JP3516781B2 - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP3516781B2
JP3516781B2 JP22352995A JP22352995A JP3516781B2 JP 3516781 B2 JP3516781 B2 JP 3516781B2 JP 22352995 A JP22352995 A JP 22352995A JP 22352995 A JP22352995 A JP 22352995A JP 3516781 B2 JP3516781 B2 JP 3516781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検出用設定温度あ
るいはそれに近い温度に設定された状態で、バーナの燃
焼ガス中の未燃成分の濃度を検出する接触燃焼式の未燃
成分検出手段と、この未燃成分濃度検出手段の検出情報
に基づいて、前記バーナの不完全燃焼を判別する不完全
燃焼判別手段と、前記未燃成分が零の状態と予測される
状態で且つ前記検出用設定温度あるいはそれに近い温度
に設定された状態での、前記未燃成分濃度検出手段の検
出値を、前記不完全燃焼の判別用基準値として記憶する
基準値記憶手段とが備えられている燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記燃焼装置において、従来では、例え
ば実開平5−90418号公報に示されるように、未燃
成分濃度検出手段としてCOセンサが用いられ、バーナ
が燃焼状態にない時、つまり、未燃成分が零と予測され
る状態、具体的には、例えば、装置への電源投入時ある
いはバーナが消火された後において、その時のセンサ出
力を前記判別用基準値として記憶させるように構成し
て、例えば、経時変化等に起因して、前記基準値が初期
設定値(工場出荷時における調節値等)からずれた場合
であっても、適宜、バーナが燃焼状態にない時のセンサ
出力を基準値として記憶させることで、精度よく、未燃
成分濃度を検出することができるようにしたものがあっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の燃
焼装置においては、バーナの燃焼ガス中に例えば硫化物
等が含まれているが、前記未燃成分濃度検出手段は燃焼
ガス中の未燃成分濃度を検出するために、燃焼ガスが流
動する箇所に設置されることから、このような硫化物が
該検出手段の表面に付着することがあるが、このような
硫化物等が付着すると、未燃成分濃度検出手段の検出感
度が劣化することが知られている。尚、このような感度
劣化においては、所謂、零点出力(未燃成分が零と予測
される状態での出力)が変化するだけでなく、未燃成分
濃度の変化に対する出力値の変化特性も異なるものにな
る。
【0004】しかし、上記従来構成においては、バーナ
が燃焼状態にない時の出力を記憶させて、その値を判別
用基準値とするだけのものであるから、上述したような
未燃成分濃度検出手段の検出感度の劣化に対しては何ら
対策されていず、正確な未燃成分濃度の検出が行えない
不利があった。
【0005】そこで、このような不利を回避する方法と
して、例えば、バーナの燃焼時間の積算値に応じて、未
燃成分濃度検出手段の出力値を補正する構成も考えられ
るが、このような構成においても、バーナの燃焼状態
(上述した付着物の発生状況)が常に一定であるとは限
らず、又、補正係数を精度よく設定することは困難であ
り、充分な対策であるとは言えず、精度よく未燃成分濃
度を検出することができないものであった。
【0006】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、長期間にわたって未燃成分の濃度
を高い精度で検出することが可能となる燃焼装置を提供
する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、燃焼時間積算手段によってバーナの燃焼時
間が積算され、その積算時間が設定積算時間に達する毎
に、制御手段によりヒートクリーニング動作が実行され
る。つまり、バーナが燃焼していない状態において、設
定時間が経過する間だけ、未燃成分濃度検出手段を検出
用設定温度よりも高い温度にさせるのである。
【0008】このように高い温度にすることで、表面に
付着した付着物が除去され、付着物に起因して劣化した
感度が回復することになる。
【0009】上述したような付着物による感度劣化は、
バーナの燃焼時間が長いほど進行するものであるから、
バーナの燃焼時間の積算値が設定積算時間に達する毎に
実行されるヒートクリーニング動作により、感度劣化の
過度の進行を未然に防止することができる。
【0010】又、例えば、バーナの燃焼が停止する毎に
ヒートクリーニング動作を実行する構成であれば、燃焼
の開始並びに停止が頻繁に行われた場合に、高温加熱に
より未燃成分濃度検出手段に対する熱的なストレスをか
けるおそれがあるが、燃焼時間の積算値に基づいて実行
する構成とすることで、未燃成分濃度検出手段の耐久性
を低下させるおそれがそれだけ小さいものにできる。
【0011】そして、ヒートクリーニング動作が終了し
た後において、制御手段により、未燃成分が零の状態と
予測される状態で且つ前記検出用設定温度あるいはそれ
に近い温度に設定された状態での、未燃成分濃度検出手
段の検出値が、判別用基準値として基準値記憶手段に記
憶されるのである。
【0012】従って、ヒートクリーニング動作によって
付着物が除去され、検出感度が回復した状態で基準値が
記憶されるので、その後の未燃成分濃度の検出を精度よ
く行うことができ、その結果、不完全燃焼の判別を精度
よく行うことができるものとなる。
【0013】請求項2に記載の特徴構成によれば、ヒー
トクリーニング動作が終了した後において、異常状態判
別手段によって、未燃成分が零の状態と予測される状態
で且つ検出用設定温度あるいはそれに近い温度に設定さ
れた状態での、未燃成分濃度検出手段の検出値が、設定
範囲外にあれば、未燃成分濃度検出手段が動作異常であ
ると判別されるのである。
【0014】従って、ヒートクリーニング動作によって
付着物が除去された適正な検出状態における検出値に基
づいて、動作異常が発生しているか否かを正確に判定す
ることができるものとなる。
