JP2008125231A - 慣性駆動アクチュエータ - Google Patents

慣性駆動アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP2008125231A
JP2008125231A JP2006305726A JP2006305726A JP2008125231A JP 2008125231 A JP2008125231 A JP 2008125231A JP 2006305726 A JP2006305726 A JP 2006305726A JP 2006305726 A JP2006305726 A JP 2006305726A JP 2008125231 A JP2008125231 A JP 2008125231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
moving body
drive actuator
vibration substrate
elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006305726A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Matsuki
薫 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2006305726A priority Critical patent/JP2008125231A/ja
Publication of JP2008125231A publication Critical patent/JP2008125231A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】組み立てが簡単かつ位置検出精度が高い慣性駆動アクチエータを提供する。
【解決手段】慣性駆動アクチュエータは、固定部材10と、固定部材10上に配置された振動基板30と、振動基板30上に配置された移動体40と、固定部材10に対して振動基板30を往復移動させる圧電素子20とを有する。移動体40は第一電極41を、振動基板30は第二電極31を有し、第一電極41と第二電極31は絶縁膜35を介して対向する。第二電極31は駆動軸xに沿って配列された複数の電極要素31aからなり、第一電極41との対向部分の面積は移動体40の移動に伴って周期的に変化する。慣性駆動アクチュエータはさらに、第一電極41・第二電極31間に電圧を印加して振動基板30・移動体40間の摩擦力を制御する摩擦力制御手段70と、第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量に基づいて移動体40の位置を検出する位置検出手段80とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、慣性駆動アクチュエータに関する。
電気機械変換素子の一種である圧電素子に緩やかな立ち上り部とこれに続く急速な立ち下り部とを持つ波形の駆動パルスを印加すると、圧電素子は駆動パルスの緩やかな立ち上り部では緩やかに伸び変位を生じ、急速な立ち下り部では急速な縮み変位を生じる。この特性を利用した慣性駆動アクチエータが知られている。慣性駆動アクチエータでは、上記の波形の駆動パルスを圧電素子に印加して圧電素子に伸び縮み方向に速度の異なる振動を発生させ、圧電素子に固定された駆動部材を異なる速度で往復移動させることにより、駆動部材に摩擦結合した移動部材を所定の方向に移動させる。
特開2003−185406号公報は、移動部材の位置検出機能を有する慣性駆動アクチュエータを開示している。その慣性駆動アクチュエータを図10に示す。この慣性駆動アクチュエータ100では、アクチエータのフレーム110に圧電素子120の一端が接着等の手段により固定されている。圧電素子120の他端には駆動軸130が接着等の手段により固定されている。駆動軸130には移動部材140が摩擦結合している。検出部材150は、移動部材140の位置を静電容量に基づいて検出するための固定電極を構成するもので、移動部材140の移動方向に平行に、移動部材140に対して非接触の状態を保って延びており、フレーム110に固定されている。駆動軸130と移動部材140と検出部材150は導電性の材料で構成されている。検出部材150は移動部材140に対向する面に、移動部材140の移動方向に一定の間隔で凹凸部が形成されて電極151を構成しており、電極151と移動部材140とは間隔Dを隔てて対向してコンデンサを形成している。
特開2003−185406号公報
上記の慣性駆動アクチュエータ100では、組み立ての際、駆動軸130と検出部材150を許容範囲の間隔及び平行度に保って組み立てる必要がある。静電容量を利用した位置検出において、コンデンサを形成する電極間の間隔の変化(空間的ばらつきや時間的変動)は検出精度を低下させる可能性があるためである。
