JP2018068065A - 電気機械変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電部が形成された可動部材が受ける空気抵抗を抑えて電力と動力の間の変換効率を向上させた電気機械変換器を提供する。
【解決手段】帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器(1)は、固定基板(13)と、固定基板との間で一定の距離を保って移動可能であり、固定基板に対向する面(121)において移動方向に間隔を空けて形成された複数の溝部(125)を有する可動部材(12)と、複数の溝部にそれぞれ埋め込まれるように可動部材上に形成された複数の帯電部(15)と、固定基板の可動部材に対向する面(132)において可動部材の移動方向に間隔を空けて形成された複数の対向電極(17)とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器に関する。
半永久的に電荷を保持する性質を持つエレクトレットを利用することで発生する静電的な相互作用により電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器が知られている。例えば、特許文献1には、互いに絶縁され、その中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、導電部材からなる第1の電極を有する固定子と、互いに絶縁され、その回転中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、エレクトレット材料からなる第2の電極を有する可動子とを有し、固定子と可動子が対向して配置され、第1の電極に所定の電圧パターンを印加し、固定子と可動子との間の静電気によるクーロン力で可動子を回転させる静電電動機が記載されている。
また、特許文献2には、回転力を発生させる板状の回転体と、回転体の両面にそれぞれ設けられた第1および第2の各発電機構を備え、第1および第2の各発電機構は、第1および第3の各電極と、これらの各電極と対向する位置にそれぞれ設けられた第2および第4の各電極と、第1および第3の各電極および第2および第4の各電極のいずれか一方に設けられた電荷保持体とを備え、第1および第3の各電極と第2および第4の各電極との相対的な回転により電荷保持体に電荷の変化を生じさせて、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出す発電装置が記載されている。
上記のような電気機械変換器では、例えば、可動部材(可動子、回転体)に複数の帯電部が形成され、固定基板(固定子)に複数の対向電極が形成される。可動部材としては、例えば、回転軸の周りに回転可能な回転部材がある。複数の帯電部および対向電極は、それぞれ、可動部材の移動方向に間隔を空けて配置されている。
図9(A)および図9(B)は、従来の電気機械変換器における回転部材12Eの上面図および端面図である。図9(A)は回転部材12Eの上面を示し、図9(B)は、図9(A)のIXB−IXB線に沿った回転部材12Eの切断面を示す。回転部材12Eには、上面に帯電部15’が、下面に帯電部16’が、それぞれ円周方向に等間隔、かつ回転軸11を中心として放射状に配置されている。回転部材12Eは、凹凸のない平坦な基板で構成されたものであり、帯電部15’,16’の部分は、回転部材12Eの上面および下面においてそれぞれ突出している。
特開2015−126557号公報 特開2011−078214号公報
電気機械変換器では、帯電部の厚さが大きいほど、得られる駆動力または電力は大きくなるが、可動部材の両面における突出部分の厚さも大きくなる。例えば、数百μm程度の厚さの可動部材に数十μm程度の厚さの帯電部が設けられている場合には、帯電部の厚さが可動部材の厚さの10%を超えることがあり、帯電部の厚さは決して無視できるほど小さくはない。この場合、帯電部による凹凸が可動部材の表面に形成されていることにより、可動部材の移動に伴って気流が発生し、それにより可動部材が受ける空気抵抗が増加するため、その分、電力と動力の間の変換効率が低下する。
