JP6700139B2 - エレクトレット基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトレット基板の製造方法に関する。
半永久的に電荷を保持する性質を持つエレクトレットを利用することで発生する静電的な相互作用により電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器が知られている。例えば、特許文献1には、エレクトレット電極とその対向電極とを相対移動させることによって生じる静電誘導を利用して発電する発電装置が記載されている。また、特許文献2には、電極に電圧を印加したときにエレクトレットとの間で生じる静電気力を利用して移動子を駆動するエレクトレット駆動装置が記載されている。
また、特許文献3には、こうしたエレクトレットの製造方法が記載されている。この製造方法では、Si(シリコン)基板の表面にウェット酸化(熱酸化)によりK+イオン(カリウムイオン)を含むSiO層を形成し、その基板の上下端を電極で挟んでヒータで加熱しながらバイアス電圧を印加して、K+イオンをSiO層の表面に移動させることで、K+イオンを含むSiO層のエレクトレットを備えたエレクトレット基板を製造する。
図8(A)〜図8(D)は、従来のエレクトレット基板50’の製造工程を示す模式的な断面図である。
エレクトレット基板50’の製造時には、図8(A)に示すSi基板51の表面を、K+イオンを含む雰囲気中で熱酸化させて、図8(B)に示すように、K+イオンを含有するSiO層52をSi基板51の上面に形成する。続いて、図8(C)に示すように、SiO層52の上方にSiO層52から距離を離して電極(負極)54を配置し、Si基板51を正極(GND)に接続して、ヒータ55で加熱しながら電極54とSi基板51との間に電圧を印加することにより、SiO層52を帯電させる。すると、SiO層52内のK+イオンはSiO層52の上面に移動し、その上面からSi基板51の外部に飛散するので、SiO層52の内部には負電荷が残り、結果としてSiO層52は負に帯電する。これにより、図8(D)に示すエレクトレット基板50’が完成する。
特開2015−192577号公報 特開2005−341675号公報 特開2014−049557号公報
エレクトレット基板50’の製造時には、図8(C)に示した帯電工程において、負極となる電極54と帯電層であるSiO層52との間には、静電気力である引力が働く。SiO層52とそれに対向する電極54との間には隙間が空いているため、この引力により、SiO層52の面上には、SiO層52と電極54とが相対的に近付くところと離れるところができる。このため、SiO層52と電極54との間の距離を一定に保つことが難しく、SiO層52と電極54との間に印加される電圧がSiO層52の面上の位置によって異なるため、SiO層52の面方向における帯電が均一にならないという問題がある。
そこで、本発明は、エレクトレット基板の帯電層の面方向における帯電を均一化することを目的とする。
帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器の帯電部を構成するエレクトレット基板の製造方法であって、Si基板の表面に形成されアルカリ金属の正イオンを含有するSiO層と、負極となる電極とを、絶縁体を介して対向配置する工程と、Si基板を正極として、負極となる電極とSi基板との間に電圧を印加することによりSiO層を帯電させる工程とを有することを特徴とする製造方法が提供される。
上記の対向配置する工程では、上記の絶縁体として、SiO層側の表面に凹凸を有する絶縁体をSiO層に接触させて配置することが好ましい。
上記の製造方法では、絶縁体は、真空の誘電率よりも大きな誘電率を有する誘電体であることが好ましく、石英ガラス、アルミナまたはジルコニアであることが好ましい。
上記の製造方法では、凹凸を有する絶縁体はすりガラスであることが好ましい。また、上記の対向配置する工程では、上記の絶縁体として、負極となる電極とSiO層との間に複数枚の層状の絶縁体を重ねて配置することが好ましい。
本発明によれば、エレクトレット基板の帯電層の面方向における帯電が均一化する。
