JP5826681B2 - エレクトレット基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電誘導を利用した発電装置で用いるエレクトレット材料の膜の形成方法と帯電方法に関する。
従来型の静電誘導型の発電装置は、対向する一対の電極を備え、一方の電極に回転錘を歯車でつないで外部からの振動で回転錘が回転することで電極を回転させる構造の発電装置がある。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の図1に示されているように、従来技術の発電装置は、対向する電極同士の一方の電極上に帯電層であるエレクトレット材料を有する電極と回転錘からなり、回転錘と電極を接続した構成となっている。
従来技術では、外部から振動が与えられると回転錘が回転し、電極が回転し、対向する2つの電極間に静電誘導を発生させて発電する構造になっている。
またエレクトレット材料に電荷を保持させるための帯電方法に、コロナ放電を利用した帯電方法がある。(例えば、特許文献2参照)。
従来型のエレクトレット材料の帯電方法は、エレクトレット材料に対して高電圧を印加する為のニードル電極を対向して配置し、エレクトレット材料とニードル電極間に−6kVから−12kVの電圧を印加することでニードル電極から負イオンが放出され、エレクトレット材料に電荷を注入する方法となっている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−78214号公報(図1) 特開2011−188725号公報(図2)
特許文献1に記載されている発電装置では、回転電極を保持している機構が中心部の軸部分であるため、搭載している機器を落下させた場合などに衝撃が加わると電極の外周部が変形して、対向する電極と接触してしまう可能性がある。
電極同士が接触してしまうと、帯電層であるエレクトレット材料が損傷して、保持している電荷が消失したり、膜厚が薄くなることで発電できる電力が低下してしまう場合がある。
また、特許文献2に記載されているエレクトレット材料の帯電方法では、コロナ放電を発生させる為に高電圧発生装置やニードル電極などを用いなければならず、エレクトレット材料の薄膜を形成する工程とは別工程が必要になり、製造工程が長くなってしまう。
以上のことから明らかなように特許文献1に記載の発電装置では、衝撃に対して弱く、電極同士の接触でエレクトレット膜が損傷してしまうと発電量が低下してしまう。
また、特許文献2に記載のエレクトレット材料を帯電させる為の電荷の注入方法では、高電圧が必要なコロナ放電を行う装置が必要で、製造工程が大がかりになってしまう。
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、外部から大きな衝撃力が加わってもエレクトレット材料が損傷せず、さらにエレクトレット材料への帯電方法をより簡単に短工程で行うことが可能な製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明のエレクトレット材料の製造方法は下記記載の構成要件を採用する。
表面に凹形状の窪み部を形成した基材の前記窪み部に、
エレクトレット材料を注入する工程と、
前記注入されたエレクトレット材料を硬化させてエレクトレット基板とする工程と、
前記エレクトレット基板を研磨することで平坦化する工程と、を有し、
該平坦化する工程において、前記硬化されたエレクトレット材料の表面を、前記基材の表面より凹んだ状態に研磨することを特徴とする。
上記構成を採用することで、外部からの衝撃にも強く発電量が低下しない構造で、かつ、エレクトレット材料の形成工程中に帯電処理も一括して行うことができ、従来より短工程で製造することができる。
本発明のエレクトレット材料の製造方法を示す工程断面図である。 本発明のエレクトレット材料の製造方法を示す工程断面図である。 本発明で用いるエレクトレット基板の構造を示す断面図である。 本発明の研磨工程を示す断面図である。 本発明で用いる発電装置の構造を示す断面図である。 一般的な材料の帯電列を示す表である。 本発明で用いる発電装置の発電の機構を示す概略図である。 本発明で用いる発電装置の発電の仕組みを示す概略図である
本発明のエレクトレット基板の製造方法について、以下に図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施例として、本発明のエレクトレット基板の製造方法を示す工程断面図である。
まず図1(a)に示すように平坦な基材10の表面の、エレクトレット材料を形成する位置に図1(b)に示すような凹形状の窪み部11を形成する。窪み部11の形成方法は、エッチングや切削加工などの機械加工を用いる。
