JPH08339069A - 写真感光材料処理装置 - Google Patents

写真感光材料処理装置

Info

Publication number
JPH08339069A
JPH08339069A JP14663795A JP14663795A JPH08339069A JP H08339069 A JPH08339069 A JP H08339069A JP 14663795 A JP14663795 A JP 14663795A JP 14663795 A JP14663795 A JP 14663795A JP H08339069 A JPH08339069 A JP H08339069A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
amount
solution
density
sensitive material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14663795A
Other languages
English (en)
Inventor
Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
Fumio Mogi
文雄 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP14663795A priority Critical patent/JPH08339069A/ja
Priority to US08/661,596 priority patent/US5669031A/en
Publication of JPH08339069A publication Critical patent/JPH08339069A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真特性及び処理液の精度の高い品質管理を
行う。 【構成】 濃度計22でプロセッサ部10Nで処理され
たカラーペーパーの露光部及び未露光部の濃度を測定す
る。写真特性に影響を与える物理量として単位時間当た
りのカラーペーパーの処理量、処理液の温度、pH、比
重、電気伝導度、処理液に補充する補充液の補充量や処
理液に加える水分量を検出する。測定された濃度が所定
範囲外である場合には、検出された物理量に基づいて測
定された濃度が所定範囲外の値となった原因を推定し、
推定した原因に基づいて露光部及び未露光部の濃度が所
定範囲内となるように、処理槽10に補充される補充液
の量を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料処理装置
に係り、より詳しくは、処理液内に感光材料を通過させ
て処理する写真感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真感光材料処理装置におけ
る処理液状態の管理は、コントロールストップス処理に
よって行われるのが一般的である。このコントロールス
トップス処理は、予め一定の光強度、一定の露光時間、
及び一定の光質の基準露光条件で露光を行なった写真感
光材料(コントロールストリップス)を現像処理し、現
像されたコントロールストリップスの濃度を別途濃度計
で測定し、測定結果に基づいて処理液の状態をチェック
する作業である。斯かる作業は、ユーザーにとって面倒
な作業であり、濃度計を別途必要とするため経済的にも
負担が大きく改善が求められていた。
【0003】このような事実に鑑み、コントロールスト
リップスを作成するために上記基準露光条件で感光材料
を露光する基準露光部と、基準露光部で露光されかつ現
像部で現像されたコントロールストリップスの濃度を測
定する濃度計とを設け、濃度計での測定結果から処理液
の状態を演算し、演算した処理液の状態を表示部に表示
するフィルム現像装置(特開平6−230543号公
報)や、露光部で上記基準露光条件で光を照射して感光
材料を露光し、基準露光されかつ現像処理部で現像処理
された感光材料の濃度を濃度計で測定し、測定結果から
処理液の状態を演算し、演算した処理液の状態を表示部
に表示する写真焼付現像処理装置(特開平6−2360
18号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このフ
ィルム現像装置や写真焼付現像処理装置では、写真特性
の異常を検出するのみであり、異常時に異常の原因を突
き止めているわけではないために、誤ったプロセス制御
を行う可能性がある。
【0005】本発明は、上記事実に鑑み成されたもの
で、写真特性及び処理液の精度の高い品質管理が可能な
写真感光材料処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、処理液内を通過して処理された
処理済写真感光材料の特定の濃度を測定する濃度測定手
段と、前記処理済写真感光材料の写真特性に影響のある
各々異なった物理量を複数検出する物理量検出手段とを
備えている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の物
理量検出手段で、前記物理量の1つとして前記処理液の
状態を検出するようにしている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記物理量検出手段を、前記物理量として
少なくとも単位時間当たりの写真感光材料の処理量及び
前記処理液に補充する補充液の補充量を検出するように
している。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1ないし請
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記物理
量の大きさに応じて定まりかつ前記処理液を適性状態に
維持するための制御条件に基づいて前記処理液を適性状
態に維持する維持手段と、前記濃度測定手段により測定
された特定の濃度が予め決められた濃度を含んだ所定範
囲外の値となったか否かを判断する判断手段とを更に備
えている。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記判断手段の判断結果が肯定の場合に、
前記物理量検出手段により検出された複数の物理量に基
づいて前記濃度測定手段により測定された特定の濃度が
前記所定範囲外の値となった原因を推定する原因推定手
段を更に備えている。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記原因推定手段により推定された原因に
基づいて前記特定の濃度が前記所定範囲内の値となるよ
うに前記制御条件を変更する変更手段を更に備えてい
る。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項1ないし請
求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記濃度
測定手段を、前記処理済写真感光材料の未露光部の濃度
を測定するようにしている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明の濃度測定手段で測定する
特定の濃度としては、処理済写真感光材料の予め定めら
れた部位の濃度、最大濃度、及び最小濃度のいずれかを
使用することができる。
【0014】予め定められた部位の濃度としては、一定
の再現特性を有しかつ所定の露光条件(所定の光強度、
所定の露光時間等)で予め定められた1または複数点の
部位を露光した未現像の写真感光材料〔コントロールス
トリップ(以下、コンストという。)〕を、処理液で処
理した後の、コンストの露光された部位の濃度を用いる
ことができる。なお、本発明の写真感光材料処理装置
に、上記所定の露光条件で未現像の写真感光材料の予め
定められた1または複数点の部位を露光する露光手段を
設け、この露光手段により必要時に露光してコンストを
作成するようにしてもよい。
【0015】最大濃度としては、写真感光材料の暴光部
の濃度やピクトリアルな画像の最大濃度を用いることが
できる。
【0016】最小濃度としては、処理済写真感光材料の
未露光部の濃度を用いることができ、処理液で処理され
かつピクトリアルな画像が露光された処理済写真感光材
料の未露光部(例えば、コマ画像間の部分)の濃度や処
理液で処理されかつコマ画像が露光されていない処理済
写真感光材料の濃度を用いることができる。また、ピク
トリアルな画像の最低濃度を最小濃度として用いてもよ
い。
【0017】物理量検出手段で検出する処理済写真感光
材料の写真特性に影響のある各々異なった物理量として
は、写真感光材料の処理量、処理済写真感光材料に残留
している残留銀量、処理液の状態、及び露光時間(また
は露光量)の平均値がある。この各処理液の状態には、
各処理液の温度、各処理液の水素イオン指数pH(また
は水素イオン濃度)、各処理液の比重、各処理液の電気
伝導度(電気伝導率)、各処理液の補充精度、及び各処
理液の蒸発補正量がある。
【0018】上記の物理量は、全てまたは必要に応じて
複数個選択して使用することができるが、写真感光材料
処理装置の処理状態に最も関連性が深い物理量である写
真感光材料の処理量、及び補充精度を少なくとも使用す
るのが好ましい。
【0019】上記写真感光材料の処理量は、単位時間
(期間)毎、例えば、1日、1週間、及び1ヶ月毎に測
定すればよい。1日または2日程度の短い期間では処理
量の変動は少なく、ある程度の長い期間が経過すると処
理量の変動が表れるので、1週間〜1ヶ月間の所定期間
毎に測定するのが好ましい。すなわち、1週間の処理量
〜1ヶ月間の処理量、1日の処理量の複数日分の積算値
における1週間当たりの処理量(平均値)〜1ヶ月当た
りの処理量(平均値)を用いることが好ましい。
【0020】そして、処理液の状態を理想状態(写真感
光材料を適性に処理できる状態)に維持できる理想的な
処理量(理想処理量)を基準にした1または複数段階の
処理量の範囲を設定しておき、単位時間当たりの写真感
光材料の処理量がこの設定した1または複数の範囲のい
ずれに該当するかを判断するようにする。一般的には、
指定標準処理量の1/2〜2倍の範囲を許容処理量と定
めるのが好ましい。
【0021】上記残留銀量は、処理済写真感光材料のピ
クトリアルな画像の最大濃度部または暴光部に、例えば
処理部出口において赤外線を照射し、処理済写真感光材
料を透過した赤外線または処理済写真感光材料から反射
した赤外線を検出し、この赤外線の検出量から測定する
ことができる。残留銀量は、単位時間毎、例えば、1週
間好ましくは1日毎に検出すればよいが、過去1週間以
上好ましくは1か月以上に渡った時系列データで記憶す
るのが好ましい。
【0022】そして、上記処理液の処理性能が良好な場
合(規格範囲内)、やや良好な場合(規格限界範囲)、
及び不良な場合(規格限界外)の複数の範囲を設定し、
残留銀量がこの設定した複数の範囲のいずれに該当する
かを判断するようにする。例えば、規格範囲としては5
〔μg/cm2 〕以下の範囲、規格限界範囲としては5
〔μg/cm2 〕より大きく10〔μg/cm2 〕以下
の範囲、規格限界範囲外としては10〔μg/cm2
より大きい範囲を設定することができる。
【0023】上記各処理液の温度としては、現像液、漂
白液、定着液、漂白定着液、リンス液(水洗水)、安定
液等の複数の処理液毎の各温度を用いることができる。
そして、上記処理液を理想状態に維持できる理想的な温
度(理想温度)を基準にした1または複数の段階の温度
の範囲を設定しておき、各処理液の温度がこの設定した
1または複数の範囲のいずれに該当するかを判断するよ
うにする。
【0024】上記各処理液のpH、比重、及び電気伝導
度としては、現像液、漂白液、定着液、漂白定着液、リ
ンス液、安定液等の各処理液のpH、比重、及び電気伝
導度の測定値を用いることができるが、特に、測定精度
が優れる点からpH及び比重については漂白液、定着
液、漂白定着液の各pH及び各比重を用いるのが好まし
く、電気伝導度についてはリンス液、安定液の各電気伝
導度を用いるのが好ましい。各処理液のpH、比重、及
び電気伝導度は、単位時間毎、例えば、1週間好ましく
は1日毎に検出すればよいが、過去1週間以上好ましく
は1か月以上に渡った時系列データで記憶するのが好ま
しい。
【0025】そして、上記処理液を理想状態に維持でき
る標準的なpH、比重、及び電気伝導度を基準にした1
または複数の段階のpH、比重、及び電気伝導度の範囲
を各々設定しておき、上記検出したpH、比重、及び電
気伝導度の各々がこの設定した1または複数の範囲のい
ずれに該当するかを判断するようにする。
【0026】上記各処理液の補充精度は、現像液、漂白
液、定着液、漂白定着液、リンス液、安定液等の補充精
度の値を用いることができ、この補充精度は、上記写真
感光材料の処理量に基づいて定まる理論補充量と実際に
補充された補充量から求めることができる。例えば、写
真感光材料の単位処理量に対する補充液の単位補充量が
設定され補充タイミングで補充液を補充する場合には、
補充精度は、補充タイミングまでの処理量の積算値に基
づいて算出された理想補充量(処理量の積算値を単位処
理量で除算した値に単位補充量を乗じた値)に対する、
理想補充量と実際に補充された実補充量(補充液を貯留
する補充タンクの液レベルに基づいて算出することがで
きる)との差の割合で求めることができる。なお、補充
精度に代えてこの差を用いるようにしてもよく、理想補
充量に対する実補充量の割合を用いるようにしてもよ
い。
【0027】そして、予め設定された正常値である第1
の範囲(例えば、±5%以内の範囲)、危険領域である
第2の範囲(例えば、±5%より大きくかつ±10%以
下の範囲)、及び異常領域である第3の範囲(例えば、
±10%より大きい範囲)等の複数の範囲のいずれに補
充精度が該当するかを判断するようにする。
【0028】各処理液の補充精度は、単位時間毎、例え
ば、1週間好ましくは1日毎に記録すればよいが、過去
1週間以上好ましくは1か月以上に渡った時系列データ
で記憶するのが好ましい。
【0029】上記各処理液の蒸発補正量は、現像液、漂
白液、定着液、漂白定着液、リンス液、安定液等の各処
理液の蒸発量を補正するために加えられる加水量を用い
ることができる。この加水量は、環境温度、環境湿度及
び写真感光材料処理装置の運転状態等から得られる処理
液の蒸発量に基づいて演算され、かつ処理液に供給され
る水の量であるので、この環境温度、環境湿度及び写真
感光材料処理装置の運転状態等も同時に記憶するように
してもよい。この蒸発補正量は、毎日記録するのが好ま
しいが、過去1週間以上好ましくは1ヶ月以上の時系列
データで記録してもよい。
【0030】そして、露光時間(または露光量)の平均
値は、焼付時における写真感光材料が受光する光量(露
光量)や、写真感光材料の画像濃度を用いることができ
る。すなわち、複数の画像コマの上記露光量や画像濃度
の積算値の1画像コマ当たりの値(平均値)を用いるこ
とができる。そして、上記処理液を理想状態に維持でき
る理想的な理想露光量や理想画像濃度を基準にした1ま
たは複数の段階の露光量や画像濃度の範囲を設定してお
き、上記平均値がこの設定した1または複数の範囲のい
ずれに該当するかを判断するようにする。なお、上記複
数の画像コマのコマ数としては、最低でも100コマ、
好ましくは500〜5000コマ程度である。また、写
真感光材料の画像濃度は、画像面平均濃度から求める。
この画像面平均濃度には、大面積透過濃度〔LATD
(Large Area Transmittance
Demsity)〕と画像面濃度平均がある。また、
焼付時における写真感光材料が受ける露光量や写真感光
材料の画像は、予め定められた特定のプリントサイズに
対するものであるのが好ましい。この予め定められた特
定のプリントサイズは汎用サイズ(例えば、Eサイズま
たはLサイズ)であることが特に好ましい。
【0031】請求項4記載の発明の維持手段は、上記物
理量に応じて定まりかつ処理液を適性状態に維持するた
めの制御条件に基づいて、処理液を適性状態に維持す
る。斯かる制御条件には、補充タイミングで補充される
補充量や処理液の温度を標準状態に温調制御するための
設定温度がある。
【0032】また、判断手段は、写真濃度測定手段によ
り測定された特定の写真濃度が、予め決められた濃度を
含んだ所定範囲外の値になったか否かを判断する。これ
により、処理液の処理性能が許容範囲外になったか否か