エレクトレット基板50の製造工程を示す模式的な断面図である。 帯電工程で用いられる絶縁体53の算術表面粗さと製造されたエレクトレット基板50の表面電位との関係を示すグラフである。 2枚の絶縁体53A,53Bを用いる場合の帯電工程を示す断面図である。 電気機械変換器1の概略構成図である。 電気機械変換器1内のアクチュエータ10の斜視図である。 他の電気機械変換器2の概略構成図である。 電気機械変換器2内の発電部10’の斜視図である。 従来のエレクトレット基板50’の製造工程を示す模式的な断面図である。
以下、図面を参照して、エレクトレット基板の製造方法について詳細に説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
図1(A)〜図1(E)は、エレクトレット基板50の製造工程を示す模式的な断面図である。
エレクトレット基板50は、図1(A)に示すSi基板51を用いて作製される。Si基板51としては、ドーピングされていて導通するものを使用する。Si基板51の厚さは、例えば200〜600μm程度あればよい。
エレクトレット基板50の製造時には、最初に、例えば、K+イオンを含む雰囲気中でSi基板51の表面を熱酸化させて、図1(B)に示すように、K+イオンを含有するSiO層52をSi基板51の上面に形成する(熱酸化工程)。熱酸化は、Si基板51を熱酸化炉の中に入れ、例えば1000℃程度の温度下で、水酸化カリウム(KOH)の水溶液内に窒素ガスを通過させて(バブリング)、KOHの蒸気と窒素ガスを炉内に導入することにより行われる。これにより、K+イオンが内部に浸透した酸化膜であるSiO層52が、Si基板51の表面に形成される。SiO層52の厚さは、例えば数μm程度である。SiO層52はSi基板51の上層部のみに形成され、Si基板51の下層部はSiのままである。
なお、熱酸化によりSi基板51の下面側にも酸化膜が形成されるが、図1(B)では、下面側の酸化膜は図示していない。下面側の酸化膜は、切削またはエッチングにより除去してもよいし、そのまま残してもよい。また、熱酸化に限らず、公知の別の方法で、K+イオンを含有するSiO層52をSi基板51の上面に形成してもよい。
続いて、図1(C)に示すように、K+イオンを含有するSiO層52の上に、絶縁体53を挟んで、負極となる電極54を配置する(配置工程)。言い換えると、負極となる電極54とSiO層52とを、絶縁体53を介して対向配置する。絶縁体53は、真空の誘電率よりも大きな誘電率を有する誘電体であることが好ましく、具体的には、石英ガラス、アルミナまたはジルコニアであることが好ましい。例えば、絶縁体53として、厚さ100μm程度の石英ガラスを用いてもよい。絶縁体53にはある程度の厚さが必要であり、絶縁体53の厚さは、SiO層52の厚さよりも大きいことが好ましい。
そして、図1(D)に示すように、Si基板51を正極(GND)に接続し、負極となる電極54とSi基板51との間に例えば1000V程度の電圧を印加することにより、SiO層52を帯電させる(帯電工程)。その際、例えばSi基板51をヒータ55に接触させて、ヒータ55で例えば500℃程度に加熱しながら電圧を印加する。これにより、SiO層52内のK+イオンはSiO層52の上面に移動し、その上面からSi基板51の外部に飛散するので、SiO層52の内部には負電荷が残り、結果としてSiO層52は負に帯電する。
以上の各工程により、図1(E)に示すエレクトレット基板50が完成する。エレクトレット基板50の使用時には、例えばSi基板51が接地(GNDに接続)される。
上記の製造方法では、SiO層52とそれに対向する電極54との間に絶縁体53を配置することにより、SiO層52と電極54との間に引力が作用しても、両者の相対移動が絶縁体53によって妨げられるため、帯電中にSiO層52と電極54との距離が一定に保たれる。これにより、SiO層52と電極54との間に加わる電圧がSiO層52の面上の位置によらず一定になるため、帯電が均一になる。
また、SiO層52と電極54との間に絶縁体53として真空よりも大きな誘電率を有する誘電体を配置することにより、絶縁体53を配置しない場合と比べて、帯電工程でSiO層52に印加される電圧が高くなる。このため、上記の製造方法で得られたエレクトレット基板50では、絶縁体53を配置しない場合と比べて、SiO層52の表面電位(エレクトレット基板50の基台部分であるSi基板51と、帯電層であるSiO層52との間の電位差)が高くなる。電気機械変換器にエレクトレットを利用するためには、エレクトレットの表面電位はなるべく高いことが望ましく、上記の製造方法によれば、電気機械変換器での使用に適したエレクトレット基板50を製造することができる。
