JP3527319B2 - 感光材料処理装置及び感光材料処理装置の処理液測定方法 - Google Patents

感光材料処理装置及び感光材料処理装置の処理液測定方法

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JP3527319B2
JP3527319B2 JP16968295A JP16968295A JP3527319B2 JP 3527319 B2 JP3527319 B2 JP 3527319B2 JP 16968295 A JP16968295 A JP 16968295A JP 16968295 A JP16968295 A JP 16968295A JP 3527319 B2 JP3527319 B2 JP 3527319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料処理装置
及び感光材料処理装置の処理液測定方法に係り、より詳
しくは、感光材料を処理する処理液中を伝搬する音波の
伝搬速度に基づいて処理液の濃度、処理液の密度及び処
理液の比重の何れかを求める感光材料処理装置及び感光
材料処理装置の処理液測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動現像装置等の感光材料処理装置で
は、画像露光された感光材料を発色現像、漂白定着等の
処理液に浸漬して処理する。このような処理液は多成分
であり、例えば、カラー現像液の場合、その成分は発色
現像主薬以外に、亜硫酸塩等の保恒剤、炭酸塩等のpH
緩衝剤、臭化物塩、沃化物塩等の現像制御剤またはカブ
リ防止剤等で構成されている。また、漂白定着液につい
てもチオ硫酸塩、亜硫酸塩等の保恒剤、各種カルボン酸
等を含む水溶液である。なお、漂白定着液の場合は、漂
白定着槽が現像槽の次段に位置しているため、感光材料
が処理されると該感光材料の搬送に伴って現像液がキャ
リーインして混入し、その成分が複雑となる。
【0003】また、処理液は、感光材料の処理量が多く
なるに従って徐々に劣化すると共に、処理液中の水分が
蒸発し、また、熱劣化、空気酸化、及び炭酸ガス吸収の
影響で徐々に処理性能が変化する。
【0004】このため、自動現像装置には、劣化した処
理液中の薬品成分や水を補う為の補充液を補充する補充
液補充機構が設けられており、感光材料の処理量が所定
値になったときないし所定のタイミングで補充液を補充
して、感光材料を一定の品質で仕上げるようにしてい
る。また、自動現像装置では、各処理槽内の処理液が感
光材料を最適な状態で処理できるように処理液の温調を
行うと共に循環装置によって循環して、均一に攪拌して
いる。
【0005】一方、各処理液の濃度を一定にして感光材
料を均一な品質で仕上げる方法として、処理液の比重
(又は密度、濃度)を測定し、この比重が所定範囲とな
るように補充液の補充を行う方法がある。このような補
充液の補充を処理液の比重(密度、濃度)によって行う
ときには、浮子式や振り子式等の機械的な比重計が用い
られている。例えば、アグファ社で市販されているAG
FA PS1(商品名)という、浮子式の比重計等であ
る。
【0006】ところが、処理液の比重の測定を浮子式、
振り子式等の機械的な比重計によって行う場合、検出部
を処理液に浸漬したままにしておくと、処理液中の成分
が検出部に付着して析出し、検出部の正確な作動を妨げ
てしまう。このため、機械的な比重計によって比重測定
を行うときには、常に掃除をする必要が有った。
【0007】ところで、一般的な溶液の密度を測定する
他の方法として、超音波を利用し、溶液中の超音波の伝
搬速度を計測して求めることは広く行われている。すな
わち、例えば、溶液の密度ρは、溶液中の超音波の伝搬
速度V、体積弾性率Eを用いると、次式(1)から求め
ることができる。 ρ=E/V2 ・・・(1) このようにして求められた溶液中の超音波の伝搬速度[m
/S] と溶液の密度[g/cm3] との関係を、図18に、苛性
ソーダ(NaOH)水溶液を例にとり、図19に、酢酸
(CH3 CO2 H)水溶液を例にとり示した。これらの
図から理解されるように、体積弾性率Eが一定ならば、
溶液中の超音波の伝搬速度及び溶液の温度を測定すれ
ば、溶液の密度を求めることができる。なお、溶液の密
度が分かれば、溶液の比重及び溶液の濃度も分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記式
(1)から理解されるように、溶液の体積弾性率E、す
なわち、溶液中の成分及びその成分比が一定でなければ
正確な溶液の比重(密度、濃度)を求めることができな
い。
【0009】前述したように処理液は多成分で構成され
るため、処理液の薬品成分の種類及びその成分比率によ
って処理液の体積弾性率Eが変化し、このため、処理液
中の超音波の伝搬速度及び溶液温度を検出しても上記式
(1)からでは、正確にその密度を求めることができな
い。よって、処理液の比重、処理液の濃度も正確に求め
ることができない。
【0010】本発明は、上記事実に鑑み成されたもの
で、処理液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何
れかを正確に求めることが可能な感光材料処理装置及び
感光材料処理装置の処理液測定方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため請求
項1記載の発明は、感光材料を処理する処理液中を伝搬
する音波の伝搬状態を検出する伝搬状態検出手段と、前
記処理液で処理された感光材料の処理量及び前記処理液
に補充された補充液の補充量の少なくとも一方を積算し
て積算値を求める積算手段と、前記処理液の濃度、前記
処理液の密度及び前記処理液の比重の何れかと前記伝搬
状態との関係を前記処理量及び前記補充量の少なくとも
一方に応じて記憶する記憶手段と、前記処理量及び前記
補充量の少なくとも一方の積算値、検出された前記伝搬
状態及び前記記憶手段に記憶されている関係に基づいて
前記処理液の濃度、前記処理液の密度及び前記処理液の
比重の何れかを演算する演算手段とを備えている。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記伝搬状態は、前記処理液中を伝搬する
音波の伝搬速度又は該処理液中の所定距離を音波が伝搬
するのに要する伝搬時間であることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、感光材料を処理す
る処理液の濃度、前記処理液の密度及び前記処理液の比
重の何れかと前記処理液中を伝搬する音波の伝搬状態と
の関係を前記処理液で処理された感光材料の処理量及び
前記処理液に補充された補充液の補充量の少なくとも一
方に応じて予め定め、前記処理量及び前記補充量の少な
くとも一方と前記伝搬状態とを求め、求めた前記処理量
及び前記補充量の少なくとも一方、求めた前記伝搬状態
及び前記予め定めた関係に基づいて、前記処理液の濃
度、前記処理液の密度及び前記処理液の比重の何れかを
演算して測定するようにしている。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記伝搬状態は、前記処理液中を伝搬する
音波の伝搬速度又は該処理液中の所定距離を音波が伝搬
するのに要する伝搬時間であることを特徴とする。
【0015】ここで、請求項1記載の発明に係る感光材
料処理装置では、伝搬状態検出手段は、感光材料を処理
する処理液中を伝搬する音波の伝搬状態を検出する。
【0016】上記伝搬状態としては、例えば、請求項2
記載の発明のように、処理液中を伝搬する音波の伝搬速
度又は処理液中の所定距離を音波が伝搬するのに要する
伝搬時間を用いることができる。
【0017】積算手段は、上記処理液で処理された感光
材料の処理量及び該処理液に補充された補充液の補充量
の少なくとも一方を積算して積算値を求める。
【0018】ここで、処理液とは、詳細は後述するが、
上記伝搬状態を変化させる成分を含む溶液である。
【0019】また、上記処理液で処理された感光材料の
処理量には、例えば、上記処理液で処理された感光材料
の総面積がある。なお、感光材料の長さ及び幅が一定の
場合には感光材料の本数に基づいて処理液で処理された
感光材料の総面積を演算するようにしてもよい。
【0020】ところで、前述したように、上記処理液の
濃度、該処理液の密度及び該処理液の比重の何れかは、
処理液の構成成分が1種類であれば、すなわち、上記体
積弾性率Eが一定であれば、伝搬状態から決定できる。
しかしながら、処理液の構成成分は複数種類であるの
で、伝搬状態を測定しても体積弾性率Eが変化するた
め、前述した式(1)から理解されるように、処理液の
濃度、処理液の密度及び処理液の比重を正確に求めるこ
とができない。
【0021】一方、上記処理液で感光材料が処理される
と感光材料から所定成分(上記伝搬速度を変化させる成
分)が処理液に溶出し、溶出量は上記感光材料の処理量
が多くなる程多くなる。なお、溶出物には感光材料の搬
送に伴うキャリーインで混入する薬品成分も含まれる。
すなわち、処理液の状態は感光材料の処理量に応じて変
化することから、処理液中を伝搬する音波の伝搬状態も
感光材料の処理量に応じて変化する。
【0022】そこで、本発明者等が、処理液の濃度、処
理液の密度及び処理液の比重の何れかと上記伝搬状態と
の関係を上記処理量と共に調べたところ、上記処理液の
濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何れかと上記伝
搬状態との関係は、上記処理量に応じて定まることが確
認できた。
【0023】なお、前述したように、処理液中を伝搬す
る音波の伝搬状態は補充液が補充されると変化すること
から、処理液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の
何れかと伝搬状態との関係は、補充液の補充量に応じて
定まり、更には、補充量及び処理量の両方に応じて定ま
る。
【0024】そこで、記憶手段は、上記処理液の濃度、
処理液の密度及び処理液の比重の何れかと上記伝搬状態
との関係を上記処理量及び上記補充量の少なくとも一
方、すなわち、処理量、補充量、または処理量及び補充
量に応じて記憶する。
【0025】そして、演算手段は、処理量及び補充量の
少なくとも一方の積算値、検出された伝搬状態及び記憶