そこで、本発明は、帯電部が形成された可動部材が受ける空気抵抗を抑えて電力と動力の間の変換効率を向上させた電気機械変換器を提供することを目的とする。
帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器であって、固定基板と、固定基板との間で一定の距離を保って移動可能であり、固定基板に対向する面において移動方向に間隔を空けて形成された複数の溝部を有する可動部材と、複数の溝部にそれぞれ埋め込まれるように可動部材上に形成された複数の帯電部と、固定基板の可動部材に対向する面において可動部材の移動方向に間隔を空けて形成された複数の対向電極とを有することを特徴とする電気機械変換器が提供される。
上記の電気機械変換器では、複数の帯電部が複数の溝部を満たすように形成されており、可動部材の固定基板に対向する面は、複数の帯電部および複数の溝部による凹凸がない平坦面であることが好ましい。
上記の電気機械変換器では、可動部材は、固定基板とは反対側の面に、移動方向に間隔を空けて形成された第2の複数の溝部を有し、可動部材を挟んで固定基板とは反対側に配置された第2の固定基板と、第2の複数の溝部にそれぞれ埋め込まれるように可動部材上に形成された第2の複数の帯電部と、第2の固定基板の可動部材に対向する面において可動部材の移動方向に間隔を空けて形成された第2の複数の対向電極とをさらに有することが好ましい。
上記の電気機械変換器では、複数の溝部および第2の複数の溝部と複数の対向電極および第2の複数の対向電極との一方は可動部材の移動方向における同じ位置に揃って配置され、他方は移動方向に互い違いに配置されていることが好ましい。
上記の電気機械変換器では、可動部材は、回転軸の周りに回転可能な回転部材であり、複数の溝部、第2の複数の溝部、複数の対向電極および第2の複数の対向電極は、それぞれ回転軸を中心として放射状に配置されていることが好ましい。
上記の電気機械変換器では、可動部材は、固定基板および第2の固定基板に平行な方向に往復移動可能なスライド板であり、複数の溝部、第2の複数の溝部、複数の対向電極および第2の複数の対向電極は、それぞれ可動部材の移動方向に垂直に延びる直線状の形状を有することが好ましい。
上記の電気機械変換器は、極性が交互に切り替わる電圧を複数の対向電極および第2の複数の対向電極に印加して、複数の帯電部と複数の対向電極との間および第2の複数の帯電部と第2の複数の対向電極との間で発生する静電気力により可動部材を移動させる駆動部をさらに有することが好ましい。
上記の電気機械変換器は、可動部材の移動に応じて複数の帯電部と複数の対向電極との間および第2の複数の帯電部と第2の複数の対向電極との間の静電誘導により発生した電力を蓄積する蓄電部をさらに有することが好ましい。
上記の電気機械変換器によれば、帯電部が形成された可動部材が受ける空気抵抗を抑えられ、電力と動力の間の変換効率が向上する。
電気機械変換器1の概略構成図である。 アクチュエータ10の模式的な斜視図および側面図である。 回転部材12の上面図および端面図である。 回転部材12の製造工程の例を説明するための断面図である。 回転部材12’の上面図および端面図である。 他のアクチュエータ10’の模式的な側面図である。 電気機械変換器2の概略構成図である。 電気機械変換器3の概略構成図である。 従来の電気機械変換器における回転部材12Eの上面図および端面図である。
以下、図面を参照して、電気機械変換器について詳細に説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
図1は、電気機械変換器1の概略構成図である。図1に示すように、電気機械変換器1は、アクチュエータ10および駆動部20を有する。アクチュエータ10は、主要な構成要素として、回転部材12、固定基板13,14、エレクトレット部15,16および対向電極17,18を有する。電気機械変換器1は、駆動部20に入力された電気信号をもとに、エレクトレット部15,16と対向電極17,18との間の静電気力を利用して回転部材12を回転させることにより電力から動力を取り出す駆動装置(エレクトレットモータ)である。
