JP2018157658A - 電気機械変換器 - Google Patents

電気機械変換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018157658A
JP2018157658A JP2017051381A JP2017051381A JP2018157658A JP 2018157658 A JP2018157658 A JP 2018157658A JP 2017051381 A JP2017051381 A JP 2017051381A JP 2017051381 A JP2017051381 A JP 2017051381A JP 2018157658 A JP2018157658 A JP 2018157658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable member
charging unit
charging
electromechanical converter
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017051381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6789156B2 (ja
Inventor
渡邊 真
Makoto Watanabe
真 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2017051381A priority Critical patent/JP6789156B2/ja
Publication of JP2018157658A publication Critical patent/JP2018157658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6789156B2 publication Critical patent/JP6789156B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】帯電部から発生した電気力線をその帯電部に対向する固定電極側へ集中させて、帯電部と固定電極との間の静電的な相互作用をより強く発生させる電気機械変換器を提供することを目的とする。【解決手段】帯電部と帯電部に対向する固定電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器(1)は、固定基板(13)と、固定基板との間で一定の距離を保って移動可能な可動部材(12)と、固定基板の可動部材との対向面に可動部材の移動方向に間隔を空けて形成された複数の固定電極(15,16)と、可動部材の固定基板との対向面に移動方向に間隔を空けて形成された第1の帯電部(14)と、第1の帯電部と同じ極性を有し、可動部材の対向面とは反対側の面に形成され、いかなる固定電極にも対向していない第2の帯電部(17)とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、電気機械変換器に関する。
特許文献1には、シート状エレクトレットを粘付した電極と、電極のエレクトレット粘付面側に平行に配置した対向電極とを備え、両電極を相対的に回転してエレクトレットと対向電極との対向面積を連続的に変化させ、両電極間に接続した負荷に交流電圧を生じさせる静電発電機が記載されている。
特許文献2には、エレクトレット膜と、エレクトレット膜の側端面の周囲を取り囲むように形成され、エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜とを備えるエレクトレット素子が記載されている。
特許文献3には、エレクトレット支持体にエレクトレット膜を塗布してこれを動作電極に向き合わせ、その表面にエレクトレット表面電荷と反対符号の電荷を誘起する機械電気エネルギー変換装置が記載されている。特許文献3では、エレクトレット膜を自立膜として支持するかあるいは絶縁支持体上に支持することにより、動作電極の表面に誘起される有効電荷量を向上させることが記載されている。
特開昭58−029379号公報 特開2008−277473号公報 特開2009−207344号公報
帯電部と固定電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器では、帯電部と固定電極とが互いに対向して配置されるが、帯電部から発生する電気力線は、必ずしも固定電極側に集中せずに、その周辺に発散してしまう。帯電部から固定電極以外の方向に発散する電気力線は、帯電部と固定電極との間の静電的な相互作用に寄与しないため、無駄になる。
特許文献2のエレクトレット素子では、エレクトレット膜の側端面の周囲に電荷流出抑制膜を形成することによりエレクトレット膜の電荷の流出が抑制されるが、この電荷流出抑制膜により電気力線の発散を抑制する効果は、エレクトレット膜の外周部分に限られる。例えば、回転軸を中心として帯電部と貫通孔が交互に放射状に形成された可動部材(回転子)にこの電荷流出抑制膜を適用した場合、回転軸に近い内周側では依然として電気力線が固定電極以外の方向に発散するため、その分が電気機械変換器の出力に寄与せず、無駄となる。
