JP3518307B2 - 軸部材の保持構造 - Google Patents
軸部材の保持構造Info
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Description
制御盤などの箱体と扉との取付部位に用いられる軸部材
の保持構造に関するものである。
るために、箱体と扉との一方に軸受部材を設けるととも
に他方に軸保持部材を設け、軸受部材に設けた軸受孔と
軸保持部材に設けた軸挿通孔とに軸部材を挿通する構造
が採用されている。たとえば、箱体の開口面に軸受孔を
有する軸受部材を設け、箱体には軸挿通孔を有した軸保
持部材を設けておき、軸受孔と軸挿通孔とに図7に示す
ようなピン状の軸部材10を挿通する構造になる。軸部
材10は軸受孔および軸挿通孔に挿通される軸部11
と、軸部11の一端部に設けられ軸部11よりも大径で
ある頭部12とを一体に備える。軸部11の他端部には
溝部13が形成され、溝部13にはCリング14が装着
される。つまり、頭部12とCリング14とにより、軸
受部材および軸保持部材に対して軸部材10が軸方向に
移動するのを禁止し、軸部材10の抜け止めを行なうも
のである。
ると、Cリング14を溝部13に装着する際に専用の工
具が必要であるという問題があり、しかも、軸部材10
にCリング14を一旦取り付けると容易に外すことがで
きないという問題がある。たとえば、分電盤や制御盤で
は、設置後に各種の内器を追加・削除したり交換したり
する作業が必要になることがあり、このような作業を行
なうには扉を外すほうが作業がしやすくなるが、上述の
ように軸部材10からCリング14を外すのは容易では
ないから、軸部材10によって開閉自在に取り付けられ
ている扉を箱体から外すのは容易ではない。そこで、こ
の種の作業が容易になるように、箱体から扉を容易に外
すことができる軸部材の保持構造が要求されている。
あり、その目的は、軸部材を保持する軸保持部材と軸部
材により回転可能に支持される軸受部材との結合・分離
を容易に行なうことができるようにした軸部材の保持構
造を提供することにある。
部材に設けた軸受孔に進退自在に挿入される軸部を有し
た軸部材と、前記軸部材の軸部を軸線に直交する方向か
ら着脱自在に差し込む差込部および差込部に一体に設け
た取手部を有した軸持ち部材と、前記軸部材の軸部が挿
通される軸挿通孔をそれぞれ有した一対の対向部および
両対向部間に設けられ前記軸部が前記軸受孔と軸挿通孔
とに挿通された状態で軸持ち部材の取手部を係止する係
止部を有した軸保持部材とを備えるものである。この構
成では、軸持ち部材が軸部に対して着脱自在であるか
ら、軸部材から軸持ち部材を外せば軸保持部材から軸部
材を容易に外すことができる。
て、前記取手部と係止部との係止状態を解除し軸部材を
前記軸受孔から外れる方向に移動させ軸受部材から遠い
ほうの対向部に取手部を当接させた位置で、軸部材の軸
部の先端が軸受孔から外れて軸受部材に近いほうの対向
部に形成された軸挿通孔内に臨むように軸部材に対する
軸持ち部材の取付位置が設定されているものである。こ
の構成では、軸受部材を外した状態でも軸部材から軸持
ち部材を外さなければ両対向部の軸挿通孔から軸部材が
抜けることがないから、軸受部材の取り外し作業が容易
になるとともに、軸部材が軸保持部材に対して位置決め
されていることにより、軸部材を軸受部材の軸受孔に挿
入する作業も容易になる。
2の発明において、前記係止部を軸部材の進退方向とは
直交する方向に突出する突起とし、前記突起が差し込ま
れる差込孔を前記取手部に設け、前記突起の先端部に差
込孔の周部に引掛かる引掛部を設けるとともに、前記引
掛部が引掛かる差込孔の周部を薄肉に形成しているもの
である。この構成によれば、突起の先端部に差込孔の周
部に引掛かる引掛部を設けているから、取手部が突起か
ら不用意に外れることがない。また、差込孔の周部のう
ち引掛部が引掛かる部位を薄肉に形成しているから、差
込孔に突起を挿入する際に差込孔の周部の薄肉部分が撓
むことによって突起を差込孔に容易に挿入することがで
きる。
て、前記軸部材の軸部と前記軸持ち部材の差込部とに互
いに他方に凹凸嵌合して軸部と差込部との位置ずれを防
止する凹凸嵌合部を設け、前記突起を差込孔に挿入した
状態で凹凸嵌合部の嵌合状態を解除する向きに取手部が
移動しようとすると、凹凸嵌合部の嵌合状態が解除され
る前に差込孔の周縁に突起が当接するように突起の差込