しかしながら、上記の慣性駆動アクチュエータ100では、駆動軸130と検出部材150が別体として配置されるため、各々の軸を考慮しつつ上記間隔及び平行度を精度よく配置することは難しく、このような要求は組み立て時の作業効率を低下させる要因となっていた。
本発明は、この様な実状を考慮して成されたものであり、その目的は、組み立てが簡単かつ位置検出精度が高い慣性駆動アクチエータを提供することである。
本発明による慣性駆動アクチュエータは、固定部材と、前記固定部材上に配置された振動基板と、前記固定部材に対して前記振動基板を直線的に往復移動させる移動手段と、前記振動基板上に配置された、前記振動基板の往復移動に対して慣性により前記振動基板に対して移動する移動体と、前記振動基板と対向する前記移動体の面に設けられた、少なくとも一つの第一電極要素からなる第一電極と、前記移動体と対向する前記振動基板の面に設けられた、前記移動体の移動方向に平行な駆動軸に沿って配列された複数の第二電極要素からなる、前記第一電極との対向部分の面積が前記移動体の移動に伴って周期的に変化する第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に介在する絶縁膜と、前記第一電極と前記第二電極との間に電圧を印加して両者間に静電気力を作用させることにより前記振動基板と前記移動体との間に生じる摩擦力を制御する摩擦力制御手段と、前記第一電極と前記第二電極の対向部分の静電容量に基づいて前記振動基板に対する前記移動体の位置を検出する位置検出手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、組み立てが簡単かつ位置検出精度が高い慣性駆動アクチエータが提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態による慣性駆動アクチュエータの構成を図1に示す。
図1に示すように、慣性駆動アクチュエータは、固定部材10と、固定部材10上に配置された振動基板30と、振動基板30上に配置された移動体40と、伸縮により微小変位を発生して固定部材10に対して振動基板30を直線的に往復移動させる圧電素子20と、圧電素子20を伸縮駆動する圧電素子駆動手段60とを備えている。
圧電素子20は一端が固定部材10に固定され、他端は振動基板30の一端に固定されている。また、振動基板30の他端と固定部材10との間にはバネが配置されている。振動基板30は、圧電素子20の伸縮に伴い、その伸縮方向に固定部材10に対して往復移動する。また移動体40は、振動基板30の往復移動に伴い、慣性により往復移動方向に振動基板30に対して移動する。
移動体40は振動基板30と対向する面に第一電極41を有している。第一電極41は移動体40の全体に広がっている。振動基板30は移動体40と対向する面に第二電極31を有している。さらに振動基板30は第二電極31を覆う絶縁膜35を有している。絶縁膜35は第一電極41と第二電極31との間に介在する。第一電極41と第二電極31は絶縁膜35を介して常に部分的に対向する。第二電極31は、移動体40の移動方向に平行な駆動軸xに沿って配列された複数の電極要素31aから構成されている。これらの電極要素31aは互いに電気的に接続されている。これらの電極要素31aは同じ形状をしており、具体的には、電極要素31aはいずれも駆動軸xに垂直に延びている長方形形状をしている。これらの電極要素31aは、電極幅すなわち駆動軸xに沿った寸法が等しく、一定のピッチで配列されている。駆動軸xに沿った第一電極41の寸法は、電極要素31aの配列ピッチの整数倍と、電極要素31aの電極幅(駆動軸xに沿った寸法)との和に等しい。第一電極41と第二電極31の対向部分の面積は振動基板30に対する移動体40の移動に伴って周期的に変化する。
固定部材10の下面すなわち振動基板30が配置されている反対側に永久磁石50が配置されている。永久磁石50は駆動軸xに沿って延びている。また移動体40は磁性を有する材料で構成されている。このため移動体40と永久磁石50との間に磁気吸着力が働き、この磁気吸着力によって移動体40は安定に保持される。また移動体40は、図示しないガイドによって、移動方向からはずれないように、また振動基板30から離れないように支持されている。
慣性駆動アクチュエータはさらに、第一電極41と第二電極31との間に電圧を印加して両者間に静電気力を作用させることにより振動基板30と移動体40との間に生じる摩擦力を制御する摩擦力制御手段70と、第一電極41と第二電極31の対向部分が形成するコンデンサの静電容量に基づいて振動基板30に対する移動体40の位置を検出する位置検出手段80とを備えている。位置検出手段80は位置検出回路81と信号発生回路82とを含んでいる。位置検出回路81は第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量を反映した信号を出力する。信号発生回路82は、移動体40の位置検出のために、第一電極41に正弦波形などの電圧を印加する。
