JP2016046834A - 静電電動機 - Google Patents

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升澤 正弘
Masahiro Masuzawa
正弘 升澤
崇尋 今井
Takahiro Imai
崇尋 今井
長尾 和也
Kazuya Nagao
和也 長尾
大樹 山下
Daiki Yamashita
大樹 山下
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Abstract

【課題】静電電動機の固定子と可動子との間のギャップ(距離)が、一定に保たれることを容易にする固定子及び可動子の構成を提供する。【解決手段】静電モータ10では、可動子13の回転時の面ぶれに追従するように固定子12が弾性変形し、固定子12と可動子13との間のギャップdを一定に保つようにしている。回転していないときは、固定子12の第1電極15に所定の電圧パターンを印加していないので、固定子12と可動子13との間に静電気による引力・斥力は発生しない。回転しているときは、固定子12の第1電極15に所定の電圧パターンを印加するので、固定子12と可動子13との間に静電気による引力・斥力が発生する。所定の回転範囲で固定子12に働く力と、固定子12の基材17が有する弾性とのバランスで、固定子12と可動子13との間のギャップdが一定に保持される。【選択図】図4

Description

本発明は、静電電動機に関する。
磁石を使用しない静電電動機として静電モータが知られている。静電モータは軽い、薄い、構成が簡単といった利点があるが、磁石を使った電磁モータに比べトルクが小さく、高電圧を必要とするため未だに実用化に至っていない。
トルクを大きくするため、半導体プロセス技術を使ってフィルムに複数の電極を形成し、このフィルムを積層して大トルクを取り出す方法や、エレクトレットと呼ばれる永久帯電した物質を使って駆動電圧を下げる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このように、静電モータはもともとトルクが小さいため、固定子と可動子との間の距離(以下、「ギャップ」ともいう)が回転に与える影響が大きく、固定子と可動子との接触により滑らかな回転が得られないという問題がある。そこで、この問題を解消するために、ギャップ保持機構及び移動方向保持機構を設けることにより、トルク低下を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に代表される技術では、構造的に複雑である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、静電電動機の固定子と可動子との間の距離であるギャップが、一定に保たれることを容易にする固定子及び可動子の構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、弾性変形可能な基材上に設けられ、該基材の中心から放射する方向で且つ所定の間隔を設けて配置された、金属からなる複数の帯状の第1の電極を有する固定子と、前記固定子に対して絶縁され、且つ該固定子に対向して設けられるとともに中心から放射する方向に配置された、金属又はエレクトレット材料からなる複数の帯状の第2の電極を有する可動子と、を備え、前記固定子の第1の電極に所定の電圧パターンを加えて、前記固定子と前記可動子との間に作用する静電気のクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機であって、前記可動子が回転しているときに前記固定子が変形し、前記固定子と前記可動子との間の距離が一定に保たれるように構成した。
本発明によれば、上記構成により、可動子の回転に追従して固定子が弾性変形するので、静電電動機の固定子と可動子との間の距離を一定に保つことができる。
本発明を適用する参考例に係る静電モータの主要構成を示す斜視図である。 (a)は参考例に係る静電モータの固定子の構成を示す平面図、(b)は(a)を展開した要部の断面図である。 (a)は参考例に係る静電モータの可動子の構成を示す平面視図、(b)は(a)を展開した要部の断面図である。 実施形態1に係る静電モータの要部構成を模式的に示す図であって、静電モータの片側半分の断面図である。 (a)は比較例1に係る静電モータの片側半分を模式的に示す断面図である。(b)は実施形態2に係る静電モータの片側半分を模式的に示す断面図である。(c)は比較例2に係る静電モータの片側半分を模式的に示す断面図である。 変形例1に係る静電モータの可動子の片側半分を模式的に示す断面図である。 図6を裏面から見た場合の模式的な底面図である。 変形例2に係る静電モータの片側半分を模式的に示す断面図である。 電荷の注入に用いるコロナ荷電装置の概略構成図である。 (a)は電圧切替えによって固定子に対する可動子の回転移動位置関係を模式的に示す図、(b)は固定子へ印加する電圧の切替えパターンを示す図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(参考例)
