WO2013153913A1 - 薬液注入装置 - Google Patents

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根本 茂
増田 和正
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Abstract

 薬液注入装置等の駆動機構の小型化および/または軽量化を実現可能な技術を提供する。薬液注入装置(110)は、患者に薬液を注入するためのものであって、複数の帯状電極が形成された固定子部材(162)および複数の帯状電極が形成され前記固定子部材に対向配置された可動子部材(161)を有し、静電力を利用して、可動子部材(161)を固定子部材(162)に対して相対的に移動させる静電アクチュエータ(125)と、その静電アクチュエータ(125)の駆動力によって動かされる可動部材(121)を有する駆動機構とを備える。

Description

薬液注入装置
 本発明は、患者に薬液を注入するための薬液注入装置等に関する。特には、駆動機構の小型化および/または軽量化を実現可能な薬液注入装置に関する。
 現在、医療用の画像診断装置として、CT(Computed
Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、およびDSA(血管造影装置、Digital Subtraction Angiography)等が知られている。このような撮像装置を使用する際、患者に造影剤や生理食塩水など(以下、これらを単に「薬液」とも言う)を注入することがあり、この薬液注入を自動で行うインジェクタ(「注入ヘッド」とも言う)についても種々提案されている。
 インジェクタは、一般に、シリンジのピストン部材を移動させるためのピストン駆動機構を備えており、このピストン駆動機構は、駆動源であるモータと、モータからの出力を直線運動に変換し伝達する伝達機構と、その伝達機構からの力を受けて進退移動するプレッサー部材(ラム)とを有している。このようなピストン駆動機構は例えば特許文献1にも開示されている。
特開2003-116990号公報
 上述したような従来のピストン駆動機構の駆動源は一般には電磁モータである。また、MR用のインジェクタにおいては超音波モータが用いられることもある。しかしながら、電磁モータでは、磁力を得るために磁性材料が必要である。また、超音波モータにおいても、円周方向に進行波を発生させるための、圧電セラミックスが接着された金属製のリング状部材を設ける必要がある。したがって、従来のこれらのモータでは、小型化・軽量化の点で改善の余地が残されていた。
 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、駆動機構の小型化および/または軽量化を実現可能な薬液注入装置に関する。
 本発明の一形態によれば、以下に記載する薬液注入装置が提供される:
(1)患者に薬液を注入するための薬液注入装置であって、
 複数の帯状電極が形成された固定子部材および複数の帯状電極が形成され上記固定子部材に対向配置された可動子部材を有し、静電力を利用して、上記可動子部材を固定子部材に対して相対的に移動させる静電アクチュエータと、
 上記静電アクチュエータの駆動力によって動かされる可動部材を有する駆動機構と、
 を備える、薬液注入装置。
(2)シリンダ部材とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材とを有するシリンジを保持するシリンジ保持部を備え、
 上記駆動機構として、上記ピストン部材を前進および/または後退させるためのピストン駆動機構を備える、上記(1)に記載の薬液注入装置。
(3)シリンダ部材とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材とを有するシリンジを保持するシリンジ保持部を備え、
 上記駆動機構として、保持された上記シリンジをロックするためのシリンジロック機構を備える、上記(1)または(2)に記載の薬液注入装置。
(4)上記駆動機構として、上記薬液の流路の開閉または切替えを行う流路切替機構を備える、上記(1)に記載の薬液注入装置。
(5)上記駆動機構として、薬液チューブを押圧することで薬液を移送するフィンガポンプまたはローラポンプを備える、上記(1)に記載の薬液注入装置。
(6)上記静電アクチュエータは、
 上記固定子部材に対して上記可動子部材が回転運動するように構成されている、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
