JP2005065467A - 静電アクチュエータ及びその制御方法 - Google Patents

静電アクチュエータ及びその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005065467A
JP2005065467A JP2003296035A JP2003296035A JP2005065467A JP 2005065467 A JP2005065467 A JP 2005065467A JP 2003296035 A JP2003296035 A JP 2003296035A JP 2003296035 A JP2003296035 A JP 2003296035A JP 2005065467 A JP2005065467 A JP 2005065467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
stator
electrostatic actuator
voltage
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003296035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4464638B2 (ja
Inventor
Masahiko Gondo
雅彦 権藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2003296035A priority Critical patent/JP4464638B2/ja
Priority to US10/902,563 priority patent/US20050040729A1/en
Publication of JP2005065467A publication Critical patent/JP2005065467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4464638B2 publication Critical patent/JP4464638B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • H02N1/002Electrostatic motors
    • H02N1/004Electrostatic motors in which a body is moved along a path due to interaction with an electric field travelling along the path

Landscapes

  • Micromachines (AREA)

Abstract

【課題】簡易な構成で且つ精度の良い位置制御が可能な静電アクチュエータを提供すること。
【解決手段】静電アクチュエータは、所定周期に配置された櫛歯状電極を有する移動子と、所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子とを備え、移動子の櫛歯状電極に交流発生装置21により第1交流電圧を印加して該櫛歯状電極の配列に第1進行波を発生させ、また、固定子の駆動電極に交流駆動源20により第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に第2進行波を発生させるとき、交流源制御装置50の演算回路52は、その第1進行波と第2進行波の位相差を変化させることによって移動子の変位を制御する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、静電気の作用によって動作する静電アクチュエータ及びその制御方法に関する。
従来のアクチュエータやモータは主に電磁力の作用によって動作するものであって、永久磁石や鉄心などの重量が大きく重いもので、且つ巻き線に流れる電流損失のため発熱が大きいものであった。
一方、電磁力以外のアクチュエータとして、超音波アクチュエータや超音波モータが知られているが、これらは圧電振動子の摩擦力によって駆動されるために常時駆動するには摩擦劣化のために寿命が短く、精度良い位置決めを行うにはエンコーダなどの位置センサを用いて制御する必要があった。
さらに、超音波アクチュエータを小さくするためには、圧電体の共振周波数を上げる必要があり、周波数を上げると低速で動作させるのが難しいといった欠点があった。
これらを解決するために、静電力を利用した静電アクチュエータが幾つか提案・研究されており、比較的大きな力が発生できるものに次の代表的な2つの提案がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
即ち、特許文献1には、固定子と移動子の両方に、所定の間隔を設けて配置された複数の帯状電極を有して、固定子電極側と移動子電極の両者に交流電源を接続・印加して、それらの間に作用する静電力で移動子を変位駆動させる静電アクチュエータが開示されている。
また、特許文献2には、固定子と移動子を有し、所定の表面抵抗率を持ったフィルムで構成された移動子へ固定子側から電荷の充電を行い、移動子内の誘電体の分極時間遅れを利用して、固定子との間で静電力を起こさせて変位駆動力を得る接触型静電アクチュエータが開示されている。
特開平6−78566号公報 特開平2−285978号公報
しかしながら、これらの提案は、それぞれ次のような問題があり、実用化されるに至っていない。
即ち、固定子電極と移動子電極の両方に交流電源を印加する上記特許文献1に開示の静電アクチュエータは、移動子電極へ接続するための電荷供給線が必要であり、移動子の繰り返し運動に伴い電荷供給線の疲労劣化が起こり断線の心配があり信頼性上好ましくない。また、複数の帯状電極を円周放射状に並べた回転型アクチュエータ(モータ)においては、移動子である回転体に接続するためのスリップリングなどの回転伝導部材が必要になり、回転部の摩擦の問題や機構が複雑になるといった問題がある。
一方、移動子内の誘電体の分極時間遅れを利用した上記特許文献2に開示の接触型静電アクチュエータは、上記特許文献1に開示の静電アクチュエータのような移動子への電荷供給線は必要ないが、移動子には所定の表面低効率を持ったフィルムや紙などの材質を選定する必要があり、材質が大きく限定される問題がある。また、移動子に電荷を供給するために、駆動する前に行う初期充電や駆動サイクル中に充電期間を設けるなど、複雑なシーケンス制御を必要とする。さらに、充電期間が必要であることから高速駆動は難しかった。
また、上記特許文献1及び2で示される2つの方式において他の共通する問題として、移動子の駆動位置制御がほぼ電極ピッチ相当の精度でしか出来ないことが挙げられる。
特に、上記特許文献1の方法においては低速駆動や静止が不可能であり、この問題点を解決するために、特開平10−248270号公報においては、印加交流電源に搬送波で変調をかけて電極への電荷蓄積が起こらないようにして、低速駆動や静止ができるようにした静電モータを提案している。さらに、特開平9−233858号公報に開示された静電アクチュエータにおいては、移動子の移動時には電極ピッチ間隔でリップル状に速度が変動するために、電極を斜めに配置してその速度リップルを抑えている。
また、移動子の位置制御を電極ピッチ以下で行うために、「高出力静電リニアモータを用いた高精度位置決め制御」精密工学会誌Vol.64, No.9, 1998においては、駆動用電極とは別に位置を検出するセンサを併設して、そのセンサからの信号をもとに閉ループによる位置決め制御することで、細かい位置制御を行っている。
しかし、これらの問題解決策では、搬送波で変調をかける回路が必要になったり、別途精度の高い位置センサを必要とするので、大幅に回路や機構が複雑になる問題があり実用化には至っていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、簡易な構成で且つ精度の良い位置制御が可能な静電アクチュエータ及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明による静電アクチュエータは、
所定周期に配置された電極を有する移動子と、
所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
上記移動子の電極に第1交流電圧を印加して該電極の配列に発生させる第1進行波と、上記固定子の駆動電極に第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、本明細書において、用語「進行波」とは、複数の電極上に形成される時間的に変動する電位の分布のことを表してしている。
また、上記の目的を達成するために、請求項2に記載の発明による静電アクチュエータは、
略平行または同心円状に配置された複数の誘導電極および所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
入れ子状に相対配置された第1電極と第2電極とを有する移動子と、
上記固定子の誘導電極へ第1交流電圧を印加することで上記移動子の第1電極および第2電極へ電荷を誘導させて上記移動子の電極配列に発生させる第1進行波と、上記固定子の駆動電極へ第2交流電圧を印加して上記駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項2に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記移動子は、櫛歯状の端電極が放射状に広がる第1電極と、櫛歯状の端電極が求心して配置される第2電極とが入れ子状に相対して配置された回転する回転子であり、
上記固定子は、円盤円周上に配置された2個以上の誘導電極と所定の周期角をもって複数毎に結線配置された駆動電極が組み込まれたものであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項3に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記回転子と上記固定子とを回転軸を共通にして複数段に積層化し、複数の回転子により発生する回転トルクを回転軸共通として取り出すことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項2に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が直線となるように円筒面内に配置されたものであり、