本発明の実施形態を説明する前に、図1〜図3を用いて、本発明を適用する好適な一参考例を説明する。図1は、本発明を適用する参考例に係る静電モータの主要構成を示す斜視図である。
図1に示すように、参考例に係る静電電動機は、アキシャルギャップ型の静電モータ1である。静電モータ1は、薄い平板上に帯状電極としてのパターン電極5が形成されたステータとも呼ばれる固定子2と、帯状電極としてのパターン電極6が形成されたロータとも呼ばれる可動子3と、駆動軸としての回転軸4と、を備えている。
固定子2と可動子3とは互いに対向して配置されていて、固定子2と可動子3との間の微小な距離であるギャップを一定に保ちながら複数枚積層されて構成されている。回転軸4は、金属製であり、可動子3だけに連結されていて、可動子3が回転移動することで一体回転するように構成されている。固定子2と可動子3との間に微小なギャップを設ける方法としては、例えば特開2005−278324号公報記載の技術のように数十μmのビーズを固定子2と可動子3の間に入れることで達成することができる。あるいは、特開2005−210852号公報記載の技術のように可動子3の側面にスペーサを挟む周知技術を用いて達成してもよい。
固定子2に形成された複数のパターン電極5には、3相の配線が3つのパターン電極5を1組としてそれぞれ接続されている。この3相の配線は、U、V、Wと記載されている。可動子3に形成された複数のパターン電極6には、単相の配線7がされている。可動子3への給電は、スリップリング8と呼ばれる内面に給電ブラシがついたものを回転軸4に装着し、このスリップリング8に配線7を接続することで、回転軸4経由で行われる。図1に示す参考例では、固定子2のパターン電極5にU、V、Wの3相の配線を接続して極数を3相として構成しているが、固定子2側の相数は3相に限定されるものでなく、2相の配線をして駆動するようにしてもよい。
図2を用いて、固定子2の構成についてより詳細に説明する。図2(a)は参考例に係る静電モータの固定子の構成を示す平面図、図2(b)は図2(a)を展開した要部の断面図である。
固定子2には、図2(a)、図2(b)に示すように、複数のパターン電極5が中心に貫通孔2Cを有する円環状の基板2A上に形成されている。基板2Aは、例えばガラス、セラミックス、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド等の絶縁体で構成されている。基板2A上に形成された複数のパターン電極5は、複数の金属電極をパターン化して形成したもので、それぞれの個別電極に対応して3相配線がされている。図2の例では、U、V、Wの1組の配線のみを例示している。本参考例において、U配線が成されてU電極となる個別電極には符号5Aを付し、V配線が成されてV電極となる個別電極には符号5Bを付し、W配線が成されてW電極となる個別電極には符号5Cを付して区別している。基板2Aの貫通孔2Cには、回転軸4が絶縁部材(図示せず)を介してあるいは非接触状態で挿入される。パターン電極5の電極形状は、図2(a)に示すように、貫通孔2Cの中心から放射する方向(半径方向若しくは遠心方向でもある)に延びた放射状のパターンとして形成されている。また、パターン電極5の各個別電極5A、5B、5Cは、エッジからの絶縁破壊を防ぐために、曲率化処理を行うこともある。
図3を用いて、可動子3の構成についてより詳細に説明する。図3(a)は参考例に係る静電モータの可動子の構成を示す平面図、図3(b)は図3(a)を展開した要部の断面図である。
可動子3には、図3(a)、図3(b)に示すように、複数のパターン電極6が中心に貫通孔3Cを有する円環状の基板3A上に形成されている。基板3Aも、基板2Aと同様に、ガラス、セラミックス、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド等の絶縁体で構成されている。パターン電極6は、貫通孔3Cの中心から放射する方向(半径方向)に延びた金属により構成された複数の個別電極6Aで構成されている。各個別電極6Aには、単相の配線が接続されている。本参考例では、基板3Aの貫通孔3Cに金属製の回転軸4が挿入されることにより、回転軸4と金属製の個別電極6Aとが接触するとともに、回転軸4と基板3Aとが固定されて一体化される。
このような構成において、可動子3の個別電極6Aを−極とし、固定子2の各個別電極5A、5B、5Cに3相交流電流を流すとともに、個別電極5A、5B、5Cの極を、順次切り替えることにより、固定子2と可動子3との間に静電気のクーロン力が作用する。このクーロン力によって、可動子3の個別電極6Aの−極に対して+極となる固定子2側の個別電極との間には引力が発生し、−極となる固定子2側の個別電極との間には斥力が発生する。このため、個別電極5A、5B、5Cの極の切替え方向、即ち、各相で発生する電界の合成磁界が順次方向を変えて移動する方向に可動子3を移動することができる。また、本参考例のように、可動子3のパターン電極6の各個別電極6Aが単極であることで、可動子3への給電手段が簡素化でき、駆動ドライバの部品も少なくて済むことから、小型化を図り易くなる。また、可動子3に給電しない場合よりも、パターン電極5、6間の静電気によるクーロン力を多く得ることができ、十分な駆動力を得ることができる。個別電極5A、5B、5Cに対する電圧切替え制御については、後述の実施形態及び実施例でまとめて説明する。