また、特許文献3に記載されている製造方法では、エレクトレット膜を自立膜として作製したり、帯電処理の際にエレクトレット膜を一時的に金属体に貼り付けたりするなど、煩雑な工程が多く、エレクトレット膜の取り扱いが難しいため、そのようなエレクトレット膜を実際に製造することは難しい。
本発明は、帯電部から発生した電気力線をその帯電部に対向する固定電極側へ集中させて、帯電部と固定電極との間の静電的な相互作用をより強く発生させる電気機械変換器を提供することを目的とする。
帯電部と帯電部に対向する固定電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器であって、固定基板と、固定基板との間で一定の距離を保って移動可能な可動部材と、固定基板の可動部材との対向面に可動部材の移動方向に間隔を空けて形成された複数の固定電極と、可動部材の固定基板との対向面に移動方向に間隔を空けて形成された第1の帯電部と、第1の帯電部と同じ極性を有し、可動部材の対向面とは反対側の面に形成され、いかなる固定電極にも対向していない第2の帯電部とを有することを特徴とする電気機械変換器が提供される。
上記の電気機械変換器では、第2の帯電部は、移動方向に間隔を空けて形成された複数の部分領域で構成され、第1の帯電部と第2の帯電部は、可動部材を間に挟んで、可動部材の対向面および反対側の面における移動方向の同じ位置にそれぞれ形成されていることが好ましい。
上記の電気機械変換器では、可動部材は、第1の帯電部と同じ極性に帯電可能な材料で構成され、第2の帯電部は、可動部材の基台部分であることが好ましい。
上記の電気機械変換器では、可動部材は、移動方向に間隔を空けて形成された複数の貫通孔を有し、可動部材では、移動方向に、第1および第2の帯電部と複数の貫通孔とが交互に配置されていることが好ましい。
上記の電気機械変換器では、可動部材は、可動部材の中心を通る回転軸の周りに回転可能であり、第1および第2の帯電部と複数の固定電極は、それぞれ回転軸を中心として放射状に配置されていることが好ましい。
上記の電気機械変換器は、極性が交互に切り替わる電圧を複数の固定電極に印加して、第1の帯電部と複数の固定電極との間で発生する静電気力により可動部材を移動させる駆動部をさらに有することが好ましい。
上記の電気機械変換器は、可動部材の移動に応じて第1の帯電部と複数の固定電極との間の静電誘導により発生した電力を蓄積する蓄電部をさらに有することが好ましい。
上記の電気機械変換器によれば、帯電部から発生した電気力線がその帯電部に対向する固定電極側に集中して、帯電部と固定電極との間の静電的な相互作用がより強く発生する。
電気機械変換器1の概略構成図である。 発電部10の斜視図である。 回転軸11を中心とする円周方向に沿った発電部10の部分断面図である。 帯電部14,17の帯電方法を説明するための図である。 帯電部17の有無による電気力線80の分布の差異を示す図である。 帯電部17の有無による発電部10の出力波形の差異を示す図である。 別の回転部材12’を有する発電部10’の部分断面図である。 一般的な帯電列を示す図である。 別の電気機械変換器1’の概略構成図である。 さらに別の電気機械変換器2の概略構成図である。 さらに別の電気機械変換器3の概略構成図である。 回転錘18の配置例を示す電気機械変換器1の断面図である。
以下、図面を参照しつつ、電気機械変換器について説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
図1は、電気機械変換器1の概略構成図である。電気機械変換器1は、発電部10および蓄電部20を有する。発電部10は、回転軸11、回転部材12、固定基板13、帯電部14,17(図2および図3を参照)および対向電極15,16を有する。図1では、発電部10として、固定基板13の上面と回転部材12の下面を並べて示している。帯電部17は、回転部材12の上面に配置されているため、図1では図示されていない。電気機械変換器1は、外部環境の運動エネルギーを用いて回転部材12を回転させ、帯電部14と対向電極15,16との間の静電誘導により静電気を発生させることで、動力から電力を取り出す発電装置(エレクトレット発電機)である。
図2は、発電部10の斜視図である。図3は、回転軸11を中心とする円周方向に沿った発電部10の部分断面図である。図2および図3に示すように、発電部10は、互いに平行に配置された回転部材12および固定基板13で構成される。回転部材12と固定基板13の間には、一定の間隔が空けられている。図3では、簡単のために、図の横方向が回転部材12および固定基板13の円周方向(図2の矢印C方向)に相当するように変形して図示している。
