JP2013121309A - 振動発電器 - Google Patents

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Kunihiko Nakamura
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Abstract

【課題】エレクトレットにおける経時的な電荷の保持性に優れ、発電の安定性が向上した振動発電器を提供する。
【解決手段】振動発電器は、基板と、基板上に配置され、電荷を保持する絶縁層と、絶縁層に対向して配置された固定基板と、固定基板の絶縁層側の表面とは反対側の表面に対向して配置され、固定基板に対し振動可能に支持された可動基板と、を備え、固定基板は、絶縁層との対向面に設けられた第1の導電体と、可動基板との対向面に設けられた第2の導電体と、を有し、絶縁層との対向面の第1の導電体と可動基板との対向面の第2の導電体とは互いに電気的に接続されており、可動基板は、固定基板との対向面に第3の導電体を有し、固定基板と可動基板との相対運動に伴って、固定基板の可動基板との対向面に設けられた第2の導電体と、可動基板に設けられた第3の導電体との間の静電容量が変化し、前記静電容量の変化に伴う電荷の移動により発電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)素子に係り、微小機械要素が振動することにより発電する振動発電器に関する。
静電型振動発電器は、着電されたエレクトレットと対向する電極を具備し、外部環境から加えられる力により重りが振動したときに、エレクトレットと電極の対向面積が変化すように構成される。静電型振動発電器は、対向面積の変化に伴う静電容量の変化を利用して、静電容量の最大値と最小値を繰り返し発生させることにより、電極への給電および放電による発電を実現する環境発電器である。これまでに、種々の静電型振動発電器が提案されている。
図5は、特許文献1に記載された振動発電器の断面図である。図5において、シリコンからなる固定電極90の表面上にエレクトレット膜91が形成されている。また、固定電極90と対向するように配置される可動基板92の表面上に、エレクトレット膜91と対向するように可動電極93が形成されている。エレクトレット膜91は、櫛歯状にパターニングされている。
図6は、非特許文献1に記載されている静電型発電装置80の断面図である。図6の静電型発電装置80は、サポートウエハ(Support wafer)81、MEMSウエハ(MEMS wafer)82、エレクトレットウエハ(Electret wafer)83の合計3枚のシリコン基板を貼りあわせた構成から成る。サポートウエハ(Support wafer)81上には櫛歯状のシリコンからなる固定電極(Fixed electrode)84が形成されている。MEMSウエハ(MEMS wafer)82にはシリコンからなる可動片(Seismic mass)85がウェハ82中に加工され、図示はされていないシリコンのばね構造によりMEMSウエハ(MEMS wafer)82の外枠に繋がれている。可動片85の下面には、櫛歯状のシリコンからなる可動電極(Moving electrode)86が形成され、固定電極84に対向している。エレクトレットウエハ(Electret wafer)83の下面にはエレクトレット層87と呼ばれる電荷保持層が形成され、可動片85に対向している。電荷保持層であるエレクトレット層87には、コロナ放電等で打ち込まれた電荷が保持されている。可動片85は外部から基板水平方向の加速度を加えられると、同じく基板水平方向に振動するように設計されている。固定電極84と可動電極86の間には静電容量が形成されており、可動片85が振動すると静電容量も変化し、両櫛歯電極84、86が重なりあうように対向するときに最大の容量が得られる。
エレクトレット層87に保持された電荷は、対向する可動片85の上部に逆極性の電荷を励起する。それに伴い、可動片85の下部の可動電極86にはさらに逆極性の電荷が励起される。そしてさらに、逆極性の電荷が固定電極84に励起されている。振動により固定電極84と可動電極86間の静電容量が変化することで、固定電極84に励起される電荷量も変動し、この電荷量変動分の電荷が外部負荷回路88に流れ込むことにより発電が行われる。
国際公開公報2008/026407号パンフレット
G. Altena et. al.,‘‘DESIGN, MODELING, FABRICATION AND CHARACTERIZATION OF AN ELECTET-BASED MEMS ELECTROSTATIC ENERGY HARVESTE’’, Transducers ’11, Benjing, China, June 5-9, pp.739-742, 2011
