JP2015186424A - 静電誘導型発電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】対抗力発生部を設置して帯電膜と対向電極同士が引き寄せられないようにした静電誘導発電器を提供する。
【解決手段】第1基板1と、第1基板1に対して相対移動可能に平行に配置された第2基板4と、第1基板1又は第2基板4の一方に設置された第1帯電膜2と、第1基板1又は第2基板4の他方に設置され、第1帯電膜2と対向して設置された第1対向電極3と、第1帯電膜2及び第1対向電極3間に発生するクーロン力に対して反対方向の対抗力を発生する対抗力発生部と、第1帯電膜2及び第1対抗電極3間で発生した電力を出力する第1出力部とを有することを特徴とする。
【選択図】図3A
【解決手段】第1基板1と、第1基板1に対して相対移動可能に平行に配置された第2基板4と、第1基板1又は第2基板4の一方に設置された第1帯電膜2と、第1基板1又は第2基板4の他方に設置され、第1帯電膜2と対向して設置された第1対向電極3と、第1帯電膜2及び第1対向電極3間に発生するクーロン力に対して反対方向の対抗力を発生する対抗力発生部と、第1帯電膜2及び第1対抗電極3間で発生した電力を出力する第1出力部とを有することを特徴とする。
【選択図】図3A
Description
本発明は、静電誘導を利用した発電装置、発電器、携帯型電気機器、携帯型時計等に関する。本発明の発電器のエネルギー源としては、人体の運動、機械等の振動、その他環境に広く存在する運動エネルギーを利用することができる。
エレクトレット材料による静電誘導を利用した実用的発電装置が、特許文献1〜3に開示されている。静電誘導とは、帯電した物体を導体に接近させると、帯電した物体とは逆の極性の電荷が引き寄せられる現象のことである。静電誘導現象を利用した発電装置とは、「電荷を保持する膜」(以下、帯電膜という)と「対向電極」を配置した構造において、この現象を利用して、両者を相対移動させて誘導された電荷を取り出す発電のことである。
図1は、静電誘導現象を利用した発電の原理を説明する説明図である。
エレクトレット材料による場合を例にとると、エレクトレットは、誘電体に電荷を打ち込んだものであり、半永久的に静電場を発生させるものである。このエレクトレットによる発電では、図1にみられるように、エレクトレットにより形成される静電場によって対向電極に誘導電荷が生じ、エレクトレットと対向電極の重なりの面積を変化(振動等)させれば、外部電気回路において交流電流を発生させることができる。このエレクトレットによる発電は、構造が比較的簡単で、電磁誘導によるものより、低周波領域において高い出力が得られ有利であって、近年いわゆる「環境発電(Energy Harvesting)」として注目されている。
特許文献1には、水平振動型のエレクトレット素子により、人体の動きによる低周波振動を、外部エネルギーとして利用した携帯用の振動発電器が開示されている。特許文献2には、機械式自動巻き腕時計に用いられるような回転錘の回転を、歯車機構を介して増速伝動させて、エレクトレット膜と電極の相対的な回転を行う静電誘導を利用した発電装置が開示されている。また、特許文献3には、エレクトレット膜と電極の往復周期回動を行う静電誘導を利用した発電装置において、回動体を弾性体を介して支持して回動体を共振させた発電装置が開示されている。特許文献3の従来技術は、弾性体で共振させて回動振幅を大きくさせ、発電効率を向上させるものである。しかしながら、これらの従来技術では、いずれもエレクトレット膜と電極間ギャップを狭くして発電効率を上げようとする技術思想は何ら示されていない。
図2は、ジャスティン・ボーランドらの研究(特許文献4参照)に記載された負荷調整電力方程式に基づいて、帯電膜−対向電極間ギャップと発電量との関係に注目したグラフである。このグラフからわかるように、上記ギャップが小さくなるにつれ、発電量が増加することがわかる。しかしながら、発電量を上げるために上記ギャップを狭くすると、クーロン力が働いて帯電膜と対向電極同士が引き寄せ合うため、移動する側の電極の動きが渋くなる現象が発生していることがわかってきた。そのため、相対移動しなくなり発電ができなくなってしまったり、上記ギャップを小さくして発電効率を上げようとしても、電極を余り近づけられないことから発電量を大きくできないという問題点があった。
