JP6233006B2 - 静電電動機 - Google Patents
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Description
このように、静電モータはもともとトルクが小さいため、固定子の中心と可動子の回転中心のずれが回転に与える影響が大きく、トルク変動により滑らかな回転が得られないという課題がある。特許文献1(特許2850413号公報)には、固定子と可動子の間のギャップを保持するギャップ保持機構および移動方向保持機構を設けることにより、回転トルク変動を抑制することが開示されている。しかしながら、特許文献1の構成では構造が複雑である。
上記目的を達成するため、本発明に係る静電電動機は、互いに絶縁され、その中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、導電部材からなる第1の電極を有する固定子と、互いに絶縁され、その回転中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、エレクトレット材料からなる第2の電極を有する可動子とを有し、固定子と可動子が対向して配置され、第1の電極に所定の電圧パターンを印加し、固定子と可動子との間の静電気によるクーロン力で可動子を回転させる静電電動機であって、第2の電極の回転中心と同じ中心で環状に配置され、任意の極に帯電されたエレクトレット材料からなる第3の電極と、第1の電極の中心と同じ中心で環状に配置され、かつ第3の電極に少なくてもその一部が対向するように配置され、第3の電極と同極に帯電されたエレクトレット材料からなる第4の電極とを有することを特徴としている。
本発明によれば、可動子に配置された第3の電極と、第3の電極と少なくともその一部が対向するように固定子に配置された第4の電極を、同極に帯電したエレクトレット材料で構成したので、第3と第4の電極間に電圧を印加しなくても静電気による斥力が発生する。このため、固定子の中心と可動子の回転中心とがずれている場合には、固定子の中心と可動子の回転中心とが一致する方向に固定子と可動子が相対的に自立移動するので、簡便な構造で固定子の中心と可動子の回転中心のずれを修正してトルク変動を抑えてスムーズな回転を得ることができる。
(第1の実施形態)
図1に示す静電電動機としての静電モータ1は、固定子2と可動子3とを備えている。固定子2と可動子3は、互いに円板形状であって、互いに対向するように配置されている。可動子3の中心部には、可動子3の水平面と直交する方向に貫通する回転軸4に固定されている。このため、可動子3が回転すると、回転軸4も一体で回転するように構成されている。つまり、可動子3は、回転軸4の回転軸線4aを中心に回転可能とされている。円板形状の固定子2と可動子3のそれぞれの中心は同一軸線上に位置するように配置されている。ここでは、固定子2の中心を中心Pとし、可動子3の中心を回転中心P1とする。そして、同一軸線とは、回転軸線4aとしている。このため、固定子2の中心Pと、可動子3の回転中心P1とが回転軸線4a上で一致するようにしている。なお、各図中、符号Rは周方向、符号Xは放射する方向(以下「放射方向」と記す)」、符号Yは直交する方向、符号Zは軸線方向をそれぞれ示す。
固定子2は、任意の極の電圧が印加される導電部材からなる第4の電極8を有している。第4の電極8は環状を成し、放射方向Xにおける帯状電極5A(第1の電極5)の内側端部5aよりも中心P寄りと、放射方向Xにおける帯状電極5A(第1の電極5)の外側端部5bよりも外周面2b寄りの対向面2a上にそれぞれ形成されて配置されている。つまり、第4の電極8は、固定子2における帯状電極5A(第1の電極5)の内側と外側にそれぞれ配置されている。本実施形態では、第4の電極8が固定子2における電極5A(第1の電極5)の内側と外側に配置しているが、内側又は外側の少なくとも何れか一方に形成されていればよい。各第4の電極8には、回転駆動に用いる電圧とは異なる時期に任意の電圧が印加されるように構成されている。第1の電極5および第4の電極8を、電界を通過する保護フィルムなどで覆い、電極表面の空気中への露出や傷つきを防止するようにしてもよい。これは、電極表面が傷つくことによる静電気力の低下を防止するためである。
第3の電極7と第4の電極8は、導電部材としての金属で形成されている。第3の電極7と第4の電極に印加する電圧は同極とされている。つまり、第4の電極8には、第3の電極に印加した電圧と同極の電圧が印加されるように構成されている。第3の電極7と第4の電極8の環状とは、周方向Rに連続し、途中に間隔のないドーナツ形状のことを示している。
図4に示すように、固定子2に複数の帯状電極5Aからなる第1の電極5と環状の第4の電極8を形成し、可動子3に複数の帯状電極6Aからなる第2の電極6と環状の第3の電極7を形成する。そして固定子2と可動子3とを互いに対向配置して組み付けた後、固定子2の第4の電極8と可動子3第3の電極7に同極の電圧を印加する。すると、第3の電極7と第4の電極8の電極間に静電気による斥力が発生し、第4の電極8と第3の電極7とがずれて配置されている場合、固定子2の中心Pと可動子3の回転中心P1とが一致する位置に固定子2と可動子3とが自立的に移動する。この位置合わせ調整をした状態で固定子2をモータの筐体などに組み付けて固定することにより、固定子2の中心Pと可動子3の回転中心P1との位置ずれが修正された状態で組付けを行うことができる。このため、簡便な構造で固定子2の中心と可動子3の回転中心のずれを修正してトルク変動を抑えてスムーズな回転を得ることができる。