上記固定子は、円筒直線上に配置された2個以上の誘導電極と直線配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項2に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が円となるように円筒面内に配置された、周回転する移動子であり、
上記固定子は、円筒円周上に配置された2個以上の誘導電極と円周配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、請求項7に記載の発明による静電アクチュエータは、
所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
入れ子状に相対配置された第1電極と第2電極とを有する移動子と、
上記移動子の第1電極と第2電極との間に第1交流電圧を印加して上記移動子の電極配列に発生させる第1進行波と、上記固定子の駆動電極へ第2交流電圧を印加して上記駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項7に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記移動子は、櫛歯状の端電極が放射状に広がる第1電極と、櫛歯状の端電極が求心して配置される第2電極とが入れ子状に相対して配置された回転する回転子であり、
上記固定子は、所定の周期角をもって複数毎に結線配置された駆動電極が組み込まれたものであることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項8に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記回転子と上記固定子とを回転軸を共通にして複数段に積層化し、複数の回転子により発生する回転トルクを回転軸共通として取り出すことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項7に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が直線となるように円筒面内に配置されたものであり、
上記固定子は、直線配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項7に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が円となるように円筒面内に配置された、周回転する移動子であり、
上記固定子は、円周配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項1乃至11の何れかに記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記変位制御手段は、上記第1交流電圧と第2交流電圧の相対位相を、正または負の180度以内の位相オフセットとしてステップ状に変化させて上記移動子の変位を制御することを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項1乃至12の何れかに記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記第1交流電圧と第2交流電圧の周波数差を変化させることによって上記移動子の速度を制御する速度制御手段を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明による静電アクチュエータは、請求項13に記載の発明による静電アクチュエータにおいて、
上記変位制御手段は、上記速度制御手段によって上記第1交流電圧および第2交流電圧の周波数を同一として上記移動子を静止させた上で、上記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、請求項15に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法は、
移動子上に所定周期で配置された電極に第1交流電圧を印加して該電極の配列に第1進行波を発生させ、
固定子上に所定周期で配置された駆動電極に第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に第2進行波を発生させ、
上記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御することを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法は、請求項15に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法において、
上記第1交流電圧と第2交流電圧の相対位相を、正または負の180度以内の位相オフセットとしてステップ状に変化させて上記移動子の変位を制御することを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法は、請求項15又は16に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法において、
上記第1交流電圧と第2交流電圧の周波数差を変化させることによって上記移動子の速度を制御することを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法は、請求項17に記載の発明による静電アクチュエータの制御方法において、
上記第1交流電圧および第2交流電圧の周波数を同一として上記移動子を静止させた上で、上記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で且かつ精度の良い位置制御が可能な静電アクチュエータ及びその制御方法を提供することができる。
特に、本発明の静電アクチュエータは、入れ子状の櫛歯状電極に交番電荷分布をもつ進行波を発生させるとともに、固定子の駆動電極に進行波を発生させて、移動子と固定子に印加させる交流駆動源の位相差に基づき移動子が変位するために、簡単なオープンループ制御で精度良い位置決めができるので、エンコーダなどの位置決めセンサが不要となり、低コストな位置決めシステムを構築することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図であり、該静電アクチュエータの固定子1を図1(B)に、移動子10を図1(C)にそれぞれ示す。
固定子1には、交流発生装置21の出力信号をもとにアンプ23a及び高圧トランス24aを通して発生された高圧電圧が印加されると同時に、上記交流発生装置21の出力信号を位相器22で遅延させた信号を高圧アンプ23b及び高圧トランス24bを通すことで発生された高圧電圧が印加される。この場合、高圧トランス24a,24bの出力は、固定子の駆動電極4へ接続端子A,B,C,Dを通じて印加される。また、交流駆動源20の出力が固定子1の誘導電極3a,3bへ接続端子UとVを通じて印加される。
固定子1の誘導電極3a,3bや駆動電極4は、フィルム状の絶縁体2の中に組み込まれている。この固定子1の上に、移動子10が乗っており、この移動子10は、絶縁体11の中に櫛歯状電極12a,12bが互いに入れ子状になって配置された構成となっている。特徴的なことは、この移動子10には、外部との接続端子が一切なく、静電気エネルギーは上記固定子1の誘導電極3a,3bから取得するようになっている。
図1(A)の状態で、移動子10は固定子1の上を静電力すなわち静電気のクーロン力を受けて左右に変位する。また、図1(C)の櫛歯状電極12a,12bの櫛歯ピッチは、図1(B)の駆動電極4の配列ピッチの2倍となっている。
図2は、移動子10の櫛歯状電極12a,12bへ真電荷を発生するときの、基本となる静電誘導の原理を説明するための図である。二つの電極41,42には外部電源43から電圧Vが印加されており、電極41にはプラスの電荷「+」が、電極42にはマイナスの電荷「−」が供給され、電極間には電界Eが発生する。この状態において、図2(B)に示すように、導体44を電界Eの中に挿入すると電気力線45は切断され、その結果導体44の中の電界がゼロとなるように図2(A)の電気力線46とは逆方向に電気力線47を発生するべく導体44の表面に、マイナスとプラスの電荷が発生する。これは導体中に発生する電荷のことで、誘電分極で起こる電荷と区別するために、「真電荷」と呼ばれている。ここで、導体44に注目してみると、この導体44は外部に接続されていないにも関わらず、電界中にあることで導体の表面にプラスとマイナスの2種の電荷が発生している。これは、単純な常識からすると理解し難い現象であるが、本発明の根幹をなす原理である。
図3は上述した静電誘導の原理を用いて、移動子10の櫛歯状電極12a,12bの櫛歯端電極部に真電荷のプラスとマイナスが交互に配置されるパターンを発生させる原理を説明する図である。固定子1の誘導電極3aには、外部電源43よりプラスが、誘導電極3bにはマイナスが印加されている。このとき、移動子10の櫛歯状電極12aの基部には、上述した静電誘導の原理によりマイナスの真電荷が誘起され、櫛歯状電極12aの櫛歯端にはプラスの真電荷が誘起される。一方、櫛歯状電極12bの基部には同様にしてプラスの真電荷が誘起され、櫛歯端にはマイナスの真電荷が誘起される。2つの櫛歯状電極12a,12bの櫛歯端が対峙する中央付近では電極同士が絶縁されて距離も近ことから、プラスとマイナスの電荷がお互いに引き合い、櫛歯表面にはある程度均一した密度で真電荷が分布する。このように、上述した静電誘導と2つの入れ子状に構成された櫛歯状電極によって、電極中央部付近ではプラスとマイナスの真電荷が交互に分布する交番電荷が形成される。
図4は、移動子10を変位駆動する原理を説明するための図である。図4(A)は移動子10が静止している状態を示すもので、固定子1の駆動電極4A,4B,4C,4Dには、電圧−,−,+,+という具合に2個を一組として同極性電圧が印加されている。一方、移動子10の櫛歯状電極12aと12bが入れ子状になっている中央付近では、+,−,+,−とプラス/マイナスの真電荷が交互に誘導されている。この状態では移動子10の電極ピッチが固定子電極ピッチの2倍であり、固定子電極(駆動電極4A,4B,4C,4D)の電荷と移動子電極(櫛歯状電極12a,12b)の電荷はプラスとマイナスまたはマイナスとプラスで最短距離に位置する関係になり、互いに引き付け合うクーロン力が働き、安定して静止することになる。
図4(B)は、固定子1の駆動電極4A,4B,4C,4Dに電圧+,−,−,+を印加させた場合で、移動子10の櫛歯状電極12a,12bとの静電気のクーロン力により、移動子10が右方向に動こうとする力Fが働く。