を判断することができる。測定された特定の濃度が、所
定範囲内である場合には、現在の処理液の状態が許容範
囲内であるので、制御条件を変更しない。
【0033】請求項5記載の発明の原因推定手段は、判
断手段で測定された特定の濃度が所定範囲外の値になっ
たと判断した場合には、物理量検出手段により検出され
た物理量に基づいて濃度測定手段により測定された特定
の濃度が所定範囲外の値となった原因を推定する。
【0034】そして、請求項6記載の発明の変更手段
は、原因推定手段により推定された原因に基づいて特定
の濃度が所定範囲内の値となるように制御条件を変更す
る。
【0035】なお、本発明の写真感光材料処理装置は、
例えば、写真フィルムを処理する写真フィルム処理装
置、印画紙を処理する印画紙処理装置、または写真フィ
ルムを処理する写真フィルム処理部及び印画紙を処理す
る印画紙処理部を同一ケーシング内に備えた写真処理装
置のいずれであってもよい。このように、写真フィルム
処理部及び印画紙処理部を同一ケーシング内に備えた写
真処理装置であれば、より多くの情報を得ることがで
き、物理量検出手段により検出された物理量に基づいて
濃度測定手段により測定された特定の濃度が所定範囲外
となった原因を精度よく推定することができるため、好
ましい態様である。
【0036】このように、濃度測定手段により測定され
た特定の濃度が予め決められた濃度を含んだ所定範囲外
の場合に、検出された物理量に基づいて、濃度測定手段
により測定された特定の濃度が所定範囲外となった原因
を推定し、推定された原因に基づいて特定の濃度が所定
範囲内の値となるように制御条件を変更するようにすれ
ば、制御条件を、処理液を適性状態に維持するための適
性な制御条件に変更でき、これにより、処理液の処理性
能を許容範囲に制御することができ、写真特性及び処理
液の精度の高い品質管理が可能となる。
【0037】ここで、前述した処理液には、カラー現像
液、黒白現像液、漂白液、調整液、反転液、定着液、漂
白定着液、安定液、リンス液等を挙げることができる。
【0038】カラー現像液としては、好ましくは芳香族
第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性
水溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェ
ノール系化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミ
ン系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3
−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4
−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
メトキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−エチル−N−δ−ヒドロキシブチルアニリン及びこれ
らの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩
が挙げられる。これらの化合物は目的に応じ2種類以上
併用することもできる。
【0039】カラー現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、
ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衡剤、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像制御剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、N,N−ジ(スルホエ
チル)ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミ
ン、亜硫酸塩、ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド
類、トリエタノールアミン、カテコールジスルホン酸類
の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレング
リコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリ
エチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の
ような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、
ナトリウムボロンハイドライドのようなカブラセ剤、1
−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、
粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホ
ン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表
されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸、カルボキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸、ニトリロ
−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジア
ミン−N,N,N´,N´−テトラメチレンホスホン
酸、エチレンジアミンージ(o−ヒドロキシフェニル酢
酸)及びそれらの塩を代表例として上げることができ
る。
【0040】これらのカラー現像液のpHは9〜12で
あることが一般的である。またこれらの現像液の補充量
は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般に感
光材料1平方メートル当たり1リットル以下であり、補
充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくことにより
400ml以下にすることもできる。好ましくは30ml〜
300ml/m2 である。補充量を低減する場合には処理
槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。また現像液中
の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより
補充量を低減することもできる。
【0041】カラー現像後の写真乳剤層は通常漂白処理
される。漂白処理は定着処理と同時に行われてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行われてもよい。更に処理の
迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方
法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理す
ること、漂白定着処理の前に定着処理すること、または
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)、コバルト
(III)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、
過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。代表
的漂白剤としてはフェリシアン化物:重クロム酸塩:鉄
(III)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチ
レンジアミンジコハク酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、カルボキシ
エチルイミノジ酢酸などのアミノポリカルボン酸類もし
くはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩:過硫酸
塩:臭素酸塩:過マンガン酸塩:ニトロベンゼン類など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III)錯酸を始めとするアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止の
観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特に
有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III)錯
塩を用いた漂白液または漂白定着液のpHは通常4.5
〜8であるが、処理の迅速化のために、さらに低いpH
で処理することもできる。
【0042】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、特開昭53−95630号、リ
サーチ・ディスクロージャーNo.17129号(19
78年7月)などに記載のメルカプト基またはジスルフ
ィド結合を有する化合物;特開昭50−140129号
に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,706,
561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58−162
35号に記載の沃化物塩;西独特許第2,748,43
0号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45
−8836号記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等
が使用できる。なかでもメルカプト基またはジスルフイ
ド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好まし
く、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、特開昭53−95630号に記
載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,
834号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進
剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料
を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効で
ある。
【0043】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜
硫酸塩、ベンゼンスルフィン酸類あるいはカルボニル重
亜硫酸付加物が好ましい。
【0044】更に脱銀処理後、水洗及び/または安定工
程を経るのが一般的である。水洗工程での水洗水量は、
感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)、
用途、更には水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向
流、順流等の補充方式、その他種々の条件によって広範
囲に設定し得る。このうち、多段向流方式における水洗
タンク数と水量の関係は、Journal of the Society of
Motion Picture and Television Engineers 第64巻、
P248〜253(1955年5月号)に記載の方法
で、求めることができる。
【0045】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288838号に記載のカル
シウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を
極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−
8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベン
ダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著
「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、
殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0046】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗
水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定
し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、
好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択さ
れる。更に、本発明の写真感光材料処理装置は、上記水
洗に代り、直接安定液によって処理することもできる。
このような安定化処理においては、特開昭57−854
3号、特開昭58−14834号、特開昭60−220
345号に記載の公知の方法は全て用いることができ
る。
【0047】この安定浴にも各種キレート剤や防黴剤を
加えることもできる。上記水洗及び/または安定液の補
充に伴うオーバーフロー液は脱銀工程等の他の工程にお
いて再利用することもできる。
【0048】次に本発明に用いことができる写真感光材
料について説明する。本発明は如何なる感光材料にも適
用することができるがカラーネガフィルム及びカラーペ
ーパーに適用するのが好ましい。
【0049】本発明において適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感材を処理するために適用され
る処理法や処理用添加剤としては、下記の特許公報、特
に欧州特許EP,355,660A2号(特願平1−1
07011号)に記載されているものが好ましく用いら
れる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、臭化銀、
塩化銀等の各種ハロゲン組成の乳剤を用いることができ
る。とりわけ、カラーネガフィルムの場合には、沃臭化
銀乳剤を含有する層を有する事が好ましく、ヨード含量
が0.1〜10モル%程度含有する乳剤の使用が好まし
い。また、カラーペーパーの場合には、90モル%以上
が塩化銀からなるハロゲン化銀粒子を含有する乳剤層を
少なくとも一層有することが好ましい。より好ましくは
95〜99.9モル%以上、更に好ましくは98〜9
9.9モル%以上が塩化銀からなる乳剤であり、全層が
98〜99.9モル%以上の塩化銀からなる塩臭化銀乳
剤であることが特に好ましい。また、塗布銀量として
は、特に制限はないが、カラーネガフィルムの場合には
2g〜10g/m2 程度、カラーペーパーの場合には
0.2〜0.9g/m2 程度含有する場合が好ましい。
【0056】また、本発明に用いられる感光材料には各
種カプラーを含有することができるが詳細は表2に記載
した通りである。
【0057】更に、シアンカプラーとして、特開平2−
33144号に記載のジフェニルイミダゾール系シアン
カプラーの他に、欧州特許EPO,333,185A2
号に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー
(なかでも具体例として列挙されたカプラー(42)の
4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したも
のや、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開
昭64−32260号に記載された環状活性メチレン系
シアンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプ
ラー例3、8、34が特に好ましい)の使用も好まし
い。
【0058】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EPO,337,490A2号の第27〜
76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでも
オキソノール系染料)を感光材料の680nmに於ける
光学反射濃度が0.70以上になるように添加したり、
支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例
えばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸化チ
タンを12重量%以上(より好ましくは14重量%以
上)含有させるのが好ましい。
【0059】また、本発明に係わるカラー写真感光材料
には、カプラーと共に欧州特許EPO,277,589
A2号に記載のような色像保存性改良化合物を使用する
のが好ましい。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用
が好ましい。
【0060】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。
【0061】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号に記載
のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0062】本発明において、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の支持体を除いた乾燥膜厚が25μm以下であ
る場合が、キャリーオーバー量を少なくし、銀回収率を
高めるという意味で好ましい。とりわけ、カラーネガフ
ィルムの場合には13〜23μm程度、カーペーパーの
場合には7〜12μm程度が好ましい。
【0063】これらの膜厚の低減はゼラチン量、銀量、
オイル量、カプラー量等を減少させることで達成できる
が、ゼラチン量の低減して達成するのが最も好ましい。
ここで、膜厚は、試料を25°C60RH%2週間放置
後、常法により測定することができる。
【0064】本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写
真感光材料においては、写真層の膜膨潤度が、1.5〜
4.0であることが、ステインの改良や画像保存性の改
良の点で好ましい。特に、1.5〜3.0において、よ
り一層の効果を得ることができる。本発明の膨潤度と
は、カラー感光材料を33°Cの蒸留水に2分間浸潰し
た後の写真層の膜厚を乾いた写真層の膜厚で割った値を
言う。
【0065】また、ここで写真層とは、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、この層と相互に水
浸透性の関係にある積層された親水性コロイド群層をい
う。支持体を隔てて写真感光層と反対側に設けられたバ
ック層は含まない。写真層は写真画像形成に関与する通
常は複数の層から形成され、ハロゲン化銀乳剤層の外に
中間層、フィルター層、ハレーション防止層、保護層な
どが含まれる。
【0066】上記の膨潤度に調節するためにはいかなる
方法を用いても良いが、例えば写真膜に使用するゼラチ
ンの量及び種類、硬膜剤の量及び種類、または写真層塗
布後の乾燥条件や経時条件を変えることにより調節する
ことができる。写真層にはゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以上の親水性コロイドも用いることができ
る。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルローズ硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。
【0067】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、酸
無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサル
トン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合
物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等
種々の化合物を反応させて得られるものが用いられる。
【0068】前記ゼラチン・グラフトポリマーとして
は、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリク酸、それらの
エステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、ス
チレンなどの如き、ビニル系モノマーの単一(ホモ)ま
たは共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
たとえばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアクキルメタアク
リレート等の重合体とのグラフトポリマーが好ましい。
これらの例は米国特許2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載が
ある。代表的な合成親水性高分子物質はたとえば西独特
許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,
620,751号、同3,879,205号、特公昭4
3−7561号に記載されている。
【0069】硬膜剤としては、例えばクロム塩(クロム
明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒドな
ど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエ
ーテル、N,N’−メチレンビス−〔β−(ビニルスル
ホニル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデ
ヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル
化ゼラチンなどを、単独または組合わせて用いることが
できる。
【0070】特に好ましい硬膜剤としては、アルデヒド
類、活性ビニル化合物及び活性ハロゲン化合物である。
【0071】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、デイスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもデイス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0072】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。
【0073】また、露光に際して、米国特許第4,880,72
6 号に記載のバンド・ストップフイルターを用いるのが
好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現性
が著しく向上する。
【0074】本発明は各種感光材料、すなわちカラーネ
ガフルム、カラーネガペーパー、カラー反転ペーパー、
オートポジペーパー、カラー反転フィルム、映画用ネガ
フィルム、映画用ポジフィルム、レントゲンフィルム、
リスフィルムなどの製版用フィルム、黒白ネガフィルム
等を挙げることができるが、とりわけ、カラーネガフィ
ルムやカラーネガペーパーへの適用が好ましい。
【0075】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図面を参照し
て詳細に説明する。本発明の写真感光材料処理装置とし
てのプリンタープロセッサー10は、図1に示すよう
に、C、M、Yフィルターからなる調光フィルター、反
射ミラー及びハロゲンランプを備えた光源部12、写真
感光材料としてのカラーペーパー16Pを収納したペー
パーマガジン部16及びカラーペーパー16Pとはサイ
ズの異なるカラーペーパー16pを収納したペーパーマ
ガジン部17を備えている。
【0076】光源部12から照射された光は、ネガキャ
リア18に装填されたネガフィルムNを介して露光部1
4に照射される。また、ペーパーマガジン部16から引
き出されたカラーペーパー16P(カラーペーパー16
pの場合もある。なお、以下、カラーペーパー16Pの
みを例にとり説明する。)は、露光部14においてネガ
フィルムNの画像が焼き付けられ、プロセッサ部10N
内に搬送される。
【0077】このプロセッサ部10Nは、発色現像処理
槽10N1、漂白定着処理槽10N2、リンス処理槽1
0N3〜10N6の各処理槽及び乾燥部10N7から構
成されている。なお、発色現像処理槽10N1には発色
現像処理液、漂白定着処理槽10N2には漂白定着処理
液、リンス処理槽10N3〜10N6の各々には水洗処
理液が貯留されている。これによって、発色現像処理槽
10N1で現像されたカラーペーパー16Pは、漂白定
着処理槽10N2で定着処理された後リンス処理槽10
N3〜10N6で水洗処理され、乾燥部10N7で乾燥
処理されてカラープリントが作成される。このカラープ
リントはソーター部10N8に載置される。
【0078】このプリンタープロセッサ10には、プリ
ンタープロセッサ10の上部(図1の紙面上側)に表示
パネル72、ネガキャリア18にネガフィルムNに記録
されたバーコード及びDXコードを読み取るコード読み
取りセンサ55、及び露光部14の反射ミラー14N1
の反射側にネガフィルムNの画像を透過した光をレンズ
14N2を介して検出することにより露光量(ネガ濃度
に対応する)を検出するためのスキャナ14N3が各々
設置されている。また、このプリンタープロセッサ10
には、濃度測定部22N内に搬送されたカラーペーパー
16Pの画像の濃度を測定する濃度計22が設置されて
いる。さらに、乾燥部10N7及び露光部14の熱の影
響を受けない箇所には、環境温度を検出する環境温度セ
ンサ54、環境湿度を検出する環境湿度センサ56が設
置されている。
【0079】なお、プリンタープロセッサ10が、環境
温度センサ、コード読み取りセンサ及び環境湿度センサ
を備えた他のフィルムプロセッサ等と通信線で接続され
ている場合には、フィルムプロセッサで検出された環境
温度、環境湿度、バーコード及びDXコードの情報を取
り込むようにしてもよい。この場合には、プリンタープ
ロセッサ10のコード読み取りセンサ55、環境温度セ
ンサ54及び環境湿度センサ56を省略することができ
る。そして、このプリンタープロセッサ10には、各種
制御を行う制御部60が設けられている。
【0080】発色現像処理槽10N1よりカラーペーパ
ー16Pの搬送方向上流側には、図2(b)にも示すよ
うに、赤外線放射部32Nと検出部34Nとを所定間隔
隔てて対向配置して構成したフォトセンサが設けられて
いる。図2(a)に示すように、赤外線放射部32N
は、複数(本実施例では6個(なお、6個に限定されな
い。))の赤外線放射素子(赤外線放射ダイオード)3
2N1〜32N6をカラーペーパー16Pの搬送方向X
と交差する方向(カラーペーパーの幅方向)に配置して
構成され、また、検出部34Nは、赤外線放射素子32
N1〜32N6から放射された赤外線をそれぞれ検出す
る検出素子(ホトダイオード)34N1〜34N6がカ
ラーペーパー16Pの搬送方向Xと交差する方向に配置
して構成されている。なお、赤外線放射素子32N1〜
32N6及び検出素子34N1〜34N6は制御部60
(図7参照)に接続されている。
【0081】次に、上記各処理槽10N1〜10N6の
各々について説明する。発色現像処理槽10N1及び漂
白定着処理槽10N2は同一の構成であるので、発色現
像処理槽10N1のみを説明し、漂白定着処理槽10N
2の説明は省略する。発色現像処理槽10N1は、図3
に示すように、発色現像処理液を貯留する処理タンク1
0M、処理タンク10Mと連通されたサブタンク10M
S、サブタンク10MS内に補充する補充液を貯留する
補充タンク44M、及びサブタンク10MS内に補充す
る水を貯留する水補充タンク45Mを備えている。
【0082】サブタンク10MSは、補充ノズル42及
び補充ポンプ44Nを介して、補充液が補充されるよう
に補充タンク44Mに接続されると共に、補充ノズル4
2及び補充ポンプ48Lを介して水が補充されるように
水補充タンク45Mに接続されている。
【0083】補充タンク44Mには、補充タンク44M
の補充液のレベルを検出する超音波レベル計46Nが設
けられている。水補充タンク45Mに接続された水供給
配管には、補充ポンプ48Lを介して供給した水の量を
検出する水流量計48Nが設けられている。
【0084】また、サブタンク10MSには、サブタン
ク10MS内の発色現像処理液の温度を検出する温度セ
ンサ40N、発色現像処理液のpHを検出するpHセン
サ38N、発色現像処理液の比重を検出する比重計36
N、及び発色現像処理液のレベルを検出するレベル検出
器34が設けられている。
【0085】なお、32は発色現像処理液をオーバーフ
ローさせるための排出口である。また、発色現像処理槽
10N1には、処理タンク10M及びサブタンク10M
S内に貯留された発色現像処理液を破線で示した方向に
循環する循環装置30が設けられている。この循環装置
30は、循環ポンプ30N1、冷却ファン30N2、ヒ
ーター30N3、循環流量計51、フィルター取付棒3
0N5、及び循環フィルター30N4から構成されてい
る。この循環装置30により、発色現像処理液の温度が
設定温度(カラーペーパー16Pを適性に処理するため
の温度(例えば、35〔℃〕))となるように温調制御
(フィードバック制御)をしている。
【0086】次に、リンス処理槽10N3〜10N5を
説明するが、これらは各々同一の構成であるため、リン
ス処理槽10N3を説明し、他のリンス処理槽10N
4、10N5の説明は省略する。リンス処理槽10N3
は、図4に示すように、図3に示した発色現像処理槽1
0N1と略同様の構成であるため、図3と対応する部分
には同一の符号を付して説明を省略するが、発色現像処
理槽10N1のサブタンク10MSに備えられたpHセ
ンサ38N、比重計36Nに相当するセンサを備えてい
ない点で発色現像処理槽10N1と相違している。
【0087】最終のリンス処理槽10N6は、図5に示
すように、図4に示したリンス処理槽10N3と略同様
の構成となっているが、循環フィルター30N4から循
環ポンプ30N1の入口までの配管にコイル式の電気伝
導度計50を備えている点がリンス処理槽10N3と相
違している。
【0088】図6(a)、(b)に示すように、比重計
36Nは、計測部62と検出部68とによって構成さ
れ、検出部68には、超音波を発振する発振器64Hと
超音波を受信する受信器66Hとが対で設けられてい
る。発振器64H及び受信器66Hは処理液を介して対
向配置するように支持部材52に支持されている。検出
部68の発振器64Hは、例えば圧電セラミックス等の
圧電素子で構成され、測定部62の発振回路72から所
定の電圧が印加されることにより、所定の超音波を発振
する。また、受信器66は発振器64Hから発振された
超音波を受信した場合所定の信号を出力する。
【0089】計測部62は、発振器64Hに接続された
発振回路72、受信器66Hに接続された受信回路7
4、発振回路72と受信回路74とに接続された時間計
測回路76、及び時間計測回路76に接続された演算回
路78によって構成されている。この計測部62では、
発振回路72によって発振器64Hから超音波を発生さ
せ、受信器66Hが超音波を受信すると受信回路74か
ら受信信号が出力される。時間計測回路76は、発振器
64Hから発振した超音波が受信器66Hに受信される
までの時間を計測し、計測した時間を演算回路78へ出
力する。演算回路78では、予め記憶されている超音波
が支持部材52を伝搬するのに要する時間(発振器64
Hと受信器66Hとの間隔D1 から支持部材52の内径
2 を減算した距離だけ超音波が支持部材52中を伝搬
するのに要する時間)を、時間計測回路76から入力し
た時間から減算して、超音波が発色現像処理液中(距離
2)を伝搬するのに要する時間を求め、求めた時間及
び距離D2 から発色現像処理液を超音波が伝搬する伝搬
速度を算出し、伝搬速度に比例した出力値〔mV〕を制
御部60に出力する。
【0090】制御部60では、後述するカラーペーパ1
6Pの処理量に対応するマップ(図17参照)を選択
し、選択したマップと入力した伝搬速度に比例した出力
値〔mV〕とに基づいて比重を演算する。