図2(A)および図2(B)は、それぞれ、アクチュエータ10の模式的な斜視図および側面図である。図2(A)に示すように、アクチュエータ10は、円板状の回転部材12が2枚の固定基板13,14に挟まれて構成される。また、図2(B)に示すように、アクチュエータ10では、回転部材12の上面121側にエレクトレット部15と対向電極17の組が、回転部材12の下面122側にエレクトレット部16と対向電極18の組が、それぞれ配置されている。図2(B)では、図示を簡単にするために、図の横方向が回転部材12,固定基板13,14の円周方向(図2(A)の矢印C方向)に相当するように変形された側面図を示している。また、図1では、アクチュエータ10として、図の上から順に、固定基板13の下面132、回転部材12の上面121、回転部材12の下面122、および固定基板14の上面141を並べて示している。
図2(A)に示す回転軸11は、回転部材12の回転中心となる軸であり、回転軸11は回転部材12の中心を貫通している。回転軸11の上下端は、軸受けを介して、図示しない電気機械変換器1の筐体に固定されている。なお、図1と図2(B)では、回転軸11の図示を省略している。
回転部材12は、可動部材の一例であり、ガラスまたはシリコン(Si)などの周知の基板材料で構成される。図2(A)に示すように、回転部材12は、例えば円板状の形状を有し、その中心で回転軸11に接続している。回転部材12は、駆動部20に入力された電気信号に応じてエレクトレット部15,16と対向電極17,18との間で発生する静電気力により、回転軸11の周りを、図2(A)の矢印C方向(時計回りおよび反時計回り)に回転可能である。すなわち、回転部材12は、固定基板13,14との間で一定の距離を保って移動可能である。
固定基板13,14は、ガラスエポキシ基板などの周知の基板材料で構成される。図2(A)に示すように、固定基板13,14は、例えば円板状の形状を有する。固定基板13は、回転部材12の上面121(一方の面)に対向して回転部材12の上側に配置され、固定基板14は、回転部材12の下面122(他方の面)に対向して回転部材12の下側に配置されている。すなわち、固定基板14は、回転部材12を挟んで固定基板13とは反対側に配置されている。なお、回転軸11が固定基板13,14の中心を貫通しているが、固定基板13,14は、回転部材12とは異なり、電気機械変換器1の筐体に対して固定されている。
エレクトレット部15,16は、それぞれ、静電荷を保持する複数の帯電部で構成される。これらの帯電部は、図1に示すように、略台形の形状を有する。図1および図2(B)に示すように、エレクトレット部15は、回転部材12の上面121側に形成され、エレクトレット部16は、回転部材12の下面122側に形成されている。エレクトレット部15,16は、回転部材12の回転方向(円周方向、矢印C方向)に間隔を空けて回転軸11の周りに等間隔に配置され、かつ回転軸11を中心として放射状に配置されている。また、図2(B)に示すように、アクチュエータ10では、エレクトレット部15のパターンとエレクトレット部16のパターンとは、円周方向に互い違いに配置されている。
対向電極17,18はそれぞれ複数の電極で構成され、これらの電極は、図1に示すように、エレクトレット部15,16と同様に略台形の形状を有する。対向電極17は、エレクトレット部15に対向するように、固定基板13の下面132に形成され、対向電極18は、エレクトレット部16に対向するように、固定基板14の上面141に形成されている。対向電極17,18も、円周方向に間隔を空けて回転軸11の周りに等間隔に配置され、かつ回転軸11を中心として放射状に配置されている。また、図2(B)に示すように、アクチュエータ10では、対向電極17のパターンと対向電極18のパターンとは、円周方向における同じ位置に揃って配置されている。
なお、エレクトレット部15を構成する帯電部と対向電極17を構成する電極の個数は互いに等しく、かつエレクトレット部16を構成する帯電部と対向電極18を構成する電極の個数も互いに等しい。図1および図2(B)では、エレクトレット部15,16と対向電極17,18をそれぞれ4個ずつしか記載していないが、実際には、これらはより多数の帯電部または電極で構成される。