より詳細には、櫛歯状電極12a,12bは斜め上右方向、斜め右下方向、上方向、下方向の力ベクトルが各電極に作用し、それらベクトル合成の結果、右方向の力ベクトルとなって力Fが働く。
この状態を保っておくと、図4(C)に示すように、移動子10が電極ピッチPに相当する距離だけ右移動し、固定子1と移動子10とのクーロン力が最大になる位置で静止する。この状態は、ピッチPだけ移動したことを除けば図4(A)と同じであり、変位後は安定して静止している。
次に、左方向へ変位する原理について説明する。図4(A)の状態から、図4(D)に示すように固定子1の駆動電極4A,4B,4C,4Dに、電圧−,+,+,−を印加すると、移動子10の櫛歯状電極12a,12bには、各電極部が受けるクーロン力のベクトルの総和として左方向に動こうとする力Fが働く。
この状態を保っておくと図4(E)に示すように、移動子10が電極ピッチPに相当する距離だけ、左へ移動し、固定子1と移動子10とのクーロン力が最大になる位置で静止する。
このように、移動子10が動こうとするときには、各電極のクーロン力の総和として、右や左の方に変位しようとする力が働き、所定の位置まで変位したならば、移動子10は固定子1との間に上下方向の力となって、固定子1にがっちりと吸引される。また見方を変えると、静止時にはがっちりと垂直方向に吸引保持されているが、一旦変位状態に移行すると、固定子1と移動子10の垂直方向には吸引力が働かなくなるので、摩擦の影響を受けにくく滑らかに移動できることになる。
今までの図2,図3,図4を用いての説明は、分かり易いように直流を用いて説明したが、実際は交流信号を用いて駆動するため、次に実際の交流駆動について説明する。
図2で説明した静電誘導の原理においては、電極41,42への印加電圧が交流になっても、回路時定数が小さい限り誘導電荷の極性がプラス/マイナス交互に切り替わるだけで、直流同様に静電誘導は起きる。
図5は、各電極へ印加される電圧によって交番電位分布を形成する様子を説明するもので、図5(A)は移動子10の櫛歯状電極12a,12bに静電誘導により発生した真電荷による電位波形を示す。ここで、黒塗り三角印の部分が櫛歯状電極12aのプラス電荷で作用する電位、二重丸印の部分が櫛歯状電極12bのマイナス電荷で作用する電位を示す。静電誘導では、導電体表面に真電荷を発生し、櫛歯状電極12aと12bのプラス/マイナス電荷同士が引き付け合うので、電極断面の両端に電荷が集まることになる。櫛歯状電極2ピッチで空間周波数1周期となり、サンプリングポイントとして4点あるため、サンプリング定理の条件を満たしている。
図5(B)は、櫛歯状電極12a,12bと固定子1の駆動電極4との断面の関係を示すもので、駆動電極4は図5(E)に示すように4個毎にまとめられて結線されている。ここにラインAにマイナス電位(丸印)、ラインBにゼロ電位(白抜き三角印)、ラインCにプラス電位(バツ印)、ラインDにゼロ電位(菱形印)を印加すると、固定子1の駆動電極4上の電位は、図5(C)に示すようになる。この電位分布(図5(C))と移動子10の電位分布(図5(A))の間には静電気のクーロン力が働くため、移動子10(櫛歯状電極12a,12b)には右方向へ動こうとする力が働く。
同様に、図5(D)はラインAにゼロ電位(丸印)、ラインBにマイナス電位(三角印)、ラインCにゼロ電位(バツ印)、ラインDにプラス電位(菱形印)を印加した場合の空間電位分布を示すもので、移動子10の電位分布(図5(A))との間には、移動子10(櫛歯状電極12a,12b)が左に動こうとするクーロン力が働く。
図5(E)は駆動電極4の結線を示すもので、ラインAは高圧トランス24aの2次側正極性巻き線へ、ラインCは同じ高圧トランス24aの2次側負極性巻き線に接続される。また、ラインBは高圧トランス24bの2次正極性巻き線へ、ラインDは高圧トランス24bの2次側負極性巻き線へ接続される。さらに、高圧トランス24aの一次側入力と、高圧トランス24bの一次側入力の位相を90度異ならせることで、図5(C)や図5(D)に示すような、正弦波状の空間電位分布を容易に作りだすことができる。
位相を変えるのは、図1(A)に示す位相器22で、図5(C)は高圧トランス24aの一次入力を高圧トランス24bの一次入力に対して、位相を90度進ませた場合を示し、図5(D)は同様に位相を90度遅らせた場合を示す。
この図5(E)で示す電極4とトランス24a,24bを用いた結線は、電極の配列空間を時間軸に当てはめて考えると、高周波信号を直交サンプリングして、実数部と虚数部とかなる複素数信号を作る技術と類似している。
なお、図5は、櫛歯状電極12a,12bにプラスとマイナスの交番電荷が形成される様子を説明したものであるが、その櫛歯状電極12a,12bは、機能に応じて電極の部位を分けて考えることもできる。
即ち、同図において、固定子1の誘導電極3a,3bに対向して上部に位置している櫛歯状電極の基部は静電誘導を受ける元となる部分であるから被誘導電極部とし、それ以外の櫛歯状電極部は変位駆動されるときに作用を受けるものであるから被駆動電極部として分類できる。被駆動電極部は入れ子状になった2つの電極で構成され、前述の交番電荷がこの電極部に形成されることとなる。
図6は、固定子1の裏面より見た電極構成を詳細に示す図で、例えばポリイミド基材で構成された絶縁体2の裏面に駆動電極4をピッチPで並べ、それを図5で説明した4個毎にまとめて縦のラインを用いて結線する。このとき、結線AラインおよびBラインは裏面に、結線CラインおよびDラインは表面にてスルーホールを径由して結線すると、左右対称になりまとまりが良い。
また、誘導電極3a,3bは固定子1の表面に配置され、それを端子UとVで引き出す。このように、全ての電極結線が固定子1の表面と裏面のみで完結するため、固定子1は両面のフレキシブルPC板などで簡単に製造することができる。
図7は、固定子1または移動子10に発生する進行波と、その進行波同士の作用によって移動子10が所定の速度で移動する原理を説明するための図である。
図7(A)は移動子10に発生する進行波を説明するもので、横軸が電極配列方向の空間、縦軸が時間軸を表す。ある時間tには、櫛歯状電極12aと12bには図5(A)で説明したように、電極空間に交番電位分布が生じる。この交番電位分布は2Pを1周期とする空間周波数を形成する。そして、図7(A)右端に示されている周波数fの交流電圧を電極配列に印加すると、各電極に位相オフセットが加えられた状態で電位が周波数fで変化していく。即ち、電極配列に空間的な位相オフセットを与えて交流信号を印加すると、時間とともに空間上の電位分布が移動していく。これは、進行波と呼ばれ、移動子10の進行波速度Vは図中の太い点線で示した傾きとなり次式で与えられる。
=Δd/Δt
=2P・f=4P・f ……(式1)
これより、進行波速度は、電極間ピッチPおよび交流電圧の周波数fが大きいほど大きくなることがわかる。
図7(A)の細い点線で示した波形は、櫛歯状電極12a,12bでゼロ電位となっているため実際には存在しないが、時間的に補間することにより得られる仮想的な空間電位分布波形である。
図7(B)は、固定子1の駆動電極4A,4B,4C,4Dに発生する進行波を説明するための図である。移動子10の進行波速度Vで説明したことと同様の原理により、駆動電極4A,4B,4C,4Dに周波数fでオフセット位相を加えて印加すると、進行波が生じ、この進行波の移動速度Vは、図中の太い実線で示され次式で与えられる。
=Δd/Δt
=4P・f=2P・f ……(式2)
例えば、固定子印加周波数fを移動子印加周波数fの1/2とすると、進行波の移動速度を示す図7(B)の太い実線の傾きは図7(A)に比べて1/2となる。
つぎに、移動子10の電極配列空間に図7(A)で示す進行波が、固定子1の駆動電極の配列空間に図7(B)で示す進行波が発生している状態において、移動子10と固定子1は重ね合わせたときの動作を説明する。移動子10の電極の真電荷の極性と、固定子電極の真電荷の極性の組み合わせに応じて次の吸引力,反発力が働く。
(a)移動子の電極 + ,固定子電極 − で 吸引力
(b)移動子の電極 − ,固定子電極 + で 吸引力
(c)移動子電極 + ,固定子電極 + で 反発力
(d)移動子電極 − ,固定子電極 − で 反発力
この関係により、図7(A)で示す移動子10の進行波と図7(B)で示す固定子1の進行波では、お互いのプラスの真電荷「波形の山部」とマイナスの真電荷「波形の谷部」が空間的に一致するようにクーロン力が働く。交流駆動で興味深いことは、上記組み合わせ(a)と組み合わせ(b)の関係または組み合わせ(c)と組み合わせ(d)の関係では、それぞれ極性が+/−で異なるものの、移動子10と固定子1が両方同時に極性反転すれば吸引/反発力は変化しないということである。このため、電極配列の真電荷極性が正弦波状に変化しても、相手側の真電荷極性も同様に正弦波状に変化すれば、静電気クーロン力の作用は図4において説明したように直流印加時に作用する静電力とほとんど同じである。
このような作用を受けて、図7(C)に示すように固定子1の駆動電極4の進行波速度が、移動子10の進行波速度Vと等しくなりように固定子1が動くこととなる。このとき図7(A)の太い点線傾きと、図7(C)の太い実線の傾きが同じくなり、固定子1の移動速度はV=Δd/Δtとなる。説明の都合上、固定子1が速度Vで動くとしたが、固定子を基準にすると移動子10が速度−V=−Δd/Δtで移動することになる。
移動子10の速度Vは次式で与えられる。
V=V−V
=2P・f−4P・f
=4P(f−f) ……(式3)
次に、図8を用いて、固定子1または移動子10に発生する進行波同士の位相オフセット作用によって移動子10が所定の距離だけ変位する原理を説明する。
ここで、図8(A)は、図7(A)で説明した進行波の図と全く同じで、太い点線で示したのが進行波の空間移動を示す軌跡である。
所定の距離だけ移動子を動かすために、図8(B)に示すように、固定子1の駆動電極4に印加する交流電圧を周波数は同じままで、位相のみを途中からΔθだけオフセットさせる。このとき、進行波の空間移動の軌跡は、太い実線で示すように図8(A)の傾きと同じで、途中から段差をもったものとなる。
このようにして、移動子10の電極配列に図8(A)で示す進行波が発生し、固定子1の駆動電極の配列には図8(B)で示す段差付きの進行波が発生している状態において、移動子10と固定子1を重ね合わせたときの動作を説明する。