なお、上記の配置工程では、SiO層52側の表面に凹凸を有する絶縁体をSiO層52に接触させて配置することが好ましい。例えば、絶縁体53として、表面が平坦な石英ガラスを用いるよりも、表面に凹凸がある石英ガラス(すりガラス)を用いた方が、製造されたエレクトレット基板50におけるSiO層52の表面電位は高くなる。これは、絶縁体53の表面に凹凸があれば、SiO層52と絶縁体53との間にわずかな隙間ができるため、帯電工程においてK+イオンがSiO層52の上面からSi基板51の外部に飛散しやすくなるためであると考えられる。
図2は、帯電工程で用いられる絶縁体53の算術表面粗さと製造されたエレクトレット基板50の表面電位との関係を示すグラフである。このグラフは、SiO層52の厚さを1μmとし、SiO層52と電極54との間に絶縁体53として厚さ100μmの石英ガラスを挟み、Si基板51が0V(GND)、電極54が−500Vとなるように電圧を印加した場合の実験結果を示す。グラフの縦軸は、エレクトレット基板50のSiO層52の表面電位V(単位V)であり、グラフの横軸は、帯電工程でSiO層52に接触した側の表面における絶縁体53の算術平均粗さRa(単位μm)である。
一般に、エレクトレットの表面電位Vは帯電層の電荷密度および膜厚に比例するので、帯電層であるSiO層52の厚さを不変にした場合には、表面電位V(より正確には、Si基板51を基準としたSiO層52の電位の絶対値)は、SiO層52の帯電量に比例して増加する。なお、図2のグラフでは、表面電位Vの符号は負であるが、電位差の絶対値を考慮し、縦軸の下方向に向かうほど電位は増加すると表現する。図2の実験結果から、絶縁体53の表面の算術平均粗さRaに比例してSiO層52の帯電量が増加し、結果としてその表面電位Vも増加することがわかる。したがって、エレクトレットの表面電位Vを高めるためには、絶縁体53の表面の算術平均粗さRaはなるべく大きい方が好ましい。
なお、算術平均粗さRaとともに表面電位Vが際限なく増加することはなく、図示していないRa>0.3μmの範囲まで算術平均粗さRaを大きくした場合には、表面電位Vはある限界値に収束すると考えられる。しかしながら、図2では、絶縁体53として厚さ100μmの石英ガラスを用いて実験できた範囲内のデータを示している。
図3は、2枚の絶縁体53A,53Bを用いる場合の帯電工程を示す断面図である。上記の配置工程では、図3に示すように、SiO層52と電極54の間に複数枚の層状の絶縁体53A,53Bを重ねて配置してもよく、その上で、図1(D)に示したものと同様の帯電工程を行ってSiO層52を帯電させてもよい。なお、SiO層52と電極54の間に配置される絶縁体は、2枚に限らず、3枚以上であってもよい。
図3に示した例において、例えば、SiO層52側の絶縁体53Aには、SiO層52側の表面に凹凸を有するすりガラスを使用し、絶縁体53Bには、すりガラス以外の絶縁体(例えば、表面が平坦な石英ガラス)を使用してもよい。ただし、エレクトレットの表面電位Vを高めるためには、特に、絶縁体53(絶縁体53A,53B)を2枚のすりガラスで構成し、SiO層52、絶縁体53A、絶縁体53Bおよび電極54をこれらの順で厚さ方向に重ねて配置することが好ましい。特に、すりガラスを用いる場合には、1枚ではなく、図3に示すように複数枚をSiO層52と電極54の間に配置する方がより好ましい。実際、帯電工程で絶縁体53として2枚のすりガラスを用いた場合には、SiO層52と電極54の間に何も配置しない場合と比べて、SiO層52の帯電量が10倍程度多くなり、それに応じてエレクトレットの表面電位Vも高くなる。
すりガラスは、その作り方に起因して、厚さ方向に貫通するクラックが生じている場合があるため、SiO層52と電極54の間に配置されるすりガラスが1枚だけの場合には、絶縁性が確保されないおそれがある。しかしながら、すりガラスを2枚重ねて配置すれば、部分的にクラックが生じていたとしても、そうしたクラックがSiO層52から電極54まではつながる可能性は低くなる。このような理由から、絶縁体53として複数枚のすりガラスを用いることで、SiO層52と電極54の間に何も配置しない場合および両者の間に1枚だけすりガラスを配置する場合と比べて、エレクトレットの表面電位Vが高くなると考えられる。