次に図1(c)に示すようにエレクトレット材料12を窪み部11に配置する。エレクトレット材料12を塗布する方法は、ディスペンス法や印刷法などの方法を用いる。
次に図1(d)でエレクトレット材料12を加熱硬化させ、膜として形成する。加熱方法はヒーター13などで加熱硬化させる。加熱にはホットプレート上で基材10を置いて加熱硬化させてもよい。
上記のような工程で窪み部11の中にエレクトレット材料12の膜を持ったエレクトレット基板14を形成する。
[第2の実施形態]
次に図2を用いて図1で示す工程とは別の第2の実施形態を説明する。図2は本発明のエレクトレット基板の形成方法を示す工程断面図である。
図2(a)に示すように平坦な基材10の表面に図2(b)に示すようにエレクトレット材料を形成する位置を決めるためのダム20を形成する。ダム20はレジストなどの感光性の材料で形成する場合は、フォトリソなどの工程を用いて形成する。その他にもスクリーン印刷法やディスペンサーなどでダム20を塗布する方法なども用いることが出来る。いずれにしても形成したいエレクトレット材料の形状の窪み部11をダム20を使って形成できれば良い。
次に図2(c)に示すようにエレクトレット材料12を窪み部11に配置する。エレクトレット材料12を塗布する方法は、ディスペンス法や印刷法などの方法を用いる。
次に図2(d)でエレクトレット材料12をヒーター13を使って加熱硬化させる。加熱にはホットプレート上で基材10を置いて加熱硬化させてもよい。
上記のような工程で、図1に示す第1の実施例と同じように表面の窪み部11にエレクトレット材料12の膜を持ったエレクトレット基板14を形成する。
また、本発明で用いる基材10は、鉄やステンレス、銅などの導電性の材料を用いる。非導電性の樹脂材料などで構成してもよいが、その場合はエレクトレット材料12を電気的に接続するために電気配線を取り出す必要がある。
図3に基材10を非導電性の樹脂材料で形成した場合の電気配線の構成について説明する。
図3は、基材10が非導電性の樹脂材料である場合のエレクトレット基板14の構造を示す断面図である。
図3に示すように、基材10の材料が非導電性の樹脂材料の場合は、各エレクトレット材料12を配置して部分の基材10の窪み部11に対応した場所に、スルーホール30を設けて、エレクトレット材料12を配置した側と反対側に設けた電気配線31と電気的に接続する。このようにすることでエレクトレット材料12を配置した側に電気配線31が配置されないようにすることができる。
このような構造にすることで、後述する研磨工程においても電気配線31が研磨の邪魔にならず、研磨によって電気配線31が無くならないようにすることができる。
さらに本発明で用いるエレクトレット材料12には、帯電しやすい材料を用い、例えばマイナスに帯電する材料としてはシリコン酸化物(SiO2)や、フッ素樹脂材料などを用いる。具体的には一例としてマイナスに帯電する材料として旭硝子製のフッ素樹脂材料であるCYTOP(登録商標)などがある。
さらにその他にもエレクトレット材料12としては、高分子材料としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルデンジフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などがあり、無機材料としては前述したシリコン酸化物(SiO2)やシリコン窒化物(SiN)なども使用することができる。
本実施例では、エレクトレット材料12にCYTOPを用いた場合について記述する。一般的にCYTOPは、液体状で供給される材料で基板に塗布したのち加熱させて硬化させる。第1の実施例の図1(d)と第2の実施例の図2(d)で行う加熱時の温度は溶剤の揮発温度によるが、一般的に180℃から300℃程度の温度で約1時間程度加熱を行う。
[研磨工程について]
次に図4に図1もしくは図2で示す工程で形成したエレクトレット基板14のエレクトレット材料12を研磨する工程を示す。本実施例では図1で作製したエレクトレット基板14を用いて説明する。
まず図4(a)に示すように本実施例の研磨方法では回転式の研磨冶具40の下面に研磨材41を配置し、研磨冶具40をエレクトレット材料12を形成したエレクトレット基板14に対して押しつけながら回転させ、研磨材41でエレクトレット材料12を研磨する。
図4(a)では回転型の研磨方法を示しているが、水平の往復運動で研磨する方法でも良い。
図4(a)の研磨工程では、研磨材41をエレクトレット材料12に押しつけて研磨し、エレクトレット材料12を基材10の表面から少し凹んだ状態になるまで研磨を行う。