図8(C)は、移動子10の進行波と固定子1の進行波が静電気クーロン力で吸引しあった状態を示すもので、図8(A)の太い点線で示される移動子の進行波の空間変位の軌跡に、図8(B)で示される固定子1の進行波の空間変位軌跡が一致するように重ねると、軌跡の段差が無くなる変わりに、固定子1の電位分布が空間方向にΔdだけシフトすることとなる。これは、基準を固定子1におくと移動子10が−Δdだけ単純に移動したことと等価である。このように、固定子1の駆動電極4に印加する交流電圧の位相をΔθだけ変化(オフセット)させるだけで、移動子10の変位をΔdだけ動かすことができる。この変位量Δdは次式で与えられる。
Δd=4P・Δθ/2π ……(式4)
この式から、Δθの設定をπ/2単位で設定すると、電極ピッチP単位で変位することがわかる。また、電極ピッチPを小さくするほど、位置決め精度は高くなる。
また、固定子1または移動子10に与える位相オフセットは、180度以上になると、ベクトル位相空間が第3象現となり急に負の位相オフセットと等価になり、位相オフセットが小さいときと逆の方向に移動子10が変位するため、ここで与える位相オフセットはプラス/マイナスの180度以下の位相オフセットとするのが好ましい。
図8(A)の太い点線で示される移動子進行波の谷部分(マイナス真電荷)と図8(B)の太い実線で示される固定子進行波の山部分(プラス真電荷)で構成される凹凸部は、例えて言うとギヤのように噛み合う。この噛み合いの精度が高いほど、位置決め精度が高くなる。ギヤの歯数が少なく噛み合わせが粗くても、歯同士がうまく噛み合いガタが少ないと、ギヤの歯数以上に細かく回転制御することが可能となる。
本発明もこのギヤと同様で、位相オフセットΔθをπ/2以内の精度で細かく設定すると電極ピッチP以下の精度で変位可能となる。電極の構造や精度にもよるが、例えば位相オフセットΔθを±5度と小さくすると、それに対応した変位量Δdは4P・5/360=P/18となる。例えばこの場合、固定子電極のピッチPを180μmとすると、10μmで微細の制御できることになる。
図9は、所望の変位速度及び変位量となるように交流駆動源20及び交流発生装置21を制御する交流源制御装置50を示す図で、該交流源制御装置50は、ダイレクトシンセサイザ技術を用いたICやD/A変換器、信号増幅用アンプなどを用いて構成される。
アクチュエータを動作させる設定として、移動子10を変位させたい速度Vsetと、変位量Dsetとを外部より入力する。
この入力速度Vsetは、交流源制御装置50内の演算回路51に入力され、該演算回路51によりΔf=Vset/4Pを演算し、次段の交流発生装置21でG=sin[2π(f−Δf)t]を発生して、固定子1の駆動電極の配列に駆動周波数f=f−Δfの第2進行波をつくる。
また、入力変位量Dsetは、交流源制御装置50内の演算回路52に入力され、該演算回路52により上記入力変位量Dsetを変位量Δdとして上記式(4)よりΔθ=2π・Δd/4Pを演算し、次段の交流駆動源20でG=sin[2πft+Δθ]を発生して、移動子10の櫛歯状電極12a,12bの配列に第1進行波をつくる。
ここで、移動子10の速度Vは、前述式(3)より固定子1の駆動周波数fと移動子10の駆動周波数fとの差によって決まるので、差の周波数Δfによって移動子10の速度Vが決定され、移動子10の位置は駆動交流源GとGの位相差Δθによって決定される。
よって、所望の速度Vsetに応じてこの周波数差Δfを変化させる上記演算回路51は、移動子の速度を制御する速度制御手段として機能するものである。また、所望の変位量Dsetに応じて上記位相差Δθを変化させる上記演算回路52は、移動子の変位を制御する変位制御手段として機能するものである。なお、特に図示はしないが、このうよな演算回路51,52を有する交流源制御装置50は、後述する第2乃至第11の実施形態においても同様に交流駆動源20及び交流発生装置21に接続されているものである。
この位相と周波数との関係は、変位と速度との関係とうまく対応している。即ち、移動子10の速度Vは変位量Δdの時間微分V=Δd/Δtで与えられ、駆動交流源GとGの周波数差Δfで決定される。一方、この周波数差Δfは位相の時間微分とΔf=Δθ/Δtの関係があるために、次のような関係が成立する。
V → Δf
Δd → Δθ
静止している状態すなわち移動速度がゼロの場合は、周波数の差Δfをゼロとし、例えば右方向では周波数差Δfが正となるように、左方向へ動かすには周波数差Δfが負となるように、設定すればよい。
また、移動速度は周波数差で、変位は位相差で独立して設定することができ、特に位相差を与えることでダイレクトに変位制御できることは、エンコーダなどの位置センサが不要になり制御が極めて簡単になる。特に、所定の位相差を回数を分けて印加することで、リニアステッピングモータのような使用法ができ、オープンループで簡単に位置決めができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、円盤状の固定子60と、その上に回転子61が乗っており、駆動動力回路は、図1(A)と同様である。
円盤状固定子60に配置される誘導電極は円内側と円外側に円周上に配置され、駆動電極は中心から放射状に配置される。回転子61には、2個の櫛歯状電極を入れ子状にして、その櫛歯が放射状に並び、且つ櫛歯状電極基部が円周内側と円周外側に並ぶようにして配置される。回転駆動時には、回転バランスが保たれ自然に中心62で回転するため、回転子中心には、回転ずれを防ぐためのベアリング等な回転機構があっても無くてもよい。
このような回転型アクチュエータでは、回転子の櫛歯状電極には静電誘導で真電荷が供給されるため、スリップリングなどの回転伝達部材が不要になるので、回転がスムーズとなる。
また、上記第1実施形態で説明したように、位相を変化させることにより、所定の角度だけ回転することもできる。
このようにオープンループで正確に所定角だけ回転する作用は、従来の電磁式ステッピングモータと類似するものである。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、円筒状固定子70の外側に円筒状移動子71を配置し、円筒軸上を円筒状移動子71が平行移動するアクチュエータである。駆動回路は、図1(A)や図10で示した構成と同様である。
円筒状移動子71には櫛歯状電極72a,72bを配置しており、その電極基部が効率よく静電誘導を行うべく円筒状固定子70には、誘導電極73a,73bが円筒状移動子71の櫛歯状電極72a,72bと対向して配置されている。
また、円筒状移動子71は円筒状固定子70の外側と説明したが、図示しないが円筒状固定子70の内側へ配置することも容易に可能である。
このような円筒移動型アクチュエータは、動作的にはシリンダ/ピストンの動作と類似しているが、内部を中空にできるメリットがある。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図12は、本発明の第4実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、円筒状固定子80の外側に円筒状回転子81を配置し、櫛歯状電極82a,82bの駆動電極および図示しない固定子の駆動電極の並びを円筒軸と平行に並べたもので、円筒状回転子81を円周方向に回転する静電アクチュエータである。円筒状固定子80には、誘導電極83を、移動子である円筒状回転子81の櫛歯状電極82aの基部に対向して配置する。また、図示されていないが、櫛歯状電極82b側にも誘導電極83が配置されている。
このような構成のアクチュエータは、ローラ回転するもので、この場合も図10で説明した円盤型回転アクチュエータと同様に、移動子(円筒状回転子81)へ電荷を供給するためのスリップリングなどの接続機構が不要になり、構成が極めて簡単になる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図13は、本発明の第5実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、静電アクチュエータの出力を増大するために、固定子1と移動子10を組として、それらを複数組重ねて積層したものである。ここで、参照番号90は固定子1の連結部材、参照番号91は移動子10の連結部材をそれぞれ示し、この図において外部電源を印加して制御することで、複数の移動子10が連結部材91と共に左右に移動する。
なおここでは、固定子1と移動子10を組としたが、図示しないが固定子1の上面/裏面の2面に移動子10を対向して合わせる、または二枚の固定子1の間に移動子10を挟み込んで、それらの組を複数積層化する場合も考えられる。
複数の固定子1は、連結部材90で機械的に結合されると同時に電気的にも接合する必要があるが、複数の移動子10は特に電気的結合をとる必要は無いために、比較的構成が簡単になる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を説明する。
図14は、本発明の第6実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、図10で説明した静電アクチュエータの出力トルクを増大するために、円盤状固定子60と移動子である回転子61の重ね合せペアを複数個積層したものである。ここで、参照番号92は複数の回転子61同士を機械的に接合する回転連結部材で、出力トルクはこの軸から取り出す。
なおここでは、円盤状固定子60と回転子61を組としたが、図示しないが円盤状固定子60の上面/裏面の2面に回転子61を対向して合わせる、または二枚の円盤状固定子60の間に回転子61を挟み込んで、それらの組を複数積層化する場合もある。
複数の円盤状固定子60は中心を合わせて電気結合する必要があるが、回転体は回転連結部材92に機械的に連結するだけでよいため、プラスチックなどの絶縁材などを使用することもでき、とくにスリップリングなども必要ないため、比較的構造が簡単となる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を説明する。
今まで説明した第1乃至第6実施形態では、固定子(例えば固定子1)の駆動電極4は、ラインA,ラインB,ラインC,ラインDと4つ毎にまとめられていたが、本発明の第7実施形態として、3相交流電源により駆動する例を図15を参照して説明する。
即ち、図15は、各電極へ印加される電圧によって交番電位分布を形成する様子を説明するもので、図5と同様に、図15(A)は移動子10の櫛歯状電極12a,12bに静電誘導により発生した真電荷による電位波形を示す。ここで、黒塗り三角印の部分が櫛歯状電極12aのプラス電荷で作用する電位、二重丸部分が櫛歯状電極12bのマイナス電荷で作用する電位をそれぞれ示す。静電誘導では、導電体表面に真電荷を発生し、櫛歯状電極12aと12bのプラス/マイナス電荷同士が引き付き合うので、電極断面の両端に電荷が集まることになる。櫛歯状電極2ピッチで空間周波数1周期となり、サンプリングポイントとして4点あるため、サンプリング定理を満たしている。