【0091】次に、制御部60を説明する。この制御部
60は、図7に示すように、CPU62、ROM64、
RAM66、入出力ポート68及びこれらを相互に接続
するバス70を備えたマイクロコンピュータで構成され
ている。なお、図7において符号に附した添字1〜6
は、順に、発色現像槽10N1、漂白定着処理槽10N
2、リンス処理槽10N3〜リンス処理槽10N6に設
けられた要素を表現している。すなわち、この入出力ポ
ート68には、環境温度センサ54、環境湿度センサ5
6、赤外線放射素子32N1〜32N6、検出素子34
N1〜34N6、温度センサ40N1 〜40N6 、超音
波レベル計46N1 〜46N6 、電気伝導度計506
pHセンサ38N1 ,38N2 、比重計36N1 ,36
2 、及び補充流量計48N1 〜48N6 、濃度計2
2、及びコード読み取りセンサ55が接続されている。
また、入出力ポート68は、表示パネル72、補充ポン
プ44N1 〜44N6 、補充ポンプ48L1 〜48
6 、及び循環ポンプ30N11 〜30N16 に接続さ
れている。なお、この入出力ポート68には、図示して
いないが、光源部12、露光部14及びカラーペーパー
16Pを搬送する搬送系も接続されている。
【0092】次に、本実施例の作用を説明する。ここ
で、電源がオンされると、プリンタープロセッサ10
は、各処理液の温調制御を行う。この後、ネガフィルム
Nが装填されると、ネガフィルムNに記録された画像コ
マをカラーペーパー16Pに焼付露光を行うと共に焼付
露光されたカラーペーパー16Pを現像・定着・水洗処
理する。このように、電源がオンされてかつカラーペー
パー16Pを処理していない状態をスタンバイ状態とい
い、電源がオンされてかつカラーペーパー16Pを処理
している状態をドライブ状態という。そして、運転休止
日や夜間時等では電源がオフされて温調制御が停止され
る。この状態を停止状態という。なお、本実施例では、
毎日少なくともスタンバイ状態及び停止状態がある場合
を例にとり説明する。
【0093】まず、本実施例の処理液の処理性能を管理
する処理性能管理処理ルーチンを、図8を参照して説明
する。
【0094】プリンタープロセッサ10が停止状態から
スタンバイ状態になり、処理液の温度が設定温度となっ
たと判断されると、プリンタープロセッサ10に内蔵さ
れたフイルターを用いて、感材マガジン16から引き出
されて露光部14に到達したカラーペーパー16Pが標
準濃度に露光され、この露光されたカラーペーパー16
Pは搬送ローラによって搬送され、各処理槽10N1〜
10N6を通過して各処理液に浸漬して処理され、乾燥
部10N7を通過する。そして、乾燥部10N7を通過
し、図示しない切り換え手段により搬送経路が濃度測定
部22Nに切り換えられてカラーペーパー16Pが濃度
計22の設置位置に到達すると、図示しないペーパー検
出センサが該カラーペーパー16Pを検出する。この検
出により、図8のルーチンのステップ102で、濃度計
22から濃度を取り込む。この濃度の取込み処理を図9
を参照して説明する。
【0095】まず、ステップ132で露光部(標準濃度
となるように露光された部位)を測光し、ステップ13
4で測光により得られたR、G、Bの3原色信号を取り
込み、ステップ136で、取り込んだ3原色信号をR、
G、Bの各色の濃度に変換して記憶する。
【0096】ステップ138で未露光部(標準濃度とな
るように露光された部位以外の部位)を測光し、ステッ
プ140で測光により得られたR、G、Bの3原色信号
を取り込み、ステップ142で、取り込んだ3原色信号
をR、G、Bの各色の濃度に変換して記憶し、ステップ
104(図8参照)に進む。
【0097】以上の処理により、カラーペーパー16P
の露光部及び未露光部のR、G、Bの3原色の濃度(標
準濃度及び最小濃度Dmin )が取り込まれることにな
る。
【0098】ステップ104では、取り込んだ露光部及
び未露光部のR、G、Bの3原色の濃度に異常があるか
否かを判断する。なお、この判断は、取り込んだ露光部
及び未露光部のR、G、Bの3原色の濃度の各々と、
R、G、Bの3原色の標準濃度を含んだ許容範囲及び
R、G、Bの3原色の最小濃度を含んだ許容範囲とを比
較することにより行われ、取り込んだ露光部及び未露光
部のR、G、Bの3原色の濃度が許容範囲外の値である
場合に異常があると判断する。なお、露光部及び未露光
部のいずれか一方の濃度に異常があるか否かを判断する
ようにしてもよい。
【0099】ステップ104の判断が否定された場合に
は処理液が適性性能であることから本処理を終了し、ス
テップ104の判断が肯定された場合には、処理液の処
理性能に異常があると判断し、異常原因を推定するた
め、ステップ106で、カラーペーパー16Pの写真特
性に影響のある物理量として、処理量、処理液の温度、
補充精度、電気伝導度、pH、比重及び加水量を判定す
る。この判断処理を、図10を参照して詳細に説明す
る。
【0100】まず、ステップ146で、処理量を判定す
る。後述するように、本実施例では、カラーペーパー1
6Pの処理量が1週間及び1ヶ月毎に時系列で記憶され
ているので、この時系列で記憶されている1週間及び1
ヶ月毎のカラーペーパー16Pの最新の処理量を取込
み、取り込んだ1週間及び1ヶ月毎の処理量が、許容範
囲(カラーペーパー16Pの写真特性を許容範囲内に維
持するためにカラーペーパー16Pを処理すべき量の範
囲)内か否かを判断し、1週間及び1ヶ月毎の処理量の
少なくとも一方が許容範囲外であれば、その旨(異常項
目)を記憶する。
【0101】次のステップ148では、処理液の温度を
判定する。後述するように、各処理液の温度は時系列で
記憶されているので、この時系列で記憶されている各処
理液の温度を取込み、取り込んだ各処理液の温度が、設
定温度を基準とした許容範囲内の値か否かを判断し、取
り込んだ各処理液の温度のいずれかがこの許容範囲外で
あれば、その旨(異常項目)を記憶する。
【0102】次のステップ150では、各処理槽の補充
精度を判定する。後述するように、1週間のカラーペー
パー16Pの処理量に基づく補充精度が記憶されている
ので、日付データを参照して記憶されている1週間のカ
ラーペーパー16Pの処理量に基づく最新の補充精度を
取込み、取り込んだ補充精度が、許容範囲(補充精度が
良好な範囲)か否かを判断する。
【0103】ここで、許容範囲は、例えば±5%以内の
範囲であり、各処理槽の取り込んだ補充精度のいずれか
が許容範囲外であれば、その旨(異常項目)を記憶す
る。
【0104】なお、本実施例では、各処理槽の補充精度
が、±5%以内の範囲外であれば、その旨を記憶するよ
うにしているが、各処理槽の補充精度が±5%以内の範
囲(第1の許容範囲)及び±10%以内でかつ±5%を
越える範囲(第2の許容範囲)の2つの範囲外であるか
否かを判断して、判定結果を記憶するようにしてもよ
い。
【0105】次のステップ152では、電気伝導度を判
定する。後述するように、最終のリンス処理槽10N6
のリンス液の電気伝導度が時系列に記憶されているの
で、この時系列で記憶されているリンス液の電気伝導度
を取込み、取り込んだ電気伝導度が、許容範囲(カラー
ペーパー16Pの写真特性が許容範囲内に維持されるた
めの最終のリンス処理槽10N6のリンス液の理想的な
電気伝導度を基準にした許容範囲)内か否かを判断し、
取り込んだ電気伝導度が、この許容範囲外であれば、そ
の旨(異常項目)を記憶する。
【0106】次のステップ154では、pHの判定を行
う。後述するように、現像処理液及び漂白定着処理液の
pHが時系列に記憶されているので、この時系列で記憶
されている現像処理液及び漂白定着処理液のpHを取込
み、取り込んだ現像処理液及び漂白定着処理液のpH
が、許容範囲(カラーペーパー16Pの写真特性が許容
範囲内に維持されるための現像処理液及び漂白定着処理
液の理想的なpHを基準にした許容範囲)内か否かを判
断し、取り込んだ現像処理液及び漂白定着処理液のpH
の少なくとも一方が、この許容範囲外であれば、その旨
(異常項目)を記憶する。
【0107】次のステップ156では、比重の判定を行
う。後述するように、現像処理液及び漂白定着処理液の
比重が時系列に記憶されているので、この時系列で記憶
されている現像処理液及び漂白定着処理液の比重を取込
み、取り込んだ現像処理液及び漂白定着処理液の比重
が、許容範囲(カラーペーパー16Pの写真特性が許容
範囲内に維持されるための現像処理液及び漂白定着処理
液の理想的な比重を基準にした許容範囲)内か否かを判
断し、取り込んだ現像処理液及び漂白定着処理液の比重
の少なくとも一方が、この許容範囲外であれば、その旨
(異常項目)を記憶する。
【0108】次のステップ158では、加水量を判定す
る。後述するように、各処理液における実加水量及び理
論加水量を時系列で記憶しているので、日付データを参
照して記憶している最新の実加水量及び理論加水量を取
込み、取り込んだ実加水量が、許容範囲(カラーペーパ
ー16Pの写真特性が許容範囲内に維持されるための理
論加水量からの許容範囲)内か否かを判断し、取り込ん
だ加水量のいずれかが、この許容範囲外であれば、その
旨(異常項目)を記憶する。なお、上記で説明した補充
精度と同様の加水精度を用いるようにしてもよい。
【0109】ここで、上記ステップ146で使用するカ
ラーペーパー16Pの処理量を検出する処理量検出ルー
チンを図11を参照して説明する。
【0110】前述したように、露光部14においてネガ
フィルムNの画像が焼き付けられたカラーペーパー16
Pはプロセッサ部10N内に搬送される。このとき、カ
ラーペーパー16Pは、赤外線放射部32Nと検出部3
4Nとの間を通過する(図2(b)参照)。一方、赤外
線放射素子32N1〜32N6は常時赤外線を放射して
いるため、カラーペーパー16Pが赤外線放射部32N
と検出部34Nとの間を通過すると、カラーペーパー1
6Pによって赤外線が遮断される。
【0111】赤外線放射素子32N1〜32N6のいず
れかからの赤外線が遮断されると検出素子34N1〜3
2N6から遮断信号が制御部60に入力される。検出素
子34N1〜32N6のいずれかからこの遮断信号を入
力した場合には、ステップ162の判断が肯定され、す
なわち、カラーペーパー16Pの先端が通過したと判断
され、ステップ164で計時を開始し、ステップ166
で、遮断信号を出力した検出素子の個数からカラーペー
パー16Pの幅を検出する。すなわち、赤外線放射素子
32N1〜32N6及び検出素子34N1〜34N6
は、前述したように、カラーペーパー16Pの搬送方向
Xと交差する方向に配置されているので、カラーペーパ
ー16Pが赤外線放射部32Nと検出部34Nとの間を
通過すると、カラーペーパー16Pの幅に対応する検出
素子34N2〜34N5から遮断信号が出力され、遮断
信号を出力した検出素子の個数からカラーペーパー16
Pの幅を検出することができる。
【0112】次のステップ168で、カラーペーパー1
6Pによる赤外線の遮断が解除されたか否かを判断する
ことにより、カラーペーパー16Pの後端が通過したか
否かを判断する。カラーペーパー16Pの後端の通過が
検出されるとステップ168の判断が肯定され、ステッ
プ170で、計時を終了する。以上によりカラーペーパ
ー16Pが赤外線放射部32Nと検出部34Nとの間を
通過するのに要した時間が計時される。
【0113】次のステップ172では、カラーペーパー
16Pの処理量として、連続して処理したカラーペーパ
ー16Pの総面積を演算する。すなわち、カラーペーパ
ー16Pの搬送速度は予め決定されているので、この搬
送速度と計時された時間とからカラーペーパー16Pの
長さが検出でき、この長さとステップ146で検出した
カラーペーパー16Pの幅とからカラーペーパー16P
の総面積を演算することができる。
【0114】このように、カラーペーパー16Pを処理
する毎に、処理したカラーペーパー16Pの総面積(処
理量)を積算して、1日、1週間、1ヶ月及び処理液が
フレッシュ状態(カラーペーパー16Pを処理していな
い状態)からのカラーペーパー16Pの各々の処理量を
時系列に日付データ(年、月、日)と共に記憶する。
【0115】次に、上記ステップ148で使用する各処
理液の温度を検出する温度検出ルーチンを図12を参照
して説明する。本ルーチンは、プリンタープロセッサ1
0が停止状態からスタンバイ状態になり、処理液の温度
が設定温度となったと判断されたとき割り込み処理によ
り実行され、ステップ176で、各処理液の温度を温度
センサ40N1 〜40N6 から取込み、取り込んだ温度
を日付データと共に記憶する。
【0116】上記ステップ150で使用する各処理槽の
補充精度を検出する補充精度検出ルーチンを図13を参
照して説明する。なお、本ルーチンは、1週間毎、例え
ば、日曜日にプリンタープロセッサ10が停止状態にな
ったと判断されたとき実行され、ステップ182で、各
処理槽の超音波レベル計46N1 〜46N6 から各補充
液のレベル(今回のレベル)を取込み、ステップ184
で、前回レベル、すなわち、本ルーチンが実行される一
回前(1週間前)の各補充液のレベルを取込む。ステッ
プ186で、今回のレベル、前回のレベル及び各補充タ
ンク44Mの補充液の貯留部の形状データ(例えば、底
面積等)から、実際に補充液を補充した量(実補充量)
を演算する。
【0117】ステップ188で、今回のレベル(ステッ
プ182で取り込んだレベル)及び演算した実補充量を
日付データと共に記憶する。
【0118】ステップ190で、日付データを参照して
前回本ルーチンが実行されてから今回本ルーチンが実行
されまでの間の1週間のカラーペーパー16Pの処理量
を取込み、ステップ192で、理想補充量を演算する。
すなわち、本実施例では、カラーペーパー16Pの処理
量が所定値S1になる毎に、補充液をV(例えば、50
〔ml〕)補充するようにしている。従って、過去1週
間以内にカラーペーパー16Pを処理した総処理量S0
に対する理想補充量Hは次式(1)から得られる。
【0119】
【数1】H=(S0/S1)・V・・・(1) ステップ194で、各処理槽の補充精度、すなわち、実
補充量の理想補充量に対する誤差を演算し、ステップ1
96で、演算した各処理槽の補充精度を日付データと共
に記憶する。
【0120】上記ステップ152で使用する最終のリン
ス処理槽10N6のリンス液の電気伝導度を時系列に記
憶する処理は、温度検出ルーチンと同様であるのでその
説明を省略するが、本処理は、温度検出ルーチンが終了
したとき割り込み処理により実行される。なお、最終の
リンス処理槽10N6のリンス液の電気伝導度のみを検
出するのは、処理液の濃度が小さい程精度よく電気伝導
度を検出することができるためである。なお、最終リン
ス処理槽以外のリンス液の電気伝導度を検出するように
してもよい。
【0121】上記のステップ154で使用する現像処理
液及び漂白定着処理液のpHを時系列に記憶する処理
は、上記温度検出ルーチンと同様であるのでその説明を
省略するが、本処理は、電気伝導度を検出する処理が終
了したき割り込み処理により実行される。なお、現像処
理液及び漂白定着処理液のpHのみを検出するのは、処
理液の濃度が高い程精度よくpHを検出することができ
るためである。なお、現像処理液及び漂白定着処理液以
外の処理液のpHを検出するようにしてもよい。
【0122】上記ステップ156で使用する現像処理液
の比重を検出する比重検出ルーチンを図14を参照して
説明する。まず、本実施例における比重検出の原理を説
明する。例えば、苛性ソーダ(NaOH)のように溶液
の組成が1成分のときの密度は溶液中の超音波の伝搬速
度が検出できれば決定できる。すなわち、溶液中の超音
波の伝搬速度をV、この溶液の体積弾性率をEとする
と、溶液の密度ρは、次式(2)から得られる。
【0123】
【数2】ρ=E/V2 ・・・(2) このように、溶液の密度が求まれば、この密度からこの
溶液の比重も求めることができる。
【0124】しかしながら、前述したように処理液は多
成分で構成されているので、薬品成分の種類及びその成
分比率によって処理液の体積弾性率Eが変化するため、
処理液中の超音波の伝搬速度及び処理液を検出しても、
正確にその比重を求めることができない。
【0125】一方、本発明者等は、同一タイプの複数
(なお、説明の便宜上3台を例にして説明する。)のフ
ィルムプロセッサの処理液をサンプリングし、それぞれ
の処理液を水で希釈しながら、そのときの処理液中を伝
搬する超音波の伝搬速度を測定し、同時に基準となる比
