JP4015119B2 - 静電モータ - Google Patents
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Description
従来の電磁力を利用する電機モータにおいては、磁気コイルや永久磁石等の磁力を発生させる部材を必要とし、小型に形成することが難しい。しかし、静電モータは、磁気コイルや永久磁石等の質量の大きい要素を必要としないことから、超小型のモータを形成することができマイクロマシンの駆動源等に利用される。
図19は、直動型の静電モータの概要説明図である。固定子用フィルム型電極1には、絶縁体4中に銅箔等の導電性の帯状薄膜又は細いワイヤ等で形成された各相の電極部3が埋め込まれている。同様に移動子用フィルム型電極2においても絶縁体4中に同様な電極部3が埋め込まれている。固定子用フィルム型電極1及び移動子用フィルム型電極2にそれぞれの各相端子には、多相交流電源の各相出力が接続され固定子用フィルム型電極1及び移動子用フィルム型電極2にそれぞれ進行波電界を発生させて、その進行波電界によって移動子用フィルム型電極2を固定子用フィルム型電極1に対して直動させる。大きな力を発生させるために固定子用フィルム型電極1と移動子用フィルム型電極2の組みを複数組み積層して直動型静電モータを構成する。
ベースフィルム4aに電極部3a〜3c、該電極部3a〜3cに接続される通電路5a〜5cのパターンを形成するまでは従来の静電モータの製造方法と同一である。すなわち、ベースフィルム4aに接着された銅箔等の導電体で構成される帯状薄膜から電極部3a〜3c及び通電路5a〜5cを形成するパターンをエッチング等によって形成する。スルーホールを設けてメッキして導電部スルーホール導電部7を形成しベースフィルム4aの一方の面に設けられた通電路5bと他方の面に形成されている電極部3bとを電気的に接続する。この第1の実施形態では、電極部3a〜3cを設けた側に第1、第3の電極部3a、3cに通電するための通電路5a、5cを設け、ベースフィルム4aの反対側の面に第2の電極部3bに通電するための通電路5bを設けている。
そこで、図4に示すように、固定子用フィルム型電極1の駆動用電極部面に対向させて移動子用フィルム型電極2の駆動用電極部面を対向させて、この固定子用フィルム型電極1と移動子用フィルム型電極2の組を複数組み、固定子用及び移動子用フィルム型電極1,2のそれぞれのスルーホール導電部6a〜6cが同一線上になるように配置して、該スルーホールに通電ピン11を挿入することによって、各固定子用フィルム型電極1の各電極部、移動子用フィルム型電極2の各電極部に通電できるようにする。又、図27(b)に示した従来例と同様に、導電ゴムや導電性の金属バネで形成された接続部品12をスペーサ部材10のスルーホール導電部に挿入は、その先端で固定子用フィルム型電極1及び移動子用フィルム型電極2のスルーホール導電部6a〜6cに当接又は嵌合させて導電部と接続するようにしてもよいものである。
その後、各固定子用フィルム型電極1を固定子用筐体に固定し、各移動子用フィルム型電極2を移動子用筐体に固定することによって静電モータを得る。
図5に示されるように、ベースフィルム4a’は、一端部が段差をもって突出して成形されており、電極部3a〜3cを設ける側は、段差のない平面部とし、かつこの突出したスペーサ部材10’を形成する部分に各電極部3a、3bに通電するための通電路5a、5bを設けている。この第2実施形態では、電極部3a〜3cを設けた平面側に第1の電極部3aに通電するための通電路5aを設け、反対面に第2の電極部3bに通電する通電路5bを設けて、スルーホール導電部7によって反対面に配置された第2の電極部3bに電気的に接続するように構成している。又、第3の電極部3cへの通電路5cは、電極部3a〜3cを設けた平面側に設けられている。なお、この段差を持ったベースフィルム4a’は、押し出し成形、射出成形等で成形することができる。
その後、各固定子用フィルム型電極1を固定子用筐体に固定し、各移動子用フィルム型電極2を移動子用筐体に固定することによって静電モータをうる。
電極部3a〜3c,通電路5a〜5c及びスルーホールが設けられ、各スルーホールにはメッキが施されて導電部6a〜6c、7が形成されたベースフィルム4aに対して、一方の面には、段差のないカバーフィルム4bを接着し、他方の面には、スペーサ部材10''を形成する段差を備えたカバーフィルム4b’を接着し、図10に示すような固定子用及び移動子用フィルム型電極1,2を得る。図11はこのフィルム型電極1,2の断面図である。なお、カバーフィルム4b,4b’に設けるスルーホールは、ベースフィルム4aに接着した後若しくは接着する前に加工する。