図15(B)は、櫛歯状電極12a,12bと固定子1の3相駆動電極4R,4T,4Sとの断面の関係を示すもので、駆動電極4は図15(E)に示すように3個毎にまとめられて結線されている。ここにラインRの電位を丸印、ラインTの電位を三角印、ラインSの電位を菱形印でそれぞれ示し、電極配列全体の駆動電極4上の電位は、図15(C)に示すようになる。この電位分布(図15(C))と移動子10の電位分布(図15(A))の間には静電気のクーロン力が働くため、移動子10(櫛歯状電極12a,12b)には右方向へ動こうとする力が働く。
同様に、図15(D)は、3相駆動電極4R,4T,4Sに別の電位を印加した場合の空間電位分布を示すもので、この場合、移動子の電位分布(図15(A))との間には、移動子10(櫛歯状電極12a,12b)が左に動こうとするクーロン力が働く。3相駆動電極4R,4T,4Sは3相交流駆動源30で駆動され、この電源の周波数や位相を可変することで、移動速度や変位を変える。
このように、3相交流電源によって駆動することができる。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態を説明する。
図16(A)は本発明の第8実施形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図であり、本実施形態における静電アクチュエータの固定子1を図16(B)に、また本実施形態における静電アクチュエータの移動子10を図16(C)に示す。
これは、第1実施形態のような前述した静電誘導を用いるのではなく、直接に移動子10へ給電して電荷を発生するものである。したがって、第1実施形態を示す図1にあったような誘導電極3a,3bが不要となり、接続端子UとVは直接に移動子10の櫛歯状電極12a,12bへ接続される。
即ち、図8および図9を用いて説明した位相オフセットによる変位駆動は、移動子への電荷供給を静電誘導を行うことを前提に説明したが、これは静電誘導を用いた静電アクチュエータに限定されるものではなく、本実施形態のように移動子へ直接給電する静電アクチュエータにも適用できる。つまり、移動子10へ接続する交流電源20と、固定子1に接続する多相の交流電源の間に位相オフセットを与えることで、図8で説明したように、移動子10と固定子1の進行波同士の間に位相ずれが発生し、その位相ズレを無くそうと移動子10が位相オフセットに対応する距離だけ変位することになる。また、上記で図9を用いて説明したように、変位させたい変位量Δdに対応する位相オフセットΔθを与えるだけで、一意的に移動子10が変位する。さらには、この位相オフセットをプラス/マイナスの180度以下の小さな値とすることで、固定子1の駆動電極のピッチ以下の細かい精度で位置決めすることが可能となる。
このように、移動子10の櫛歯状電極12aおよび12bに単相の交流電源を直接接続することで、櫛歯状電極配列に進行波を発生させることができる。なおこのときの移動子電極の配列ピッチは、図5で示したように、固定子駆動電極の配列ピッチの2倍とする。
本実施の形態では、このように直接移動子10へ給電することにより、静電誘導による電圧低下がなくなり、効率の良い駆動が可能となる。
また、特に図示はしないが、前述した第5実施形態のように移動子を積層する場合には、各移動子に交流電圧を印加するよう構成すればよい。
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態を説明する。
図17(A)は、本発明の第9実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、前述した第2実施形態で説明したような回転型アクチュエータの構成において、本実施形態では、回転子61に交流駆動源20による交流電圧を直接に印加するようにしたものである。
このように給電信号線を直接に接続すると、回転子61は揺動的な回転運動しか出来ないが、図示しないスリップリングなどの回転伝達部材を経由して交流駆動源20に接続すると、回転動作が可能となる。
また、特に図示はしないが、各回転子に直接交流電圧を印加するようにすれば、前述した第6実施形態のような回転子の積層構成も可能なことは勿論である。
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態を説明する。
図17(B)は、本発明の第10実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、前述した第3実施形態の図11と同様に、円筒状固定子70の外側に円筒状移動子71を配置し、移動子71が平行移動するアクチュエータである。
本実施形態が図11と異なるのは、交流駆動源20を直接に移動子櫛歯状電極72a,72bへ直接給電していることである。
[第11実施形態]
次に、本発明の第11実施形態を説明する。
図18は、本発明の第11実施形態に係る静電アクチュエータを示す図で、前述した第4実施形態における図12と同様に、円筒状固定子80の外側に円筒状回転子81を配置し、回転子81が揺動回転を行うアクチュエータである。
本実施形態におけるこの図18の構成が前述の第4実施形態における図12の構成と異なるのは、交流駆動源81を直接に円筒状回転子81の櫛歯状電極82a,82bに直接給電していることである。なおこの場合、結線の関係で揺動回転のみとなるが、図示しないスリップリングなどの回転伝達部材を経由して交流駆動源に接続すると、回転動作が可能となる。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、図3や図5を用いて説明した移動子の電極は、2つの入れ子状になった櫛歯状電極を用いて説明したが、必ずしも入れ子状にしなくても、被誘導電極部と被駆動電極部を有して静電誘導で真電荷を誘起できれば他の方法でも良い。例えば、被誘導電極部と被駆動電極部とが一体に構成されたもの以外に、各々を別体で構成して、電気的に接続するようにしても良い。
今までの説明では、移動子を動かしたり回転するように説明してきたが、実際にはこの移動子に機械的な連結を行い、変位対象物全体を移動または回転させるものも含まれる。
また、変位対象物の表面に電極を直接配設させて変位対象物自体を移動子とさせても良い。
さらに、変位させる対象は移動子側だけでなく、移動子を固定して給電側の固定子を変位させても良い。
また、本発明の静電アクチュエータは、固定子へは直接に,移動子へは静電誘導または直接に交流電圧を印加するよう説明したが、この交流電圧の周波数は商用電源の周波数に関係なく高い周波数を用いることができる。特に、移動子10の移動速度は、固定子1と移動子10に加える交流駆動源の周波数の差によって決まるため、共に例えば1MHz近くの高い周波数に設定することが可能である。周波数を高く設定できるため、高圧トランス24a,24bの小型化が図れるメリットがある。
また、交流で駆動するため、常に電極がプラス/マイナスと変化するため、不用意な帯電がなくなり、安定した動作が可能となる。
以上説明してきた実施形態によれば、図1(A),図11,図13,図16(A),図17(B)で示した平行移動型の静電アクチュエータでは、固定子を長くすることによって、どこまでも移動子の距離移動幅を大きくできる。
また、図10,図11,図14で説明した静電アクチュエータでは、スリップリングなどの回転伝導部材が要らないため、薄型・小型化が可能になるとともに、安定した回転が可能となる。
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
(1) 所定周期に配置された電極を有する移動子と、
所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
上記移動子の電極に第1交流電圧を印加して該電極の配列に発生させる第1進行波と、上記固定子の駆動電極に第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
を備えることを特徴とする静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(1)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(1)に記載の静電アクチュエータによれば、位相差を可変とすることで、直接に移動子の変位・場所を制御できる。このことは、移動速度を時間積分して距離を求めるなどの複雑な演算を不要にして直接に所望の位置へ移動子をもっていくことができ、アクチュエータの制御が大幅に簡単になることを意味している。
(2) 略平行または同心円状に配置された複数の誘導電極および所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
入れ子状に相対配置された第1電極と第2電極とを有する移動子と、
上記固定子の誘導電極へ第1交流電圧を印加することで上記移動子の第1電極および第2電極へ電荷を誘導させて上記移動子の電極配列に発生させる第1進行波と、上記固定子の駆動電極へ第2交流電圧を印加して上記駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
を備えることを特徴とする静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(2)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第1乃至第7実施形態が対応する。
(作用効果)
この(2)に記載の静電アクチュエータによれば、位相差を可変とすることで、直接に移動子の変位・場所を制御できる。このことは、移動速度を時間積分して距離を求めるなどの複雑な演算を不要にして直接に所望の位置へ移動子をもっていくことができ、アクチュエータの制御が大幅に簡単になることを意味している。
(3) 上記移動子は、櫛歯状の端電極が放射状に広がる第1電極と、櫛歯状の端電極が求心して配置される第2電極とが入れ子状に相対して配置された回転する回転子であり、
上記固定子は、円盤円周上に配置された2個以上の誘導電極と所定の周期角をもって複数毎に結線配置された駆動電極が組み込まれたものであることを特徴とする(2)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(3)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第2及び第6実施形態が対応する。