重計で比重の測定を行った。その結果を図15及び図1
6に示す。なお、図15は、それぞれのフィルムプロセ
ッサの漂白液中を伝搬する超音波の伝搬速度に比例する
出力値〔mV〕と測定された比重との関係を示し、図1
6は、それぞれのフィルムプロセッサの定着液中を伝搬
する超音波の伝搬速度に比例する出力値〔mV〕と測定
された比重との関係を示す。これらの図から理解される
ように、処理機が異なれば、同一の伝搬速度であっても
比重が異なっている。なお、これらの比重は、浮子式や
振り子式の比重計を用いて求めた。
【0126】このように同一の伝搬速度であっても処理
機が異なれば比重が異なるのは、それぞれのフィルムプ
ロセッサにより処理したネガフィルムNの処理量が異な
るからである、と考えられる。なぜなら、ネガフィルム
Nを処理液で処理すればネガフィルムNから処理液に所
定成分が溶出し、溶出量も処理量が多ければ多い程多く
なり、これに従って処理液の組成が変化するからであ
る。すなわち、処理液の組成の変化量は処理量に応じて
定まるからである。逆に、同じ比重でも、処理量が異な
ると、溶液の組成に違いが生じ、これにより超音波の伝
搬速度が異なってくる。
【0127】そこで、多数のフィルムプロセッサの処理
液中を伝搬する超音波の伝搬速度と測定された比重との
関係をネガフィルムNの処理量と共に処理液を水で希釈
しながら調査してみると、図17に示す関係が得られ
た。すなわち、図17(a)には、漂白液がフレッシュ
の状態(未だネガフィルムNを処理していない状態)の
ときの伝搬速度と測定された比重との関係が示されてい
る。図17(b)には、ネガフィルムNの処理量がある
処理量Kのときの漂白液中を超音波が伝搬する伝搬速度
と測定された比重との関係が示されている。図17
(c)には、定着液がフレッシュの状態のときの伝搬速
度と測定された比重との関係が示されている。図17
(d)には、ネガフィルムNの処理量がある処理量Kの
ときの定着液中を超音波が伝搬する伝搬速度と測定され
た比重との関係が示されている。なお、この処理液は、
富士フィルム株式会社のカラーネガフィルム用の処理液
『CN−16X』(商品名)を用いた。
【0128】以上説明したように、同一のタイプのフィ
ルムプロセッサの処理液でもネガフィルムNの処理量が
異なると伝搬速度と処理液の比重との関係が異なるが、
処理量が同一の場合には伝搬速度と比重との関係は同一
となる。
【0129】ところで、以上は、フィルムプロセッセに
ついて説明したが、これは、プリンタープロセッサでも
同様のことが言える。
【0130】そこで、本実施例では、処理液中の超音波
の伝搬速度と比重との関係を所定の処理量の範囲毎にマ
ップ(図17と同様のマップ)として記憶するようにし
ている。なお、図17は、各処理液についてフレッシュ
の状態のときの関係と処理量がKのときの関係とを示し
たが、処理量が0〜Kの間に定められた複数の処理量に
ついて各々マップが定められている。また、伝搬速度と
比重との関係は、処理量が多くなるに従って伝搬速度と
比重との関係を示す直線の傾きが大きくなる傾向にあ
る。
【0131】なお、処理液中の超音波の伝搬速度と比重
との関係を示したマップを記憶せず、同様のデータテー
ブルを記憶するようにしてもよく、また、処理量に応じ
た処理液中の超音波の伝搬速度と比重との関係を示す演
算式を記憶するようにしてもよい。なお、更に温度に応
じたマップ等を記憶するようにしてもよい。すなわち、
前述したように本実施例では、処理液の温度を設定温度
に制御するものであるが、処理液の設定温度を複数用意
し、所定条件のときに設定温度を選択し、処理液の温度
を選択した設定温度となるように制御する場合には、こ
の温度に応じた処理液中の超音波の伝搬速度と比重との
関係を示したマップ(所定の処理量の範囲毎のマップ)
を記憶するようにする。これにより、比重の温度補正が
行われる。
【0132】本ルーチン(図14参照)は、現像処理液
及び漂白定着処理液のpHを時系列に記憶する処理が終
了したときスタートする。
【0133】まず、ステップ202で、フレッシュ状態
からのカラーペーパー16Pの総処理量を取込み、ステ
ップ204で、取り込んだ総処理量に応じたマップ(図
17と同様のマップ)を選択する。
【0134】ステップ206では、上記のように超音波
が発色現像処理液中(距離D2 )を伝搬するのに要する
時間及び距離D2 から演算された発色現像処理液中を超
音波が伝搬する伝搬速度に比例する出力値〔mV〕を取
り込み、ステップ208で、選択したマップに基づいて
出力値〔mV〕から比重を演算し、ステップ210で、
演算した比重を日付データと共に記憶する。
【0135】また、上記ステップ158で使用する各処
理液への加水量を検出するルーチンを図18を参照して
説明する。本ルーチンは、プリンタープロセッサ10が
停止状態からスタンバイ状態となったときに実行され
る。
【0136】すなわち、プリンタープロセッサ10は、
所定時間毎に、環境温度センサ54から環境温度及び環
境湿度センサ56から環境湿度を取込み、これを記憶す
ると共にプリンタープロセッサ10が停止状態、スタン
バイ状態、及びドライブ状態の各運転状態のときの時間
を記憶している。
【0137】そこで、ステップ212では、このように
記憶した環境温度、環境湿度及び運転状態のときの各時
間から、本ルーチンを前回実行したときから今回実行す
るまでの間(1日)に各処理液からの水の蒸発量(理論
加水量)を演算し、ステップ214で、補充ポンプ48
1 〜48L6 を駆動させてこの理論加水量だけ水を供
給し、ステップ216で、補充流量計48N1 〜48N
6 から実際に各処理液に供給した加水量(実加水量)を
取込み、ステップ218で、理論加水量及び実加水量を
日付データと共に記憶する。
【0138】なお、上記のように記憶された物理量のデ
ータが、所定期限(例えば、1ヵ月)以上経過している
古いデータから消去するようにすれば、効果的にデータ
を記憶することができる。
【0139】上記のようにして物理量の判定を行った
後、ステップ108(図8参照)では、異常項目を表示
パネル72に表示する。例えば、カラーペーパー16P
の1週間の処理量が許容範囲外であれば、カラーペーパ
ー16Pの1週間の処理量が許容範囲外であることを表
示する。
【0140】ステップ110で、異常項目に基づいて原
因を推定し、ステップ112で、推定した原因を表示す
る。なお、異常項目が特定されると、異常項目が生ずる
原因も特定されので、本実施例では、異常項目のパター
ンとこのパターンに対応してパターンが生ずる原因も記
憶している。次表に、異常項目のパターンとパターンが
生ずる原因の例を示す。
【0141】
【表6】 (1)発色現像処理槽 異常項目 原因 pHの低下 ・補充液の補充不足 ・閑散処理(単位時間当たりの処理量が少な い) ・オーバー露光感光材料を多く処理している ・補充槽の浮蓋の設置忘れ等で補充液が酸化 している pHの上昇 ・補充液の補充過多 ・単位時間当たりの処理量が多い ・白ベタの感光材料を多く処理している (2)漂白定着処理槽 異常項目 原因 pHの上昇 ・補充液の補充不足 ・キャリーオーバー量大 比重の低下 ・補充液の補充不足 ・キャリーオーバー量大 pHの低下 ・補充液の補充過多 ・閑散処理により硫化している ・閑散処理により濃縮されている 比重の上昇 ・補充液の補充過多 ・閑散処理により濃縮されている (3)リンス処理槽 異常項目 原因 伝導度上昇 ・補充液の補充不足 ・閑散処理により濃縮されている ・キャリーオーバー量大 伝導度低下 ・補充液の補充過多 ・閑散処理により硫化沈殿している 次のステップ114では、推定された異常原因に基づい
て対策案(取り込んだ露光部及び未露光部のR、G、B
の3原色の濃度を許容範囲内の値とするための対策案)
を推定し、ステップ116で、推定した対策案を表示
し、ステップ118で、推定した対策案を実行する。
【0142】なお、このように、異常原因が特定される
と、対策案も特定されるで、本実施例では異常原因と、
この異常原因に対応して対策案も記憶している。
【0143】ここで、補充液の補充不足の場合、例え
ば、リンス槽10N3〜10N6への補充液の補充精度
が許容範囲を下回った、すなわち、補充ポンプ44N3
〜44N6 を駆動して補充した補充液の量が設定値から
所定量下回った量しか補充されていない場合には、対策
としてこの設定値を所定量、例えば、5〔ml〕上昇さ
せる。また、リンス槽10N3〜10N6の補充ポンプ
44N3 〜44N6 の故障や、リンス槽10N3〜10
N6の循環フイルター30N43 〜30N46 のめずま
り等が判断された場合(補充量を補正したにもかかわら
ず異常項目が正常にならない場合等)には、対策として
補充ポンプ44N3 〜44N6 の交換、循環フイルター
30N43 〜30N46 のめずまり除去の指示情報を表
示パネル72に表示すと共に、さらに、このプリンター
プロセッサが通信線で本部のホストコンピュータに接続
されている場合には、本部のモニターにこのプリンター
プロセッサ10の補充ポンプ44N3 〜44N6 の交換
をを指示する情報を表示する等がある。
【0144】ステップ120では、一定時間経過した後
に、前述したカラーペーパー16Pの露光部及び未露光
部の濃度が許容範囲内となっているか否かを再確認すべ
き旨を表示し、ステップ122で、一定時間が経過した
か否かを判断し、ステップ124で、再度、前述したカ
ラーペーパー16Pの露光部及び未露光部の濃度が許容
範囲内となっているか否かを判断する。許容範囲内とな
っていないと判断された場合には、ステップ126で、
原因解析を指示すべき旨の情報を表示パネル72に表示
して、本処理を終了し、ステップ124の判断が肯定さ
れた場合、すなわち、前述したカラーペーパー16Pの
露光部及び未露光部の濃度が許容範囲内となっている場
合には、ステップ128で、カラーペーパー16Pの露
光部及び未露光部の濃度が許容範囲内となっているか否
かを判断すべき旨の表示を停止させて、本処理を終了す
る。
【0145】このように、処理液の処理性能が異常な場
合に、その原因を特定することかでき、かつ、特定した
原因に基づいて、取り込んだ露光部及び未露光部のR、
G、Bの3原色の濃度を許容範囲内の値とするための対
策を実行することから、対策が実行された場合には、カ
ラーペーパーの濃度を所定範囲内の値にすることがで
き、処理液の処理性能を許容範囲にすることができる。
【0146】本発明者等は、上記実施例のプリンタープ
ロセッサとして、富士写真フィルム株式会社製の小型現
像所(ミニラボ)用のプリンタープロセッサPP125
5V(商品名)を使用し、処理液に同社製のCP−47
Lを使用した。なお、このプリンタープロセッサ『P1
255V』の処理工程は、現像処理(45秒)、漂白定
着処理(45秒)、リンス処理(90秒)、乾燥処理
(60秒)である。
【0147】また、このプリンタープロセッサ『PP1
255V』にカラーペーパー16Pの所定部位が標準濃
度となるように露光するためのフイルター及びこのフイ
ルターを用いて標準濃度となるように露光したカラーペ
ーパー16Pの露光部及び未露光部の濃度(青色
(B)、緑色(G)及び赤色(R)の3色の最小濃度)
を検出する濃度計及び前述した各種センサを内蔵した。
【0148】さらに、このプリンタープロセッサ『PP
1255V』に、本実施例が適用できるように、過去1
週間と過去1ヶ月の処理量を記録すると共に記録した過
去1週間と過去1ヶ月の処理量と許容処理量とを比較す
る機能を設けた。また、各処理液の温度を記録すると共
に記録した各処理液の温度と許容温度とを比較する機
能、及び各処理液の補充精度を記録する機能を設けた。
この補充精度は、過去1週間の処理量に基づく補充精度
を記録するようにした。また、最終のリンス槽の水洗水
の電気伝導度を測定すると共に測定した電気伝導度と許
容範囲と比較する機能、及び現像液及び漂白定着液のp
H及び比重を測定すると共に測定したpH及び比重と、
各々の許容範囲と比較する機能、及び各処理液の加水量
を記録すると共に記録した加水量と許容範囲とを比較す
る機能を設けた。
【0149】そして、プリンタープロセッサ『PP12
55V』が停止状態からスタンバイ状態になり、各処理
液の温度が設定温度となったと判断されたとき、上記フ
イルターを用いて標準濃度となるように露光されたカラ
ーペーパー16Pを上記処理工程で処理し、上記濃度計
によりカラーペーパー16Pの未露光部及び露光部を測
光してイエロー、シアン、マゼンタ濃度に変換してサン
プリングしたところ、未露光部のイエローの濃度(BL
min )のサンプリング値が、図19に示すようにな
った。すなわち、上記処理工程で処理さたカラーペーパ
ー16Pの未露光部のイエローの濃度の8日前〜4日前
までのサンプリング値SP8〜SP4は、標準濃度g
b0 に近い値となっていたが、3日前から除々に上昇し
(サンプリング値SP3 〜SP1 参照)、今回のサンプ
リング値SP0 が、許容範囲の上限値gb1 (+0.0
3)越えた。
【0150】このようなサンプル値SP0 があったの
で、カラーペーパー16Pの1週間の総処理量を上記方
法で検出してサンプリングした結果、図20に示すよう
に、各サンプル値は、理想処理量k10を含んだ許容範囲
の上限k11及び許容範囲の下限k12の範囲内であった。
また、発色現像処理槽10N1、漂白定着処理槽10N
2、リンス処理槽10N3〜10N6の各処理液の温度
は全て許容範囲内の値となっていた。
【0151】ところが、リンス処理槽10N3〜10N
6の水洗処理水への1週間の処理量に基づく補充精度を
前述した方法で検出してサンプリグした結果は、図21
に示すように、4週間前のサンプリング値SP13から理
想補充精度h10を下回り始め、今回のサンプリング値S
10が許容範囲の下限値h12(−10%)を下回った。
なお、発色現像処理液及び漂白定着液への補充精度は許
容範囲内であった。
【0152】さらに、最終のリンス処理槽10N6の水
洗水の電気伝導度を上記方法で検出してサンプリングし
た結果は、図22に示すように、3日前のサンプリング
値SP23から理想電気伝導度n10を越え始め、前日及び
今回のサンプリング値SP19、SP20が、許容範囲の上
限値n11(×1.5倍)をオーバーした。
【0153】なお、発色現像処理液及び漂白定着処理液
のpH、比重、各処理液への加水量は許容範囲内であっ
た。
【0154】このように、リンス処理槽10N3〜10
N6の水洗処理水への補充精度が許容範囲の下限値を下
回り、最終のリンス処理槽10N6の電気伝導度が許容
範囲の上限値をオーバーしたので、『水洗処理水補充精
度低減』及び『最終のリンス処理槽10N6の水洗水電
気伝導度上昇』と表示パネル72に表示した。
【0155】そして、この場合には、リンス処理槽10
N3〜10N6の水洗水の補充量が低下していることが
異常の原因と推定される。
【0156】そこで、リンス処理槽10N3〜10N6
の補充量を所定量上昇させた。その後、一週間後に標準
濃度が露光されたカラーペーパー16Pの未露光部の濃
度を測定してみた結果、許容範囲になっていた。
【0157】さらに、本発明者等は、前述したプリンタ
ープロセッサ『PP1255V』〔処理液『CP−47
L』、現像処理(45秒)、漂白定着処理(45秒)、
リンス処理(90秒)、乾燥処理(60秒)の処理工
程〕において、過去1週間と過去1ヶ月の処理量を記録
すると共に記録した過去1週間と過去1ヶ月の処理量と
許容範囲とを比較する機能、及び各処理液の補充精度を
記録する機能を設けた。この補充精度は、3日間の処理
量に基づく補充精度を記録するようにした。
【0158】その結果、プリンター内蔵フイルターを用
いて標準濃度となるように露光されたカラーペーパー1
6Pが上記処理工程で処理され、未露光部及び標準露光
部を濃度計により測光してサンプリングしてみたとこ
ろ、標準露光部のマゼンタ及びシアンの濃度のサンプリ
ング値がそれぞれ図23、図24に示すようになってい
た。
【0159】すなわち、上記処理工程で処理さたカラー
ペーパー16Pの露光部のマゼンタの濃度の4日前のサ
ンプリング値SP34からマゼンタの標準濃度gg10 を除
々に下回り始め、今回のサンプリング値SP30は、許容
範囲の下限値gg12 (−0.10)となった。また、上
記処理工程で処理さたカラーペーパー16Pの露光部の
シアンの濃度の5日のサンプリング値SP45からシアン
の標準濃度gr10 を除々に大きく下回り始め、今回のサ
ンプリング値SP40が、許容範囲の下限gr12(−0.