駆動部20は、アクチュエータ10を駆動するための回路であり、クロック21および比較器22,23を有する。駆動部20は、極性が交互に切り替わる電圧を対向電極17,18に印加して、複数のエレクトレット部15と対向電極17の間およびエレクトレット部16と対向電極18の間で発生する静電気力により、回転部材12を回転させる。
図1に示すように、クロック21の出力は比較器22,23の入力に接続され、比較器22の出力は対向電極17に、比較器23の出力は対向電極18に、それぞれ電気配線を介して接続されている。比較器22,23は、それぞれクロック21からの入力信号の電位と接地電位とを比較し、その結果を2値で出力するが、比較器22,23の出力信号は互いに逆の符号である。クロック21からの入力信号がHのときには、対向電極17は+V、対向電極18は−Vの電位になり、入力信号がLのときには、対向電極17は−V、対向電極18は+Vの電位になる。
図2(B)に示すように、アクチュエータ10の駆動時には、駆動部20は、一方のエレクトレット部15と円周方向における同じ位置にある対向電極17には、エレクトレット部15の帯電と同じ符号の電圧を印加する。このとき、他方の対向電極18は、他方のエレクトレット部16とは円周方向における位置がずれた状態にある。駆動部20は、対向電極18には、エレクトレット部16の帯電とは異なる符号の電圧を印加する。図2(B)では、エレクトレット部15,16が負に帯電し、対向電極17には−の、対向電極18には+の電圧が印加されるときの状態を示している。こうして、駆動部20は、極性が交互に切り替わる電圧を対向電極17と対向電極18の間に印加することにより、回転部材12を回転させる。
図3(A)および図3(B)は、回転部材12の上面図および端面図である。図3(A)は回転部材12の上面を示し、図3(B)は、図3(A)のIIIB−IIIB線に沿った回転部材12の切断面を示す。
図3(B)に示すように、回転部材12では、上面121に複数の溝部125が、下面122に複数の溝部126が、それぞれ円周方向に間隔を空けて形成されている。特に、溝部125,126は、それぞれ円周方向に等間隔かつ放射状に形成されている。回転軸11を中心とする同一円周上では、上面121における溝部125の部分と溝部125以外の部分、および下面122における溝部126の部分と溝部126以外の部分の幅は、それぞれ同じである。
溝部125の個数とエレクトレット部15を構成する帯電部の個数は同じであり、エレクトレット部15は溝部125に埋め込まれるように形成されている。同様に、溝部126の個数とエレクトレット部16を構成する帯電部の個数は同じであり、エレクトレット部16は溝部126に埋め込まれるように形成されている。これにより、図3(A)および図3(B)に示すように、回転部材12では、エレクトレット部15,16がそれぞれ円周方向に等間隔かつ放射状に配置されている。
例えば、回転部材12の直径は5〜20mm程度である。また、例えば、エレクトレット部15,16を除いた回転部材12の基板部分の厚さは100〜500μm程度であり、エレクトレット部15,16の厚さは15〜20μm程度である。
回転部材12では、エレクトレット部15,16は溝部125,126を満たすように形成されている。より詳細には、エレクトレット部15の上面は溝部125以外の部分における上面121と同一平面であり、エレクトレット部16の上面(図における下面)は溝部126以外の部分における下面122と同一平面である。このため、回転部材12の上面121と下面122は、エレクトレット部15,16および溝部125,126による凹凸がない平坦面になっている。なお、回転部材12の上面および下面において回転軸11を取り囲む円環状の中央部121cは、エレクトレット部も溝部も形成されていない平坦な領域である。
回転部材12では、エレクトレット部15,16の厚さに応じて溝部125,126の深さを大きくすれば、エレクトレット部15,16の厚さにかかわらず、上面121と下面122は平坦面になる。このため、回転部材12を使用する電気機械変換器1では、図9(A)および図9(B)に示した回転部材12Eを使用する場合と比べて、回転時に気流の影響を受けにくく、回転部材12が受ける空気抵抗が少ないため、その分、電力と動力の間の変換効率が向上する。