回転軸11は、回転部材12の回転中心となる軸であり、図2に示すように、回転部材12の中心を貫通している。回転軸11の上下端は、軸受けを介して、図示しない電気機械変換器1の筐体に固定されている。なお、図3では、回転軸11の図示を省略している。
回転部材12は、可動部材の一例であり、例えばシリコン基板またはガラスエポキシ基板などの周知の基板材料で構成される。図2に示すように、回転部材12は、例えば円板状の形状を有し、その中心で回転軸11に接続している。回転部材12には、重量を軽くするために、円周方向に沿って等間隔に、矩形または略台形の複数の貫通孔(スリット)121が形成されている。ただし、図示した回転部材12の形状は一例であり、回転部材は、貫通孔を有さない平坦な板材であってもよい。図3の符号122は、2つの貫通孔121の間における回転部材12の矩形または略台形の部分(以下、基台122という)である。
電気機械変換器1では、例えば回転部材12か、または回転部材12とは別々に、重量バランスの偏りを有する回転錘が取り付けられる。回転部材12は、電気機械変換器1を携帯する人体の運動または電気機械変換器1が取り付けられた機械などの振動を動力源として、回転軸11の周りを、円周方向である図2の矢印C方向(時計回りおよび反時計回り)に回転可能である。すなわち、回転部材12は、固定基板13との間で一定の距離を保って移動可能である。
図12は、回転錘18の配置例を示す電気機械変換器1の断面図である。図12では、回転部材12を回転させるための回転錘18が、電気機械変換器1の筐体内で回転部材12とは別に配置された場合の例を示している。図示した例では、回転錘18は、電気機械変換器1の筐体内に設けられた回転軸11とは別の回転軸11’に取り付けられている。この場合、回転軸11には歯車19が、回転軸11’には歯車(増速輪列)19’がそれぞれ取り付けられ、歯車19と歯車19’とが連結している。これにより、回転錘18の回転運動が歯車19’を介して歯車19に伝達して、回転部材12を回転させることができる。
固定基板13は、ガラスエポキシ基板などの周知の基板材料で構成される。図2に示すように、固定基板13は、例えば円板状の形状を有し、回転部材12の下面に対向して回転部材12の下側に配置されている。固定基板13は、回転部材12とは異なり、図示しない電気機械変換器1の筐体に固定されている。
帯電部14は、エレクトレット材料で構成された薄膜であり、回転軸11の周辺の中央部分を除いて、回転部材12の下面(固定基板13との対向面)に、回転軸11を中心として放射状に形成されている。帯電部14は、第1の帯電部の一例であり、円周方向に間隔を空けて形成された矩形または略台形の複数の部分領域で構成される。帯電部14は、すべて同一の極性(例えば負)に帯電している。帯電部14のエレクトレット材料としては、例えば、CYTOP(登録商標)などの樹脂材料、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルデンジフルオライド(PVDF)もしくはポリビニルフルオライド(PVF)などの高分子材料、または、シリコン酸化物(SiO)もしくはシリコン窒化物(SiN)などの無機材料が用いられる。
対向電極15,16は、それぞれ矩形または略台形の複数の電極で構成され、固定基板13の上面(回転部材12との対向面)において、円周方向に交互に、かつ回転軸11を中心とする放射状に形成されている。対向電極15,16のそれぞれは、複数の固定電極の一例である。対向電極15同士および対向電極16同士は、回転部材12の貫通孔121および帯電部14と同様に、円周方向に間隔を空けて形成され、かつ等間隔に配置されている。回転軸11を中心とする同一円周上では、対向電極15および対向電極16の幅は同じであり、その大きさは貫通孔121および帯電部14の幅と同じかほぼ同じであることが好ましい。また、帯電部14、対向電極15および対向電極16の個数も同じであることが好ましい。
帯電部17は、帯電部14と同様に、エレクトレット材料で構成された薄膜であり、回転軸11の周辺の中央部分を除いて、回転部材12の上面(固定基板13との対向面とは反対側の面)に、回転軸11を中心として放射状に形成されている。帯電部17は、第2の帯電部の一例であり、円周方向に間隔を空けて形成された矩形または略台形の複数の部分領域で構成される。帯電部14,17は、回転部材12の基台122を間に挟んで、回転部材12の円周方向の同じ位置にそれぞれ形成されている。このため、回転部材12では、円周方向に、帯電部14,17と貫通孔121とが交互に配置されている。
帯電部17は、帯電部14と同じ極性に帯電しており、帯電部14が負であれば帯電部17もすべて負に帯電している。電気機械変換器1では、回転部材12の上面側には固定電極は配置されておらず、帯電部17は、いかなる固定電極にも対向していない。帯電部17は、後述するように、固定基板13とは反対側である回転部材12の上面側に帯電部14から発散する電気力線を、固定基板13の側に反発させるために設けられる。なお、回転部材12が貫通孔を有さない平坦な板材である場合には、帯電部17は、複数の部分領域に分かれず、回転部材12の上面に一体的に(ベタで)形成されていてもよい。