10)となった。
【0160】このように、カラーペーパー16Pの露光
部のマゼンタ及びシアンのサンプリング値が許容範囲の
下限となっていたので、上記と同様に、単位時間当たり
のカラーペーパーの処理量及び各処理液に補充された補
充液の補充量のみを検出してサンプリングしてみたとこ
ろ、それぞれ、図25、図26及び図27のようになっ
ていた。
【0161】すなわち、図25に示すように、過去1週
間、過去2週間から過去1週間までの1週間、過去3週
間から過去2週間までの1週間、過去4週間から過去3
週間までの1週間のそれぞれのカラーペーパー16Pの
処理量のサンプリング値SP 51、SP52、SP53、SP
54は、許容範囲内であるが、全て許容範囲の下限値K
w 12(1/2)に近い値であった。このように、過去4
週間について各々の1週間の処理量が少なかったため、
図26に示すように、過去1ヶ月間の処理量のサンプリ
ング値SP55が許容範囲の下限値Km12 (1/2)を下
回っていた。
【0162】また、発色現像処理液の3日間の処理量に
基づく補充精度を上記のように検出してサンプリングし
た結果、図27に示すように、12日前から3日間の処
理量に基づく補充精度のサンプリング値SP63から理想
補充精度h10を下回り始め、今回のサンプリング値SP
60が許容範囲の下限値h12(−10%)と等しくなって
いた。なお、他の処理液の補充精度は許容範囲内であっ
た。
【0163】このように1ヶ月間のカラーペーパー16
Pの処理量が許容範囲の下限値Km1 2 を下回りかつ発色
現像処理液の補充精度が許容範囲の下限値となっていた
ので、『処理量下限』及び『発色現像処理液の補充精度
下限』と表示した。
【0164】そして、このように、発色現像処理液の補
充精度が低下し、処理量が下限値となったため、原因と
して現像活性が低下していることが推定される。そこ
で、発色現像処理液の補充量を所定量上昇させた。その
後、一週間後にカラーペーパー16Pの標準濃度となる
ように露光された部位の濃度を測定したみた結果、許容
範囲になっていた。
【0165】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例の写真感光材料処理装置としてのフィルムプロ
セッサは、図28に示すように、ネガフィルムNを装填
する装填部11を備えている。この装填部11は、図示
しない蓋を開けることにより露出され、撮影によって画
像が露光されたネガフィルムNが装填され、その後、装
填されたネガフィルムNをプロセッサ部10P内へ搬送
する。この装填部11には、前述した第1の実施例と同
様の、コード読み取りセンサ55、赤外線放射部32N
及び検出部34Nにより構成されたフォトセンサが設け
られている。装填部11の上側には、前述した第1の実
施例と同様の表示パネル72、装填部11の下側には、
前述した環境温度センサ54、環境湿度センサ56が設
けられている。
【0166】プロセッサ部10Pには、発色現像処理槽
10A、漂白槽10B、漂白定着槽10C、定着槽10
D、スーパーリンス槽10E、安定槽10F、10Gが
順に配置されており、各処理槽内にはそれぞれ発色現像
処理液、漂白処理液、漂白定着処理液、定着処理液、水
洗処理水、安定処理液が貯留されている。また、各処理
槽には上部ローラ及び下部ローラが設けられ、各処理槽
間及び処理槽内の搬送経路を構成しており、ネガフィル
ムNは、上部ローラ及び下部ローラにより各処理槽を通
過すると共に各処理液に浸漬されて処理される。
【0167】また、プロセッサ部10Pの隣には乾燥部
10Hが配置されている。乾燥部10Hは、ネガフィル
ムNを鉛直方向に往復搬送しながら図示しないヒータに
より温められた空気をファンによって送風することによ
り、ネガフィルムNを乾燥する。そして、ネガフィルム
Nは、乾燥部10Hの出口10HEよりも下流側に配置
されたフィルムリーダ集積部10I内を搬送され、ネガ
フィルムNの先端に接着されたリーダが図示しないハン
ガーに掛けられ、さらにネガフィルムNが搬送されるこ
とにより、ネガフィルムNの後端部分が収容ボックス2
2Nに収容される。そして、フィルムプロセッサには、
各種制御を行う制御部60が設けられている。
【0168】なお、発色現像槽10Aは前述した第1の
実施例における発色現像槽10N1と、また、漂白槽1
0B、漂白定着処理槽10Cは前述した第1の実施例に
おける漂白定着槽10N2と、スーパーリンス槽10E
及び安定槽10Fは第1の実施例におけるリンス槽10
N3と、安定槽10Gは、第1の実施例における最終の
リンス槽10N6と、同一の構成となっている。
【0169】なお、フィルムリーダ集積部10Iには、
赤外線センサユニット120V及び濃度計22が設けら
れている。
【0170】次に、赤外線センサーユニット120V
を、図29を参照して詳細に説明する。この赤外線セン
サーユニット120Vは、赤外線放射ダイオード(以
下、放射ダイオードと称する。)12A、12B、12
Cを備えている。この放射ダイオード12A、12B、
12Cには、ガリウム砒素(GaAs)を用いた液相エ
ピタキシャル型の放射ダイオードを用いることができ
る。なお、放射ダイオードに代えて、炭酸ガス(C
2 )レーザ、一酸化炭素(CO)レーザ等を用いるこ
ともできる。
【0171】この放射ダイオード12A、12B、12
Cに対向するように、光起電力型光電変換素子としての
ホトダイオード14A、14B、14Cが配置されてい
る。この光起電力型光電変換素子には、ホトダイオード
の他ホトトランジスタを用いることができる。
【0172】放射ダイオード12A及びホトダイオード
14Aで構成されたセンサ124A、放射ダイオード1
2B及びホトダイオード14Bで構成されたセンサ12
4B、放射ダイオード12C及びホトダイオード14C
で構成されたセンサ124Cは、それぞれ遮光箱20
A、遮光箱20B、遮光箱20Cにより遮光されてい
る。
【0173】センサ124AのネガフィルムN搬送方向
上流側、センサ124A及びセンサ124Bの間、セン
サ124B及びセンサ124Cの間、及びセンサ124
CのネガフィルムN搬送方向下流側には、それぞれ一対
のローラからなる搬送ローラ対16A、16B、16
C、16Dが設けられ、ネガフィルムNが、放射ダイオ
ード12A及びホトダイオード14Aと間、放射ダイオ
ード12B及びホトダイオード14Bと間、放射ダイオ
ード12C及びホトダイオード14Cと間を通過するよ
うに構成されている。なお、センサ124A、センサ1
24B、及びセンサ124Cは、等しい間隔で配置され
ている。
【0174】また、ホトダイオード14A、14B、1
4Cには、それぞれ、アンプ18A、18B、18Cが
接続されている。なお、このアンプ18A、18B、1
8Cは、それぞれ、抵抗、コンデンサおよびオペアンプ
から構成されている。
【0175】本実施例の制御部60は、図30に示すよ
うに、前述した第1の実施例の制御部と同様の構成であ
る。この制御部60の入出力ポート68には、前述した
第1の実施例の入出力ポート68に接続された各構成要
素以外に、放射ダイオード12A、12B、12C、ア
ンプ18A、18B、18Cを介してホトダイオード1
4A、14B、14Cが接続されている。
【0176】ここで、放射ダイオード12A、12B、
12Cから放射される赤外線について説明する。放射ダ
イオード12A、12B、12Cから放射される赤外線
は、放射されるエネルギーのスペクトル分布が略同一で
放射エネルギーが各々異なっている。すなわち、各放射
ダイオードのスペクトル分布は、図31に示すように、
ピークの部分が0.95〔μm〕となっている。また、
赤外線の放射エネルギー(以下、放射量という)は、図
33に示すように、放射ダイオード12Aは放射量W1
であり、放射ダイオード12Bは放射量W2(W1より
小さな値)であり、放射ダイオード12Cは放射量W3
(W2より小さな値)である。
【0177】この放射量W1は、各処理液で処理された
ネガフィルムNに残留するハロゲン化銀が10〔μg/
cm2 〕より多くてもこのネガフィルムNを透過する量
であり、放射量W2は、各処理液で処理されたネガフィ
ルムNに残留するハロゲン化銀が10〔μg/cm2
以下の場合にこのネガフィルムNを透過する量であり、
放射量W3は、各処理液で処理されたネガフィルムNに
残留するハロゲン化銀が5〔μg/cm2 〕以下の場合
にこのネガフィルムNを透過する量である。
【0178】なお、各処理液で処理されたネガフィルム
Nに残留するハロゲン化銀が10〔μg/cm2 〕より
多い場合には、処理液の脱銀性能が不良と判断すること
ができる。また、各処理液で処理されたネガフィルムN
に残留するハロゲン化銀が5〔μg/cm2 〕以下の場
合には、処理液の脱銀性能が良好と判断することができ
る。そして、各処理液で処理されたネガフィルムNに残
留するハロゲン化銀が5〔μg/cm2 〕より多く、か
つ、10〔μg/cm2 〕より小さい場合には、処理液
の脱銀性能がやや不良と判断することができる。
【0179】ホトダイオード14A、14B、14Cの
分光感度特性は、図32に示すように、0.85〔μ
m〕がピークとなっている。
【0180】本実施例の処理性能管理処理ルーチンは、
前述した第1の実施例と略同様であるので図示を省略す
るが、本実施例の処理性能管理処理ルーチンは、前述し
た第1の実施例における処理性能管理処理ルーチン(図
8参照)とは、ステップ102及びステップ106が相
違している。
【0181】また、本実施例における処理性能管理処理
ルーチンは、コンストの搬送が開始されときスタートす
る。このコンストは、異なる基準露光条件で露光がされ
て、未露光部(Dmin 部)、低濃度部(LD部)、高濃
度部(HD部)の領域が形成されている。
【0182】ステップ102の濃度取り込み処理では、
図34に示すように、ステップ222で、Dmin 部を測
光し、ステップ224で、測光により得られたR、G、
Bの3原色信号を取り込み、ステップ226で、取り込
んだ3原色信号をR、G、Bの各色の濃度に変換する。
【0183】同様に、ステップ228〜ステップ232
において、LD部を測光し、R、G、Bの各色の濃度に
変換し、ステップ234〜ステップ238において、H
D部を測光し、R、G、Bの各色の濃度に変換して、本
ルーチンを終了する。
【0184】以上の処理により、コントロールストリッ
プのDmin 部、LD部及びHD部のR、G、Bの3原色
の濃度が取り込まれる。
【0185】本実施例では、前述した第1の実施例のス
テップ106(図8参照)における、ステップ146〜
ステップ156(図10参照)の処理に加えて、図35
に示すように、ステップ240で、処理済のネガフィル
ムNに残留する銀量を判定する処理を行っている。後述
するように、処理済のネガフィルムNに残留する銀量を
時系列に記憶しているので、この時系列に記憶したネガ
フィルムNに残留する最新の銀量を取込み、取り込んだ
銀量が許容範囲か否かを判断し、取り込んだ銀量が許容
範囲外である場合には、その旨(異常項目)を記憶す
る。
【0186】ここで、ネガフィルムNに残留する銀量を
検出する銀量検出ルーチンを図36を参照して説明す
る。ネガフィルムNが装填されると装填部11は、その
後、ネガフィルムNをプロセッサ部10P内へ搬送し、
プロセッサ部10P内に搬送されたネガフィルムNは、
上部ローラ及び下部ローラによって、発色現像処理槽1
0A、漂白槽10B、漂白定着槽10C、定着槽10D
4、スーパーリンス槽10E、安定槽10F、10Gを
順に通過して、各処理槽内の現像液、漂白液、漂白定着
液、水洗水、安定液の各処理液に浸漬されて処理され
る。各処理液で処理されたネガフィルムNは乾燥部10
Hに案内され、乾燥部10H内を鉛直方向に往復した
後、ネガフィルムの先端部(図37参照)が常時赤外線
を放射している赤外線センサーユニット120Vに到達
する。
【0187】従って、ネガフィルムNの先端部が放射ダ
イオード12Aとホトダイオード14Aとの間を通過す
ると、放射ダイオード12Aから放射された赤外線を受
光するホトダイオード14Aの赤外線の検出量が変化す
る。
【0188】検出量が変化したことを検知すると、この
銀量検出ルーチンがスタートし、ステップ252で、所
定時間経過したか否かを判断する。この所定時間は、ネ
ガフィルムNの先端部NBが放射ダイオード12Bとホ
トダイオード14Bとの間に到達する時間に相当する。
この所定時間経過した場合には、先端部NBが、放射ダ
イオード12Bから放射された赤外線が照射可能な領域
に到達したことになるので、ステップ254で、放射ダ
イオード12Bから赤外線を放射させる。
【0189】ステップ256で、検出信号Bを入力した
か否かを判断する。すなわち、処理液の脱銀性能がやや
不良または良好の場合には、放射ダイオード12Bから
放射された赤外線はネガフィルムNの先端部NBを透過
して、ホトダイオード14Bによって検出される。この
場合には、ホトダイオード14Bから信号が出力され、
アンプ18Bによって増幅され検出信号Bとして入力さ
れる。従って、ステップ256の判断が肯定され、ステ
ップ260に進む。
【0190】一方、処理液の脱銀性能が不良の場合に
は、放射ダイオード12Bから放射された赤外線はネガ
フィルムNに存在する銀により略全量反射され、赤外線
がネガフィルムNを透過しなくなる。従って、ホトダイ