しかし、図5の構成では、エレクトレット91を櫛歯状に微細にパターニングする必要がある。このように微細にパターニングされたエレクトレット91からは着電された電荷が逃げ易く、長期的にエレクトレット91の電位が低下するという信頼上の課題があることが見出された。
また、図6の構成では、可動電極86を振動させるため、可動電極86と電荷保持層であるエレクトレット層87との間の距離も変動する。そのため、可動電極86の櫛歯電極に誘起される自由電荷の量も変動し、発電の安定性が低下するという問題が見出された。
そこで、本発明の目的は、エレクトレットにおける経時的な電荷の保持性に優れ、発電の安定性が向上した振動発電器を提供することである。
本発明の振動発電器は、基板と、
前記基板上に配置され、電荷を保持する絶縁層と、
前記絶縁層に対向して配置された固定基板と、
前記固定基板の前記絶縁層側の表面とは反対側の表面に対向して配置され、前記固定基板に対し振動可能に支持された可動基板と、
を備え、
前記固定基板は、前記絶縁層との対向面に設けられた第1の導電体と、前記可動基板との対向面に設けられた第2の導電体と、を有し、前記絶縁層との対向面の第1の導電体と前記可動基板との対向面の第2の導電体とは互いに電気的に接続されており、
前記可動基板は、前記固定基板との対向面に第3の導電体を有し、
前記固定基板と前記可動基板との相対運動に伴って、前記固定基板の前記可動基板との対向面に設けられた第2の導電体と、前記可動基板に設けられた第3の導電体との間の静電容量が変化し、前記静電容量の変化に伴う電荷の移動により発電する。
また、前記第1の導電体は、対向する前記絶縁層に保持された電荷と対応して誘導された電荷を有し、
前記第2の導電体は、前記第1の導電体に誘導された電荷と同じ大きさであって逆極性の電荷を有し、
前記第3の導電体は、対向する前記固定基板の前記第2の導電体に誘電された電荷と同じ大きさであって逆極性の電荷を有してもよい。
さらに、前記第2の導電体は、前記固定基板の前記可動基板との対向面に、パターン化して配列されており、
前記第3の導電体は、前記可動基板の前記固定基板との対向面に、パターン化して配列されていてもよい。
またさらに、前記第2の導電体と、前記第3の導電体とは、互いに同一方向にパターン化されていてもよい。
また、前記固定基板は、導電性材料からなり、前記第2の導電体は、前記固定基板の表面に形成された凸部形状を有してもよい。
さらに、前記可動基板は、導電性材料からなり、前記第3の導電体は、前記可動基板の表面に形成された凸部形状を有してもよい。
またさらに、前記固定基板は、絶縁体を含み、前記第2の導電体は、前記絶縁体の表面に形成された電極であってもよい。
また、前記可動基板は、絶縁体を含み、前記第3の導電体は、前記絶縁体の表面に形成された電極であってもよい。
さらに、前記基板と前記固定基板との間の空間を封止する封止部材を有し、
前記空間は、空気または不活性ガスが充填されていてもよい。
またさらに、前記基板と前記固定基板との間の空間を封止する封止部材を有し、
前記空間は、大気圧よりも減圧されていてもよい。
また、前記基板と前記固定基板との間の空間を充填する絶縁材を備えてもよい。
さらに、前記可動基板は、前記固定基板の表面と平行な方向に振動可能に支持されていてもよい。
またさらに、前記可動基板は、前記固定基板の表面と垂直な方向に振動可能に支持されていてもよい。
エレクトレットにおける経時的な電荷の保持性に優れ、発電の安定性が向上した振動発電器を得ることができる。
(a)は、本発明の実施の形態1に係る振動発電器の断面図であり、(b)は、(a)の振動発電器の固定電極の上面図である。 (a)は、本発明の実施の形態2に係る振動発電器の断面図であり、(b)は、(a)の振動発電器の固定電極の上面図である。 本発明の実施の形態3に係る振動発電器の断面図である。 本発明の実施の形態4に係る振動発電器の断面図である。 従来の静電型発電装置の概略断面図である。 (a)は、従来の静電型発電装置の模式図であり、(b)は、(a)の静電型発電装置の詳細な断面構成を示す断面図である。
<従来構成の詳細説明>
まず、非特許文献1に記載された従来の静電型発電装置の問題について説明する。
