JP3523501B2 - インレイ編地編成方法およびインレイ編地 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は少なくとも前後一対
のニードルベッドを備えた横編機において、インレイ糸
が編地内に挿通されるインレイ編地の編成方法、および
該編成方法により編成されるインレイ編地に関する。

【０００２】

【従来の技術】インレイ糸がベース編地と一体に編み込
まれるインレイ編組織は、厚手の編地となり、嵩高性や
形状保持性に優れるため外衣等の編組織として利用され
る。また、インレイ糸としてゴム糸等の弾性糸を使用し
たインレイ編地は高い伸縮性が要求されるアンダーウエ
アー等に好適な材質となる。このようにインレイ編は編
成に使用する編糸の種類や材質、および編組織等の編成
条件を変えて編成することにより様々な用途に適した編
地を編成できる。

【０００３】インレイ編地編成方法の一例を図７および
図８を使用して説明する。図７のコース１ではベース編
地部を後ベッドの針ａ〜ｓを使用して天竺編組織で編成
し、コース２では後ベッドを針半ピッチ分右方向にラッ
キングした後、コース１で給糸した針とともに、前ベッ
ドの針Ｅ・Ｊ・Ｏにも給糸してループを形成する。そし
てコース３ではコース２の編成により前後両ニードルベ
ッドに係止されているループ上にインレイ糸１０１を掛
け渡す。コース４では後ベッドを左に針半ピッチ分ラッ
キングした後、前ベッドの針Ｅ・Ｊ・Ｏに係止されてい
るループを後ベッドの針に目移しして後ベッド上のルー
プと重ね、コース５では、再度後ベッドの針を使用して
天竺編組織を編成する。上記コース１からコース５に示
される編成を繰り返し行うことで、図８に示すようなベ
ース部が天竺編組織で編成され、１コース置きにインレ
イ糸１０１が挿通されたインレイ編地が編成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した編成方法によ
り編成されたインレイ編地は、リブ編組織の表目と裏目
間にインレイ糸が保持されるが、前後ニードルベッド間
の歯口を跨いで形成されるリブ編組織のループは、表目
と裏目間に渡っている編糸がループに吸収されてループ
が大きくなる。したがってインレイ糸を保持している表
目と裏目間の間隔が広がり、保持されるインレイ糸は着
用時に編地がコース方向に引き伸ばされる方向に力がか
かった場合や、インレイ糸が何かに引っかかった場合等
にインレイ糸が引き出される虞がある。また、リブ編組
織部で新たに前方の針床の針に形成されたループには前
コースのループが存在しないため、図８に示すように新
たにループを形成した箇所１０３に穴が開き商品価値が
低下する。上記した問題は、リブ編組織部で前ベッドに
新たに形成されるループ１０５が前コースのループによ
り保持されていないことによる。本発明は上記した問題
に鑑み、保持されているインレイ糸が移動してインレイ
糸が引き出されたり、編地に穴が開いたりすることのな
い商品価値の高いインレイ編地を編成する方法、および
該方法を利用して編成される新規な編地を開示しようと
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のインレイ編地編
成方法は、上記した問題に鑑み、左右に延び、かつ歯口
を挟んで対向する少なくとも前後一対のニードルベッド
を有し、前記一対のニードルベッドはそれぞれ多数の針
を持ち、前記ニードルベッド間でループの目移しが可能
で、且つ、一方または双方のニードルベッドが左右にラ
ッキング可能な横編機を用い、ベース編地部と、インレ
イ糸とから構成されるインレイ編地を編成する編成方法
であって、ベース編地部を編成する工程、割り増やし編
成により第１のニードルベッド上の針に係止されるベー
ス編地部のループを対向する第２のニードルベッドの針
に係止させインレイ糸保持用ループを形成させ、これに
より前後両ニードルベッドの針にループを係止する工
程、第１、第２のニードルベッドの針に係止されるルー
プ上にインレイ糸を掛け渡す工程、第２のニードルベッ
ドの針に係止されているインレイ糸保持用ループを第１
のニードルベッドの針に目移ししてベース編地部のルー
プと重ねる工程、第１のニードルベッドの針に給糸して
次コースのループを形成する工程、によりインレイ編地
を編成する。上記した発明の構成によれば、割り増やし
により前後の針に係止したループ上にインレイ糸を掛け
渡した後、割り増やしにより新たに形成したループと対
向するニードルベッド上のインレイ糸保持用ループを重
ね、この重ね目に次コースのループを形成することでイ
ンレイ糸を保持する。割り増やしにより形成されたイン
レイ糸保持用ループは、元々１目であったループを２目
に分割し、一方をインレイ糸保持用ループとし、他方を
割り増やしの際に新たに形成したループを保持する前コ
ースのループとしているため、インレイ糸保持用ループ
が通常のループよりも小さなループとして形成すること
でベース編地部のループとインレイ糸保持用ループ間の
間隔を狭まり、インレイ糸がインレイ糸保持用ループと
ベース部のループ間にしっかりと把持され、インレイ糸
の移動が防止される。