本実施形態の慣性駆動アクチュエータにおける駆動と位置検出について図2を用いて説明する。図2は移動体40を左に移動させる動作におけるタイミングチャートを示している。移動体40を移動させた後に移動体40の位置を検出する。つまり、移動体40を移動させる工程と移動体40の位置を検出する工程とを別々に行う。
移動体40を移動させる工程では、圧電素子駆動手段60により圧電素子20に台形波形の電圧を印加する。また、摩擦力制御手段70により、第一電極41に矩形波形の電圧を印加するとともに、第二電極31に一定の電圧を印加する。圧電素子20は、台形波形の電圧印加に対して、台形波形の立ち上がりで伸び、台形波形の立ち下がりで縮む。圧電素子20の伸縮に対して振動基板30は固定部材10上を往復移動する。第一電極41に印加する矩形波形の電圧は、圧電素子20に印加する台形波形の電圧に対応した周期を有し、台形波形の立ち上がりで負の極性を取り、台形波形の立ち上がりで正の極性を取る。また第二電極31に印加する電圧は正の極性を有する。移動体40を移動させる一回の工程に対して、1パルス分の台形波形の電圧を圧電素子20に印加し、1パルス分の矩形波形の電圧を第一電極41に印加する。なお、圧電素子20に印加する電圧は台形波形に限定されるものではなく、三角波形や矩形波形などであってもよい。
AからBまでの区間では、圧電素子20への印加波形が急峻に立ち上がるため、圧電素子20が急激に伸び、これに伴い振動基板30は急激に左へ移動する。このとき、第一電極41への印加電圧と第二電極31への印加電圧は逆極性である。このため、振動基板30と移動体40との間に静電吸着力が作用するので、両者間に生じる摩擦力は比較的大きい。その結果、振動基板30と移動体40との間の摩擦力が移動体40の慣性に打ち勝ち、振動基板30の変位とともに移動体40も左へ移動する。
CからDまでの区間では、圧電素子20への印加波形が急峻に立ち下がるため、圧電素子20は急激に縮み、これに伴い振動基板30は急激に右へ移動する。このとき、第一電極41への印加電圧と第二電極31への印加電圧は同極性である。このため、振動基板30と移動体40との間に静電吸着力が作用しないので、両者間に生じる摩擦力は比較的小さい。その結果、移動体40の慣性が振動基板30と移動体40との間の摩擦力に打ち勝ち、移動体40はその位置にとどまる。
これらの一連の動作の結果、移動体40は振動基板30に対して左へ移動する。このときの移動の距離が移動体40の移動における単位となる。これで移動体40を移動させる工程が終了する。
ここでは、移動体40を左に移動させる動作を説明したが、移動体40を右に移動させるには、上述した一連の動作において、第一電極41への印加波形の極性を逆にすればよい。
次に、移動体40の位置を検出する工程では、圧電素子駆動手段60による圧電素子20への電圧印加と、摩擦力制御手段70による第一電極41と第二電極31への電圧印加とを停止する。また、信号発生回路82により第一電極41に正弦波形などの電圧を印加する。
移動体40の位置検出は、第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量を検出することにより行う。第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量はその面積に比例する。第一電極41と第二電極31の対向部分の面積は移動体40の移動に伴って周期的に変化する。従って、第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量の周期的変化を数えることによって、移動体40の移動量すなわち移動体40の位置が求まる。
位置検出回路81は、第一電極41への駆動信号の印加に対して第二電極31から出力される波形のピーク値を検出する。これは、第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量を反映している。さらに、その検出されたピーク値をしきい値と比較し、ピーク値がしきい値を上回った回数を数え、その回数に電極要素31aの配列ピッチを積算する。これにより、駆動開始後の移動体40の移動量が分かり、移動体40の位置が検出される。移動体40の移動方向は、圧電素子20の立ち上がり信号から第一電極41への印加電圧が立ち上がるまでの時間tを計測することによって判断できる。なお、移動体40の移動方向は、圧電素子20への印加波形の立ち上がり時における第一電極41と第二電極32への印加波形の極性または立ち下がり時における第一電極41と第二電極32への印加波形の極性からも判断できる。これで移動体40の位置を検出する工程が終了し、必要に応じて移動体40を移動させる工程に戻る。
本実施形態では、静電容量の変化の周期を数えることにより移動体40の位置を検出するので、出力値が多少変化しても、移動体40の位置を安定して検出できる。さらに、使用環境が整っていれば、静電容量の変化の周期を数えるとともに、その時々の容量値そのものから移動体40の位置をさらに詳しく検出することもできる。
静電容量を利用した位置検出において、コンデンサを形成する電極間の間隔の変化(空間的ばらつきや時間的変動)は検出精度を低下させる。しかし、本実施形態の慣性駆動アクチュエータでは、移動体40は振動基板30上に接して配置され、第一電極41と第二電極31は絶縁膜35を介して向かい合う。第一電極41と第二電極31の間隔は絶縁膜35の厚さによって規定される。絶縁膜35は好ましくは数μm〜サブμmの均一な膜厚を有する。このような絶縁膜35は絶縁膜35を半導体プロセスによって形成することにより容易に得られる。このため、第一電極41と第二電極31は数μm〜サブμmの狭い間隔に安定に維持される。従って、第一電極41と第二電極31の対向部分の静電容量が高い分解能で検出され、移動体40の位置が高い精度で検出される。
さらに、第二電極31は位置検出機能を兼ね備えているため、アクチュエータの小型化の際に振動基板30の面積を有効に活用することができる。
本実施形態の慣性駆動アクチュエータでは、圧電素子20を同じ速度で伸び縮みさせており、伸び変位時と縮み変位時とで圧電素子20の変位速度を変えないので、駆動波形が簡単である。
本実施形態では、移動体40を移動する工程と移動体40の位置を検出する工程とを時間的に分離して別々に行うので、駆動と位置検出が確実に行われる。また、第一電極41に矩形波形の電圧を印加するので、圧電素子20が伸びる際に、振動基板30と移動体40との間に安定した静電吸着力が作用する。このため移動体40の移動量のばらつきが少なく、移動体40が安定した一定距離の単位で移動される。
上述した説明では、移動体40を移動させる工程と移動体40の位置を検出する工程とを交互に繰り返しているが、これに限らず、移動体40を移動させる工程を複数回繰り返した後に移動体40の位置を検出する工程を行ってもよい。
[第一変形例]
本実施形態の第一変形例による慣性駆動アクチュエータの構成を図3に示す。図中、図1と同一の参照符号を付した部材は同様の部材を意味する。この変形例では、信号発生回路82を用いず、摩擦力制御手段70が信号発生回路82の役割を兼用する。つまり、移動体40の位置を検出する工程において、摩擦力制御手段70が位置検出のための信号S4を生成して第一電極41へ印加する。この変形例によれば、信号発生回路82がなくなり、構成が簡単になる。この変形例では、摩擦力制御手段70が位置検出手段の一部を兼ねていると言える。
[第二変形例]
図2において、第二電極31に印加する電圧は一定の電圧であり、その極性は変わらない。このため第二電極31の上に形成された絶縁膜35が帯電してしまう可能性がある。絶縁膜35の帯電が振動基板30と移動体40との間に作用する静電吸着力を弱め、移動体40の慣性に逆らって移動体40を振動基板30と一緒に移動させるに十分な摩擦力が振動基板30と移動体40との間に生じなくなるおそれがある。
本実施形態の第二変形例による慣性駆動アクチュエータの駆動と検出のタイミングチャートを図4に示す。この変形例では、図4に示すように、摩擦力制御手段70は、移動体40を移動させる工程のたびに、第二電極31に印加する電圧の極性を反転させるとともに、第一電極41に印加する矩形波形の電圧の極性を反転させる。このような電圧印加により、絶縁膜35の帯電が防止される。その結果、慣性駆動アクチュエータの駆動がさらに安定する。つまり、移動体40がさらに安定した一定距離の単位で移動される。
[第三変形例]
本実施形態の第三変形例による慣性駆動アクチュエータの構成を図5に示す。図中、図1と同一の参照符号を付した部材は同様の部材を意味する。この変形例では、図5に示すように、移動体40Aは導電性と磁性を有する材料で構成され、移動体40Aそのものがこれまでに説明した第一電極41として機能する。
この変形例では、移動体40Aは構成が簡単であり、小型化が容易である。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態による慣性駆動アクチュエータの構成を図6に示す。図中、図1と同一の参照符号を付した部材は同様の部材を意味する。
移動体40Bは振動基板30と対向する面に第一電極43を有している。第一電極43は、移動体40Bの移動方向に平行な駆動軸xに沿って配列された複数の電極要素43aから構成されている。これらの電極要素43aは同じ形状をしており、具体的には、電極要素43aはいずれも駆動軸xに垂直に延びている長方形形状をしている。これらの電極要素43aは、電極幅すなわち駆動軸xに沿った寸法が等しく、一定のピッチで配列されている。図7に示すように、電極要素43aの電極幅と配列ピッチは、それぞれ、電極要素31aの電極幅と配列ピッチに等しい。電極要素43aの配列ピッチはその電極幅の2倍に等しく、同様に、電極要素31aの配列ピッチはその電極幅の2倍に等しい。第一電極43と第二電極31は絶縁膜35を介して対向する。第一電極43と第二電極31の対向部分の面積は振動基板30に対する移動体40Bの移動に伴って周期的に変化する。第一電極43と第二電極31の対向部分の面積が最大のとき、電極要素43aが電極要素31aと完全に重なり合い、第一電極43と第二電極31の対向部分の面積が最小のとき、電極要素43aが電極要素31aから完全にずれる。すなわち、第一電極43と第二電極31の対向部分の面積は最大で電極要素43aの面積の総和に等しく、最小で0である。
本実施形態では、第一電極43が駆動軸xに沿って配列された複数の電極要素43aから構成されているので、静電容量の変化を高いS/Nで検出でき、移動体40Bの位置検出の精度が向上する。さらに、電極要素43aの電極幅と配列ピッチがそれぞれ電極要素31aの電極幅と配列ピッチに等しく、電極要素43aの配列ピッチはその電極幅の2倍である。これは静電容量の変化量を最大にするため、移動体40Bの位置検出の精度が最適に向上する。
電極要素43aの電極幅と配列ピッチおよび電極要素31aの電極幅と配列ピッチは、上述した関係を満たしていることが望ましいが、必ずしもその関係を満たしている必要はなく、第一電極43と第二電極31の対向部分の面積が移動体40Bの移動に伴って周期的に変化する関係を満たしていればよい。例えば、電極要素43aの配列ピッチは電極要素31aの配列ピッチの整数倍であればよい。また、電極要素43aの配列ピッチがその電極幅の2倍に等しく、かつ電極要素31aの配列ピッチがその電極幅の2倍に等しい関係にあるときは、電極要素43aの電極幅は、電極要素31aの配列ピッチの整数倍であればよい。
[第一変形例]
本実施形態の第一変形例による慣性駆動アクチュエータの構成を図8に示す。図中、図1と同一の参照符号を付した部材は同様の部材を意味する。この変形例では、図8に示すように、移動体40Cは導電性と磁性を有する材料で構成されている。移動体40Cは、振動基板30と対向する面に、駆動軸xに沿って配列された複数の凸部45aを有している。これらの凸部45aが上述した電極要素43aとして機能する。つまり、これらの凸部45aは第一電極43を構成している。これらの凸部45aは同じ形状をしており、具体的には、凸部45aはいずれも駆動軸xに垂直に延びている長方形形状をしている。これらの凸部45aは、電極幅すなわち駆動軸xに沿った寸法が等しく、一定のピッチで配列されている。図9に示すように、凸部45aの電極幅と配列ピッチは、それぞれ、電極要素31aの電極幅と配列ピッチに等しい。凸部45aの配列ピッチはその電極幅の2倍に等しく、同様に、電極要素31aの配列ピッチはその電極幅の2倍に等しい。凸部45aと電極要素31aは絶縁膜35を介して対向する。凸部45aと電極要素31aの対向部分の面積は振動基板30に対する移動体40Cの移動に伴って周期的に変化する。第一電極43と第二電極31の対向部分の面積は最大で凸部45aの面積の総和に等しく、最小で0である。
本実施形態では、第一電極43が、駆動軸xに沿って配列された複数の凸部45aから構成されているので、静電容量の変化を高いS/Nで検出でき、移動体40Cの位置検出の精度が向上する。移動体40Cは構成が簡単であり、小型化が容易である。さらに、凸部45aの電極幅と配列ピッチがそれぞれ電極要素31aの電極幅と配列ピッチに等しく、凸部45aはその電極幅の2倍である。これは静電容量の変化量を最大にするため、移動体40Cの位置検出の精度が最適に向上する。
凸部45aの電極幅と配列ピッチおよび電極要素31aの電極幅と配列ピッチは、上述した関係を満たしていることが望ましいが、必ずしもその関係を満たしている必要はなく、凸部45aと第二電極31の対向部分の面積が移動体40Cの移動に伴って周期的に変化する関係を満たしていればよい。例えば、凸部45aの配列ピッチは電極要素31aの配列ピッチの整数倍であればよい。また、凸部45aの配列ピッチがその電極幅の2倍に等しく、かつ電極要素31aの配列ピッチがその電極幅の2倍に等しい関係にあるときは、凸部45aの電極幅は、電極要素31aの配列ピッチの整数倍であればよい。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態による慣性駆動アクチュエータの構成を図10に示す。図中、図1と同一の参照符号を付した部材は同様の部材を意味する。また本実施形態の慣性駆動アクチュエータにおける駆動と検出のタイミングチャートを図11に示す。
