JP2003061689A - 特異的結合剤 - Google Patents
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Abstract
提供。 【解決手段】ヒト多形上皮性ムチン(PEM)に対する
特異性を有する改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片であ
って、該改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片が、(i)
大腸菌NCTC12411株に含まれる発現ベクターに
より生産される重鎖と同じアミノ酸配列を有する1以上
の重鎖、及び(ii)大腸菌NCTC12412株に含
まれる発現ベクターにより生産される軽鎖と同じアミノ
酸配列を有する1以上の軽鎖を含む改造ヒト抗体又は改
造ヒト抗体断片。
Description
り、より詳細には、タンパク質又は非タンパク質に対し
て特異的に結合するようなアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドに関する。さらに詳細には、本発明はかかる特
異的結合剤を遺伝子工学によって生産する方法に関す
る。
同な2本の軽鎖ポリペプチドとで構成されており、これ
らは複数のジスルフィド結合で共有結合している。添付
図面の図14に、IgGクラスの抗体の典型的構造を図解
する。それぞれのペプチド鎖は折りたたまれて幾つかの
独立したドメインを形成する。これら4本のペプチド鎖
のN末端ドメインは配列の多様性に富み、可変部(V部)と
呼ばれる。1本の重鎖のV部(VH)と1本の軽鎖のV部(VL)
が会合して抗原結合部位を形成する。VHドメインとVLド
メインとの組合せによって構成される構造単位を抗体の
Fv(可変フラグメント)と呼ぶ。重鎖と軽鎖のC末端はい
ずれも配列が比較的保存されており、不変部と呼ばれ
る。重鎖の不変部は幾つかのドメインで構成されてお
り、例えばγ-アイソタイプ(IgG)の重鎖不変部は3つの
ドメイン(CH1, CH2, CH3)及びCH1ドメインとCH2ドメイ
ンとをつなぐヒンジ部で構成されている。2本の重鎖の
ヒンジ部はジスルフィド結合で共有結合している。軽鎖
は1つの不変ドメインを有しており、この軽鎖不変ドメ
インはCH1ドメインに相対している。抗体分子の不変領
域は補体による細胞溶解並びに抗体依存性細胞障害(ADC
C)による異物掃去などのエフェクター機能に関与してい
る。プロテアーゼのパパインで抗体を消化すると3つの
断片が得られる。一つはCH2ドメインとCH3ドメインを含
む断片で、結晶化し易く、Fcフラグメントと呼ばれる。
残る2つの断片は同一で、Fab(抗原結合性)フラグメン
トと呼ばれ、VH及びCH1ドメインが軽鎖全体と結合した
ものである。ペプシンを用いると、タンパク加水分解は
2つのFabフラグメントがヒンジ部を介して結合したま
ま起こり、(Fab)2フラグメントが得られる。各ドメイ
ンは遺伝子レベルではそれぞれ別個のエキソンで発現さ
れる。
らなる枠組み構造(フレームワーク)内に3か所の超可変
部を含んでいる。これらの超可変領域は抗原と相互作用
する領域であり、相補性決定領域(Complementarity Det
ermining Region; CDRと略す)と呼ばれる。相対的に保
存された配列はフレームワーク領域(Framework Region;
FRと略す)と呼ばれる。Kabat他(1987)の報文参照。抗
体のX線回析による研究から、CDRは抗体分子の先端から
突出たループを形成しており、FRはβシート構造からな
る枠組み構造を与えることが明らかにされている。
aped)」もしくは「改変(altered)」ヒト抗体と呼ばれてい
るような、基本的にヒト免疫グロブリンの不変領域とフ
レームワーク領域から成るがその相補性決定領域(CDR)
がヒト以外の免疫グロブリンで見出されるものに対応し
ているような免疫グロブリン、並びにかかる改造ヒト抗
体の部分断片に関する。
の一般的基本方針は周知であり、参考文献としてJones
他(1986)、Riechmann他(1988)、Verhoeyen他(1988)の報
文並びに欧州特許公開第239400号(Winter)を挙げること
ができる。
しからざる有害な反応を引き起こす危険性が基本的に少
ないので、改造ヒト抗体及びその断片は人間の病気の生
体内(in vivo)診断及び治療に特に実用性が高く、ま
た、CDRの与える所望の特異性はマウスのような宿主動
物中で高めることができ、かかる動物から所定の特異性
を有する抗体を容易に得ることができる。可変部遺伝子
はヒト以外の生物の産生する抗体(非ヒト抗体という)か
らクローニングすることができ、ヒト可変部フレームワ
ーク中にかかるCDRを遺伝子工学的に移入(graft)するこ
とによって改造ヒト抗体又は断片が得られる。このよう
な好ましい結果を得るためには、所定の非ヒト抗体中の
少なくともCDRを同定してその配列を決定することが必
要であり、好ましくは非ヒト抗体の可変部全体の配列を
決定して、CDRとフレームワークとの潜在的に重要な相
互作用が同定できるようにする。
MFGと略す)に対する抗体(通常は脱脂状態のものに対す
る)は、上皮由来の新生物(neoplasm)、特に乳房、卵
巣、子宮、肺のがん腫と広範な反応性を示す。Taylor-P
apadimitriou他(1981)及びArklie他(1981)の報文参照。
特徴が十分に明らかにされたある抗体(HMFG1と呼ばれ
る)はHMFGのある成分と結合することが知られている
が、かかる成分はある種の体内組織、ある種のガン組織
及び尿中でも見付かっており、多形上皮性ムチン(polym
orphic epithelial mucin; PEMと略す)と名付けられて
いる(Gendler他(1988))。この結合にはPEMのペプチドコ
アが関与していると考えられている。対応する有用な特
異性は、ガン細胞、例えば乳ガン細胞系に対する抗体を
得ることによって達成できる。
学, Xing他)には、ヒトの多形上皮性ムチンに特異的な
モノクローナル抗体で、ある特定のアミノ酸配列に結合
する抗体が記載されている。欧州特許公開第0369816号
には、Riechmann他の方法(1988)によってかかる抗体を
「ヒューマナイズ」し得る旨示唆されている。しかしなが
ら、Xing他はそのような改造抗PEM抗体の実際の調製方
法については何等記載していない。
チンに対する特異性を有する特異的結合性合成ポリペプ
チド、特に、添付図面の図1及び図2に示すCDRを1個又
はそれ以上含有し、抗ヒト乳脂肪球(HMFG)特異性を有す
る特異的結合性合成ポリペプチドを提供する。「合成」
という用語は、かかるポリペプチドが組換えDNA技術で
生産されたものであり、その限度において、天然に存在
もしくは天然に誘導される特異性の同じ特異的結合剤と
は最低限異なっていることを意味している。また、合成
ポリペプチドはアミノ酸配列を人工的に組み立てて新規
又は天然と同一の分子を作ることによっても生産でき
る。合成ポリペプチドは通常のインタクト(intact)な抗
体の等価物でもよいし、かかる抗体の多重鎖もしくは単
鎖フラグメントの等価物でもよいし、或いは単に所望の
特異的結合能力を与える1つ又はそれ以上の配列を含む
物質であってもよい。
て、抗PEM特異性を有する改造ヒト抗体又は改造ヒト抗
体断片、特に、添付図面の図1及び図2に示すCDRを1
個又はそれ以上含有し、抗HMFG特異性を有する改造ヒト
抗体又は改造ヒト抗体断片を提供する。好ましくは、か
かる本発明の改造抗体又は断片は、ヒト重鎖可変部フレ
ームワーク中に、添付図面の図1に示す3つのCDRすべ
てを含む。これとは別に又はこれと同時に、本発明の改
造抗体又は断片は、ヒト軽鎖可変部フレームワーク中
に、添付図面の図2に示す3つのCDRすべてを含む。
/又は配列表2に示すアミノ酸配列を含む改造抗体又は
改造抗体断片である。ここで、配列表1及び2は、以下
のとおりである。
付図面の配列表1及び/又は配列表2に示すDNA配列を組
込んだ発現ベクター、並びに添付図面の図1及び/又は
図2にCDRとして示した1つ又はそれ以上のタンパク質
配列をコードするDNA配列を組込んだ発現ベクターであ
る。
よる本発明の特異的結合剤の産生を起こさせるような外
来遺伝子を含む安定な宿主細胞系である。かかる細胞系
は、添付図面の図1及び/又は図2にCDRとして示したア
ミノ酸配列のうちの少なくとも1つの配列をコードし、
かつこのコードされたアミノ酸配列がその発現の際にHM
FGに対する特異性を有するCDRとして機能し得るような
タンパク質フレームワークをも同時にコードする外来遺
伝子を含有する安定な宿主細胞系とすることができる。
断片を産生する能力を有する、不死化した哺乳類細胞系
もしくは酵母その他の真核生物細胞又は細菌などの原核
生物細胞を提供する。
モノクローナル抗体である「HMFG1」の特異性と同等の特
異性を有する合成特異的結合剤、改造ヒト抗体又は改造
ヒト抗体断片である。
ドpSVgpt-HuVHHMFG1-HuIgG1及びpSVneo-HuVkHMFG1-HuCk
を提供するが、これらのプラスミドは合成特異的結合
剤、改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片の生産に使用で
きる。
大腸菌(Escherichia coli)株であるNCTC 12411及びNCTC
12412に含まれている。
る。 a) 大腸菌NCTC 12411株に含まれているような、HMFGに
対する特異性を有する改造ヒト抗体重鎖可変部をコード
するDNA配列。 b) 大腸菌NCTC 12412株に含まれているような、HMFGに
対する特異性を有する改造ヒト抗体軽鎖可変部をコード
するDNA配列。 c) 大腸菌NCTC 12411株に含まれる発現ベクターを用い
て生産することのできる、HMFGに対する特異性を有する
改造ヒト抗体重鎖可変部。 d) 大腸菌NCTC 12412株に含まれる発現ベクターを用い
て生産することのできる、HMFGに対する特異性を有する
改造ヒト抗体軽鎖可変部。 e) 上記c)又はd)の可変部の少なくとも1つを含んでな
る改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片。
図面の図1及び図2の各々にCDR1、CDR2及びCDR3として
同定したアミノ酸配列を有するCDR群(これらは、例えば
マウスの抗HMFG免疫グロブリンからクローニングし得
る)のある組合せを組込んだ抗HMFG特異性を有する改造
ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片である。なお、添付図面
の図1と図2は、それぞれ、今回我々によってクローニ
ングされ配列決定されたマウス抗HMFGモノクローナル抗
体の重鎖可変部(VH)と軽鎖可変部(Vk)を示す。インタク
トな抗体である場合、或いは重鎖可変部と軽鎖可変部と
をそれぞれ少なくとも1つ含んでなる断片である場合に
は、その改造抗体又は断片はヒト以外の起源(非ヒト起
源という)に由来するCDRを6つすべて含有するのが好ま
しい。結合性を最も高めるために、これらのCDRの相対
的な位置を、好ましくは、元の非ヒト抗体にみられる配
置通りにし(例えば、VHの各CDRはヒトVHフレームワーク
内にあるべきである)、非ヒト抗体でみられる天然の並
び方通りの順序にする。
れらのCDR 配列とそれらを取囲むフレームワーク配列に
は、基本的な特異的結合力をさほど低下させることな
く、様々な修飾及び変異を施すことができる。このよう
な様々な修飾及び変異は、遺伝子レベルで存在していて
もよいしアミノ酸配列に存在してもよく、これらに同時
に存在していてもよい。従って、本発明は、正確に定義
された遺伝子配列又はアミノ酸配列を有する抗体又は抗
体断片と機能的に同等な合成(改造)抗体及び断片をも包
含する。
を有する二重特異性抗体生産にも適用できる。この場
合、その特異性の一つは、添付図面の図1又は図2に示
すCDRの少なくとも1つを導入した改造ヒト可変鎖領域
によって与えられる。
ex社の欧州特許公開281604号に開示されているようなも
の)の生産にも適用できるし、多糖結合抗体(Hybritech
社の欧州特許公開315456号参照)やその他の修飾抗体の
生産にも適用し得る。
2、γ3又はγ4 タイプ)を使用してもよい。
しては、(Fab)2、Fab、Fv、VH又はVkフラグメントが挙
げられる。これらはインタクトな改造抗体から例えばプ
ロテアーゼ消化などによって得ることもできるし、遺伝
子工学によってそのまま生産することもできる。
体又は断片にして、ガン細胞の増殖を遅延もしくは停止
させることのできる薬剤に結合しているか又はかかる薬
剤を導入したもの、又は人間の体内で検出し得る造影剤
を結合したものである。本発明は、さらに、かかる組合
せのいずれかを医薬品として許容し得るキャリア中、例
えば塩類溶液、血漿エキステンダー又はリポソームなど
の中に含んでなる注入可能な組成物をも包含する。本発
明は、さらに、上記の改造ヒト抗HMFG抗体又は断片の、
人間のガンの治療又は断層像撮影(imaging)の方法への
使用をも包含する。本発明は、さらに、人間をガンから
救うための治療用薬剤の製造における上記抗体又は断片
の使用、並びに人間の生体内診断用の診断用組成物の製
造における上記抗体又は断片の使用をも包含する。
解並びに抗体依存性細胞障害などの体内で利用され得る
機構を介して、ガン細胞の増殖を阻害するのに使用でき
る。この具体的態様においては、改造抗体にそれ以上の
薬剤を結合させる必要はない。
としては、例えば90Yや131Iなどの放射性同位体、
メトトレキセートなどの薬物、リシンなどの毒物又はそ
の一部分、並びに例えば抗体結合部位において不活性薬
物を活性型薬物に変換するような酵素が挙げられる。
Tcのようなγ線を発生する放射性同位体、64Cuのよう
な陽電子を発生する放射性同位体、X線用造影剤として
作用するバリウムやMNR/ESRスキャニング用のガドリニ
ウムのような不動態試薬が挙げられる。
うな金属試薬を結合させるためには、カップリング剤又
はキレート剤を用いる必要があるであろう。数多くの適
当なキレート剤が開発されており、例えば参考文献とし
て米国特許第4824986号、同第4831175号、同第4923985
号及び同第4622420号などを挙げることができる。キレ
ート剤の使用に関する技術は、例えば米国特許第445410
6号及び同第4722892号、並びにMoi他(1988)、McCall他
(1990)、Deshpande他(1990)及びMeares他(1990)の報文
に記載されている。
の断層像撮影及び治療に使用することに関しては例えば
欧州特許第35265号に記載されている。このような放射
性標識したガン特異的抗体又は断片は、いわゆるサブト
ラクションイメージング(subtraction imaging)のため
の対照用バックグラウンドを与えるための別の同位体で
放射性標識した非特異的試薬と共に使用すると有効であ
る。
断層像撮影などによるPEM産生性のガンの同定、及び/又
はPEM産生性のガンの治療に使用できる。このようなガ
ンは、例えば乳房、卵巣、子宮及び肺のがん腫にみら
れ、胸膜滲出液のような液体として現われることもあ
る。
る部分だけが、非ヒトモノクローナル抗体から移入する
必要のある唯一の特徴的部分とは限らない。場合によっ
ては、非ヒトフレームワーク配列を改造ヒト抗体中に保
存したときに、その改造ヒト抗体の、特異性及び/又は
親和性の観点からみた抗体性能が向上することもある。
目的とするところは、フレームワーク残基との連絡によ
って保持されたCDRに付随する重要な3次元タンパク構
造を保存することである。
出発点は、HMFG又はPEMに対する特異性を有する抗体を
発現するヒト以外の宿主動物(例えばマウス)から得られ
る細胞(好ましくは不死化細胞系)である。かかる細胞系
は、例えば従来のモノクローナル抗体技術で調製される
ハイブリドーマ細胞系などであってもよい。発現された
抗体はHMFGに対して高い親和性と特異性を有しているの
が好ましい。本発明の手法でヒト抗体又は断片にその特
性を移す際に親和性及び/又は特異性の若干の損失が起
こり得ると予想されるからである。特異性の高い抗体を
親抗体として選択することによって、最終的に得られる
改造抗体又は断片が有効な結合特性を示す可能性も高く
なる。
る細胞からcDNAをクローニングし、CDRをコードする配
列を含めた可変部遺伝子を配列決定し、同定する段階で
ある。ここで用いる実験的技法は面倒なことに変わりは
ないが、現在の技術ではルーチンとして確立していると
みなすことができる。
変ドメインと軽鎖可変ドメインを両方共含んでいるよう
なかかる抗体の断片を生産することを目的とする場合、
これらのドメインに関連するcDNAの配列を決定すること
が必要となる。
抗体の少なくとも可変ドメインをコードするDNAを含む
複製可能な発現ベクターを調製することが必要とされ
る。ここで、この可変ドメインはヒトフレームワーク領
域を、所定の非ヒト抗HMFG抗体に由来する1つ以上のCD
Rと共に含んでなるものである。各ベクター中のDNA配列
は、遺伝子の効率的な転写及び翻訳のために必要とされ
る適切な調節配列、特に可変ドメイン配列と作動的に連
結したリーダー配列及びプロモーターを含むべきであ
る。本発明の改造抗体又は断片を生産するための典型的
手順においては、かかる発現ベクターを2種類(即ち、
改造ヒト軽鎖のDNA 配列を含むものと改造ヒト重鎖のDN
A配列を含むものとの2種類)調製することが必要なこと
もある。これらの発現ベクターは、所定の細胞系を形質
転換して改造抗体又は断片の産生を起こすようなもので
なければならない。かかる細胞系は例えば安定な非産生
性骨髄腫細胞系とすることができる。かかる骨髄腫細胞