【０００６】また、上記したインレイ編地を編成する際
に、ベース編地部に弾性糸を、インレイ糸として非弾性
糸を使用し、編成時に弾性糸を伸張状態で編成すること
で、インレイ糸をパイル状に形成した編地を編成するこ
とも特徴の一つである。上記した発明の構成によれば、
編成完了時に収縮したベース編地部により、インレイ糸
によるパイル状のループが編地の裏面に形成される。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明のインレイ編地編成
方法、およびインレイ編地を図面とともに詳細に説明す
る。本実施の形態では、ベース編地部編成用の編糸に弾
性糸として１１０デニール双糸のウーリーナイロンを使
用し、インレイ糸用の編糸に非弾性糸として７番手単糸
のモールヤーンを使用し、前側編地と後側編地がその両
端部で接続され、筒状体として編成されて編み工程の後
の縫製が不要な無縫製のサポーターを編成する場合を例
に説明する。図１および図２はインレイ編地の編成方法
の一例を示す編成コース図である。本実施の形態では、
針の一側面に目移し用の羽根を備えるとともに、フック
の開閉をベラにより行うベラ針が多数装着された前後一
対のニードルベッドを有し、後ベッドが左右移動可能に
構成される二枚ベッド横編機を使用する。本実施の形態
では、二枚ベッド横編機を使用して筒状編地を編成する
過程において前後ニードルベッド間での目移しを可能と
するため、特公平３−７５６５６号公報に開示される編
成方法により編成を行う。特公平３−７５６５６号公報
では前後にニードルベッドを対向配置させた二枚ベッド
横編機を用い、例えば前側編地の編成を奇数番目の針
に、後側編地を偶数番目の針に割り当て、前後ニードル
ベッドのそれぞれ１本置きの針を使用して編地を筒状に
編成するものである。前側編地を編成する際に後側編地
を後ベッドの針に付属させ、反対に後側編地を編成する
際に前側編地を前ベッドの針に付属させて前後に重ね合
わせた状態で編地を編成することで各編地は対向するニ
ードルベッド上に目移し用の空針を常に確保でき、その
結果リンクス、ガーター、リブ等の表目／裏目が混在す
る組織柄を筒状に編成できる。前後に更に一対のニード
ルベッドを付加した四枚ベッド横編機を使用する場合で
は、前側編地を下部前ベッドと上部後ベッドの針で編成
し、同様に後側編地を下部後ベッドと上部前ベッドの針
を使用して編成できるので二枚ベッド横編機のように前
側編地を奇数番目、後側編地を偶数番目の針に割り当て
る必要がなくなる。なお、以下の説明では、前後それぞ
れのキャリッジ上に４組のカムシステムを備えた横編機
を使用し、同一キャリッジ上に設けられる４組のカムの
内、キャリッジの移動方向において、最前方側位置する
カムシステムを１ｓｔカムとし、以下順に２ｎｄカム、
３ｒｄカム、４ｔｈカムと呼ぶものとする。編成コース
図１および図２において左側にカム番号を示し、１ｓｔ
カムの編成を一番上に示し、下に向かって順に２ｎｄカ
ム、３ｒｄカム、４ｔｈカムの編成を示す。編成コース
図右側の左右方向の矢印は給糸方向を、上下方向の矢印
は目移し方向を示し、各編成コースの上下に付したアル
ファベットの大文字は前ベッドの針を、小文字は後ベッ
ドの針を示す。