図6(b)を用いて、その発電原理をより詳しく述べる。外部負荷回路88に接続されたサポートウエハ81上には櫛歯状の固定電極84が形成されている。固定電極84に対して、発電用電極間容量C(材質は空気)を介して可動片85下部に設けられた櫛歯状の可動電極86が対向して配置されている。この可動片85は水平方向に振動可能なように、ばね(図示せず)により懸架されている。エレクトレットウエハ83の下部には電荷保持膜となるエレクトレット層87が形成され、誘電体となる空気層を介して可動片85の上部に面している。エレクトレット層87には誘電体である空気との境界付近に電荷が保持されている。エレクトレットウエハ83は接地され、サポートウエハ81は外部負荷回路88を経て接地されている。
エレクトレット層87に保持された電荷量をσとする。このエレクトレット層87に保持された電荷σにより、可動片85の上部表面には電荷−qが励起され、可動片85の下部の可動電極86には電荷+qが励起され、また、可動電極86と対向する固定電極84には電荷−qが励起される。
この励起される電荷量qは、エレクトレット層87に保持された電荷σが大きいほど大きくなる。また、電荷量qは、固定電極84と可動電極86との間の静電容量Cが大きいほど大きくなる。この静電容量Cは、可動片85が水平方向に振動することで変化する。静電容量Cが減少すれば励起される電荷qも減少し、減少した分の電荷は外部負荷回路88に流れて仕事をする。
すなわち、大きな電荷量qを得て発電量を増すには、
(a)エレクトレット層87に保持された電荷σを大きくすること。
(b)固定電極84と可動電極86との間の静電容量Cを大きくすること。
(c)エレクトレット層87と可動片85との距離を小さく、エレクトレット層87の厚さ相当、もしくはそれ以下とすること、すなわち、可能な限り可動片85をエレクトレット層87に近づけること。
などの方法が挙げられる。
<従来構成の問題点>
しかし、図6の構成の静電発電装置には、発電性能、すなわち外部に対して仕事をする電荷を振動により生成せしめる能力を阻害する以下の4つの課題があった。
第1は、可動片85とエレクトレット層87との付着により発電動作が行われないという課題である。つまり、励起される電荷qを高めようと、可動片85を電荷保持膜であるエレクトレット層87に近づけて配置すると、両者間の強い静電力により、可動片85が電荷保持膜であるエレクトレット層87に付着して離れなくなり、発電動作が行われなくなる場合がある。
第2は、可動片85とエレクトレット層87との衝突によりエレクトレット層87に保持された電荷が失われるという課題である。すなわち、可動片85の振動は、主に基板水平方向に行われるが、過剰な垂直方向への加速度が発生した場合、可動片85が電荷保持膜であるエレクトレット層87に衝突する可能性がある。そのような場合には、エレクトレット層87に微細なクラックがはいり、そこから保持されるべき電荷が空間へ、または固体表面を伝って失われていく。
第3は、ガスによってエレクトレット層87に保持された電荷が経時的に失われるという課題である。可動片85が可動する3枚のウェハに囲まれた空間の容積が、電荷保持膜であるエレクトレット層87の露出面に比べて大きい。このように容積が大きいということは、容積内のガスや、容積を構成する内壁から離脱する残留ガスが電荷保持膜であるエレクトレット層87にアタックするということを意味している。ガスがイオンを含むと、イオンが電荷保持膜であるエレクトレット層87の電荷を奪い去り、経時的に電荷保持膜であるエレクトレット層87の電荷量が減少する。
第4は、理想的に導かれる電荷量qが実際には励起されないという課題である。これは主に各電極に半導体材料を利用していることが理由である。たとえば図6の破線四角で囲った部分89は、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造と類似しており、可動片85の空気との界面には空乏層が容量として存在する。従って容量Cは正しくはそれに空乏層容量を直列に接続した値となる。これは、空気の厚みがより厚くなることに相当し、理想的に導かれる電荷量に比べて、静電容量に励起される電荷qは減少する。これは発電性能を劣化させていることに相当する。
<本願発明の実施の形態>
次に、上記従来構成の課題を解決する具体的な本発明の実施の形態に係る振動発電器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面において実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<振動発電器の構成>
図1(a)は、本実施の形態1における静電型の振動発電器10の構成を説明する断面図である。図1(b)は、(a)の振動発電器10の固定電極3aの上面図である。この振動発電器10では、電荷保持基板1と、電荷保持基板1上に配置され、電荷を保持する電荷保持膜2(絶縁層)と、電荷保持膜2に対向して配置された固定基板3と、固定基板3の電荷保持膜2側の表面とは反対側の表面に対向して配置され、固定基板3に対し振動可能に支持された可動片6と、を備える。