【0015】請求項3に記載の特徴構成によれば、ヒー
トクリーニング動作が終了する毎に、未燃成分が零の状
態と予測される状態で且つ検出用設定温度あるいはそれ
に近い温度に設定された状態での、未燃成分濃度検出手
段の検出値を、劣化判定値として劣化判定値記憶手段に
記憶させるように構成されているから、この劣化判定値
に基づいて、例えば最新の劣化判定値と前回の劣化判定
値とを比較することで、前回のヒートクリーニング動作
の後、今回のヒートクリーニング動作に至るまでの間に
おける感度劣化を判別することが可能となる。
【0016】請求項4に記載の特徴構成によれば、バー
ナの燃焼が停止した時点から第1設定時間経過した後に
おいて、第1判別手段により、未燃成分が零の状態と予
測される状態で且つ検出用設定温度あるいはそれに近い
温度に設定された状態での、未燃成分濃度検出手段の検
出値が、判別用基準値に基づいて設定された第1設定範
囲内にあるか否かが判別される。そして、この第1判別
手段にて第1設定範囲内にないことが判別された後に、
第1設定時間経過した後、更に、第2設定時間が経過し
た後において、第2判別手段により、未燃成分が零の状
態と予測される状態で且つ検出用設定温度あるいはそれ
に近い温度に設定された状態での、未燃成分濃度検出手
段の検出値が、劣化判定値に基づいて設定された第2設
定範囲内にあるか否かが判別されるのである。この第2
判別手段にて第2設定範囲内にないことが判別される
と、燃焼時間積算手段による積算時間にかかわらず、ヒ
ートクリーニング動作が実行されることになる。
【0017】つまり、第1判別手段によって、常に、最
も新しい検出情報としての判別用基準値に基づいて出力
変動を検出することによって、未燃成分濃度検出手段が
異常か否かの仮の判定を行うことになり、この第1判別
手段にて設定範囲内にないことが判別された場合に、更
に、その後、第2設定時間経過した後における出力が安
定した状態で、劣化判定値に基づいて、出力変動を検出
することによって、前回のヒートクリーニング動作後に
おいて未燃成分濃度検出手段が劣化しているか否かを精
度よく判別するのである。
【0018】従って、第1判別手段による仮判別を行う
ことで、未燃成分濃度検出手段が劣化していない場合
に、バーナが燃焼停止する毎に、出力が安定する第2設
定時間が経過する間、待機する必要がなく、判定のため
の所要時間を極力短いものにできる。
【0019】そして、燃焼積算時間が設定積算時間に達
していなくても、第2設定範囲内になく劣化が大きい場
合には、ヒートクリーニング動作を実行することで、確
実に検出感度を回復させることにより、より高精度で未
燃成分濃度を検出することが可能となる。
【0020】更に、第2設定時間が経過した後において
は、第2設定範囲内に収まっている場合には、その時の
検出値が判別基準値記憶手段に記憶されるから、その後
の不完全燃焼の判別において、より精度の高い基準値と
して設定できることになる。
【0021】請求項5に記載の特徴構成によれば、ヒー
トクリーニング動作における未燃成分濃度検出手段の温
度が、付着硫化物を分解除去することが可能な高温度に
設定されているので、付着硫化物を除去させることで、
硫化物の付着に起因して劣化した検出感度を、確実に、
元の状態に回復させることができる。
【0022】請求項6に記載の特徴構成によれば、使用
位置に設置された後に、最初に前記基準値記憶手段に記
憶される判別用基準値が、初期基準値記憶手段に設置初
期基準値として記憶される。そして、ヒートクリーニン
グ動作の終了後に行われる異常状態判別手段による判別
において、設置初期基準値に基づいて設定された設定範
囲外にあれば動作異常であると判別されるのである。
【0023】つまり、使用位置に設置された後に、最初
に記憶される判別用基準値は、バーナの燃焼に起因した
劣化が無い状態における値であり、しかも、実際の出力
に基づいて設定される値であるから、この値を基準にし
て判別することで、個体差によるバラツキ、あるいは、
設置時や輸送時の振動による出力変動等が含まれない状
態で、正確に、未燃成分濃度検出手段が異常であるか否
かの判別を行えるものとなる。
【0024】請求項7に記載の特徴構成によれば、異常
状態判別手段が動作異常であると判別すると、所定の安
全動作を実行する安全手段が備えられているから、未燃
成分濃度検出手段による未燃成分濃度の検出が正常に行
えない状態で、その後もバーナの燃焼が継続することに
より、不完全燃焼の判別が良好に行えないようになる等
の不利を未然に回避でき、使用上の安全性を確保でき
る。
【0025】請求項8に記載の特徴構成によれば、安全
手段は、異常状態判別手段により動作異常が設定回数判
別されると、バーナの燃焼動作を牽制するように構成さ
れているから、例えば、前記動作異常が1回だけ誤判別
された場合に、すぐにバーナの燃焼動作を牽制するよう
に構成される場合には、何らかの突発的な異常により、
動作異常が判別された場合であっても、不必要に燃焼装
置の運転が行えなくなり、使い勝手が悪くなる等の不利
があるが、上記のように構成することで、このような不
利を回避できる。しかも、未燃成分濃度検出手段の異常
を精度よく検出できるので、メンテナンス作業時の作業
効率も向上する。
【0026】請求項9に記載の特徴構成によれば、燃焼
時間積算手段は、バーナに対する燃料供給量の変更に伴
って、燃料供給量が大きいほど大きな重み付けにて燃焼
時間を積算するように構成されているから、燃料供給量
が大であるほど、短い燃焼時間でヒートクリーニング動
作が実行されることになる。燃料供給量が大きいほど、
単位燃焼時間当たりの硫化物等の付着量も多くなり、感
度劣化の度合いが大になるが、そのような場合には、短
い燃焼時間で有効にヒートクリーニング動作が実行され
ることになり、感度劣化の進行を極力、少ないものに抑
制できるものとなる。
【0027】請求項10に記載の特徴構成によれば、制
御手段は、燃焼時間積算手段により積算されたバーナの
燃焼時間の積算値に基づいて、この積算値が大であるほ
ど短い時間になるように、前記設定積算時間を変更設定
するように構成されているから、バーナの総燃焼時間、
つまり、使用期間が長くなると経年変化等に起因して未
燃成分の濃度が増大し易い傾向となるおそれがあるが、
