JP3514456B2 - 特異的結合剤 - Google Patents

特異的結合剤

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JP3514456B2 JP51496191A JP51496191A JP3514456B2 JP 3514456 B2 JP3514456 B2 JP 3514456B2 JP 51496191 A JP51496191 A JP 51496191A JP 51496191 A JP51496191 A JP 51496191A JP 3514456 B2 JP3514456 B2 JP 3514456B2
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    • C07K2319/02Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif containing a signal sequence

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は特異的結合剤に関するものであり、より詳細
には、タンパク質又は非タンパク質に対して特異的に結
合するようなアミノ酸配列を含有するポリペプチドに関
する。さらに詳細には、本発明はかかる特異的結合剤を
遺伝子工学によって生産する方法に関する。
【0002】 抗体の構造 天然の抗体分子は、相同な2本の重鎖ポリペプチドと
相同な2本の軽鎖ポリペプチドとで構成されており、こ
れらは複数のジスルフィド結合で共有結合している。添
付図面の図14に、IgGクラスの抗体の典型的構造を図解
する。それぞれのペプチド鎖は折りたたまれて幾つかの
独立したドメインを形成する。これら4本のペプチド鎖
のN末端ドメインは配列の多様性に富み、可変部(V
部)と呼ばれる。1本の重鎖のV部(VH)と1本の軽鎖
のV部(VL)が会合して抗原結合部位を形成する。VHド
メインとVLドメインとの組合せによって構成される構造
単位を抗体のFv(可変フラグメント)と呼ぶ。重鎖と軽
鎖のC末端はいずれも配列が比較的保存されており、不
変部と呼ばれる。重鎖の不変部は幾つかのドメインで構
成されており、例えばγ−アイソタイプ(IgG)の重鎖
不変部は3つのドメイン(CH1,CH2,CH3)及びCH1ドメイ
ンとCH2ドメインとをつなぐヒンジ部で構成されてい
る。2本の重鎖のヒンジ部はジスルフィド結合で供給結
合している。軽鎖は1つの不変ドメインを有しており、
この軽鎖不変ドメインはCH1ドメインに相対している。
抗体分子の不変領域は補体による細胞溶解並びに抗体依
存性細胞障害(ADCC)による異物掃去などのエフェクタ
ー機能に関与している。プロテアーゼのパパインで抗体
を消化すると3つの断片が得られる。一つはCH2ドメイ
ンとCH3ドメインを含む断片で、結晶化し易く、Fcフラ
グメントと呼ばれる。残る2つの断片は同一で、Fab
(抗原結合性)フラグメントと呼ばれ、VH及びCH1ドメ
インが軽鎖全体と結合したものである。ペプシンを用い
ると、タンパク加水分解は2つのFabフラグメントがヒ
ンジ部を介して結合したまま起こり、(Fab)2フラグ
メントが得られる。各ドメインは遺伝子レベルではそれ
ぞれ別個のエキソンで発現される。
【0003】 個々の可変部は相対的に保存された配列からなる枠組
み構造(フレームワーク)内に3か所の超可変部を含ん
でいる。これらの超可変領域は抗原と相互作用する領域
であり、相補性決定領域(Complementarity Determinin
g Region;CDRと略す)と呼ばれる。相対的に保存された
配列はフレームワーク領域(Framework Region;FRと略
す)と呼ばれる。Kabat他(1987)の報文参照。抗体の
X線回折による研究から、CDRは抗体分子の先端から突
出たループを形成しており、FRはβシート構造からなる
枠組み構造を与えることが明らかにされている。
【0004】 修飾抗体 本発明は、ある具体的態様において、一般に「改造
(reshaped)」もしくは「改変(altered)」ヒト抗体
と呼ばれているような、基本的にヒト免疫グロブリンの
不変領域とフレームワーク領域から成るがその相補性決
定領域(CDR)がヒト以外の免疫グロブリンで見出され
るものに対応しているような免疫グロブリン、並びにか
かる改造ヒト抗体の部分断片に関する。
【0005】 かかる改造ヒト抗体及び断片を生産する際の一般的基
本方針は周知であり、参考文献としてJones他(198
6)、Riechmann他(1988)、Verhoeyen他(1988)の報
文並びに欧州特許公開第239400号(Winter)を挙げるこ
とができる。
【0006】 ヒトのタンパク質は患者に投与しても好ましからざる
有害な反応を引き起こす危険性が基本的に少ないので、
改造ヒト抗体及びその断片は人間の病気の生体内(in v
ivo)診断及び治療に特に実用性が高く、また、CDRの与
える所望の特異性はマウスのような宿主動物中で高める
ことができ、かかる動物から所定の特異性を有する抗体
を容易に得ることができる。可変部遺伝子はヒト以外の
生物の産生する抗体(非ヒト抗体という)からクローニ
ングすることができ、ヒト可変部フレームワーク中にか
かるCDRを遺伝子工学的に移入(graft)することによっ
て改造ヒト抗体又は断片が得られる。このような好まし
い結果を得るためには、所定の非ヒト抗体中の少なくと
もCDRを同定してその配列を決定することが必要であ
り、好ましい非ヒト抗体の可変部全体の配列を決定し
て、CDRとフレームワークとの潜在的に重要な相互作用
が同定できるようにする。
【0007】 ヒト乳脂肪球(human milk fat globule,HMFGと略
す)に対する抗体(通常は脱脂状態のものに対する)
は、上皮由来の新生物(neoplasm)、特に乳房、卵巣、
子宮、肺のがん腫と広範な反応性を示す。Taylor−Papa
dimitriou他(1981)及びArklie他(1981)の報文参
照。特徴が十分に明らかにされたある抗体(HMFG1と呼
ばれる)はHMFGのある成分と結合することが知られてい
るが、かかる成分はある種の体内組織、ある種のガン組
織及び尿中でも見付かっており、多形上皮性ムチン(po
lymorphic epithelial mucin;PEMと略す)と名付けられ
ている(Gendler他(1988))。この結合にはPEMのペプ
チドコアが関与していると考えられている。対応する有
用な特異性は、ガン細胞、例えば乳ガン細胞系に対する
抗体を得ることによって達成できる。
【0008】 欧州特許公開第0369816号(メルボルン大学,Xing他)
には、ヒトの多形上皮性ムチンに特異的なモノクローナ
ル抗体で、ある特定のアミノ酸配列に結合する抗体が記
載されている。欧州特許公開第0369816号には、Riechma
nn他の方法(1988)によってかかる抗体を「ヒューマナ
イズ」し得る旨示唆されている。しかしながら、Xing他
はそのような改造抗PEM抗体の実際の調製方法について
は何等記載していない。
【0009】 発明の概要 本発明は、その一つの具体的態様として、多形上皮性