回転部材12が回転すると、それに伴い、帯電部14と対向電極15,16の間の重なり面積が増減する。例えば、帯電部14に負電荷が保持されているとすると、帯電部14が作る電界により対向電極15,16に引き寄せられる正電荷が、回転部材12の回転に伴い増減する。発電部10は、このようにして、対向電極15と対向電極16の間に交流電流を発生させることにより、静電誘導を利用した発電を行う。
蓄電部20は、整流回路21および二次電池22を有し、回転部材12の回転に応じて帯電部14と対向電極15,16との間の静電誘導により発生した電力を蓄積する。対向電極15,16からの出力は整流回路21に接続され、整流回路21は二次電池22に接続されている。整流回路21は、4個のダイオードを有するブリッジ式の回路であり、対向電極15と対向電極16の間で生成された電流を整流する。二次電池22は、リチウム二次電池などの充放電可能な電池であり、発電部10によって発電された電力を蓄積し、図示しない駆動対象の回路にその電力を供給する。
図4は、帯電部14,17の帯電方法を説明するための図である。帯電部14,17の作製時には、例えば、回転部材12の上下面に帯電用の電極を形成し、帯電部14,17となる樹脂膜をさらにその上に形成した上で、図4に示すように回転部材12を接地する。その上で、回転部材12の上下面の各樹脂膜に対向させて針電極91を配置し、高電圧電源90によりそれらの針電極91に例えば数千V程度の高電圧を掛ける。これにより、針電極91から回転部材12に向けてコロナ放電により電子が放出されるので、その電子により回転部材12の上下面の帯電部14,17を同時に負に帯電させることができる。なお、この帯電工程は回転部材12の片面ずつ行ってもよい。
図5(A)および図5(B)は、帯電部17の有無による電気力線80の分布の差異を示す図である。図5(A)は、帯電部17がなくそれ以外は発電部10と同一の構成を有する発電部における1個の帯電部14と対向電極15の部分の断面を拡大して示し、図5(B)は、発電部10における1個の帯電部14と対向電極15の部分の断面を拡大して示す。
回転部材12の上面に帯電部17がない場合には、図5(A)に示すように、帯電部14からは上下方向に電気力線80が出ている。すなわち、電気力線80の中には、対向電極15がある回転部材12の下側に向かうものと、対向電極15とは反対側の上側に向かうものがあり、このうちの後者があることにより、帯電部14と対向電極15に発生する電気力線の本数は比較的少ない。対向電極15とは反対側に向かう電気力線80は、電気機械変換器1での発電に寄与しないので無駄になる。
一方、回転部材12の上面に帯電部17がある場合には、図5(B)に示すように、帯電部14から出た電気力線80は、帯電部14の上方に帯電部14と同じ極性の帯電部17があることにより下側に反発されて、その大部分が対向電極15側に向かう。このため、発電部10では、帯電部17がない発電部10と比べて、帯電部14と対向電極15との間に電気力線80が集中する。
図6(A)および図6(B)は、帯電部17の有無による発電部10の出力波形の差異を示す図である。図6(A)は、帯電部17がなくそれ以外は発電部10と同一の構成を有する発電部の対向電極15,16からの電圧Vの出力波形を示し、図6(B)は、発電部10の対向電極15,16からの電圧Vの出力波形を示す。
回転部材12の上面に帯電部17がない場合には、帯電部14から対向電極15,16に向かう電気力線80の本数が少ないので、図6(A)に示すように、出力波形(交流波形)の振幅A1も小さい。一方、回転部材12の上面に帯電部17がある場合には、帯電部14と対向電極15,16との間により多くの電気力線80が集中するので、図6(B)に示すように、帯電部14と対向電極15,16との間の静電誘導が強くなり、出力波形の振幅A2はA1よりも大きくなる。
発電部10を有する電気機械変換器1では、回転部材12の上側には対向電極が配置されていないにもかかわらず、対向電極15,16と対向しない側である回転部材12の上面に、電気力線の反発用の帯電部17が設けられている。帯電部17により帯電部14からの電気力線80を対向電極15側に向かわせて、帯電部14と対向電極15との間に電気力線80を集中させることができるので、電気機械変換器1では、その分、発電量が多くなる。電気機械変換器1では、単に円板状の回転部材12の上下面に帯電部14,17を形成すればよいので、帯電処理を行い易く、帯電部の取り扱いも簡単であり、比較的簡便な方法にてエレクトレット発電機の発電量を向上させることができる。