使用期間が長くなるほど、ヒートクリーニングが実行さ
れる時間間隔(設定積算時間)が短くなるので、より適
切な状態で感度劣化の進行を抑制できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例を図面に基いて説明
する。図1に本発明に係る燃焼装置の一例としての給湯
装置が示され、この給湯装置は、給湯器Yと、給湯器Y
の動作を制御する制御部Hと、リモコン装置Rとから構
成されている。給湯器Yは、燃焼室1と、燃焼室1の内
部に備えられているバーナ2と、水加熱用の熱交換器3
と、燃焼室1の上部に接続され、バーナ2の燃焼ガスを
室外に排出する排気路5と、バーナ2に燃焼用空気を通
風し、且つ、バーナ2の燃焼ガスを排気路5通じて室外
に排出する通風手段としてのファン4と、熱交換器3に
加熱用の水を供給する給水路6と、熱交換器3において
加熱された湯を給湯栓(図示せず)に供給する給湯路7
と、バーナ2に対して燃料(ガス)を供給する燃料供給
路8とを備えて構成されている。
【0029】給水路6には、熱交換器3への給水量Qi
を検出する給水量センサ9が備えられ、給湯路7には、
給湯栓に対する給湯温度Txを検出する給湯温センサ1
0が備えられている。燃料供給路8は、一般家庭用のガ
ス供給管に接続され、この燃料供給路8には、バーナ2
への燃料供給量Ipを調節する電磁比例弁11と、燃料
の供給を断続する開閉弁12とが備えられている。バー
ナ2の近くにはバーナ2に点火するイグナイタ18、着
火したことを検出するフレームロッド19が備えられて
いる。
【0030】リモコン装置Rは、有線又は無線によって
制御部Hと接続され、給湯装置の運転及び停止を指示す
る運転スイッチ13や、設定目標給湯温度Tsを設定す
る温度設定スイッチ14や、種々の情報を表示する表示
ランプ15,16,17などが備えられている。尚、表
示ランプ15は、給湯装置が運転されているか否かを表
示し、表示ランプ16,17は、後述するような異常状
態を表示するように構成されている。
【0031】排気路5には、未燃成分濃度検出手段の一
例としての接触燃焼式COセンサSが、バーナ2の燃焼
ガスに接触する状態で設けられている。このCOセンサ
Sは、燃焼ガス中に含まれる未燃成分としての一酸化炭
素(CO)の濃度Dに応じた出力値を出力するように構
成されている。
【0032】図2は、このCOセンサSの構成を示した
ものである。COセンサSは、ステンレス製の保護枠2
1の内側の台座22にセンサ素子23、温度補償用リフ
ァレンス素子24、及び、COセンサSの雰囲気温度T
A を検出する温度センサ25を装備している。このセン
サ素子23、温度補償用リファレンス素子24は夫々触
媒を担持した白金線で構成されており、又、センサ素子
23、温度補償用リファレンス素子24、及び、抵抗素
子26,27とは、図3に示すように、ブリッジ回路状
態に接続されている。そして、センサ素子23、温度補
償用リファレンス素子24は、電流が流れることで検出
用設定温度として約200°Cに加熱され、その表面に
接触する未燃成分が触媒作用によって燃焼する。このと
き、センサ素子23に担持された触媒には、COに対す
る選択性があるため、センサ素子23、温度補償用リフ
ァレンス素子24夫々の素子温度に差が生じる。白金線
は、温度により抵抗値が変化するので、燃焼ガス中のC
O濃度が大になるほど、センサ素子23と温度補償用リ
ファレンス素子24の抵抗値の差が大となる。従って、
燃焼ガス中のCO濃度に応じた出力値Vsが、ブリッジ
回路における、センサ素子23と温度補償用リファレン
ス素子24との接続部、及び、抵抗素子26と27との
接続部から電圧値(単位;ボルト)として出力されるよ
うに構成されている。尚、図2中の28は、制御部Hと
接続しているリード線とのコネクタ部である。
【0033】COセンサSの出力値Vsは、CO濃度が
同じであっても雰囲気温度TA に応じて変化するという
温度特性を有している。図4は、CO濃度Dがゼロの状
態と予測されるときにおける出力値Vsの温度特性を示
したものであり、図4中の実線L1は、COセンサSが
劣化していないとき(出荷時)のCO濃度Dがゼロと予
測される状態における出力値Vsの温度特性を示してい
る。又、CO濃度Dが大になるほど実線L1を出力値が
大になる方向に平行移動した状態で、COセンサSの出
力値Vsは増加する。尚、図4において、雰囲気温度T
A が70〜200°Cの範囲は、概ねバーナ2が燃焼し
ている領域に相当し、70°C以下の範囲は、概ねバー
ナ2の燃焼が停止している領域に相当する。
【0034】そして、雰囲気温度TA を所定の温度に固
定した場合、CO濃度Dと出力値Vsとの間には、 Vs=αD+β にて示される相関関係がある。但し、αはCOセンサS
の感度、βは雰囲気温度TA が所定の温度のときのCO
濃度Dがゼロの状態と予測されるときにおける出力値で
ある。図5は、CO濃度Dと出力値Vsとの相関関係を
示し、図5中の実線M1は、COセンサSが劣化してい
ないとき(初期)の相関関係を示す。
【0035】図4において、破線L2,L3にて示すよ
うに、COセンサSが劣化すると、CO濃度Dがゼロの
状態と予測されるときにおける出力値Vsは、実線L1
を出力値が小になる方向に平行移動した状態で低下する
傾向を示す。そして、COセンサSの劣化後と使用初期
との間における、CO濃度Dがゼロの状態と予測される
ときの出力値Vsの偏差をΔVとすると、COセンサS
の劣化の程度が大になるほど偏差ΔVは大になる傾向を
示す。又、劣化に伴いCOセンサSの感度αも変化する
が、感度αと偏差ΔVとの間には、 α=αC (1−K1 ×ΔV) (但し、αC は初期値) にて示される相関関係があることが、実験により求めら
れている。つまり、劣化が大になるほど、CO濃度Dが
ゼロの状態と予測されるときにおける出力値が低下する
と共に、感度αも低い(傾斜が緩い)ものになる。但
し、K1 は所定の定数である。従って、COセンサSが
劣化したときのCO濃度Dと出力値Vsとの相関関係
は、 Vs=αD+β=αC (1−K1 ×ΔV)D+β で示される。
【0036】尚、図4中において破線L2で示すよう
に、CO濃度Dがゼロの状態と予測されるときにおける
出力値Vsが低下した場合、CO濃度Dと出力値Vsと