(作用効果)
この(3)に記載の静電アクチュエータによれば、電極配列を円形とすることで回転型を実現する。また、位相による制御を行うことで、正確な角度精度で回転させることができる。
(4) 上記回転子と上記固定子とを回転軸を共通にして複数段に積層化し、複数の回転子により発生する回転トルクを回転軸共通として取り出すことを特徴とする(3)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(4)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第6実施形態が対応する。
(作用効果)
この(4)に記載の静電アクチュエータによれば、積層化して、回転トルクを増大させることができる。
(5) 上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が直線となるように円筒面内に配置されたものであり、
上記固定子は、円筒直線上に配置された2個以上の誘導電極と直線配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする(2)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(5)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第3実施形態が対応する。
(作用効果)
この(5)に記載の静電アクチュエータによれば、円柱化することで、ピストン/シリンダ的な使用法が可能となる。
(6) 上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が円となるように円筒面内に配置された、周回転する移動子であり、
上記固定子は、円筒円周上に配置された2個以上の誘導電極と円周配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする(2)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(6)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(6)に記載の静電アクチュエータによれば、簡便にして、円柱ローラ面内で揺動回転が実現できる。
(7) 所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
入れ子状に相対配置された第1電極と第2電極とを有する移動子と、
上記移動子の第1電極と第2電極との間に第1交流電圧を印加して上記移動子の電極配列に発生させる第1進行波と、上記固定子の駆動電極へ第2交流電圧を印加して上記駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
を備えることを特徴とする静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(7)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第8乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(7)に記載の静電アクチュエータによれば、位相差を可変とすることで、直接に移動子の変位・場所を制御できる。このことは、移動速度を時間積分して距離を求めるなどの複雑な演算を不要にして直接に所望の位置へ移動子をもっていくことができ、アクチュエータの制御が大幅に簡単になることを意味している。
(8) 上記移動子は、櫛歯状の端電極が放射状に広がる第1電極と、櫛歯状の端電極が求心して配置される第2電極とが入れ子状に相対して配置された回転する回転子であり、
上記固定子は、所定の周期角をもって複数毎に結線配置された駆動電極が組み込まれたものであることを特徴とする(7)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(8)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第9実施形態が対応する。
(作用効果)
この(8)に記載の静電アクチュエータによれば、電極配列を円形とすることで回転型を実現する。また、位相による制御を行うことで、正確な角度精度で回転させることができる。
(9) 上記回転子と上記固定子とを回転軸を共通にして複数段に積層化し、複数の回転子により発生する回転トルクを回転軸共通として取り出すことを特徴とする(8)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(9)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第9実施形態が対応する。
(作用効果)
この(9)に記載の静電アクチュエータによれば、積層化して、回転トルクを増大させることができる。
(10) 上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が直線となるように円筒面内に配置されたものであり、
上記固定子は、直線配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする(7)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(10)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第10実施形態が対応する。
(作用効果)
この(10)に記載の静電アクチュエータによれば、円柱化することで、ピストン/シリンダ的な使用法が可能となる。
(11) 上記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ上記第1電極と上記第2電極の配列方向が円となるように円筒面内に配置された、周回転する移動子であり、
上記固定子は、円周配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする(7)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(11)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(11)に記載の静電アクチュエータによれば、簡便にして、円柱ローラ面内で揺動回転が実現できる。
(12) 上記変位制御手段は、上記第1交流電圧と第2交流電圧の相対位相を、正または負の180度以内の位相オフセットとしてステップ状に変化させて上記移動子の変位を制御することを特徴とする(1)乃至(11)の何れかに記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(12)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(12)に記載の静電アクチュエータによれば、移動子の変位は、移動子の第1進行波の時間的変化と、固定子の第2進行波の時間的変化の差分によって引き起こされるため、進行波に位相オフセットを与えると、それに応じて移動子が変位する。さらに、位相オフセットを細かく設定することで駆動電極の1ピッチ以下での位置決めが可能となる。
また、正または負の180度以内の位相オフセットとすることで、変位方向を含めて正確に制御することが可能となる。
(13) 上記第1交流電圧と第2交流電圧の周波数差を変化させることによって上記移動子の速度を制御する速度制御手段を更に備えたことを特徴とする(1)乃至(12)の何れかに記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(13)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(13)に記載の静電アクチュエータによれば、外部より印加する2つの交流電圧の周波数差が速度に関係し、位相差が変位に関係することを利用して、移動子の動きが制御される。
(14) 上記変位制御手段は、上記速度制御手段によって上記第1交流電圧および第2交流電圧の周波数を同一として上記移動子を静止させた上で、上記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることを特徴とする(13)に記載の静電アクチュエータ。
(対応する実施形態)
この(14)に記載の静電アクチュエータに関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(14)に記載の静電アクチュエータによれば、静止状態にある移動子について位相差を変化させることで、安定して精度のよい移動子の変位制御が可能となる。
(15) 移動子上に所定周期で配置された電極に第1交流電圧を印加して該電極の配列に第1進行波を発生させ、
固定子上に所定周期で配置された駆動電極に第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に第2進行波を発生させ、
上記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることによって上記移動子の変位を制御することを特徴とする静電アクチュエータの制御方法。
(対応する実施形態)
この(15)に記載の静電アクチュエータの制御方法に関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(15)に記載の静電アクチュエータの制御方法によれば、位相差を可変とすることで、直接に移動子の変位・場所を制御できる。このことは、移動速度を時間積分して距離を求めるなどの複雑な演算を不要にして直接に所望の位置へ移動子をもっていくことができ、アクチュエータの制御が大幅に簡単になることを意味している。
(16) 上記第1交流電圧と第2交流電圧の相対位相を、正または負の180度以内の位相オフセットとしてステップ状に変化させて上記移動子の変位を制御することを特徴とする(15)に記載の静電アクチュエータの制御方法。
(対応する実施形態)
この(16)に記載の静電アクチュエータの制御方法に関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(16)に記載の静電アクチュエータの制御方法によれば、移動子の変位は、移動子の第1進行波の時間的変化と、固定子の第2進行波の時間的変化の差分によって引き起こされるため、進行波に位相オフセットを与えると、それに応じて移動子が変位する。さらに、位相オフセットを細かく設定することで駆動電極の1ピッチ以下での位置決めが可能となる。