なお、エレクトレット基板を製造するための正イオンは、必ずしもK+イオンでなくてもよい。すなわち、上記した製造方法の熱酸化工程では、水酸化カリウム水溶液の代わりに、例えばNa+(ナトリウムイオン)など、K+イオン以外のアルカリ金属の正イオン(アルカリイオン)を含有する水溶液を用いてもよい。
以下では、エレクトレット基板50を利用した電気機械変換器の例を説明する。
図4は、電気機械変換器1の概略構成図である。また、図5は、電気機械変換器1内のアクチュエータ10の斜視図である。電気機械変換器1は、アクチュエータ10および駆動部20を有する。アクチュエータ10は、主要な構成要素として、回転軸11、回転部材12、固定基板13、エレクトレット部14および対向電極15,16を有する。電気機械変換器1は、駆動部20に入力された電気信号をもとに、エレクトレット部14と対向電極15,16との間の静電気力を利用して回転部材12を回転させることにより電力から動力を取り出す駆動装置(モータ)である。
回転軸11は、回転部材12の回転中心となる軸である。その上下端は、軸受けを介して、図示しない電気機械変換器1の筐体に固定されている。
回転部材12は、例えば、シリコン基板で構成され、円板状の形状を有し、その中心で回転軸11に接続している。回転部材12は、駆動部20に入力された電気信号に応じてエレクトレット部14と対向電極15,16との間で発生する静電気力により、回転軸11の周りを、図5の矢印C方向(すなわち、時計回りおよび反時計回り)に回転可能である。回転部材12には、重量を軽くするために、円周方向に沿って等間隔に、略台形状の複数の貫通孔122が形成されている。
固定基板13は、ガラスエポキシ基板などの周知の基板材料で構成された部材である。固定基板13は、例えば円板状の形状を有し、回転部材12の下側で回転部材12に対向して配置され、その中心を回転軸11が貫通している。ただし、固定基板13は、回転部材12とは異なり、回転可能な部材ではなく、電気機械変換器1の筐体に対して固定されている。
エレクトレット部14は、帯電層を備えた帯電部の一例であり、固定基板13に対向する回転部材12の下面121に形成されている。アクチュエータ10では、回転部材12の下面121に、略台形状の複数のエレクトレット部14が、略台形状の貫通孔122を間に挟んで、回転部材12の回転方向に間隔を空けて回転軸11の周りに等間隔に配置されている。各エレクトレット部14は、図1(E)に示したエレクトレット基板50で構成されており、SiO層52が対向電極15,16に対向するように配置され、例えばSi基板51が接地されている。
対向電極15,16は、回転部材12に対向する固定基板13の上面131に形成されている。アクチュエータ10では、固定基板13の上面131に、エレクトレット部14と同じ略台形状の対向電極15,16が、回転軸11の周りに交互に配置されている。エレクトレット部14と対向電極15の個数、およびエレクトレット部14と対向電極16の個数は、それぞれ同じである。
なお、エレクトレット部14は回転部材12と固定基板13のいずれか一方に配置し、対向電極15,16は回転部材12と固定基板13のうちの他方に配置すればよい。このため、上記とは逆に、エレクトレット部14を固定基板13の上面131に配置し、対向電極15,16を回転部材12の下面121に配置してもよい。
駆動部20は、アクチュエータ10を駆動するための回路であり、クロック21および比較器22,23を有する。駆動部20は、極性が交互に切り替わる電圧を複数の対向電極15,16に印加して、複数のエレクトレット部14と複数の対向電極15,16との間で発生する静電気力により回転部材12を回転させる。
クロック21の出力は比較器22,23の入力に接続され、比較器22の出力は複数の対向電極15に、比較器23の出力は複数の対向電極16に、それぞれ電気配線を介して接続されている。比較器22,23は、それぞれクロック21からの入力信号の電位と接地電位とを比較し、その結果を2値で出力するが、比較器22,23の出力信号は互いに逆の符号である。クロック21からの入力信号がHのときには、対向電極15は+V、対向電極16は−Vの電位になり、入力信号がLのときには、対向電極15は−V、対向電極16は+Vの電位になる。こうして、極性が交互に切り替わる電圧を駆動部20が対向電極15と対向電極16の間に印加することにより、回転部材12を回転させることができる。