の相関関係は、図5中において破線M2で示すようにな
り、同様に、図4中において破線L3で示すように、C
O濃度Dがゼロの状態と予測されるときにおける出力値
Vsが低下した場合、CO濃度Dと出力値Vsとの相関
関係は、図5中において破線M3で示すようになる。
【0037】制御部Hは、マイクロコンピュータを備え
て構成され、バーナ2の燃焼動作及びファン4の動作を
制御する燃焼制御手段101と、COセンサへ通電動作
や検出値の情報を制御すると共に、バーナ2の燃焼時間
の積算値が設定積算時間に達する毎に、COセンサを検
出用設定温度よりも高い温度(付着硫化物を分解除去す
ることが可能な高温度、具体的には約600°C)にさ
せるヒートクリーニング動作を実行するCOセンサ制御
手段102と、COセンサSの出力値に基づいて不完全
燃焼状態を判別する不完全燃焼判別手段103と、給湯
装置の生産出荷段階において、CO濃度Dが零と予測さ
れる状態のときのCOセンサSの出力値を出荷時基準値
OBとして予め記憶する出荷時基準値記憶手段104
と、CO濃度Dが零と予測される状態のときのCOセン
サSの出力値を、不完全燃焼の判別の基準となる判別基
準値Vmとして記憶する判別基準値記憶手段105と、
給湯装置が使用位置に設置された後に、最初に判別基準
値記憶手段105に記憶される値を設置初期基準値とし
て記憶する初期基準値記憶手段106、COセンサが動
作異常であるか否かを判別する異常状態判別手段10
7、前記ヒートクリーニング動作が終了する毎に、CO
センサの検出値を劣化判定値として記憶する劣化判定値
記憶手段108、バーナの燃焼が停止した時点から第1
設定時間経過した後において、COセンサの検出値が、
前記判別基準値(Vm)に基づいて設定された第1設定
範囲内にあるか否かを判別する第1判別手段109、こ
の第1判別手段109にて前記第1設定範囲内にないこ
とが判別された後に、第1設定時間経過した後、更に、
第2設定時間が経過した後において、COセンサの検出
値が、前記劣化判定値(VHC)に基づいて設定された第
2設定範囲内にあるか否かを判別する第2判別手段11
0、バーナ2の燃焼時間を積算する燃焼時間積算手段と
しての積算タイマー111、異常状態判別手段107に
より動作異常が設定回数判別されると、バーナの燃焼動
作を牽制する安全手段112の夫々が設けられている。
【0038】前記各記憶手段104,105,106,
108は、夫々、例えばEEPROM(電気的に書き込
み消去可能な不揮発性メモリ)等により構成され、その
他の上記各手段は、不揮発性メモリ等に制御プログラム
形式で備えられている。
【0039】尚、制御部Hには、リモコン装置R、ファ
ン4、給水量センサ9、給湯温センサ10、電磁比例弁
11、断続弁12、イグナイタ18、フレームロッド1
9、COセンサS、温度センサ25が接続されている。
【0040】燃焼制御手段101は、給湯栓によって調
節され給水量センサ9により検出される給水量Qiが設
定水量になると、バーナ2の点火制御を実行し、給湯温
度Txが設定目標給湯温度Tsになるようにバーナ2の
燃料供給量Ipを調節すると共に、ファン4の回転数が
燃料供給量Ipに対して予め設定されている目標回転数
になるようにファン4の回転数を制御し、給水量Qiが
設定水量未満になると、バーナ2の燃焼を停止させるよ
うに構成されている。
【0041】上述したようにCOセンサSは、CO濃度
Dが同じであっても雰囲気温度TAに応じて変化すると
いう温度特性を有しているから、出荷時基準値記憶手段
104は、雰囲気温度TA の変化に対する特性データと
して、つまり、図4の実線L1に示されるマップデータ
の形式で出力値データを設定記憶するように構成されて
いる。
【0042】不完全燃焼判別手段103は、基本的に
は、COセンサSの出力値Vsに基づいて、 Vs=αD+β なる関係式にてCO濃度Dを算出する。つまり、初期基
準値VO と判別基準値Vmとの偏差ΔVに基づいて、α
をα=αC (1−K1 ΔV)なる関係式にて変更し、且
つ、βを雰囲気温度TA と上記ΔVの関数F(TA ,Δ
V)として設定して、CO濃度Dを算出するように構成
されている。尚、αC (初期値)は予め記憶されてい
る。更に、不完全燃焼判別手段103は、補正濃度が設
定濃度(例えば、1000ppm)以上となる状態が設
定時間(例えば、20秒間)以上継続すると、不完全燃
焼状態であると判別して、表示ランプ17を点灯するこ
とにより不完全燃焼状態であることを報知する。
【0043】つまり、不完全燃焼判別手段103は、偏
差ΔVとその偏差ΔVに基づいて変更した感度αと出力
値Vsに基づいて、CO濃度Dを算出して、不完全燃焼
状態を判別するように構成されている。尚、バーナ2の
燃焼開始直後は、バーナ2の燃焼に過渡的な不完全燃焼
状態が生じ、CO濃度Dが一時的に非常に高くなるの
で、燃焼開始直後の過渡的な不完全燃焼状態を判別しな
いように、燃焼開始後設定時間(例えば60秒)が経過
する間は、不完全燃焼判別作動を実行しないように構成
されている。
【0044】COセンサ制御手段102は、ヒートクリ
ーニング動作が終了した後において、CO濃度(未燃成
分濃度)が零の状態と予測される状態で且つ前記検出用
設定温度あるいはそれに近い温度に設定された状態で
の、COセンサの検出値を、前記判別用基準値(Vm)
として判別基準値記憶手段105に記憶させると共に、
ヒートクリーニング動作が終了する毎に、CO濃度が零
の状態と予測される状態で且つ検出用設定温度あるいは
それに近い温度に設定された状態での、COセンサの検
出値を、劣化判定値(VHC)として劣化判定値記憶手段
108に記憶させるように構成されている。又、第2判
別手段110にて第2設定範囲内にあることが判別され
ると、そのときの検出値を判別基準値記憶手段105に
記憶させるように構成されている。
【0045】従って、COセンサ制御手段102は、前
記積算タイマー111(燃焼時間積算手段)による積算
時間が設定積算時間に達する毎に、バーナ2が燃焼して
いない状態において、設定時間が経過する間、前記未燃
成分濃度検出手段Sを、前記検出用設定温度よりも高い
温度にさせるヒートクリーニング動作を実行し、且つ、
このヒートクリーニング動作が終了した後において、C
O濃度(未燃成分)が零の状態と予測される状態で且つ