図5に示す静電電動機としての静電モータ20は、固定子22と可動子23とを備えている。固定子22と可動子23は、互いに円板形状であって、互いに対向するように配置されている。可動子23の中心部には、可動子23の水平面と直交する方向に貫通する回転軸24に固定されている。このため、可動子3が回転すると、回転軸24も一体で回転するように構成されている。つまり、可動子23は、回転軸4の回転軸線4aを中心に回転可能とされている。円板形状の固定子22と可動子3のそれぞれの中心は同一軸線上に位置するように配置されている。ここでは、固定子22の中心を中心Pとし、可動子23の中心を回転中心P1とする。そして、同一軸線とは、回転軸線24aとしている。このため、固定子22の中心Pと、可動子23の回転中心P1とが回転軸線24a上で一致するようにしている。
固定子22は、第4の電極28を有している。第4の電極28は環状を成し、放射方向Xにおける帯状電極25A(第1の電極25)の内側端部25aよりも中心P寄りと、放射方向Xにおける帯状電極25A(第1の電極25)の外側端部25bよりも外周面22b寄りの対向面22a上にそれぞれ形成されて配置されている。つまり、第4の電極28は、固定子22における帯状電極25A(第1の電極25)の内側と外側にそれぞれ配置されている。本実施形態では、第4の電極28が固定子22における電極25A(第1の電極25)の内側と外側に配置しているが、内側又は外側の少なくとも何れか一方に形成されていればよい。各第4の電極28には、回転駆動に用いる電圧とは異なる時期に任意の電圧が印加されるように構成されている。第1の電極25および第4の電極28を、電界を通過する保護フィルムなどで覆い、電極表面の空気中への露出や傷つきを防止するようにしてもよい。これは、電極表面が傷つくことによる静電気力の低下を防止するためである。
そこで第2の実施形態に係る第3の電極27と第4の電極28は、第2の電極同様、エレクトレット材料で形成した。エレクトレット材料で形成した第3の電極27と第4の電極28は、互いに同極となるように帯電して形成されている。
つまり、第2の実施形態においては、固定子22と可動子23の中心合わせを行う場合に第3の電極27と第4の電極28とに電圧印加する必要が無く、第1の実施形態に比べて通電ブラシや配線などの配線構造が不要で簡素化を図ることができる。また、通電ブラシとの接触抵抗がないため、トルク変動をより低減することができ、スムーズ回転をより得やすくなる。
図9に示す静電モータ1は、第1の電極5と第4の電極8を有する固定子2と、第2の電極6と第3の電極7を有する可動子3と、可動子3に固定された回転軸4を備えている。駆動モータ1は、これら固定子2と可動子3とを内部に収容する収容空間を備えた有底の筒状形状の筐体9と、筐体9を閉じる筐体10とを備え、筐体9内に固定子2と可動子3を入れ、筐体9に筐体10を複数のビス16で締結固定することで、固定子2と可動子3とを第1の筐体9内に収容している。
筐体9内には、固定子2を固定するための第1の支持部11が平坦な底面9c上に配置される。中央に開口部11bが形成されたドーナツ形状の第1の支持部11は、平坦性を有するガラス基板から構成されていて、その一方の面である取付面11aに固定子2を貼り付けて固定し、筐体9の底面9cに、放射方向Xに移動可能に載置される。第1の支持部11と筐体9の底面9cの間には点線で示すように接着部材として紫外線硬化性接着剤19が塗布されている。中央の開口部11bの直径は、ボス部9aの内側円筒突起部9eの外周径よりも大きく形成されていて、第1の支持部11を底面9c上に載置する際に、開口部11b内に内側円筒突起部9eを位置させて、放射方向Xに移動可能に底面9cに載置する。このため、第1の支持部11は、開口部11bと内側円筒突起部9eの外周径の差分だけ移動可能に紫外線硬化性接着剤19が塗布された底面9cに載置される。なお、放射方向Xとは、可動子3の回転中心P1に対し直交する方向Yでもある。
底面9cと反対側に位置する第1の支持部11の取付面11aに、第1の電極5と第4の電極8を有する対向面2aが取付面11aと反対側に位置する向きに固定子2を固定する。
固定子2が固定された第1の支持部11は、中央の開口部11bを内側円筒突起部9eに挿入し、紫外線硬化性接着剤19が塗布された底面9c上に載置する。
回転軸4には、第2の電極6と第3の電極7を対向面3aに有する可動子3を、対向面3aが固定子2の対向面2aと対面するように固定部材としての固定リング15を介して固定しておき、可動子3が固定された回転軸4の一方の端部4bを軸受13に挿入する。このとき、固定子2と可動子3が所定の間隔Hとなるように、回転軸4の所定の位置に固定リング15で可動子3を固定しておく。また、回転軸4は可動子3の回転中心P1上に回転軸線4aが位置するように固定されている。所定の間隔Hとは、固定子2側と可動子3側の互いに対向する電極間に静電気が作用して駆動トルクとなる引力や斥力が発生可能な間隔である。