エレクトレット材料12は、基材10が金属材料の場合は、樹脂であるエレクトレット材料の方が柔らかい材料なので研磨材41による研磨によってエレクトレット材料12の方が早く研磨されていくために、エレクトレット材料12を基材10の表面より凹んだ状態に研磨することが可能になる。
また基材10が樹脂材料である場合は、研磨材41の材料を基材10の材料よりも柔らかくエレクトレット材料12よりも硬い材料を選定することで、基材10よりエレクトレット材料12の方が優先的に研磨されるようにする。このような材料構成にすることで研磨後にエレクトレット材料12が基材10の表面より凹んだ状態にすることが可能になる。
基材10が樹脂材料で構成する場合は図3に示すように電気配線31は研磨されるエレクトレット材料12の反対側に配置されているため、研磨の邪魔になったり、研磨によって電気配線31は無くなったりすることはない。
図4(b)に研磨後のエレクトレット材料12の膜の様子を示す断面図を示す。
図3に示した方法で研磨することで図4(b)に示すように研磨後は、エレクトレット材料12は平坦ではなく、基材10の表面より若干凹んだ形状に研磨されるようにする。
このような形状にすることで、発電機器が落下などで衝撃を受けた場合にエレクトレット材料12を保護する効果を持たせることが出来る。
次に図5に、本発明の方法で形成したエレクトレット基板14が落下などの衝撃に対して、どのようなエレクトレット材料を保護する効果があるかを説明する。
図5は、本発明の方法で作製したエレクトレット基板14を用いた静電誘導型の発電装
置の断面を示している。
まず図5(a)には通常の状態の時のエレクトレット基板14と対向基板50の位置関係を示している。対向基板50には、エレクトレット材料12と対向する位置に対向電極51が配置される。またエレクトレット基板14と対向基板50は、一定の間隔を開けて配置され、対向基板50を矢印で示すように軸52を中心とした回転運動をさせることで発電を行う構造になっている。
本実施例では回転型の振動発電について記載するが水平振動型の振動でも同様である。
次に図5(b)には、落下などによる衝撃を受けた時に生じる対向基板50の変形の様子を示している。
図5(b)に示すように衝撃を受けた時には対向基板50の中央部は軸52で固定されているが端部は固定されていないので変形してしまう。図5(b)には対向基板50の端部がエレクトレット基板14へ向かって変形した場合について示す。
図5(b)に示すように、対向基板50の端部が変形してエレクトレット基板14と接触した場合には、エレクトレット材料12は、図4で示した研磨工程によりエレクトレット基板14の表面から引っ込んでいるために、対向基板50に形成されている対向電極51はエレクトレット材料12とは接触できない状態になる。
エレクトレット材料12が対向電極51と接触してしまうと、ショートしてしまうために帯電していた電荷が放出されてしまう。そのため帯電量の低下が起こってしまう。
また対向電極51とエレクトレット材料12の接触によりエレクトレット材料12にキズなどが入ってしまうとエレクトレット材料12そのものが損傷して減ってしまい。この場合も帯電量が下がってしまう。
いずれにしても対向電極51とエレクトレット材料12が接触してしまうと帯電量が減ってしまうため、静電誘導される電荷が減ってしまい発電量の低下が起こる。
本発明の構造では、図5(b)に示すようにエレクトレット基板14の表面からエレクトレット材料12が引っ込んでいるために、対向基板50が変形してもエレクトレット材料12と対向電極51は接触できない構造になっている。
そのため、落下などの衝撃を受けても発電量の低下などが起きず、発電性能を維持することが出来る。
したがって、エレクトレット材料12が損傷することはなく、対向電極51との接触によるショートによって保持している電荷が放電されたり、エレクトレット材料12が損傷して膜が壊れ電荷が保持できなくなることを防ぐ効果がある。
このような構造にすることで、本発明のエレクトレット基板を搭載した発電装置が落下した場合などに強い衝撃を受けても発電量が低下するがなく、耐久性の高い発電装置とすることが出来る。
本実施例では、対向基板50が変形した場合の効果について説明したが、エレクトレット基板14が変形した場合や両方の基板が変形した場合でも同じ効果が得られる。
[研磨によるエレクトレット材料12の帯電]
また、本発明では、エレクトレット材料12の研磨により上述した衝撃に対してエレクトレット材料12の保護構造になる効果を持たせているが、さらに図4で示す研磨工程においてエレクトレット材料12に電荷を注入し帯電させる効果も持たせることが可能になる。この方法について以下に図6を用いて説明する。
図6に一般的な材料の帯電列を表している帯電列表を示す。帯電列表では中央付近に位置する材料は帯電しにくい材料で、両端近い材料ほど帯電しやすい材料となる。図6では右側端部に近い材料ほどプラスに帯電しやすい材料で、左側端部に近い材料ほどマイナスに帯電しやすい材料を示している。
たとえば、図6の表に記載している材料で説明すると、最もプラスに帯電しやすい毛皮と最もマイナスに帯電しやすいテフロン(登録商標)をこすり合わせると、最も高い電圧で帯電させることができる。
逆に麻や木材などの中央部に記載する材料同士をこすり合わせると、ほとんど帯電しない。
従って図4に示すエレクトレット材料12の研磨工程で用いる研磨材41をエレクトレット材料12の帯電特性とは逆になる材料を用いるようにすれば、研磨と同時にエレクトレット材料12を帯電させることができる。
本実施例で用いているエレクトレット材料12であるCYTOPはマイナスに帯電する材料であるため、研磨材41の材料としては、プラスに帯電しやすい材料を用いるようにする。図6の帯電列表からレーヨン、絹、ナイロン、羊毛、雲母、ガラス、毛皮などの材料を用いると良い。
またエレクトレット材料12を形成する基材10の材料が導電性の金属材料を用いた場合は、本発明の研磨工程では基材10は研磨材41により摩擦による帯電は起きないため、エレクトレット材料12のみ帯電させることが可能になる。
さらにエレクトレット材料12を形成する基材10の材料が非導電性の樹脂材料である場合は、研磨時の研磨材41との摩擦により基材10が帯電を起こす可能性がある。
この場合は、導電性の金属材料で形成したメタルマスク等を用いてエレクトレット材料12のみを研磨材41と接触するようにして研磨を行えば、基材10を帯電させずにエレクトレット材料12だけを研磨して帯電させることができる。
基材10が樹脂材料であっても研磨材41と帯電特性が同じ材料である場合は、研磨による摩擦が起きても帯電が起きないため、メタルマスクなどを用いなくても基材10が金属材料である場合と同じに研磨することが可能になる。
このような研磨方法にすることで研磨工程と帯電工程を同時に行うことが可能になる。2つの工程を同時に行うことが可能になるため、生産工程の短縮化や低コスト化に効果がある。
従来の方法ではエレクトレット材料12に帯電させる方法として、コロナ放電を用いてエレクトレット膜マイナスの電荷を保持させる方法がある。
コロナ放電の方法としては、エレクトレット材料に対して数mm離した距離に固定した
コロナ放電用ニードルに、−6kVから−12kV程度の電圧を印加してエレクトレット材料に対してマイナスの電荷を打ち込むことで帯電させる。
本発明では、このようなコロナ放電法を使わずにエレクトレット材料を帯電させることができるため、工程の短縮化を図ることができる。
さらに、上述したように研磨材41にエレクトレット材料12と帯電特性が逆になるような材料を用いる構成にすることで、エレクトレット材料12の研磨と同時に帯電処理も行うことが出来る。
さらに研磨後のエレクトレット材料12の形状がエレクトレット基板14の表面から凹んでいるために衝撃時の対向電極51との接触も回避でき、エレクトレット材料12の保護も可能になる。
[発電機の概要]
次に図7と図8を用いて本発明の発電装置の概要について説明する。
まず図7には本発明のエレクトレット基板を搭載した静電誘導発電の概略の構成を示す。
図7に示すように、本発明では対向基板50側からのみ出力を取り出す構成になっている。このような構成にすることで対向するエレクトレット基板14には出力の配線をする必要がなく、エレクトレット基板14は振動運動を行うだけでよいので、より構造を簡単にすることができる。
図7に示す実施例では、エレクトレット基板14側が振動運動をする場合について説明するが、逆に対向基板50を振動運動させて、エレクトレット基板14側から配線70を取り出してもよい。さらにエレクトレット基板14と対向基板50の両方から配線を引き出してもよい。
いずれにしてもどちらか一方の基板からのみ配線を取り出した方が配線構造をより簡単にすることができる。
図7に示すように、対向基板50の対向電極51から取り出した配線70は、ダイオード71を使った整流回路72に接続され、さらにコンデンサまたは2次電池等を用いた蓄電部材73に接続されている。
対向電極51から出力される電圧は、エレクトレット基板14が振動することにより静電誘導が交互に発生するため、交流の波形が出力される。具体的にはエレクトレット基板14に形成するエレクトレット材料12と対向する位置になる対向電極51と、エレクトレット材料12と対向しない位置にいる対向電極51は逆の極性となる。これをエレクトレット基板14が振動することでこの現象が交互に発生するため、出力波形は交流になる。
発電部分から出力された交流波形は、整流回路72により直流に変換され蓄電部材73に充電されることになる。さらに後段に接続されている電子機器回路74を駆動させるに十分な電気が充電されれば後段の電子機器回路74を駆動させることができる。
次に図8を用いて本発明で用いる発電装置の静電誘導による発電原理について説明する。
まず図8(a)に示すエレクトレット基板14と対向基板50の状態では、エレクトレット基板14のエレクトレット材料12と対向している対向基板50の対向電極51の表面にエレクトレット材料12が帯電している電荷と反対の電荷が誘導される。本実施例の場合はエレクトレット材料12はマイナスに帯電しているので、対向電極51の表面にはプラス電荷80が誘導されることになる。エレクトレット材料12が対向していない対向電極51には誘導現象が発生しない状態になる。
次に図8(b)にエレクトレット基板14が振動して電極1つ分移動した位置に来たときの様子を示す
この場合は、図8(a)でプラス電荷80が誘導された対向電極51は、図8(b)の位置では、対向するエレクトレット材料12が対向していないため、図8(a)で誘導されたプラス電荷80は解放され、配線70を通って後段の整流回路72へ流れるとことになる。さらに図8(b)で新たにエレクトレット基板14のエレクトレット材料12と対向した対向電極51上には新たにプラス電荷80が誘導される。
このようにエレクトレット基板14が振動することによって、対向基板50上の対向電極51の表面に交互に電荷の誘導と解放が発生し、後段の整流回路72へ電気が流れることになる。
このようにエレクトレット基板14を振動させることで、静電誘導現象を発生させ発電を行うことができる。
以上の説明からも明らかなように、本発明のエレクトレット材料の形成方法を用いることで、エレクトレット材料を凹形状に研磨することで、発電機に衝撃が加わった場合に電極同士が接触するような事態になった場合でも、エレクトレット材料には電極が直接接触出来ないため、エレクトレット材料の損傷を回避することができ帯電状態を保護することができる。
さらに、研磨材にエレクトレット材料と逆の極性の帯電特性がある材料を用いるため、研磨と同時にエレクトレット材料を帯電させることができ、製造工程を短縮することが出来る。
したがって短工程でエレクトレット材料への衝撃に対する保護構造の形成と帯電処理を行うことができる。このような方法を用いることで、製造が簡単で耐衝撃性の高い静電誘導発電機を製造することができる。
10 基材
11 窪み部
12 エレクトレット材料
13 ヒーター
14 エレクトレット基板
20 ダム
30 スルーホール
31 電気配線
40 研磨冶具
41 研磨材
50 対向基板
51 対向電極
52 軸
70 配線
71 ダイオード
72 整流回路
73 蓄電部材
74 電子機器回路
80 プラス電荷

Claims (4)

  1. 表面に凹形状の窪み部(11)を形成した基材(10)の前記窪み部(11)に、
    エレクトレット材料(12)を注入する工程と、
    前記注入されたエレクトレット材料(12)を硬化させてエレクトレット基板(14)とする工程と、
    前記エレクトレット基板(14)を研磨することで平坦化する工程と、を有し、
    該平坦化する工程において、
    前記硬化されたエレクトレット材料(12)の表面を、前記基材(10)の表面より凹んだ状態に研磨するエレクトレット基板(14)の製造方法。
  2. 前記エレクトレット基板(14)を研磨するための研磨材(31)の材料が、
    前記基材(10)の材料よりも柔らかく、前記硬化されたエレクトレット材料(12)よりも硬い材料である
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレクトレット基板(14)の製造方法。
  3. 前記エレクトレット基板(14)を研磨することで平坦化する工程において、
    前記エレクトレット材料(12)を帯電させる
    ことを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1つに記載のエレクトレット基板(14)
    の製造方法。
  4. 前記エレクトレット基板(14)を研磨するための研磨材(31)として、
    前記エレクトレット材料(12)の帯電特性と逆極性の帯電特性を有する研磨材(31)を使用することを特徴とする請求項3に記載のエレクトレット基板(14)の製造方法。
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