孔に対する位置が設定されて成るものである。この構成
によれば、軸持ち部材の差込孔に突起を差し込んだ状態
では、軸部材の軸部および軸受部材の差込部に設けた凹
凸嵌合部の嵌合状態が解除されないから、軸受孔から軸
部が不用意に抜けるのを確実に防止することができる。
に、分電盤や制御盤の箱体1に扉2を開閉自在に取り付
ける例を示すが、本発明の技術思想は他の用途にも適用
可能である。図1に示す例では箱体1に軸受部材20を
取り付けるとともに、扉2に軸保持部材30を取り付け
てある。軸受部材20と軸保持部材30との組は上下2
箇所に設けてあり、下側に設けた軸受部材20と軸保持
部材30との上下関係は、図1の上下関係とは逆になっ
ている。軸受け部材20には軸受孔21が形成され、軸
保持部材30には軸挿通孔31が形成され、軸挿通孔3
1および軸受孔21を通して軸部材10が挿通される。
成され、上下一対の対向片(対向部)32を備えてい
る。軸挿通孔31は各対向片32にそれぞれ形成され
る。また、両対向片32を連結している連結片33には
対向片32と同じ方向に突出する突片(突起)34が形
成されている。突片34の先端部には引掛部35(図6
参照)を設けてある。引掛部35は突片34の先端部か
ら下向きに突出した突起状に形成されている。この軸保
持部材30はたとえば連結片33を溶接することにより
扉2に固着される。
て固定される取付片23を備え、取付片23から軸受片
22が突設されている。軸受片22には軸受孔21が形
成され、軸保持部材30の上側の対向片32の上に軸受
片22を重ねた形で軸部材10が軸挿通孔31と軸受孔
21とに挿通される。上述したように、下側に設けた軸
受部材20と軸保持部材30では上下の位置関係が逆に
なる。つまり、軸受片22の上に軸保持部材30が載置
される形になる。
って、軸受孔21および軸挿通孔31に挿通される軸部
11と、軸部11の一端部に設けられた軸部11よりも
大径である頭部12とを備える。また、軸部11の他端
部には全周に亙って溝部13が形成されている。本実施
形態では、軸部材10の軸保持部材30に対する抜け止
めを行なうために用いる軸持ち部材40に特徴がある。
軸持ち部材40は、図2に示すように、合成樹脂を用い
て略口字形に形成されている。軸持ち部材40の一側辺
には断面略C字形に形成された差込部41が形成され
る。差込部41は軸持ち部材40の側面の外向きに開放
され、軸部材10の軸部11が軸線に直交する方向から
着脱自在に差し込まれるようになっている。つまり、差
込部41の開口幅は軸部材10の軸部11の直径よりも
小さく形成され、軸部11を差込部41に押し付けると
合成樹脂の弾性により差込部41の開口が広がって差込
部41に軸部11が装着されるようにしてある。逆に、
軸部11を差込部41から引張り出せば軸部11を差込
部41から比較的容易に外すことができる。差込部41
の内周面には軸部材10の溝部13に凹凸嵌合する突条
42が形成され、溝部13と突条42とにより凹凸嵌合
部が形成されている。このように溝部13と突条42と
が嵌合することにより、軸部材10の定位置に軸持ち部
材40が位置決めされた形で固定されることになる。
として機能する。また、取手部43には差込孔44が形
成されている。差込孔44の上下幅は軸保持部材30に
設けた突片34の上下幅にほぼ等しく設定され、差込孔
44の周部のうち引掛部35に対応する辺は他の周部よ
りも薄肉の撓み部45を形成している。しかして、図
3、図4に示すように、軸保持部材30の軸挿通孔31
に軸部材10の軸部11を下側から挿通するとともに、
軸受部材20の軸受孔21に軸部材10の軸部11を挿
通し、軸部材10に取り付けた軸持ち部材40の差込孔
44に軸保持部材30の突片34を挿通する。この状態
で、軸部材10の頭部12は軸保持部材30の下側の対
向片32の下面に当接して軸部材10の上方への移動が
禁止され、また軸持ち部材40が突片34に係止されて
いることによって軸部材10の下方への移動が禁止され
る。つまり、軸部材10の上下位置が固定され、軸受部
材20に軸部材10を挿通した状態に保つことができ
る。ここにおいて、軸持ち部材40には上述のように撓
み部45を形成しているから、取手部43の差込孔44
に突片34を挿入する際に、撓み部45が撓んで引掛部
35を乗り越えることになる。また、取手部43を突片
34から外す向きに力が作用したとしても、差込孔44
の周部が引掛部35に係止されているから、振動や衝撃