また、図3(B)に示すように、回転部材12では、溝部125と溝部126は円周方向に互い違いに配置されており、したがって、エレクトレット部15のパターンとエレクトレット部16のパターンも円周方向に互い違いに配置されている。より詳細には、円周方向に関して、上面121における溝部125の位置と下面122における溝部126以外の位置とが一致し、かつ、上面121における溝部125以外の位置と下面122における溝部126の位置とが一致している。また、図2(B)に示すように、回転部材12では、対向電極17のパターンと対向電極18のパターンとは、円周方向における同じ位置に揃って配置されている。
仮に、エレクトレット部15とエレクトレット部16が円周方向における同じ位置に揃って配置され、かつ対向電極17と対向電極18も円周方向における同じ位置に揃って配置されていると、回転部材が回転したときに、静電的な相互作用が両面側で同時に発生する期間とどちらの面でも発生しない期間とが交互に繰り返される。すなわち、電気機械変換器により駆動力が発生する期間と発生しない期間とが交互に繰り返されるため、エレクトレットモータの回転中の駆動力が間欠的になり、スムーズな回転が得られない。
しかしながら、回転部材12では、図2(B)に示すように、エレクトレット部15,16と対向電極17,18のうちで、エレクトレット部16のパターンだけが、エレクトレット部15のパターンに対して半ピッチだけずれて配置されている。これにより、回転部材12の回転中には、エレクトレット部15および対向電極17の間の静電気力と、エレクトレット部16および対向電極18の間の静電気力とが交互に発生するので、連続的な駆動力が得られる。したがって、回転部材12を使用することにより、エレクトレットモータの回転をスムーズにすることができる。
図4(A)〜図4(E)は、回転部材12の製造工程の例を説明するための断面図である。これらの図は、図示を簡単にするために、図の横方向が回転部材の円周方向(図2(A)の矢印C方向)に相当するように変形されたものである。
回転部材12の製造時には、まず、図4(A)に示すように、Si基板またはガラス基板などの基板90の上面と下面に、フォトリソグラフィまたは電子ビーム加工などにより、レジストなどのマスク層91,92がそれぞれパターニングされる。次に、図4(B)および図4(C)に示すように、深掘りエッチングまたはブラスト加工などにより、基板90の両面を削り取ることで、上面側に複数の溝部93が形成され、下面側に複数の溝部94が形成される。このとき、溝部93,94の深さは、形成予定のエレクトレット部15,16の厚さと同じになるようにする。
続いて、図4(D)に示すように、マスク層91,92が形成された基板90の上面と下面に、塗布またはスプレーコートなどにより、エレクトレット膜15’’,16’’がそれぞれ形成される。さらに、図4(E)に示すように、マスク層91,92を除去することにより、エレクトレット膜15’’,16’’のうちでマスク層91,92の上に形成されていた部分も併せて除去されて(リフトオフ)、エレクトレット部15,16のパターンが形成される。以上の工程により、図3(A)および図3(B)に示す回転部材12が得られる。
図5(A)および図5(B)は、回転部材12’の上面図および端面図である。図5(A)は回転部材12’の上面を示し、図5(B)は、図5(A)のVB−VB線に沿った回転部材12’の切断面を示す。回転部材12’は、溝部が形成されている位置のみが回転部材12とは異なり、その他の点では回転部材12と同じ構成を有する。アクチュエータ10の回転部材12としては、回転部材12’を用いてもよい。
図5(B)に示すように、回転部材12’では、回転部材12と同様に、上面121に複数の溝部125’が、下面122に複数の溝部126’が、それぞれ円周方向に等間隔かつ放射状に形成されている。また、エレクトレット部15は溝部125’に、エレクトレット部16は溝部126’に、それぞれ埋め込まれるように形成されている。回転部材12’でも、エレクトレット部15,16は溝部125’,126’を満たすように形成されており、上面121と下面122は凹凸がない平坦面である。ただし、回転部材12’では、回転部材12とは異なり、溝部125’と溝部126’(すなわち、エレクトレット部15とエレクトレット部16)は、円周方向における同じ位置に揃って配置されている。