手段に記憶されている関係に基づいて処理液の濃度、処
理液の密度及び処理液の比重の何れかを演算する。
【0026】このように、本発明によれば、処理量及び
補充量の少なくとも一方の積算値と処理液の伝搬状態と
を検出し、検出値と処理量及び補充量の少なくとも一方
に応じて定めた処理液の濃度、処理液の密度及び処理液
の比重の何れかと伝搬状態との関係とに基づいて、処理
液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何れかを演
算しているため、構成成分が複数の処理液であってもそ
の濃度、密度及び比重を正確に求めることができる。
【0027】請求項3記載の発明及び請求項4記載の発
明は、請求項1記載の発明及び請求項2記載の発明と同
様の作用、効果を有することから、その説明を省略す
る。
【0028】なお、処理液を貯留する処理槽に両端が連
結された配管とこの配管の中間部に設けられた循環ポン
プによって処理液が循環されている場合には、該処理液
の濃度、処理液の密度及び処理液の比重を次のように測
定してもよい。
【0029】すなわち、感光材料を処理する処理液の濃
度、前記処理液の密度及び前記処理液の比重の何れかと
前記処理液中を伝搬する音波の伝搬状態(伝搬速度又は
伝搬時間)との関係を前記処理液で処理された感光材料
の処理量及び前記処理液に補充された補充液の補充量の
少なくとも一方に応じて予め定め、処理液中を伝搬する
音波の伝搬状態を検出する検出部を前記配管の水平方向
に対して所定角度に傾斜した位置に取り付け、前記循環
ポンプの作動を所定時間停止させた後に前記処理量及び
前記補充量の少なくとも一方の積算値と前記伝搬状態と
を求め、求めた前記処理量及び前記補充量の少なくとも
一方の積算値、求めた前記伝搬状態及び前記予め定めた
関係に基づいて、前記処理液の濃度、前記処理液の密度
及び前記処理液の比重の何れかを演算して測定する。
【0030】この測定方法では、濃度、密度及び比重の
何れかの測定を行う処理液に非接触の検出部(例えば、
音波を発振する発振手段と該発振手段から発振された音
波を受信する受信手段とにより構成する。)を設けて、
処理液の循環を行う循環ポンプを所定時間停止させた後
に、処理液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何
れかの測定を行う。
【0031】このように、循環ポンプを所定時間停止さ
せて配管内の処理液の流れを停止させ、さらに所定時間
経過させることにより、配管内の処理液を鎮静化させ
る。これにより、音波による処理液の濃度、処理液の密
度及び処理液の比重の何れかの測定を行うことができ
る。すなわち、循環ポンプが作動しているときに、処理
槽から配管内へ吸引された処理液中に気泡が生じていて
も、配管内の処理液を鎮静化させることにより、配管内
からこの気泡を排出させることができ、正確な比重測定
を行うことができる。また、検出部が処理液と非接触で
あるため、処理液中の成分が検出部に付着して析出する
ことがない。
【0032】また、処理槽に貯留され所定の温度に加熱
された処理液に感光材料を浸漬して処理する感光材料処
理装置として、循環ポンプによって両端が処理槽に連結
された配管の一端から処理液を吸い出すと共に吸い出し
た処理液を前記配管の他端から前記処理槽に戻すことに
より処理槽内の処理液を循環させて均一に攪拌する処理
液循環手段と、前記配管の処理液吸引側の前記処理槽近
傍で水平方向に対して所定角度で傾斜している位置に音
波を発振する発振手段及び該発振手段から発振した音波
を受信する受信手段が設けられた検出部の前記発振手段
を作動させると共に発振手段から発せられ前記受信手段
に受信された音波の伝搬状態から前記配管内の処理液中
の伝搬状態を検出する伝搬状態検出手段と、前記処理液
で処理された感光材料の処理量及び前記処理液に補充さ
れた補充液の補充量の少なくとも一方を積算して積算値
を求める積算手段と、前記処理液の濃度、前記処理液の
密度及び前記処理液の比重の何れかと前記伝搬状態との
関係を前記処理量及び前記補充量の少なくとも一方に応
じて記憶する記憶手段と、前記処理量及び前記補充量の
少なくとも一方の積算値、検出さた前記伝搬状態及び前
記記憶手段に記憶されている関係に基づいて前記処理液
の濃度、前記処理液の密度及び前記処理液の比重の何れ
かを演算する演算手段と、前記循環ポンプを作動させか
つ作動させた循環ポンプを停止すると共に循環ポンプを
停止してから所定時間経過した後に前記発振手段から音
波が発振すると共に前記処理液の濃度、前記処理液の密
度及び前記処理液の比重の何れかを演算するように前記
伝搬状態検出手段及び前記演算手段を制御する制御手段
とを備えるようにする。
【0033】なお、前記配管の水平方向に対する傾斜角
度を少なくとも5°以上としてもよい。また、前記処理
槽からの処理液吸引側の端部と前記検出部との間の前記
配管に保温手段を設けてもよい。
【0034】この感光材料処理装置用測定装置では、濃
度、密度及び比重の演算用の配管が水平方向に対して少
なくとも5°以上傾斜している部位に設けているため、
循環ポンプを停止させたときに、検出部近傍の配管内の
処理液中から確実に気泡を除去することができる。これ
によって、自動的に正確な処理液の濃度、処理液の密度
及び処理液の比重の何れかの測定が可能となる。
【0035】また、配管が水平方向に対して5°以上傾
斜した部位に検出部を取り付けている。配管がこの傾斜
状態であれば、短時間のうちに確実に配管内の処理液中
に生じている気泡を除去することができる。処理液中に
気泡が生じていると、処理液中の音波の伝搬状態が変化
してしまうため、音波による正確な処理液の濃度、処理
液の密度及び処理液の比重の何れかの測定が困難となる
が、この気泡が除去されたタイミングを見計らって該測
定を行うことにより正確な測定が可能となる。
【0036】なお、前記所定時間(循環ポンプを停止し
てから、前記発振手段から音波が発振すると共に処理液
の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何れかを演算
するように伝搬状態検出手段及び演算手段を制御するま
での時間)は、検出部を設けた配管の傾斜角度等を考慮
して予め設定すればよく、配管の傾斜角度が5°以上で
あれば、循環ポンプを停止させてから約60秒以内で正
確な比重測定が可能となる。
【0037】さらに、配管に保温手段を設けて上記測定
を行うときに配管内の処理液の液温が周囲の影響を受け
て変化してしまうのを防止している。音波による処理液
の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何れかの測定
を行うとき、処理液の温度が変化すると音波の伝搬状態
が変化してしまい、感光材料を処理する状態の正確な処
理液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重を求めるこ
とが困難であるが、測定時の処理液の温度変化を抑える
ことによって適切な測定が可能となる。
【0038】なお、保温手段としては、配管の周囲にグ
ラスウール等の一般的な断熱材を巻付けてもよく、ま
た、配管自体に保温性の高い材質のものを用いてもよ
い。
【0039】以上説明した如く、音波により比重測定を
行うことにより、処理液に非接触での比重測定が可能と
なり、検出部に付着した処理液の除去等のメンテナンス
が不要となる。また、本発明の感光材料処理装置では、
処理液の正確な比重の測定を自動的に行うことができ
る。このようにして測定した比重に基づいて補充液の補
充等を行うことにより、装置内部及び各処理液を感光材
料が最適な状態で仕上げられるように維持することがで
きる優れた効果が得られる。
【0040】なお、前述した音波には、超音波を用いる
ことが好ましい。ここで、本発明に係る感光材料処理装
置には、各種処理液を使用することができる。例えば、
カラー現像液、黒白現像液、漂白液、調整液、反転液、
定着液、漂白定着液、安定液、リンス液等を挙げること
ができる。
【0041】カラー現像液としては、好ましくは芳香族
第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性
水溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェ
ノール系化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミ
ン系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3
−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4
−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
メトキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−エチル−N−δ−ヒドロキシブチルアニリン及びこれ
らの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩
が挙げられる。これらの化合物は目的に応じ2種類以上
併用することもできる。
【0042】カラー現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、
ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衡剤、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像制御剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、N,N−ジ(スルホエ
チル)ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミ
ン、亜硫酸塩、ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド
類、トリエタノールアミン、カテコールジスルホン酸類
の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレング
リコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリ
エチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の
ような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、
ナトリウムボロンハイドライドのようなカブラセ剤、1
−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、
粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホ
ン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表
されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸、カルボキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸、ニトリロ
−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジア
ミン−N,N,N´,N´−テトラメチレンホスホン
酸、エチレンジアミンージ(o−ヒドロキシフェニル酢
酸)及びそれらの塩を代表例として上げることができ
る。
【0043】これらのカラー現像液のpHは9〜12で
あることが一般的である。またこれらの現像液の補充量
は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般に感
光材料1平方メートル当たり1リットル以下であり、補
充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくことにより
400ml以下にすることもできる。好ましくは30ml/
2 〜300ml/m2 である。補充量を低減する場合に
は処理槽の空気との接触面積を小さくすることによって
液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。また現
像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いること
により補充量を低減することもできる。
【0044】カラー現像後の写真乳剤層は通常漂白処理
される。漂白処理は定着処理と同時に行われてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行われてもよい。更に処理の
迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方
法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理す
ること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は漂
白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実施
できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(II
I)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸
類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。代表的漂
白剤としてはフェリシアン化物:重クロム酸塩:鉄(II
I)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例えばエチレン
ジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレ
ンジアミンジコハク酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、カルボキシ
エチルイミノジ酢酸などのアミノポリカルボン酸類もし
くはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩:過硫酸
塩:臭素酸塩:過マンガン酸塩:ニトロベンゼン類など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III)錯酸を始めとするアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止の
観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特に
有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III)錯
塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常4.5〜
8であるが、処理の迅速化のために、さらに低いpHで
処理することもできる。
【0045】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、特開昭53−95630号、リ
サーチ・ディスクロージャーNo.17129号(19
78年7月)などに記載のメルカプト基またはジスルフ
ィド結合を有する化合物;特開昭50−140129号
に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,706,
561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58−162
35号に記載の沃化物塩;西独特許第2,748,43
0号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45
−8836号記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等
が使用できる。なかでもメルカプト基またはジスルフイ
ド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好まし
く、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、特開昭53−95630号に記
載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,
834号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進
剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料
を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効で
ある。
【0046】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜
硫酸塩、ベンゼンスルフィン酸類あるいはカルボニル重
亜硫酸付加物が好ましい。
【0047】更に脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程
を経るのが一般的である。水洗工程での水洗水量は、感
光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)、用
途、更には水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、
順流等の補充方式、その他種々の条件によって広範囲に
設定し得る。このうち、多段向流方式における水洗タン
ク数と水量の関係は、Journal of the Society of Moti
on Picture and Television Engineers 第64巻、P2
48〜253(1955年5月号)に記載の方法で、求
めることができる。
【0048】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288838号に記載のカル
シウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を
極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−
8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベン
ダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著
「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、
殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0049】本発明の感光材料の処理における水洗水の
PHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗
水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定
し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、
好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択さ
れる。更に、本発明の感光材料処理装置は、上記水洗に
代り、直接安定液によって処理することもできる。この
ような安定化処理においては、特開昭57−8543
号、特開昭58−14834号、特開昭60−2203
45号に記載の公知の方法は全て用いることができる。
【0050】この安定浴にも各種キレート剤や防黴剤を
加えることもできる。上記水洗及び/又は安定液の補充
に伴うオーバーフロー液は脱銀工程等の他の工程におい
て再利用することもできる。
【0051】次に本発明に用いうることにできる感光材
料について説明する。本発明は如何なる感光材料にも適
用することができるがカラーネガフィルム及びカラーペ
ーパーに適用するのが好ましい。
【0052】本発明において適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感材を処理するために適用され
る処理法や処理用添加剤としては、下記の特許公報、特
に欧州特許EPO,355,660A2号(特願平1−
107011号)に記載されているものが好ましく用い