前記検出用設定温度あるいはそれに近い温度に設定され
た状態での、前記未燃成分濃度検出手段Sの検出値を、
前記判別用基準値Vmとして前記判別基準値記憶手段1
05に記憶させる制御手段として機能することになる。
【0046】異常状態判別手段107は、出荷時基準値
0Bと初期基準値V0 との偏差に基づいて、生産出荷さ
れた後に使用箇所に設置されるまでの間において、運搬
輸送や設置工事の際に発生する振動や衝撃等に起因し
て、COセンサSの出力値が、出荷時基準値VOBに対し
て大きくずれているか否かを判別し、センサSの初期異
常を判別すると共に、その後においては、初期基準値V
0 に基づいて設定された設定範囲内にCOセンサの出力
値が収まっているか否かにより、センサの異常を判別す
るように構成されている。
【0047】以下、制御部Hにおける制御作動を、図6
〜図9に示すフローチャートに基づいて説明する。この
給湯装置が使用箇所に設置されて、給湯器に備えられる
図示しない電源スイッチが入り操作され電源がONする
と、設定フラグがセットされているか否かが判別される
(ステップ1)。設置初期においてはこの設定フラグは
セットされていないので、ステップ2に進み、出荷時基
準値記憶手段104に予め記憶されている出荷基準値V
OBを読み出し、初回の判別基準値Vmとして設定する
(ステップ2)。出荷時基準値VOBは、例えば、予め出
荷段階で記憶されている前記マップデータのうち雰囲気
温度TA が25°Cに相当する温度である。そして、C
Oセンサ電源をONしてCOセンサへの通電を開始し、
素子温度を約200°C(検出用設定温度)に加熱する
(ステップ3)。その後2分間経過した後に、雰囲気温
度TA が70°C未満であれば、バーナ2が燃焼してい
ず、CO濃度Dが零と予測される状態であるから、その
ときのCOセンサSの出力値Vsと出荷基準値VOBとを
比較し、その偏差が設定量(0.6ボルト)を越えてい
なければ、その出力値Vsを判別基準値Vmとして記憶
して、燃焼動作が可能な待機状態になる(ステップ4〜
8)。この場合、雰囲気温度TA により、Vsを補正し
た値(例えば25°Cに対応)をVmとして初期基準値
0 と比較することは言うまでもない。その後、6分間
経過しても燃焼が開始されず、且つ、前記読み込み記憶
の条件が満たされていれば、再度、判別基準値Vmを書
き換え記憶させて、COセンサ電源をOFFする(ステ
ップ9〜13)。ステップ9において6分間経過する前
に給湯が開始されると、後述のステップ14に移行する
ことになる。
【0048】尚、雰囲気温度TA が70°Cを越えてい
るか、又は、前記偏差が設定量(0.6ボルト)を越え
ていれば、温度センサ25又はCOセンサSの初期異常
であるとして、表示ランプ16を点灯させて、異常を表
示すると共に、電源スイッチのOFF/ON等のリセッ
ト動作があるまで、バーナ2の燃焼作動を禁止する(ス
テップ39,40,41)。
【0049】その後、給湯が開始されて給水量センサ9
により検出される給水量Qiが設定水量を越えることに
より、燃焼開始が指令されると(ステップ14)、CO
センサSの電源がOFFであれば、電源をONさせて、
バーナ2の点火制御を実行する(ステップ15〜1
7)。つまり、電磁比例弁11及び開閉弁12を開弁し
て燃料ガスをバーナ2に供給すると共に、イグナイタ1
8による点火を行い、フレームロッド19により着火が
確認されると点火動作を停止する。そして、積算タイマ
ー111による積算を開始すると共に、燃焼制御を実行
する(ステップ18,19)。つまり、出湯温センサ1
0により検出される給湯温度Txが設定目標給湯温度T
sになるように、電磁比例弁11を調整制御してバーナ
2の燃料供給量Ipを調節すると共に、ファン4の回転
数が燃料供給量Ipに対して予め設定されている目標回
転数になるようにファン4の回転数を制御する。又、上
述したような燃焼制御と共に、後述するような不完全燃
焼判別制御を実行する(ステップ20)。ステップ14
において燃焼開始が指令されず、給湯器側の電源スイッ
チがOFFされると、制御を終了する(ステップ2
1)。
【0050】給湯栓が閉じられて、給水量センサ9によ
り検出される給水量Qiが設定水量を下回ると、電磁比
例弁11及び開閉弁12を閉弁してバーナ2の燃焼を停
止させて(ステップ22,23)、積算タイマー111
による積算を停止する(ステップ24)と共に、バーナ
2の燃焼が停止した後も設定時間(5分間)だけファン
による通風(ポストパージ)を実行する(ステップ2
5)。
【0051】ポストパージ(pp)が終了してから第1
設定時間(1分間)経過すると、設定フラグがセットさ
れているか否かが判断される(ステップ26,27)。
初期燃焼のときには、設定フラグはセットされていない
ので、ステップ28に進み、ポストパージが終了してか
ら第2設定時間(50分間)経過した後に、COセンサ
Sの雰囲気温度TA が70°C未満であることが確認さ
れると、そのときのCOセンサSの出力値Vsを読み込
む(ステップ29,30)。次に、設定フラグがセット
されているかが判断され(ステップ31)、初期燃焼の
ときには、設定フラグはセットされていないので、ステ
ップ32に進み、読み込まれた出力値Vsと、出荷基準
値VOBとの偏差が設定量(0.6ボルト)未満であれ
ば、正常であると判断して、そのときの出力値Vsを、
設置初期の状態における初期基準値VO として設定する
と共に、その時点における判別基準値Vm、並びに、劣
化判別基準値VHCとして設定する(ステップ33)。図
4には、出荷基準値VOBに対して初期基準値VO がわず
かに変化した場合を示している。
【0052】そして、初期基準値VO が設定記憶される
と、異常発生カウンタのカウント値Nをリセットし、設
定フラグをセットして、COセンサの電源をOFFさせ
てステップ14に戻り、燃焼開始指令の待機状態に戻る
(ステップ34,35,36)。
【0053】以上説明したここまでの制御が、設置後の
始めてのバーナ2の初期燃焼動作及びそれに伴う動作の
制御である。従って、設定フラグがセットされていない
ことによって、設置初期状態であるか否かが判別される
構成となっている。
【0054】尚、ステップ32において、読み込まれた
出力値Vsと、出荷基準値VOBとの偏差が設定量(0.
