JPH09503663A - ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法 - Google Patents

ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法

Info

Publication number
JPH09503663A
JPH09503663A JP7510496A JP51049695A JPH09503663A JP H09503663 A JPH09503663 A JP H09503663A JP 7510496 A JP7510496 A JP 7510496A JP 51049695 A JP51049695 A JP 51049695A JP H09503663 A JPH09503663 A JP H09503663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
cancer
human
cells
amino acids
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7510496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3831408B2 (ja
Inventor
ジェイ ジェイ アール ドコウト
エル セリアーニ ロベルト
エイ ピーター ソン ジェリー
Original Assignee
クールター コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クールター コーポレイション filed Critical クールター コーポレイション
Publication of JPH09503663A publication Critical patent/JPH09503663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3831408B2 publication Critical patent/JP3831408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/30Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants from tumour cells
    • C07K16/3015Breast
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗KC−4ネズミ抗体のL鎖およびH鎖の可変領域およびヒト抗体の不変領域を有し、可変領域において、そのフレームワーク領域中で、L鎖はネズミ以外の種の抗体中の対応する位置に存在するアミノ酸によって置換されているアミノ酸を7個有し、H鎖は前記置換されているアミノ酸を12個有する抗KC−4ヒト化モノクローナル抗体を提供する。このモノクローナル抗体は標識化および/またはグリコシル化することができ、またこのモノクローナル抗体は担体との組成物とすることができる。このモノクローナル抗体は、ガン診断用キットに使用され、また一次ガンまたは転移ガンを画像化および処置するインビボ方法、インビボ診断方法および体液から腫瘍細胞を追放する半ビボ方法に使用される。RNAおよびDNAはこのモノクローナル抗体を暗号化し、ヌクレオチドを含むハイブリッドベクターおよびトランスフェクションした細胞はペプチドを発現させる。

Description

【発明の詳細な説明】 ハイブリドーマおよび抗KC-4ヒト化モノクローナル抗体ならびに この抗体を暗号化するDNAおよびRNA、キットならびに診断方法 および治療方法発明の分野 本発明は、ヒトKC-4抗原に選択的に結合する特異的に標的化したヒト化マウス モノクローナル抗体による、ガン腫のインビトロおよびインビボ診断ならびに治 療に関連する。ヒト化抗KC-4マウス抗体には、ヒトと同一の特異性を有するマウ ス抗体の可変領域の相補性決定領域(CDR)、および所定の方法で置換された特異 的アミノ酸を有するマウスのフレームワーク領域、およびヒト抗体の不変領域が 含まれる。