などの外力によって取手部43が突片34から不用意に
抜けることがない。なお、取手部43を突片34から外
すには、撓み部45が撓む程度の力を手で加えればよ
い。さらに、突片34に差込孔44を挿入した状態で
は、取手部43を軸部材10から引き離す向きの外力が
作用しても、溝部13と突条42との凹凸嵌合が解除さ
れる前に、差込孔44の内周縁のうち差込部41が形成
されている一辺が突片34に当接することによって、溝
部13と突条42との凹凸嵌合が解除されないようにし
てある。
は、軸保持部材30の両対向片32の間で軸持ち部材4
0が移動する範囲内で軸部材10を軸方向に移動させる
ことができる。軸受部材20から遠いほうの対向片32
に軸持ち部材40が当接する位置では、図5、図6に示
すように、軸部材10の軸部11の先端部が軸受部材2
0に近いほうの対向片32に設けた軸挿通孔31に挿入
され、かつ軸受部材20の軸受孔21からは抜けた状態
になるように、軸部材10と軸持ち部材40との位置関
係が設定されている。このことにより、軸受部材20を
軸部材10から外した状態でも、軸部材10は軸保持部
材30に保持された状態を保ち、軸部材10の脱落を防
止することができる。しかも、軸部材10は軸保持部材
30により位置決めされているから、軸受部材20の軸
受孔21を軸保持部材30の軸挿通孔31に位置合わせ
した後に、軸部材10を押し上げるだけで軸部材10を
軸受部材20の軸受孔21に容易に挿入することができ
る。
分電盤や制御盤に適用すれば、軸持ち部材40の取手部
43を軸保持部材30の突片34から外して軸部材10
を軸方向に移動させるだけで、軸部材10と軸受部材2
0との結合を解除することができるから、箱体1から扉
2を取り外す作業が容易になる。また、箱体1に扉2を
取り付けて逆の手順で軸部材10を軸受部材20に結合
すれば、専用の工具を用いることなく手で作業するだけ
で箱体1に扉2を取り付けることができるのである。し
かも、軸部材10は軸保持部材30から脱落することが
なく、扉2を箱体1から外した状態で軸部材10を紛失
することもない。
受孔に進退自在に挿入される軸部を有した軸部材と、前
記軸部材の軸部を軸線に直交する方向から着脱自在に差
し込む差込部および差込部に一体に設けた取手部を有し
た軸持ち部材と、前記軸部材の軸部が挿通される軸挿通
孔をそれぞれ有した一対の対向部および両対向部間に設
けられ前記軸部が前記軸受孔と軸挿通孔とに挿通された
状態で軸持ち部材の取手部を係止する係止部を有した軸
保持部材とを備えるものであり、軸持ち部材が軸部に対
して着脱自在であるから、軸部材から軸持ち部材を外せ
ば軸保持部材から軸部材を容易に外すことができるとい
う利点がある。
て、前記取手部と係止部との係止状態を解除し軸部材を
前記軸受孔から外れる方向に移動させ軸受部材から遠い
ほうの対向部に取手部を当接させた位置で、軸部材の軸
部の先端が軸受孔から外れて軸受部材に近いほうの対向
部に形成された軸挿通孔内に臨むように軸部材に対する
軸持ち部材の取付位置が設定されているものであり、軸
受部材を外した状態でも軸部材から軸持ち部材を外さな
ければ両対向部の軸挿通孔から軸部材が抜けることがな
いから、軸受部材の取り外し作業が容易になるととも
に、軸部材が軸保持部材に対して位置決めされているこ
とにより、軸部材を軸受部材の軸受孔に挿入する作業も
容易になるという利点がある。
2の発明において、前記係止部を軸部材の進退方向とは
直交する方向に突出する突起とし、前記突起が差し込ま
れる差込孔を前記取手部に設け、前記突起の先端部に差
込孔の周部に引掛かる引掛部を設けるとともに、前記引
掛部が引掛かる差込孔の周部を薄肉に形成しているもの
であり、突起の先端部に差込孔の周部に引掛かる引掛部
を設けているから、取手部が突起から不用意に外れるこ
とがないという利点がある。また、差込孔の周部のうち
引掛部が引掛かる部位を薄肉に形成しているから、差込
孔に突起を挿入する際に差込孔の周部の薄肉部分が撓む
ことによって突起を差込孔に容易に挿入することができ
るという利点がある。
て、前記軸部材の軸部と前記軸持ち部材の差込部とに互
いに他方に凹凸嵌合して軸部と差込部との位置ずれを防
止する凹凸嵌合部を設け、前記突起を差込孔に挿入した
状態で凹凸嵌合部の嵌合状態を解除する向きに取手部が
移動しようとすると、凹凸嵌合部の嵌合状態が解除され
る前に差込孔の周縁に突起が当接するように突起の差込