具体的には、接地された電荷保持基板1上に電荷保持膜2が形成され、電荷保持膜2の表面近傍に一様に電荷σが保持されている。電荷保持膜2の上方には固定基板3が設置されている。固定基板3は、金属導体からなり、電荷保持膜2との対向面全面が第1の導電体として機能し、その上面には凹凸が配列され、この凸部が櫛歯状に配置されている。この凸部が固定電極3a(第2の導電体)として機能する。また、封止材4が電荷保持膜2を囲うように電荷保持基板1上に形成され、封止材4と固定基板3とで、電荷保持膜2の上方に閉ざされた空間となるキャビティ5を形成している。なお、固定基板3全体は金属導体からなるので、下面全面(第1の導電体)と上面の凸部からなる固定電極3a(第2の導電体)とは互いに電気的に接続されている。
また、固定基板3の上面の固定電極3aの上方には、可動片6が設置されている。可動片6の下部には櫛歯状の可動電極6a(第3の導電体)が配置されている。可動片6は金属導体からなり、可動電極6aは、可動片6の下面の凹凸の凸部で形成されている。可動片6は、ばね固定端7aに接続されたばね7により懸架されており、基板水平方向の加速度が加わると、基板水平方向に振動し、固定電極3aと可動電極6aとの間の静電容量Cを変化せしめる。固定基板3と可動片6との相対運動に伴って、固定基板3の可動片6との対向面に設けられた固定電極3a(第2の導電体)と、可動片6に設けられた可動電極6a(第3の導電体)との間の静電容量が変化し、前記静電容量の変化に伴う電荷の移動により発電することができる。
<固定電極>
固定電極3aは、固定基板3の可動片6との対向面に、パターン化して配列されている。なお、パターン化は、可動片6の振動方向と同一方向であってもよい。
<可動電極>
可動電極6aは、可動片6の固定基板3との対向面に、パターン化して配列されている。なお、パターン化は、可動片6の振動方向と同一方向であってもよい。さらに、固定電極3aと、可動電極6aとは、互いに同一方向にパターン化されていてもよい。
<振動発電器の動作>
次に、この振動発電器10の動作について図1を用いて説明する。電荷保持膜2となる第1の誘電体内部の電界をE1、厚みをd1、比誘電率をε1、保持された電荷の電荷密度をσとする。また、電荷保持膜2に電荷が保持された部分の面積をSとする。さらに、キャビティ5となる第2の誘電体の内部の電界をE2、厚みをd2、比誘電率をε2とする。保持された電荷σにより、固定基板3の電荷保持膜2に対向する面積Sには電荷量−qが励起され、固定電極3aには電荷量qが励起され、そして可動電極6aには電荷量−qが励起される。発電用電極(固定電極3aと可動電極6a)間の静電容量Cの電位差をVとする。
まず、電界の経路積分は電位となるという電界と電位の関係から下記式(1)が成り立つ。
Figure 2013121309
また、誘電体の境界に存在する電荷について、静電界のPoissonの方程式により、下記式(2)が成り立っている。
Figure 2013121309
なお、εoは真空の誘電率である。
また、固定基板3の下面の電荷密度q/Sと電界E2の関係は、静電界のPoissonの方程式の導体表面での境界条件によって、下記式(3)で表せる。
Figure 2013121309
上記式(1)〜(3)により、固定基板3上に励起される電荷量qは、下記式(4)のように記述される。
Figure 2013121309
この振動発電器10では、可動片6が水平方向に振動することで発電用電極間容量Cが変化する。可動片6の水平方向の振動によって固定電極3aと可動電極6aの櫛歯がずれて容量Cが減少すれば、上記式(4)に示されるように、励起される電荷qも減少し、減少した分の電荷は外部負荷回路20に流出して仕事をする。一方、可動片6が水平方向に移動し、再び櫛歯の重なりが増えて容量Cが増加する過程では、電荷qも増加し、増加した分の電荷は外部負荷回路20から流入する。この容量Cへの電荷の流入と流出による電荷移動によって外部負荷回路に対して仕事をする。すなわち、この振動発電器10は、可動片6の振動に伴って発生する交流電流により、外部負荷回路20に対して仕事をする発電装置となる。なお、交流電流のまま外部負荷回路20に対して仕事をする形態でもよいし、交流を直流に変換するAC−DC変換回路を介在させて直流電流で外部負荷回路20に仕事をする形態でもよい。