本発明のヒト化抗KC-4マウス抗体は、ヒトにおける免疫応答を完全な マウス抗体よりも少なくさせると考えられ、従って、ヒトへのインビボ投与に適 切であると考えられる。ヒト化抗体を暗号化するポリヌクレオチドセグメント、 ハイブリッドベクターおよびヒト化抗体を暗号化するDNAセグメントを有するト ランスフェクションした宿主細胞は、本明細書に開示されたペプチドを調製する のに有用である。背景の説明 ガン腫は、種々の上皮細胞の発ガン性形質転換から生じる。ガン腫の最も有害 な特性のうち、2つは、それらが制御不能に増殖し、宿主、特にヒト宿主の離れ た部位に転移することができることである。通常、宿主に深刻な結果をもたらす のは、これらの遠くの転移である。その理由は、ほとんどの場合、最初のガン腫 は外科手術により除去できることが多いからである。転移ガン腫の処置は、めっ たに除去できず、光線療法および異なる性質の系統的療法による。系統的療法に は目下、すべてが含まれるわけではないが、化学療法、放射線、ホルモン療法、 種々の免疫ブースト薬および方法、高熱および系統的モノクローナル抗体処理が 含まれる。後者の系統的モノクローナル抗体処理は、放射性元素、免疫毒素およ び化学療法医薬を用いて標識することができる。 放射線で標識化したモノクローナル抗体をリンパ腫、白血病、およびいくつか のガン腫に用いた。標識した抗体の使用の基調となる概念は、標識した抗体がガ ン腫を特異的に求め、これに結合し、さらに放射性元素が、その崩壊により、イ ンシトゥで腫瘍を照射することである。放射線は腫瘍中でいくらか離れた距離を 通過するため、すべてのガン腫細胞が標識抗体に結合する必要はない。モノクロ ーナル抗体の特異性により、腫瘍を選択的に処置することができるとともに、投 与量が制限されることがある、悪性でない傍観者のような正常組織の照射を避け ることができる。ガン腫の化学療法は正常組織に深刻な毒性作用を及ぼす。この 作用は、全く望ましくなく、放射性物質で標識したモノクローナル抗体の使用を 妥当な代案とする。 ヒトエピトープに対して生じた非ヒト抗体を、従来技術で知られているように して、ガン腫の診断および治療に用いた。ポリクローナル抗体およびモノクロー ナル抗体を調製するための方法も知られている。後者のモノクローナル抗体の例 は、BrE-2、BrE-3およびKC-4(例えば、米国特許第5,077,220号;第5,075,219号 および第4,708,930号)である。KC-4ネズミモノクローナル抗体は、特有の抗原 決定基、”抗原”に特異的であり、および新生物のガン腫細胞には選択的に強く 結合するが、正常なヒト組織には結合しない(クールターへの米国特許第4,708, 930号)。この抗原は2つの形態でガン腫細胞に現れる。これらの形態のうち小 さい方だけがその細胞膜中に発現される。一層大きな形態のものは細胞質中にだ け現れ、約490キロダルトンの分子量(480,000〜510,000の範囲)を有する。第 2の形態のものは、高密度の発現で発生し、ガン腫細胞の細胞質および膜で見出 され、既知の分子量のマーカータンパク質を用いたゲル電気泳動により決定した 約438キロダルトンの分子量(390,000〜450,000の範囲)を有する。標識したKC- 4を、種々のガン腫、特に起源のヒト器官部位によらず、腺ガンおよび扁平上皮 細胞ガン腫の診断および医療処置に適用された。 BrE-3抗体(Peterson et al.、「Hybridoma 9:221(1990)」;米国特許第5,0 75,219号)には、ヒト胸部上皮組織ムチンのポリペプチドコアのタンデム(双頭 )リピート(繰り返し)に結合することが示されている。このムチンを脱グリコ シル化する場合、一層多くのタンデムリピートエピトープの存在があらわに なり、抗体の結合が増加する。したがって、BrE-3のような抗体は、新生物のガ ン腫の腫瘍に選択的に結合する。その理由は、これらの腫瘍が、正常な上皮組織 に発現されない、グリコシル化されていない形態の胸部上皮組織ムチンを発現す るからである。ガン腫患者、例えば胸部ガン患者の循環系中の、これらの抗体に 対する、観察された低濃度のエピトープに結合するこの選択的結合は、ムチンエ ピトープに対する特異性を有する抗体に、極めて効果的なガン腫の放射免疫療法 を構成させる。90Y-BrE-3放射免疫結合体は、ヌードマウスに移植されたヒト胸 部ガン腫に対して極めて効果的であることが証明された。ヒトの臨床研究は、90 Y-BrE-3放射免疫結合体が、何らの急性の毒性副作用を生じずに、胸部腫瘍転移 の大きさを著しく減少させることが示された。さらに、111In-BrE-3放射免疫結 合体は、15名の胸部ガン患者を画像化するために用いるのに都合がよく、15名中 13名の患者に優れた腫瘍ターゲッティングを提供した。他の研究において発生す るすべての胸部腫瘍移転のうち、86%が111In-BrE-3により検出された。不運に も、これらの患者は、処置後2〜3週間で、この放射免疫結合体をさらに投与す ることが妨げられる、強いヒト抗ネズミ抗体(HAMA)応答を発現した。多数のネズ ミモノクローナル抗体について観察されたこの応答は、ヒト患者に対しこれらの ネズミモノクローナル抗体の長期間投与を排除する。他の異種抗体を、ヒトに投 与した場合、同様の抗体応答が導かれる。このことは、抗異種ヒト応答が、治療 剤としての異種抗体の好結果をもたらす使用を妨げる、実質的な制限因子である ことを示す。 キメラ抗体を、ある種の可変領域と他の種の不変領域との間で直接に融合する 。ネズミ/ヒトキメラ抗体を他の種類の抗原決定基に結合する他の種類のB細胞 から調製する。このキメラ抗体は、ヒトにおいて、完全なネズミ抗体よりも免疫 原性が少ないことが示された。これらのことは、免疫原性が少ないことを証明す る。しかし、いくつかの場合には、免疫応答がげっし動物の可変領域のフレーム ワーク領域(FR)に固定されている。キメラ抗体の”外来の”特性をさらに減少さ せることは、げっし動物モノクローナルから、ヒトの支持フレームワークへ、適 切な不変ドメインとその後に融合するのに先立ち、CDRだけを移植することによ り達成することができる、(Winterへの欧州特許出願、公開第239,400号;Riech man n、et al.、「Nature 332:323〜327(1988)」)。しかし、CDR移植を行うのに用 いる方法は、不完全な”ヒト化”抗体を生じることが多い。すなわち、得られた 抗体は親和性を失う(通常、せいぜい2〜3倍)。 抗体結合部位の配位子結合特性は、CDRの構造および相対的配置により本質的 に決まる。しかし、また、いくつかの隣接する残基は、抗原の結合に関与するこ とが見出された(Davies、et al.、「Ann.Rev.Biochem.59:439〜473(1990) 」)。 分子生物学の技術は、クラス切替え分子の創作を可能にすることにより、多く の抗体の有用性をさらに拡げた。これらの分子の機能性は、補体結合の取得また は損失により改良された。また、生物活性分子の大きさを減少させ、IgMからIgG へのクラス変え、または、ほとんどのH鎖およびL鎖の不変領域を除去し、Fv抗 体を形成することにより、この抗体の組織標的有効性を増加させることができる 。これらの潜在的な治療上の形態の抗体のすべてに共通するものは、要求される 相補性決定領域(CDR)であり、この領域は、分子をその配位子に導き、およびこ れらのCDRを支持し、それらの相互の相対的配置を指図するフレームワーク領域( FR)である。多数の抗体構造の結晶学的な分析は、この抗原結合部位が、制限さ れた数のループモチーフ中に配置されたほぼ完全なCDR領域を含むことを示した 。これらの構造を形成するためのCDRの必要性は、認められるそれらの一次配列 の超変化性と組合わされ、抗原結合部位に著しい多様性をもたらす。しかし、有 限の数の可能性を有する。このように、各CDRについての超可変性および制限さ れた一次配列レパートリーは、ある種の動物からの所定の抗原について誘導され たCDRが、他の種から誘導したものと同一であることを示唆する。したがって、 それらの抗体は、受容生物に与える場合、あったとしても、ごくわずかの免疫原 性しか有していない必要がある。 したがって、高い親和性、およびガン腫抗原のための特異性のいずれか一方、 または双方を有し、この特異性がガン腫の検出および治療に適切である生成物に ついての必要性がなお存在する。この生成物は、完全な非ヒト抗体もしくは、例 えば非ヒト可変領域全体を含むキメラ抗体よりも少ない抗体応答を導き出す。