図6は、他の電気機械変換器2の概略構成図である。また、図7は、電気機械変換器2内の発電部10’の斜視図である。電気機械変換器2は、発電部10’および蓄電部30を有する。発電部10’は、主要な構成要素として、回転軸11、回転部材12、固定基板13、複数のエレクトレット部14、複数の対向電極15,16および回転錘17を有する。電気機械変換器2は、外部環境の運動エネルギーを用いて回転部材12を回転させ、発電部10’内で静電誘導により静電気を発生させることで動力から電力を取り出す発電装置である。
発電部10’の構成要素のうち、回転軸11、回転部材12、固定基板13、エレクトレット部14および対向電極15,16は、アクチュエータ10のものと同じである。電気機械変換器1と共通するこれらの構成要素についての重複する説明は省略する。電気機械変換器2は、電気機械変換器1のアクチュエータ10に代えて蓄電部30を有し、電気機械変換器2の対向電極15,16は、それぞれ電気配線を介して蓄電部30に接続されている。
回転錘17は、回転軸11の周りを図7の矢印C方向に回転可能な、重量バランスの偏りを有する錘であり、回転部材12の上側に配置されている。回転錘17は、例えば電気機械変換器2を携帯する人体の運動または電気機械変換器2が取り付けられた機械などの振動によって回転駆動されることで、回転部材12を矢印C方向に回転させる。なお、回転軸11に回転錘17を取り付ける代わりに、回転部材12に錘を取り付けて、回転部材12自体を回転錘としてもよい。
回転錘17が回転駆動されると、それに伴い、回転部材12が回転して、エレクトレット部14と対向電極15,16の間の重なり面積が増減する。例えば、エレクトレット部14の内面に負電荷が保持されているとすると、回転部材12の回転に伴い、対向電極15,16に引き寄せられる正電荷が増減して、対向電極15と対向電極16の間に交流電流が発生する。このようにして電流を発生させることにより、発電部10’は静電誘導を利用した発電を行う。
蓄電部30は、整流回路31および二次電池32を有し、回転部材12の回転に応じて複数のエレクトレット部14と複数の対向電極15,16との間で静電誘導により発生した電力を蓄積する。対向電極15と対向電極16からの出力は整流回路31に接続され、整流回路31は二次電池32に接続されている。整流回路31は、4個のダイオードを有するブリッジ式の回路であり、対向電極15と対向電極16の間で生成された電流を整流する。二次電池32は、リチウム二次電池などの充放電可能な電池であり、発電部10’によって発電された電力を蓄積し、図示しない駆動対象の回路にその電力を供給する。
1,2 電気機械変換器
10 アクチュエータ
10’ 発電部
11 回転軸
12 回転部材
13 固定基板
14 エレクトレット部
15,16 対向電極
20 駆動部
30 蓄電部
50 エレクトレット基板
51 Si基板
52 SiO
53,53A,53B 絶縁体
54 電極
55 ヒータ

Claims (2)

  1. 帯電部と対向電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器の前記帯電部を構成するエレクトレット基板の製造方法であって、
    Si基板の表面に形成されアルカリ金属の正イオンを含有するSiO層と、負極となる電極とを、前記SiO 層と前記負極となる電極とに接触するように絶縁体を介して対向配置する工程と、
    前記Si基板を正極として、前記負極となる電極と前記Si基板との間に電圧を印加することにより前記SiO層を帯電させる工程と、を有し、
    前記対向配置する工程では、前記絶縁体として、前記SiO 層側の表面に凹凸を有する絶縁体を前記SiO 層に接触させて配置し、
    前記凹凸を有する絶縁体はすりガラスである、
    とを特徴とする製造方法。
  2. 前記対向配置する工程では、前記絶縁体として、前記負極となる電極と前記SiO層との間に複数枚の層状の絶縁体を重ねて配置する、請求項1記載の製造方法。
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