また、本実施形態では、電荷保持基板1を接地し、可動片16に外部負荷回路20を接続したが、可動片16を接地し、電荷保持基板1に外部負荷回路20を接続してもよい。
<効果>
本構成によれば、電荷保持膜2の表面近傍に保持された電荷σにより電荷が励起する固定基板3、固定電極3aおよび可動電極6aは金属導体からなる。そのため、固定基板3、固定電極3aおよび可動電極6aに半導体材料を用いた場合に発生する空乏層容量が介在せず、固定電極3aおよび可動電極6aに励起される電荷qを減少させることなく高効率に発電できる。
また、電荷保持膜2と可動片6との間には、剛性の高い固定基板3が介在し、電荷保持膜2と固定基板3との間にキャビティ5を構成しているために、電荷保持膜2の表面に他の構造部材が衝突し、保持された電荷σが消失することはない。
また、キャビティ5は、固定基板3と封止材4と電荷保持基板1とで囲まれ、外界と隔てられているため、外界の湿度の混入等によって電荷保持膜2に保持された電荷σが消失することを防ぐことができる。さらに、キャビティ5は、アルゴンや窒素などの不活性ガスを充填することで湿度による電荷消失をより防ぐことができる。より好ましくは、キャビティ5内を減圧することで、より耐湿度の効果が高められる。
(実施の形態2)
<振動発電器の構成>
図2(a)は、本発明の実施の形態2に係る振動発電器10aの断面図であり、(b)は、(a)の振動発電器10aの固定電極3aの上面図である。図1(a)では可動片6および固定基板3が金属導体であり、可動片6および可動電極6a、固定基板3および固定電極3aは、それぞれ同一材料であったが、図2(a)に示すように、可動片16と固定基板13を絶縁体で形成してもよい。この場合、金属導体の可動電極6aを可動片16の下面に形成し、同じく金属導体の固定電極3aを固定基板13の上面に形成し、そして金属導体からなる電荷励起電極3bを固定基板13の下面に形成する。電荷励起電極3bと固定電極3aとは、固定基板13の表裏間の貫通ビア8で互いの導通を確保されている。図2(b)は固定基板13の上面図である。図2(b)は、表面側の固定電極3aを櫛歯電極として形成し、貫通ビア8を介して裏面の電荷励起電極3bに接続している状態を示している。一方、可動電極6aは外部負荷回路20に接続されているが、その導通は導電性のばね構造7を介して確保されている。
<効果>
この振動発電器10aによれば、固定基板3及び可動片6について、半導体ではなく、必要最小限の金属導体部材を使用して構成し、その他は絶縁部材によって構成している。これによって、固定基板3及び可動片6に半導体材料を使用した場合に発生する寄生容量を排除し、発電に寄与する電荷量の損失を抑制できる。また実施の形態1の図1に示した導電体からなる固定電極3aや可動電極6aの凹凸構造においては、発電に寄与しない凹部にも微弱に電荷が励起され、それが浮遊容量となり発電効率を下げるが、本実施の形態においては、凹部が絶縁体に相当するために励起される浮遊電荷を抑制できる。
(実施の形態3)
<振動発電器の構成>
図3は、本発明の実施の形態3に係る振動発電器10bの断面図である。図3は、図2の構成において、電荷保持膜2上のキャビティ5を誘電体層15で埋めた構成である。誘電体層15を電荷励起電極3b上(図では下面)に形成し、誘電体層15の表面に貼着性を付与して、誘電体層15を電荷保持膜2と対向させて電荷保持基板1を圧接することで図3の振動発電器10bの構成を形成することができる。
<効果>
この振動発電器10bでは、電荷保持膜2と固定基板3との間のキャビティ5を誘電体層15によって排除している。そこで、この振動発電器10bの製造方法では、封止材を配置する工程を除くことができるので、製造工程を簡素化できる。
(実施の形態4)
<振動発電器の構成>
図4は、本発明の実施の形態4に係る振動発電器10cの断面図である。図1(a)では、可動片6が基板水平方向に振動し、可動電極6aと固定電極3aとの両櫛歯電極の対向面積が変化することで発電を行っていた。この振動発電器10cでは、図4に示すように、固定基板3及び可動片6のいずれにも櫛歯電極を形成せず、導体の固定基板3と導体の可動片6の間の距離を変化させることで両者の間の静電容量Cを変化させて発電するようにしている。この場合、可動片6は、基板垂直方向の加速度により基板垂直方向に振動する構成をとる。
なお、この振動発電器10cでは、可動片6の振動方向を固定基板3及び可動片6の基板に垂直方向に振動させている。この場合、図4に示すように、固定基板3及び可動片6に櫛歯電極を設けない構成に限られず、図1乃至図3に示すように、固定基板3、13及び可動片6、16に櫛歯電極3a、6aをそれぞれ設ける構成であってもよい。
<効果>