(7)上記静電アクチュエータは、
 上記固定子部材に対して上記可動子部材が直線移動するように構成されている、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
(8)上記静電アクチュエータが非磁性体で構成されている、上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の薬液注入装置。
 本明細書での用語の定義は下記の通りである:
「薬液注入装置」は、例えば造影剤を患者に注入するためのインジェクタの他にも、輸液バッグやシリンジ内の薬液を患者に向けて注入する輸液ポンプをも含む。
 本発明によれば、駆動機構の小型化および/または軽量化を実現可能な薬液注入装置が提供される。
撮像システム全体を示す斜視図である。 図1のシステムの薬液注入装置の斜視図である。 本発明の一形態に係るインジェクタの斜視図である。 図3のピストン駆動機構の主要な構成を模式的に示すブロック図である。 静電アクチュエータの基本構造および動作原理を説明するための図である。 回転力を出力する静電モータの一例の基本構造を示す斜視図である。 静電アクチュエータの他の例の基本構造を示す斜視図である。 静電アクチュエータをシリンジロック機構に利用した例を示す図である。 静電アクチュエータを流路切替機構に利用した例を示す図である。 静電アクチュエータをインジェクタ支持用スタンドに利用した例を示す図である。
 以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。
 図1に示すように、この撮像システム1000は、患者の透視画像を撮像する撮像装置300と、患者に薬液を注入するための薬液注入装置100とを備えている。撮像装置300と薬液注入装置100とは相互に接続されており、これにより、所定のデータのやりとりや両装置の動作の同期が可能となっている。
 撮像装置300は、撮像を実行するスキャナ本体301と、そのスキャナ本体301の動作を制御する制御ユニット302とを有している。撮像装置300は、特に限定されるものではないが、CT装置、MRI装置、PET装置、アンギオ装置、超音波装置またはMRA装置であってもよい。スキャナ本体301は、患者を載せて横方向に移動する寝台305を有している。制御ユニット302は、スキャナ本体301の動作を制御するコンソールと、撮像された患者の透視画像などを表示するためのディスプレイ等を有している。
 薬液注入装置100は、図1および図2に示すように、キャスタースタンド145に支持されたインジェクタ110と、ケーブル147を介してそのインジェクタ110と接続されたコンソール(制御装置)150とを備えている。なお、キャスタースタンド145の代わりに、天井に取り付けられた不図示のシーリングアームでインジェクタ110を支持してもよい。
 インジェクタは、1本のシリンジのみが搭載される一筒式および2本のシリンジが搭載される二筒式のいずれであってもよい。図2のインジェクタ110は、2本のシリンジ200A、200B(以下、「シリンジ200」ともいう)を保持する二筒式のものである。一方のシリンジには造影剤が充填され、他方のシリンジには生理食塩水が充填されている。インジェクタは、X線CT撮像用、アンギオグラフィー用、MR撮像用、超音波撮像用などのいずれであってもよい。シリンダ内の薬液は、抗癌剤などの治療薬や血栓溶解薬などでもよい。
 シリンジ200は、図3に示すように、筒状のシリンダ部材211と、それにスライド可能に挿入されたピストン部材212とを有している。シリンダ部材211の基端部にはシリンダフランジ211aが形成され、ピストン部材212の基端部にはピストンフランジ212aが形成されている。各シリンジ200A、200Bの先端部にはY字の薬液チューブ217が接続される。
 なお、シリンジの形状は特に限定されるものではない。図3のような長いピストン部材212を有するものの他にも、例えば、ガスケットのみがシリンダ部材内に配置されたいわゆるロッドレスタイプのシリンジを利用してもよい。シリンジ200は、薬液が予め充填されたいわゆるプレフィルド式のものであってもよいし、空のシリンジに薬液を吸引した後その薬液を患者に向けて注入する吸引式のものであってもよい。
 インジェクタ110は、図3に示すように、筐体111の前方側に各シリンジ200を保持する2つのシリンジ保持部114、114を有している。各シリンジ保持部114は、シリンダ部材211の形状に対応するように凹状に形成されている。シリンジ200は、アダプタ180を介してシリンジ保持部114に装着されるように構成されていてもよい。このアダプタ180は、一例として、シリンダ部材211のシリンダフランジ211aを保持し、シリンジ保持部114の一部に形成されたアダプタ受け部に取外し可能に嵌め込まれる。