ムチンに対する特異性を有する特異的結合性合成ポリペ
プチド、特に、添付図面の図1及び図2に示すCDRを1
個又はそれ以上含有し、抗ヒト乳脂肪球(HMFG)特異性
を有する特異的結合性合成ポリペプチドを提供する。
「合成」という用語は、かかるポリペプチドが組換えDN
A技術で生産されたものであり、その限度において、天
然に存在もしくは天然に誘導される特異性の同じ特異的
結合剤とは最低限異なっていることを意味している。ま
た、合成ポリペプチドはアミノ酸配列を人工的に組み立
てて新規又は天然と同一の分子を作ることによっても生
産できる。合成ポリペプチドは通常のインタクト(inta
ct)な抗体の等価物でもよいし、かかる抗体の多重鎖も
しくは単鎖フラグメントの等価物でもよいし、或いは単
に所望の特異的結合能力を与える1つ又はそれ以上の配
列を含む物質であってもよい。
【0010】 本発明は、重要な一つの具体的態様として、抗PEM特
異性を有する改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片、特
に、添付図面の図1及び図2に示すCDRを1個又はそれ
以上含有し、抗HMFG特異性を有する改造ヒト抗体又は改
造ヒト抗体断片を提供する。好ましくは、かかる本発明
の改造抗体又は断片は、ヒト重鎖可変部フレームワーク
中に、添付図面の図1に示す3つのCDRすべてを含む。
これとは別に又はこれと同時に、本発明の改造抗体又は
断片は、ヒト軽鎖可変部フレームワーク中に、添付図面
の図2に示す3つのCDRすべてを含む。
【0011】 本発明の別の具体的態様は、配列表2及び/又は配列
表4に示すアミノ酸配列を含む改造抗体又は改造抗体断
片である。ここで、配列表1乃至4(これらは、図12及
び13に記載の配列に対応する)は、以下のとおりであ
る。
【0012】
【0013】
【0014】 本発明のその他の重要な具体的態様は、上記配列表1
及び/又は配列表3に示すDNA配列を組込んだ発現ベク
ター、並びに添付図面の図1及び/又は図2にCDRとし
て示した1つ又はそれ以上のタンパク質配列をコードす
るDNA配列を組込んだ発現ベクターである。
【0015】 本発明の重要な態様の一つは、宿主細胞による本発明
の特異的結合剤の産生を起こさせるような外来遺伝子を
含む安定な宿主細胞系である。かかる細胞系は、添付図
面の図1及び/又は図2にCDRとして示したアミノ酸配
列のうちの少なくとも1つの配列をコードし、かつこの
コードされたアミノ酸配列がその発現の際にHMFGに対す
る特異性を有するCDRとして機能し得るようなタンパク
質フレームワークをも同時にコードする外来遺伝子を含
有する安定な宿主細胞系とすることができる。
【0016】 本発明は、さらに、本発明の改造抗体又は断片を産生
する能力を有する、不死化した哺乳類細胞系もしくは酵
母その他の真核生物細胞又は細菌などの原核生物細胞を
提供する。
【0017】 本発明の別の重要な態様は、γ1,κ抗HMFGモノクロー
ナル抗体である「HMFG1」の特異性と同等の特異性を有
する合成特異的結合剤、改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体
断片である。
【0018】 本発明は、さらに、2種類の新規プラスミドpSVgpt−
HuVHHMFG1−HuIgG1及びpSVneo−HuVkHMFG1−HuCkを提供
するが、これらのプラスミドは合成特異的結合剤、改造
ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片の生産に使用できる。
【0019】 これらのプラスミドは、それぞれ、新規な大腸菌(Es
cherichia coli)株であるNCTC 12411及びNCTC 12412に
含まれている。
【0020】 本発明のその他の態様は以下の通りである。 a) 大腸菌NCTC 12411株に含まれているような、HMFG
に対する特異性を有する改造ヒト抗体重鎖可変部をコー
ドするDNA配列。 b) 大腸菌NCTC 12412株に含まれているような、HMFG
に対する特異性を有する改造ヒト抗体軽鎖可変部をコー
ドするDNA配列。 c) 大腸菌NCTC 12411株に含まれる発現ベクターを用
いて生産することのできる、HMFGに対する特異性を有す
る改造ヒト抗体重鎖可変部。 d) 大腸菌NCTC 12412株に含まれる発現ベクターを用
いて生産することのできる、HMFGに対する特性を有する
改造ヒト抗体軽鎖可変部。 e) 上記c)又はd)の可変部の少なくとも1つを含
んでなる改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片。
【0021】 本発明のある具体的態様は、従って、添付図面の図1
及び図2の各々にCDR1、CDR2及びCDR3として同定したア
ミノ酸配列を有するCDR群(これらは、例えばマウスの
抗HMFG免疫グロブリンからクローニングし得る)のある
組合せを組込んだ抗HMFG特異性を有する改造ヒト抗体又
は改造ヒト抗体断片である。なお、添付図面の図1と図
2は、それぞれ、今回我々によってクローニングされた
配列決定されたマウス抗HMFGモノクローナル抗体の重鎖
可変部(VH)と軽鎖可変部(Vk)を示す。インタクトな
抗体である場合、或いは重鎖可変部と軽鎖可変部とをそ
れぞれ少なくとも1つ含んでなる断片である場合には、
その改造抗体又は断片はヒト以外の起源(非ヒト起源と
いう)に由来するCDRを6つすべて含有するのが好まし
い。結合性を最も高めるために、これらのCDRの相対的
な位置を、好ましくは、元の非ヒト抗体にみられる配置
通りにし(例えば、VHの各CDRはヒトVHフレームワーク
内にあるべきである)、非ヒト抗体でみられる天然の並
び方通りの順序にする。
【0022】 当業者には明らかであると思われるが、これらのCDR
配列とそれらを取囲むフレームワーク配列には、基本的
な特異的結合力をさほど低下させることなく、様々な修
飾及び変異を施すことができる。このような様々な修飾
及び変異は、遺伝子レベルで存在していてもよいしアミ
ノ酸配列に存在してもよく、これらに同時に存在してい
てもよい。従って、本発明は、正確に定義された遺伝子
配列又はアミノ酸配列を有する抗体又は抗体断片と機能
的に同等な合成(改造)抗体及び断片をも含有する。
【0023】 本発明は、特異性の異なる2つのFab部分を有する二
重特異性抗体生産にも適用できる。この場合、その特異
性の一つは、添付図面の図1又は図2に示すCDRの少な
くとも1つを導入した改造ヒト可変鎖領域によって与え
られる。
【0024】 本発明は、いわゆる単鎖抗体(例えば、Genex社の欧
州特許公開281604号に開示されているようなもの)の生
産にも適用できるし、多糖結合抗体(Hybritech社の欧
州特許公開315456号参照)やその他の修飾抗体の生産に
も適用し得る。
【0025】 如何なるヒト不変部領域(例えば、γ1、γ2、γ3
又はγ4タイプ)を使用してもよい。
【0026】 有用な特異的結合性を保持している抗体としては、
(Fab)2、Fab、Fv、VH又はVkフラグメントが挙げられ
る。これらはインタクトな改造抗体から例えばプロテア
ーゼ消化などによって得ることもできるし、遺伝子工学