本発明に係る静電誘電発電器は、第1基板と、前記第1基板に対して相対移動可能に平行に配置された第2基板と、前記第1基板又は前記第2基板の一方に設置された第1帯電膜と、前記第1基板又は前記第2基板の他方に設置され、前記第1帯電膜と対向して設置された第1対向電極と、前記第1帯電膜及び前記第1対向電極間に発生するクーロン力に対して反対方向の対抗力を発生する対抗力発生部と、前記第1帯電膜及び前記第1対抗電極間で発生した電力を出力する第1出力部と、を有することを特徴とする。
静電誘導発電器において、帯電膜(電極)と対向電極間に発生するクーロン力に対して、反対の方向の力を発生する対抗力発生部を設けたので、電極同士が引き寄せられて発電時に可動側の電極の動きが阻害されて発電量が下がるようなことがない。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。各実施態様について、同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図3Aは、本発明の第1実施形態を示す模式的断面図である。図3Bは、本発明の第1実施形態を比較して説明するための参考図である。本実施形態は腕時計や携帯用電子電気機器などに適用できるが、これに限定されるものではない。
図3Aは、本発明の第1実施形態を示す模式的断面図である。図3Bは、本発明の第1実施形態を比較して説明するための参考図である。本実施形態は腕時計や携帯用電子電気機器などに適用できるが、これに限定されるものではない。
第1実施形態は、図3Aにみられるように、静止する第1基板1に対して、第2基板が軸8を中心に回転する場合の実施形態である。軸8は、ハウジングを構成する地板33、上下の受け部材34、35に、上下の軸受32を介して取り付けられている。なお、ハウジングは、腕時計用のハウジングの限定されるものではない。
図3Bにみられるように、第1対向電極2を第1基板1に設置し、第1帯電膜3を回転する第2基板の第1対向面41(下面)に配置している。この時、第1対向電極2と第1帯電膜3との距離、すなわち、帯電膜−対向電極間ギャップが小さくなってくると、帯電膜の負電荷と対向電極に静電誘導された正電荷との間に働くクーロン力が大きくなってくる。軸8が下部の軸受32を押し付ける力が大きくなったりして、移動する側の第2基板の動きが渋くなることがわかってきた。また、クーロン力により第1対向電極2と第1帯電膜3との間で保持力が高まり、第2基板の回転量を低下させるため、それに伴い発電量も低下してしまう。
本実施形態の図3Aの場合では、第1対向電極2を第1基板1に設置し、第1帯電膜3を回転する第2基板の第1対向面41(下面)に配置しているが、帯電膜−対向電極間ギャップ(GAP)が小さくなって、帯電膜の負電荷と対向電極に静電誘導された正電荷との間に働くクーロン力に対抗するように、反対の方向の力を発生する対抗力発生部が設けられている。
本実施形態では、この対抗力発生部は、第2基板の第2対向面42(上面)に配置した第2帯電膜5と、第2対向面42に平行に対向させて設置した静止する第3基板7と、第3基板7に設置した第2対向電極6とから構成されている。すなわち、発電用の第1対向電極2と第1帯電膜3と、同じサイズ、同じ形状で、引っ張り上げる方の第2対向電極6と第2帯電膜5を形成し、両方に働くクーロン力を同じ量にする。これにより、回転する第2基板の下側で発生した下側クーロン力(引力)は、上側で発生する上側クーロン力(引力)によって相殺されることになる。回転する第2基板を、下側クーロン力に対向する上側クーロン力で浮かせることができるので、回転する第2基板の動きを軽くすることができる。対抗力発生部による上側クーロン力は、必ずしも完全に下側クーロン力と釣り合う必要はなく、少なくとも下側クーロン力の一部を相殺すれば、上記効果を上げることができる。回転する第2基板は、上下に引っ張られているためどちらか一方にくっつこうとする力は弱くなる。また、上下の帯電膜−対向電極間ギャップ量が、適切に調整できるような調整機構(軸8の上下動調整など)を設置しても良い。