固定子2と可動子3が所定の間隔Hで対向している状態で、固定子2の第4の電極8と可動子3の第3の電極7に、それぞれ同極の電圧を印加する。すると、固定子2と可動子3の中心位置がずれている場合、固定子2が可動子3の中心に合うように静電気の斥力により底面9c上を放射方向X(直交方向Y)に移動し、固定子2の中心Pが可動子3の回転軸線4a(回転中心P1)と一致する。この状態で、図示しない光ファイバーなどを用いて紫外線硬化性接着剤19に紫外線を照射し、紫外線硬化性接着剤19を固化させて第1の支持部11を底面9C(第1の筐体9)に接着固定する。
第1の支持部11が第1の筐体9に固定された後、回転軸4の他方の端部4cを軸受14に挿通するとともに、第2の筐体10を第1の筐体9上に載せてビス16で第1の筐体9に締結固定することで、静電モータ1が組み上がる。このような構成と組立て手順によって固定子2の中心Pと可動子3の回転中心P1とが回転軸4の回転軸線4aに位置するため、固定子2の中心Pと可動子3の回転中心P1との位置ずれが修正された状態で組付けを行うことができる。このため、トルク変動を抑えてスムーズな回転を得ることができる。
すなわち、第2の実施形態で説明した固定子22を第1の支持部11の取付面11aに固定し、回転軸24に固定リング15を介して可動子23を固定して第1の筐体9の軸受14に装着する。すると、既に同極に帯電されている第3の電極27と第4の電極28間に静電気の斥力が作用し、固定子22が可動子23の中心に合うようより底面9c上を移動して固定子22の中心Pが可動子23の回転軸線24aと一致する。そして図示しない光ファイバーなどを用いて紫外線硬化性接着剤19に紫外線を照射し、紫外線硬化性接着剤19を固化させることで、固定子22を固定された第1の支持部11を底面9C(第1の筐体9)に接着固定する。そして第1の支持部11が第1の筐体9に固定された後、回転軸24の他方の端部24cを軸受14に挿通するとともに、第2の筐体10を第1の筐体9上に載せてビス16で第1の筐体9に締結固定することで、静電モータ20が組み上がる。このような構成と組立て手順によって固定子22の中心Pと可動子23の回転中心P1とが回転軸24の回転軸線24aに位置するため、固定子22の中心Pと可動子23の回転中心P1との位置ずれが修正された状態で組付けを行うことができる。このため、トルク変動を抑えてスムーズな回転を得ることができる。
本実施形態は、図10、図11、図12に示すように、可動子の回転中心P1に対する直交方向Y(放射方向X)の同一平面内において、第1及び第4の電極7、8の位置を調整する調整部40を有するものである。図10、図11、図12に示す静電モータ1Aは、第1の実施形態に係る静電モータ1に調整部40と第2の支持部12を追加した形態としているが、第2の実施形態に係る静電モータ20に調整部40と第2の支持部12を追加した形態であってもよい。
紫外線硬化性接着剤19が塗布された第2の支持部12の取付面12aに、第1の電極5と第4の電極8を有する固定子2を固定した第1の支持部11を、第1の電極5と第4の電極8が形成された対向面2aが取付面12aと反対側に位置する向きに載置する。
固定子2が固定された第1の支持部11が載置された第2の支持部12を、中央の開口部12bを内側筒部9eに挿入して底面9c上に載置する。
回転軸4には、第2の電極6と第3の電極7を有する可動子3を対向面3aが対向面2aと対面するように固定部材としての固定リング15を介して固定しておき、可動子3が固定された回転軸4の一端4b側を軸受13に挿入する。このとき、固定子2と可動子3が所定の間隔Hとなるように、回転軸4の所定の位置に固定リング15で可動子3を固定しておく。
固定子2と可動子3が所定の間隔Hで対向している状態で、固定子2の第4の電極8と可動子3の第3の電極7に、それぞれ同極の電圧を印加する。すると、固定子2が可動子3の中心位置がずれている場合、固定子2が可動子3の中心に合うように静電気の斥力により第一の支持体11が取付面12a上を移動し、固定子2の中心Pが可動子3の回転軸線4a(回転中心P1)と一致する。この状態で、図示しない光ファイバーなどを用いて紫外線硬化性接着剤19に紫外線を照射し、紫外線硬化性接着剤19を固化させて第2の支持部12を取付面12aに第1の支持体11を接着固定する。
第1の支持部11が第2の支持体12に固定された後、回転軸4の他方の端部4cを軸受14に挿通するとともに第2の筐体10を第1の筐体9上に載せてビス16で第1の筐体9に締結固定することで、静電モータ1Aが組み上がる。このとき、第2の支持体12は、第1の筐体9と第2の筐体10とに軸線方向Zから挟まれて、軸線方向Zへの移動が妨げられる。このような構成と組立て手順によって固定子2の中心P1と可動子3の回転中心P1とが回転軸4の回転軸線4a上に位置するので、簡便な構造で固定子2の中心Pと可動子3の回転中心P1のずれを修正してトルク変動を抑えてスムーズな回転を得ることができる。
そこで、本実施形態では、調整部40を設け、組付け後の位置調整を可能としている。調整部40は、第1の筐体9の外周面9dから内周面9bに向かって形成されたネジ孔41と、ネジ孔41にネジ込まれる調整ネジ42を有している。本実施形態において、調整部40は、図11に示すように、120度の位相を持って、第2の支持体12よりも外側に位置する第1の筐体9の3箇所に配置されている。調整部40の配置としては3箇所に限定されるものでなく、例えば90度の位相で4箇所に配置してもよいし、それ以上の箇所に配置してもよいが、少なくとも3方向から調整可能に3箇所に配置するのが好ましい。
調整ネジ42は、ネジ孔41に締め込んだ際に第1の筐体9の内周面9bから第1の筐体9の内部へ突出して第2の支持部12の外周面12dを圧接して直交方向Y(放射方向X)に第2の支持部12と一体の固定子2を移動可能にしている。
本実施形態は、図13に示すように、可動子23の回転中心P1に対し直交方向Y(放射方向X)の同一平面内において、当該直交方向Y(放射方向X)に第1の電極25および第4の電極28の位置を移動可能に保持する保持部60を有するものである。図13に示す静電モータ20Aは、第2の実施形態に係る静電モータ20に保持部60と第2の支持部12を追加した形態としているが、第1の実施形態に係る静電モータ1に保持部60と第2の支持部12を追加する形態であってもよい。
紫外線硬化性接着剤19が塗布された第2の支持部12の取付面12aに、第1の電極25と第4の電極28を有する固定子22を固定した第1の支持部11を、第1の電極25と第4の電極28が形成された対向面22aが取付面12aと反対側に位置する向きに載置する。
固定子22が固定された第1の支持部11が載置された第2の支持部12を、中央の開口部12bを内側筒部9eに挿入して底面9c上に載置する。
回転軸24には、第2の電極26と第3の電極27を有する可動子23を対向面23aが対向面22aと対面するように固定部材としての固定リング15を介して固定しておき、可動子23が固定された回転軸24の一端24b側を軸受13に挿入する。このとき、固定子22と可動子23が所定の間隔Hとなるように、回転軸24の所定の位置に固定リング15で可動子3を固定しておく。
固定子22と可動子23が所定の間隔Hで対向している状態となると、エレクトレット材料で形成されている固定子22の第4の電極28と可動子23の第3の電極27とに静電気の斥力が発生する。そして、固定子22の中心P1が可動子23の回転中心P1に合うよう第一の支持体11が取付面12a上を移動し、固定子22の中心Pが可動子23の回転軸線4a(回転中心P1)と一致する。この状態で、図示しない光ファイバーなどを用いて紫外線硬化性接着剤19に紫外線を照射し、紫外線硬化性接着剤19を固化させて第2の支持部12を取付面12aに第1の支持体11を接着固定する。
第1の支持部11が第2の支持体12に固定された後、回転軸24の他方の端部24cを軸受14に挿通するとともに第2の筐体10を第1の筐体9上に載せてビス16で第1の筐体9に締結固定することで、静電モータ20Aが組み上がる。このとき、第2の支持体12は、第1の筐体9と第2の筐体10とに軸線方向Zから挟まれて、軸線方向Zへの移動が妨げられる。このような構成と組立て手順によって固定子22の中心P1と可動子23の回転中心P1とが回転軸24の回転軸線24a上に位置するので、簡便な構造で固定子22の中心Pと可動子23の回転中心P1のずれを修正してトルク変動を抑えてスムーズな回転を得ることができる。
第1の筐体9の内周面9dと第2の支持体12の外周面12dとの間には隙間が形成されていて、その間に圧縮コイルバネ61が配置されるため、第2の支持部12は放射方向Xに移動可能に支持される。
本実施形態に係る静電モータ1Bは、図14、図15に示すように、第1の実施形態で説明した固定子2と可動子3とを1つに駆動ユニットとして、回転軸4の軸線方向Zに複数積層して第1の筐体9内に配置するとともに、第3の実施形態で説明した調整部40を有している。本実施形態では、3つの駆動ユニットを軸線方向Zに配置しており、便宜的に最下層の駆動ユニットから上層の駆動ユニットに向かって駆動ユニット100A、100B、100Cと称する。各駆動ユニットの構成部材において、上述したものと同様の構成と機能をするものには同一符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。また本実施形態では、駆動ユニット100A〜駆動ユニット100Cの構成部材に、各構成部材を識別するために、数字符号の後にA、B、Cを付することにする。本実施形態では、第1の支持体11A〜11Cに対して固定子2A〜2Cを固定して予め用意しておくものとする。第1の筐体9と第2の支持体12は、他の実施形態のものに対し3つの駆動ユニット100A、100B、100Cが収容可能に軸線方向Zに延長されている。
本実施形態において、第2の支持部12の内部には、環状のスペーサ29A、29B、29Cが下層から上層に向かって配設される。各支持体の軸線方向Zへの高さは、回転軸4に固定される可動体3A、3B、3Cよりも、その上面29Aa、29Ba、29Caが高くなるように設定されている。
本実施形態の場合、駆動ユニット100Aの固定子2Aは、第1の支持体11Aの取付面11Aaに接着などにより貼り付けて固定する。そして、紫外線硬化性接着剤19Aを塗布した第2の支持部12の取付面12aに第1の支持体11Aを載置する。また、スペーサ29Aを、固定子2Aの外周面2Abと第2の支持体12の内周面12cとの間に位置する第1の支持体11Aの取付面11Aa上に内周面12cに沿うように配置する。
固定部材としての固定リング15Aに駆動ユニット100Aの可動子3Aを固定し、軸受13に一方の端部14bが挿入された回転軸4上を移動させて固定子2Aと所定の間隔HAとなるように対向配置し、その位置で固定リング15Aを回転軸4に固定する。この段階で、固定子2Aの第4の電極8Aと可動子3Aの第3の電極7Aに同極の電圧を印加し、静電気による斥力によって固定子2Aが固定された第1の支持部11Aが第2の支持部12に対して放射方向Xに移動し、駆動ユニット100Aの固定子2Aと可動子3Aの中心位置合わせを行う。中心位置調整後は、紫外線を紫外線硬化性接着剤19Aに照射することで、固定子2Aを有する第1の支持体11Aを第2の支持体12の取付面12a上に固定する。このような構成によって駆動ユニット100Aが第2の支持体12に組付けられる。
中間層に位置する駆動ユニット100Bの第1の支持体11Bを、スペーサ29Aの上面29Aaに載置し、その外周面11Baと内周面12cとの間に隙間が形成されるように固定する。支持体11Bの取付面11Baには、紫外線硬化性接着剤19Bが塗布されていて、硬化するまでは取付面11Ba上の固定子2Bを放射方向Xに移動可能としている。スペーサ29Bを、固定子2Bの外周面2Bbと第2の支持体12の内周面12cとの間に位置する第1の支持体11Bの取付面11Ba上に内周面12cに沿うように配置する。
第3層目に位置する駆動ユニット100Cの第1の支持体11Cを、スペーサ29Bの上面29Baに載置し、その外周面11Caと内周面12cとの間に隙間が形成されるように固定される。支持体11Cの取付面11Caには、紫外線硬化性接着剤19Cが塗布されていて、硬化するまでは、取付面11Ba上の固定子2Cを放射方向Xに移動可能としている。スペーサ29Cを、固定子2Cの外周面2Cbと第2の支持体12の内周面12cとの間に位置する第1の支持体11Cの取付面11Ca上に内周面12cに沿うように配置する。
調整部40は、第3の実施形態と同様、周方向に3等分した位置(120度位相)にそれぞれ1つずつ配置されていて、第2の支持体12の放射方向Xへの位置を微調整可能としている。このため、組み上がった静電モータ1Bを回転駆動して、回転軸4の回転トルクを計測する際に、回転駆動時の回転トルクが最大かつトルク変動が小さくなるように調整部40の調整ネジ42の締め込み加減を調整する。このように、第1の筐体9の外側から、第1の筐体9と第2の筐体10内に収容された各固定子2の位置を移動可能とすることで、組みあがった静電モータ1Aの検品時等に固定子2A〜2Cと各可動子3A〜3Cのそれぞれ中心(電極の中心)を位置ずれ微調整して修正することができ、よりトルク変動を抑制してスムーズな回転を得ることができる。
本実施形態に係る静電モータ20Bは、図16に示すように、第2の実施形態で説明した固定子22と可動子23とを1つに駆動ユニットとして、回転軸24の軸線方向Zに複数積層して第1の筐体9内に配置するとともに、第4の実施形態で説明した保持部60を有している。本実施形態では、3つの駆動ユニットを軸線方向Zに配置しており、便宜的に最下層の駆動ユニットから上層の駆動ユニットに向かって駆動ユニット200A、200B、200Cと称する。各駆動ユニットの構成部材において、上述したものと同様の構成と機能をするものには同一符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。また本実施形態では、駆動ユニット200A〜駆動ユニット200Cの構成部材に、各部材を識別するために、数字符号の後にA、B、Cを付することにする。本実施形態では、第1の支持体11A〜11Cに対して固定子22A〜22Cを固定して予め用意しておくものとする。第1の筐体9と第2の支持体12は、他の実施形態のものに対し3つの駆動ユニット200A、200B、200Cが収容可能に軸線方向Zに延長されている。
本実施形態の場合、駆動ユニット200Aの固定子22Aは、第1の支持体11Aの取付面11Aaに接着などにより貼り付けて固定する。そして、紫外線硬化性接着剤19Aを塗布した第2の支持部12の取付面12aに第1の支持体11Aを載置する。また、スペーサ29Aを、固定子22Aの外周面22Abと第2の支持体12の内周面12cとの間に位置する第1の支持体11Aの取付面11Aa上に内周面12cに沿うように配置する。
固定部材としての固定リング15Aに駆動ユニット200Aの可動子23Aを固定し、軸受13に一方の端部24bが挿入された回転軸24上を移動させて固定子22Aと所定の間隔HAとなるように対向配置し、その位置で固定リング15Aを回転軸24に固定する。固定子22と可動子23が所定の間隔HAで対向している状態となると、エレクトレット材料で形成されている固定子22Aの第4の電極28Aと可動子23Aの第3の電極27Aとに静電気の斥力が発生する。そして固定子22Aが固定された第1の支持部11Aが第2の支持部12に対して放射方向Xに移動し、駆動ユニット200Aの固定子22Aと可動子23Aの中心位置合わせを行う。中心位置調整後は、紫外線を紫外線硬化性接着剤19Aに照射することで、固定子22Aを有する第1の支持体11Aを第2の支持体12の取付面12a上に固定する。このような構成によって駆動ユニット200Aが第2の支持体12に組付けられる。
中間層に位置する駆動ユニット200Bの第1の支持体11Bを、スペーサ29Aの上面29Aaに載置し、その外周面11Baと内周面12cとの間に隙間が形成されるように固定する。支持体11Bの取付面11Baには、紫外線硬化性接着剤19Bが塗布されていて、硬化するまでは取付面11Ba上の固定子22Bを放射方向Xに移動可能としている。スペーサ29Bを、固定子22Bの外周面22Bbと第2の支持体12の内周面12cとの間に位置する第1の支持体11Bの取付面11Ba上に内周面12cに沿うように配置する。
第3層目に位置する駆動ユニット200Cの第1の支持体11Cを、スペーサ29Bの上面29Baに載置し、その外周面11Caと内周面12cとの間に隙間が形成されるように固定される。支持体11Cの取付面11Caには、紫外線硬化性接着剤19Cが塗布されていて、硬化するまでは、取付面11Ba上の固定子22Cを放射方向Xに移動可能としている。スペーサ29Cを、固定子22Cの外周面2Cbと第2の支持体12の内周面12cとの間に位置する第1の支持体11Cの取付面11Ca上に内周面12cに沿うように配置する。
すべての駆動ユニットの組付け終了後、回転軸24の他方の端部24cを軸受14に挿通するとともに、第2の筐体10を第1の筐体9上に載せてビス16で第1の筐体9に締結固定して静電モータ20Bが組み上がる。このとき、第2の支持体12は、第1の筐体9と第2の筐体10とに軸線方向Zから挟まれて、軸線方向Zへの移動が妨げられる。また、各支持体は、第2の筐体10を第1の筐体9上に載せてビス16で第1の筐体9に締結固定すると、最下層のスペーサ29Aは、第1の支持体11Aとその上の第1の支持体11Bによって軸線方向Zから挟まれる。中間層のスペーサ29Bは、第1の支持体11Bと最上層の第1の支持体11C3によって軸線方向Zから挟まれ、最上層のスペーサ29Cは、第1の支持体11Cと第2の筐体10によって軸線方向Zから挟まれて固定される。
このため、組み上がった静電モータ20Bの検品時等に固定子22A〜22Cと可動子23A〜23Cのそれぞれ中心(電極の中心)を位置ずれ微調整して修正することができ、よりトルク変動を抑制してスムーズな回転を得ることができる。
ガラス基板上に、Alなどの金属膜を蒸着などの方法により、0.1から1μm程度形成する。上記の第2および第3の電極よりも幅が狭いAlのパターンをフォトリソグラフィーにより形成する。このAl電極上に、サイトップを5〜20μm程度スピンコートで形成する。サイトップを10μm以上の厚さにする場合、複数回スピンコートを行い、重ね塗りすることで10μm以上にすることができる。
更に、サイトップ上に、Alなどの金属膜、フォトレジストTSMR―8800(東京応化工業株式会社製)を形成し、フォトレジストの露光、現像を行い、Alなどの金属膜のエッチングを行い、サイトップをアッシングする際のマスクパターンを形成する。マスクのパターンは最初に形成したAlのパターンに一致させて、マスクパターンの幅は最初に形成したAlパターンの幅よりも広くなるように形成する。Al金属膜およびフォトレジストのパターンをマスクとして、サイトップをオゾンプラズマでアッシングを行い、最後にマスクとしたAl金属膜をエッチングして、サイトップの第2および第3の電極を形成する。
−5から−20kV程度の高電圧をコロナ針72に印加し、コロナ帯電させる。上記の方法で帯電させた可動子上のエレクトレット材料は、表面電荷密度が−1から−2mC/m2の永久帯電を維持する。
図18(a)は、各固定子と各可動子の第1、第2の電極と、第1、第2の電極への電圧の印加状態を模式的に示し、図18(b)は各固定子へ印加する電圧の切替パターンを示す。各可動子の第2の電極は1相であり、各固定子の第1の電極は、図18(b)に示すように、3相電圧に給電し、所定角度(ここでは0.1°)毎に、V電極、W電極、U電極に対して+極、0、−極に電極の極性切換え制御がなされている。なお、所定角度は0.1°に限定されるものではない。
各可動子の第2の電極が導電部材で構成されている場合には、任意の極として例えば−極(マイナス極)に給電した状態となり、各第2の電極がエレクトレット材質で構成されている場合は−帯電した状態とする。ここでは、説明上、任意の極として便宜的に−極(マイナス極)としたが、+極(プラス極)としてもよい。
各固定子の3相電極のU電極と各可動子の第2の電極が一致しているときを回転角度0°とする。回転角度が0°のとき、U電極=0V、V電極=−400V、W電極=+400Vとなるように電圧を印加すると、V電極と各可動子の第2の電極に斥力、W電極と各可動子の第2の電極間に引力が発生し、各可動子が回転する。回転角度が0.3°になったとき、U電極=−400V、V電極=0V、W電極=+400Vとなるように電圧を印加すると、W電極と各可動子の第2の電極間に引力、U電極と各可動子の別の第2の電極間に斥力が発生し、各可動子が更に回転する。回転角度が0.6°になったとき、U電極=−400V、V電極=+400V、W電極=0Vとなるように電圧を印加すると、V電極と各可動子の第2の電極間に斥力、W電極と各可動子の第2の電極間に引力が発生し、各可動子が更に回転する。このとき、W電極と各可動子の第2の電極が一致し、回転角度0°の状態が、U電極からW電極へずれた状態となる。従って、一連の3相の電圧制御を繰り返すことで連続的に各可動子の回転が可能となる。
この極性切換え制御を上述の各静電モータで行うことで、回転軸4、24を持続的に回転駆動することができるようになる。このような静電モータの駆動方法とすることにより、可動子が単相であっても駆動することができるので、実用上十分な駆動トルクと剛性を実現しつつも、小型・軽量・薄型な静電モータを実現することができる。
第1、3、5の実施形態では、第1の電極を導電部材、第2の電極をエレクトレット部材で構成し、第3及び第4の電極を導電部材で構成している。また、第2、第4、第6の実施形態では、第1の電極を導電部材、第2、第3、第4の電極をそれぞれエレクトレット部材で構成している。しかし、電極の材質の組み合わせとしては、このように組み合わせに限定されるものではなく、第3又は第4の電極の何れか一方が導電部材で、何れか他方がエレクトレット部材で構成したものであってもよい。この場合においても、導電部材で構成された第3又は第4の電極には、エレクトレット部材で構成された第3又は第4の電極の帯電極性と同極の電圧を印加することで、第3と第4の電極間に斥力を作用させて、各固定子と各可動子の中心位置合わせを行える。
上記各実施形態において、第3及び第4の電極の環状とは、周方向Rに連続し、途中に間隔のないドーナツ形状として説明したが、第3及び第4の電極の環状とは、このように構成に限定されるものではない。以下、この例を記載する。
図19(a)、図19(b)に示すように、周方向Rの少なくとも一部に部分的な断絶部301,302があり、不連続な形状とした第3及び第4の電極も環状の第3及び第4の電極に含まれる。
図20(a)、図20(b)に示すように、周方向Rの一部が一定区間断絶された断絶部303,304を有する略扇形状した第3及び第4の電極も環状の第3及び第4の電極に含まれる。
図21(a)、図21(b)に示すように、周方向Rに同一半径となる円弧形状の電極部材311,312,313,314と円弧形状の電極部材321,322,323,324を同一円状にそれぞれ配置した形状の第3及び第4の電極も環状に含まれる。この場合、電極部材311,312,313,314と電極部材321,322,323,324はそれぞれ周方向Rに連続して配置されていても、隣接する電極部材との間に間隔を空けてそれぞれ配置したものであってもよい。
(態様1)
互いに絶縁され、その中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、導電部材からなる第1の電極を有する固定子と、
互いに絶縁され、その回転中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、エレクトレット材料からなる第2の電極を有する可動子とを有し、
前記固定子と前記可動子が対向して配置され、前記第1の電極に所定の電圧パターンを印加し、前記固定子と前記可動子との間の静電気によるクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機の位置調整方法であって、
前記第2の電極の回転中心と同じ中心で環状に配置され、任意の極の電圧が印加可能な導電部材からなる第3の電極と、
前記第1の電極の中心と同じ中心で環状に配置され、かつ前記第3の電極に少なくてもその一部が対向するように配置され、任意の極の電圧が印加可能な導電部材からなる第4の電極とに、
前記第3の電極と第4の電極とを互いに対向させた状態で、第3の電極と第4の電極に同極の電圧を印加することを特徴としている静電電動機の位置調整方法。
(態様2)
互いに絶縁され、その中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、導電部材からなる第1の電極を有する固定子と、
互いに絶縁され、その回転中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、エレクトレット材料からなる第2の電極を有する可動子とを有し、
前記固定子と前記可動子が対向して配置され、前記第1の電極に所定の電圧パターンを印加し、前記固定子と前記可動子との間の静電気によるクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機の位置調整方法であって、
前記第2の電極の回転中心と同じ中心で環状に配置され、任意の極に帯電されたエレクトレット材料からなる第3の電極と、
前記第1の電極の中心と同じ中心で環状に配置され、任意の極に帯電されたエレクトレット材料からなる第4の電極とを、互いに同極に帯電させて形成し、前記第3の電極と第4の電極とを互いに対向させた配置することを特徴とする静電電動機の位置調整方法。
(態様3)
態様項1又は2に記載の静電電動機の位置調整方法において、
前記可動子の回転中心に対し直交する方向の同一平面内において、当該直交する方向に、前記第1の電極と前記第4の電極の位置を調整する調整部を用いて、前記第3及び第4の電極による位置修正(位置調整)後に、前記第1の電極と前記第4の電極の位置を調整することを特徴とする静電電動機の位置調整方法。
(態様4)
態様項1又は2に記載の静電電動機の位置調整方法において、
前記可動子の回転中心に対し直交する方向の同一平面内において、当該直交する方向に、前記第1の電極と前記第4の電極の位置を調整する調整部を用いて、前記第3及び第4の電極による位置修正(位置調整)後に、前記第1の電極と前記第4の電極の位置を調整することを特徴としている静電電動機の位置調整方法。
20、20A、20B 静電モータ(静電電動機)
2、2A〜2C、22、22A〜22C 固定子
3、3A〜3C、23、23A〜23C 可動子
4、24 駆動軸(回転軸)
4a、24a 駆動軸の回転軸線
5、5A〜5C、25、25A〜25C 第1の電極
6、6A〜6C、26、26A〜26C 第2の電極
5a、25a 第1の電極の内側
5b、25b 第1の電極の外側
6a、26a 第2の電極の内側
6b、26b 第2の電極の外側
7、7A〜7C、27、27A〜27C 第3の電極
8、8A〜8C、28、28A〜28C 第4の電極
9 第1の筐体
10 第2の筐体
40 調整部
60 保持部
P 固定子の中心
P1 可動体の回転中心
X 放射方向
Y 直交方向
Z 軸線方向
Claims (5)
- 互いに絶縁され、その中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、導電部材からなる第1の電極を有する固定子と、
互いに絶縁され、その回転中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、エレクトレット材料からなる第2の電極を有する可動子とを有し、
前記固定子と前記可動子が対向して配置され、前記第1の電極に所定の電圧パターンを印加し、前記固定子と前記可動子との間の静電気によるクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機であって、
前記第2の電極の回転中心と同じ中心で環状に配置され、任意の極の電圧が印加される導電部材からなる第3の電極と、
前記第1の電極の中心と同じ中心で環状に配置され、かつ前記第3の電極に少なくてもその一部が対向するように配置され、前記第3の電極への電圧と同極の電圧が印加される導電部材からなる第4の電極とを有する静電電動機。 - 互いに絶縁され、その中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、導電部材からなる第1の電極を有する固定子と、
互いに絶縁され、その回転中心に対し放射する方向に延在し、周方向に間隔を設けて配置された、エレクトレット材料からなる第2の電極を有する可動子とを有し、
前記固定子と前記可動子が対向して配置され、前記第1の電極に所定の電圧パターンを印加し、前記固定子と前記可動子との間の静電気によるクーロン力で前記可動子を回転させる静電電動機であって、
前記第2の電極の回転中心と同じ中心で環状に配置され、任意の極に帯電されたエレクトレット材料からなる第3の電極と、
前記第1の電極の中心と同じ中心で環状に配置され、かつ前記第3の電極に少なくてもその一部が対向するように配置され、第3の電極と同極に帯電されたエレクトレット材料からなる第4の電極とを有する静電電動機 - 請求項1又は2に記載の静電電動機において、
前記第3の電極は、前記第2の電極の放射方向における内側あるいは外側の少なくとも一方に配置され、
前記第4の電極は、前記第1の電極の放射方向における内側あるいは外側の少なくとも一方に配置され、かつ、前記第3の電極と、少なくともその一部が対向するように配置されている静電電動機。 - 請求項1、2又は3に記載の静電電動機において、
前記可動子の回転中心に対し直交する方向の同一平面内において、当該直交する方向に、前記第1の電極と前記第4の電極の位置を調整する調整部を有する静電電動機。 - 請求項1、2又は3に記載の静電電動機において、
前記可動子の回転中心に対し直交する方向の同一平面内において、当該直交する方向に、前記第1の電極と前記第4の電極の位置を移動可能に保持する保持部を有する静電電動機。
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