によってそのまま生産することもできる。
【0027】 本発明の実用的用途 本発明の重要な態様の一つは、上記の改造ヒト抗HMFG
抗体又は断片にして、ガン細胞の増殖を遅延もしくは停
止させることのできる薬剤に結合しているか又はかかる
薬剤を導入したもの、又は人間の体内で検出し得る造影
剤を結合したものである。本発明は、さらに、かかる組
合せのいずれかを医薬品として許容し得るキャリア中、
例えば塩類溶液、血漿エキステンダー又はリポソームな
どの中に含んでなる注入可能な組成物をも包含する。本
発明は、さらに、上記の改造ヒト抗HMFG抗体又は断片
の、人間のガンの治療又は断層像撮影(imaging)の方
法への使用をも包含する。本発明は、さらに、人間をガ
ンから救うための治療用薬剤の製造における上記抗体又
は断片の使用、並びに人間の生体内診断用の診断用組成
物の製造における上記抗体又は断片の使用をも包含す
る。
【0028】 抗体のFc領域は、それ自体、例えば補体溶解並びに抗
体依存性細胞障害などの体内で利用され得る機構を介し
て、ガン細胞の増殖を阻害するのに使用できる。この具
体的態様においては、改造抗体にそれ以上の薬剤を結合
させる必要はない。
【0029】 ガン細胞の増殖を阻害し得る薬剤の具体例としては、
例えば90Yや131Iなどの放射性同位体、メトトレキセー
トなどの薬物、シリンなどの毒物又はその一部分、並び
に例えば抗体結合部位において不活性薬物を活性型薬物
に変換するような酵素が挙げられる。
【0030】 造影剤の具体例としては、111Inや99Tcのようなγ線
を発生する放射性同位体、64Cuのような陽電子を発生す
る放射性同位体、X線用造影剤として作用するバリウム
やMNR/ESRスキャニング用のガドリニウムのような不動
態試薬が挙げられる。
【0031】 本発明の特異的結合剤に放射性同位体のような金属試
薬を結合させるためには、カップリング剤又はキレート
剤を用いる必要があるであろう。数多くの適当なキレー
ト剤が開発されており、例えば参考文献として米国特許
第4824986号、同第4831175号、同第4923985号及び同第4
622420号などを挙げることができる。キレート剤の使用
に関する技術は、例えば米国特許第4454106号及び同第4
722892号、並びにMoi他(1988)、McCall他(1990)、D
eshpande他(1990)及びMeares他(1990)の報文に記載
されている。
【0032】 放射性標識した抗体及び断片を人間のガンの断層像撮
影及び治療に使用することに関しては例えば欧州特許第
35265号に記載されている。このような放射性標識した
ガン特異的抗体又は断片は、いわゆるサブトラクション
イメージング(subtraction imaging)のための対照用
バックグラウンドを与えるための別の同位体で放射性標
識した非特異的試薬と共に使用すると有効である。
【0033】 本発明の抗体試薬は、例えば血清検査又は断層像撮影
などによるPEM産生性のガンの同定、及び/又はPEM産生
性のガンの治療に使用できる。このようなガンは、例え
ば乳房、卵巣、子宮及び肺のがん腫にみられ、胸膜滲出
液のような液体として現われることもある。
【0034】 修飾抗体の生産 VH及びVL領域の慣習的(Kabat(1987))にCDRと呼ば
れている部分だけが、非ヒトモノクローナル抗体から移
入する必要のある唯一の特徴的部分とは限らない。場合
によっては、非ヒトフレームワーク配列を改造ヒト抗体
中に保存したときに、その改造ヒト抗体の、特異性及び
/又は親和性の観点からみた抗体性能が向上することも
ある。目的とするところは、フレームワーク残基との連
絡によって保持されたCDRに付随する重要な3次元タン
パク構造を保存することである。
【0035】 本発明の改造抗体を生産するための通常の出発点は、
HMFG又はPEMに対する特異性を有する抗体を発現するヒ
ト以外の宿主細胞(例えばマウス)から得られる細胞
(好ましくは不死化細胞系)である。かかる細胞系は、
例えば従来のモノクローナル抗体技術で調製されるハイ
ブリドーマ細胞系などであってもよい。発現された抗体
はHMFGに対して高い親和性と特異性を有しているのが好
ましい。本発明の手法でヒト抗体又は断片にその特性を
移す際に親和性及び/又は特異性の若干の損失が起こり
得ると予想されるからである。特異性の高い抗体を親抗
体として選択することによって、最終的に得られる改造
抗体又は断片が有効な結合特性を示す可能性も高くな
る。
【0036】 次の段階は、選ばれ非ヒト抗体を発現する細胞からcD
NAをクローニングし、CDRをコードする配列を含めた可
変部遺伝子を配列決定し、同定する段階である。ここで
用いる実験的技法は面倒なことに変わりはないが、現在
の技術ではルーチンとして確立しているとみなすことが
できる。
【0037】 改造ヒト抗体(完全な形のもの)又は重鎖可変ドメイ
ンと軽鎖可変ドメインを両方共含んでいるようなかかる
抗体の断片を生産することを目的とする場合、これらの
ドメインに関連するcDNAの配列を決定することが必要と
なる。
【0038】 関連cDNA配列の解析が終了したら、次に、抗体の少な
くとも可変ドメインをコードするDNAを含む複製可能な
発現ベクターを調製することが必要とされる。ここで、
この可変ドメインはヒトフレームワーク領域を、所定の
非ヒト抗HMFG抗体に由来する1つ以上のCDRと共に含ん
でなるものである。各ベクター中のDNA配列は、遺伝子
の効率的な転写及び翻訳のために必要とされる適切な調
節配列、特に可変ドメイン配列と作動的に連結したリー
ダー配列及びプロモーターを含むべきである。本発明の
改造抗体又は断片を生産するための典型的手順において
は、かかる発現ベクターを2種類(即ち、改造ヒト軽鎖
のDNA配列を含むものと改造ヒト重鎖のDNA配列を含むも
のとの2種類)調製することが必要なこともある。これ
らの発現ベクターは、所定の細胞系を形質転換して改造
抗体又は断片の産生を起こすようなものでなければなら
ない。わかる細胞系は例えば安全な非産生性骨髄腫細胞
系とすることができる。かかる骨髄腫細胞系の具体例
(N20やsp2−0など)は業者から容易に入手し得る。別
の選択枝は、改造抗体又は断片の発現媒体として大腸菌
のような細菌系を使用することである。この手順の最終
段階は、従って、1種類又は複数の発現ベクターを用い
て所定の細胞系又は生物を形質転換し、しかる後に形質
転換された細胞系又は生物を培養して改造ヒト抗体又は
断片を得ることである。
【0039】 例示することだけを目的として、本明細書の以降で、
適当な発現ベクターを調製することのできる諸段階の詳
細を紹介する。適切な装備を有する実験室内におけるDN
A材料の取扱い操作は既に十分に開発されている技術で
あり、必要とされる操作手順は当業者の容易になし得る
範囲の事項である。これらの操作を実施するのに必要な
ゲノムライブラリー、cDNAライブラリー、プラスミド、
制限酵素、並びに各種の試薬及び培地については、多数
の適当な標品が研究材料販売業者から市販されている。
例えば、ゲノムライブラリー及びcDNAライブラリーにつ
いては、Clontech Laboratories Inc.から購入すること