 図3のインジェクタ110では、アダプタ180がシリンジ200を所定の固定位置にロックする役割を果たす。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、クランパ(不図示)などでシリンジをロックするものであってもよい。
 インジェクタ110は、シリンジ200のピストン部材212を前進および後退させるピストン駆動機構120を有している。ピストン駆動機構120は2系統設けられており、各ピストン駆動機構120は互いに独立に動作する。ピストン駆動機構120は、図4に示すように、駆動源125と、その駆動源125からの出力を伝達する伝達機構122と、その伝達機構122からの力を受けて移動をするプレッサー部材121とを有している。プレッサー部材121は、前方または後方に直線移動をするように構成されている。
 プレッサー部材121は、ピストン部材212のピストンフランジ212aを把持する一対の爪部材121sを有するものであってもよく、これによりピストン部材212を引き戻すことができる。あるいは、プレッサー部材121は、そのような爪部材121sを有さず、単にピストン部材212を押すだけののものであってもよい。図示しないが、プレッサー部材121は、ピストン部材212を押圧する圧力を検出するための圧力センサ(例えばロードセル)を有していてもよい。ロードセルの検出結果を利用することで、プレッサー部材121がピストン部材212を押す圧力を算出することができる。なお、モータの電流電圧、周波数の変動、データテーブルなどを利用して注入圧力への変換を行ってもよい。
 本実施形態では、駆動源125として静電アクチュエータ(静電モータ)が利用される。静電アクチュエータの動作原理について図5を参照して説明する。図5は、静電アクチュエータの主要部を模式的に示す図である。なお、図5は交流駆動両電極形の静電アクチュエータの例であるが、他にも、パルス駆動誘導電荷形静電アクチュエータを利用してもよい。
 図5に示すように、この静電アクチュエータ125は、シート状の固定子部材162と、それに対向配置されたシート状の可動子部材161とを有している。可動子部材161および固定子部材162はいずれも、可撓性を有するFPC(Frexible Printed Circuit)フィルムで構成されていてもよく、内部に、三相の帯状電極161a、162aが所定のピッチで配置されている。FPCフィルムとしてはポリイミドフィルムであってもよく、帯状電極は銅箔であってもよい。可動子部材161と固定子部材162とは所定の間隔をあけて互いに略平行に配置され、可動子部材161と固定子部材162とが相対的にスライド移動するように構成されている。
 可動子部材161の帯状電極161aと固定子部材162の帯状電極162aは、結線の順が互いに逆順となる態様で、三相正弦波電源165に接続されている。帯状電極161a、162aには互いに逆位相の三相正弦波電圧が印加される。これにより、可動子部材161内および固定子部材162内に、図中に波線で示すような進行電圧分布が励起され、それが互いに逆向きに進行する。そして、この二つの電位分布の間には両者の空間的な位相差に応じた静電力が発生する。そして、安定な位相差が保たれるように、可動子部材161が図の矢印のように横方向(すなわち、帯状電極の配列方向)に直線的に移動する。
 静電アクチュエータ120の動作は、例えば、駆動源125に接続されたコンソール150によって制御することが可能である。具体的には、静電アクチュエータ120の動作速度、動作距離、および動作タイミングの少なくとも1つが制御される。コンソール150で決定された所定の注入プロトコルにしたがって静電アクチュエータ125の動作が自動で制御されてもよい。また、コンソール150等からの所定の割込み信号(例えば、オペレータによって入力された緊急停止信号)にしたがって、静電アクチュエータ125が自動停止されてもよい。
 本実施形態のインジェクタ110においては、静電アクチュエータ125の出力を利用して、ピストン駆動機構120のプレッサー部材121を進退移動させることができる。静電アクチュエータ125の出力を変更するためには、例えば、帯状電極の数量を変更する、帯状電極の面積を変更する、および/または印加する電圧を変更することで対応可能である。さらに、可動子部材161と固定子部材162とを積層構造とすることで高出力化を図ってもよい。なお、静電アクチュエータとしては、図5に例示されるようなリニアの出力を発生するものに限らず、回転力を発生するものであってもよいが、これについては他の図面を参照して後述する。