この第4の実施形態では、図13に示すように、ベースフィルム4a''には、各相の電極部への通電路の内、第1の電極部3aへの通電路5aしか形成されていない。図1に示される第1の実施形態におけるベースフィルム4aと比較し、第2、第3の電極部3b、3cへの通電路5b,5cが設けられていない。この第4の実施形態では、ベースフィルム4a''には、各相の電極部3a,3b,3c、と第1の相の電極部3aに通電する電通路5a、スペーサ部材15に設けられる第2、第3の相の電通路5b,5cとの接続のためのスルーホール導電部7,7と第2,第3の相の電源に接続されるスルーホール導電部6b,6cとを接続する電通路が設けられている。このベースフィルム4a’の上面及び下面にカバーフィルム4b,4bを接着し、固定子用、移動子用フィルム型電極1(2)を形成する。
一方、スペーサ部材15は、電通路5b,5cを形成するベースフィルム15aとカバーフィルム15b、15b’で構成されている。ベースフィルム15aには、一方の面に、第2の電極部3bに接続される通電路5bが、他方の面には、第3の電極部3cに接続される通電路5cが、エッチング等で設けられている。そして、このスペーサ部材15のベースフィルム15aの下面にカバーフィルム15b’を接着し、図15、図16に示すように、このスペーサ部材15のベースフィルム4a’と下面側に接着しされたカバーフィルム15b’からなるスペーサ部材15の一部を形成する部材をフィルム型電極1,2に接着し、その後、ドリル等でスルーホール導電部6a〜6c、7の穴加工を行い、さらにするスルーホールメッキを行い導電部を形成した後、スペーサ部材15の最外面にカバーフィルム15bを接着し又は塗布して、スペーサ部材を備えたフィルム型電極を得る。以後は第1〜第3の実施形態と同様に、固定子用フィルム型電極1の駆動用電極部面に対向させて、移動子用フィルム型電極2の駆動用電極部面を対向させ、第1、第2の実施形態と同様にスルーホールに通電ピン11または、通電ゴムや導電部材の金属のバネ等の接続部品12で、各固定子用フィルムの各電極部、各移動子用フィルム型電極2の各電極部に通電できるようにする。その後、各固定子用フィルム型電極1を固定子用筐体に固定し、各移動子用フィルム型電極2を移動子用筐体に固定することによって静電モータを得る。
2 移動子用フィルム型電極
3 電極部
4 絶縁体
3a,3b,3c 第1,第2,第3の相の電極部
4a ベースフィルム
4b カバーフィルム
5a,5b,5c 第1,第2,第3の相の通電路
6a,6b,6c 第1,第2,第3の相の電源接続用スルーホール導電部
7 スルーホール導電部
10 スペーサ部材
11 通電ピン
12 接続部品
Claims (12)
- 電極部と、ベースフィルムと、カバーフィルムとを有する固定子用及び移動子用フィルム型電極を微小間隔で積層した静電モータであって、前記微小間隔を形成するための段差が前記各フィルム型電極に形成されていることを特徴とする静電モータ。
- 前記段差は、前記ベースフィルムにスペーサ部材を接着して形成し、前記ベースフィルムと前記スペーサ部材とを前記カバーフィルムで覆って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電モータ。
- 前記スペーサ部材は厚み方向の通電機能を有することを特徴とする請求項2に記載の静電モータ。
- 前記スペーサ部材は厚み方向の通電機能に加えて厚み方向以外の通電路パターンを有することを特徴とする請求項2に記載の静電モータ。
- 電極部と、ベースフィルムと、カバーフィルムとを有する固定子用及び移動子用フィルム型電極を微小間隔で積層した静電モータであって、前記微小間隔を形成するための段差が、前記ベースフィルムに段差をもたせて一体的に成形されていることを特徴とする静電モータ。
- 電極部と、ベースフィルムと、カバーフィルムとを有する固定子用及び移動子用フィルム型電極を微小間隔で積層した静電モータであって、前記微小間隔を形成するための段差が、前記カバーフィルムに段差をもたせて一体的に成形されていることを特徴とする静電モータ。
- 各フィルム型電極間に前記微小間隔を形成するためのスペーサ部材を前記各フィルム型電極に接着して前記段差が形成されている請求項1に記載の静電モータ。
- 前記スペーサ部材は厚み方向の通電機能を有することを特徴とする請求項7に記載の静電モータ。
- 前記スペーサ部材は厚み方向の通電機能に加えて厚み方向以外の通電路パターンを有することを特徴とする請求項7に記載の静電モータ。
- 前記電極部が設けられた前記ベースフィルムに前記段差を形成するためのスペーサ部材がリベットまたはネジにて固定され、前記ベースフィルムと前記スペーサ部材とが前記カバーフィルムで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の静電モータ。
- 前記フィルム型電極にスペーサ部材をリベットまたはネジにて固定し、前記段差が形成されている請求項1に記載の静電モータ。
- 前記請求項1乃至11の内いずれか1項に記載された固定子用フィルム型電極と移動子用フィルム型電極を前記段差によって微小間隔をもって対向配置して形成された1単位の静電モータを、複数組み積層して形成された静電モータ。
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