ができる。以降で例示する諸段階は単に本明細書の読者
のための手引として紹介したものであって、本発明は決
して特定の出発材料だけに依存するものではない。実
際、当業者は多種多様な材料を選択することができ、科
学的環境下で容易に得ることのできる経験及び材料に基
づいて公知の技術を採用し駆使することができる。例え
ば、多数のプラスミドがこの範疇に入るが、これらは関
連科学界で広範に使用され、流布されており、これらは
現在ではありふれた材料とみなすことができる。
【0040】 実施例 以下、改造抗HMFGヒト抗体の調製に用いた手段を、単
なる例示を目的として、添付図面を参照して詳細に説明
する。
【0041】 ここで、添付図面について説明する。
【0042】 図1は、抗HMFG特異性を有するマウス重鎖可変領域を
コードするcDNA配列を示したものである。3か所の古典
的CDRを、cDNAコードと一致するアミノ酸配列と共に示
す。
【0043】 図2は、抗HMFG特異性を有するマウス軽鎖可変領域を
コードするcDNA配列を示したものである。 図3aは、3つのフラグメントを含む、HMFG1特異性をも
つ合成改造VH遺伝子(HuVHIconHMFG1遺伝子カセット)
の基本構成を示したものである。
【0044】 図3b〜図3dは、図3aの各フラグメントの配列を、それ
ぞれのフラグメントの構築に使用したオリゴヌクレオチ
ドと共に示したものである。
【0045】 図4a、図4b及び図4cは、全体として、図1のcDNA導入
改造ヒト重鎖をコードする発現ベクターを調製すること
のできる経路を示したものである。
【0046】 図5a及び図5bは、全体として、同様の、図2のcDNA導
入改造ヒト軽鎖をコードする発現ベクターを調製するこ
とのできる形質転換経路を示したものである。
【0047】 図6は、図4a〜図5bの経路に使用したエンハンサー配
列を含んでいるプラスミドpUC12−IgEnhを示したもので
ある。
【0048】 図7は、図4cの経路で使用したプラスミドpBGS18−Hu
IgG1の源を示したものである。
【0049】 図8は、図5bの経路で使用したプラスミドpBGS18−Hu
Ckの源を示したものである。
【0050】 図9は、図1及び図2のcDNA配列のクローニングに使
用した2種類の合成オリゴヌクレオチド配列I及びIIを
示したものである。
【0051】 図10は、図4aに示す経路において、M13mp9HuVHLYSに
それぞれKpn I及びSal I制限酵素部位を導入するために
使用した2種類の合成オリゴヌクレオチド配列III及びI
Vを示したものである。
【0052】 図11は、図5aに示す経路において、ヒトVK REIフレー
ムワーク領域上にVkHMFG1 CDRを移入するために使用し
た3種類の合成オリゴヌクレオチド配列VI、VII及びVII
Iを示したものである。
【0053】 図12及び図13は、それぞれ、得られた改造ヒト重鎖可
変領域及び軽鎖可変領域のcDNA及びアミノ酸配列を示し
たものである。
【0054】 図14は、典型的な抗体(免疫グロブリン)分子の構造
を概略図として示したものである。
【0055】 図15は、得られた改造ヒト抗体の相対的な特異的抗HM
FG1結合活性をグラフにして示したものである。
【0056】 本発明の実施に要する実験手段は、それ自体は、何等
珍しい技術ではない。クローニング法及び変異導入法
は、例えばVerhoeyen他(1988)、Riechmann他(1988)
の報文並びに欧州特許公開第239400号(Winter)に一般
的に記載された方法で実施した。改造ヒト重鎖可変領域
遺伝子の「ドゥノボ(de novo)」合成(図3a〜図3d参
照)は、従来法により、1組の長鎖重複オリゴヌクレオ
チド(Jones他(1988)の報文参照)を使用して行っ
た。長鎖オリゴヌクレオチド合成用の実験装置及び試薬
は容易に入手することができ、この分野の技術の発展に
伴って合成可能な配列の鎖長が段々長くなっている。
【0057】 組換えDNA技術のあらゆる基本的側面を網羅した詳細
な実験マニュアル、例えばSambrook他著の「Molecular
Cloning」(1989)など、も入手することができる。
【0058】 本発明により、マウス抗HMFG抗体(HMFG1)の抗原結
合領域をヒトフレームワーク領域に移入した。得られた
構造ヒト抗体(HuHMFG1と名付けた)は元のマウス抗体
の結合特性に類似した結合特性を有する。
【0059】 かかる改造抗体は人間のガン(例えば、卵巣ガンや乳
ガンなど)の生体内診断及び治療に用いることができ、
非ヒト抗体を投与したときの患者に往々にしてみられる
免疫反応の問題を少なくとも低減することができると考
えられる。Hale他(1988)の報文には、改造CAMPATH−
1抗体で同様の利点が得られることが明らかにされてい
る。
【0060】 方法 1.マウス可変領域遺伝子のクローニング及び配列決定 γ1,κ抗HMFG抗体「HMFG1」(Taylor−Papadimitriou他
(1981)及びArklie他(1981)の報文参照)を分泌する
マウスハイブリドーマ細胞系からmRNAを単離した。それ
ぞれCH1エキソン及びCkエキソン5′末端部と相補的な
オリゴヌクレオチドI及びII(図9参照)をプライマー
として用いて第1段cDNAを合成した。第2段cDNAはGubl
er及びHoffmann(1983)の報文記載の方法で得た。
【0061】 キナーゼ処理したEcoR Iリンカーを重鎖の二重鎖cDNA
に連結し、Pst Iリンカーを軽鎖の二重鎖cDNAに連結し
(両者共、存在する可能性のある内部部位を保護するた
めに、まずEcoR I又はPst Iメチラーゼで処理しておい
た)、次に、それぞれ、EcoR I又はPst Iで切断してお
いたpUC9(Vieira他(1982))にクローニングして大腸
菌TG2株(Gibson(1984))を形質転換した。
【0062】 マウスHMFG1 VH(MoVHHMFG1)をコードする遺伝子を
含有するコロニー及びマウスHMFG1 Vk(MoVkHMFG1)を
コードする遺伝子を含有するコロニーを、それぞれ、HM
FG1のVH及びVkの第1段32P標識cDNAからなる2種類のプ
ローブを用いるコロニーハイブリダイゼーション法で同
定した。陽性コロニーの特徴を、プラスミド標品、次い
でEcoR I又はPst I消化及び1.5%アガロースゲル分析で
明らかにした。上記遺伝子全体を含む挿入断片(約450b
p)を、M13mp18(Norrander他(1983))のEcoR I部位
又はPst I部位にサブクローニングした。この操作によ
って挿入方向の異なるクローンが得られたが、これによ
り、ジデオキシチェインターミネーター法(Sanger他
(1977))による挿入部全体の塩基配列決定が容易にな
った。
【0063】 成熟型可変領域遺伝子MoVHHMFG1及びMoVkHMFG1の塩基
配列並びにそれらから翻訳されるアミノ酸配列を図1及
び図2に示す。450bpの挿入断片には、図には示されて
いないがシグナル配列、非翻訳配列及びリンカーが含ま
れていた。
【0064】 2.ヒトフレームワーク領域上へのマウスHMFG1 CDRの移
入 この操作を行うのに要する技術は、Jones他(198