【０００８】先ず図１のコース１では、キャリッジを右
方向に向かって移動させ、キャリッジの進行方向の最前
方に位置する１ｓｔカムで後ベッドの一本置きの針ａ・
ｃ・ｅ…ｓ・ｕ・ｗにベース編地部編成用のウーリーナ
イロンを給糸口１で給糸して後側編地のベース部分を編
成する。２ｎｄカムでは、１ｓｔカムでループを形成し
た後ベッドの一本置きの針ａ・ｃ・ｅ…ｓ・ｕ・ｗにウ
ーリーナイロンを給糸口３で給糸して続くコースのルー
プを形成する際に、後ベッドの針ｃ・ｍ・ｗでは割り増
やしを行い、後ベッドの針ｃ・ｍ・ｗに係止されている
旧ループ５を前ベッドの針Ｃ・Ｍ・Ｗに目移しして後述
するインレイ糸保持用ループを形成する。これにより図
１に示すように前後両ニードルベッドの針がループを係
止した状態となる。割り増やしとは、旧ループ５を保持
する針を進出させて新たに給糸された編糸をフックし、
引き込んで次コースのループ７を形成する際に旧ループ
５を対向する針に受け渡して対向する前後の針にそれぞ
れループを係止させることをいう。ベラ針による割り増
やしに関しては、特公昭６２−５２０６３号公報に詳細
に説明されているため、ここではこれ以上の詳細な説明
を省略する。後ベッドの針ｃ・ｍ・ｗに目移しされた旧
ループ５は、元々１目であったループが２目のループ５
ａ, ５ｂに分割され、分割された一方のループ５ａが前
ベッドの針Ｃ・Ｍ・Ｗに係止され、他方のループ５ｂが
新たに形成された新ループ７の前コースのループ５ｂと
なる。２ｎｄカムでの編成により前後両ニードルベッド
の針にループが係止される状態とした後、３ｒｄカムで
は前後両ニードルベッドの針に係止されているループ上
に給糸口９によりインレイ糸１１としてモールヤーンを
掛け渡し、４ｔｈカムでは前ベッドの針Ｃ・Ｍ・Ｗに係
止されているインレイ糸保持用ループ５ａを対向する後
ベッドの針ｃ・ｍ・ｗに目移ししてループを重ねること
で、インレイ糸１１がベース編地部の新ループ７とイン
レイ糸保持用ループ５ａ間に挟まれた状態で前ベッドの
針ｃ・ｍ・ｗに係止される状態となる。