られる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、臭化銀、
塩化銀等の各種ハロゲン組成の乳剤を用いることができ
る。とりわけ、カラーネガフィルムの場合には、沃臭化
銀乳剤を含有する層を有する事が好ましく、ヨード含量
が0.1〜10モル%程度含有する乳剤の使用が好まし
い。また、カラーペーパーの場合には、90モル%以上
が塩化銀からなるハロゲン化銀粒子を含有する乳剤層を
少なくとも一層有することが好ましい。より好ましくは
95〜99.9モル%以上、更に好ましくは98〜9
9.9モル%以上が塩化銀からなる乳剤であり、全層が
98〜99.9モル%以上の塩化銀からなる塩臭化銀乳
剤であることが特に好ましい。また、塗布銀量として
は、特に制限はないが、カラーネガフィルムの場合には
2g〜10g/m2 程度、カラーペーパーの場合には
0.2〜0.9g/m2 程度含有する場合が好ましい。
【0059】また、本発明に用いられる感光材料には各
種カプラーを含有することができるが詳細は表2に記載
した通りである。
【0060】更に、シアンカプラーとして、特開平2−
33144号に記載のジフェニルイミダゾール系シアン
カプラーの他に、欧州特許EPO,333,185A2
号に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー
(なかでも具体例として列挙されたカプラー(42)の
4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したも
のや、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開
昭64−32260号に記載された環状活性メチレン系
シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプ
ラー例3、8、34が特に好ましい)に使用も好まし
い。
【0061】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EPO,337,490A2号の第27〜
76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでも
オキソノール系染料)を感光材料の680nmに於ける
光学反射濃度が0.70以上になるように添加したり、
支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例
えばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸化チ
タンを12重量%以上(より好ましくは14重量%以
上)含有させるのが好ましい。
【0062】また、本発明に係わるカラー写真感光材料
には、カプラーと共に欧州特許EPO,277,589
A2号に記載のような色像保存性改良化合物を使用する
のが好ましい。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用
が好ましい。
【0063】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。
【0064】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0065】本発明において、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の支持体を除いた乾燥膜厚が25μm以下であ
る場合が、キャリーオーバー量を少なくし、銀回収率を
高めるという意味で好ましい。とりわけ、カラーネガフ
ィルムの場合には13〜23μm程度、カーペーパーの
場合には7〜12μm程度が好ましい。
【0066】これらの膜厚の低減はゼラチン量、銀量、
オイル量、カプラー量等を減少させることで達成できる
が、ゼラチン量の低減して達成するのが最も好ましい。
ここで、膜厚は、試料を25°C60RH%2週間放置
後、常法により測定することができる。
【0067】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料においては、写真層の膜潤度が、1.5〜
4.0であることが、ステインの改良や画像保存性の改
良の点で好ましい。特に、1.5〜3.0において、よ
り一層の効果を得ることができる。本発明の膨潤度と
は、カラー感光材料を33°Cの蒸留水に2分間浸潰し
た後の写真層の膜厚を乾いた写真層の膜厚で割った値を
言う。
【0068】また、ここで写真層とは、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、この層と相互に水
浸透性の関係にある積層された親水性コロイド郡層をい
う。支持体を隔てて写真感光層と反対側に設けられたバ
ック層は含まない。写真層は写真画像形成に関与する通
常は複数の層から形成され、ハロゲン化銀乳剤層の外に
中間層、フィルター層、ハレーション防止層、保護層な
どが含まれる。
【0069】上記の膨潤度に調整するためにはいかなる
方法を用いても良いが、例えば写真膜に使用するゼラチ
ンの量及び種類、硬膜剤の量及び種類、または写真層塗
布後の乾燥条件や経時条件を変えることにより調整する
ことができる。写真層にはゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以上の親水性コロイドも用いることができ
る。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルローズ硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。
【0070】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、酸
無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサル
トン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合
物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等
種々の化合物を反応させて得られるものが用いられる。
【0071】前記ゼラチン・グラフトポリマーとして
は、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸、それらの
エステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、ス
チレンなどの如き、ビニル系モノマーの単一(ホモ)ま
たは共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
たとえばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアクキルメタアク
リレート等の重合体とのグラフトポリマーが好ましい。
これらの例は米国特許2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載が
ある。代表的な合成親水性高分子物質はたとえば西独特
許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,
620,751号、同3,879,205号、特公昭4
3−7561号に記載されている。
【0072】硬膜剤としては、例えばクロム塩(クロム
明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒドな
ど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエ
ーテル、N,N’−メチレンビス−〔β−(ビニルスル
ホニル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデ
ヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル
化ゼラチンなどを、単独または組合わせて用いることが
できる。
【0073】特に好ましい硬膜剤としては、アルデヒド
類、活性ビニル化合物及び活性ハロゲン化合物である。
【0074】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、デイスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもデイス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0075】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。
【0076】また、露光に際して、米国特許第4,880,72
6 号に記載のバンド・ストップフイルターを用いるのが
好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現性
が著しく向上する。
【0077】本発明の方法は各種感光材料に適用するこ
とができる。カラーネガフルム、カラーネガペーパー、
カラー反転ペーパー、オートポジペーパー、カラー反転
フィルム、映画用ネガフィルム、映画用ポジフィルム、
レントゲンフィルム、リスフィルムなどの製版用フィル
ム、黒白ネガフィルム等を挙げることができるが、とり
わけ、カラーネガフィルムやカラーネガペーパーへの適
用が好ましい。
【0078】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1には、本発明の感光材
料処理装置としてのフィルムプロセッサ(なお、本形態
では、大規模現像装置(大ラボカラーフィルムプロセッ
サ)を例にとり説明する。)10が示されている。な
お、大ラボカラーフィルムプロセッサに限定されるもの
でなく、小規模現像装置(小ラボカラーフィルムプロセ
ッサ)でもよい。
【0079】このフィルムプロセッサ10は、装填部1
6N0を備えている。この装填部16N0は、図示しな
い蓋を開けることにより露出され、撮影されて画像が露
光されたネガフィルムNが装填され、装填されたネガフ
ィルムNをプロセッサ部16内へ搬送する。プロセッサ
部16には、発色現像槽16N1、漂白槽16N2、定
着槽16N3、水洗槽16N4、16N5、安定槽16