6)、Verhoeyen他(1988)、Riechmann他(1988)の報
文並びに欧州特許公開第239400号(Winter)に記載され
ている
【0065】 a)軽鎖 ヒト軽鎖の改造に用いた基本構築体はM13mp9HuVkLYS
(Riechmann他(1988))であったが、これはベンス・
ジョーンズタンパク質REI(Epp他(1974))の軽鎖可変
部のフレームワーク領域に基づく配列を有するフレーム
ワーク領域を含んでいる。
【0066】 この構築体(図5a)中の各CDRを、HMFG1κ鎖の各CDR
をコードする(各CDRの両端には対応ヒトフレームワー
ク残基をコードする12塩基のヌクレオチドが連結してい
る)オリゴヌクレオチドVI、VII及びVIIIを用いる部位
特異的変異導入法によって置換した。これらのオリゴヌ
クレオチドは図11に示す。上記変異導入はRiechmann他
(1988)の方法に従って行った。得られた改造ヒト軽鎖
可変領域遺伝子(HuVkHMFG1)を図13に示す。
【0067】 b)重鎖 改造ヒト重鎖可変領域遺伝子は「ドゥノボ」合成によ
って得た。上掲のJones他の報文に記載された実験で
は、齧歯動物の重鎖CDRがヒトNEW重鎖可変部のフレーム
ワーク領域上に移入されている。Verhoeyen他(1988)
及びRiechmann他(1988)の示すところによれば、ヒト
フレームワークが齧歯動物由来CDRを元の齧歯動物の抗
体のコンホーメーションと同様のコンホーメーションに
保持できることが重要であって、ある種のCDR−フレー
ムワーク相互作用が決定的な重要性をもつ。従って、齧
歯動物のフレームワーク配列とヒトフレームワーク配列
との非類似性が大きいほど、CDR移入の起こるチャンス
は低くなる。
【0068】 マウスHMFG1の重鎖可変領域アミノ酸配列(図1)と
ヒトNEW(Verhoeyen他(1988)に記載された通り)のも
のと比較すると、それらの個々のフレームワーク領域間
の差異は44%である。サブグループI(Kabat他(198
7))のヒト重鎖可変領域、サブグループIIに属するヒ
トVHNEWと比較するともっと高い相同性がみられる。
【0069】 従って、我々は、HMFG1重鎖CDRを含有するサブグルー
プIのヒト重鎖可変領域遺伝子を合成することに決定し
た。我々は、ヒト重鎖サブグループI可変領域に対する
共通配列(consensus sequence)を、Kabat他(1987)
に記載されたこのサブグループの配列情報に基づいて設
計した。最適なコドンの用法は、マウス不変領域遺伝子
(この遺伝子はマウス骨髄腫細胞系において発現され
る)の配列に習った。
【0070】 HMFG1VHのフレームワーク配列とこのヒトVHサブグル
ープI共通配列(HuVHIcon)との差異はたった14%しか
なかった。得られた改造遺伝子をHuVHIconHFMG1と名付
け、これを図12に示す。この遺伝子の合成は別に以降の
(c)項目で説明する。新たに合成された遺伝子HuVHIc
onHFMG1を用いて構築体M13mp9HuVHLYS(Verhoeyen他(1
988))中のHuVHLYSを置換し、ベクターM13mp9HuVHIcon
HFMG1を得た(図4a参照)。
【0071】 3.発現ベクター中での改造ヒト抗体遺伝子の構築 次の段階は、Neuberger他(1983)に記載のマウス重
鎖エンハンサ−IgEnhの使用を伴うものである。このエ
ンハンサーはプラスミドpSV−Vμlの1kb Xbalフラグ
メント中に含まれている。エンハンサー活性を与えるに
は、この1kb Xbalフラグメントの700bp Xbal/EcoR Iサ
ブフラグメントで十分である。
【0072】 エンハンサーの別の源はプラスミドpSVneoHuVkPLAP
(図5a参照)である。このプラスミドの変異体を含む大
腸菌は、ブダペスト条約に基づき、1990年4月19日にNC
TC 12390として寄託されている。この寄託に係るプラス
ミドはさらにヒトκ鎖不変領域遺伝子を含んでいる(Ba
mH I部位にクローニングされている)。
【0073】 上述の項目2(a)及び2(b)で調製した改造ヒト
遺伝子をM13ベクターからHind III−BamH Iフラグメン
トとして切出した。重鎖可変領域遺伝子をpSV2gpt(Mul
lingan他(1981))に基づくベクターにクローニング
し、軽鎖可変領域遺伝子をpSV2neo(Southern他(198
1))発現ベクターにクローニングした。これらは共に
免疫グロブリン重鎖エンハンサーIgEnhを含んでいる。p
SV2gpt系抗体発現ベクター(図4b〜図4c参照)において
は、Xbal/EcoR Iエンハンサー含有フラグメントをpSV2g
ptベクターの非反復EcoR I部位にクローニングした(フ
ラグメントのXbal突出末端の一重鎖部分を補充したもの
にEcoR Iリンカーを連結した後)。
【0074】 pSVneo系抗体発現ベクター(図5a〜図5b参照)におい
ては、1kb Xbalエンハンサー含有フラグメントを、pUC1
2(Vieira他(1982))にまずクローニングして、プラ
スミドpUC12−IgEnh(図6参照)を得た。このエンハン
サーは次に700bp EcoR I/Hind IIIフラグメントとして
切出すことができる(いずれの配向のエンハンサーも作
用し得る)。この700bp EcoR I/Hind IIIフラグメント
はプラスミドpSVneoHuVkPLAP中に存在する。このプラス
ミドpSVneoHuVkPLAPを用いて、項目2(a)に記載のHu
VkHMFG1含有フラグメントをクローニングした(図5a及
び図5b参照)。元のpSVneoに存在したHind III部位は除
去されている。実際上neo選択は必要ないので、軽鎖発
現用ベクターとしてpSV2gptを用いることも可能であ
る。
【0075】 HuVHIconHMFG1遺伝子をヒトγ1不変領域(Takahashi
他(1982))に連結し、最初にpBGS18(Spratt他(198
6))のHind III部位に8kb Hind IIIフラグメントとし
てクローニングし、次いでBamH IフラグメントとしてpS
V2gptにクローニングした。ここで、Takahashi他(198
2)の報文には図1に誤りがあることを指摘しておく。
即ち、最後の(3′)の2か所の部位はBamH Iの次にHi
nd IIIであり、その逆ではない。このことはFlanagan他
(1982)によって確認されている。
【0076】 HuVkHMFG1遺伝子を同じくBamH Iフラグメントにクロ
ーニングしたヒトCκ不変領域(Hieter他(1980))に
連結した(図5b及び図8参照)。図8で用いたヒトCk源
はHieter他(1980)の報文に記載されている。胎児DNA
(γ Ch28ベクター系にクローニングしたもの)由来の1
2kb BamH IフラグメントをプラスミドpBR322のBamH I部
位にサブクローニングした。
【0077】 4.HuVHIconHMFG1遺伝子の「ドゥノボ」合成 我々は、サブグループIのヒト可変領域遺伝子(Kaba
t他(1987))をVHHMGF1のCDR(図1)と共にコードす
る遺伝子を合成することに決定した。概要を述べると、