発明の開示 本発明は、ヒト化マウスモノクローナル抗体およびその抗体のグリコシル化し た誘導体、この誘導体は、ヒトKC-4抗原に特異的におよび選択的に結合し、この 抗体は、ATCC寄託番号HB 8710またはHB 8709を有する抗KC-4マウス抗体のL鎖お よびH鎖の可変領域、この領域中では、FR中の特異的なアミノ酸は、他の種の抗 体中の同等の位置に存在するアミノ酸と鎖により置換され、およびヒト抗体の不 変領域から本質的に構成される。 また、モノクローナル抗体を暗号化する対応のDNAおよびRNAセグメント、この DNAを含むハイブリッドベクター、およびそのベクターでトランスフェクション した宿主を提供する。 なお、本発明の一部は、ガンをインビトロで診断する方法、および組織スライ スの免疫組織化学的アッセイを行う方法、新生物細胞を除去する半ビボでの方法 、ならびにガン患者の画像化および治療のためのインビボでの方法である。 本発明の他の目的、利点および特徴は、以下の説明から当業者に明らかとなる 。好適例の説明 本発明は、診断および治療上の適用、特にインビボ投与について用いるのに適 切な抗体技術を改良するため、本発明者等による要求から生じた。現在までに得 られた有用なモノクローナル抗体は、不死化した細胞系をマウスまたは他の動物 起源のB細胞と融合することにより調製した。しかし、一般に、異種抗体は、こ れらが引き起こす有害な免疫学的作用のため、ヒトに一回だけしか投与すること ができない。このことは、投与されたほとんどの異種抗体についても当てはまる 。例えば、患者にネズミ抗体を繰り返し投与することで、強いヒト抗ネズミ抗体 (HAMA)応答が引き起こされる。この応答は、ヒトにおける治療薬としてのこれら 抗体のさらなる利用を妨げる。これらの異種抗体は多くのヒト患者に即時の不利 な反応を起こし、したがって、治療薬としてのさらなる投与を無効にする。他方 、ヒトのモノクローナルハイブリドーマ細胞系はあまり安定でなく、したがって 、モノクローナル抗体の大規模な繰り返し製造に適切でない。 したがって、本発明者は、ヒトと同一の特異性を有するマウス抗体の全CDRお よびヒト不変領域を保持し、また、H鎖中の7個のアミノ酸およびL鎖中の12個 のアミノ酸を置換し、これらの置換したアミノ酸は、フレームワーク領域(FR)に 位置し、他のヒト抗体中で同等の位置に存在するものから選択し、およびヒト抗 体の不変領域を保持する抗KC-4ヒト化モノクローナル抗体の調製を行った。本発 明のハイブリドーマは、ヒトKC-4抗原についての、所望の高い親和性、特異性お よび選択性を有する大量のモノクローナル抗体を生産することができる。 驚くべきことに、本発明者は、これらのモノクローナル抗体がすべての対応マ ウス抗体の結合、特異性および選択性を実質的に保有し、これらの抗体が深刻な 免疫応答をわずかにしか導かないと考えられることを見出した。しかし、抗体の 結合領域のそのままの保存は、抗体の結合特性が維持されることを、それ自体に よっては保証しない。抗体は、所定のコンフォメーションに折り畳まれたグリコ ポリペプチドである。分子のグリコシド部分またはアミノ酸配列の一部が不安定 になるか、または削られる場合、この分子の折り畳みパターンは不安定になるこ とがある。したがって、抗体の配列の欠失または変更は、折り畳みが実質的に影 響を及ぼされ場合、たとえ抗原の結合に関連するアミノ酸配列が保存されていよ うが、特性に依存するその折り畳みが、縮小されるか、または抹消されることも あることを考慮しなければならない。 本発明者は、本発明の抗体の調製および製造のための次の戦略を選定した。抗 体の可変鎖を暗号化するcDNAは、ハイブリドーマ細胞からmRNAを単離し、これら のmRNAを逆転写することにより得ことができる。このようにして得たcDNAをポリ メラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、得られたDNAをベクター中に挿入すること ができ、また、随意に配列決定し、制限酵素で切断することができる。このよう に、ヒトKC-4抗原に対する親和性および特異性を有する抗体のL(VL)鎖およびH (VH)鎖の可変鎖(FV)領域を暗号化するcDNAを、単離したmRNAから逆転写すること ができる。次いで、可変領域のcDNAを、cDNAをPCR増幅するのに用いる予め設計 したプライマを用いるか、または改めて合成して、変更し、ヒト不変領域を暗号 化するDNA配列を随意に有するベクター中にクローニングし、随意に配列決定し 、さらに次いで、ヒト化抗LC-4抗体の発現のための宿主細胞にトランスフェクシ ョンすることができる。次いで、ヒト化抗体の結合特異性および結合定 数を測定し、完全なマウス抗体の性質と比較することができる。 X線結晶学上の研究は、種々の抗体のFVのフレームワーク構造が、起源である 種、アミノ酸配列、または配位子の特異性にかかわらず、標準構造を呈すること を示す。このことは、一般に、抗体結合部位の配位子結合特性がCDRの構造およ び相対配置により本質的に決定されることの証拠となるが、また、いくつかの隣 接フレームワーク残基が抗原結合に関連することがある。したがって、抗体の優 れた特異性が保持されるべきである場合、その抗体のCDR構造、および一部の隣 接残基、相互とのおよび可変ドメインの残部との相互作用も維持されなければな らない。これらの結晶学上の研究は、ほとんどの、すべてではないが、多くの内 部および中間ドメイン接触残基を保持するための起こりうる要求を示す。その理 由は、これらの残基のわずかだけを置換することの構造的作用を、予測すること ができないからである。 まず、これらのアミノ酸を保持する必要性は、”ヒト化”により免疫原性を減 少させる目的を無効にすると考えることができるが、保持されなければならない 実際のアミノ酸の数は、本発明者により少ないことが測定された。この理由は、 ヒトとネズミの可変領域の間に著しい類似性があるからである。さらに、多くの 、ほとんどではないが、保持されたアミノ酸は、分子の表面上に現れない側鎖を 有し、したがって、その抗原性に寄与することはない。明らかに、ほとんどの露 出したアミノ酸が置換のための良好な候補となる。その理由は、これらのアミノ 酸が、哺乳動物の免疫学的環境に曝され、免疫原性の増加したエピトープを形式 することができるからである。 したがって、抗KC-4マウス抗体の可変領域をヒト化する試験は、”重要な”異 種アミノ酸の確認に始まる。”重要な”アミノ酸は、本明細書で定義する。例え ば、抗原結合に関連し、CDRおよび反対の鎖に接触し、さらに側鎖が埋め込まれ たものである。理想的には、これらの残基は、よく特徴付けられた三次元構造か ら確認することができる。しかし、本発明の場合のように、直接的な構造データ が利用できない場合、本発明者は、幸運にも、他の関連する抗体構造、特に、こ の構造の可変L鎖およびH鎖領域が同じクラスに属する構造を、分析することに より、これらの重要なアミノ酸の位置を予測することができるようにした。可変 領域のクラスは、それらのアミノ酸配列から決定することができる。 これらの重要なアミノ酸を確認することができる1つの方法は、Padlan,E.A .により、埋め込まれた側鎖を有するアミノ酸の場合について、説明されている 〔Padlan,E.A.の"A Possible Procedure for Reducing the Immunogenicity of Antibody Variable Domains While Preserving Their Ligand-Binding Prope rties"、「Molecular Immunology、28:489〜494(1991)」〕。本発明の場合、種 々の抗体の可変領域構造を、コンピュータ化したプログラムを用いて比較した。 このプログラムは、Padlan,E.A.(1991)の上述の文献に記載されているように 、フレームワーク残基の溶媒アクセシビリティ、ならびに反対のドメインとの接 触を測定する。驚くべきことに、分別溶媒アクセシビリティの精密な試験は、VH ドメインおよびVLドメインの露出パターンに極めて密接な類似性があることを明 らかにする。問題の所定の抗体にかかわらず、そのアミノ酸配列を挿入すること により、本発明者は、これらの埋め込まれた残基が、ほとんどの抗体中で、類似 した相対的位置を占めることを見出した。 同様の分析は、コンピュータモデリングにより行い、アミノ酸がCDRに接触し 、反対のドメインに接触することを測定することができる。この点については、 タンパク質データバンク〔Bernstein,F.C.、et al.