図7は、別の回転部材12’を有する発電部10’の部分断面図である。図7では、図3と同様に、回転軸11を中心とする円周方向に沿った発電部10’の一部の断面を示している。ただし、図7でも、回転軸11の図示を省略している。回転部材12’は、回転部材12とは異なり、基台122自体が帯電可能な材料で構成されており、帯電部14と同じ極性に帯電している。発電部10’を有する電気機械変換器では、回転部材12’の基台122が第2の帯電部に相当する。図7に示すように、発電部10’では、発電部10の帯電部17を省略してもよく、対向電極15,16とは反対側である回転部材12’の上面が露出している。回転部材12’自体を帯電可能な材料で構成すれば、発電部10’では、発電部10の帯電部17を省略しても、発電部10と同様に、発電量が向上する効果が得られる。
図8は、一般的な帯電列を示す図である。図中に列挙されている各材料は、図中の右側のものほど負に帯電し易く、図中の左側のものほど正に帯電し易い。帯電部14の極性を負にする場合には、回転部材12’の基台122も負に帯電させる必要があるので、回転部材12’の材料としては、図示した帯電列において負に帯電する材料のうちで、基板の板材に加工可能なものを選択すればよい。例えば、回転部材12’の材料としては、フッ素樹脂の板材、テフロン(登録商標)、ポリエステル樹脂、塩化ビニル、ウレタン、セルロイドまたはアセテートなどを使用してもよい。なお、これらの材料は絶縁体であるため、回転部材12’の基台122と帯電部14との境界には別個の絶縁層を設けなくてもよい。
図1に示した電気機械変換器1の発電部10では、固定基板13に形成された2組の対向電極15,16から発電電流が取り出される。電気機械変換器1の形態は、静止している固定基板13上の電極のみから電流を取り出せばよく、回転する回転部材12との電気的接続が不要であるため、便利である。ただし、このような形態に限らず、回転部材12と固定基板13の両方を蓄電部20に電気的に接続して発電電流を取り出してもよいので、この場合の例を次に説明する。
図9は、別の電気機械変換器1’の概略構成図である。電気機械変換器1’の発電部10’’は、図1の電気機械変換器1の発電部10と同様の構成を有するが、回転部材12が蓄電部20に電気的に接続されている点と、固定基板13上には1組の対向電極15のみが形成されている点が発電部10とは異なる。発電部10’’では、回転軸11は導電部材で構成され、帯電部14を構成する矩形または略台形の各部分領域は、電気接点を介して回転軸11に接続されている。電気機械変換器1’では、蓄電部20が回転軸11と対向電極15に電気的に接続されており、それらを介して発電電流が取り出される。なお、帯電膜14の各部分領域を1つずつ回転軸11に接続するのではなく、部分領域同士を連結配線した上で、その連結配線を回転軸11に接続してもよい。あるいは、回転部材12を金属材料で形成し、回転部材12の基台を介して各部分領域を回転軸11に直接接続してもよい。
図10は、さらに別の電気機械変換器2の概略構成図である。電気機械変換器2は、アクチュエータ30および駆動部40を有し、アクチュエータ30は、電気機械変換器1の発電部10と同一の構成を有する。電気機械変換器2の対向電極15,16は、それぞれ電気配線を介して駆動部40に接続されている。電気機械変換器2は、駆動部40に入力された電気信号をもとに、アクチュエータ30の帯電部14と対向電極15,16との間で発生する静電気力を利用して回転部材12を回転させることにより、電力から動力を取り出す駆動装置(エレクトレットモータ)である。
駆動部40は、アクチュエータ30を駆動するための回路であり、クロック41および比較器42,43を有する。駆動部40は、極性が交互に切り替わる交番電圧を対向電極15,16に印加して、帯電部14と対向電極15,16の間で発生する静電気力により、回転部材12を回転させる。
図10に示すように、クロック41の出力は比較器42,43の入力に接続され、比較器42の出力は対向電極15に、比較器43の出力は対向電極16に、それぞれ電気配線を介して接続されている。比較器42,43は、それぞれクロック41からの入力信号の電位と接地電位とを比較し、その結果を2値で出力するが、比較器42,43の出力信号は互いに逆の符号である。クロック41からの入力信号がHのときには、対向電極15は+V、対向電極16は−Vの電位になり、入力信号がLのときには、対向電極15は−V、対向電極16は+Vの電位になる。
駆動部40は、アクチュエータ30の駆動時に、一方の対向電極15に帯電部14の帯電と同じ符号の電圧を印加し、他方の対向電極16に帯電部14の帯電とは異なる符号の電圧を印加して、それらの電圧の符号を交互に反転させる。このように電圧が印加されると、帯電部14が作る電界と対向電極15,16が作る電界との相互作用により、帯電部14と対向電極15,16との間に引力または斥力が発生する。駆動部40が交番電圧を対向電極15,16に印加することにより、回転部材12には連続した力が加わるため、回転部材12を回転させることができる。