N6が順に配置されており、各処理槽内にはそれぞれ現
像液、漂白液、定着液、水洗水、安定液が貯留されてい
る。また、各処理槽には、漂白槽16N2に示すよう
に、1ないし複数の上部ローラ24N及び下部ローラ2
6Nが設けられ、各処理槽間及び処理槽内の搬送経路を
構成しており、ネガフィルムNは、上部ローラ24N及
び下部ローラ26Nにより各処理槽を通過すると共に各
処理液に浸漬されて処理される。
【0080】また、プロセッサ部16の隣には乾燥部1
8Nが配置されている。乾燥部18Nに配置された上部
ローラ24N及び下部ローラ26Nによりネガフィルム
Nは、乾燥部18N内を鉛直方向に数往復して乾燥され
ながらペーサーローラ28Nにより巻取部20Nに案内
される。巻取部20Nに案内されたネガフィルムNはマ
ガジン20N1に巻き取られる。発色現像槽16N1よ
りネガフィルムNの搬送方向上流側には、図2(b)に
も示すように、赤外線放射部32Nと検出部34Nとを
所定間隔隔てて対向配置して構成したフォトセンサが設
けられている。図2(a)に示すように、赤外線放射部
32Nは、複数(本形態では6個(なお、6個に限定さ
れない。))の赤外線放射素子(赤外線放射ダイオー
ド)32N1〜32N6をネガフィルムNの搬送方向X
と交差する方向(ネガフィルムの幅方向)に配置して構
成され、また、検出部34Nは、赤外線放射素子32N
1〜32N6から放射された赤外線をそれぞれ検出する
検出素子(ホトダイオード)34N1〜34N6をネガ
フィルムNの搬送方向Xと交差する方向に配置して構成
されている。なお、赤外線放射素子32N1〜32N6
及び検出素子34N1〜34N6は制御部56(図3参
照)に接続されている。
【0081】ところで、プロセッサ部16では、ネガフ
ィルムNを最適な状態で処理するために、各処理槽に貯
留している処理液を循環しながら加熱制御して、それぞ
れ予め設定された所定の温度範囲に維持するようにして
いる。図3には、一例として漂白槽16N2が示されて
いる。以下、漂白槽16N2を例に説明し、漂白槽16
N2と同様の構成の他の槽、すなわち、発色現像槽16
N1、定着槽16N3、水洗槽16N4、16N5、安
定槽16N6の説明を省略する。
【0082】漂白槽16N2には、側壁上部に補助槽4
4が設けられ、漂白槽16N2内の漂白液がこの補助槽
44内に流入している。この補助槽44内には、漂白液
の液温を検出する温度センサ46及び漂白液を加熱する
ためのヒータ48が配設されている。
【0083】また、漂白槽16N2と補助槽44との間
には、循環装置50が配設されている。この循環装置5
0は、漂白槽16N2の底部と補助槽44の底部を連結
する配管52と、配管52の中間部に設けられた循環ポ
ンプ54とによって構成されている。循環装置50は、
循環ポンプ54の作動によって漂白槽16N2内の漂白
液を補助槽44を介して配管52内に吸引し、漂白槽1
6N2の底部から漂白槽16N2内へ戻すようになって
いる。なお、図3に示す矢印Aは、配管52内の漂白液
の流れの方向を示しているいる。
【0084】温度センサ46、ヒータ48及び循環ポン
プ54は、それぞれ制御部56に接続されており、制御
部56では、循環ポンプ54を作動させて漂白槽16N
2内の漂白液を攪拌すると共に、温度センサ46とヒー
タ48によって漂白液を所定の温度範囲に維持するよう
に温調制御している。これによって、漂白槽16N2内
の漂白液は、ネガフィルムNを最適な状態で処理できる
ようになっている。なお、補助槽44内の配管52の開
口には、フィルタ58が設けられており、配管52内に
吸引する漂白液中の浮遊物を除去するようになってい
る。
【0085】一方、制御部56には、比重計60が接続
されている。この比重計60は、計測部62と検出部6
8とによって構成され、検出部68には、発振器64と
受信器66とが対で設けられている。検出部68の発振
器64及び受信器66は、例えば圧電セラミックス等の
圧電素子を用い、測定部62から発振器64に所定の電
圧を印加することにより、超音波を発するようになって
いる。また、受信器66は発振器64から発した超音波
を受信した場合所定の信号を出力するようになってい
る。
【0086】図3及び図4に示されるように、検出部6
8は、補助槽44の底部に連結された配管52に発振器
64と受信器66とが互いに対向するように取り付けら
れている。この検出部68は、配管52の補助槽44の
底部側の先端部より一定距離鉛直方向下方に離間した位
置(先端部から下方へ立ち下げられている位置)に取り
付けられている。また、補助槽44の底部から検出部6
8の間の配管52には、断熱材70が巻付けられてお
り、配管52内の漂白液が、周囲の温度の影響を受けな
いようにして、検出部68近傍の液温と、漂白槽16N
2内の液温とが略一致するようにされている。なお、断
熱材70に変えて、配管52に断熱性(保熱性)の部材
を用いるようにしてもよい。
【0087】図5に示されるように、計測部62は、発
振器64に接続された発振回路72、受信器66に接続
された受信回路74、発振回路72と受信回路74とに
接続された時間計測回路76、及び時間計測回路76に
接続された演算回路78によって構成されている。この
計測部62では、発振回路72によって発振器64から
超音波を発生させ、受信器66が超音波を受信すると受
信回路74から受信信号が出力される。時間計測回路7
6は、発振器64から発振した超音波が受信器66に受
信されるまでの時間を計測し、計測した時間を演算回路
78へ出力する。演算回路78では、予め記憶されてい
る超音波が配管52を伝搬するのに要する時間(発振器
64と受信器66との間隔D1 から配管52の内径D2
を減算した距離だけ超音波が配管52中を伝搬するのに
要する時間)を、時間計測回路76から入力した時間か
ら減算して、超音波が漂白液中(距離D2 )を伝搬する
のに要する時間を求め、求めた時間及び距離D2 から漂
白液を超音波が伝搬する伝搬速度を算出し、伝搬速度に
比例した出力値〔mV〕を制御部56に出力する。
【0088】制御部56では、後述するネガフィルムN
の処理量に対応するマップ(図9参照)を選択し、選択
したマップと入力した伝搬速度に比例した出力値〔m
V〕とに基づいて比重を演算する。さらに、制御部56
は、求めた比重に基づいて、図示しない補充液補充手段
を作動させて、漂白槽16N2へ補充液を補充し、漂白
槽16N2内の漂白液の比重が所定範囲となるようにし
ている。
【0089】なお、制御部56では、比重計60による
比重の測定に先立って、循環ポンプ54及びヒータ48
の作動を停止させ、配管52内の漂白液を鎮静状態にす
ると共に、配管52内の漂白液中に生じている気泡等が
検出部68近傍から排出されるように予め設定された時
間経過させるようにしている。
【0090】次に本形態の作用を説明する。ネガフィル
ムNが装填されると装填部16N0は、装填されたネガ
フィルムNをプロセッサ部16内へ搬送する。プロセッ
サ部16内に搬送されたネガフィルムNは、上部ローラ
24N及び下部ローラ26Nによって、発色現像処理槽
16N1、漂白槽16N2、定着槽16N3、水洗槽1
6N4、16N5、安定槽16N6を順に通過して、各
処理槽内の現像液、漂白液、定着液、水洗水、安定液に
浸漬されて処理される。
【0091】処理槽の各処理液で処理されたネガフィル
ムNは、乾燥部18に案内され、乾燥部18内を鉛直方
向に数往復してペーサーローラ28Nにより巻取部20
Nに案内される。巻取部20Nに案内されたネガフィル
ムNはマガジン20N1に巻き取られる。
【0092】ところで、プロセッサ部16の各処理槽で
は、内部に貯留している処理液を循環しながら所定の温
度に加熱制御してネガフィルムNを最適な状態で処理で
きるようにしている。また、各処理槽内の処理液は、ネ
ガフィルムNを処理するにしたがって徐々に処理性能が
低下して、比重が変化する。また、各処理液は、徐々に
内部の水分が蒸発し、処理性能と共に比重が変化する。
フィルムプロセッサでは、この各処理槽内の処理液の比
重を測定して、測定結果に応じて補充液の補充を行い、
それぞれの処理液が最適な状態でネガフィルムNを処理
できるようにしている。
【0093】ここで、図6に示すフローチャートを参照
しながら、漂白槽16N2内に貯留している漂白液を例
に、補充液の補充を行うための比重の測定について説明
する。なお、漂白液は、前記した如く、ヒータ48によ
って加熱されながら循環装置50の循環ポンプ54の作
動によって循環されて均一に攪拌されている。
【0094】図6のステップ100で、漂白液の比重を
測定するタイミングか否かを判断する。この比重を測定
するタイミングとしては、フィルムプロセッサ10の一
日の稼働開始時で、各処理槽内の処理液を所定の温度に
制御する立ち上げ処理が終了したとき、一日の稼働終了
時、一日の稼働を開始してから一定時間経過する毎等で
良い。このように比重測定は、ネガフィルムNの非処理
時においてフィルムプロセッサ10が予め設定された状
態となっているとき行えばよい。
【0095】このステップ100で肯定判定された場
合、すなわち、漂白液の比重測定を行うタイミングにな
ったときには、次のステップ102へ移行して、循環ポ
ンプ54を停止させると共に、ヒータ48をオフし、図
示しないディレイタイマーTをスタートさせる(ステッ
プ104)。
【0096】なお、ヒータ48の停止は、漂白液を循環
させずにヒータ48をオンさせておくことにより、漂白
液が部分的に加熱されてしまうのを防止するものであ
り、漂白液の部分的加熱が防止できれば、必ずしもヒー
タ48をオフさせる必要はない。
【0097】循環ポンプ54の作動を停止することによ
り、補助槽44から配管52への漂白液の吸い込みがな
くなると共に、配管54内の漂白液の流れが停止し、配
管52内の漂白液が徐々に鎮静化すると共に、補助槽4
4から配管52に漂白液を吸い込むときや、配管52内
の流れるときに生じる気泡が浮上して、徐々に配管52
内から排出される。
【0098】次のステップ106では、ディレイタイマ
ーTが予め設定された時間になったか、すなわち、配管
52内の漂白液が鎮静化すると共に、少なくとも補助槽
44との連結部で比重計60の検出部68が設けられた
立ち下げ部分の配管52内の漂白液中の気泡が排出され
た状態となるのに必要な予め設定した時間TD になった
かを判断する。なお、予め設定した時間TD は、配管5