また、正または負の180度以内の位相オフセットとすることで、変位方向を含めて正確に制御することが可能となる。
(17) 上記第1交流電圧と第2交流電圧の周波数差を変化させることによって上記移動子の速度を制御することを特徴とする(15)又は(16)に記載の静電アクチュエータの制御方法。
(対応する実施形態)
この(17)に記載の静電アクチュエータの制御方法に関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(17)に記載の静電アクチュエータの制御方法によれば、外部より印加する2つの交流電圧の周波数差が速度に関係し、位相差が変位に関係することを利用して、移動子の動きが制御される。
(18) 上記第1交流電圧および第2交流電圧の周波数を同一として上記移動子を静止させた上で、上記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることを特徴とする(17)に記載の静電アクチュエータの制御方法。
(対応する実施形態)
この(18)に記載の静電アクチュエータの制御方法に関する実施形態は、第1乃至第11実施形態が対応する。
(作用効果)
この(18)に記載の静電アクチュエータの制御方法によれば、静止状態にある移動子について位相差を変化させることで、安定して精度のよい移動子の変位制御が可能となる。
(A)は本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図、(B)は固定子の構成を説明するための図であり、(C)は移動子の構成を説明するための図である。 静電誘導の原理を説明するための図である。 入れ子になった櫛歯状電極に交番電荷が発生する原理を説明するための図である。 移動子が変位駆動される原理を説明するための図である。 移動子および固定子の真電荷がつくる電位分布を説明するための図である。 固定子の電極構造を詳しく説明するための図である。 移動時の進行波の関連を説明するための図である。 変位時の進行波の関連を説明するための図である。 交流駆動源制御装置を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。 本発明の第7実施形態に係る静電アクチュエータにおける移動子および固定子の真電荷がつくる電位分布を説明するための図である。 (A)は本発明の第8実施形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図、(B)は固定子の構成を説明するための図であり、(C)は移動子の構成を説明するための図である。 (A)は本発明の第9実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図であり、(B)は本発明の第10実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。 本発明の第11実施形態に係る静電アクチュエータの構成を示す図である。
符号の説明
1…固定子、2…フィルム状の絶縁体、3a,3b,73a,73b,83…誘導電極、4,4A,4B,4C,4D…駆動電極、4R,4T,4S…3相駆動電極、10…移動子、11…絶縁体、12a,12b,72a,72b,82a,82b…櫛歯状電極、20…交流駆動源、21…交流発生装置、22…位相器、23a,23b…アンプ、24a,24b…高圧トランス、30…3相交流駆動源、41,42…電極、43…外部電源、44…導体、45,46,47…電気力線、50…交流源制御装置、51,52…演算回路、60…円盤状固定子、61…回転子、62…回転中心、70,80…円筒状固定子、71…円筒状移動子、81…円筒状回転子、90…固定子連結部材、91…移動子連結部材、92…回転連結部材。

Claims (18)

  1. 所定周期に配置された電極を有する移動子と、
    所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
    前記移動子の電極に第1交流電圧を印加して該電極の配列に発生させる第1進行波と、前記固定子の駆動電極に第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって前記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
    を備えることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 略平行または同心円状に配置された複数の誘導電極および所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
    入れ子状に相対配置された第1電極と第2電極とを有する移動子と、
    前記固定子の誘導電極へ第1交流電圧を印加することで前記移動子の第1電極および第2電極へ電荷を誘導させて前記移動子の電極配列に発生させる第1進行波と、前記固定子の駆動電極へ第2交流電圧を印加して前記駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって前記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
    を備えることを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 前記移動子は、櫛歯状の端電極が放射状に広がる第1電極と、櫛歯状の端電極が求心して配置される第2電極とが入れ子状に相対して配置された回転する回転子であり、
    前記固定子は、円盤円周上に配置された2個以上の誘導電極と所定の周期角をもって複数毎に結線配置された駆動電極が組み込まれたものであることを特徴とする請求項2に記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記回転子と前記固定子とを回転軸を共通にして複数段に積層化し、複数の回転子により発生する回転トルクを回転軸共通として取り出すことを特徴とする請求項3に記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ前記第1電極と前記第2電極の配列方向が直線となるように円筒面内に配置されたものであり、
    前記固定子は、円筒直線上に配置された2個以上の誘導電極と直線配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする請求項2に記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ前記第1電極と前記第2電極の配列方向が円となるように円筒面内に配置された、周回転する移動子であり、
    前記固定子は、円筒円周上に配置された2個以上の誘導電極と円周配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする請求項2に記載の静電アクチュエータ。
  7. 所定周期かつ複数毎に結線配置された駆動電極を有する固定子と、
    入れ子状に相対配置された第1電極と第2電極とを有する移動子と、
    前記移動子の第1電極と第2電極との間に第1交流電圧を印加して前記移動子の電極配列に発生させる第1進行波と、前記固定子の駆動電極へ第2交流電圧を印加して前記駆動電極の配列に発生させる第2進行波との位相差を変化させることによって前記移動子の変位を制御する変位制御手段と、
    を備えることを特徴とする静電アクチュエータ。
  8. 前記移動子は、櫛歯状の端電極が放射状に広がる第1電極と、櫛歯状の端電極が求心して配置される第2電極とが入れ子状に相対して配置された回転する回転子であり、
    前記固定子は、所定の周期角をもって複数毎に結線配置された駆動電極が組み込まれたものであることを特徴とする請求項7に記載の静電アクチュエータ。
  9. 前記回転子と前記固定子とを回転軸を共通にして複数段に積層化し、複数の回転子により発生する回転トルクを回転軸共通として取り出すことを特徴とする請求項8に記載の静電アクチュエータ。
  10. 前記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ前記第1電極と前記第2電極の配列方向が直線となるように円筒面内に配置されたものであり、
    前記固定子は、直線配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする請求項7に記載の静電アクチュエータ。
  11. 前記移動子は、櫛歯状形状を有する第1電極と略同形状の第2電極が入れ子状に相対して配置され、且つ前記第1電極と前記第2電極の配列方向が円となるように円筒面内に配置された、周回転する移動子であり、
    前記固定子は、円周配列となるよう配置された駆動電極が組み込まれて構成されることを特徴とする請求項7に記載の静電アクチュエータ。
  12. 前記変位制御手段は、前記第1交流電圧と第2交流電圧の相対位相を、正または負の180度以内の位相オフセットとしてステップ状に変化させて前記移動子の変位を制御することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の静電アクチュエータ。
  13. 前記第1交流電圧と第2交流電圧の周波数差を変化させることによって前記移動子の速度を制御する速度制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の静電アクチュエータ。
  14. 前記変位制御手段は、前記速度制御手段によって前記第1交流電圧および第2交流電圧の周波数を同一として前記移動子を静止させた上で、前記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることを特徴とする請求項13に記載の静電アクチュエータ。
  15. 移動子上に所定周期で配置された電極に第1交流電圧を印加して該電極の配列に第1進行波を発生させ、
    固定子上に所定周期で配置された駆動電極に第2交流電圧を印加して該駆動電極の配列に第2進行波を発生させ、
    前記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることによって前記移動子の変位を制御することを特徴とする静電アクチュエータの制御方法。
  16. 前記第1交流電圧と第2交流電圧の相対位相を、正または負の180度以内の位相オフセットとしてステップ状に変化させて前記移動子の変位を制御することを特徴とする請求項15に記載の静電アクチュエータの制御方法。