基板の材料としては、金属やガラスエポキシ基板など周知の基板材料を使用すると良い。また、第2基板自体を回転させたが、基板の代わりに、軸8に固定させた円板(無機材料や金属)にして、帯電膜をパターン形成した基板をこの円板の上下面に張り付けるようにしても良い。このような場合も第2基板として含めることにする(他の実施形態においても同様)。
上記説明においては、第1対向電極2を第1基板1に設置し、第1帯電膜3を回転する第2基板の第1対向面41(下面)に配置し、第2帯電膜5を第2基板の第2対向面42(上面)に、第2対向電極6を第3基板7に設置した場合で説明したが、これに限定されるものではない。帯電膜と対向電極を、逆にしてそれぞれ基板に取り付けて、第1帯電膜3を第1基板1に設置し、第1対向電極2を第2基板の第1対向面41(下面)に配置し、第2対向電極6を第2基板の第2対向面42(上面)に、第2帯電膜5を第3基板7に設置しても良い。なお、第2基板の第1、2対向面を同極にする場合のみならず、第2基板の第1、2対向面に、それぞれ帯電膜と対向電極の一方と他方を設置して、第1、3基板の極性をそれに対応させた構成であっても実施は可能である。
次に、本実施形態の一例としての腕時計に適用した場合の回転駆動について述べる。以下の回転駆動は、腕時計に限定されるものではなく、携帯用電子機器などの多くの用途にも適用可能である。
図4は、本実施形態の第1、3基板、対抗力発生部を省略した斜視図である。図5は、本発明の第1実施形態の第1対向電極2と第1帯電膜3のパターンを示す図である。
軸8には、重量バランスの偏りを有する回転錘10が直接設置されている。歩行等の人体の運動によって、回転錘10が駆動される。なお、軸8に直接回転錘10を取り付ける代わりに、第2基板4に錘を取り付けて、第2基板4自体を回転錘10とすることも可能である。
本実施形態の帯電膜にはエレクトレット膜が使用されている。図3Aの断面図では、帯電膜2と対向電極3のパターン形状を図示していなかったが、図4、5に示すように、両図には、中心から等しい角度の放射部2’、3’が等間隔で形成されている。図示は省略しているが、対抗力発生部の第2基板4の第2対向面42と、第3基板7においても同様である。本実施形態では、帯電膜は、図5の上部に示すような個別の放射部3’からなるパターンに形成されていて、帯電膜は導電部材の軸8に電気接点を介して接続されて出力されている(各放射部3’毎に軸8に接続するか、各放射部を連結配線後に軸8に接続するようにしても良い)。第2基板4が金属の場合には各放射部はそれぞれ基板を通して軸8と直接接続される。一方、対向電極も、図5の下部に示すようなパターンに形成されていて、外周側の電極部から出力が取り出される。両出力端子は、整流回路20に接続している。
本実施形態では、第1対向電極2と第1帯電膜3間の第1出力部は、整流回路に接続されている。整流回路は、ブリッジ式であり、4個のダイオードを備え、入力側には、第1対向電極2と第1帯電膜3が接続されている。出力側には平滑回路を介して外部出力に接続されている。本実施形態における帯電膜および対向電極は放射状にパターニングされていたが、第1、第2基板に対して相対回動したときに、重なり面積が増減するのであれば、他の形状にパターニングされていても良い。
エレクトレット膜(帯電膜)の内面には、負電荷が保持されているので、それぞれの対向電極には、静電誘導により正電荷が引き寄せられる。歩行等の人体の運動によって、回転錘10が駆動されると、第1基板や第3基板に対して、軸8に固定された回転錘の回転に伴い、同じく軸8に固定された第2基板が回転する。これに伴い、エレクトレット膜と対向電極間との重なり面積が増減し、対向電極に引き寄せられる正電荷が増減して、エレクトレット膜と対向電極間に交流電流を発生させる。第1対向電極2と第1帯電膜3間の電流を、第1出力部として、整流回路20を通し直流変換して、外部に取り出し発電させるものである。
第2基板の軸8の回転駆動は、上記軸8に固定された回転錘の回転のみならず、機械式腕時計においてこれまで公知の自動巻きの回転駆動技術を転用することが可能である。たとえば、特許文献2のように、軸8とは別に軸支された回転錘の回転を、歯車機構を介して増速伝動させて軸8に伝動して、エレクトレット膜と電極の相対的な回転行うこともできる。軸8とは別に軸支(この軸を以下ローター軸という)された回転錘の正逆両方向の回転を、常に一方向の回転に変換するようにすれば、発電効率を一層高めることができる。