2への検出部68の取り付け位置、配管52内の処理液
(漂白液)の粘性等によって異なるが、約30秒〜60
秒程度でよい。
【0099】ステップ106で肯定判定され、すなわ
ち、循環ポンプ54が停止してから所定の時間TD 経過
したことが確認されると、次のステップ108へ移行し
て、比重計60によって配管52内の漂白液の比重測定
を行う。なお、漂白液の比重測定処理は後述する。
【0100】漂白液の比重の演算が終了すると、ステッ
プ110へ移行して、停止させていた循環ポンプ54と
ヒータ48とを作動させて、漂白液の加熱循環を再開す
る。
【0101】ここで、この漂白液の比重測定処理を、該
処理のサブルーチンを示したフローチャート(図10参
照)を参照して詳述する。
【0102】前述したように漂白液は多成分で構成され
ているので、薬品成分の種類及びその成分比率によって
漂白液の体積弾性率Eが変化するため、漂白液中の音波
の伝搬速度及び漂白液温度を検出して上記式(1)から
では、正確にその比重を求めることができない。
【0103】一方、本発明者等は、同一タイプの複数
(なお、説明の便宜上3台を例にして説明する。)のフ
ィルムプロセッサの処理液をサンプリングし、それぞれ
の処理液を水で希釈しながら、そのときの処理液中を伝
搬する超音波の伝搬速度を測定し、同時に基準となる比
重計で比重の測定を行った。その結果を図7及び図8に
示す。なお、図7は、それぞれのフィルムプロセッサ1
0の漂白液中を伝搬する超音波の伝搬速度に比例する出
力値〔mV〕と測定された比重との関係を示し、図8
は、それぞれのフィルムプロセッサ10の定着液中を伝
搬する超音波の伝搬速度に比例する出力値〔mV〕と測
定された比重の関係を示す。これらの図から理解される
ように、処理機が異なれば、同一の伝搬速度であっても
比重値が異なっている。なお、これらの比重は、浮子式
や振り子式等の比重計を用いて求めた。
【0104】このように同一の伝搬速度であっても処理
機が異なれば比重値が異なるのは、それぞれのフィルム
プロセッサにより処理したネガフィルムNの処理量が異
なるからである、と考えられる。なぜなら、ネガフィル
ムNを処理液で処理すればネガフィルムNから処理液に
所定成分が溶出し、溶出量も処理量が多ければ多い程多
くなり、これに従って処理液の組成が変化するからであ
る。すなわち、処理液の組成の変化量はネガフィルムN
の処理量に応じて定まるからである。逆に、同じ比重で
あっても、ネガフィルムNの処理量が異なれば、溶液の
組成に違いが生じ、これにより、超音波の伝搬速度が異
なってくる。なお、ネガフィルムNの処理量とは、処理
液で処理されたネガフィルムNの総面積である。この処
理量の算出処理は後述する。
【0105】そこで、多数のフィルムプロセッサの処理
液中を伝搬する超音波の伝搬速度と測定された比重の関
係をネガフィルムNの処理量と共に処理液を水で希釈し
ながら測定してみると、図9に示す関係が得られた。す
なわち、図9(a)は、フレッシュの状態(未だネガフ
ィルムNを処理していない状態)の漂白液中を超音波が
伝搬するときの伝搬速度と測定された比重との関係を示
し、図9(b)は、ネガフィルムNの処理量がKのとき
の漂白液中を超音波が伝搬するときの伝搬速度と測定さ
れた比重との関係を示し、図9(c)は、フレッシュの
状態のときの定着液を超音波が伝搬するときの伝搬速度
と測定された比重との関係を示し、図9(d)は、ネガ
フィルムNの処理量がKのときの定着液を超音波が伝搬
するときの伝搬速度と測定された比重との関係を示す。
なお、この処理液は、富士写真フィルム社製のカラーネ
ガフィルム用の処理液CN−16X(商品名)である。
【0106】以上説明したように、同一のタイプのフィ
ルムプロセッサの処理液でもネガフィルムNの処理量が
異なると伝搬速度と処理液の比重との関係が異なるが、
処理量が同一の場合には伝搬速度と比重との関係が同一
となる。
【0107】そこで、本形態では、処理量に応じて定ま
る処理液中の超音波の伝搬速度と比重との関係を示す図
9のマップを予め記憶するようにしている。なお、図9
では、各処理液についてフレッシュの状態のときの関係
と処理量がKのときの関係とを示したが、処理量が0〜
Kの間に定められた複数の処理量について各々マップが
定められている。また、この伝搬速度と比重との関係
は、処理量が多くなるに従って伝搬速度と比重との関係
を示す直線の傾きが大きくなる傾向にある。
【0108】なお、このようなマップを記憶せず、同様
のデータテーブルを記憶するようにしてもよく、また、
処理量に応じた処理液中の超音波の伝搬速度と比重との
関係を示す演算式を記憶するようにしてもよい。
【0109】まず、図10のステップ112で、ネガフ
ィルムNの処理量の積算値を取込む。なお、供述するネ
ガフィルムNの処理量積算処理によりこの処理量の積算
値が演算されて記憶されている。
【0110】ステップ114で、取り込んだ処理量の積
算値に最も近い処理量のマップ(図9(a)、図9
(b)参照)を選択する。
【0111】ステップ116では、伝搬速度を検出す
る。すなわち、計測部62に対して、発振回路72を作
動させるように指示して、配管52に取り付けた発振器
64から超音波を発振させる。このように、発振器64
から発振した超音波は受信器66によって受信され、受
信器66は所定の信号を受信回路74へ出力する。これ
により受信回路74は、所定の信号を時間計測回路76
に出力する。時間計測回路76では、発振回路72に信
号を出力したときから受信回路74からの信号を入力す
るときまでの時間を計時し、計時した時間から予め記憶
された配管52(配管52中の距離D1 −D2 )を超音
波が伝搬する時間を減算することにより、超音波が漂白
液中を伝搬する時間を算出し、算出した時間に比例する
出力値〔mV〕を演算回路78に出力する。
【0112】演算回路78では、入力したこの出力値
〔mV〕及び配管52の内径D2 から配管52内の漂白
液中の超音波の伝搬速度を演算し、演算した伝搬速度に
比例する出力値〔mV〕を制御部56に出力する。
【0113】このように、伝搬速度に比例する出力値
〔mV〕を入力すると、ステップ118で、入力した出
力値〔mV〕及びステップ114で選択したマップに基
づいて、出力値から比重が演算される。なお、処理量の
積質値に近い2つのマップを選択し補間法により比重を
演算するようにしてもよい。
【0114】次に、ネガフィルムNの処理量の積算処理
を図11を参照して説明する。装填部16N0に装填さ
れたネガフィルムNがプロセッサ部16内へ搬送される
とき、ネガフィルムNは、赤外線放射部32Nと検出部
34Nとの間を通過する(図2(b)参照)。一方、赤
外線放射素子32N1〜32N6は常時赤外線を放射し
ているため、ネガフィルムNが赤外線放射部32Nと検
出部34Nとの間を通過すると、ネガフィルムNによっ
て赤外線が遮断される。
【0115】赤外線放射素子32N1〜32N6のいず
れかからの赤外線が遮断されると検出素子34N1〜3
4N6から遮断信号が制御部56に入力される。検出素
子34N1〜34N6のいずれかからこの遮断信号を入
力した場合には、ステップ122の判断が肯定され、す
なわち、ネガフィルムNの先端が通過したと判断され、
ステップ124で計時を開始し、ステップ126で、遮
断信号を出力した検出素子の個数からネガフィルムNの
幅を検出する。すなわち、赤外線放射素子32N1〜3
2N6及び検出素子34N1〜34N6は、前述したよ
うに、ネガフィルムNの搬送方向Xと交差する方向に配
置されているので、ネガフィルムNが赤外線放射部32
Nと検出部34Nとの間を通過すると、ネガフィルムN
の幅に対応する検出素子34N2〜34N5から遮断信
号が出力され、遮断信号を出力した検出素子の個数から
ネガフィルムNの幅を検出することができる。
【0116】次のステップ128で、ネガフィルムNに
よる赤外線の遮断が解除されたか否かを判断することに
より、ネガフィルムNの後端が通過したか否かを判断す
る。ネガフィルムNの後端の通過が検出されるとステッ
プ128の判断が肯定され、ステップ130で、計時を
終了する。以上によりネガフィルムNが赤外線放射部3
2Nと検出部34Nとの間を通過するのに要した時間が
計時される。
【0117】次のステップ132では、ネガフィルムN
の処理量として、連続して処理したネガフィルムNの総
面積を演算する。すなわち、ネガフィルムNの搬送速度
は予め決定されているので、この搬送速度と計時された
時間とからネガフィルムNの長さが検出でき、この長さ
とステップ126で検出したネガフィルムNの幅とから
ネガフィルムNの総面積を演算することができる。
【0118】このように、ネガフィルムNを処理する毎
に、処理したネガフィルムNの総面積(処理量)を積算
して、処理液がフレッシュ状態(ネガフィルムNを処理
していない状態)からのネガフィルムNの各々の処理量
を時系列に日付データ(年、月、日)と共に記憶する。
【0119】以上説明した実施の形態では、積算された
ネガフィルムNの処理量に応じて定まる伝搬速度から比
重を演算するためのマップを選択し、検出した伝搬速度
から該マップに基づいて比重を演算しているので、構成
成分が複数の漂白液であってもその比重を正確に求める
ことができる。
【0120】また、前述した実施の形態では、漂白液の
比重の測定を行うときに、検出部68と補助槽44の間
の配管52の周囲には、断熱材70を設けているため、
検出部68近傍の漂白液の温度変化を抑えることができ
る。また、検出部68は、配管52の立ち下げ部分に取
り付けてあるため、配管52内の気泡は、漂白液を鎮静
化することによって検出部68近傍の配管52内から気
泡を確実に除去することができる。
【0121】このように、温度変化を抑え、液中の気泡
を確実に除去することによって、超音波を用いた比重計
60によって正確に漂白液の比重を測定することができ
る。
【0122】さらに、超音波を用いた比重計60は、検
出部68が漂白液に接触しないため、漂白液中の成分が
付着して析出することによって生じる検出不良を防止す
ることができ、自動的な比重測定が可能となる。また、
このように、漂白液に非接触で比重を測定することがで
きることから、検出部に付着した処理液の除去等のメン
テナンスが不要となる。また、このようにして測定され
た比重に基づいて補充液の補充等を行なうことにより、
装置内部及び該漂白液を、ネガフィルムNが最適な状態
で仕上げられるように維持することができる。