本実施形態では、振動基板30は移動体40と対向する面に第二電極32を有している。絶縁膜35は第二電極32を覆っている。第二電極32は、移動体40の移動方向に平行な駆動軸xに沿って配列された複数の電極要素32a,32bから構成されている。これらの電極要素32a,32bは同じ形状をしており、具体的には、電極要素32a,32bはいずれも駆動軸xに垂直に延びている長方形形状をしている。これらの電極要素32a,32bは、電極幅すなわち駆動軸xに沿った寸法が等しく、一定のピッチで配列されている。駆動軸xに沿った第一電極41の寸法は、電極要素32a,32bの配列ピッチの整数倍と、電極要素32a,32bの電極幅(駆動軸xに沿った寸法)との和に等しい。第一電極41と第二電極32の対向部分の面積は振動基板30に対する移動体40の移動に伴って周期的に変化する。電極要素32a,32bは第一グループの電極要素32aと第二グループの電極要素32bとからなる。電極要素32aと電極要素32bは駆動軸xに沿って交互に並んでいる。電極要素32aは互いに電気的に接続され、電極要素32bは互いに電気的に接続されている。
位置検出手段80は信号発生回路82とカウンタ83とを含んでいる。カウンタ83は、第一電極41と電極要素32aの対向部分の静電容量と、第一電極41と電極要素32bの対向部分の静電容量とを比較した信号を出力する。
本実施形態の慣性駆動アクチュエータの駆動の手法は実質的に第一実施形態と同じである。
移動体40が図10に示す位置から左に移動する場合を考える。移動体40が電極要素32a,32bの1配列ピッチを移動する間、第一電極41と電極要素32bの対向部分の面積は変化しない。そのあいだ、第一電極41と電極要素32aの対向部分の面積は、1配列ピッチの半分を移動する間は減少し、次の1配列ピッチの半分を移動する間は増加する。続いて、次の1配列ピッチを移動する間、今度は反対に、第一電極41と電極要素32aの対向部分の面積は変化しない。そのあいだ、第一電極41と電極要素32bの対向部分の面積は、1配列ピッチの半分を移動する間は減少し、次の1配列ピッチの半分を移動する間は増加する。
このため、図11に示すように、電極要素32aからの出力が一定値(最大値)の間に、電極要素32bからの出力が減少・増加する。また、電極要素32bからの出力が一定値(最大値)の間に、電極要素32bからの出力が減少・増加する。
カウンタ83は、電極要素32aからの出力のピーク値と電極要素32bからの出力のピーク値の差分を出力する。これは、第一電極43と電極要素32aの対向部分の静電容量と第一電極43と電極要素32bの対向部分の静電容量との差分に相当する。さらに、カウンタ83の出力をしきい値と比較し、カウンタ83の出力がしきい値を上回った回数を数え、その回数に電極要素32a,32bの配列ピッチを積算する。これにより、駆動開始後の移動体40の移動量が分かり、移動体40の位置が検出される。
本実施形態では、第一電極43と電極要素32aの対向部分の静電容量と第一電極43と電極要素32bの対向部分の静電容量との差分を取ることにより、静電容量の変化量のみを抽出しているので、静電容量の変化が顕著となり、移動体40の位置がさらに高い精度で検出される。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
本発明の第一実施形態による慣性駆動アクチュエータの構成を示している。 図1の慣性駆動アクチュエータにおける駆動と位置検出のタイミングチャートを示している。 第一実施形態の第一変形例による慣性駆動アクチュエータの構成を示している。 第一実施形態の第二変形例による慣性駆動アクチュエータにおける駆動と位置検出のタイミングチャートを示している。 第一実施形態の第三変形例による慣性駆動アクチュエータの構成を示している。 本発明の第二実施形態による慣性駆動アクチュエータの構成を示している。 図6の慣性駆動アクチュエータにおける第一電極と第二電極の拡大断面を示している。 第二実施形態の第一変形例による慣性駆動アクチュエータの構成を示している。 図8の慣性駆動アクチュエータにおける第一電極と第二電極の拡大断面を示している。 本発明の第三実施形態による慣性駆動アクチュエータの構成を示している。 図10の慣性駆動アクチュエータにおける駆動と位置検出のタイミングチャートを示している。 従来の位置検出機能を有する慣性駆動アクチュエータの構成を示している。
符号の説明
10…固定部材、20…圧電素子、30…振動基板、31…第二電極、31a…電極要素、32…第二電極、32a,32b…電極要素、35…絶縁膜、40,40A,40B,40C…移動体、41,43…第一電極、43a…電極要素、45a…凸部、50…永久磁石、60…圧電素子駆動手段、70…摩擦力制御手段、80…位置検出手段、81…位置検出回路、82…信号発生回路、83…カウンタ。

Claims (12)

  1. 固定部材と、
    前記固定部材上に配置された振動基板と、
    前記固定部材に対して前記振動基板を直線的に往復移動させる移動手段と、
    前記振動基板上に配置された、前記振動基板の往復移動に対して慣性により前記振動基板に対して移動する移動体と、
    前記振動基板と対向する前記移動体の面に設けられた、少なくとも一つの第一電極要素からなる第一電極と、
    前記移動体と対向する前記振動基板の面に設けられた、前記移動体の移動方向に平行な駆動軸に沿って配列された複数の第二電極要素からなる、前記第一電極との対向部分の面積が前記移動体の移動に伴って周期的に変化する第二電極と、