6ボルト)を越えていれば、設置されるまでの間におけ
る運搬や設置作業での振動等に起因して発生したCOセ
ンサSの初期異常であると判断して、異常発生カウンタ
ーをカウントアップする(ステップ37)。初期状態で
は、異常発生カウンターのカウント値Nは3回以下であ
るから(ステップ38)、設定フラグがセットされない
状態で、再度、バーナ2の燃焼制御が実行された後に、
読み込まれた出力値と、出荷基準値との偏差が設定量
(0.6ボルト)未満であるか否かが判断され(ステッ
プ14〜32)、異常発生カウンターのカウント値Nが
3回以上になれば、表示ランプ16を点灯させて、異常
を表示して、センサ電源をOFFすると共に、電源スイ
ッチのOFF/ON操作等のリセット動作が行われるま
で、バーナ2の燃焼作動を禁止する(ステップ39,4
0,41)。
【0055】初期基準値VO が設定された後において
は、燃焼開始が指令されず、電源スイッチがOFFされ
た後、再度、電源スイッチがONされた場合であって
も、ステップ1において、設定フラグがセットされてい
るからステップ14に進み、給湯運転待機状態となる。
【0056】初期基準値VO が設定された後に、燃焼開
始が指令されると、上述したような燃焼制御並びに不完
全燃焼判別制御が実行され、燃焼停止が指令されると、
バーナ2の燃焼が停止してポストパージが実行される
(ステップ14〜25)。ステップ27において、設定
フラグがセットされているので、ステップ42に進み、
ポストパージ終了後、異常発生カウンタがカウントされ
ていず、第1設定時間(1分間)が経過した後における
COセンサSの出力値Vsが第1設定範囲(判別基準値
Vmを中心として0.4ボルトの範囲)を外れていない
場合、つまり、劣化がそれほど大きくない場合は、積算
タイマー111によるバーナ2の燃焼積算時間tが、設
定時間(20時間)を越えているか否かが判断され、越
えていなければ、センサ電源をOFFして制御を終了す
る(ステップ42,43,44,36)。異常発生カウ
ンタがカウントされているか、出力値が第1設定範囲外
にあるか、あるいは、前記燃焼積算時間tが設定時間を
越えていれば、ステップ28に移行する。ポストパージ
が終了してから第2設定時間(50分間)が経過し、且
つ、COセンサSの雰囲気温度TA が70°C未満であ
ることが確認されると、そのときのCOセンサSの出力
値を読み込む(ステップ28〜30)。尚、COセンサ
の雰囲気温度TA が70°C以上であれば、温度センサ
25の異常であるとして、ランプ16を点灯させて異常
を表示し、センサ電源をOFFすると共に、電源スイッ
チのOFF/ON操作等のリセット動作が行われまで、
バーナ2の燃焼作動を禁止する(ステップ39,40,
41)。
【0057】次に、設定フラグがセットされているか否
かが判断され(ステップ31)、このとき、設定フラグ
は既にセットされているので、ステップ45に進み、異
常発生カウンタがカウントされていず、バーナ2の燃焼
積算時間tが設定積算時間(20時間)を越えていない
場合は、読み込まれた出力値Vsが、劣化判定値に基づ
いて設定された第2設定範囲(劣化判定値を中心に1.
0ボルトの範囲)内であれば、そのときの出力値を判別
基準値記憶手段が記憶され、センサ電源がOFFされる
(ステップ46,47,48)。そして、ステップ45
において異常発生カウンタがカウントされている場合、
ステップ46においてバーナ2の燃焼積算時間tが設定
積算時間(20時間)を越えている場合、あるいは、ス
テップ47において出力値Vsが第2設定範囲外であれ
ば、COセンサへの通電電流を調節して温度が付着硫化
物等を分解除去することが可能となる高温(約600°
C)に加熱するヒートクリーニング動作を実行する(ス
テップ49)。
【0058】前記ステップ49にてヒートクリーニング
動作が実行された後に、再度、COセンサSの出力値V
sを読み込み(ステップ50)、その出力値が、初期基
準値を中心にして1.2ボルトの電圧範囲(設定範囲)
内にあるか否か、つまり、ヒートクリーニングが実行さ
れたにもかかわらず、適正範囲内に無いという動作異常
であるか否かが判別される(ステップ51)。出力値が
前記範囲外であれば、異常であるとして、異常発生カウ
ンターをカウントアップし(ステップ37)、カウント
回数が3回以上になれば(ステップ38)、COセンサ
Sが大きく劣化している異常であるとして、表示ランプ
16を点灯させて異常を表示し、センサ電源をOFFす
ると共に、電源スイッチのOFF/ON操作等のリセッ
ト動作が行われるまで、バーナ2の燃焼作動を禁止する
(ステップ39,40,41)。
【0059】又、ステップ51において出力値が前記範
囲内であれば、その出力値を判別基準値Vmとして判別
基準値記憶手段105に記憶すると共に、劣化判定値V
HCとして劣化判定値記憶手段108に記憶する(ステッ
プ52)。そして、積算タイマーが20時間を越えてい
れば、積算タイマーをクリアし、且つ、異常発生カウン
タをリセットしてセンサ電源をOFFする(ステップ5
3,54,55,36)。
【0060】従って、給湯運転の継続に伴って、バーナ
2の燃焼積算時間が20時間に達する毎に、ヒートクリ
ーニング動作が実行され、バーナの燃焼ガス中に含まれ
る硫化物等の付着物が有効に除去され、検出感度が回復
することになる。又、バーナ2の燃焼積算時間が20時
間に達していなくても、ステップ43においてCOセン
サの出力値が第1設定範囲外であり、更に、ステップ4
7において、第2設定範囲外であれば、燃焼積算時間に
かかわらず、ヒートクリーニング動作が実行されること
になり、このとき第2設定範囲内であるときは、出力値
が判別基準値Vmとして書き換え記憶されることにな
る。
【0061】次に、図10に示すフローチャートに基づ
いて、不完全燃焼判別制御について説明する。先ず、C
OセンサSの出力値Vsを読み込む(ステップ61)。
続いて、βをβ=F(TA ,ΔV)として設定するとと
もに、αをα=αC (1−K1 ΔV)なる関係式にて変
更する(ステップ62)。そして、Vs=αD+β、即
ち、〔Vs=αC ×(1−K1 ΔV)×D+F(TA
ΔV)〕なる関係式にてCO濃度Dを算出する(ステッ
プ63)。
【0062】続いて、CO濃度Dが設定濃度(例えば、