【0123】また、多成分で構成された溶液の濃度Dを
測定する方法として従来、溶液中の超音波の伝搬速度
V、溶液の温度T及び電気伝導度Cを測定して、所定の
関係式{D=F(V、T、C)}から求める方法〔富士
工業株式会社の『超音波液体用濃度計FUD−1』(商
品名)〕があるが、この方法と本形態とを比較すると、
溶液の温度が一定の場合を考えた場合、この方法では、
溶液中の超音波の伝搬速度Vの他に電気伝導度Cを測定
しなければならないが、本形態では、溶液中の超音波の
伝搬速度のみを測定すればよく、簡易な構成で処理液の
比重を測定することか可能になるという顕著な効果があ
る。
【0124】以上説明した実施の形態では、比重計60
の検出部68を配管52の補助槽44の底部への連結部
近傍で、配管52が略垂直となっている立ち下げ部分に
取り付けているが、検出部68の取り付け位置を所定の
角度に傾斜させてもよい。すなわち、図12に示される
ように、検出部68が取り付けられる配管52の水平方
向に対する傾斜角度θは、内部の処理液の粘性等によっ
て影響されるが、少なくとも傾斜角度θが5°以上であ
ればよく、この傾斜角度θ等を考慮して、循環ポンプ5
4を停止させてから比重計60による比重測定を行うま
でのディレイタイムTD を設定すればよい。
【0125】また、検出部68の取り付け位置を補助槽
44から離したときには、途中の配管52の周囲に断熱
材70を巻付けて、配管52内の漂白液の液温が周囲の
影響を受けて変化してしまうことがないようにすればよ
い。
【0126】さらに、図13に示されるように、比重測
定に用いる比重計60としては、発振用の圧電素子と受
信用の圧電素子を一体にした検出部82を用いることが
できる。この検出部82では、発振用の圧電素子から発
し、処理液中を通過して配管52の内壁で反射した超音
波、即ちエコーを受信用の圧電素子で検出するようにし
てもよい。この場合においても、配管52の外形及び内
径が予め決まっているので、エコーの時間差は、配管5
2内の漂白液の比重に基づくものとなり、正確に比重の
測定を行うことができる。
【0127】なお、本形態ではプリンタプロセッサ10
の漂白槽16N2に貯留している漂白液の比重測定を例
に説明したが、漂白液の他の処理液の比重の演算も同様
に行うことができる。例えば、定着液における、ネガフ
ィルムNの処理量に応じて定まる伝搬速度(伝搬速度に
比例する出力値〔mV〕)と比重との関係を示したマッ
プ(図9(c)、図9(d))を用いて同様に比重の演
算を行うようにする。
【0128】以上説明した実施の形態におけるフィルム
プロセッサとして大ラボカラーフィルムプロセッサを例
に説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、
図14に示すように、大ラボカラーリバーサルプロセッ
サを用いてもよい。すなわち、この大ラボカラーリバー
サルプロセッサは、装填部140Nを備えている。この
装填部140Nには、前述した赤外線放射部32Nと検
出部34Nとから構成されたフォトセンサが設けられて
いる。この装填部140Nのリバーサルフィルムの搬送
方向下流方向に、第1の現像槽160N1、反転槽16
0N2、発色現像槽160N3、調整槽160N4、漂
白槽160N5、定着槽160N6、水洗槽160N
7、安定槽160N8が順に配置されており、各処理槽
内にはそれぞれ現像液、反転液、発色現像液、調整液、
漂白液、定着液、水洗液、安定液が貯留されている。
【0129】また、プロセッサ部160のリバーサルフ
ィルムの搬送方向下流側には乾燥部180N及び巻取部
200が配置されている。
【0130】この大ラボカラーリバーサルプロセッサの
処理液の比重を求める場合にも、リバーサルフィルムの
処理量に応じて定まる伝搬速度(伝搬速度に比例する出
力値)と比重との関係を示したマップを記憶して置く。
このマップの例を図15に示す。図15(a)は、フレ
ッシュの状態のときの漂白液中を超音波が伝搬するとき
の伝搬速度と測定された比重との関係を示し、図15
(b)は、ネガフィルムNの処理量がKのときの漂白液
中を超音波が伝搬するときの伝搬速度と測定された比重
との関係を示し、図15(c)は、フレッシュの状態の
ときの定着液中を超音波が伝搬するときの伝搬速度と測
定された比重との関係を示し、図15(d)は、ネガフ
ィルムNの処理量がKのときの定着液中を超音波が伝搬
する伝搬速度と測定された比重との関係を示す。なお、
図15では、各処理液についてフレッシュの状態のとき
の関係と処理量がKのときの関係を示したが、処理量が
0〜Kの間に定められた複数の処理量について各々マッ
プが定められている。また、この伝搬速度と比重との関
係は、漂白液については、処理量が多くなるに従って伝
搬速度と比重との関係を示す直線の傾きが小さくなる傾
向にあり、定着液については、処理量が多くなるに従っ
て伝搬速度と比重との関係を示す直線の傾きが大きくな
る傾向にある。
【0131】比重を求める場合には、リバーサルフィル
ムの処理量を積算して積算値を求め、処理量が積算値に
最も近いマップを選択すると共に、処理液の超音波の伝
搬速度を検出し、検出した伝搬速度と選択したマップと
に基づいて比重を演算する。なお、処理量の積算値に近
い2つのマップを選択し補間法により比重を演算するよ
うにしてもよい。
【0132】また、前述した実施の形態は、フィルムプ
ロセッサを例にとり説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものでなく、印画紙Pを処理するプリンタプロセッ
サにも適用することができる。すなわち、プリンタプロ
セッサ100は、図16に示すように、光源部12K、
光学系14K及び露光室16Kによって構成されるプリ
ンタ部18Kを備え、露光室16Kの上部には、感光材
料である長尺の印画紙Pをロール状に巻き取って収容し
ているペーパーマガジン20Kが装填されている。この
印画紙Pは、ペーパーマガジン20Kから引き出されて
露光室16Kへ送られる。
【0133】また、このプリンタ部18Kでは、所定位
置に配置したネガフィルムFに光源部12Kからの光を
照射し、ネガフィルムFを透過した光を光学系14Kに
よって露光室16Kに引き出された印画紙Pに結像さ
せ、印画紙PをネガフィルムFに記録された画像に応じ
て露光するようになっている。
【0134】露光室16Kの下方には、カッタ22K及
びリザーバ部24Kが設けられており、露光室16Kで
画像露光された印画紙Pは、リザーバ部24Kへ送ら
れ、カッタ22Kによって所定の長さ(例えばネガフィ
ルム1本分の画像を記録する毎)に切断され、このリザ
ーバ部24Kを経てプロセッサ部26Kへ送られる。
【0135】プロセッサ部26Kには、発色現像液を貯
留する発色現像槽30K、漂白定着液を貯留する漂白槽
32K及びそれぞれにリンス液を貯留する複数のリンス
槽34Kを備えている。なお、本形態のプリンタプロセ
ッサ100では、リンス槽34Kとして第1リンス槽3
4A、第2リンス槽34B、第3リンス槽34C及び第
4リンス槽34Dの4槽を設けている。
【0136】発色現像槽30K、漂白槽32K、リンス
槽34Kのそれぞれには、図示しないローラとガイドを
備えた搬送ラック40K、42Kが設けられており、リ
ザーバ部24Kから送り込まれた印画紙Pは、搬送ラッ
ク40K、42Kによって発色現像槽30K、漂白槽3
2K及びリンス槽34K内を搬送されて、発色現像液、
漂白定着液、リンス液に順次浸漬されて処理される。
【0137】最終の第4リンス槽34Dから送り出され
た印画紙Pは、次に乾燥部36Kへ送られ、この乾燥部
36Kで加熱乾燥された後に、上方へ引き出されて、カ
ッタ38Kで、例えば画像コマ毎に切断されてソータ2
8Kへ写真プリントとして排出されて順次集積される。
【0138】プリンタプロセッサ100では、ペーパー
マガジン20Kからプリンタ部18Kへ印画紙Pを引き
出し、光源部12Kから照射されてネガフィルムFを透
過した光を光学系14Kによって、この印画紙Pに結像
させる。これによって、印画紙Pは、ネガフィルムFに
記録された画像に応じて露光され、次に、リザーバ部2
4Kを経てプロセッサ部26Kへ送られる。このとき印
画紙Pはカッタ22Kによって所定の長さに切断され
る。
【0139】このプリンタプロセッサ100による印画
紙Pの処理量を積算するための赤外線放射部32N及び
検出部34Nにより構成されたフォトセンサをリザーバ
部24K内に設けるようにしてもよい。なお、フォトセ
ンサに代わってリミットスイッチによっても印画紙Pの
有無を検出してもよいが、接触式のリミットスイッチよ
りも非接触のフォトセンサの方が好ましい。さらに、ペ
ーパーマガジン20Kに回転センサを取り付けてもよ
く、この場合は、ペーパーマガジン20Kの出口付近に
ある送り出しローラの回転数を検出すれば、そのローラ
の外周距離と回転数を乗算したものが処理量となる。
【0140】また、前述した実施の形態では、フィルム
プロセッサ又はプリンタープロセッサを例にとり説明し
たが、本発明はこれに限定されるものでなく、フィルム
プロセッサ及びプリンタープロセッサを一体型にした写
真処理装置(図17参照)にしたものにも適用可能であ
る。すなわち、この写真処理装置10Lでは、ネガフィ
ルム12Lをパトローネ14Lから引き出して現像処理
するフィルム処理部16L、マガジン18Lにロール状
に巻き取られて収容されている印画紙20Lを引出し
て、現像処理したネガフィルム12Lに記録された画像
に応じて露光する画像露光部22L、画像露光の終了し
た印画紙20Lを現像処理する印画紙処理部24Lを備
えており、図示しないケーシングに一体で収容してい
る。
【0141】フィルム処理部16Lには、現像液を貯留
する現像槽26L、漂白液を貯留する漂白槽28L、そ
れぞれに定着液を貯留する第1定着槽30L、第2定着
槽32L、水洗水を貯留する水洗槽34L、それぞれに
安定浴液を貯留する第1安定浴槽36L、第2安定浴槽
38Lが連続して配置され、第2安定浴槽38Lの下流
側に乾燥室42L及びリザーバ部44Lが設けられてい
る。
【0142】パトローネ14Lから引き出されたネガフ
ィルム12Lは、図示しない搬送手段によって現像槽2
6L、漂白槽28L、第1定着槽30L、第2定着槽3
2L、水洗槽34L、第1安定浴槽36L、第2安定浴
槽38L内を順次搬送され、現像液、漂白液、定着液、