    前記第一電極と前記第二電極との間に介在する絶縁膜と、
    前記第一電極と前記第二電極との間に電圧を印加して両者間に静電気力を作用させることにより前記振動基板と前記移動体との間に生じる摩擦力を制御する摩擦力制御手段と、
    前記第一電極と前記第二電極の対向部分の静電容量に基づいて前記振動基板に対する前記移動体の位置を検出する位置検出手段とを備えていることを特徴とする慣性駆動アクチュエータ。
  2. 前記第二電極要素は前記駆動軸に沿った寸法が等しく一定のピッチで配列されており、前記駆動軸に沿った前記第一電極の寸法は、前記第二電極要素の配列のピッチの整数倍と前記駆動軸に沿った前記第二電極要素の寸法との和に等しいこと特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  3. 前記摩擦力制御手段は、前記位置検出手段が前記移動体の位置を検出する間、前記第一電極と前記第二電極との間への電圧の印加を停止すること特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  4. 前記摩擦力制御手段は、前記位置検出手段が前記移動体の位置を検出する間、前記第一の駆動電極へ位置検出のための電圧を印加するとともに、前記第二電極への電圧の印加を停止すること特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  5. 前記摩擦力制御手段は、前記第一電極と前記第二電極の一方に印加する電圧の極性を変化させることを特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  6. 前記移動体が導電体からなり、前記移動体そのものが前記第一電極として機能することを特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  7. 前記第一電極は、前記駆動軸に沿って配列された複数の第一電極要素からなることを特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  8. 前記第一電極要素は前記駆動軸に沿った寸法が等しく一定のピッチで配列されており、前記第二電極要素は前記駆動軸に沿った寸法が等しく一定のピッチで配列されており、前記第一電極要素の前記寸法と前記ピッチがそれぞれ前記第二電極要素の前記寸法と前記ピッチに等しいことを特徴とする請求項7に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  9. 前記移動体は導電体からなり、前記振動基板と対向する面に前記駆動軸に沿って配列された複数の凸部を有し、前記凸部が前記第一電極要素として機能することを特徴とする請求項7に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  10. 前記凸部は前記駆動軸に沿った寸法が等しく一定のピッチで配列されており、前記第二電極要素は前記駆動軸に沿った寸法が等しく一定のピッチで配列されており、前記凸部の前記寸法と前記ピッチがそれぞれ前記第二電極要素の前記寸法と前記ピッチに等しいことを特徴とする請求項9に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  11. 前記第二電極要素は第一グループの電極要素と第二グループの電極要素とからなり、第一グループの電極要素と第二グループの電極要素が前記駆動軸に沿って交互に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の慣性駆動アクチュエータ。
  12. 前記位置検出手段は、前記第一電極要素と第一グループの電極要素との対向部分の静電容量と、前記第一電極要素と第二グループの電極要素との対向部分の静電容量とを比較することにより、前記移動体の位置を検出することを特徴とする請求項11に記載の慣性駆動アクチュエータ。
JP2006305726A 2006-11-10 2006-11-10 慣性駆動アクチュエータ Withdrawn JP2008125231A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006305726A JP2008125231A (ja) 2006-11-10 2006-11-10 慣性駆動アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006305726A JP2008125231A (ja) 2006-11-10 2006-11-10 慣性駆動アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008125231A true JP2008125231A (ja) 2008-05-29

Family