  17. 前記第1交流電圧と第2交流電圧の周波数差を変化させることによって前記移動子の速度を制御することを特徴とする請求項15又は16に記載の静電アクチュエータの制御方法。
  18. 前記第1交流電圧および第2交流電圧の周波数を同一として前記移動子を静止させた上で、前記第1進行波と第2進行波との位相差を変化させることを特徴とする請求項17に記載の静電アクチュエータの制御方法。
JP2003296035A 2003-08-20 2003-08-20 静電アクチュエータ Expired - Fee Related JP4464638B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296035A JP4464638B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 静電アクチュエータ
US10/902,563 US20050040729A1 (en) 2003-08-20 2004-07-29 Electrostatic actuator and method of controlling the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296035A JP4464638B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 静電アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005065467A true JP2005065467A (ja) 2005-03-10
JP4464638B2 JP4464638B2 (ja) 2010-05-19

Family

ID=34191131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003296035A Expired - Fee Related JP4464638B2 (ja) 2003-08-20 2003-08-20 静電アクチュエータ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20050040729A1 (ja)
JP (1) JP4464638B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011205786A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Dainippon Printing Co Ltd 4線式静電アクチュエータ
WO2013153913A1 (ja) * 2012-04-13 2013-10-17 株式会社根本杏林堂 薬液注入装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4145181B2 (ja) * 2003-03-28 2008-09-03 オリンパス株式会社 静電アクチュエータおよび変位方法
WO2007006154A1 (en) * 2005-07-07 2007-01-18 Siyuan He Optimized bi-directional electrostatic actuators
KR100723416B1 (ko) * 2005-12-19 2007-05-30 삼성전자주식회사 선형 대변위 거동이 가능한 수직 콤전극 구조
FR2912375B1 (fr) * 2007-02-14 2009-12-18 Eurocopter France Verin electrique de commande de vol pour aeronef
BR112012026331A2 (pt) * 2010-04-16 2017-12-12 Deregallera Holdings Ltd aparelho para uso como motor ou gerador, motor para montagem de uma roda, roda para veículo, transdutor sensor/detector, uso de aparelho e método de conexão de elemento de uma aparelho para uso como motor ou gerador
WO2018062195A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 シチズン時計株式会社 電気機械変換器
WO2019236595A1 (en) * 2018-06-08 2019-12-12 President And Fellows Of Harvard College Mesoscale electrostatic film actuator
US11623316B2 (en) * 2019-04-23 2023-04-11 University Of Kentucky Research Foundation Testbed device for use in predictive modelling of manufacturing processes
CN110224628B (zh) * 2019-05-31 2020-07-07 南京航空航天大学 可变电容式直线静电电机的换相控制装置及控制方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5239222A (en) * 1989-04-24 1993-08-24 Fujitsu Limited Electrostatic actuator using films
JPH0365084A (ja) * 1989-08-02 1991-03-20 Hitachi Ltd 静電型2次元アクチュエータ,光ヘツドおよび光デイスク装置
DE69122022T2 (de) * 1990-04-16 1997-02-06 Fujitsu Ltd Elektrostatischer betätiger
JPH0678566A (ja) * 1992-08-25 1994-03-18 Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad 静電アクチュエータ
JPH07184377A (ja) * 1993-10-21 1995-07-21 Mitsubishi Chem Corp 静電アクチュエータ
JPH08266071A (ja) * 1995-03-23 1996-10-11 Toshiro Higuchi 多軸駆動装置
JP2000358385A (ja) * 1999-06-14 2000-12-26 Canon Inc 静電アクチュエータ駆動方法、静電アクチュエータ駆動機構、および静電アクチュエータ
JP4145181B2 (ja) * 2003-03-28 2008-09-03 オリンパス株式会社 静電アクチュエータおよび変位方法
JP2005221472A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Olympus Corp 静電型エンコーダ及び静電型変位測定方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011205786A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Dainippon Printing Co Ltd 4線式静電アクチュエータ
WO2013153913A1 (ja) * 2012-04-13 2013-10-17 株式会社根本杏林堂 薬液注入装置
JPWO2013153913A1 (ja) * 2012-04-13 2015-12-17 株式会社根本杏林堂 薬液注入装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4464638B2 (ja) 2010-05-19
US20050040729A1 (en) 2005-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100854204B1 (ko) 모터, 모터의 구동 시스템, 전기 자동차 및 소형 전자 기기
US9571010B2 (en) Varying capacitance rotating electrical machine
JP4145181B2 (ja) 静電アクチュエータおよび変位方法
KR100697478B1 (ko) 자석 구조물, 상기 자석 구조물을 채용한 모터 및 상기모터를 구비하는 드라이버
JP4464638B2 (ja) 静電アクチュエータ
KR19990064346A (ko) 교호 극 스위칭 자기저항 모터
JP2009509482A (ja) 磁気モーター
CN111799974B (zh) 具有转子永磁体的摆线磁阻马达
US20040150289A1 (en) Universal motor/generator/alternator apparatus
JP4178523B2 (ja) モータ及びモータの駆動システム
JP3819814B2 (ja) 磁力による高効率回転装置。
JP4831033B2 (ja) モータ、電動機器、及び駆動体
JPS6091879A (ja) 超音波駆動方法
KR100602783B1 (ko) 정지파를 이용한 초음파 모터
JP4994850B2 (ja) 振動型アクチュエータ駆動制御装置及び振動型アクチュエータ駆動制御方法
JP2018068065A (ja) 電気機械変換器
JP4831032B2 (ja) モータの駆動回路、電動機器、及び駆動体
JP5146913B2 (ja) モータ、電動機器、モータの駆動方法、およびモータの駆動回路
US9035530B2 (en) Energy converting device having an eccentric rotor
JP2005520470A (ja) モーター/交流発電機/同期発電機万能機器
JP2020043641A (ja) 発電モータ
Shenkman et al. New capacitive synchronous AC machine
Gao et al. Miniaturized surface-driven electrostatic positioners
JPS61185078A (ja) 圧電モ−タ
JP2018098833A (ja) 電気機械変換器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees