JP6305026B2 - 振動型駆動装置およびこれを用いた動作装置 - Google Patents

振動型駆動装置およびこれを用いた動作装置 Download PDF

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Description

本発明は、電気−機械エネルギ変換素子により励起された振動により被駆動部材を駆動する振動型駆動装置に関する。
光学機器におけるレンズ駆動や他の動作装置における被駆動部材に駆動力を与える駆動源として、上記のような振動型駆動装置(以下、振動型モータともいう)が採用されている。
特許文献1にて開示された振動型モータは、1つの接触部材(摩擦部材)に対して複数の振動子が設けられている。それぞれの振動子は所定の間隔をあけて配置され、該1つの接触部材に圧接する。各振動子に周期信号としての駆動信号を印加して振動子に振動が励起されると、振動子のうち接触部材と接している部分に楕円運動が生じ、これにより、接触部材が駆動される。
このとき、振動子ごとに位相をずらした駆動信号を生成することにより、駆動中も必ず1つの振動子は停止しており、その振動子と接触部材とが摩擦接触した状態を保つことが可能となる。このため、外乱の影響を受けても接触部材が不用意に動くことがなく、速度むらが少ない安定した駆動が可能となる
特開2012−120300号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された振動型モータでは、複数の振動子のうち必ず1つが停止して接触部材と摩擦接触した状態となるように制御されているため、停止している振動子には駆動方向と逆方向の摩擦力が働き、これが大きな負荷となる。特に負荷が大きい起動時においては、特許文献1にて開示された制御を行うと、起動時間に多大な時間を要する。また、常に1つの振動子が停止した状態で駆動を行うため、停止している振動子には摩擦が生じ、摩耗によって耐久性能が低下する。
本発明は、複数の振動子で1つの接触部材を駆動する場合に、安定した駆動が行えるようにした振動型駆動装置を提供する。
本発明の一側面としての振動型駆動装置は、それぞれ電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される弾性体を有する複数の振動子と、該複数の振動子と接触する接触部材と、該複数の振動子の電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに周期信号としての駆動信号を印加する駆動手段とを有する。そして、駆動手段は、複数の振動子と接触部材とが相対移動するように複数の振動子のそれぞれに楕円運動を生じさせて振動型駆動装置を駆動する際に、複数の振動子が楕円運動において接触部材に接触するタイミングを互いに同じにする第1の駆動モードと、複数の振動子が楕円運動において接触部材に接触するタイミングを互いに異ならせる第2の駆動モードとで駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加すること特徴とする。
また、上記振動型駆動装置と、接触部材としての又は該接触部材から駆動力が伝達される被駆動部材とを有する動作装置も、本発明の他の一側面を構成する。さらに、上記のような駆動信号の制御をコンピュータに行わせる制御プログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、起動時や駆動中に適した駆動モードを設定することができ、振動型駆動装置の安定した駆動を行うことができる。
本発明の実施例である振動型モータの正面図。 図1におけるA−A断面図。 実施例の振動型モータの弾性体の拡大斜視図。 実施例の振動型モータの駆動制御部の構成を示すブロック図。 実施例の振動型モータの加減速駆動の例を示すグラフ。 実施例の振動型モータの第1の駆動モードにおける駆動信号のタイミングチャート。 実施例の振動型モータの第2の駆動モードにおける駆動信号のタイミングチャート。 実施例の振動型モータの楕円運動を説明する図。 実施例の振動型モータの制御フローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1および図2には、本発明の実施例である振動型モータ(振動型駆動装置)におけるモータ部の構成を示す。図1には、モータ部を、後述する振動子における接触部材との接触面に正対する方向から見て示している。ただし、図1では接触部材の図示を省略している。また、図2は図1のモータ部をA−A線に沿って切断したときの断面を示す。
本実施例の振動型モータは、カメラ用のレンズ鏡筒におけるレンズ駆動用アクチュエータとして好適な回転駆動タイプのモータ部を有する。ただし、本実施例にて説明する振動型モータの駆動方法は、回転駆動タイプに限らず、リニア駆動タイプ等、他の駆動タイプのモータ部を有する振動型モータにも適用することができる。
これらの図において、101は接触部材(または摩擦部材)としてのロータであり、後述するリング部材107と図1の方向から見て重なるようなリング形状を有する。ロータ101のリング状の面は、振動子(の弾性体)が摩擦接触する被接触面101aである。102は被接触面101aに摩擦接触し、かつ接触方向に加圧される弾性体である。103は弾性体102に接着等によって圧着された電気−機械エネルギ変換素子としての圧電素子である。なお、弾性体102と圧電素子103とにより振動子104が構成される。そして、本実施例では、モータ部がこのような振動子104を複数(3つ)有し、これら3つの振動子104にて発生した楕円運動により1つのロータ101を回転駆動する。
なお、本実施例では、3つの振動子104を設ける場合について説明するが、振動子104の数は2つでもよく、また4つ以上であってもよい。
105は保持部材であり、振動子104を後述するリング部材107に対して保持する薄板状の部材である。保持部材105は、振動子104の両端に設けられ、ビス106によって後述するリング部材107に固定される。なお、弾性体102と保持部材105は溶接等によって固定される。
リング部材107は、保持部材105、加圧軸108および板バネ109等を保持するモータ部のベースとなる部材である。加圧軸108は、リング部材107に形成された穴部内に配置され、振動子104をロータ101(被接触面101a)に押し付ける方向およびその反対方向にのみ移動可能に保持されている。加圧軸108における一端は、振動子104に当接し、他端は板バネ109に当接している。板バネ109は、その両端部が2本のビス110にてリング部材107に固定され、その弾性力によって加圧軸108を押す。これにより、振動子104をロータ101に押し付ける加圧力が発生する。
このように構成されたモータ部において、後述する駆動制御部から圧電素子103に周期信号(交番信号)としての駆動信号を印加(供給)する。これにより、弾性体102に振動を励起し、弾性体102のうち被接触面101aと接触する接触面に図2に矢印Bで示すような楕円運動を発生させることができる。この楕円運動によってロータ101が回転駆動される。
なお、実際のレンズ鏡筒等の動作装置に組み込まれる際には、ロータ101から駆動力伝達部材を介して又は直接、該動作装置を構成する被駆動部材に駆動力が伝達される。レンズ鏡筒においては、被駆動部材としてはフォーカスレンズ、ズームレンズ、回転筒(カム筒)等がある。また、ロータ101自体が被駆動部材として動作装置の一部を構成する場合もある。
図3には、弾性体102を拡大して示している。弾性体102の中央の平板部102aには、互いに離間した2つ突起部102bが形成されている。これら2つの突起部102の上端面、すなわちロータ101の被接触面101aに接触する接触面は、平板部102aから同一の高さを有する面である。また、これら接触面は、被接触面101aとの良好な接触状態を確保するため、製造時には研磨処理により均一な面に仕上げられる。
一方、平板部102aの裏面側には、図2に示した圧電素子103が接着等により圧着されている。圧電素子103は、複数の圧電素子膜を積層して一体化したものである。圧電素子103には、これに接合されたフレキシブルプリント基板(図示せず)を介して互いに位相が異なる2相の駆動信号(周期信号)が印加され、弾性体102に2つのモードの振動を励起する。このとき2つの駆動信号の位相が所定の位相差を持つように設定することで、弾性体102の突起部102bには、図3に矢印Cで示すようなXY面内での楕円運動が発生する。この楕円運動を図1に示すようにロータ101の周方向3か所に配置された振動子104で発生させ、ロータ101の接触面101aに対して摩擦によって駆動力として伝達することで、ロータ101を回転駆動させることが可能となる。
弾性体102の両端には、保持部材105が固定される接合部102cが形成されている。そして、弾性体102は、保持部材105にこの接合部102cにおいて溶接や接着等により固定される。各接合部102cと平板部102aとの間にはこれら接合部102cと平板部102aよりも細い形状を有する腕部102dが形成され、この腕部102dを介して振動子104が保持部材105に固定される。このとき、接合部102cは振動の節部となる。以上のような構成により、モータ部が構成される。
次に、本実施例の振動型モータにおける駆動制御部(駆動手段)の構成について、図4を用いて説明する。図4には、レンズ鏡筒に本実施例の振動型モーを組み込んだ場合の構成例を示している。201は被駆動部材としてのレンズであり、ロータ101から駆動力伝達機構200を介して駆動力を受ける。ロータ101は、先にも説明したように圧電素子103が固定された弾性体102、すなわち振動子104と加圧状態にて摩擦接触している。この状態で、後述する駆動回路205により振動子104(圧電素子103)に対して駆動信号が印加されると、前述した原理によってロータ101が駆動され、レンズ201が光軸方向に移動する。
202は位置検出センサであり、ロータ101の駆動力によって移動するレンズ201の位置を検出する。位置検出センサ202としては、レンズ201とともに移動する光学スケールと、レンズ鏡筒の固定部分に取り付けられたフォトリフレクタとにより構成される光学式位置検出センサを用いることができる。フォトリフレクタによって光学スケールに形成されたパターンを光学的に検出することで、レンズ201の位置や移動量を検出することができる。また、所定ピッチで着磁された磁気パターンをレンズ201とともに移動させ、それによる磁気変化を磁気抵抗素子により電気信号に変換することで位置や移動量を検出する磁気式位置検出センサを用いてもよい。その他、HighとLowの繰り返しパターンを異なる位相で複数出力するパルスエンコーダ等を用いてもよい。
203は駆動信号の位相(および2相の位相差)、周波数、デューティー比等を設定する駆動条件設定部である。駆動条件設定部203は、位置検出センサ202によって検出される位置情報に基づいて、後述する駆動信号生成部204で生成する駆動信号の位相(および2相の位相差)、周波数、デューティー比等の駆動条件を決定する。
駆動信号生成部204は、駆動条件設定部203にて決定された駆動条件に従って2相の駆動信号を生成する。本実施例では、駆動信号生成部204は、パルス周期信号としての駆動信号を生成する。駆動信号生成部204で生成された2相の駆動信号は駆動回路205に出力される。
駆動回路205は、駆動信号生成部204から入力された駆動信号に対して、圧電素子103を駆動するのに適した電圧値を持つように電圧増幅を行う。そして、駆動回路205は、3つの振動子104(圧電素子103)に増幅した後の2相の駆動信号を印加して、各振動子104に振動(楕円運動)を発生させ、モータ部を駆動する。以下の説明において、振動子104に振動を発生させてモータ部を駆動することを、振動子104を駆動するという。
そして、位置検出センサ202により検出される位置情報がレンズ201の目標位置に一致するように駆動条件設定部203での駆動条件の決定、駆動信号生成部204での駆動信号の生成および駆動回路205による増幅印加が行われる。これにより、レンズ201を目標位置に移動させることができる。
本実施例では、駆動条件設定部203は、3つの振動子104のそれぞれの圧電素子103に印加する駆動信号間の位相の関係を変化させるよう制御することができる。具体的には、3つの振動子104に対して印加する駆動信号間の位相の関係を同位相とする第1の駆動モード(第1の駆動状態)と、該位相の関係を互いに異なる位相となるようにする第2の駆動モード(第2の駆動状態)とに切り替えることができる。ここにいう「駆動信号」とは、1つの振動子104に印加される2相駆動信号をまとめて表現したものである。
以下、第1および第2の駆動モードおよびそれらの切り替え制御の具体例について説明する。図5には、図4におけるロータ101(レンズ201)の駆動時の加減速制御の例を示す。図5の横軸tは経過時間を示し、縦軸vはロータ101の回転速度(レンズ201の移動速度)を示す。また、図9には、図5に示した加減速制御をコンピュータとしての駆動条件設定部203が行う場合に用いる制御プログラム(コンピュータプログラム)をフローチャートで示している。
本実施例では、駆動条件設定部203は、ステップS101にてロータ101の駆動を時間t=0から駆動を開始し(すなわち振動型モータを起動し)、駆動信号の周波数をスイープさせながら徐々に加速していく。このとき、起動開始(t=0)からDで示す起動区間(起動時)では第1の駆動モードを用いる。
そして、ステップS102にて速度が第1の所定速度v1に達したと判定すると、ステップS103にて加速度を増加させる。このとき、速度が第1の所定速度v1に達した以降のEで示す駆動区間(駆動中)では第2の駆動モードを用いる(第2の駆動モードに切り替える)。ステップS104にて速度が第2の所定速度v2に達したと判定すると、ステップS105にて速度v2での定速駆動を行い、レンズ201の目標位置に近づいたと判定すると(ステップS106)、減速し始める(ステップS107)。そして、目標位置に達したと判定すると(ステップS108)、駆動を停止させる。
第1の駆動モードでは、3つの振動子104に対して印加される駆動信号の位相関係が同位相であるので、これら3つの振動子104の楕円運動も同位相で発生する。このため、それぞれ楕円運動する3つの弾性体102が同時にロータ101に駆動力を与えるので、駆動負荷の大きい起動時においてより素早くロータ101を加速することができる。
一方、第2の駆動モードでは、3つの振動子104に対して印加される駆動信号の位相関係が互いに異なる位相であるので、3つの振動子104の楕円運動も異なる位相で発生する。このため、それぞれ楕円運動する3つの弾性体102は互いに異なるタイミングでロータ101に駆動力を与える。言い換えれば、3つの振動子104がロータ101に接触している時間は第1の駆動モードの3倍となる。したがって、第1の駆動モードに比べて、駆動力は小さいが、外乱に強く速度むらが生じ難い駆動が可能となる。
このように、少なくとも起動時(D区間)において3つの振動子104に対して印加される駆動信号の位相関係を同位相とし、その後の駆動中(E区間)においては該位相関係を異なる位相とすることで、起動性が良く、速度むらが少ない安定した駆動が可能となる。
次に、第1の駆動モードと第2の駆動モードを駆動信号を用いて説明する。図6には、第1の駆動モードにおいて3つの振動子104にそれぞれ印加される2相の駆動信号の関係を示している。ここでは、3つの振動子104をそれぞれ、第1の振動子、第2の振動子、第3の振動子とする。第1の振動子の2相の駆動信号をA1とB1で示す。第2の振動子の2相の駆動信号をA2とB2で示す。第3の振動子の2相の駆動信号をA3とB3で示す。
駆動信号A1,B1,A2,B2,A3,B3は、パルス周期が同一であり、この周期は駆動条件設定部203が設定した周波数に対応する。また、2相の駆動信号A1,B1間、2相の駆動信号A2,B2間、2相の駆動信号A3,B3間の位相差はすべてΦABであり、これも駆動条件設定部203が設定した位相差である。なお、図6では、駆動信号の1周期を360度として、位相差ΦABを約90度、すなわち約1/4周期として示している。ただし、実際には、位相差ΦABの値は−90度から+90度までの範囲内で変化されて、速度や駆動方向の制御等が行われる。ここで、第1の振動体の駆動信号A1は、図3に示した弾性体102を屈曲させて突起部102bを同図中のX方向に変位させる信号であり、駆動信号B1は弾性体102を屈曲させて突起部102bを図2のY方向に変位させる信号である。このため、駆動信号A1,B1間に所定の位相差を持たせることで、突起部102bにXY面内での楕円運動を行わせることができる。第2の振動体の駆動信号A2,B2および第3の振動体の駆動信号A3,B3についても同様である。
一方、第1の駆動モードでは、第1から第3の振動子の2相の駆動信号のうち一方である駆動信号A1,A2,A3の位相は同位相である。また、第1から第3の振動子の2相の駆動信号のうち一方である駆動信号B1,B2,B3の位相も同位相となっている。この位相についても駆動条件設定部203により設定される。この場合、第1から第3の振動子に生じる楕円運動も同位相となる。この状態では、第1から第3の振動子は、楕円運動の上死点付近において同じタイミングでロータ101に接触し、それ以外の楕円運動位置ではロータ101と接触しない。したがって、第1から第3の振動子の駆動中にこれらのすべてがロータ101と摩擦接触しない時間が生じるため、外乱による影響を受け易い。しかし、摩擦接触している時間においては第1から第3の振動子からの駆動力が同時にロータ101に加わるため、大きな駆動力でロータ101を駆動することができる。
次に、図7には、第2の駆動モードにおいて3つの振動子104にそれぞれ印加される2相の駆動信号の関係を示している。ここでも、3つの振動子104をそれぞれ、第1の振動子、第2の振動子、第3の振動子とする。図7では、第1の振動子の2相の駆動信号をA1′とB1′で示す。第2の振動子の2相の駆動信号をA2′とB2′で示す。第3の振動子104の2相の駆動信号をA3′とB3′で示す。
駆動信号A1′,B1′,A2′,B2′,A3′,B3′は、パルス周期が同一であり、この周期は駆動条件設定部203が設定した周波数に対応する。また、2相の駆動信号A1′,B1′間、2相の駆動信号A2′,B2′間、2相の駆動信号A3′,B3′間の位相差はすべてΦABであり、これも駆動条件設定部203が設定した位相差である。なお、図7には、図6と同様に、位相差ΦABを約90度、すなわち約1/4周期として示しているが、実際には、位相差ΦABの値は−90度から+90度までの範囲内で変化されて、速度や駆動方向の制御等が行われる。
一方、第2の駆動モードでは、第1から第3の振動子の2相の駆動信号のうち一方である駆動信号A1′,A2′,A3′を比較すると、駆動信号A1′,A2′間の位相差はΦ′であり、駆動信号A2′,A3′間の位相差もΦ′である。さらに、駆動信号A3′,A1′の位相差もΦ′である。同様に2相の駆動信号のうち他方の駆動信号B1′,B2′,B3′間の位相差もそれぞれΦ′である。つまり、第1から第3の振動子に印加される駆動信号(2相駆動信号)は、すべて同じΦ′ずつ異なる位相差を有する位相関係にある。この位相差についても駆動条件設定部203により設定される。
ここで、複数の振動子104の個数をnとすると、位相差Φ′は、以下の式(1)によって表すことができる。
Φ′=360/n (1)
本実施例では、n=3であるため、Φ′=120度となる。
このように、第1から第3の振動子に印加される駆動信号(2相駆動信号)がすべて同じΦ′ずつ異なる位相差を有する。第1から第3の振動子には異なるタイミング(位相)で楕円運動が発生する。このことを図8を用いて説明する。
図8には、振動子104とロータ101との接触部に生じる楕円運動を拡大して示している。図8において、楕円運動は反時計回り方向で発生しており、位相差ΦABの符号を変えることでその方向を変えることができる。第2の駆動モードでは、図7で説明したように、第1から第3の振動子の駆動信号の位相差Φ′を120度に設定している。したがって、例えば第1の振動子(駆動信号A1′,B1′)が楕円運動の上死点301に存在するとき、同じタイミングでは、第2の振動子(駆動信号A2′,B2′)は位置302に、第3の振動子(駆動信号A3′,B3′)は位置303に存在する。すなわち、第1から第3の振動子は位置30,302,303間の間隔を保ったまま楕円運動を行う。
ここで、ロータ101と各振動子の楕円運動による摩擦接触が上死点近傍のFで示す範囲で生じるとすると、第1の駆動モードでは、第1から第3の振動子が同じタイミングで楕円運動を行うため、Fの範囲で摩擦接触がない状態が生じる。一方、第2の駆動モードでは、第1から第3つ振動子が等間隔で順にFの範囲に入るので、第1の駆動モードに比べて3倍の時間、ロータ101に対して摩擦接触することとなる。すなわち、Fの範囲が、楕円運動の1回転のうち1/3以上であれば、すべてのタイミングで少なくとも1つの振動体がロータ101との摩擦接触状態を保つことができる。したがって、外乱に強く、速度むらが少ない安定した駆動が可能となる。
なお、第1の駆動モードおよび第2の駆動モードともに、第1から第3の振動子の全てを駆動中には停止させずに動作させている。言い換えれば、第1から第3の振動子の全ての弾性体102に振動を励起するよう駆動信号を印加している。したがって、従来のように駆動中に停止している振動子が摩耗することがないため、耐久性も向上している。
また、図8に示したFの範囲は、弾性体102の弾性と楕円運動の形状とによって決まるが、楕円運動の1回転のうちの1/3強程度に設定するのが望ましい。よりこの範囲を狭めていくと、高速駆動が可能となるが、個体差によっていずれの振動体もロータ101に摩擦接触しない状態が生じ得るので好ましくない。本実施例では、3つの振動子104を用いているので、Fの範囲を1/3以上とすれば、3つの振動子104のいずれかのロータ101との摩擦接触状態を保つことが可能となる。
以上の条件から、楕円運動の1回転に要する時間をTとし、複数の振動子104の個数をnとすると、ロータ101と振動子104の摩擦接触時間T′は、以下の式(2)を満足するように設定することが望ましい。
T′≧T/n (2)
この式(2)を満足するように弾性体102の弾性と楕円運動の形状を決めれば、外乱に強く速度むらが少ない安定した駆動が可能となる。ただし、n=2の場合、摩擦接触時間T′が楕円運動1回転の半分以上となるため、効率低下が懸念される。もn=2とする場合には、式(2)を満足しなくてもよく、本実施例のように楕円運動1回転の1/3強程度とした方が好ましい。その場合でも、第2の駆動モードによる摩擦接触時間は、第1の駆動モードの2倍となるため、速度むらが少ない安定した駆動が可能となる。
なお、上記実施例では、第1の駆動モードにおいて、複数の振動体に印加する駆動信号の位相関係を同位相とする場合について説明したが、必ずしも完全な同位相でなくてもよく、多少の位相差があってもよい。つまり、第1および第2の駆動モードのいずれにおいても駆動信号間の位相関係としては互いに異なる位相である(位相差を有する)が、第1の駆動モードでの位相差が第2の駆動モードでの位相差より小さければよい。
さらに、上記実施例では、起動時付近において第1の駆動モードを用い、その後は第2の駆動モードを駆動終了まで用いる場合について説明した。しかし、被駆動部材の駆動負荷の変動や駆動の仕方等に応じて、適宜、第1の駆動モードと第2の駆動モードを選択してもよい。さらに言えば、駆動信号の位相関係によって第1の駆動モードと第2の駆動モードに分けて説明したが、実際の制御においてこのような駆動モードに分けて用いる必要はなく、駆動信号の位相関係を単一の駆動モード内で連続的に変化させるような制御を行ってもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
起動性に優れ、安定した駆動が可能な振動型駆動装置を提供できる。
101 ロータ
102 弾性体
103 圧電素子
104 振動子
203 駆動条件設定部
204 駆動信号生成部

Claims (9)

  1. それぞれ電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される弾性体を有する複数の振動子と、
    前記複数の振動子と接触する接触部材と、
    前記複数の振動子の前記電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに周期信号としての駆動信号を印加する前記駆動手段とを有する振動型駆動装置であって、
    前記駆動手段は、前記複数の振動子と前記接触部材とが相対移動するように前記複数の振動子のそれぞれに楕円運動を生じさせて前記振動型駆動装置を駆動する際に、
    前記複数の振動子が前記楕円運動において前記接触部材に接触するタイミングを互いに同じにする第1の駆動モードと、
    前記複数の振動子が前記楕円運動において前記接触部材に接触するタイミングを互いに異ならせる第2の駆動モードとで前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加することを特徴とする振動型駆動装置。
  2. 前記駆動手段は、前記第2の駆動モードにおいて、前記複数の振動子の全てが前記接触部材に接触しない状態を生じさせないように前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加することを特徴とする請求項1に記載の振動型駆動装置。
  3. 前記駆動手段は、前記振動型駆動装置の起動時に前記第1の駆動モードで前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加し、前記起動後の駆動中は前記第2の駆動モードで前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加することを特徴とする請求項1または2に記載の振動型駆動装置。
  4. 前記駆動手段は、前記駆動中に駆動速度が所定速度に達することに応じて前記第1の駆動モードから前記第2の駆動モードに切り替えることを特徴とする請求項に記載の振動型駆動装置。
  5. 前記駆動手段は、前記第2の駆動モードにおいて、前記複数の振動子が順に前記接触部材に接触する時間が等間隔になるように前記電気−機械エネルギ変換素子に前記駆動信号を印加することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の振動型駆動装置。
  6. それぞれ電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される弾性体を有する複数の振動子と、
    前記複数の振動子と接触する接触部材と、
    前記複数の振動子の前記電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに周期信号としての駆動信号を印加する駆動手段とを有する振動型駆動装置であって、
    前記駆動手段は、前記複数の振動子と前記接触部材とが相対移動するように前記振動型駆動装置を駆動する際に、
    前記複数の振動子の全てが前記接触部材に接触する状態と前記複数の振動子の全てが前記接触部材に接触しない状態とを交互に生じさせる第1の駆動モードと、
    前記複数の振動子が順に前記接触部材に接触する第2の駆動モードとで前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加することを特徴とする振動型駆動装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の振動型駆動装置と、
    前記接触部材としての又は該接触部材から駆動力が伝達される被駆動部材とを有することを特徴とする動作装置。
  8. それぞれ電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される弾性体を有する複数の振動子と、前記複数の振動子と接触する前記接触部材とを有し、前記複数の振動子の前記電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに周期信号としての駆動信号を印加する振動型駆動装置をコンピュータに制御させる制御プログラムであって、
    前記複数の振動子と前記接触部材とが相対移動するように前記複数の振動子のそれぞれに楕円運動を生じさせて前記振動型駆動装置を駆動する際に、
    前記コンピュータに、
    前記複数の振動子が前記楕円運動において前記接触部材に接触するタイミングを互いに同じにする第1の駆動モードと、
    前記複数の振動子が前記楕円運動において前記接触部材に接触するタイミングを互いに異ならせる第2の駆動モードとで前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加させることを特徴とする振動型駆動装置の制御プログラム。
  9. それぞれ電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される弾性体を有する複数の振動子と、前記複数の振動子と接触する前記接触部材とを有し、前記複数の振動子の前記電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに周期信号としての駆動信号を印加する振動型駆動装置をコンピュータに制御させる制御プログラムであって、
    前記複数の振動子と前記接触部材とが相対移動するように前記振動型駆動装置を駆動する際に、
    前記コンピュータに、
    前記複数の振動子の全てが前記接触部材に接触する状態と前記複数の振動子の全てが前記接触部材に接触しない状態とを交互に生じさせる第1の駆動モードと、
    前記複数の振動子が順に前記接触部材に接触する第2の駆動モードとで前記駆動信号を前記電気−機械エネルギ変換素子に印加させることを特徴とする振動型駆動装置の制御プログラム。
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