尚、参考例において、金属製の複数の個別電極6Aを有する可動子3に代えて、帯状パターン膜に電荷を注入したエレクトレットを用いてパターン電極を形成した可動子(図示せず)であってもよい。この場合、図1を借りて説明すると、回転軸4は参考例同様、上記図示しない可動子だけに連結されていて、この可動子が回転移動することで一体回転するように構成されている。上記図示しない可動子は、図3を借りて説明すると、中心に貫通孔3Cを有する円環状の基板(図示せず)上にエレクトレットからなる複数のパターン電極(図3(a)に示したと同様のパターン形状)が形成されている。上記図示しない基板は、ガラスなどの絶縁性の材料からなる基板と、この基板の表面に形成された金属層からなり、この金属層上に、エレクトレットからなる複数のパターン電極が形成されている。
ここでエレクトレットとは、フッ素樹脂などの絶縁体に電場を加えて電気分極(正と負の電気に分かれた状態)を起させ、その状態が半永久的に保持されているものをいう。本例の場合、上記絶縁性の基板上に上記金属層を形成し、金属層をアースと接地しているので、電場を加えた際の電気分極の状態が安定し、パターン電極をエレクトレットとして安定した状態で形成することができる。
従来、アキシャルギャップ型の静電モータにおいて、固定子及び可動子を変形しない材料で基材を構成し、ギャップを制御するために固定子及び可動子の平面度が良い基材を用いることが一般的である。また、モータとして組み付けるときの精度も要求される。最終的には、可動子の回転するときの面ぶれを防止し、固定子と可動子との間のギャップ(距離)を一定にするような固定子・可動子の構成にすることが理想である。しかしながら、このような構成を低コスト・簡便な構成で達成することは難しい。基本的には、可動子の回転時の面ぶれをゼロにすることは不可能であり、固定子と可動子との間の距離であるギャップはある程度変動する。
(実施形態1)
図4を用いて、実施形態1を説明する(請求項1)。図4は、実施形態1に係る静電モータ10の要部構成を模式的に示す図であって、静電モータ10の片側半分の断面図である。
本実施形態1では、図4に示すアキシャルギャップ型の静電モータ10を用いて説明する。静電モータ10は、参考例の静電モータ1と比較して、固定子2に代えた固定子12を用いる点が実質的に相違する。静電モータ10は、参考例の静電モータ1に対して、符号を変えているが、可動子13は可動子3と、回転軸14は回転軸4と、それぞれ実質的に同様の構成である。また、図1の静電モータ1では固定子2及び可動子3が複層構成であったが、本実施形態1に係る静電モータ10では、図及び説明の簡明化を図るため、固定子12及び可動子13を単層の場合で説明する。尚、実施形態1は、図4の構成に限らず、固定子12と可動子13との間の微小なギャップdを一定に保ちながら複数枚積層されて構成されていてもよいことは無論である。
静電モータ10は、図4に示すように、薄い平板上に帯状電極・第1の電極としての第1電極15が形成された固定子12と、固定子12に対して絶縁され、帯状電極・第2の電極としての第2電極16が形成された可動子13と、回転軸14と、を備えている。
固定子12に形成された第1電極15は、弾性変形可能な基材17上に設けられ、該基材17の中心から放射する方向で且つ所定の間隔を設けて配置された、金属からなる複数の帯状の電極である。第1電極15は、絶縁体であるポリイミドフィルム等の保護フィルムからなる保護層19で覆われ、可動子13に形成された第2電極16と対向して配置されている。第1電極15は、図2(a)、図2(b)に示した参考例の固定子2に形成された複数のパターン電極5(3相配線が施された個別電極5A、5B、5Cを有する)と同様の電極構成であり、これを図4において単純化し且つ誇張して示している。固定子12は、参考例の固定子2と比較して、上述した以外の構成、例えば複数のパターン電極5からなる第1電極15への給電方法等は、参考例の固定子2と同様である。
可動子13に形成された第2電極16は、固定子12の第1電極15に対向して設けられるとともに、基材18の下面に設けられ、該基材18の中心から放射する方向に配置された、金属又はエレクトレット材料からなる複数の帯状の電極である。第2電極16は、図3(a)、図3(b)に示した参考例の可動子2に形成された複数のパターン電極6と同様の電極構成であり、これを図4において単純化し且つ誇張して示している。可動子13は、参考例の可動子3と比較して、上述した以外の構成、例えば複数のパターン電極6からなる第2電極16への給電方法等は、参考例の可動子3と同様である。尚、可動子13の第2電極16がエレクトレットから構成されている場合には、図1に示したような給電は特には必要ない。
図4に示すように、実施形態1の静電モータ10では、固定子12と可動子13との間のギャップdがある程度変動することを前提としている。即ち、図中上下の太矢印で示すように、可動子13の回転時の面ぶれに追従するように固定子12が弾性変形し、固定子12と可動子13との間のギャップdを一定に保つようにしている。回転していないときは、固定子12の第1電極15に所定の電圧パターンを印加していないので、固定子12と可動子13との間に静電気による引力・斥力は発生しない。回転しているときは、固定子12の第1電極15に所定の電圧パターンを印加するので、固定子12と可動子13との間に静電気による引力・斥力が発生する。
このとき、固定子12の第1電極15と可動子13の第2電極16とが異なる符号の電圧の場合、これら2つの電極間に、静電気のクーロン力による引力が作用する。固定子12の第1電極15と可動子13の第2電極16とが同じ符号の電圧の場合、第1電極15と接地間に電界を形成しやすく、また第2電極16と接地間に電界を形成しやすい。そのため、第1電極15と第2電極16との間に電界を形成しにくく、引力ほど斥力は発生しない。更に、可動子13を回転させると固定子12と可動子13との間が負圧となるので、固定子12が可動子13に近づく方向に力が発生する。以上のように、回転時には静電引力及び負圧による力により、固定子12には可動子13に近づく方向に力が発生する。固定子12と可動子13との間の距離であるギャップdは、回転時に所定の距離となるように、静止時の距離はわずかに大きめに設定される。また、所定の回転範囲で固定子12に働く力と、固定子12の基材17が有する弾性とのバランスで、固定子12と可動子13との間のギャップdが一定に保持される。
以上説明したとおり、実施形態1によれば、固定子の基材に弾性変形可能な部材を用い、可動子の回転に追従して固定子が弾性変形するので、固定子と可動子との間の距離・ギャップを一定に保つことができる。
(実施形態2)
図5を用いて、本発明の実施形態2を説明する(請求項2)。図5(a)は、比較例1に係る静電モータ10X1の片側半分を模式的に示す断面図であって、静電モータ10X1を構成する固定子12X1のヤング率が規定値に対して小さいときを示す断面図である。図5(b)は、実施形態2に係る静電モータ10の片側半分を模式的に示す断面図であって、静電モータ10を構成する固定子12のヤング率が規定値内にある適正なときを示す断面図である。図5(c)は、比較例2に係る静電モータ10X2の片側半分を模式的に示す断面図であって、静電モータ10X2を構成する固定子12X2のヤング率が規定値に対して大きいときを示す断面図である。
静電モータ10X1、10X2は、図1に示した参考例の静電モータ1と同様のアキシャルギャップ型の静電モータである。静電モータ10X1、10X2においても、図の簡明化及び説明の統一化を図るため、固定子12X1、12X2及び可動子13を単層の場合で説明する。
本実施形態2では、図4に示した実施形態1に係る静電モータ10の固定子12と可動子13との間のギャップdを一定に保つため、固定子12の形成に用いる基材17の弾性を規定するヤング率及び基材17の厚みの範囲を決めている。表1に、固定子12と可動子13との間のギャップ[μm]に放電限界の電圧[V]を印加したときの、固定子12と可動子13との間に働く引力[N]、及び固定子12と可動子13との各たわみ量[μm]を示す。
ただし、可動子13の基材18のヤング率を50GPa、基材18の厚みを0.5mm、固定子12の基材17のヤング率を10GPa、基材17の厚みを0.5mm以下とした。また、可動子13の帯状の第2電極16の内径がφ40mm、外径がφ120mm、本数が450本等間隔に配列したときの値である。
Figure 2016046834
表1における放電限界、引力、可動子・固定子のたわみ量については、以下の(1)式〜(3)式を用いて計算で求めた。
放電限界 Vb=312+6.2×d (パッシェン則)・・・(1)式
(d:ギャップ・距離:単位μm、ただし8μm<d<100μm)
引力 F=0.5×ε0×S×(Vb/d)・・・(2)式
(ε0:真空中の比誘電率、S:電極面積)
たわみ量 δ=3×(m−1)×(5m+1)×F×r/(16×E×m×t3
・・・(3)式
(E:ヤング率、1/m:ポアソン比、r:半径、t:厚み)
表1より、固定子12と可動子13との間のギャップdが40〜100μmの範囲において、固定子12の基材17と可動子13の基材18とのヤング率及び厚みを上記に設定しておくと、固定子12と可動子13とは接触しないことが分かった。即ち、可動子13の基材18のヤング率は50GPa以上、厚みは0.5mm以上なので、表1のたわみ量は可動子13の最大のたわみ量である。固定子12の基材17のヤング率は10GPa以下、厚みは0.5mm以下なので、表1のたわみ量は固定子の最小のたわみ量である。
実際の、固定子の基材と可動子の基材とのヤング率及び厚みは、静電モータの仕様により決定される。図5(a)の比較例1のように、固定子12の基材17のヤング率が小さい場合、可動子13が回転するときの基材18の面ぶれによらず、固定子12が可動子13に接触し続ける。
図5(c)の比較例2のように、固定子12の基材17のヤング率が大きい場合、可動子13が回転するときの基材18の面ぶれによらず、固定子12の基材17の変形はおこらず、固定子12と可動13との間のギャップは可動子13の面ぶれにより変動し続ける。
一方、図5(b)の本実施形態2のように、固定子12の基材17のヤング率が適正な場合、可動子13が回転するときの基材18の面ぶれに追従して、固定子12の基材17の変形がおこり、固定子12と可動子13との間のギャップdを一定に保ち続ける。
実際の静電モータは、可動子の第2電極の径がφ120mmよりも小さく、試算されるたわみ量も表1より小さくなる。従って、本実施形態2で規定した固定子及び可動子の各基材のヤング率・厚みの範囲内であれば、固定子と可動子とが接触しないヤング率・厚みを設定することが可能である。
以上説明したとおり、本実施形態2によれば、固定子と可動子との間の距離の範囲、固定子及び可動子の各基材のヤング率及び厚みの範囲を規定することにより、実施形態1の効果を確実に奏することができる。
(変形例1)
図6、図7を用いて、実施形態2の変形例1を説明する(請求項3)。図6は変形例1に係る静電モータ10Aの可動子の片側半分を模式的に示す断面図、図7は図6を裏面から見た場合の模式的な底面図である。
実施形態2の静電モータ10は、固定子12と可動子13との間のギャップdを40〜100μmの範囲で一定に保ち、可動子13を回転させる構造である。固定子12と可動子13との間のギャップdが40〜100μmと狭いので、可動子13を回転させると固定子12と可動子13との間の空間が負圧となり、固定子12と可動子13とが近づく方向にそれぞれ変形する。静電気による引力だけでなく、負圧により変形するので、固定子12と可動子13とが接触しやすくなってしまう。
そこで、変形例1では、実施形態2の静電モータ10に代えて、図6、図7に示す静電モータ10Aを用いて、固定子12と可動子13Aとが近づく方向にそれぞれ変形するのを防止する。変形例1の静電モータ10Aは、実施形態2の静電モータ10と比較して、可動子13に代えて、可動子13Aを用いている点のみ相違する。この相違点以外の変形例1の静電モータ10Aは、実施形態2の静電モータ10と同様である。
図6、図7に示すように、静電モータ10Aは、固定子12と可動子13Aとの間の圧力を制御するために、可動子13Aの内周部に空気吸入構造としての空気入流部分20と、可動子13の外周部に空気排出構造としての空気排出部分21とをそれぞれ設けている。空気入流部分20及び空気排出部分21は、フィン状の形状をなし、固定子12側に突出する高さは問わず、例えば図示するように、第2電極16が固定子12側に突出する高さよりも低くても十分である。あるいは、可動子13Aの内周部に空気を吸入する空気吸入孔及び可動子の外周部に空気を排出する空気排出孔部分だけを備えるような、高さを有さない構造であってもよい。これにより、固定子12と可動子13Aとの間が回転時に負圧になるのを防ぎ、固定子12と可動子13Aとの間の圧力を適正な圧力になるようにしている。
以上説明したとおり、変形例1によれば、可動子に空気吸入構造、空気排出構造を設けることで、実施形態2の範囲で調整できない場合においても、実施形態1の効果を確実に奏することができる。
(変形例2)
図8を用いて、実施形態2の変形例2を説明する(請求項4)。図8は変形例2に係る静電モータ10Bの片側半分を模式的に示す断面図である。
変形例1の効果を得るためには、可動子13Aの空気入流部分20及び空気排出部分21が、フィン状の形状をなし、固定子12側に突出する高さは問わず、例えば第2電極16が固定子12側に突出する高さよりも低くても十分であった。あるいは、可動子13Aの内周部に空気吸入孔及び可動子の外周部に空気排出孔のような高さを有さない構造であってもよいものであった。
しかしながら、実際の静電モータにおいて、静電気による引力及び負圧の影響により固定子と可動子とが近づく方向に変形するだけでなく、外部からの振動により固定子と可動子とが接触する可能性がある。
そこで、変形例2では、変形例1の静電モータ10Aに代えて、図8に示す静電モータ10Bを用いて、固定子と可動子とが接触することを防止する。ここで、「固定子と可動子とが接触する」とは、固定子の第1電極及び可動子の第2電極の何れか一方が固定子の第1電極及び可動子の第2電極の何れか他方と接触することを含むことを意味する。変形例2の静電モータ10Bは、変形例1の静電モータ10Aと比較して、可動子13Aに代えて、可動子13Bを用いている点のみ相違する。この相違点以外の変形例2の静電モータ10Bは、変形例1の静電モータ10Aと同様である。
図8に示すように、可動子13Bの第2電極16は、対向する固定子12の第1電極15に向けて可動子13Bから突出するように設けられていて、固定子12と対向する方向の可動子13Bの第2電極16の高さhaで形成されている。可動子13Bは、可動子13Aと比較して、空気入流部分20及び空気排出部分21の各フィン状の形状における固定子12と対向する方向の高さhbが、可動子13Bの第2電極16の高さhaよりも高く・大きく形成されている点が相違する。これにより、上記の予測できない振動においても、空気入流部分20及び空気排出部分21の各フィン状の形状の高さhbを、可動子13Bの第2電極16の高さhaよりも大きく形成することにより、固定子と可動子とが接触することを防止することができる。
なお、変形例2では、空気入流部分20及び空気排出部分21の各下端が固定子12の保護層19と接触することにより、固定子12と可動子13Bとの間のギャップが一定に保たれるようにしている。このため、空気入流部分20及び空気排出部分21の各下端と保護層19との接触部分の摩擦係数を低減する形状・材質に工夫することは無論である。
以上説明したとおり、変形例2によれば、可動子の空気吸入構造、空気排出構造における各フィン状の形状の高さを、可動子の第2電極の高さよりも大きく形成することにより、固定子と可動子の第2電極とが接触することを未然に防止することができる。従って、実施形態2及び変形例1の範囲で調整できない場合においても、実施形態1の効果を確実に奏することができる。
(実施例1)
実施形態1及び2に対応した固定子及び可動子の作製に関する実施例1について説明する。
固定子の第1電極を、基材として厚みが25μmのポリイミドフィルム上に形成した。使用したポリイミドのヤング率は、5GPa程度である。このとき、第1電極は、幅が0.266°、電極間のスペースの幅が0.266°、第1電極内側の半径が22mm、第1電極外側の半径が56mm、電極総数675本となる放射状の電極とした。また、固定子の第1電極は、3相電極とし、3相電圧を印加できる構成とした。第1電極上に厚みが12.5μmのポリイミドフィルムからなる保護フィルムを貼り付けている(図4等の保護層19参照)。また、3相電圧を給電するための配線を基材のポリイミドフィルムの裏面に形成している。そのため、裏面の配線上に厚みが0.5mmのポリイミドフィルムからなる保護フィルムを貼り付けている。固定子のポリイミドフィルムの全厚みは約0.5mmとなる。
可動子の第2電極を、直径125mm、厚みが1.1mmのテンパックスフロート(登録商標名)のガラス基板(基材)上に形成した。使用したガラスのヤング率は、63GPa程度である。このとき、第2電極は、幅が0.4°、電極間のスペースの幅が0.4°、電極内側の半径が22mm、電極外側の半径が56mm、電極総数450本となる放射状の電極とした。第2電極は、エレクトレット材料である旭硝子製サイトップ「Cytop」(登録商標名)を使用した。
可動子の作製方法について具体的に説明する。上記基材としてのガラス基板上に、アルミニウム(以下、「Al」と記載する)などの金属膜を蒸着などの方法により、0.1〜1μm程度の厚みで形成する。上記に記載した第2電極よりも幅が狭いAlのパターンをフォトリソグラフィーにより形成する。このAl電極上に、サイトップを5〜20μm程度の厚みとなるようスピンコートで形成する。サイトップを10μm以上の厚さにする場合、複数回スピンコートを行い、重ね塗りすることで10μm以上にすることができる。更に、サイトップ上に、Alなどの金属膜、フォトレジストTSMR―8800(東京応化工業株式会社製)を形成し、フォトレジストの露光、現像を行い、Alなどの金属膜のエッチングを行い、サイトップをアッシングする際のマスクパターンを形成する。マスクのパターンは最初に形成したAlのパターンに一致させて、マスクパターンの幅は最初に形成したAlパターンの幅よりも広くなるように形成する。Al金属膜及びフォトレジストのパターンをマスクとして、サイトップをオゾンプラズマでアッシングを行い、最後にマスクとしたAl金属膜をエッチングして、サイトップの第2電極を形成する。
(実施例2)
変形例1及び2に対応した固定子及び可動子の作製に関する実施例2について説明する。
固定子の第1電極を、基材として厚みが25μmのポリイミドフィルム上に形成した。使用したポリイミドのヤング率は5GPa程度である。このとき、第1電極は、幅が0.266°、電極間のスペースの幅が0.266°、電極内側の半径が22mm、電極外側の半径が56mm、電極総数675本となる放射状の電極とした。また、固定子の第1電極は3相電極とし、3相電圧を印加できる構成とした。第1電極上に厚みが12.5μmのポリイミドフィルムからなる保護フィルムを貼り付けている(図4等の保護層19参照)。また、3相電圧を給電するための配線を基材のポリイミドフィルムの裏面に形成している。そのため、裏面の配線上に厚みが0.1mmのポリイミドフィルムからなる保護フィルムを貼り付けている。固定子のポリイミドフィルムの全厚みは約0.1mmとなる。
可動子の第2電極を、直径125mm、厚みが1.1mmのテンパックスフロート(登録商標名)のガラス基板(基材)上に形成した。使用したガラスのヤング率は63GPa程度である。このとき、第2電極は、幅が0.4°、第2電極間のスペースの幅が0.4°、第2電極内側の半径が22mm、第2電極外側の半径が56mm、電極総数450本となる放射状の電極とした。第2電極は、エレクトレット材料である旭硝子製サイトップ「Cytop」(登録商標名)を使用した。
可動子の作製方法について具体的に説明する。上記基材としてのガラス基板上に、Alなどの金属膜を蒸着などの方法により、0.1〜1μm程度の厚みで形成する。上記に記載した第2電極よりも幅が狭いAlのパターンをフォトリソグラフィーにより形成する。このAl電極上に、サイトップを5から20μm程度スピンコートで形成する。サイトップを10μm以上の厚さにする場合、複数回スピンコートを行い、重ね塗りすることで10μm以上にすることができる。更に、サイトップ上に、Alなどの金属膜、フォトレジストTSMR―8800(東京応化工業株式会社製)を形成し、フォトレジストの露光、現像を行い、Alなどの金属膜のエッチングを行い、サイトップをアッシングする際のマスクパターンを形成する。マスクのパターンは最初に形成したAlのパターンに一致させて、マスクパターンの幅は最初に形成したAlパターンの幅よりも広くなるように形成する。Al金属膜及びフォトレジストのパターンをマスクとして、サイトップをオゾンプラズマでアッシングを行い、最後にマスクとしたAl金属膜をエッチングして、サイトップの第2電極を形成する。
サイトップの電極パターンの内周部と外周部に構造物形成用ネガレジストSU8(日本化薬株式会社製)を用いて、空気吸入構造としての空気入流部分20及び空気排出構造としての空気排出部分21の各フィン状の形状(図8参照)を形成する。各フィンの高さhb(図8参照)は50μmとなるように、SU8を50μm塗布して形成した。
(実施例3)
実施形態1及び2に対応した可動子の第2電極の帯電方法に関する実施例3について説明する。
可動子の第2電極を構成するエレクトレット材料を帯電させる方法として、一般的に絶縁体を帯電させる方法であれば手段を選ばずに用いることができる。例えば、G.M.Sessler, Electrets Third Edition,pp20,Chapter2.2“Charging and Polarizing Methods”(Laplacian Press, 1998)に記載のコロナ放電法、電子ビーム衝突法、イオンビーム衝突法、放射線照射法、光照射法、接触帯電法、液体接触帯電法等が適用可能である。本発明においては特にコロナ放電法、電子ビーム衝突法を用いることが好ましい。
図9に、コロナ帯電器の概略構成図を示す。図9は、可動子の第2電極がエレクトレット材料で構成されている場合、電荷の注入に用いるコロナ荷電装置の概略構成図である。
図9に示すコロナ荷電装置においては、コロナ針72と、電極73とが対向配置される。そして、直流高圧電源装置71(例えばHAR−20R5;松定プレシジョン製)により、コロナ針72と電極73との間に高電圧を印加できるようになっている。コロナ針72と電極73との間にはグリッド74が配置され、該グリッド74にはグリッド用電源75からグリッド電圧を印加できるようになっている。また、パターン膜に注入される電荷の安定を図るため、ホットプレート76によって、電荷注入工程中のパターン膜をガラス転移温度以上に加熱できるようになっている。符号77は電流計である。該コロナ荷電装置の電極73上に、第2電極のパターン膜が形成された基板を載置し、ホットプレート76によって加熱し、グリッド用電源75からグリッド74にグリッド電圧を印加する。これと同時に、直流高圧電源装置71によりコロナ針72と電極73との間に高電圧を印加する。これにより、コロナ針72から放電した負イオンが、グリッド74で均一化された後、電極73上に載置したガラス基板61表面のパターン膜上に降り注ぎ、電荷が注入される。
−5〜−20kV程度の高電圧をコロナ針72に印加し、コロナ帯電させる。上記の方法で帯電させた可動子上のエレクトレット材料は、帯電量が−200〜−400Vの永久帯電を維持することとなる。
(実施例4)
図10を用いて、実施例1及び2に対応した静電モータの駆動方法(極性切替え制御)に関する実施例4について説明する。図10は固定子と可動子の電極数比率が3対2の場合における駆動制御を示す図である。図10(a)は電圧切替えによって固定子に対する可動子の回転移動位置関係を模式的に示す図、図10(b)は固定子のUVW3相へ印加する電圧の切替えパターンを示す図である。
本実施例では、可動子側は第2電極がエレクトレットからなり、固定子の第1電極(個別電極)側には3相交流電圧を加えるようにしている。そして、固定子と可動子との個別電極数の比率を、3:2としている。図10の例では、固定子の第1電極(個別電極)数を675極とし、可動子の第2電極(個別電極)数を450極としている。本実施例では、可動子の第2電極がエレクトレットであるので−帯電した状態とする。固定子側は、図10(b)に示すように、3相交流電圧を給電し、所定角度(ここでは0.1°)毎に、V電極、W電極、U電極に対して+極、0、−極に電極の極性切替え制御がなされている。
図10(a)において、固定子の3相電極のU電極と可動子のエレクトレット電極が一致しているときを回転角度0°とする。回転角度が0°のとき、U電極=0V、V電極=−250V、W電極=+250Vとなるように電圧を加えると、V電極と可動子のエレクトレット電極間には斥力が、W電極と可動子のエレクトレット電極間には引力が、それぞれ発生する。これにより、可動子が図において右方向へ回転移動する。回転角度が0.3°になったとき、U電極=−250V、V電極=0V、W電極=+250Vとなるように電圧を加えると、W電極と可動子のエレクトレット電極間には引力が、U電極と可動子の別のエレクトレット電極間には斥力が、それぞれ発生する。これにより、可動子が図において右方向へ更に回転移動する。回転角度が0.6°になったとき、U電極=−250V、V電極=+250V、W電極=0Vとなるように電圧を加えると、V電極と可動子のエレクトレット電極間には斥力が、W電極と可動子のエレクトレット電極間には引力が、それぞれ発生する。これにより、可動子が図において右方向へ更に回転移動する。このとき、W電極と可動子のエレクトレット電極が一致し、回転角度0°の状態が、U電極からW電極へずれた状態となる。従って、一連の3相の電圧切替え制御を繰り返すことで、可動子の連続的な回転が可能となる。
図10に示す固定子と可動子の電極数比率が3対2の場合における駆動制御では、斥力と引力の双方を駆動力として利用しているので、十分な駆動力を得ることができる。
実施例1及び2の固定子と可動子の組み合わせにおいて、3相の第1電極への電圧周期が400μsecで回転数約330rpmの静電モータの回転を確認している。このときの駆動トルクは約15mNmであり、消費電力は約28mWである。ただし、消費電力は固定子に給電した3相の第1電極間のリーク電流による電力消費も含まれており、静電モータ本体の消費電力はこの値よりも小さい。
実施例1の固定子と可動子の組み合わせにおいて、可動子が回転してしないときの固定子と可動子との間のギャップを100〜150μmとなるように調整している。固定子の基材であるポリイミドフィルムの厚みを約0.5mmとすることで、固定子が回転している可動子のほうへ変形するが、固定子が可動子に接触しないような条件とし、固定子と可動子との間を50〜100μmの範囲で一定に保っている。
実施例2の固定子と可動子の組み合わせにおいて、可動子が回転してしないときの固定子と可動子との間のギャップを50〜100μmとなるように調整している。固定子の基材であるポリイミドフィルムの厚みを約0.1mmとし、図8に示すように空気入流部分20及び空気排出部分21を可動子13Bに設けた。これにより、固定子が可動子に接触しないような条件とし、固定子と可動子との間のギャップを、図8に示した空気入流部分20及び空気排出部分21の高さhbである約50μmに一定に保っている。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態や変形例、実施例に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や変形例、実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
例えば、本発明は、図1〜図3に示した参考例を含むアキシャルギャップ型の静電電動機にも適用できることは無論である。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
10、10A、10B 静電モータ(静電電動機の一例)
12 固定子
13、13A、13B 可動子
14 回転軸
15 第1電極(第1の電極の一例)
16 第2電極(第2の電極の一例)
17 固定子の基材
18 可動子の基材
19 保護層
20 空気吸入部分(空気吸入構造の一例)
21 空気排出部分(空気排出構造の一例)
特開平05−064463号公報 特許第2850413号公報

Claims (4)

  1. 弾性変形可能な基材上に設けられ、該基材の中心から放射する方向で且つ所定の間隔を設けて配置された、金属からなる複数の帯状の第1の電極を有する固定子と、
    前記固定子に対して絶縁され、且つ該固定子に対向して設けられるとともに中心から放射する方向に配置された、金属又はエレクトレット材料からなる複数の帯状の第2の電極を有する可動子と、を備え、
    前記固定子の第1の電極に所定の電圧パターンを加えて、前記固定子と前記可動子との間に作用する静電気のクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機であって、
    前記可動子が回転しているときに前記固定子が変形し、前記固定子と前記可動子との間の距離が一定に保たれるように構成した静電電動機。
  2. 請求項1記載の静電電動機において、
    前記固定子の第1の電極に所定の電圧パターンを加えて、前記固定子と前記可動子との間に作用する静電気のクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機であって、
    前記固定子と前記可動子との間の距離を40〜100μmの範囲で一定に保つとともに、前記固定子の基材のヤング率が10GPa以下で、且つ該基材の厚みが0.5mm以下であり、なお且つ前記可動子の基材のヤング率が50GPa以上で、且つ該基材の厚みが0.5mm以上に設定したことを特徴とする静電電動機。
  3. 請求項1又は2記載の静電電動機において、
    前記可動子の内周部に設けられた空気吸入構造と、前記可動子の外周部に設けられた空気排出構造とを有することを特徴とする静電電動機。
  4. 請求項3記載の静電電動機において、
    前記空気吸入構造と前記空気排出構造とが共に前記固定子と対向する方向に突出するフィン状の形状をなし、
    第2の電極が、前記可動子から突出するように前記固定子と対向する方向に設けられており、
    前記フィン状の形状の前記固定子と対向する方向の高さが、前記固定子と対向する方向の前記可動子の第2の電極の高さよりも高いことを特徴とする静電電動機。
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