このような変換クラッチ機構は、ツゥーウェイクラッチ機構として自動巻き腕時計の公知技術として、よく知られているので、これらの公知技術などを適用することが可能である。また、ロータ軸の回転や揺動の正逆一方向のみをワンウェイクラッチで軸8に伝動しても良い。第2基板の軸8の回転が逆回転する時の運動エネルギーの無駄がなくなり、発電効率を高めることができる。その他、特許文献3にみられるような、共振現象を軸8の回転振動に利用して、振幅を増加させて発電効率を上げることも可能である。以上の第1実施形態の回転駆動については、以下に述べる第2〜4実施形態においても同様のことが言える。
本発明で帯電膜として用いられるエレクトレット材料には、帯電しやすい材料を用い、例えばマイナスに帯電する材料としてはシリコン酸化物(SiO2)や、フッ素樹脂材料などを用いる。具体的には一例としてマイナスに帯電する材料として旭硝子製のフッ素樹脂材料であるCYTOP(登録商標)などがある。
さらに、その他にもエレクトレット材料としては、高分子材料としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルデンジフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などがあり、無機材料としては前述したシリコン酸化物(SiO2)やシリコン窒化物(SiN)なども使用することができる。その他、周知の帯電膜を使用することができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態を示す模式的断面図である。
図6は、本発明の第2実施形態を示す模式的断面図である。
第2実施形態は、第1対向電極2と第1帯電膜3間での発電に加えて、第2対向電極6と第2帯電膜5間でも発電することができるようにした実施形態である。その他の構成は第1実施形態と同じである。
本実施形態では、第2基板4の第1対向面41と第2対向面42の第1、2帯電膜3、5の放射部の位相(第1、2対向電極2、6も同様)をそろえて配置され、第1対向電極2と第1帯電膜3間の第1出力部、及び、第2対向電極6と第2帯電膜5間の第2出力部は、同一の整流回路20に接続されている。第2基板の第1、2対向面には、帯電膜同士か対向電極同士にして、正または負の同極になるように構成すれば、単一配線で導電性の軸8から外部に取り出せて便利である。もちろん、第2基板の第1、2対向面が異極になるような構成であっても実施は可能である。
第1対向電極2と第1帯電膜3間(下)での発電(第1出力部)に加えて、第2対向電極6と第2帯電膜5間(上)でも発電(第2出力部)することができるので、クーロン力の相殺と発電量2倍の効果を同時に得ることができる。また、上下の第1、2出力部を同じ電極構成、すなわち、第1、2帯電膜及び第1、2対向電極のパターンの放射部の角度・位相を同一にすれば、出力される波形は同じ位相であるため、直流に変換するための整流回路を、それぞれ2つ用意する必要がなく、1つで良くなり構成が簡単になる。
(第3実施形態)
図7、8は、本発明の第3実施形態を示す模式的断面図である。
図7、8は、本発明の第3実施形態を示す模式的断面図である。
本実施形態は、図7にみられるように、対向力発生部に磁石13、14を使った実施形態である。第1実施形態と同様に、静止する第1基板1に対して、第2基板が軸8を中心に回転する場合の実施形態である。
第1対向電極2を第1基板1に設置し、第1帯電膜3を回転する第2基板の第1対向面41(下面)に配置している。帯電膜−対向電極間ギャップが小さくなってくると、帯電膜の負電荷と対向電極に静電誘導された正電荷との間に働くクーロン力が大きくなってくる。このために、クーロン力とは反対の方向の力を発生する対抗力発生部に磁石13を、軸8近傍において、第1基板側(第1基板自体又は第1基板を支持する受け部材34)に設置している。この磁石13に反発する磁石14を、軸8近傍において、第2基板の第1対向面に設置している。第1対向電極2と第1帯電膜3は、クーロン力で下に引かれるものの、磁石13、14で反発して浮かせて、対抗力を発生させ、クーロン力をキャンセルする。磁石13、14の設置位置は、軸8近傍に限られるものではなく、第2基板の外周部に複数組設置しても良い。磁石13は、ネジを使って上下位置を微量に調整することができるようにして、対抗する磁石14との距離を調整することで、反発力を調整することができるが、軸8の方で上下動させるようにしても反発力を調整することができる。対抗する磁石13、14との距離で反発力を調整する場合には、調整する磁石はどちら側でもよいが、固定側の第1基板の磁石13の方が調整が容易である。