図6は、他のアクチュエータ10’の模式的な側面図である。この図は、図2(B)と同様に、横方向が回転部材12’の円周方向に相当するように変形された側面図である。アクチュエータ10’は、エレクトレット部15,16が回転部材12’の回転方向(円周方向、矢印C方向)における同じ位置に揃って配置され、かつ対向電極17,18が円周方向に互い違いに配置されている点が、図2(B)に示したアクチュエータ10とは異なる。その他の点では、アクチュエータ10’はアクチュエータ10と同様の構成を有する。回転部材12’を用いる場合には、図2(B)のアクチュエータ10に代えて、図6のアクチュエータ10’を用いるとよい。
回転部材12’を有するアクチュエータ10’を有する場合にも、回転時に気流の影響を受けにくく、回転部材12’が受ける空気抵抗が少ないため、その分、電力と動力の間の変換効率が向上する。また、エレクトレット部15および対向電極17の間の静電気力と、エレクトレット部16および対向電極18の間の静電気力とが回転中に交互に発生するので、連続的な駆動力が得られ、エレクトレットモータの回転をスムーズにすることができる。
図7は、電気機械変換器2の概略構成図である。図7に示すように、電気機械変換器2は、発電部30および蓄電部40を有する。発電部30は、アクチュエータ10と同様に、主要な構成要素として、回転部材12、固定基板13,14、エレクトレット部15,16および対向電極17,18を有する。電気機械変換器2は、外部環境の運動エネルギーを用いて回転部材12を回転させ、発電部30内で静電誘導により静電気を発生させることで動力から電力を取り出す発電装置(エレクトレット発電機)である。
回転部材12、固定基板13、エレクトレット部15および対向電極17,18は、アクチュエータ10のものと同じであるが、例えば、発電部30の回転部材12には、重量バランスの偏りを有する図示しない回転錘が取り付けられる。また、電気機械変換器2の対向電極17,18は、それぞれ電気配線を介して蓄電部40に接続されている。発電部30では、例えば電気機械変換器2を携帯する人体の運動または電気機械変換器2が取り付けられた機械などの振動を動力源として、回転錘付きの回転部材12がその円周方向に回転する。
回転部材12が回転すると、それに伴い、エレクトレット部15,16と対向電極17,18の間の重なり面積が増減する。例えば、エレクトレット部15,16の内面に負電荷が保持されているとすると、回転部材12の回転に伴い、対向電極17,18に引き寄せられる正電荷が増減して、対向電極17と対向電極18の間に交流電流が発生する。このようにして電流を発生させることにより、発電部30は静電誘導を利用した発電を行う。
蓄電部40は、整流回路41および二次電池42を有し、回転部材12の回転に応じてエレクトレット部15と対向電極17との間およびエレクトレット部16と対向電極18との間の静電誘導により発生した電力を蓄積する。対向電極17と対向電極18からの出力は整流回路41に接続され、整流回路41は二次電池42に接続されている。整流回路41は、4個のダイオードを有するブリッジ式の回路であり、対向電極17と対向電極18の間で生成された電流を整流する。二次電池42は、リチウム二次電池などの充放電可能な電池であり、発電部30によって発電された電力を蓄積し、図示しない駆動対象の回路にその電力を供給する。
発電部30でも、アクチュエータ10と同様に、回転部材12が回転時に気流の影響を受けにくく、回転部材12’が受ける空気抵抗が少ないという効果が得られる。また、発電部30は、上記した回転部材12’を有するアクチュエータ10’と同様のものであってもよく、この場合でも同様の効果が得られる。
なお、発電部30では、アクチュエータ10,10’とは異なり、エレクトレット部15とエレクトレット部16が円周方向における同じ位置に揃って配置され、かつ対向電極17と対向電極18も円周方向における同じ位置に揃って配置されていてもよい。しかしながら、発電部30でも、エレクトレット部15,16と対向電極17,18との一方が回転部材12,12’の回転方向における同じ位置に揃って配置され、他方が回転方向に互い違いに配置されていれば、エレクトレット部15および対向電極17の間の静電誘導と、エレクトレット部16および対向電極18の間の静電誘導とが交互に発生するので、結果として、静電誘導の発生期間が連続する。