ID=39509431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006305726A Withdrawn JP2008125231A (ja) 2006-11-10 2006-11-10 慣性駆動アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008125231A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009296797A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Olympus Corp 慣性駆動アクチュエータ
JP2009296794A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Olympus Corp 慣性駆動アクチュエータ
WO2010023766A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 パイオニア株式会社 変位センサ
WO2010023767A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 パイオニア株式会社 変位センサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009296797A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Olympus Corp 慣性駆動アクチュエータ
JP2009296794A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Olympus Corp 慣性駆動アクチュエータ
WO2010023766A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 パイオニア株式会社 変位センサ
WO2010023767A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 パイオニア株式会社 変位センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5230926B2 (ja) 慣性駆動アクチュエータ
JP2008125229A (ja) 慣性駆動アクチュエータ
EP2117057B1 (en) Inertial drive actuator
US7737606B2 (en) Inertial drive actuator
US7535661B2 (en) Inertial drive actuator
US7733587B2 (en) Position detecting device capable of improving detection accuracy
JP2003185406A (ja) 位置検出装置
JP3529761B2 (ja) 静電アクチュエータ及びその駆動方法
JP5185640B2 (ja) 慣性駆動アクチュエータ
US7738210B2 (en) Position control method of inertial drive actuator and inertial drive actuator
US7759634B2 (en) Position detecting device capable of improving detection accuracy
JP2008125231A (ja) 慣性駆動アクチュエータ
JP2008125232A (ja) 慣性駆動アクチュエータ
US8217598B2 (en) Method of driving vibration wave motor and device for driving the same
JP2009189132A (ja) 慣性駆動アクチュエータ
JP6305026B2 (ja) 振動型駆動装置およびこれを用いた動作装置
US20210399654A1 (en) Vibration driving device, apparatus equipped with vibration driving device, control device and control method for vibration actuator
JP3822596B2 (ja) 静電アクチュエータ及びその駆動方法
JPH11231198A (ja) 駆動装置
JP3822597B2 (ja) 静電アクチュエータ及びその駆動方法
JPS63287376A (ja) 振動波モータ
JP2005102368A (ja) 駆動装置
JP2005269714A (ja) アクチュエータ及びその駆動方法
KR20080010238A (ko) 압전 선형 초음파 모터

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100202