本実施形態における磁石13、14の設置位置は、上記記載に限定されるものではなく、第1帯電膜3と第1対向電極2間に発生するクーロン力に対して、反対の方向の力を、磁石13、14によって発生できるように、設置位置を適宜任意に定めることができる。設置位置の他の一例としては、図8に示すように、磁石13は、第1対向電極2が設置された第1基板1の面の裏側に設け、磁石14は、第2基板4における第1対向面41とは裏側の第2対向面42とに設けて、磁石13、14で反発して浮かせて、対抗力を発生させるようにしても良い。このように、磁石13、14の設置位置は適宜任意に定めることができる。
(第4実施形態)
図9〜11は、本発明の第4実施形態を示す模式的断面図である。図12は、本発明の第4実施形態のストッパーの一例としての詳細断面図である。
図9〜11は、本発明の第4実施形態を示す模式的断面図である。図12は、本発明の第4実施形態のストッパーの一例としての詳細断面図である。
第4実施形態は、第1帯電膜3と第1対向電極2間に発生するクーロン力に対して、反対の方向の力を発生する対抗力発生部を設けた場合、この対抗力によって、第1帯電膜3と第1対向電極2間の距離が必要以上に離れないようにストッパーで規制した実施態様である。それとともに、上記両者の距離を近接させた場合には、衝撃などによって両者が接触して各表面にダメージを与えないように、ストッパーで規制することも必要である。図9、10は、第3実施形態の磁石の場合に本実施形態を適用した例であり、図11は、第1、2実施形態の対抗力がクーロン力の場合に、本実施形態を適用した場合である。これらは、同様にストッパーで規制することができる。
図9、10を参照して、この実施形態の磁石の場合を説明する。図9は、第3実施形態の磁石13、14が軸8近傍に設置された場合の例である。第1基板に位置調整可能にストッパー21を設置して、第2基板4の第1対向面41に設置した磁石14の位置を規制している。ストッパー21の磁石14の対向面には、PTFEなどの耐摩耗性材が設けられている。第2基板4の第2対向面42にも、PTFEなどの耐摩耗性材が設けられたストッパー22が設置されている。ストッパー22も、同様にPTFEなどの耐摩耗性材が設けられており、外部(図13の地板33や受け部材34、35などのハウジング、電子機器のケーシングなど)に調整可能に固定すると良い。ストッパー21、22は第2基板4の回転を阻害しないように、できれば摩擦力が発生しないように間隔を設けるようにすると良い。対抗力に応じて、ストッパー21、22のいずれか一方のみ設置しても有効である。
図9の場合では、ストッパー21が、磁石14の下面を規制したが、必ずしもこれに限定されるものではない。ストッパー21が、軸8近傍の第2基板4の第1対向面41を直接規制しても良い。また、図10に示すように、第2基板4の第1対向面41において、第1帯電膜3の外周側にストッパー21を設置しても良い。この場合には、対抗力に対する位置規制のみならず、軸8や第2基板4が衝撃などで撓んだ場合にも各部材にダメージを与えることが皆無になる。
図11は、第1、2実施形態に、第2基板の第1、2対向面41、42に対して、ストッパー11による位置規制を適用した例である。その他の構成は、第1、2実施形態と同じであり、その効果は、上述した第4実施形態と同じである。ストッパー11による位置規制位置は、図11の軸8近傍に限定されるものではなく、第2基板の外周側であっても良い。ストッパー11の接触面には、PTFEなどの耐摩耗性樹脂は設けられている。
以上の第4実施形態の説明において、ストッパー21、22、11の接触面に設置したPTFEの代わりに、図12に示すような浮動ボール31を凹部に設置して、摩擦を軽減させても良い。