図8(A)〜図8(C)は、電気機械変換器3の概略構成図である。図8(A)に示すように、電気機械変換器3は、アクチュエータ50および駆動部20を有する。アクチュエータ50は、主要な構成要素として、筐体51、スライド板52、固定基板53,54、エレクトレット部55,56および対向電極57,58を有する。図8(B)および図8(C)は、エレクトレット部55,56および対向電極57,58の配置、ならびにスライド板52の移動方向を示す平面図である。
電気機械変換器3は、駆動部20に入力された電気信号をもとに、エレクトレット部55,56と対向電極57,58との間の静電気力を利用して、スライド板52を往復移動させることにより、電力から動力を取り出す駆動装置である。電気機械変換器の可動部材は、電気機械変換器1,2の回転部材12のように回転するものに限らず、電気機械変換器3のスライド板52のようにスライド移動するものであってもよい。
図8(A)に示すように、固定基板53,54は、箱型の筐体51の上面および底面にそれぞれ配置されている。スライド板52は、可動部材の一例であり、筐体51内において、図示しない可動支持部により支持され、固定基板53と固定基板54の間を、固定基板53,54に平行な方向(水平方向)に往復移動可能である。スライド板52の上面および下面には、それぞれスライド板52の移動方向(矢印A方向)に間隔を空けて、その移動方向と直交する方向に帯状(直線状)に延びる複数の溝部が形成されている。
図8(A)〜図8(C)に示すように、エレクトレット部55,56は、スライド板52の上面および下面における溝部に埋め込まれるように形成されている。このため、エレクトレット部55,56は、スライド板52の移動方向に間隔を空けて、その移動方向と直交する方向に帯状に配置されている。アクチュエータ50のスライド板52でも、エレクトレット部55,56は各溝部を満たすように形成されており、スライド板52の上面と下面は凹凸がない平坦面である。これにより、アクチュエータ50でも、上記したアクチュエータ10,10’と同様に、気流の影響が軽減してスライド板52の空気抵抗が少なくなる。また、スライド板52でも、上面側のエレクトレット部55および溝部と、下面側のエレクトレット部56および溝部とは、互い違いに配置されている。
対向電極57,58は、それぞれ、固定基板53の下面および固定基板54の上面に、スライド板52の移動方向に間隔を空けて、その移動方向と直交する方向に帯状に形成されている。アクチュエータ50では、対向電極57,58は、スライド板52の移動方向における同じ位置に配置されている。
駆動部20は、アクチュエータ50を駆動するための回路であり、複数の対向電極57,58に電気配線を介して接続されている。駆動部20は、電気機械変換器1のものと同様の構成を有し、極性が交互に切り替わる電圧を複数の対向電極57,58に印加することにより、図8(B)および図8(C)に示すように、スライド板52を筐体51内で水平方向(矢印A方向)にスライド移動させる。
なお、スライド板52の上面側の溝部と下面側の溝部(エレクトレット部55とエレクトレット部56)とがスライド板52の移動方向における同じ位置に揃って配置され、対向電極57と対向電極58とがその移動方向に互い違いに配置されていてもよい。すなわち、アクチュエータ50でも、スライド板52の両面の溝部(エレクトレット部55,56)と対向電極57,58との一方がスライド板52の移動方向における同じ位置に配置され、他方はその移動方向に互い違いに配置されているとよい。これにより、スライド板52の移動中には、エレクトレット部55および対向電極57の間の静電気力と、エレクトレット部56および対向電極58の間の静電気力とが交互に発生するので、連続的な駆動力が得られ、エレクトレットモータの回転をスムーズにすることができる。