 複数の静電アクチュエータ125を並べて配置することで高出力化を図ることも可能である。この場合、回転式のモータを直列的または並列的に設けてもよいし、リニア式のモータを直列的または並列的に設けてもよい。
 静電アクチュエータ125によって、直接にプレッサー部材121を前進および/または後退移動させることができる場合には、伝達機構122を省略することも可能である。
 一方、伝達機構122を用いる場合、その伝達機構としては種々のものを採用しうる。一例の伝達機構としては、静電アクチュエータのリニアの出力を、回転運動または直線運動として伝達するものであってもよい。他の伝達機構としては、静電アクチュエータの回転出力を、回転運動または直線運動として伝達するものであってもよい。アクチュエータの出力を直線運動または回転運動のいずれに変換するかについては、駆動機構(上記の例で言えば「ピストン駆動機構120」)の種別に応じて適宜選択すればよい。ピストン駆動機構120の場合、プレッサー部材121が直線移動するものであるので、静電アクチュエータの出力を直線運動に変換(伝達)するものが用いられる。
 伝達機構122としては、ギア、ボールネジ、ピニオン/ラック、カム機構、クランク機構、およびベルト機構のいずれかまたはこれらの組合せを利用するものであってもよい。静電アクチュエータの特徴の1つは、非常に高速に動作可能な点にあり、一例としては可動子部材を1m/sec程度で移動させることもできる。したがって、伝達機構122は、可動部材の高速の往復運動を、直線運動または回転運動に変換して駆動力を伝達するものであってもよい。
 静電アクチュエータは、電磁モータ等と比較して重い磁性材料を必要としないため、軽量化および/または小型化に有利であり、しかも比較的簡素な構造で構成できるという利点がある。さらに、静電アクチュエータの金属製部材を非磁性体とすることより、非磁性モータを構成できる。また、静電アクチュエータにおいては、可動子部材と固定子部材とが基本的には非接触であるので、摺動による部材の損耗等が生じ難いという利点もある。
 したがって、本実施形態のように静電アクチュエータ125をインジェクタ110のピストン駆動機構120の駆動源として用いた場合には、ピストン駆動機構(ひいてはインジェクタ全体)の小型化および/または軽量化を図ることができる。しかも、非磁性とすることで、MR室内で好適に利用可能なMR用インジェクタ110を構成することもできる。
 なお、上述したような静電アクチュエータ125は、2つのピストン駆動機構120のうち一方のみに設けられていてもよいし、各機構120に設けられていてもよい。
[静電アクチュエータの他の構成]
 静電アクチュエータは、図5のようなリニア方式に限らず、種々の構成とすることができる。例えば、図7に示すような静電モータ125-1を用いてもよい。この静電モータ125-1は、ディスク状の固定子部材162と、所定の間隔をあけてそれに対向配置されたディスク状の可動子部材161とを有し、可動子部材161と固定子部材162とが相対的に回転運動をするように構成されている。この静電モータ125-1では、中心軸A周りの回転力が出力される。
 なお、図7のような回転力を出力する静電モータに関して、帯状電極の配置方向は特に限定されるものではないが、一例として、放射状に帯状電極が配置されたものであってもよい。あるいは、静電モータをより高出力化するために、ディスク状の固定子およびディスク状の回転子とを備え、複数の棒状電極が固定子および回転子のそれぞれに片持ち梁状でかつモータの軸方向に延在するように取り付けられた構成のモータを利用してもよい。
 FPCフィルムの可撓性を利用して、図7のような静電アクチュエータを構成してもよい。図7(A)の静電アクチュエータでは、筒状に形成された可動子部材161と、筒状に形成された固定子部材162とが略同軸に配置されており、可動子部材161が固定子部材162に対して回転するまたは軸方向に移動するように構成されている。この静電アクチュエータ125-2では、中心軸Aを中心とする回転方向の出力または中心軸Aに沿う方向のリニアな出力が得られる。
 図7(B)のアクチュエータでは、断面が略円弧状になるように曲面状に設けられた固定子部材162と、同様に曲面状に設けられた可動子部材161とが対向配置され、可動子部材161が固定子部材162に対して回動(中心軸A周りの360度未満の回転運動)するように構成されている。