系の具体例(N20やsp2-0など)は業者から容易に入手し得
る。別の選択枝は、改造抗体又は断片の発現媒体として
大腸菌のような細菌系を使用することである。この手順
の最終段階は、従って、1種類又は複数の発現ベクター
を用いて所定の細胞系又は生物を形質転換し、しかる後
に形質転換された細胞系又は生物を培養して改造ヒト抗
体又は断片を得ることである。
の以降で、適当な発現ベクターを調製することのできる
諸段階の詳細を紹介する。適切な装備を有する実験室内
におけるDNA材料の取扱い操作は既に十分に開発されて
いる技術であり、必要とされる操作手順は当業者の容易
になし得る範囲の事項である。これらの操作を実施する
のに必要なゲノムライブラリー、cDNAライブラリー、プ
ラスミド、制限酵素、並びに各種の試薬及び培地につい
ては、多数の適当な標品が研究材料販売業者から市販さ
れている。例えば、ゲノムライブラリー及びcDNAライブ
ラリーについては、Clontech Laboratories Inc.から購
入することができる。以降で例示する諸段階は単に本明
細書の読者のための手引として紹介したものであって、
本発明は決して特定の出発材料だけに依存するものでは
ない。実際、当業者は多種多様な材料を選択することが
でき、科学的環境下で容易に得ることのできる経験及び
材料に基づいて公知の技術を採用し駆使することができ
る。例えば、多数のプラスミドがこの範疇に入るが、こ
れらは関連科学界で広範に使用され、流布されており、
これらは現在ではありふれた材料とみなすことができ
る。
る例示を目的として、添付図面を参照して詳細に説明す
る。
可変領域をコードするcDNA配列を示したものである。3
か所の古典的CDRを、cDNAコードと一致するアミノ酸配
列と共に示す。
可変領域をコードするcDNA配列を示したものである。図
3aは、3つのフラグメントを含む、HMFG1特異性をも
つ合成改造VH遺伝子(HuVHIconHMFG1遺伝子カセット)の
基本構成を示したものである。
トの配列を、それぞれのフラグメントの構築に使用した
オリゴヌクレオチドと共に示したものである。
て、図1のcDNA導入改造ヒト重鎖をコードする発現ベク
ターを調製することのできる経路を示したものである。
の、図2のcDNA導入改造ヒト軽鎖をコードする発現ベク
ターを調製することのできる形質転換経路を示したもの
である。
エンハンサー配列を含んでいるプラスミドpUC12-IgEnh
を示したものである。
ドpBGS18-HuIgG1の源を示したものである。
ドpBGS18-HuCkの源を示したものである。
ニングに使用した2種類の合成オリゴヌクレオチド配列
I及びIIを示したものである。
3mp9HuVHLYSにそれぞれKpnI及びSalI制限酵素部位を導
入するために使用した2種類の合成オリゴヌクレオチド
配列III及びIVを示したものである。
トVK REIフレームワーク領域上にVkHMFG1 CDRを移入す
るために使用した3種類の合成オリゴヌクレオチド配列V
I、VII及びVIIIを示したものである。
改造ヒト重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のcDNA及びアミ
ノ酸配列を示したものである。
分子の構造を概略図として示したものである。
な特異的抗HMFG1結合活性をグラフにして示したもので
ある。
体は、何等珍しい技術ではない。クローニング法及び変
異導入法は、例えばVerhoeyen他(1988)、Riechmann他(1
988)の報文並びに欧州特許公開第239400号(Winter)に一
般的に記載された方法で実施した。改造ヒト重鎖可変領
域遺伝子の「ドゥノボ(de novo)」合成(図3a〜図3d
参照)は、従来法により、1組の長鎖重複オリゴヌクレオ
チド(Jones他(1988)の報文参照)を使用して行った。
長鎖オリゴヌクレオチド合成用の実験装置及び試薬は容
易に入手することができ、この分野の技術の発展に伴っ
て合成可能な配列の鎖長が段々長くなっている。
羅した詳細な実験マニュアル、例えばSambrook他著の
「Molecular Cloning」(1989)など、も入手することが
できる。
の抗原結合領域をヒトフレームワーク領域に移入した。
得られた改造ヒト抗体(HuHMFG1と名付けた)は元のマウ
ス抗体の結合特性に類似した結合特性を有する。
巣ガンや乳ガンなど)の生体内診断及び治療に用いるこ
とができ、非ヒト抗体を投与したときの患者に往々にし
てみられる免疫反応の問題を少なくとも低減することが
できると考えられる。Hale他(1988)の報文には、改造CA
MPATH-1抗体で同様の利点が得られることが明らかにさ
れている。
981)及びArklie他(1981)の報文参照)を分泌するマウス
ハイブリドーマ細胞系からmRNAを単離した。それぞれCH
1エキソン及びCkエキソンの5′末端部と相補的なオリゴ
ヌクレオチドI及びII(図9参照)をプライマーとして用
いて第1段cDNAを合成した。第2段cDNAはGubler及びHof
fmann(1983)の報文記載の方法で得た。
二重鎖cDNA に連結し、PstIリンカーを軽鎖の二重鎖cDN
Aに連結し(両者共、存在する可能性のある内部部位を保
護するために、まずEcoRI又はPstIメチラーゼで処理し
ておいた)、次に、それぞれ、EcoRI又はPstIで切断して
おいたpUC9 (Vieira他(1982))にクローニングして大腸
菌TG2株(Gibson(1984))を形質転換した。
遺伝子を含有するコロニー及びマウスHMFG1 Vk (MoVkHM
FG1)をコードする遺伝子を含有するコロニーを、それぞ
れ、HMFG1 のVH及びVkの第1段32P標識cDNAからなる
2種類のプローブを用いるコロニーハイブリダイゼーシ
ョン法で同定した。陽性コロニーの特徴を、プラスミド
標品、次いでEcoRI又はPstI消化及び1.5%アガロースゲ
ル分析で明らかにした。上記遺伝子全体を含む挿入断片
(約450bp)を、M13mp18 (Norrander他(1983))のEcoRI部
位又はPstI部位にサブクローニングした。この操作によ
って挿入方向の異なるクローンが得られたが、これによ
り、ジデオキシチェインターミネーター法(Sanger他(19
77))による挿入部全体の塩基配列決定が容易になった。
MFG1の塩基配列並びにそれらから翻訳されるアミノ酸配
列を図1及び図2に示す。450bpの挿入断片には、図に
は示していないがシグナル配列、非翻訳配列及びリンカ
ーが含まれていた。
FG1 CDRの移入 この操作を行うのに要する技術は、Jones他(1986)、Ver
hoeyen他(1988)、Riechmann他(1988)の報文並びに欧州
特許公開第239400号(Winter)に記載されている。
iechmann他(1988))であったが、これはベンス・ジョー
ンズタンパク質REI (Epp他(1974))の軽鎖可変部のフレ
ームワーク領域に基づく配列を有するフレームワーク領
域を含んでいる。
κ鎖の各CDRをコードする(各CDRの両端には対応ヒトフ
レームワーク残基をコードする12塩基のヌクレオチドが
連結している)オリゴヌクレオチドVI、VII及びVIIIを用
いる部位特異的変異導入法によって置換した。これらの
オリゴヌクレオチドは図11に示す。上記変異導入はRiec
hmann他(1988)の方法に従って行った。得られた改造ヒ
ト軽鎖可変領域遺伝子(HuVkHMFG1)を図13に示す。
得た。上掲のJones他の報文に記載された実験では、齧
歯動物の重鎖CDRがヒトNEW重鎖可変部のフレームワーク
領域上に移入されている。Verhoeyen他(1988)及びRiech
mann他(1988)の示すところによれば、ヒトフレームワー
クが齧歯動物由来CDRを元の齧歯動物の抗体のコンホー
メーションと同様のコンホーメーションに保持できるこ
とが重要であって、ある種のCDR-フレームワーク相互作
用が決定的な重要性をもつ。従って、齧歯動物のフレー
ムワーク配列とヒトフレームワーク配列との非類似性が
大きいほど、CDR移入の起こるチャンスは低くなる。
(図1)とヒトNEW (Verhoeyen他(1988)に記載された通
り)のものとを比較すると、それらの個々のフレームワ
ーク領域間の差異は44%である。サブグループI (Kab
at他(1987))のヒト重鎖可変領域、サブグループIIに属
するヒトVHNEWと比較するともっと高い相同性がみられ
る。
サブグループIのヒト重鎖可変領域遺伝子を合成するこ
とに決定した。我々は、ヒト重鎖サブグループI可変領
域に対する共通配列(consensus sequence)を、Kabat他
(1987)に記載されたこのサブグループの配列情報に基づ
いて設計した。最適なコドンの用法は、マウス不変領域
遺伝子(この遺伝子はマウス骨髄腫細胞系において発現
される)の配列に習った。
HサブグループI共通配列(HuVHIcon)との差異はたった1
4%しかなかった。得られた改造遺伝子をHuVHIconHFMG
1と名付け、これを図12に示す。この遺伝子の合成は
別に以降の(c)項目で説明する。新たに合成された遺伝
子HuVHIconHFMG1を用いて構築体M13mp9HuVHLYS (Verhoe
yen他(1988))中のHuVHLYSを置換し、ベクターM13mp9HuV
HIconHFMG1を得た(図4a参照)。
の構築 次の段階は、Neuberger他(1983)に記載のマウス重鎖エ
ンハンサーIgEnhの使用を伴うものである。このエンハ
ンサーはプラスミドpSV-Vμ1の1kb Xbalフラグメント中
に含まれている。エンハンサー活性を与えるには、この
1kb Xbalフラグメントの700bp Xbal/EcoRIサブフラグメ
ントで十分である。
HuVkPLAP (図5a参照)である。このプラスミドの変異
体を含む大腸菌は、ブダペスト条約に基づき、1990年4
月19日にNCTC 12390として寄託されている。この寄託に
係るプラスミドはさらにヒトκ鎖不変領域遺伝子を含ん
でいる(BamHI部位にクローニングされている)。
ヒト遺伝子をM13ベクターからHindIII-BamHIフラグメン
トとして切出した。重鎖可変領域遺伝子をpSV2gpt (Mul
lingan他(1981))に基づくベクターにクローニングし、
軽鎖可変領域遺伝子をpSV2neo(Southern 他(1981))発現
ベクターにクローニングした。これらは共に免疫グロブ
リン重鎖エンハンサーIgEnhを含んでいる。pSV2gpt系抗
体発現ベクター(図4b〜図4c参照)においては、Xb
al/EcoRIエンハンサー含有フラグメントをpSV2gptベク
ターの非反復EcoRI部位にクローニングした(フラグメン
トのXbal突出末端の一重鎖部分を補充したものにEcoRI
リンカーを連結した後)。
b参照)においては、1kb Xbalエンハンサー含有フラグ
メントを、pUC12 (Vieira他(1982))にまずクローニング
して、プラスミドpUC12-IgEnh (図6参照)を得た。この
エンハンサーは次に700bp EcoRI/HindIIIフラグメント
として切出すことができる(いずれの配向のエンハンサ
ーも作用し得る)。この700bp EcoRI/HindIIIフラグメン
トはプラスミドpSVneoHuVkPLAP中に存在する。このプラ
スミドpSVneoHuVkPLAPを用いて、項目2(a)に記載のHuV
kHMFG1 含有フラグメントをクローニングした(図5a及
び図5b参照)。元のpSVneoに存在したHindIII部位は除
去されている。実際上neo選択は必要ないので、軽鎖発
現用ベクターとしてpSV2gptを用いることも可能であ
る。
akahashi他(1982))に連結し、最初にpBGS18 (Spratt他
(1986))のHindIII部位に8kb HindIIIフラグメントとし
てクローニングし、次いでBamHIフラグメントとしてpSV
2gptにクローニングした。ここで、Takahashi他(1982)
の報文には図1に誤りがあることを指摘しておく。即
ち、最後の(3′)の2か所の部位はBamHIの次にHindIII
であり、その逆ではない。このことはFlanagan他(1982)
によって確認されている。
トにクローニングしたヒトCκ不変領域(Hieter他(198
0))に連結した(図5b及び図8参照)。図8で用いたヒ
トCk源はHieter 他(1980)の報文に記載されている。胎
児DNA (γ Ch28ベクター系にクローニングしたもの)由
来の12kb BamHIフラグメントをプラスミドpBR322のBamH
I部位にサブクローニングした。
成 我々は、サブグループIのヒト可変領域遺伝子(Kabat他
(1987))をVHHMGF1のCDR(図1)と共にコードする遺伝子
を合成することに決定した。概要を述べると、合成遺伝
子は、既存のM13mp9HuVHLYSベクター中のHuVHLYS遺伝子
を置換することができるように設計した。新たに合成し
た遺伝子がKpnI-SalIフラグメントとしてクローニング
できるように、M13mp9HuVHLYSの適当な部位にKpnI部位
及びSalI部位を導入した。
り命名されており、図12に示す。この遺伝子によるM1
3mp9HuVHLYS (Verhoeyen 他(1988)、図4a参照)中のHu
VHLYS遺伝子の置換を容易にするために、遺伝子に5′及
び3′伸長部を加えた。5′伸長部はリーダーイントロン
の37bp及びリーダーエキソン(M13mp9HuVHLYS における
ものと同様)の後の半分の11bpを含んでおり、KpnI部位
を正しく5′末端に含んでいる。3′伸長部は38塩基の非
翻訳ヌクレオチド(M13mp9HuVHLYSにおけるものと同様)
を含んでおり、SalI部位で終わる。
特異的変異導入法で、M13mp9HuVHLYSを修飾して、適切
な部位にKpnI部位とSalI部位を導入した(図4a及び図
10参照)。このベクターはM13mp9HuVHLYS(K,S)と名付
けた。これにより、KpnI-SalIフラグメントとしてのHuV
HIconHFMG1遺伝子のM13mp9HuVHLYS(K,S)ベクターへのク
ローニングが可能になった。
ラグメント(カセット)として合成した後これらを一つの
完全な遺伝子として組立てることに決定した。
ちの一つを含んでおり、(既存の又は新たに導入した)非
反復制限酵素部位(図3a参照)を利用して容易にクロー
ニング又は除去することができる。各フラグメントを
5′及び3′末端にそれぞれHindIII及びBamHI部位が生ず
るように伸長させて、pEMBL9 (Dente他(1983))にクロー
ニングできるようにした。各フラグメントのコーディン
グ鎖を平均鎖長33塩基のオリゴヌクレオチドに分割し
た。同じことを非コーディング鎖についても、オリゴヌ
クレオチドがコーディング鎖のオリゴヌクレオチドとほ
ぼ50%重複するように行った。
ヌクレオチドの配列を、図3b、図3c及び図3dに示
す。
にするため各合成オリゴヌクレオチドの5′末端をリン
酸化する必要があった。リン酸化は以下の通り実施し
た。等モル量のオリゴヌクレオチド(50pmol)をプールし
て、8単位のポリヌクレオチドキナーゼを含む40μlの反
応緩衝液中において37℃で30〜45分間キナーゼ処理し
た。この反応は70℃での5分間加熱及びエタノール沈殿
で停止した。7mM Tris-Cl(pH 7.5), 10mM 2-メルカプト
エタノールを含む緩衝液30μlに上記ペレットを溶解し
てアニーリングを行い、5mM ATPを加えた。次いで、こ
の混合物を65℃の水浴に5分間入れておき、しかる後に1
時間かけて30℃に冷却した。MgCl2を終濃度が10mMとな
るように加えた。T4 DNAリガーゼ(2.5単位)を加えて混
合物を37℃に30分間(又は16℃で一晩)置いた。この後、
反応混合物を70℃で10分間加熱した。エタノール沈殿後
にペレットを消化緩衝液中に溶解してHindIII及びBamHI
で切断した。混合物を2%アガロースゲル上で分離し
て、正しく組立てられたカセットに対応する鎖長のフラ
グメントを電気泳動的に溶出して単離した。
/BamHIで切断したもの)に連結して、それぞれベクターp
UR4107、pUR4108及びpUR4109を得た。挿入部の配列は配
列分析(両方向での)でチェックした。フラグメント1を
KpnI/XhoI消化でpUR4107から単離し、他方、フラグメン
ト2をXhoI/SacI消化でpUR4108から単離して、しかる後
にこれらを、KpnI/SacIで切断しておいたpUR4109と三断
片連結法で連結した。得られたプラスミドをpUR4110と
名付けた(図4a参照)。配列分析から、挿入断片が所望
のHuVHIconHFMG1遺伝子を含んでいることが分かった。
この遺伝子を、図4b及び図4cに示す通り、pSV2gpt
由来発現ベクターにクローニングした。ベクターpSVgpt
MoVHLYS-MoIgG1 (Verhoeyen他(1988))を、IgEnh エンハ
ンサーを含有するpSVgpt系ベクターの源として使用し
た。
VneoHuVkHMFG1-HuCk(図4c及び図5b)のNSO骨髄腫細
胞への同時トランスフェクションを、PvuIでの線状化処
理後に、電気穿孔法(Potter他(1984))で行った。gpt遺
伝子産物を発現する細胞を選択するためにトランスフェ
クトーマをミコフェノール酸含有培地中で選択し、ELIS
Aアッセイで抗体産生能及び抗HMFG活性についてスクリ
ーニングした。
限界稀釈法でサブクローニングした純粋クローンを再び
抗HMFG活性についてアッセイし、最高の産生能を有する
クローンを無血清培地中で増殖させて抗体を生産させ
た。
下の通り、ブダペスト条約の規定に基づいて、1990年7
月11日付で、National Collection of Type Cultures
に寄託されている。 NCTC 12411:プラスミドpSVgptHuVHIconHMFG1-HuIgG1(寄
託用では単にpSVgpt-HuVHHMFG1-HuIgG1とされている)を
含有する大腸菌K12, TG1株 NCTC 12412:プラスミドpSVneo-HuVkHMFG1-HuCkを含有す
る大腸菌K12, TG1株
表面上に吸着させた抗原にかかるを結合させたときに改
造抗体が類似した抗体稀釈曲線を有することを示すこと
である。この曲線は、親マウス抗HMFG抗体及び上述の手
順で調製した改造ヒト抗体を用いて、以下のようにして
得た。
ーズ(Dynal社、英国Wirral)に、乳ムチン(HMFG1に対す
る免疫アッセイで測定して106単位、ここで標準ヒト血
清は100〜200単位/mlを示す)をカップリングした。乳ム
チンは、Burchell他(1987)の方法で人乳から調製した。
上記ムチン濃度は、上記ビーズによるアッセイで適当な
活性が得られるように選んだものである。カップリング
反応は、2.5mlの0.5Mホウ酸緩衝液(pH 9.5)にムチンを
含有するリン酸緩衝塩類溶液(pH 7.2, PBS)2.5mlを加
え、穏やかに振盪しながら37℃で22時間行った。残留活
性部位の遮断は、PBSA(PBS+0.02%アジ化ナトリウム)中
の10%ウシ血清アルブミン(BSAと略す, Sigma社製)を1ml
添加し、37℃でさらに7時間インキュベートして行っ
た。サマリウム・コバルト磁石でビーズを沈降させた
後、過剰のタンパク質を洗い流した。さらに洗浄用緩衝
液(0.1Mリン酸カリウムpH 8.0, 0.1% Tween 20, 0.5% B
SA)中で洗浄を3回行い、リンス用緩衝液(PBS+0.1%BSA,
0.1%メルチオレート)中で4回洗浄した。ビーズを10%(w
/v)の濃度(乾量分析で測定)でリンス用緩衝液中に保存
した。
ついて検量して調製)の2倍稀釈系列から測定した。50
μl試料を重複して微量滴定ウェル中に加え、1% BSA/
PBSM(PBS+0.01% メルチオレート)中の0.05%(w/v)ビーズ
懸濁液50μlとプレート振盪機上室温で1時間インキュベ
ートした。プラスチック製基材中に埋め込まれた小サマ
リウム・コバルト磁石を用いて、上記プレートのウェル
の面にビーズを沈降させて液体を除去し、150μlのPBST
M (PBSM+0.15% Tween 20)で1回洗浄した。この後、結合
抗体を、PBSTM 中の1% BSA溶液中に1/1000稀釈した50
μlのアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(H+L)
(Jackson社製)を用いて室温で1時間検出した。ビーズ
をPBSTMで3回洗浄した。呈色反応は、1Mジエターノル
アミン緩衝液(pH 9.8)中のリン酸ニトロフェニル(Sigma
社製のアルカリホスファターゼの基質錠剤)200μlで行
った。所定量の上清(通常150μl)を平底微量滴定ウェル
に移した後、Dynatech社製のプレートリーダーで410nm
の光学密度を測定した。マウス抗体の検定において用い
た接合抗体はウサギ抗マウスIgG(Sigma社製)であった。
釈曲線を図15に示す。最大結合活性は大過剰の抗体で
決定した。陰性対照は結合活性を全く有していなかっ
た。μg/mlで示す抗体濃度は、280nmのUV吸収測定で決
定した。いずれの抗体についても、1μg/mlのものを稀
釈率1として設定した。2つの曲線は類似しており、本
発明の改造抗体の著しくかつ有用な結合効果を示してい
る。
頁 Gibson T(1984) - PhD論文、ケンブリッジ大学LMB-MRC Gubler他(1983) - Gene, 25, 263-269頁 Hale他(1988) - Lancet, 2, 1394頁 Hieter他(1980) - Cell, 22, 197-207頁 Jones他(1986) - Nature, 321, 522-525頁 Kabat他(1987) - 「Sequences of Proteins of Immunolo
gical Interest」 (米国保健社会福祉省発行) ix頁 Mullingan他(1981) - Proc. Natn. Acad. Sci. U.S.A.,
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ードするcDNA配列を示したものである。3か所の古典的
CDRを、cDNAコードと一致するアミノ酸配列と共に示
す。
ードするcDNA配列を示したものである。
もつ合成改造VH遺伝子(HuVHIconHMFG1遺伝子カセット)
の基本構成を示したものである。
のフラグメントの構築に使用したオリゴヌクレオチドと
共に示したものである。
のフラグメントの構築に使用したオリゴヌクレオチドと
共に示したものである。
のフラグメントの構築に使用したオリゴヌクレオチドと
共に示したものである。
コードする発現ベクターを調製することのできる経路を
示したものである。
コードする発現ベクターを調製することのできる経路を
示したものである。
コードする発現ベクターを調製することのできる経路を
示したものである。
ト軽鎖をコードする発現ベクターを調製することのでき
る形質転換経路を示したものである。
ト軽鎖をコードする発現ベクターを調製することのでき
る形質転換経路を示したものである。
配列を含んでいるプラスミドpUC12-IgEnhを示したもの
である。
gG1の源を示したものである。
kの源を示したものである。
した2種類の合成オリゴヌクレオチド配列I及びIIを示
したものである。
にそれぞれKpnI及びSalI制限酵素部位を導入するために
使用した2種類の合成オリゴヌクレオチド配列III及びI
Vを示したものである。
ームワーク領域上にVk HMFG1 CDRを移入するために使用
した3種類の合成オリゴヌクレオチド配列VI、VII及びV
IIIを示したものである。
領域のcDNA及びアミノ酸配列を示したものである。
領域のcDNA及びアミノ酸配列を示したものである。
概略図として示したものである。
FG1結合活性をグラフにして示したものである。
Claims (24)
- 【請求項1】 ヒト多形上皮性ムチン(PEM)に対す
る特異性を有する改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片で
あって、該改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片が、
(i)大腸菌NCTC12411株に含まれる発現ベク
ターにより生産される重鎖と同じアミノ酸配列を有する
1以上の重鎖、及び(ii)大腸菌NCTC12412株
に含まれる発現ベクターにより生産される軽鎖と同じア
ミノ酸配列を有する1以上の軽鎖を含む改造ヒト抗体又
は改造ヒト抗体断片。 - 【請求項2】 ヒト多形上皮性ムチン(PEM)に対す
る特異性を有する改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片で
あって、該改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片が、大腸
菌NCTC12411株に含まれる発現ベクターを用い
て生産することのできる1以上の重鎖及び大腸菌NCT
C12412株に含まれる発現ベクターを用いて生産す
ることのできる1以上の軽鎖を含む、改造ヒト抗体又は
改造ヒト抗体断片。 - 【請求項3】 2つの同じ重鎖と2つの同じ軽鎖からな
る、請求項1又は2に記載の改造ヒト抗体又は改造ヒト
抗体断片。 - 【請求項4】 ガン細胞の増殖を遅延若しくは停止させ
ることのできる薬剤に結合又は組み込まれているか、又
は人間の体内で検出し得る薬剤に結合又は組み込まれて
いる、請求項1乃至3いずれか1項に記載の改造ヒト抗
体又は改造ヒト抗体断片。 - 【請求項5】 構成体が請求項1又は2項で定義された
改造ヒト抗体重鎖をコードすることを特徴とする、DN
A構成体。 - 【請求項6】 前記構成体が配列表1に表されるヌクレ
オチド配列を含むことを特徴とする、請求項5に記載の
DNA構成体。 - 【請求項7】 前記構成体が大腸菌NCTC12411
株に含まれるヌクレオチド配列を含むことを特徴とす
る、請求項5又は6に記載のDNA構成体。 - 【請求項8】 前記構成体が、請求項1又は2で定義さ
れた改造ヒト抗体軽鎖をコードすることを特徴とする、
DNA構成体。 - 【請求項9】 前記構成体が、配列表2に表されるヌク
レオチド配列を含むことを特徴とする、請求項8に記載
のDNA構成体。 - 【請求項10】 前記構成体が、大腸菌NCTC124
12株に含まれるヌクレオチド配列を含むことを特徴と
する、請求項8又は9に記載のDNA構成体。 - 【請求項11】 前記構成体が、配列表1及び2に表さ
れるヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、請求項
5乃至10いずれか1項に記載のDNA構成体。 - 【請求項12】 請求項5乃至11いずれか1項に記載
のDNA配列を含むことを特徴とする、プラスミド。 - 【請求項13】 大腸菌NCTC12411株からプラ
スミドを単離することにより得ることができる、記号p
SVgpt−HuVHHMFG1−HuIgG1を有す
ることを特徴とする、請求項12に記載のプラスミド。 - 【請求項14】 大腸菌NCTC12412株からプラ
スミドを単離することにより得ることができる、記号p
SVneo−HuVkHMFG1−HuCkを有するこ
とを特徴とする、請求項12に記載のプラスミド。 - 【請求項15】 請求項12乃至14のいずれか1項に
記載のプラスミドを含むことを特徴とする、安定な宿主
細胞系。 - 【請求項16】 前記細胞系が大腸菌NCTC1241
1株である、請求項15に記載の安定な宿主細胞系。 - 【請求項17】 前記細胞系が大腸菌NCTC1241
2株である、請求項15に記載の安定な宿主細胞系。 - 【請求項18】 大腸菌NCTC12411株に含まれ
る発現ベクターを用いて生産することのできる、HMF
Gに対する特異性を有する改造ヒト抗体重鎖可変部であ
って、該可変部は配列表1に表されるアミノ酸配列を含
む、改造ヒト抗体重鎖可変部。 - 【請求項19】 大腸菌NCTC12412株に含まれ
る発現ベクターを用いて生産することのできる、HMF
Gに対する特異性を有する改造ヒト抗体軽鎖可変部であ
って、該可変部は配列表2に表されるアミノ酸配列を含
む、改造ヒト抗体軽鎖可変部。 - 【請求項20】 請求項1乃至4いずれか1項に記載の
改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片の製造方法であっ
て、請求項12乃至14に記載のいずれか1項に記載の
1以上のプラスミドで宿主細胞系を形質転換し、形質転
換した細胞系を培養して改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体
断片を与えることを含む、製造方法。 - 【請求項21】 請求項1乃至4いずれか1項に記載の
改造ヒト抗体又は改造ヒト抗体断片を、医薬品として許
容し得るキャリア中に含む、注入可能な組成物。 - 【請求項22】 医薬用の、請求項1乃至4いずれか1
項に記載の改造ヒト抗体断片又は請求項21に記載の注
入可能な組成物。 - 【請求項23】 人間のガン治療用薬剤の製造のため
の、請求項1乃至4いずれか1項に記載の改造ヒト抗体
断片又は請求項21に記載の注入可能な組成物の使用方
法。 - 【請求項24】 人間のガン像影剤の製造のための、請
求項1乃至4いずれか1項に記載の改造ヒト抗体断片又
は請求項21に記載の注入可能な組成物の使用方法。
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