また、エレクトレット部は可動部材(回転部材12,12’およびスライド板52)の片面側のみに配置され、対向電極はそのエレクトレット部に対向する片側の固定基板のみに配置されていてもよい。例えば、図2(B)に示したアクチュエータ10において、回転部材12の下面122側のエレクトレット部16、固定基板14および対向電極18を省略してもよい。この場合でも、可動部材の溝部に埋め込まれるようにエレクトレット部を形成すれば、上記したアクチュエータ10,10’,50などと同様に、気流の影響が軽減して可動部材の空気抵抗が少なくなる。
1,2,3 電気機械変換器
10,10’,50 アクチュエータ
11 回転軸
12,12’,12E 回転部材
121,141 上面
122,132 下面
125,125’,126,126’ 溝部
13,14,53,54 固定基板
15,16,55,56 エレクトレット部
17,18,57,58 対向電極
20 駆動部
30 発電部
40 蓄電部
52 スライド板

Claims (8)

  1. 帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器であって、
    固定基板と、
    前記固定基板との間で一定の距離を保って移動可能であり、前記固定基板に対向する面において移動方向に間隔を空けて形成された複数の溝部を有する可動部材と、
    前記複数の溝部にそれぞれ埋め込まれるように前記可動部材上に形成された複数の帯電部と、
    前記固定基板の前記可動部材に対向する面において前記可動部材の前記移動方向に間隔を空けて形成された複数の対向電極と、
    を有することを特徴とする電気機械変換器。
  2. 前記複数の帯電部が前記複数の溝部を満たすように形成されており、
    前記可動部材の前記固定基板に対向する面は、前記複数の帯電部および前記複数の溝部による凹凸がない平坦面である、請求項1に記載の電気機械変換器。
  3. 前記可動部材は、前記固定基板とは反対側の面に、前記移動方向に間隔を空けて形成された第2の複数の溝部を有し、
    前記可動部材を挟んで前記固定基板とは反対側に配置された第2の固定基板と、
    前記第2の複数の溝部にそれぞれ埋め込まれるように前記可動部材上に形成された第2の複数の帯電部と、
    前記第2の固定基板の前記可動部材に対向する面において前記可動部材の前記移動方向に間隔を空けて形成された第2の複数の対向電極と、
    をさらに有する、請求項1または2に記載の電気機械変換器。
  4. 前記複数の溝部および前記第2の複数の溝部と前記複数の対向電極および前記第2の複数の対向電極との一方は前記可動部材の前記移動方向における同じ位置に揃って配置され、他方は前記移動方向に互い違いに配置されている、請求項3に記載の電気機械変換器。
  5. 前記可動部材は、回転軸の周りに回転可能な回転部材であり、
    前記複数の溝部、前記第2の複数の溝部、前記複数の対向電極および前記第2の複数の対向電極は、それぞれ前記回転軸を中心として放射状に配置されている、請求項3または4に記載の電気機械変換器。
  6. 前記可動部材は、前記固定基板および前記第2の固定基板に平行な方向に往復移動可能なスライド板であり、
    前記複数の溝部、前記第2の複数の溝部、前記複数の対向電極および前記第2の複数の対向電極は、それぞれ前記可動部材の前記移動方向に垂直に延びる直線状の形状を有する、請求項3または4に記載の電気機械変換器。
  7. 極性が交互に切り替わる電圧を前記複数の対向電極および前記第2の複数の対向電極に印加して、前記複数の帯電部と前記複数の対向電極との間および前記第2の複数の帯電部と前記第2の複数の対向電極との間で発生する静電気力により前記可動部材を移動させる駆動部をさらに有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の電気機械変換器。
  8. 前記可動部材の移動に応じて前記複数の帯電部と前記複数の対向電極との間および前記第2の複数の帯電部と前記第2の複数の対向電極との間の静電誘導により発生した電力を蓄積する蓄電部をさらに有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の電気機械変換器。
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