 なお、図7の構成においては、可動子部材161と固定子部材162の位置が逆であってもよい。また図7(A)では、円筒状の部材を示しているが、円筒状に限定されるものではなく、断面形状が矩形、多角形、または楕円形などの筒形状にとすることもできる。図6および図7の静電アクチュエータにおいても、高出力化のために、可動子部材および固定子部材を積層構造としてもよい。
 静電アクチュエータ(静電モータ)の出力としては、直線運動および回転運動のいずれであってもよく、さらには直線運動に関しては、一方向のみの移動(例えば、可動範囲内におけるある地点から所定の地点までの移動)が出力として得られるものであってもよいし、往復移動が出力として得られるものであってもよい。
[駆動機構の他の例]
 静電アクチュエータは、ピストン駆動機構120(図4参照)に限らず、インジェクタの他の可動部の駆動源としても利用可能である。
 例えば図8に示すような、シリンジの位置をロックするためのシリンジロック機構310が、駆動源として静電アクチュエータ125を有していてもよい。シリンジロック機構310は、シリンジ200のシリンダ部材211に対して前進および後退するように構成されたクランパ301を有している。クランパ301は、一例で、シリンジ200の軸方向に直交する方向に移動する。クランパ301には、シリンダ部材211の外周面を押さえることができるように略円弧形状の凹状のカーブ面301aが形成されている。
 静電アクチュエータ125の動作は制御部155によって制御される。制御部155は、特に限定されるものではないが、コンソール150(図2参照)の機能の一部であってもよいし、または、インジェクタ110内に設けられた制御回路であってもよい。
 上記構成のシリンジロック機構310においては、制御部155が、不図示のセンサの検出結果に基づいてインジェクタにシリンが搭載されたかどうかを判定する。そして、シリンジがインジェクタに搭載されたと判定した場合に、静電アクチュエータ125を駆動させてクランパ301を進出させる。これにより、クランパ301のカーブ面301aによってシリンダ部材211が押さえられ、シリンジ200が所望の固定位置にロックされる。シリンジ200をロックし続けるために、制御部55は、静電アクチュエータ125への電圧の印加を継続してもよい。さらには、制御部155は、オペレータによる所定の入力(例えば不図示のスイッチの押圧)を受け取り、その場合に、クランパ301を前進させる制御を行うものであってもよい。
 このように構成されたシリンジロック機構310によれば、クランパ301の駆動源として静電アクチュエータ125を用いているので、非常に素早くクランパ301を移動させることが可能であり、しかも、静電アクチュエータに電圧を印加することにより十分な保持力でシリンジ200をロックすることができる。また、静電アクチュエータが駆動源であるので、シリンジロック機構を小型および/または軽量に構成することができる。
 図9では、薬液の流路を開閉または切替えを行う流路切替機構330が設けられており、その駆動源として静電アクチュエータ125が用いられている。流路切替機構330は、一例として、薬液チューブ217に設けられた三方活栓(不図示)を自動で切り替えるためのものであり、三方活栓のハンドルを保持してそれを回す可動機構(不図示)を有している。この可動部材は、回転軸周りに回動するように構成されており、駆動源125からの駆動力により正転方向または逆転方向に回るようになっている。三方活栓のハンドルを回転させることで、薬液の流路の切替えまたは開閉が行われる。
 一般に、薬液チューブ217に取り付けられる三方活栓は、サイズがそれほど大きくはなく、したがって、流路切替機構330も比較的小型に構成されることが多い。この点、従来の電磁モータを駆動源とする場合に比べて、静電アクチュエータを利用することで、流路切替機構330の小型および/または軽量化を図ることができる。
 以上、インジェクタ110を例に挙げて本発明のいくつかの形態について説明したが、本発明はインジェクタ110以外の薬液注入装置にも応用可能であり、そのような薬液注入装置としては、例えば、バッグまたはシリンジ内の薬液を患者に向けて供給するための輸液ポンプ等が挙げられる。輸液ポンプの場合、フィンガポンプまたはローラポンプの駆動源として静電アクチュエータを利用してもよい。
[他の医用機器における静電アクチュエータの利用]
 静電アクチュエータは、さらに、例えば図1の撮像装置300の寝台305を移動させるための駆動源としても利用可能である。特に、撮像装置300がMRI装置である場合、静電アクチュエータは非磁性モータとして構成することが可能であるため、MRI検査への悪影響を防止することができる。