オード14Bの放射ダイオード12Bから放射された赤
外線の検出量が極めて小さくなり、検出信号Bも出力さ
れないことになる。
【0191】従って、この場合には、ステップ256の
判断が否定され、ステップ258で、検出信号Bを入力
しなかったこと記憶してステップ260に進む。
【0192】ステップ260で、所定時間が経過したか
否かを判断してネガフィルムNの先端部NBが放射ダイ
オード12Cとホトダイオード14Cとの間に到達した
か否かを判断する。この所定時間が経過した場合には、
先端部NBが、放射ダイオード12Cから放射された赤
外線が照射可能な領域に到達したことになるので、ステ
ップ262で、放射ダイオード12Cから赤外線を放射
する。
【0193】処理液の脱銀性能が良好な場合には、放射
ダイオード12Cから放射された赤外線は、ネガフィル
ムNを透過してホトダイオード14Cにより検出される
ので、ホトダイオード14Cから検出信号Cが出力され
て、ステップ264の判断が肯定され、ステップ268
に進む。
【0194】一方、処理液の脱銀性能が良好でない場合
には、放射ダイオード12Cから放射された赤外線は、
ネガフィルムNを透過せず、ホトダイオード14Cから
検出信号Cが出力されないので、ステップ264のの判
断が否定され、ステップ266で、検出信号Cを入力し
ていないことを記憶して、ステップ268に進む。
【0195】ステップ268では、図38に示すよう
に、検出信号Bと検出信号Cの入力の有無の組合せに対
応して残留銀量を記憶したマップに基づいて残留銀量を
推定する。検出信号B及び検出信号Cが入力した場合に
は、ネガフィルムに残留するハロゲン化銀の銀量が1
〔cm2 〕当たり5〔μg〕以下であると推定される。
また、検出信号Bは入力したが検出信号Cを入力しなか
った場合には、ネガフィルムに残留するハロゲン化銀の
銀量が1〔cm2 〕当たり5〔μg〕より大きく10
〔μg〕以下であると推定され、検出信号B及び検出信
号Cを入力しなかった場合には、ネガフィルムに残留す
るハロゲン化銀の銀量が1〔cm2 〕当たり10〔μ
g〕より多いと推定される。
【0196】このように、放射量が異なる赤外線がネガ
フィルムNを透過したか否かを判断することにより処理
液状態を判定していることから、簡易な構成でネガフィ
ルムに残留する銀量の検出を行うことができる。
【0197】なお、残留銀量により脱銀不良と判断され
たときは、漂白定着処理槽の補充液の補充不足、キャリ
ーオーバー量大、または閑散処理による硫化が原因であ
ると判断するこができる。
【0198】ステップ270では、推定した残留銀量を
記憶する。ここで、上記処理では、放射ダイオードから
放射されるエネルギーのスペクトル分布のピークの部分
を0.95〔μm〕としているが、本発明はこれ限定す
るものではなく、略0.75〔μm〕〜略2.5〔μ
m〕とすることができる。すなわち、赤外線のピーク部
分は通常0.75〔μm〕〜25〔μm〕であるが、ネ
ガフィルムNのフィルムベース樹脂の赤外線の吸収率が
高い部分を除外した略0.75〔μm〕〜略2.5〔μ
m〕とすることができる。
【0199】また、前述した実施例では、センサ124
Aを放射ダイオード及びホトダイオードにより構成して
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤外
線を用いないフィルム検出センサ(ネガフィルムNの接
触により該ネガフィルムNを検出する構成等)であって
もよい。
【0200】また、前述した実施例では、放射ダイオー
ド12A、12B、12Cのそれぞれの放射量は放射量
W1、W2、W3のようにそれぞれ異なるようにしてい
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ば、放射ダイオード12A、12B、12Cのそれぞれ
から放射量(例えば放射量W1)が略同一で放射される
エネルギーのスペクトル分布が各々異なる赤外線を放射
するようにしもよい。
【0201】すなわち、例えば、放射されるエネルギー
のスペクトル分布のピークの部分が、図39示すよう
に、0.80〔μm〕、0.95〔μm〕、1.00
〔μm〕とすることができる。なお、この場合、ホトダ
イオードの各々の分光感度特性は略同一(例えば、0.
85〔μm〕)とする。これにより、放射ダイオードと
ホトダイオードとの組合せにより、センサを高感度、中
感度、低感度とすることができる。よって、処理液状態
を3段階で判定することができる。
【0202】さらに、前述した実施例では、処理液状態
を3段階で判定しているが、本発明はこれに限定される
ものではなく、他の複数の段階で判定するようにしても
よい。
【0203】また、前述した実施例では、ネガフィルム
Nの赤外線の透過量からネガフィルムNに残留する銀量
を判定するようにしているが、本発明はこれ限定するも
のでなく、ネガフィルムNの赤外線の反射量からネガフ
ィルムNに残留する銀量を判定するようにしてもよい。
また、上記ではネガフィルム先端部の曝光部で残留銀量
を検出したが、本発明はこれ限定するものでなく、曝光
部が存在しないフィルムについては予め露光して曝光部
と同様の部分を形成するればよく、また、曝光部以外の
部位の残留銀量を検出するようにしてもよい。
【0204】以上説明したように本実施例は、第1の実
施例と同様に、処理液の処理性能が異常な場合に、その
原因を特定することかでき、かつ、特定された原因に基
づいてコンストの露光部の濃度が許容範囲内の値となる
ための対策を実行することから、この対策が実行された
場合には、コンストの露光部の濃度を許容範囲内の値と
することができ、処理液の処理性能を許容範囲にするこ
とができる。
【0205】本発明者等は、前述したフィルムプロセッ
サとして、富士写真フィルム株式会社製の小型現像所
(ミニラボ)用のフィルムプロセッサFP360B(商
品名)を使用し、処理液に同社製のCN−16Lを使用
した。なお、このフィルムプロセッサ『FP360B』
の処理工程は、現像、漂白、定着1、定着2、リンス、
安定1、安定2、乾燥の順である。
【0206】また、このフィルムプロセッサFP360
Bを使用する際、コンストを上記処理工程で処理するよ
うにした。なお、このコンストには、予め所定の基準露
光条件により、標準濃度及びこの標準濃度より高い高濃
度となるように露光した。この結果、コンストには、露
光がされていない未露光部(Dmin )、標準濃度が露光
された標準濃度部(LD部)及び高濃度部(HD部)が
形成された。
【0207】さらに、このフィルムプロセッサFP36
0Bには、本実施例が適用できるように、上記処理工程
を経て処理された処理済コントロルストリップスの未露
光部(Dmin )、標準濃度部(LD部)及び高濃度部
(HD部)の濃度を測定することができるように、乾燥
部出口に濃度計を設置した。また、このフィルムプロセ
ッサ『FP360B』に、本実施例が適用できるよう
に、次の各種の機能を備えた。すなわち、過去1週間と
過去1ヶ月のネガフィルムNの処理量を記録すると共に
記録した過去1週間と過去1ヶ月の処理量と許容範囲と
を比較する機能、各処理液の温度を記録すると共に記録
した各処理液の温度と許容範囲とを比較する機能、及び
各処理液の補充精度を記録する機能を設けた。この補充
精度は、過去1週間の処理量に基づく補充精度を記録す
るようにした。また、最終の安定槽の水洗水の電気伝導
度を測定すると共に測定した電気伝導度と許容範囲と比
較する機能、現像液、漂白液及び定着液のpH及び比重
を測定すると共に測定したpH及び比重と、各々の許容
範囲とを比較する機能、各処理液の加水量を記録すると
共に記録した加水量と許容範囲とを比較する機能、及び
乾燥後に赤外線を照射すると共にコントロールストリプ
スの標準濃度部(LD部)を透過又はこの標準濃度部
(LD部)から反射した赤外線の量を検出し、検出量か
らネガフィルムNに残留する銀量を測定する装置を設け
た。
【0208】その結果、コンストの高濃度部(HD部)
のイエローの濃度(サンプリングした結果)が、図40
に示すように、3日前のコンストの高濃度部(HD部)
のイエローの濃度のサンプリング値SP73から、高濃度
値HDb0をオーバーし始め、前日のサンプリング値SP
71が許容範囲の上限値HDb1(+0.08)となり、今
回のサンプリング値SP70が許容範囲の上限値HDb1
越えた。なお、コンストの高濃度部(HD部)のマゼン
タ及びシアンの濃度(サンプリングした結果)は、それ
ぞれ図41、図42に示すように、それぞれ高濃度値H
g0、HDr0付近の値であった。
【0209】このように、コンストの高濃度部(HD
部)のイエローの濃度が許容範囲の上限値を越えたの
で、上記物理量をサンプリングした。
【0210】その結果、1週間のネガフィルムNの処理
量のサンプリング結果は、図43に示すように、理想処
理量K20付近の値であった。また、各処理液の温度は、
許容範囲内であった。
【0211】ところが、図44に示すように、漂白処理
液の1週間の処理量に基づく補充精度の3週間前からの
1週間の処理量に基づくサンプリング値SP82から理想
補充精度h20を下回り始め、今回のサンプリング値SP
80が許容範囲の下限値h22(−10%)となっていた。
なお、漂白処理液以外の他の処理液の補充精度は、許容
範囲内であった。
【0212】一方、安定処理槽10Gの安定処理液の電
気伝導度は許容範囲内であった。しかし、図45に示す
ように、漂白処理液のpHの3日前のサンプリング値S
93から理想pHをオーバーし始め、今回のサンプリン
グ値SP90が許容範囲の上限値P21(+0.30)をオ
ーバーしていた。
【0213】さらに、図46に示すように、処理された
ネガフィルムNに残留する銀量の4日前のサンプリング
値SP104 が増え始め、前日のサンプリング値SP10
1から許容範囲の上限値X21(10〔μg/cm2 〕)
をオーバーしていた。
【0214】このように、漂白処理液の補充精度が許容
範囲の下限値となり、漂白処理液のpHが許容範囲の上
限値をオーバーし、そして、処理されたネガフィルムN
に残留するハロゲン化銀の量が許容範囲をオーバーした
ので、『漂白処理液の補充精度下限』、『漂白処理液の
pH上限』及び『脱銀不良』と表示した。
【0215】この原因は、漂白処理液のの補充量が低下
してpHが上昇し、脱銀性能が不良となったと判断する
ことができるので、漂白処理槽10Bの補充量を、所定
量上昇させた。その後、一週間後にコンストの濃度を測
定したみた結果、許容範囲になっていた。
【0216】また、前述した実施例では、フィルムプロ
セッサまたはプリンタープロセッサを例にとり説明した
が、本発明はこれに限定されるものでなく、フィルムプ
ロセッサ及びプリンタープロセッサを一体型にした図4
7に示す写真処理装置に適用可能である。すなわち、こ
の写真処理装置10Lでは、ネガフィルム12Lをパト
ローネ14Kから引き出して現像処理するフィルム処理
部16L、マガジン18Lにロール状に巻き取られて収
容されている印画紙20Lを引出して、現像処理したネ
ガフィルム12Lに記録された画像に応じて露光する画
像露光部22L、及び画像露光の終了した印画紙20L
を現像処理する印画紙処理部24Lが図示しないケーシ
ングに一体に収容されている。
【0217】フィルム処理部16Lには、現像液を貯留
する現像槽26L、漂白液を貯留する漂白槽28L、そ
れぞれに定着液を貯留する第1定着槽30L、第2定着
槽32L、水洗水を貯留する水洗槽34L、それぞれに
安定液を貯留する第1安定浴槽36L、第2安定浴槽3
8Lが連続して配置され、第2安定浴槽38Lの下流側
に乾燥室42L及びリザーバ部44Lが設けられてい
る。
【0218】パトローネ14Lから引き出されたネガフ
ィルム12Lは、図示しない搬送手段によって現像槽2
6L、漂白槽28L、第1定着槽30L、第2定着槽3
2L、水洗槽34L、第1安定浴槽36L、第2安定浴
槽38L内を順次搬送され、現像液、漂白液、定着液、
水洗水及び安定液による処理液処理が施される。処理液
処理の終了したネガフィルム12Lは、乾燥室42L内
で、図示しないヒータと乾燥ファンによって発生された
乾燥風が吹き付けられて乾燥処理され、リザーバ部44
Lへ送り出される。
【0219】一方、画像露光部22Lでは、リザーバ部
44Lから現像処理の終了したネガフィルム12Lを引
き入れると共に、マガジン18Lから印画紙20Lを引
出して、印画紙20Lにネガフィルム12Lに記録され
ている画像を順次露光する。なお、この画像露光部22
Lの構成としては、ネガフィルム12Lと印画紙20L
をそれぞれ所定の速度で搬送しながらネガフィルム12
Lに記録された画像を印画紙20Lへ露光するスリット
露光や、ネガフィルム12Lに記録されている画像を画
像読取手段によって読み取った後、この読み取った画像
を印画紙20Lへレーザ光等によって走査露光する等の
種々の露光方式を用いることができる。このようにして
画像露光された印画紙20Lは、画像露光部22Lと印
画紙処理部24Lの間に設けられたリザーバ部46Lへ
送り出される。
【0220】印画紙処理部24Lには、印画紙20Lの
現像用の現像液を貯留する現像槽48L、漂白定着液を
貯留する漂白定着槽50L、それぞれにリンス液を貯留
する第1リンス槽52L、第2リンス槽54L、第3リ
ンス槽56Lが設けられ、第3リンス槽56Lの印画紙