以上の第4実施形態の説明において、ストッパー21、22、11の接触面に設置したPTFEの代わりに、図12に示すような浮動ボール31を凹部に設置して、摩擦を軽減させても良い。
第2基板の位置規制に関して、上述のストッパー21、22、11によるものではなく、図13に示すように、第1帯電膜3と第1対向電極2間に発生するクーロン力に対して、反対の方向の対抗力によって、第1帯電膜3と第1対向電極2間の距離が必要以上に離れないように、軸8の軸受32で規制した場合の一実施形態である。通常、軸8は、上下にほぞ部を設けて、それらを上下に軸受で支持する。上下の軸受間距離と、上下のほぞ部を含めた軸の長さには、通常所定の遊び隙間量が存在する。第1帯電膜3と第1対向電極2間に発生するクーロン力と、反対の方向の対抗力(磁石や対向クーロン力)には力の大きさに差があれば、その差の力の方向の軸受位置を所定位置に定めれば、第1帯電膜3と第1対向電極2間の距離が必要以上に離れないように規制することができる。もちろん遊びを極力小さく設定して、上下の軸受位置で規制しても良い。この場合には、軸受位置の調整機構が必要になってくる。
(第5実施態様)
図14は、並進運動の場合の第5実施形態を示す模式的断面図である。
図14は、並進運動の場合の第5実施形態を示す模式的断面図である。
これまで説明した第1〜4実施形態では、すべて軸8を中心に第2基板が回転する回転型の実施形態であったが、これらの特徴はすべて、第2基板が、静止する第1基板に対して、並進運動する第5実施態様に適用できるものである。以下の各実施態様について、第1〜4実施形態と同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14の第5実施形態は、第1実施形態と同様に、静止する第1基板1に対して、第2基板が並進運動する場合の実施形態である。第1対向電極2を第1基板1に設置し、第1帯電膜3を第2基板の第1対向面41(下面)に配置している。対抗力発生部は、第2基板の第2対向面42(上面)に配置した第2帯電膜5と、第2対向面42に平行に対向させて設置した静止する第3基板7と、第3基板7に設置した第2対向電極6とから構成されている。この場合には、第2実施形態と同様に、第1対向電極2と第1帯電膜3間の第1出力部での発電に加えて、第2対向電極6と第2帯電膜5間の第2出力部でも発電することができ、第2実施形態と同様な効果を奏する。
(第6実施態様)
図15は、並進運動の場合の第6実施形態を示す模式的断面図である。
図15は、並進運動の場合の第6実施形態を示す模式的断面図である。
先に説明した第3実施形態では、すべて軸8を中心に第2基板が回転する回転型の実施形態であったが、これらの特徴はすべて、第2基板が、静止する第1基板に対して、並進運動する第6実施態様に適用できるものである。本実施態様について、第3実施形態と同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15の第6実施形態は、第5実施形態と同様に、静止する第1基板1に対して、第2基板が並進運動する場合の実施形態である。第1対向電極2を第1基板1に設置し、第1帯電膜3を第2基板の第1対向面41(下面)に配置している。対抗力発生部は、図8と同様に、磁石13は、第1対向電極2が設置された第1基板1の面の裏側に設け、磁石14は、第2基板4における第1対向面41とは裏側の第2対向面42とに設けて、磁石13、14で反発して浮かせて、対抗力を発生させている。磁石13、14の設置位置はこの場合に限定されず、第1対向電極2が設置された第1基板1の面と第2基板の第1対向面41であっても良く、磁石13、14で反発して第2基板4を浮かせることができれば良い。第5、6実施形態においても、第4実施形態と同様にしてストッパーで規制すると良い。
本発明において、相対移動として、並進運動、回転運動、往復並進振動、回転振動が含まれる。ここでいう振動とは、規則的な振動のみならず、環境に広く存在するエネルギー源から電力を取り出す場合の不規則的な振動を含むものとして定義される。また、回転運動とは、一方向回転のみならず、回転振動、揺動運動を含めて使用される。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的構成はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