合成遺伝子は、既存のM13mp9HuVHLYSベクター中のHuVHL
YS遺伝子を置換することができるように設計した。新た
に合成した遺伝子がKpn I−Sal Iフラグメントとしてク
ローニングできるように、M13mp9HuVHLYSの適当な部位
にKpn I部位及びSal I部位を導入した。
【0078】 この遺伝子配列は、項目2(b)で上述の通り命名さ
れており、図12に示す。この遺伝子によるM13mp9HuVHLY
S(Verhoeyen他(1988)、図4a参照)中のHuVHLYS遺伝
子の置換を容易にするために、遺伝子に5′及び3′伸
長部を加えた。5′伸長部はリーダーイントロンの37bp
及びリーダーエキソン(M13mp9HuVHLYSにおけるものと
同様)の後の半分の11bpを含んでおり、Kpn I部位を正
しく5′末端に含んでいる。3′伸長部は38塩基の非翻
訳ヌクレオチド(M13mp9HuVHLYSにおけるものと同様)
を含んでおり、Sal I部位で終わる。
【0079】 オリゴヌクレオチドI及びIIを用いる部位特異的変異
導入法で、M13mp9HuVHLYSを修飾して、適切な部位にKpn
I部位とSal I部位を導入した(図4a及び図10参照)。
このベクターはM13mp9HuVHLYS(K,S)と名付けた。これ
により、Kpn I−Sal IフラグメントとしてのHuVHIconHF
MG1遺伝子のM13mp9HuVHLYS(K,S)ベクターへのクロー
ニングが可能になった。
【0080】 実際上の理由から、上記遺伝子を3つのフラグメント
(カセット)として合成した後これらを一つの完全な遺
伝子として組立てることに決定した。
【0081】 各フラグメントは3つのVHHFMG1 CDRのうちの一つを
含んでおり、(既存の又は新たに導入した)非反復制限
酵素部位(図3a参照)を利用して容易にクローニング又
は除去することができる。各フラグメントを5′及び
3′末端にそれぞれHind III及びBamH I部位が生ずるよ
うに伸長させて、pEMBL9(Dente他(1983))にクロー
ニングできるようにした。各フラグメントのコーディン
グ鎖を平均鎖長33塩基のオリゴヌクレオチドに分割し
た。同じことを非コーディング鎖についても、オリゴヌ
クレオチドがコーディング鎖のオリゴヌクレオチドとほ
ぼ50%重複するように行った。
【0082】 各フラグメント及び構築に使用したオリゴヌクレオチ
ドの配列を、図3b、図3c及び図3dに示す。
【0083】 フラグメントを構築する前に、連結を容易にするため
各合成オリゴヌクレオチドの5′末端をリン酸化する必
要があった。リン酸化は以下の通り実施した。等モル量
のオリゴヌクレオチド(50pmol)をプールして、8単位
のポリヌクレオチドキナーゼを含む40μlの反応緩衝液
中において37℃で30〜45分間キナーゼ処理した。この反
応は70℃での5分間加熱及びエタノール沈殿で停止し
た。7mM Tris−Cl(pH7.5),10mM 2−メルカプトエタノ
ールを含む緩衝液30μlに上記ペレットを溶解してアニ
ーリングを行い、5mM ATPを加えた。次いで、この混合
物を65℃の水浴に5分間入れておき、しかる後に1時間
かけて30℃に冷却した。MgCl2を終濃度が10mMとなるよ
うに加えた。T4 DNAリカーゼ(2.5単位)を加えて混合
物を37℃に30分間(又は16℃で一晩)置いた。この後、
反応混合物を70℃で10分間加熱した。エタノール沈殿後
にペレットを消化緩衝液中に溶解してHind III及びBamH
Iで切断した。混合物を2%アガロースゲル上で分離し
て、正しく組立てられたカセットに対応する鎖長のフラ
グメントを電気泳動的に溶出して単離した。
【0084】 フラグメント(1,2,3)をpEMBL9(Hind III/BamH Iで
切断したもの)に連結して、それぞれベクターpUR410
7、pUR4108及びpUR4109を得た。挿入部の配列は配列分
析(両方向での)でチェックした。フラグメント1をKp
n I/Xho I消化でpUR4107から単離し、他方、フラグメン
ト2をXho I/Sac I消化でpUR4108から単離して、しかる
後にこれらを、Kpn I/Sac Iで切断しておいたpUR4109と
三断片連結法で連結した。得られたプラスミドをpUR411
0と名付けた(図4a参照)。配列分析から、挿入断片が
所望のHuVHIconHFMG1遺伝子を含んでいることが分かっ
た。この遺伝子を、図4b及び図4cに示す通り、pSV2gpt
由来発現ベクターにクローニングした。ベクターpSVgpt
MoVHLYS−MoIgG1(Verhoeyen他(1988))を、IgEnhエ
ンハンサーを含有するpSVgpt系ベクターの源として使用
した。
【0085】 5.骨髄腫細胞における発現 2つの発現プラスミドpSVgptHuVHIconHMFG1−HuIgG1
とpSVneoHuVkHMFG1−HuCk(図4c及び図5b)のNSO骨髄腫
細胞への同時トランスフェクションを、Pvu Iでの線状
化処理後に、電気穿孔法(Potter他(1984))で行っ
た。gpt遺伝子産物を発現する細胞を選択するためにト
ランスフェクトーマをミコフェノール酸含有培地中で選
択し、ELISAアッセイで抗体産生能及び抗HMFG活性につ
いてスクリーニングした。
【0086】 両アッセイで陽性となったクローンを得、限界稀釈法
でサブクローニングした純粋クローンを再び抗HMFG活性
についてアッセイし、最高の生産能を有するクローンを
無血清培地中で増殖させて抗体を生産させた。
【0087】 6.寄託プラスミド 上記手順で用いたプラスミドを含有する大腸菌株は、
以下の通り、ブダペスト条約の規定に基づいて、1990年
7月11日付で、National Collection of Type Cultures
に寄託されている。 NCTC 12411: プラスミドpSVgptHuVHIconHMFG1−HuIgG1(寄託用では
単にpSVgpt−HuVHHMFG1−HuIgG1とされている)を含有
する大腸菌K12,Tg1株 NCTC 12412: プラスミドpSVneo−HuVkHMFG1−HuCkを有する大腸菌K1
2,TG1株
【0088】 7.改造ヒト抗体の結合能 改造抗体の結合能を実証するための有効な方法は、固
体表面上に吸着させた抗原にかかるを結合させたときに
改造抗体が類似した抗体稀釈曲線を有することを示すこ
とである。この曲線は、親マウス抗HMFG抗体及び上述の
手順で調製した改造ヒト抗体を用いて、以下のようにし
て得た。
【0089】 0.5mlの10%(w/v)M280トシル活性化磁性ビーズ(Dy
nal社、英国Wirral)に、乳ムチン(HMFG1に対する免疫
アッセイで測定して106単位、ここで標準ヒト血清は100
〜200単位/mlを示す)をカップリングした。乳ムチン
は、Burchell他(1987)の方法で人乳から調製した。上
記ムチン濃度は、上記ビーズによるアッセイで適当な活
性が得られるように選んだものである。カップリング反
応は、2.5mlの0.5Mホウ酸緩衝液(pH9.5)にムチンを含
有するリン酸緩衝塩類溶液(pH7.2,PBS)2.5mlを加え、
穏やかに振盪しながら37℃で22時間行った。残留活性部