【０００９】次ぎに図２に示す前側編地の編成へと移行
し、１ｓｔカムでは前ベッド上の１本置きの針Ｘ・Ｖ・
Ｔ…Ｆ・Ｄ・Ｂに給糸口１でウーリーナイロンを給糸し
て前側編地のベース部を編成する。２ｎｄカムでは給糸
口３で前ベッドの針Ｄ・Ｆ・Ｈ・Ｊ・Ｎ・Ｐ・Ｒ・Ｔ・
Ｘにウーリーナイロンを給糸するとともに針Ｂ・Ｌ・Ｖ
では割り増やしを行うことで、前ベッドの針Ｂ・Ｌ・Ｖ
にループ１５を形成し、後ベッドの針ｂ・ｌ・ｖにイン
レイ糸保持用となるループ１３ａを係止させる。３ｒｄ
カムでは給糸口９でインレイ糸１１であるモールヤーン
を前後のループ上に掛け渡し、４ｔｈカムでは後ベッド
の針ｂ・ｌ・ｖに係止されているループ１３ａを前ベッ
ドの針Ｂ・Ｍ・Ｌに目移ししてベース編地部のループ１
５と重ねることで、インレイ糸１１がベース編地部のル
ープ１５とインレイ糸保持用ループ１３ａ間に挟まれた
状態で前ベッドの針Ｂ・Ｍ・Ｌに係止された状態とな
る。以降、図１および図２の編成を繰り返し行うこと
で、ベース編地部の新ループ７、１５とインレイ糸保持
用ループ５ａ，１３ａが重ねられた状態となっているル
ープに次コースのループが形成され、インレイ糸１１が
ベース編地部と一体に保持される。上記の編成により編
成された編地は、図３に示すように２コースに１度イン
レイ糸１１が挿通された編地となり（図３は後側編地を
編地の内側から見た状態を示す）、編機から外されると
ウーリーナイロンで編成されたベース編地部が図４のよ
うに収縮し、Ｂの部分でベース編地部と一体に保持され
るインレイ糸がＡの部分で湾曲してモールヤーンにより
パイル状のループが形成された編地となる。

【００１０】上記した実施の形態においては、針のフッ
クの開閉がベラにより行われるベラ針を使用する横編機
で編成を行う場合を説明したが、歯口部を中心に頭部を
対向して設けたそれぞれのニードルベッドに、特願平９
−２４５７４１に記載されるような先頭部にタングを形
成した２枚の弾性板により針本体のフックを摺動自在に
挾持し、前記タングによりフックを開閉するとともに、
タングを使って目移し可能としたスライダー針を並列し
てなる横編機による場合について説明する。このような
スライダー針により編成を行う場合には、旧ループを保
持する針がニット位置まで上昇進出し、次いで新たな給
糸をフックに受けて該糸を前記旧ループ内に引き込んで
下降後退するとき、旧ループがスライダーの先端を越え
てノックオーバーしないように、スライダーの先端がフ
ックを越えて歯口上に上昇進出させた位置を維持させ、
スライダーのタングに旧ループを係止して旧ループ内に
新ループを引き込んだ後に、対向する針床のスライダー
針のフックを前記ループを係止する２枚のタング間に進
出させ旧ループ内に挿入し、次いで前記スライダーを下
降後退すると共に、対向する針床の針のフックに旧ルー
プを受けることにより、対向する両針床の針に新旧ルー
プを係止させて割り増やしが行われる。上記した編成で
は、旧ループ内に新ループを引き込んで新ループを形成
するまでの割り増やしの前半部分が先行のカムシステム
で行われ、旧ループを対向するニードルベッドの針に目
移しする割り増やしの後半部分が後行のカムシステムで
行われる。この横編機ではキャリッジに、レイジングカ
ムとその両側に設けたニッティングカムとよりなるニー
ドル昇降用カムロックの歯口部側に、スライダー操作用
カムロックを設けてなるカムシステムを少なくとも２基
並設すると共に、先行のカムシステムにおいてニット編
成のために歯口部に進出した針本体のフックが編糸を引
き込み後退してもスライダー上の旧ループがノックオー
バーされないように、スライダーのタングがフックを越
える位置を維持させると共にループを割る位置（目移し
の位置）へと進出させるスライダーバット軌道を隣り合
う編成ロック間に設けられている。