アクチュエータ30を有する電気機械変換器2でも、回転部材12の上側には対向電極が配置されていないにもかかわらず、対向電極15,16と対向しない側である回転部材12の上面に、電気力線の反発用の帯電部17が設けられている。帯電部17により帯電部14と対向電極15,16との間に電気力線80を集中させることができるので、電気機械変換器2では、その分、発生する駆動力(回転トルク)が大きくなる。言い換えると、電気機械変換器2では、アクチュエータ30から帯電部17を省略した比較例の電気機械変換器よりも低い印加電圧であっても、その比較例の電気機械変換器と同じ大きさの回転トルクが得られるという効果もある。すなわち、電気機械変換器2は、比較例の電気機械変換器よりも低消電で駆動できるため、小さい容量の電池で駆動する腕時計などの電子機器への適用に適している。
図11(A)〜図11(C)は、さらに別の電気機械変換器3の概略構成図である。図11(A)に示すように、電気機械変換器3は、アクチュエータ50および駆動部40を有する。アクチュエータ50は、筐体51、スライド板52、固定基板53、帯電部54,57および対向電極55,56を有する。図11(B)および図11(C)は、対向電極55,56の配置およびスライド板52の移動方向を示す平面図である。
電気機械変換器3は、駆動部40に入力された電気信号をもとに、帯電部54と対向電極55,56との間の静電気力を利用して、スライド板52を往復移動させることにより、電力から動力を取り出す駆動装置である。電気機械変換器の可動部材は、電気機械変換器1,1’,2の回転部材12のように回転するものに限らず、電気機械変換器3のスライド板52のようにスライド移動するものであってもよい。
スライド板52は、可動部材の一例であり、例えばシリコン基板またはガラスエポキシ基板などの周知の基板材料で構成され、図示しない可動支持部により筐体51内に支持されている。スライド板52の材質は、真鍮、ステンレスまたはアルミニウムなどのなどの導電性の金属材料であってもよい。また、固定基板53は、箱型の筐体51の底面に配置されている。スライド板52は、固定基板53との間で一定の距離を保って、固定基板53に平行な方向(水平方向、矢印A方向)に往復移動可能である。
帯電部54,57は、電気機械変換器1,1’,2の帯電部14,17と同様に、エレクトレット材料で構成された薄膜であり、同一の極性(例えば負)に帯電している。帯電部54,57は、第1および第2の帯電部の一例であり、帯電部54はスライド板52の下面に、帯電部57はスライド板52の上面に、それぞれ形成されている。帯電部54,57は、それぞれ、スライド板52の移動方向と直交する方向に延び、スライド板52の移動方向に等間隔に配置された複数の帯状(直線状)の領域で構成される。なお、スライド板52の重量を軽くするために、スライド板52における帯電部54同士の間および帯電部57同士の間の帯状領域には、貫通孔(スリット)が形成されていてもよい。
対向電極55,56は、それぞれスライド板52の移動方向と直交する方向に延びる複数の帯状の電極で構成され、固定基板53の上面において、スライド板52の移動方向に交互に形成されている。対向電極55,56のそれぞれは、複数の固定電極の一例である。対向電極55同士および対向電極56同士はそれぞれ等間隔に配置されており、それらの幅は同じであることが好ましい。また、対向電極55,56の幅は、帯電部54,57の幅と同じかほぼ同じであることが好ましく、帯電部14、対向電極55および対向電極56の個数も同じであることが好ましい。
駆動部40は、アクチュエータ50を駆動するための回路であり、対向電極55,56に電気配線を介して接続されている。駆動部40は、電気機械変換器2のものと同様の構成を有し、極性が交互に切り替わる電圧を対向電極55,56に印加することにより、図11(B)および図11(C)に示すように、スライド板52を筐体51内で水平方向(矢印A方向)にスライド移動させる。
アクチュエータ50を有する電気機械変換器3でも、スライド板52の上側である筐体51の上面には対向電極が配置されていないにもかかわらず、対向電極55,56と対向しない側であるスライド板52の上面に、電気力線の反発用の帯電部57が設けられている。帯電部57により帯電部54と対向電極55,56との間に電気力線80を集中させることができるので、電気機械変換器3でも、その分、発生する駆動力が大きくなる。
なお、電気機械変換器3の駆動部40を電気機械変換器1の蓄電部20に代え、外部環境の運動エネルギーを用いてスライド板52を矢印A方向にスライド移動させることで、スライド板52と対向電極55,56との間の静電誘導により静電気を発生させて動力から電力を取り出す発電装置を構成してもよい。この場合の発電装置でも、帯電部57により帯電部54と対向電極55,56との間に電気力線80を集中させることができるので、電気機械変換器3でも、その分、発電量が大きくなる。
1,1’,2,3 電気機械変換器
10,10’,10’’ 発電部
11 回転軸
12,12’ 回転部材
13,53 固定基板
14,17,54,57 帯電部
15,16,55,56 対向電極
20 蓄電部
30,50 アクチュエータ
40 駆動部
52 スライド板

Claims (7)