孔に対する位置が設定されて成るものであり、軸持ち部
材の差込孔に突起を差し込んだ状態では、軸部材の軸部
および軸受部材の差込部に設けた凹凸嵌合部の嵌合状態
が解除されないから、軸受孔から軸部が不用意に抜ける
のを確実に防止することができるという利点がある。
る。
図である。
した状態の正面図である。
した状態の側面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 軸受部材に設けた軸受孔に進退自在に挿
入される軸部を有した軸部材と、前記軸部材の軸部を軸
線に直交する方向から着脱自在に差し込む差込部および
差込部に一体に設けた取手部を有した軸持ち部材と、前
記軸部材の軸部が挿通される軸挿通孔をそれぞれ有した
一対の対向部および両対向部間に設けられ前記軸部が前
記軸受孔と軸挿通孔とに挿通された状態で軸持ち部材の
取手部を係止する係止部を有した軸保持部材とを備える
ことを特徴とする軸部材の保持構造。 - 【請求項2】 前記取手部と係止部との係止状態を解除
し軸部材を前記軸受孔から外れる方向に移動させ軸受部
材から遠いほうの対向部に取手部を当接させた位置で、
軸部材の軸部の先端が軸受孔から外れて軸受部材に近い
ほうの対向部に形成された軸挿通孔内に臨むように軸部
材に対する軸持ち部材の取付位置が設定されていること
を特徴とする請求項1記載の軸部材の保持構造。 - 【請求項3】 前記係止部を軸部材の進退方向とは直交
する方向に突出する突起とし、前記突起が差し込まれる
差込孔を前記取手部に設け、前記突起の先端部に差込孔
の周部に引掛かる引掛部を設けるとともに、前記引掛部
が引掛かる差込孔の周部を薄肉に形成して成ることを特
徴とする請求項1または請求項2記載の軸部材の保持構
造。 - 【請求項4】 前記軸部材の軸部と前記軸持ち部材の差
込部とに互いに他方に凹凸嵌合して軸部と差込部との位
置ずれを防止する凹凸嵌合部を設け、前記突起を差込孔
に挿入した状態で凹凸嵌合部の嵌合状態を解除する向き
に取手部が移動しようとすると、凹凸嵌合部の嵌合状態
が解除される前に差込孔の周縁に突起が当接するように
突起の差込孔に対する位置が設定されて成ることを特徴
とする請求項3記載の軸部材の保持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01360498A JP3518307B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 軸部材の保持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01360498A JP3518307B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 軸部材の保持構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11210743A JPH11210743A (ja) | 1999-08-03 |
JP3518307B2 true JP3518307B2 (ja) | 2004-04-12 |
Family
ID=11837844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01360498A Expired - Fee Related JP3518307B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 軸部材の保持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3518307B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003013940A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-15 | Kanto Auto Works Ltd | 軸受構造 |
-
1998
- 1998-01-27 JP JP01360498A patent/JP3518307B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH11210743A (ja) | 1999-08-03 |
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