1000ppm)より大のときは、カウンタC2 をスタ
ートさせて、CO濃度Dが設定濃度より大の状態が設定
時間(例えば、20秒)以上継続すると、不完全燃焼状
態であると判別して、表示ランプ17を点灯することに
より不完全燃焼状態であることを報知すると共に、電源
スイッチのOFF/ON操作等のリセット動作が行われ
るまで、バーナ2の燃焼作動を禁止する(ステップ64
〜68)。ステップ64においてCO濃度Dが設定濃度
より小のとき、及び、ステップ66において、CO濃度
Dが設定濃度より大の状態が設定時間以上継続していな
いときは、計時用のカウンターC2 をリセットして(ス
テップ60)、ステップ22に進み、燃焼停止指令があ
るまで、上記判別制御を繰り返す。
【0063】尚、前記設定積算時間(20時間)、各設
定範囲の具体的な設定値は、例示した値に限らず適宜変
更して実施することができる。
【0064】又、COセンサが新しいものに交換設置さ
れた場合には、図示しないメンテナンススイッチを操作
することで、設定フラグがリセットされるように構成さ
れ、その後に最初に設定される基準値が設置初期基準値
(V0 )として記憶されるようになっている。
【0065】〔別実施形態〕 (1)上記燃焼時間積算手段としての積算タイマーは、
設定時間が経過する毎にリセットされるものに代えて、
バーナの燃焼時間の積算値を累積していく構成として、
その累積積算時間が設定時間づつ増加する毎に、ヒート
クリーニング動作を実行する構成としてもよい。このよ
うに構成すると、バーナの燃焼累積積算時間の情報を、
例えば、メンテナンス情報等の他の目的にも利用するこ
とができる。
【0066】(2)上記燃焼時間積算手段として、バー
ナへの燃料供給量が大きいほど大きな重み付けにて燃焼
時間を積算するものであってもよい。このようにすれ
ば、硫化物等の付着量が燃料供給量に対応するので、実
質的な感度劣化状態に適合した燃焼時間を求めることが
可能となる。
【0067】(3)前記設定積算時間は、上述したよう
に一定の値(上述の実施形態では20時間)で固定させ
るものに代えて、前記燃焼時間積算手段111により積
算された前記バーナ2の燃焼時間の積算値(累積使用時
間)に基づいて、この積算値が大であるほど短い時間に
なるように、前記設定積算時間を変更設定するように構
成するものでもよい。例えば、バーナの累積使用時間が
1000時間以下であれば、設定積算時間を20時間に
設定し、累積使用時間が1000時間を越えて、200
0時間に達するまでの間は設定積算時間を15時間に設
定し、更に、累積使用時間が2000時間を越えると設
定積算時間を10時間に設定するように構成してもよ
い。このようにすると、累積使用時間が長くなるに伴っ
てヒートクリーニング動作が実行される時間間隔が短く
なり、経年変化により未燃成分の濃度が増大する傾向に
なったとしても、的確にクリーニングが実行され、検出
精度の低下を長時間にわたって抑制できるものとなる。
【0068】(4)上記安全手段は、動作異常が設定回
数判別されると、バーナの燃焼動作を牽制する構成とし
たが、このような構成に代えて、動作以上が1回でも判
別されるとすぐにバーナの燃焼動作を牽制する構成とし
てもよく、あるいは、設定回数としては、3回に限ら
ず、2回、あるいは、4回以上であってもよい。
【0069】(5)上記異常状態判別手段として、未燃
成分が零と予測される状態で検出用設定温度あるいはそ
れに近い温度に設定された状態での検出値が、前記判別
基準値に基づいて設定された設定範囲外にあれば動作異
常であると判別してもよく、前記劣化判別値に基づいて
設定された設定範囲外にあれば動作異常と判別してもよ
い。
【0070】(6)前記第1判別手段や第2判別手段を
設けることなく、燃焼積算時間が設定積算時間に達した
ときにのみ、ヒートクリーニング動作を実行するように
構成するものでもよい。
【0071】(7)上記安全手段として、COセンサの
劣化が大きい場合、ランプを点灯させて異常を報知する
構成に代えて、ブザーにより異常を報知する構成や、ラ
ンプとブザーを併用する構成等、各種の異常報知方法を
用いることができる。
【0072】(8)本発明は、給湯装置に限らず、ファ
ンヒータ等その他の燃焼装置であっても適用できる。
【0073】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯装置の概略構成図
【図2】COセンサの断面図
【図3】COセンサの回路構成図
【図4】CO濃度Dが零と予測される状態でのCOセン
サの出力値
【図5】CO濃度Dに対するCOセンサの出力値を示す
【図6】制御動作のフローチャート
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】不完全燃焼判別動作のフローチャート
【符号の説明】
2 バーナ 102 制御手段 103 不完全燃焼判別手段 105 判別基準値記憶手段 106 初期基準値記憶手段 107 異常状態判別手段 108 劣化判定値記憶手段 109 第1判別手段 110 第2判別手段 111 燃焼時間積算手段 112 安全手段 S 未燃成分濃度検出手段 VO 設置初期基準値 VHC 劣化判定値 Vm 判別用基準値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 宏 大阪府大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式会社ハーマン内 (56)参考文献 特開 平6−281611(JP,A) 特開 平8−135962(JP,A) 特開 平8−261456(JP,A) 特開 平7−158850(JP,A) 特開 平6−288543(JP,A) 実開 平5−90148(JP,U) 特公 昭63−271151(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/00 F23N 5/24 107

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出用設定温度あるいはそれに近い温度
    に設定された状態で、バーナ(2)の燃焼ガス中の未燃
    成分の濃度を検出する接触燃焼式の未燃成分濃度検出手