位の遮断は、PBSA(PBS+0.02%アジ化ナトリウム)中
の10%ウシ血清アルブミン(BSAと略す,Sigma社製)を1
ml添加し、37℃でさらに7時間インキュベートして行っ
た。サマリウム・コバルト磁石でビーズを沈降させた
後、過剰のタンパク質を洗い流した。さらに洗浄用緩衝
液(0.1Mリン酸カリウムpH8.0,0.1%Tween 20,0.5%BS
A)中で洗浄を3回行い、リンス用緩衝液(PBS+0.1%B
SA,0.1%メルチオレート)中で4回洗浄した。ビーズを
10%(w/v)の濃度(乾量分析で測定)でリンス用緩衝
液中に保存した。
【0090】 抗体結合量を、抗体試料(決定的なものについて検量
して調製)の2倍稀釈系列から測定した。50μl試料を
重複して微量滴定ウェル中に加え、1%BSA/PBSM(PBS
+0.01%メルチオレート)中の0.05%(w/v)ビーズ懸
濁液50μlとプレート振盪機上室温で1時間インキュベ
ートした。プラスチック製基材中に埋め込まれた小サマ
リウム・コバルト磁石を用いて、上記プレートのウェル
の面にビーズを沈降させて液体を除去し、150μlのPBS
TM(PBSM+0.15%Tween 20)で1回洗浄した。この後、
結合抗体を、PBSTM中の1%BSA溶液中に1/1000稀釈した
50μlのアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG
(H+L)(Jackson社製)を用いて室温で1時間検出
した。ビーズをPBSTMで3回洗浄した。呈色反応は、1M
ジエターノルアミン緩衝液(pH9.8)中のリン酸ニトロ
フェニル(Sigma社製のアルカリホスファターゼの基質
錠剤)200μlで行った。所定量の上清(通常150μl)
を平底微量適定ウェルに移した後、Dynatech社製のプレ
ートリーダーで410nmの光学密度を測定した。マウス抗
体の検定において用いた接合抗体はウサギ抗マウスIgG
(Sigma社製)であった。
【0091】 マウス及び改造HMFG1抗体に対する抗体稀釈曲線を図1
5に示す。最大結合活性は大過剰の抗体で決定した。陰
性対照は結合活性を全く有していなかった。μg/mlで示
す抗体濃度は、280nmのUV吸収測定で決定した。いずれ
の抗体についても、1μg/mlのものを稀釈率1として設
定した。2つの曲線は類似しており、本発明の改造抗体
の著しくかつ有用な結合効果を示している。
【0092】 参考文献 Arklie他(1981)−Int.J.Cancer,28,23−29頁 Burchell他(1987)−Cancer Res.,47,5476頁 Dente他(1983)−Nucleic Acids Res.II,1645−1655頁 Epp他(1974)−Eur.J.Biochem.,45,513−524頁 Flanagan他(1982)−Nature,300,709−713頁 Gendler他(1988)−J.Biol.Chem.,236,12820−12823頁 Gibson T(1984)−PhD論文、ケンブリッジ大学LMB−MR
C Gubler他(1983)−Gene,25,263−269頁 Hale他(1988)−Lancet,2,1394頁 Hieter他(1980)−Cell,22,197−207頁 Jones他(1986)−Nature,321,522−525頁 Kabat他(1987)−「Sequences of Proteins of Immuno
logical Interest」(米国保健社会福祉省発行)ix頁 Mullingan他(1981)−Proc.Natn.Acad.Sci.U.S.A.,78,
2072−2076頁 Neuberger他(1983)−ENBO Journal,2,1373−1378頁 Norrander他(1983)−Gene,26,101−106頁 Potter他(1984)−PNAS,81,7161−7163頁 Riechmann他(1988)−Nature,332,323−327頁 Sambrook他(1989)−「Molecular Cloning」第2版(C
old Spring Harbour Laboratory Press(ニューヨー
ク)発行)Sanger他(1977)−PNAS USA,74,5463−5467
頁 Saul他(1978)−J.Biol.Chem.,253,585−597頁 Southern他(1981)−J.Mol.Appl.Genetics,1,327−345
頁 Spratt他(1986)−Gene,41,337−342頁 Takahashi他(1982)−Cell,29,671−679頁 Taylor−Papadimitriou他(1981)−Int.J.Cancer,28,1
7−21頁 Verhoeyen他(1988)−Science,239,1543−1536頁 Vieira他(1982)−Gene,19,259−268頁 Winter(1987)−欧州特許公開第239400号 Xing他(1990)−欧州特許公開第369816号
【0093】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 抗HMFG特異性を有するマウス重鎖可変領域をコードす
るcDNA配列を示したものである。3か所の古典的CDR
を、cDNAコードと一致するアミノ酸配列と共に示す。
【図2】 抗HMFG特異性を有するマウス軽鎖可変領域をコードす
るcDNA配列を示したものである。
【図3】 図3aは、3つのフラグメントを含む、HMFG1特異性を
もつ合成改造VH遺伝子(HuVHIconHMFG1遺伝子カセッ
ト)の基本構成を示したものである。 図3b〜3dは、図3aの各フラグメントの配列を、それぞ
れのフラグメントの構築に使用したオリゴヌクレオチド
と共に示したものである。
【図4】 図4a〜4cは全体として、図1のcDNA導入改造ヒト重鎖
をコードする発現ベクターを調製することのできる経路
を示したものである。
【図5】 図5a及び5bは全体として、同様の、図2のcDNA導入改
造ヒト軽鎖をコードする発現ベクターを調製することの
できる形質転換経路を示したものである。
【図6】 図4a〜図5bの経路に使用したエンハンサー配列を含ん
でいるプラスミドpUC12−IgEnhを示したものである。
【図7】 図4cの経路で使用したプラスミドpBGS18−HuIgG1の源
を示したものである。
【図8】 図5bの経路で使用したプラスミドpBGS18−Hu
Ckの源を示したものである。
【図9】 図1及び図2のcDNA配列のクローニングに使用した2
種類の合成オリゴヌクレオチド配列I及びIIを示したも
のである。
【図10】 図4aに示す経路において、M13mp9HuVHLYSにそれぞれK
pn I及びSal I制限酵素部位を導入するために使用した
2種類の合成オリゴヌクレオチド配列III及びIVを示し
たものである。
【図11】 図5aに示す経路において、ヒトVK REIフレームワーク
領域上にVk HMFG1 CDRを移入するために使用した3種類
の合成オリゴヌクレオチド配列VI、VII及びVIIIを示し
たものである。
【図12】 得られた改造ヒト重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のcD