搬送方向の下流側には、乾燥室58Lが設けられてい
る。リザーバ部46Lに送り出され手画像露光された印
画紙20Lは、図示しない搬送手段によって印画紙処理
部24Lへ引き入れら、現像槽48L、漂白定着槽50
L、第1リンス槽52L、第2リンス槽54L、第3リ
ンス槽56L内を順次搬送され、現像液、漂白定着液、
リンス液によって処理される。処理の終了した印画紙2
0Lは、乾燥室58L内を搬送され、図示しないヒータ
と乾燥ファン等によって発生された乾燥風が吹き付けら
れて乾燥処理される。
【0221】乾燥処理の終了した印画紙20Lは、例え
ば画像コマ毎に切断されて写真プリントとして排出され
る。
【0222】そして、フィルム処理部16L、印画紙処
理部24Lに対してそれぞれ、前述した第1の実施例、
第2の実施例と同様の処理を行うようにすればよい。
【0223】このように、フィルム処理部16L、印画
紙処理部24Lを備えた写真処理装置では、より多くの
情報を得ることができ、異常原因を精度よく推定するこ
とができる。
【0224】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、濃度測定
手段により測定された特定の濃度が、予め決められた濃
度を含んだ所定範囲外の場合に、検出された物理量に基
づいて、濃度測定手段により測定された特定の濃度が所
定範囲外となった原因を推定し、推定された原因に基づ
いて特定の濃度が所定範囲内の値となるように制御条件
を変更するようにしているので、制御条件を、処理液を
適性状態に維持するための適性な制御条件に変更でき、
これにより、処理液の処理性能を許容範囲にすることが
でき、写真特性及び処理液の精度の高い品質管理が可能
となる、というすぐれた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかるプリンタープロ
セッサを示す概略図である。
【図2】フォトセンサの概略図である。
【図3】発色現像槽の構成を示す断面図である。
【図4】リンス槽の構成を示す断面図である。
【図5】最終のリンス槽の構成を示す断面図である。
【図6】比重計の断面図及び電気回路を示す図である。
【図7】本実施例の制御系のブロック図である。
【図8】処理性能管理処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図9】図8のステップ102の濃度取り込みルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図10】図8のステップ106の物理量判定ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図11】処理量検出処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図12】処理液温度検出処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図13】補充精度演算ルーチンを示すフローチャート
である。
【図14】比重検出処理ルーチンを示すフローチャート
である。
【図15】複数の処理機の漂白液における伝搬速度に比
例する出力値と処理液の比重との関係を示す線図であ
る。
【図16】複数の処理機の定着液における伝搬速度に比
例する出力値と処理液の密度との関係を示す図15と同
様の線図である。
【図17】検出した伝搬速度から比重を演算するための
マップを示す図である。
【図18】加水量検出処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図19】濃度データを示す線図である。
【図20】処理量データを示す線図である。
【図21】補充精度データを示す線図である。
【図22】電気伝導度データを示す線図である。
【図23】濃度データを示す線図である。
【図24】濃度データを示す線図である。
【図25】過去1週間の処理量データを示す線図であ
る。
【図26】過去1ヶ月の処理量データを示す線図であ
る。
【図27】過去3日の処理量データを示す線図である。
【図28】本発明の第2実施例のフィルムプロセッサの
概略図である。
【図29】赤外線センサーユニットの概略図である。
【図30】第2実施例の制御部のブロック図である。
【図31】放射ダイオードのスペクトル分布を示す線図
である。
【図32】ホトダイオードの分光感度特性を示す線図で
ある。
【図33】各放射ダイオードの放射量を示す図である。
【図34】第2実施例における濃度取込み処理ルーチン
を示すフローチャートである。
【図35】第2実施例における物理量判定ルーチンを示
すフローチャートである。
【図36】残留銀量を求めすルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図37】フィルムの先端部を示す平面図である。
【図38】残留銀量のマップを示す線図である。
【図39】放射されるエネルギーのスペクトル分布のピ
ークの部分の他の例を示す図である。
【図40】濃度データを示す線図である。
【図41】濃度データを示す線図である。
【図42】濃度データを示す線図である。
【図43】1週間のネガフィルムの処理量データを示す
線図である。
【図44】1週間の補充精度データを示す線図である。
【図45】1日のpHデータを示す線図である。
【図46】1日の残留銀量データを示す線図である。
【図47】フィルムプロセッサ及びプリンタープロセッ
サを一体型にした写真処理装置の概略図である。
【符号の説明】
22 濃度計(濃度測定手段) 32N 赤外線放射部(物理量検出手段) 34N 検出部(物理量検出手段) 36N1 、36N2 比重計(物理量検出手段) 38N1 、38N2 pHセンサ(物理量検出手段) 40N1 〜40N6 温度センサ(物理量検出手段) 44N1 〜44N6 補充ポンプ(維持手段) 46N1 〜46N6 超音波レベル計(物理量検出手
段) 48N1 〜48N6 補充流量計(物理量検出手段) 50 伝導度計(物理量検出手段) 54 環境温度センサ(物理量検出手段) 56 環境湿度センサ(物理量検出手段) 60 制御部(判断手段、原因推定手段、変更手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液内を通過して処理された処理済写
    真感光材料の特定の濃度を測定する濃度測定手段と、 前記処理済写真感光材料の写真特性に影響のある各々異
    なった物理量を複数検出する物理量検出手段と、 を備えた写真感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 前記物理量検出手段は、前記物理量の1
    つとして前記処理液の状態を検出することを特徴とする
    請求項1記載の写真感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記物理量検出手段は、前記物理量とし
    て少なくとも単位時間当たりの写真感光材料の処理量及
    び前記処理液に補充する補充液の補充量を検出すること
    を特徴とする請求項1記載の写真感光材料処理装置。
  4. 【請求項4】 前記物理量の大きさに応じて定まりかつ
    前記処理液を適性状態に維持するための制御条件に基づ
    いて前記処理液を適性状態に維持する維持手段と、 前記濃度測定手段により測定された特定の濃度が予め決
    められた濃度を含んだ所定範囲外の値となったか否かを
    判断する判断手段と、 を更に備えた請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    記載の写真感光材料処理装置。
  5. 【請求項5】 前記判断手段の判断結果が肯定の場合
    に、前記物理量検出手段により検出された複数の物理量
    に基づいて前記濃度測定手段により測定された特定の濃
    度が前記所定範囲外の値となった原因を推定する原因推
    定手段を更に備えた請求項4記載の写真感光材料処理装
    置。
  6. 【請求項6】 前記原因推定手段により推定された原因
    に基づいて前記特定の濃度が前記所定範囲内の値となる
    ように前記制御条件を変更する変更手段を更に備えた請
    求項5記載の写真感光材料処理装置。
  7. 【請求項7】 前記濃度測定手段は、前記処理済写真感
    光材料の未露光部の濃度を測定することを特徴とする請
    求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の写真感光
    材料処理装置。
JP14663795A 1995-06-13 1995-06-13 写真感光材料処理装置 Pending JPH08339069A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14663795A JPH08339069A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 写真感光材料処理装置
US08/661,596 US5669031A (en) 1995-06-13 1996-06-11 Apparatus for processing photographic sensitive material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14663795A JPH08339069A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 写真感光材料処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08339069A true JPH08339069A (ja) 1996-12-24

Family

ID=15412235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14663795A Pending JPH08339069A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 写真感光材料処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08339069A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006171423A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Noritsu Koki Co Ltd 写真処理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006171423A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Noritsu Koki Co Ltd 写真処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06214369A (ja) 写真感光材料処理装置
JP3034644B2 (ja) 撮影用写真カラーネガフィルム処理方法
US5669031A (en) Apparatus for processing photographic sensitive material
JP3392589B2 (ja) 写真感光材料処理装置
JP3436439B2 (ja) 写真感光材料処理装置
JP3436440B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH08339069A (ja) 写真感光材料処理装置
JP3436438B2 (ja) 写真感光材料処理装置
JPH03233452A (ja) 感光材料処理装置
JP3527319B2 (ja) 感光材料処理装置及び感光材料処理装置の処理液測定方法
JP3604774B2 (ja) 処理液性能判定装置及び処理液性能判定方法
JPH07261361A (ja) カラー写真用現像処理装置および現像処理方法
JP2700716B2 (ja) 画像形成方法及び装置
JP3679181B2 (ja) 補充キット、補充マガジン及びプリンタプロセッサ
JP2739357B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機
JPH07333802A (ja) 写真感光材料の処理方法及び写真処理装置
JP2897822B2 (ja) 撮影用写真フィルムの自動現像処理装置
JP2692018B2 (ja) カラー画像形成方法
JPH06214368A (ja) 感光材料処理装置
JP2799440B2 (ja) カラー写真感光材料の処理方法
JP2005099342A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料用自動現像処理装置及び処理方法
JPH0267556A (ja) ハロゲン化銀感光材料の処理方法
JP2005122160A (ja) 写真処理装置
JPH04274237A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JP2000089436A (ja) 写真感光材料用現像処理装置