  1. 帯電部と前記帯電部に対向する固定電極との間の静電的な相互作用を利用して電力と動力の間の変換を行う電気機械変換器であって、
    固定基板と、
    前記固定基板との間で一定の距離を保って移動可能な可動部材と、
    前記固定基板の前記可動部材との対向面に前記可動部材の移動方向に間隔を空けて形成された複数の固定電極と、
    前記可動部材の前記固定基板との対向面に前記移動方向に間隔を空けて形成された第1の帯電部と、
    前記第1の帯電部と同じ極性を有し、前記可動部材の前記対向面とは反対側の面に形成され、いかなる固定電極にも対向していない第2の帯電部と、
    を有することを特徴とする電気機械変換器。
  2. 前記第2の帯電部は、前記移動方向に間隔を空けて形成された複数の部分領域で構成され、
    前記第1の帯電部と前記第2の帯電部は、前記可動部材を間に挟んで、前記可動部材の前記対向面および前記反対側の面における前記移動方向の同じ位置にそれぞれ形成されている、請求項1に記載の電気機械変換器。
  3. 前記可動部材は、前記第1の帯電部と同じ極性に帯電可能な材料で構成され、
    前記第2の帯電部は、前記可動部材の基台部分である、請求項1に記載の電気機械変換器。
  4. 前記可動部材は、前記移動方向に間隔を空けて形成された複数の貫通孔を有し、
    前記可動部材では、前記移動方向に、前記第1および第2の帯電部と前記複数の貫通孔とが交互に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気機械変換器。
  5. 前記可動部材は、前記可動部材の中心を通る回転軸の周りに回転可能であり、
    前記第1および第2の帯電部と前記複数の固定電極は、それぞれ前記回転軸を中心として放射状に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気機械変換器。
  6. 極性が交互に切り替わる電圧を前記複数の固定電極に印加して、前記第1の帯電部と前記複数の固定電極との間で発生する静電気力により前記可動部材を移動させる駆動部をさらに有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気機械変換器。
  7. 前記可動部材の移動に応じて前記第1の帯電部と前記複数の固定電極との間の静電誘導により発生した電力を蓄積する蓄電部をさらに有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気機械変換器。
JP2017051381A 2017-03-16 2017-03-16 電気機械変換器 Active JP6789156B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017051381A JP6789156B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 電気機械変換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017051381A JP6789156B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 電気機械変換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018157658A true JP2018157658A (ja) 2018-10-04
JP6789156B2 JP6789156B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=63718379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017051381A Active JP6789156B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 電気機械変換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6789156B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020072600A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器、静電誘導型変換器の製造方法
JP2020072599A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器、静電誘導型変換器の製造方法、腕時計
JP2020080600A (ja) * 2018-11-12 2020-05-28 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333335A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Olympus Corp 撮像モジュール及び静電シャッタ装置