水洗水及び安定浴液による処理液処理が施される。処理
液処理の終了したネガフィルム12Lは、乾燥室42L
内で、図示しないヒータと乾燥ファンによって発生され
た乾燥風が吹き付けられて乾燥処理され、リザーバ部4
4Lへ送り出される。
【0143】一方、画像露光部22Lでは、リザーバ部
44Lから現像処理の終了したネガフィルム12Lを引
き入れると共に、マガジン18Lから印画紙20Lを引
出して、印画紙20Lにネガフィルム12Lに記録され
ている画像を順次露光する。なお、この画像露光部22
Lの構成としては、ネガフィルム12Lと印画紙20L
をそれぞれ所定の速度で搬送しながらネガフィルム12
Lに記録された画像を印画紙20Lへ露光するスリット
露光や、ネガフィルム12Lに記録されている画像を画
像読取手段によって読み取った後、この読み取った画像
を印画紙20Lへレーザ光等によって走査露光する等の
種々の露光方式を用いることができる。このようにして
画像露光された印画紙20Lは、画像露光部22Lと印
画紙処理部24Lの間に設けられたリザーバ部46Lへ
送り出される。
【0144】印画紙処理部24Lには、印画紙20Lの
現像用の現像液を貯留する現像槽48L、漂白定着液を
貯留する漂白定着槽50L、それぞれにリンス液を貯留
する第1リンス槽52L、第2リンス槽54L、第3リ
ンス槽54Lが設けられ、第3リンス槽56Lの印画紙
搬送方向の下流側には、乾燥室58Lが設けられてい
る。リザーバ部46Lに送り出されかつ画像露光された
印画紙20Lは、図示しない搬送手段によって印画紙処
理部24Lへ引き入れら、さらに、現像槽48L、漂白
定着槽50L、第1リンス槽52L、第2リンス槽54
L、第3リンス槽56L内を順次搬送され、現像液、漂
白定着液、リンス液による処理液処理が施される。処理
液処理の終了した印画紙20Lは、乾燥室58L内を搬
送され、図示しないヒータと乾燥ファン等によって発生
された乾燥風が吹き付けられて乾燥処理される。
【0145】乾燥処理の終了した印画紙20Lは、例え
ば画像コマ毎に切断されて写真プリントとして排出され
る。
【0146】このように構成された写真処理装置10L
の上記処理液の濃度、処理液の密度、処理液の比重のい
ずれかを求めるために上記実施の形態及び変型例を用い
てもよい。
【0147】また、前述した実施の形態では、処理液の
比重を測定して、図示しない補充液の補充を行うように
説明したが、比重の測定結果は、種々の適用が可能であ
る。例えば、互いに隣接する処理槽の間に設けられ感光
材料を液外に引出して搬送するクロスオーバーラックを
洗浄する機能を備えた感光材料処理装置では、測定した
比重からクロスオーバーラックのローラ、ガイド等を洗
浄する洗浄水の量を算出し、この算出結果に基づいた量
の洗浄水でクロスオーバーラックの洗浄を行うようにし
てもよい。これによって、洗浄の終了した洗浄水を各処
理槽に回収しても、洗浄水によって処理液が薄められて
しまうのを防止でき、常に最適な状態で感光材料の処理
を行うことができる。
【0148】また、非常に濃度が高い濃縮補充液に所定
量の水を加えて希釈してから補充する場合においては、
比重の測定結果から、濃縮補充液に加える希釈水の量を
調節するなど、種々の適用が可能であり、これによっ
て、効率良く補充液の補充を行うことができ、装置のラ
ンニングコストの低減を図ることができる。
【0149】なお、前述した実施の形態では、処理液中
の超音波の伝搬速度から比重を求めて、この比重に応じ
て図示しない補充液の補充を行ったが、直接、処理液中
の超音波の伝搬速度に基づいた出力により補充制御を行
ってもよい。
【0150】また、前述した実施の形態では、処理量に
応じて定まる伝搬速度と比重との関係のマップを記憶し
ているが、本発明はこれに限定されるものでなく、処理
液に補充される補充液の補充量、又は、該補充量及び該
処理量に応じて定まる伝搬速度と比重との関係のマップ
を記憶するようにしてもよい。なお、マップに代えて、
伝搬速度と比重との関係を示すデータテーブル又は演算
式でもよい。
【0151】また、前述した実施の形態では、比重を求
めるようにしているが、本発明はこれに限定されるもの
でなく、処理液の濃度、処理液の密度を求めるようにし
てもよい。すなわち、前述したマップ、データテーブル
及び演算式として、前述した処理量及び補充量の双方、
処理量、補充量のいずれかに応じて定まる伝搬速度と処
理液の濃度又は処理液の密度との関係を記憶するように
すればよい。
【0152】さらに、前述した実施の形態では、処理液
の温度を一定に保つように制御する例を説明したが、本
発明はこれに限定されるものでなく、処理液の温度を変
化させる場合にも適用することができる。この場合に
は、処理量、補充量、処理量及び補充量のいずれかに応
じて定まる伝搬速度と処理液の比重、処理液の密度及び
処理液の濃度との関係のマップ(又はデータテーブルや
演算式)を、処理液の温度に応じて記憶するようにすれ
ばよい。
【0153】また、前述した実施の形態では、超音波を
用いて処理液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の
いずれかを測定しているが、本発明はこれに限定される
ものでなく、超音波以外の音波でもよい。
【0154】また、前述した実施の形態では、処理液中
の音波の伝搬速度を求めているが、本発明はこれに限定
されるものでなく、処理液中の所定距離を音波が伝搬す
るのに要する伝搬時間を求めるようにしてもよい。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、処
理量及び補充量の少なくとも一方の積算値と処理液の伝
搬状態とを検出し、検出値と処理量及び補充量の少なく
とも一方に応じて定めた処理液の濃度、処理液の密度及
び処理液の比重の何れかと伝搬状態との関係とに基づい
て、処理液の濃度、処理液の密度及び処理液の比重の何
れかを演算しているため、構成成分が複数の処理液であ
ってもその濃度、密度及び比重を正確に求めることがで
きる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に適用したフィルムプロセッサの概略構
成図である。
【図2】該フィルムプロセッサに設置したフォトセンサ
の構成を示した図である。
【図3】本形態に適用した比重測定装置の概略構成図で
ある。
【図4】検出部の取り付けを示す概略斜視図である。
【図5】比重測定装置に用いた超音波センサの概略構成
図である。
【図6】比重測定処理ルーチンを示したフローチャート
である。
【図7】複数の処理機の漂白液における伝搬速度に比例
する出力値と処理液の密度との関係を示した線図であ
る。
【図8】複数の処理機の定着液における伝搬速度に比例
する出力値と処理液の密度との関係を示した線図であ
る。
【図9】検出した伝搬速度から比重を演算するためのマ
ップを示した図である。
【図10】比重測定処理のサブルーチンを示したフロー
チャートである。
【図11】ネガフィルムの処理量を積算する積算処理ル
ーチンを示したフローチャートである。
【図12】検出部の取り付け位置の一例を示す概略側面
図である。
【図13】検出部の適用例を示す配管の概略断面図であ
る。
【図14】他のフィルムプロセッサの概略構成図であ
る。
【図15】他のフィルムプロセッサにおける検出した伝
搬速度から比重を演算するためのマップを示した図であ
る。
【図16】本発明が適用可能なプリンタプロセッサの1
例を示した概略構成図である。
【図17】フィルムプロセッサ及びプリタープロセッサ
が一体型の写真処理装置の構成図である。
【図18】苛性ソーダ水溶液の超音波の伝搬速度と苛性
ソーダ水溶液の密度との関係を示した線図である。
【図19】酢酸水溶液の超音波の伝搬速度と酢酸水溶液
の密度との関係を示した線図である。
【符号の説明】
10 プリンタプロセッサ(感光材料処理装置) 32N 赤外線放射素子 34N 検出素子 56 制御部 60 比重計 62 測定部 64 発振器 66 受信器 68 検出部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料を処理する処理液中を伝搬する
    音波の伝搬状態を検出する伝搬状態検出手段と、 前記処理液で処理された感光材料の処理量及び前記処理
    液に補充された補充液の補充量の少なくとも一方を積算
    して積算値を求める積算手段と、 前記処理液の濃度、前記処理液の密度及び前記処理液の
    比重の何れかと前記伝搬状態との関係を前記処理量及び
    前記補充量の少なくとも一方に応じて記憶する記憶手段
    と、 前記処理量及び前記補充量の少なくとも一方の積算値、
    検出された前記伝搬状態及び前記記憶手段に記憶されて
    いる関係に基づいて前記処理液の濃度、前記処理液の密
    度及び前記処理液の比重の何れかを演算する演算手段
    と、 を備えた感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 前記伝搬状態は、前記処理液中を伝搬す
    る音波の伝搬速度又は該処理液中の所定距離を音波が伝
    搬するのに要する伝搬時間であることを特徴とする請求
    項1記載の感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 感光材料を処理する処理液の濃度、前記
    処理液の密度及び前記処理液の比重の何れかと前記処理
    液中を伝搬する音波の伝搬状態との関係を前記処理液で
    処理された感光材料の処理量及び前記処理液に補充され
    た補充液の補充量の少なくとも一方に応じて予め定め、 前記処理量及び前記補充量の少なくとも一方の積算値と
    前記伝搬状態とを求め、 求めた前記処理量及び前記補充量の少なくとも一方の積
    算値、求めた前記伝搬状態及び前記予め定めた関係に基
    づいて、前記処理液の濃度、前記処理液の密度及び前記
    処理液の比重の何れかを演算して測定する、 感光材料処理装置の処理液測定方法。
  4. 【請求項4】 前記伝搬状態は、前記処理液中を伝搬す
    る音波の伝搬速度又は該処理液中の所定距離を音波が伝
    搬するのに要する伝搬時間であることを特徴とする請求
    項3記載の感光材料処理装置の処理液測定方法。
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