1 第1基板
2 第1対向電極
3 第1帯電膜
4 第2基板
5 第2帯電膜
6 第2対向電極
7 第3基板
8 軸
41 第1対向面
42 第2対向面
2 第1対向電極
3 第1帯電膜
4 第2基板
5 第2帯電膜
6 第2対向電極
7 第3基板
8 軸
41 第1対向面
42 第2対向面
Claims (12)
- 第1基板と、
前記第1基板に対して相対移動可能に平行に配置された第2基板と、
前記第1基板又は前記第2基板の一方に設置された第1帯電膜と、
前記第1基板又は前記第2基板の他方に設置され、前記第1帯電膜と対向して設置された第1対向電極と、
前記第1帯電膜及び前記第1対向電極間に発生するクーロン力に対して反対方向の対抗力を発生する対抗力発生部と、
前記第1帯電膜及び前記第1対抗電極間で発生した電力を出力する第1出力部と、
を有することを特徴とする静電誘導発電器。 - 前記第1帯電膜又は前記第1対向電極の一方を、静止する第1基板に設置し、他方を回転又は並進運動する第2基板の第1対向面に設置し、
前記対抗力発生部が、前記第2基板における前記第1対向面とは裏側の第2対向面と、前記第2対向面に平行に対向させて設置した静止する第3基板と、前記第2対向面又は第3基板の一方に設置した第2帯電膜と、前記第2対向面又は前記第3基板の他方に設置した第2対向電極とを有することを特徴とする請求項1に記載の静電誘導発電器。 - 前記第2帯電膜及び前記第2対向電極間で発生した電力を出力する第2出力部を更に有する、請求項2に記載の静電誘導発電器。
- 前記第2基板は、軸回りに回転運動を行い、前記第1帯電膜、前記第1対向電極、前記第2帯電膜、及び、前記第2対向電極の各パターンには、各々等しい角度の放射部が等間隔で形成されるとともに、前記第1帯電膜、前記第2帯電膜、前記第1対向電極、及び、前記第2対向電極の放射部の位相をそろえて配置され、前記第1帯電膜と前記第1対向電極間の前記第1出力部、及び、前記第2帯電膜と前記第2対向電極間の前記第2出力部は、同一の整流回路に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の静電誘導発電器。
- 前記第1帯電膜又は前記第1対向電極の一方を、静止する第1基板に設置し、他方を回転又は並進運動する第2基板の第1対向面に設置し、
前記対抗力発生部が、前記第1基板側と前記第2基板のそれぞれに設けた反発力を発生する磁石から構成されることを特徴とする請求項1に記載の静電誘導発電器。 - 前記磁石は、前記第1帯電膜又は前記第1対向電極の一方が設置された第1基板側と、第2基板の前記第1対向面とに設けたことを特徴とする請求項5に記載の静電誘導発電器。
- 前記磁石は、前記第1帯電膜又は前記第1対向電極の一方が設置された第1基板の面の裏側と、前記第2基板における前記第1対向面とは裏側の第2対向面とに設けたことを特徴とする請求項5に記載の静電誘導発電器。
- 前記第2基板は、軸回りに回転運動を行い、前記第2基板の軸は、重量バランスの偏りを有する回転錘が直接設置されているか、又は、回転錘の回転が歯車列を介して前記軸に回転伝動されるように構成されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の静電誘導発電器。
- 重量バランスの偏りを有する回転錘の正逆両方向の回転、又は、正逆回転の一方回転のみが、前記第2基板に常に一方向に回転伝動されることを特徴とする請求項8に記載の静電誘導発電器。
- 前記第2基板に、重量バランスの偏りを生じさせる錘が設置されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の静電誘導発電器。
- 前記第2基板の面に垂直な方向の移動を、所定範囲に規制するストッパーを設けたことを特徴とする請求項2から10のいずれか1項に記載の静電誘導発電器。
- 前記第2基板は、前記第2基板に取り付けた軸の回りに回転運動を行い、前記軸は軸受で支持されて、前記第2基板の前記軸の軸心方向の位置が規制されていることを特徴とする請求項2から11のいずれか1項に記載の静電誘導発電器。
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