JP2008263157A (ja) * 2006-09-29 2008-10-30 Sanyo Electric Co Ltd エレクトレット素子およびそれを備えた静電誘導型変換装置
JP2010534052A (ja) * 2007-07-17 2010-10-28 マーミルス エルエルシー 容量型電流発電機
JP2013121309A (ja) * 2011-12-09 2013-06-17 Panasonic Corp 振動発電器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005333335A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Olympus Corp 撮像モジュール及び静電シャッタ装置
JP2008263157A (ja) * 2006-09-29 2008-10-30 Sanyo Electric Co Ltd エレクトレット素子およびそれを備えた静電誘導型変換装置
JP2010534052A (ja) * 2007-07-17 2010-10-28 マーミルス エルエルシー 容量型電流発電機
JP2013121309A (ja) * 2011-12-09 2013-06-17 Panasonic Corp 振動発電器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020072600A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器、静電誘導型変換器の製造方法
JP2020072599A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器、静電誘導型変換器の製造方法、腕時計
JP7077206B2 (ja) 2018-11-01 2022-05-30 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器、静電誘導型変換器の製造方法
JP7107813B2 (ja) 2018-11-01 2022-07-27 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器、静電誘導型変換器の製造方法、腕時計
JP2020080600A (ja) * 2018-11-12 2020-05-28 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器及びその製造方法
JP7184603B2 (ja) 2018-11-12 2022-12-06 シチズン時計株式会社 静電誘導型変換器及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6789156B2 (ja) 2020-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6799484B2 (ja) 電気機械変換器およびその製造方法
JP5800707B2 (ja) 発電装置およびそれを備えた発電機器
JP6789156B2 (ja) 電気機械変換器
CN108476002B (zh) 电力生成或者转换系统
JP6707018B2 (ja) 電気機械変換器
JP2015186424A (ja) 静電誘導型発電器
JP7022683B2 (ja) 静電式電気機械変換機
US10840826B2 (en) Electromechanical transducer
US20210226557A1 (en) Hybrid rotary energy harvester
KR101885023B1 (ko) 마찰대전에 의한 에너지 하베스팅 장치
JP2018068065A (ja) 電気機械変換器
JP6678526B2 (ja) 電気機械変換器
JP6656055B2 (ja) 電気機械変換器
JP6832690B2 (ja) 電気機械変換器
JP2018098833A (ja) 電気機械変換器
JP7194080B2 (ja) 電気機械変換器およびその製造方法
WO2019181026A1 (ja) 電気機械変換器およびその製造方法
JP5876179B2 (ja) 発電装置
JP6062081B2 (ja) 発電装置
JP2020080600A (ja) 静電誘導型変換器及びその製造方法
JP7069003B2 (ja) 電気機械変換器および電子時計
JP2020108287A (ja) 回転部材の製造方法、測定装置、回転部材の検査システム、および回転部材の表面電位の測定方法
JP2016059194A (ja) 発電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6789156

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150