NA及びアミノ酸配列を示したものである。
【図13】 得られた改造ヒト重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のcD
NA及びアミノ酸配列を示したものである。
【図14】 典型的な抗体(免疫グロブリン)分子の構造を概略図
として示したものである。
【図15】 得られた改造ヒト抗体の相対的な特異的抗HMFG1結合
活性をグラフにして示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 15/09 C12P 21/08 //(C12P 21/08 C12R 1:19 C12R 1:19) C12N 15/00 A (56)参考文献 欧州特許369816(EP,B1) Nature,vol 332,no. 6162(1988)p.323−327 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/08 ZNA A61K 39/395 A61K 49/00 C07K 16/18 C12N 15/09 C12P 21/08

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト多形上皮性ムチン(PEM)に対する特
    異性を有する改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片であっ
    て、該改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片が、 (i)配列表2に表されるアミノ酸配列を含む1以上の
    重鎖可変部、及び (ii)配列表4に表されるアミノ酸配列を含む1以上の
    軽鎖可変部 を含む改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片。
  2. 【請求項2】該改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片が単
    鎖抗体である、請求項1に記載の改造ヒト抗体又は改造
    ヒト抗体断片。
  3. 【請求項3】前記PEMがヒト乳脂肪球(HMFG)である、
    請求項1又は2に記載の改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体
    断片。
  4. 【請求項4】γ−1、κ抗HMFGモノクローナル抗体であ
    る「HMFG1」の特異性と同じ特異性を有する、前項いず
    れか1項に記載の改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片。
  5. 【請求項5】ガン細胞の増殖を遅延若しくは停止させる
    ことのできる薬剤に結合又は組み込まれているか、又は
    人間の体内で検出し得る薬剤に結合又は組み込まれてい
    る、請求項1乃至4いずれか1項に記載の改造ヒト抗体
    又は改造ヒト抗体断片。
  6. 【請求項6】構成体が請求項1乃至5いずれか1項で定
    義された改造ヒト抗体重鎖可変部をコードすることを特
    徴とする、DNA構成体。
  7. 【請求項7】前記構成体が、配列表1に表されるヌクレ
    オチド配列を含むことを特徴とする、請求項6に記載の
    DNA構成体。
  8. 【請求項8】前記構成体が、大腸菌NCTC12411株に含ま
    れるヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、請求項
    6又は7に記載のDNA構成体。
  9. 【請求項9】前記構成体が、請求項1乃至5いずれか1
    項で定義された改造ヒト抗体軽鎖可変部をコードするこ
    とを特徴とする、DNA構成体。
  10. 【請求項10】前記構成体が、配列表3に表されるヌク
    レオチド配列を含むことを特徴とする、請求項9に記載
    のDNA構成体。
  11. 【請求項11】前記構成体が、大腸菌NCTC12412株に含
    まれるヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、請求
    項9又は10に記載のDNA構成体。
  12. 【請求項12】前記構成体が、配列表1及び3に表され
    るヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、請求項6
    乃至11いずれか1項に記載のDNA構成体。
  13. 【請求項13】請求項6乃至12いずれか1項に記載のDN
    A配列を含むことを特徴とする、プラスミド。
  14. 【請求項14】大腸菌NCTC12411株からプラスミドを単
    離することにより得ることができる、記号pSVgpt−HuVH
    HMFG1−HuIgG1を有することを特徴とする、請求項13に
    記載のプラスミド。
  15. 【請求項15】大腸菌NCTC12412株からプラスミドを単
    離することにより得ることができる、記号pSVneo−HuVk
    HMFG1−HuCkを有することを特徴とする、請求項13に記
    載のプラスミド。
  16. 【請求項16】請求項13乃至15のいずれか1項に記載の
    プラスミドを含むことを特徴とする、安全な宿主細胞
    系。
  17. 【請求項17】前記細胞系が大腸菌NCTC12411株であ
    る、請求項16に記載の安定な宿主細胞系。
  18. 【請求項18】前記細胞系が大腸菌NCTC12412株であ
    る、請求項16に記載の安定な宿主細胞系。
  19. 【請求項19】大腸菌NCTC12411株に含まれる発現ベク
    ターを用いて生産することのできる、HMFGに対する特異
    性を有する改造ヒト抗体重鎖可変部であって、該可変部
    は配列表2に表されるアミノ酸配列を有する、改造ヒト
    抗体重鎖可変部。
  20. 【請求項20】大腸菌NCTC12412株に含まれる発現ベク
    ターを用いて生産することのできる、HMFGに対する特異
    性を有する改造ヒト抗体軽鎖可変部であって、該可変部
    は配列表4に表されるアミノ酸配列を有する、改造ヒト
    抗体軽鎖可変部。
  21. 【請求項21】請求項1乃至5いずれか1項に記載の改
    造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片の製造方法であって、
    請求項13乃至15に記載のいずれか1項に記載の1以上の
    プラスミドで宿主細胞系を形質転換し、形質転換した細
    胞系を培養して改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片を与
    えることを含む、製造方法。
  22. 【請求項22】人間のガン造影剤の製造のための、請求
    項1乃至5いずれか1項に記載の改造ヒト抗体断片の使
    用方法。
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