この振動発電器10cでは、固定基板3及び可動基板6から櫛歯電極を排除することで、固定基板3及び可動基板6への櫛歯電極形成に必要な製造工程が簡素化される。また、外部からの圧力を受けて振動する振動発電器10cを構成する場合、可動片6の形状を平板とすることで、圧力を可動片6の広い上面にて受容してそれを励振力とすることができる。なお、この場合の外部からの圧力とは、指による押圧や、気体や液体の流れに伴う圧力変動である。
本発明に係る振動発電器は、発電装置に限らず、外的な物理量による機械的な変位を用いて電気的容量を変化させる気圧センサ、流体圧センサ、圧覚センサ、マイクロホンへの幅広い産業用途に展開可能である。
1 電荷保持基板(半導体)
2 電荷保持膜
3 固定基板(導体)
3a 固定電極(導体)
3b 電荷励起電極(導体)
4 封止材
5 キャビティ
6 可動片(導体)
6a 可動電極(導体)
7 ばね
7a ばね固定端
8 貫通ビア
10 振動発電器
13 固定基板(絶縁体)
15 誘電体層
16 可動片(絶縁体)
20 外部負荷回路
80 静電型発電装置
81 サポートウエハ
82 MEMSウエハ
83 エレクトレットウエハ
84 固定電極
85 可動片
86 可動電極
87 エレクトレット層
88 外部負荷回路
90 固定電極
91 エレクトレット膜
92 可動基板
93 可動電極
94 ストッパ膜

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置され、電荷を保持する絶縁層と、
    前記絶縁層に対向して配置された固定基板と、
    前記固定基板の前記絶縁層側の表面とは反対側の表面に対向して配置され、前記固定基板に対し振動可能に支持された可動基板と、
    を備え、
    前記固定基板は、前記絶縁層との対向面に設けられた第1の導電体と、前記可動基板との対向面に設けられた第2の導電体と、を有し、前記絶縁層との対向面の第1の導電体と前記可動基板との対向面の第2の導電体とは互いに電気的に接続されており、
    前記可動基板は、前記固定基板との対向面に第3の導電体を有し、
    前記固定基板と前記可動基板との相対運動に伴って、前記固定基板の前記可動基板との対向面に設けられた第2の導電体と、前記可動基板に設けられた第3の導電体との間の静電容量が変化し、前記静電容量の変化に伴う電荷の移動により発電する、振動発電器。
  2. 前記第1の導電体は、前記絶縁層に保持された電荷と対応して誘導された電荷を有し、
    前記第2の導電体は、前記第1の導電体に誘導された電荷と同じ大きさであって逆極性の電荷を有し、
    前記第3の導電体は、前記第2の導電体に誘電された電荷と同じ大きさであって逆極性の電荷を有する、
    請求項1に記載の振動発電器。
  3. 前記第2の導電体は、前記固定基板の前記可動基板との対向面に、パターン化して配列されており、
    前記第3の導電体は、前記可動基板の前記固定基板との対向面に、パターン化して配列されている、請求項1に記載の振動発電器。
  4. 前記第2の導電体と、前記第3の導電体とは、互いに同一方向にパターン化されている、請求項3に記載の振動発電器。
  5. 前記固定基板は、導電性材料からなり、前記第2の導電体は、前記固定基板の表面に形成された凸部形状を有する、請求項3に記載の振動発電器。
  6. 前記可動基板は、導電性材料からなり、前記第3の導電体は、前記可動基板の表面に形成された凸部形状を有する、請求項3に記載の振動発電器。
  7. 前記固定基板は、絶縁体を含み、前記第2の導電体は、前記絶縁体の表面に形成された電極である、請求項3に記載の振動発電器。
  8. 前記可動基板は、絶縁体を含み、前記第3の導電体は、前記絶縁体の表面に形成された電極である、請求項3に記載の振動発電器。
  9. 前記基板と前記固定基板との間の空間を封止する封止部材を有し、
    前記空間は、空気または不活性ガスが充填されている、請求項1に記載の振動発電器。
  10. 前記基板と前記固定基板との間の空間を封止する封止部材を有し、
    前記空間は、大気圧よりも減圧されている、請求項1に記載の振動発電器。
  11. 前記基板と前記固定基板との間の空間を充填する絶縁材を備える、請求項1に記載の振動発電器。
  12. 前記可動基板は、前記固定基板の表面と平行な方向に振動可能に支持されている、請求項1に記載の振動発電器。
  13. 前記可動基板は、前記固定基板の表面と垂直な方向に振動可能に支持されている、請求項1に記載の振動発電器。
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