 また、図10に示すように、インジェクタ110を支持するスタンド145において、インジェクタ110の高さを変更するための調整機構350に静電アクチュエータが利用されてもよい。一例として、このスタンド145は、略中空の下軸148と、その下軸148に対して上下方向に移動可能に挿入された上軸149を有しており、調整機構350は両軸の接続部分に設けられている。調整機構350の静電アクチュエータとしては、下軸148の内側に沿って筒状に形成された固定子部材と、上軸149の外側に沿って筒状に形成された可動子部材とを有するものであってもよい。
 スタンド145には、オペレータによって操作されるスイッチ(不図示)が設けられていてもよく、このスイッチを押すことで、上軸149を上方または下方に移動させ、インジェクタ110の位置を変更することができる。なお、静電アクチュエータ125は、必ずしもインジェクタ110を上昇させるのに十分な出力を有するものに限らず、単独ではインジェクタ110を上昇させることができないが、オペレータが手動でインジェクタ110を上昇させる際にその作業をアシストするものであってもよい。
 本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変形が可能である。また、1つの実施形態における構成と他の実施形態における構成とが組み合わされてもよい。
 図5は、1周波数法と呼ばれる方式のモータの構成を示したが、本発明においては、これに限らず2周波数法と呼ばれる方式を利用してもよい。2周波数法は駆動に6相分の信号(3相正弦波×2)が必要とされるものであり、1周波数法は信号相数を6相から3相へと削減した駆動方法である。
 100 薬液注入装置
 110 インジェクタ
 114 シリンジ保持部
 120 ピストン駆動機構
 121 プレッサー部材
 125 駆動源(静電アクチュエータ、静電モータ)
 145 スタンド
 148 下軸
 149 上軸
 150 コンソール
 161 可動子部材
 162 固定子部材
 161a、162a 帯状電極
 165 電源
 180 アダプタ
 200A、200B シリンジ
 217 薬液チューブ
 300 撮像装置
 350 調整機構
 
 

Claims (8)

  1.  患者に薬液を注入するための薬液注入装置であって、
     複数の帯状電極が形成された固定子部材および複数の帯状電極が形成され前記固定子部材に対向配置された可動子部材を有し、静電力を利用して、前記可動子部材を固定子部材に対して相対的に移動させる静電アクチュエータと、
     前記静電アクチュエータの駆動力によって動かされる可動部材を有する駆動機構と、
     を備える、薬液注入装置。
  2.  シリンダ部材とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材とを有するシリンジを保持するシリンジ保持部を備え、
     前記駆動機構として、前記ピストン部材を前進および/または後退させるためのピストン駆動機構を備える、
     請求項1に記載の薬液注入装置。
  3.  シリンダ部材とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材とを有するシリンジを保持するシリンジ保持部を備え、
     前記駆動機構として、保持された前記シリンジをロックするためのシリンジロック機構を備える、
     請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  4.  前記駆動機構として、前記薬液の流路の開閉または切替えを行う流路切替機構を備える、
     請求項1に記載の薬液注入装置。
  5.  前記駆動機構として、薬液チューブを押圧することで薬液を移送するフィンガポンプまたはローラポンプを備える、
     請求項1に記載の薬液注入装置。
  6.  前記静電アクチュエータは、
     前記固定子部材に対して前記可動子部材が回転運動するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  7.  前記静電アクチュエータは、
     前記固定子部材に対して前記可動子部材が直線移動するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  8.  前記静電アクチュエータが非磁性体で構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
     
     
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