【００１１】上記したスライダー針とスライダー針操作
用のカムロックを使用した場合の編成コース図を図５を
使用して説明する。図５のコース１では左右方向の矢印
で示されるキャリッジの進行方向において最前方に位置
する１ｓｔカムで、図示せぬ前コースまでの編成により
前後両ニードルベッドの針に係止された状態となってい
るループ上に前側編地用のインレイ糸を挿通し、２ｎｄ
カムでは後ベッド上の針に係止されていた前側編地のイ
ンレイ糸保持用ループを前ベッドの針に目移しし、３ｒ
ｄカムでは後側編地のベース編地部を編成する。続いて
コース２ではキャリッジを左方向に移動させて１ｓｔカ
ムで前側編地のベース部を編成する。コース３ではキャ
リッジを右方向に移動させ、３ｒｄカムで後側編地のベ
ース編地部の編成と、後側編地のループの割り増やしの
前半部分（割り増やし−１）を行い、４ｔｈカムでは３
ｒｄカムの編成で形成されたループを受け取った針を引
き下げて割り増やしの後半部分（割り増やし２）を行
う。コース４ではキャリッジを左方向に移動させ、１ｓ
ｔカムで後側編地用のインレイ糸を掛け渡し、２ｎｄカ
ムでは後側編地のインレイ糸保持用ループを後ベッドの
針に目移しし、３ｒｄカムでは前側編地のベース編地部
の編成と前側編地の割り増やしの前半部分（割り増やし
１）を行い、４ｔｈカムでは割り増やしの後半部分（割
り増やし２）を行う。上記コース１〜コース４の編成を
繰り返すことで編成される編地のループ図を図６に示
す。２１がインレイ糸であり、２３がベース編地部のル
ープであり、２５がインレイ糸保持用ループである。図
６のループ図と図３のループ図と異なるのは、第１の実
施の形態では受け針を針の側面に設けられる目移し用の
羽根内に針のフックを進出させて目移しを行うベラ針を
使用しているのに対し、第２の実施の形態では、二枚の
弾性板により形成される空間内に針のフックを進出させ
て目移しを行うスライダー針を使用しているためであ
る。

【００１２】上記したように、本実施の形態のインレイ
編地編成方法では、割り増やしを行うことで、元々１目
であったループ５、１３を２つのループ５ａ, ５ｂ、１
３ａ, １３ｂに分割し、一方のループ５ｂ、１３ｂを空
針に新たに形成されるループ７，１５を保持する前コー
スのループとし、他方のループ５ａ、１３ａを対向する
ニードルベッド上の針にインレイ糸保持用ループとして
係止させ、前後両ニードルベッドの針にループを掛け渡
し、インレイ糸を挿通した後、インレイ糸保持用ループ
をベース編地部のループと重ねてインレイ糸を保持す
る。このように、本実施の形態のインレイ編地編成方法
では、インレイ糸保持用となるループを元々１目で合っ
たループを２つのループに分割することにより形成して
いるため、通常のループよりも小さいループとして形成
される。したがって、インレイ糸が保持されるインレイ
糸保持用ループとベース編地部のループ間の間隔が狭ま
り、インレイ糸がインレイ糸保持用ループとベース部の
ループ間にしっかりと把持され、インレイ糸の移動が防
止される。

【００１３】なお、上記した実施の形態ではベース編地
部を天竺編組織で編成しているが、ベース編地部の編組
織はリブ編組織やワイドリブ組織等、天竺編組織以外の
編組織とすることも可能である。また、上記した実施の
形態では、２コース周期でインレイ糸を挿通し、ベース
編地のループ５目につきインレイ糸保持用ループ１目を
形成しているが、インレイ糸を挿通する周期やインレイ
糸保持用ループを形成する割合いは自由に設定できる。
また、上記した実施の形態では、筒状に形成される無縫
製のサポーターを編成する場合を説明したが、本発明の
編成方法は筒状の編地を編成する場合に限るものではな
い。また、ベース編地部に弾性糸であるウーリーナイロ
ンを使用し、インレイ糸として非弾性糸であるモールヤ
ーンを使用してパイル状の編地を編成する場合を説明し
たが、編成に使用する編糸は上記したものに限定されな
い。