    段(S)と、 この未燃成分濃度検出手段(S)の検出情報に基づい
    て、前記バーナ(2)の不完全燃焼を判別する不完全燃
    焼判別手段(103)と、 前記未燃成分が零の状態と予測される状態で且つ前記検
    出用設定温度あるいはそれに近い温度に設定された状態
    での、前記未燃成分濃度検出手段(S)の検出値を、前
    記不完全燃焼の判別用基準値(Vm)として記憶する判
    別基準値記憶手段(105)とが備えられている燃焼装
    置であって、 前記バーナ(2)の燃焼時間を積算する燃焼時間積算手
    段(111)が備えられ、 前記燃焼時間積算手段(111)による積算時間が設定
    積算時間に達する毎に、 前記バーナ(2)が燃焼していない状態において、設定
    時間が経過する間、前記未燃成分濃度検出手段(S)
    を、前記検出用設定温度よりも高い温度にさせるヒート
    クリーニング動作を実行し、 且つ、このヒートクリーニング動作が終了した後におい
    て、前記未燃成分が零の状態と予測される状態で且つ前
    記検出用設定温度あるいはそれに近い温度に設定された
    状態での、前記未燃成分濃度検出手段(S)の検出値
    を、前記判別用基準値(Vm)として前記判別基準値記
    憶手段(105)に記憶させる制御手段(102)が備
    えられている燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒートクリーニング動作が終了した
    後において、前記未燃成分が零の状態と予測される状態
    で且つ前記検出用設定温度あるいはそれに近い温度に設
    定された状態での、前記未燃成分濃度検出手段(S)の
    検出値が、設定範囲外にあれば、前記未燃成分濃度検出
    手段(S)が動作異常であると判別する異常状態判別手
    段(107)が備えられている請求項1記載の燃焼装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(102)は、 前記ヒートクリーニング動作が終了する毎に、前記未燃
    成分が零の状態と予測される状態で且つ前記検出用設定
    温度あるいはそれに近い温度に設定された状態での、前
    記未燃成分濃度検出手段(S)の検出値を、劣化判定値
    (VHC)として劣化判定値記憶手段(108)に記憶さ
    せるように構成されている請求項1又は2記載の燃焼装
    置。
  4. 【請求項4】 前記バーナ(2)の燃焼が停止した時点
    から第1設定時間経過した後において、前記未燃成分が
    零の状態と予測される状態で且つ前記検出用設定温度あ
    るいはそれに近い温度に設定された状態での、前記未燃
    成分濃度検出手段(S)の検出値が、前記判別用基準値
    (Vm)に基づいて設定された第1設定範囲内にあるか
    否かを判別する第1判別手段(109)と、 この第1判別手段(109)にて前記第1設定範囲内に
    ないことが判別された後に、第1設定時間経過した後、
    更に、第2設定時間が経過した後において、前記未燃成
    分が零の状態と予測される状態で且つ前記検出用設定温
    度あるいはそれに近い温度に設定された状態での、前記
    未燃成分濃度検出手段(S)の検出値が、前記劣化判定
    値(VHC)に基づいて設定された第2設定範囲内にある
    か否かを判別する第2判別手段(110)とが備えら
    れ、 前記制御手段(102)は、前記第2判別手段(11
    0)にて前記第2設定範囲内にないことが判別される
    と、前記燃焼時間積算手段(111)による積算時間に
    かかわらず、前記ヒートクリーニング動作を実行するよ
    うに構成され、 且つ、前記第2判別手段(110)にて前記第2設定範
    囲内にあることが判別されると、前記検出値を、前記判
    別基準値記憶手段(105)に記憶させるように構成さ
    れている請求項3記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】 前記ヒートクリーニング動作における前
    記温度が、付着硫化物を分解除去することが可能な高温
    度に設定されている請求項1、2、3又は4記載の燃焼
    装置。
  6. 【請求項6】 使用位置に設置された後に、最初に前記
    判別基準値記憶手段(105)に記憶される判別用基準
    値(Vm)を、設置初期基準値(V0 )として記憶する
    初期基準値記憶手段(106)が備えられ、 前記異常状態判別手段(107)により判別される際に
    おける前記設定範囲は、前記設置初期基準値(V0 )に
    基づいて設定されている請求項2、3、4又は5記載の
    燃焼装置。
  7. 【請求項7】 前記異常状態判別手段(107)が前記
    動作異常であると判別すると、所定の安全動作を実行す
    る安全手段(112)が備えられている請求項2、3、
    4、5又は6記載の燃焼装置。
  8. 【請求項8】 前記安全手段(112)は、 前記異常状態判別手段(107)により前記動作異常が
    設定回数判別されると、前記バーナ(2)の燃焼動作を
    牽制するように構成されている請求項7記載の燃焼装
    置。
  9. 【請求項9】 前記燃焼時間積算手段(111)は、 前記バーナ(2)に対する燃料供給量の変更に伴って、
    燃料供給量が大きいほど大きな重み付けにて燃焼時間を
    積算するように構成されている請求項1、2、3、4、
    5、6、7又は8記載の燃焼装置。
  10. 【請求項10】前記制御手段(102)は、 前記燃焼時間積算手段(111)により積算された前記
    バーナ(2)の燃焼時間の積算値に基づいて、この積算
    値が大であるほど短い時間になるように、前記設定積算
    時間を変更設定するように構成されている請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8又は9記載の燃焼装置。
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