分59a及び第2部分59bも、接続部59cから
絶縁体55の厚さ方向中央部まで突出する突部59d,
59eの先端から回転軸46側へ突出している。そのた
め、電極58a,58b及び接地部59の第1部分59
a及び第2部分59bから絶縁板55の上下面での距離
は等しい。
【0049】上記給電部60A,60Bには線状の導体
63,64の一端が接続している。これらの導体63,
64は、一方のフレーム部材57の内部を介して上記電
圧切換手段23に接続している。また、上記接地部59
の接続部59cに接続された線状の導体65がフレーム
部材57の内部を介してグランドに接続している。
【0050】このように、第2実施形態も、移動子42
及び固定子43を2相構造としているため、絶縁板4
4,55にスルーホール等の立体的な配線を設ける必要
がない。
【0051】第2実施形態では、電極の幅及び間隔を回
転軸46回りの角度により規定している。すなわち、図
10及び図11に示すように、移動子42の電極48
a,48bの広がり角度をθ1、間隔の広がり角度を
θ’1、固定子43の電極58a,58bの広がり角度
をθ2、接地部59の第1部分60a、第2部分の広が
り角度をθ3,θ4、間隔の広がり角度をθ’2とする
と、θ1:θ2:θ3:θ4:θ’1:θ’2=10:
10:20:4:6:5に設定している。そして、移動
子42が1回転するのに図10のサイクルCをN個分要
する場合には、上記比率に(360°/64N)を乗じ
た角度に設定すればよい。
【0052】第2実施形態の静電アクチュエータも、上
記第1実施形態と同様に、図5に示すような波形の高電
圧を印加すると、移動子42の電極48a,48bと固
定子43の電極58a,58bの間に作用する静電気に
よる吸引力・反発力により移動子42が駆動される。上
記のように電極48a〜58b及び接地部59の絶縁板
44,55の両面からの距離を等しく設定しているた
め、各移動子42の両面に作用する駆動力が均等に作用
するため、シャフト46は滑らかに回転する。また、固
定子43に常時電位が“0”に保持される接地部59を
設けているため、固定子43の絶縁板55の帯電を防止
することができる。
【0053】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上
記実施形態では、移動子の電極に対して極性を固定して
電圧を印加し、固定子の電極に対して極性を切り換えて
電圧を印加しているが、これとは逆に移動子の電極に極
性を切り換えて電圧を印加し、固定子の電極に対して極
性を固定して電圧を印加してもよい。
【0054】また、上記実施形態では、スイッチにより
電圧の極性を切り換えているが、固定子及び移動子の電
極に交流波形の電圧を印加することにより移動子を駆動
する構成としてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る積層型の静電アクチュエータでは、移動子及び固
定子の電極を2相としているため、スルーホール等の立
体的な配線構造を設ける必要がなく、構造が簡単にな
さらに、隣接する2つの電極の間に接地部を設けて
いることにより、移動子や固定子の帯電を防止すること
ができる。さらにまた、上記電極から移動子や固定子の
両面までの距離を等しく設定することにより、移動子の
両面に均等に駆動力が均等に作用し、移動子をより滑ら
かに駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す概略構成図である。
【図3】 (A)は移動子の平面図、(B)は(A)の
III−III線での断面図である。
【図4】 (A)は固定子の平面図、(B)は(A)の
IV−IV線での断面図である。
【図5】 移動子及び固定子の電極に印加する電圧の波
形を示す波形図である。
【図6】 (A),(B)及び(C)は移動子の移動状
態を説明するための概略図である。
【図7】 (A),(B)及び(C)は移動子の移動状
態を説明するための概略図である。
【図8】 (A)及び(B)は移動子の移動状態を説明
するための概略図である。
【図9】 本発明の第2実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す一部破断斜視図である。
【図10】 図9の部分Xの部分拡大平面図である。
【図11】 図9の部分XIの部分拡大平面図である。
【図12】 図9の部分VIIの部分拡大分解斜視図であ
る。
【図13】 図9の部分VIIIの部分拡大分解斜視図であ
る。
【図14】 (A)は従来の積層型静電アクチュエータ
の一例を示す斜視図(B)は(A)の静電アクチュエー
タの配線構造を示す概略図である
【図15】 従来の積層型静電アクチュエータの他の例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
21 移動部材 22 固定部材 23 電圧切換手段 25 制御手段 26 操作スイッチ 27 高圧電源 30,42 移動子 35,43 固定子 32a,32b,37a,37b,48a,48b,5
8a,58b 電極 40,59 接地部 46 回転軸
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−194147(JP,A) 特開 平2−311186(JP,A) 特開 平4−281371(JP,A) 特開 平6−78566(JP,A) 特開 平9−51685(JP,A) 特開 平5−176558(JP,A) 特開 平7−274540(JP,A) 実開 平7−16599(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 1/00 H02N 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の絶縁板に複数の電極を所定間隔を
    あけて配設した複数の固定子と、第2の絶縁板に複数の
    電極を所定間隔をあけて配設した複数の移動子とを備
    え、上記固定子と移動子を所定間隔をあけて交互に積層
    すると共に、固定子及び移動子をそれぞれ一体に連結し
    てなり、移動子の電極と固定子の電極の間に発生する静
    電気による吸引力及び反発力によって移動子を駆動する
    積層型の静電アクチュエータであって、上記移動子の電極を一つ置きに配設された電極毎に互い
    に接続して2相とすると共に、上記固定子の電極を一つ
    置きに配置された電極毎に互いに接続して2相とし、 上記移動子及び固定子の少なくとも一方において、隣接
    する2つの電極の間に接地部を設け、 上記固定子の各電極は、上記第1の絶縁板の一方の表面
    までの距離と、他方の表面までの距離とが等しくなるよ
    うに設けられ、かつ、 上記移動子の各電極は、上記第2の絶縁板の一方の表面
    までの距離と、他方の表面までの距離とが等しくなるよ
    うに設けられていることを特徴とする、 静電アクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 上記移動子は固定子に対して相対的に直
    進移動するものであることを特徴とする請求項1に記載
    の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記移動子は固定子に対して相対的に回
    転するものであることを特徴とする請求項1に記載の静
    電アクチュエータ。
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