【００１４】

【発明の効果】本発明のインレイ編地編成方法では、割
り増やしにより前後の針に係止したループ上にインレイ
糸を掛け渡した後、割り増やしにより新たに形成したル
ープと対向するニードルベッド上を目移しされたループ
を重ね、この重ね目に次コースのループを形成すること
でインレイ糸を保持する。割り増やしにより形成された
インレイ糸保持用ループは、元々１目であったループを
２目に分割し、一方をインレイ糸保持用ループとし、他
方を割り増やしの際に新たに形成したループを保持する
前コースのループとしているため、インレイ糸保持用ル
ープが通常のループよりも小さなループとして形成する
ことでベース編地部のループとインレイ糸保持用ループ
間の間隔を狭めることができる。したがって、インレイ
糸がインレイ糸保持用ループとベース部のループ間にし
っかりと把持され、インレイ糸の移動が防止される。

【００１５】また、ベース編地部に弾性糸を、インレイ
糸として非弾性糸を使用し、編成時に弾性糸を伸張状態
で編成し、編成完了時に収縮したベース編地部により、
インレイ糸によるパイル状のループが編地の裏面に形成
されるようにした場合には、パイル編成用の特別な機構
を備えていない横編機においてもパイル編に類似した質
感の編地を編成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態として編まれるサポーター
の後側編地部分の編成を示す編成コース図である。

【図２】本発明の実施の形態として編まれるサポーター
の前側編地部分の編成を示す編成コース図である。

【図３】図１および図２の編成コース図に従って編成さ
れたサポーターの後側編地部分を編地内側から見たルー
プ図である。

【図４】ベース部に弾性糸を、インレイ糸に非弾性糸を
使用して編成した編地の断面図である。

【図５】本発明の他の実施例を示す図である。

【図６】図５に示される編成に従って編成されたインレ
イ編地のループ図である。

【図７】従来のインレイ編地編成方法を示す編成コース
図である。

【図８】図７の編成コース図に従って編成されたインレ
イ編地のループ図である。

【符号の説明】

１…ベース編地部用給糸口、３…ベース編地部編成用給
糸口、５…旧ループ、５ａ…インレイ糸保持用ループ、
７…新ループ、１１…インレイ糸、１３…旧ループ、１
３ａ…インレイ糸保持用ループ、１５…新ループ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右に延び、かつ歯口を挟んで対向する少
   なくとも前後一対のニードルベッドを有し、前記一対の
   ニードルベッドはそれぞれ多数の針を持ち、前記ニード
   ルベッド間でループの目移しが可能で、且つ、一方また
   は双方のニードルベッドが左右にラッキング可能な横編
   機を用い、 ベース編地部と、 インレイ糸とから構成されるインレイ編地を編成する編
   成方法であって、 ベース編地部を編成する工程、 割り増やし編成により第１のニードルベッド上の針に係
   止されるベース編地部のループを対向する第２のニード
   ルベッドの針に係止させてインレイ糸保持用ループを形
   成し、これにより前後両ニードルベッドの針にループを
   係止する工程、第１、第２のニードルベッドの針に係止
   されるループ上にインレイ糸を掛け渡す工程、 第２のニードルベッドの針に係止されているインレイ糸
   保持用ループを第１のニードルベッドの針に目移しして
   ベース編地部のループと重ねる工程、 第１のニードルベッドの針に給糸して次コースのループ
   を形成する工程、からなることを特徴とするインレイ編
   地編成方法。
2. 【請求項２】請求項１に記載のインレイ編地編成方法に
   より編成される編地であって、ベース編地部に弾性糸
   を、インレイ糸として非弾性糸を使用し、編成時に弾性
   糸を伸張状態で編成することで、インレイ糸をパイル状
   に形成することを特徴とするインレイ編地。