の、「J.Mol.Biol.112 :535〜542(1977)」〕に目下記載されているFab構造を、試験して、FRが結合部 位の構造を維持するのに重要であるかもしれないことを測定することができる。 したがって、可変領域の多くの高解像度三次元構造を精密に検査した後、すべて の重要なフレームワークアミノ酸の位置、すなわち、CDR、反対のドメインに接 触するもの、および側鎖が内部に向けられるものを表に示すことができる。配位 子結合に関連することがあるこれらのアミノ酸、ならびにCDRからのアミノ酸、 および最終的なこれらのFRアミノ酸は、大部分の親和性を保存することが保証さ れるべきである。配位子結合に関連するFRアミノ酸の正確な確認を一般化するこ とはできない。その理由は、このアミノ酸が種々の抗体について変化するからで ある。やはり、保存性の決定は、抗原と接触する高い能力を有する、FR中に位置 するアミノ酸を保存させることができる。一般に、これらの領域は、CDRのすぐ 近くに隣接して、両鎖のN末端に位置する。その理由は、これらの領域の表面が CDR表面と接触するからである。 驚くべきことに、異種のヒト化抗体中のこれらの重要なアミノ酸のすべてを保 持し、ヒトのコンセンサス配列との類似性をさらに劇的に増加させることができ る。すなわち、保持されているヒトのアイデンティティと異なるネズミのアイデ ンティティを有する最終的な数のアミノ酸は、代表的に小さい。この理由は、ネ ズミのフレームワークに類似したヒトのフレームワークを、特に重要なアミノ酸 の位置で見出すことができるからであると思われる。この理由は、多くの重要な アミノ酸が、ネズミの抗体とヒトの抗体との両者で同一のアイデンティティを有 するからである。 上述した方法により重要でないと測定されたすべてのアミノ酸は、それらの対 応するヒトの相対物により置換することができる。最終的にヒト化した抗体の表 面は、抗原結合表面を除き、ヒト抗体の表面と非常に似ているように見える必要 がある。しかし、これらの結合表面の最初の形を、無傷の抗体の内部組成物を放 出させ、中間ドメイン接触を保存し、およびCDRと接触する極めて少ない要所の アミノ酸を保持することにより、維持する。 a)抗体の構造が既知の場合に、抗体の”ヒト化”に用いるための、最良のヒト フレームワークの選択 目下、原子配位が知られており、次の表1に示すようなタンパク質データバン クに配列された11種、ヒト抗体からの2種およびネズミ抗体からの9種のFab構 造がある。 11種のFabの可変ドメイン中の側鎖間の接触物を、収集して次の表2〜4に示 す。CDRと接触するVLドメイン中のフレームワーク(FR)アミノ酸を、次の表2に 示す。 CDRと接触するVHドメイン中のこれらのFRを、次の表3に示す。 FRアミノ酸、これは反対のドメインと接触し、おそらく主として、FVドメイン の四次構造の原因であるものを、次の表4に示す。 埋め込まれた、VLドメイン中の内部へ向かうFRアミノ酸、すなわち、ドメイン 内部に位置するものを、次の表5に示す。 VHドメイン中のものを次の表6に示す。 上記のことから、次のことが考えられる。 (1) CDRもしくは反対のドメインのいずれかと接触するか、またはドメイン内 部に見出される多くのFRアミノ酸がある。 (2) これらのFRアミノ酸は、結合部位の構造、したがって抗体の抗原結合特性 に影響を及ぼすことができ、抗原ごとに異なる。 これらの結果から、ある種の構造は、すべてのヒト化プロトコルの完全な、し かも唯一の基礎としてはたらくことができないことが明らかである。実際、上記 表1に示す9種のネズミ抗体を、その配位子結合特性を保持する目的でCDR移植 することにより、”ヒト化”するために、上記表2〜6に示したFRアミノ酸を維 持する必要がある。 免疫グロブリン配列の表〔Kabat et al.、"Sequences of Proteins of Immuno logical Interest"、5版、米国保健社会福祉省編、NIH出版番号91-3242(1991) 〕による検索は、ヒト可変ドメイン配列が、次の表7に示すような、保存される のに必要な、ほとんどのFRアミノ酸をすでに有していることが知られていること を示す。 これらのヒト配列は、ネズミ抗体に、すべて、またはフレームワーク領域にお いてだけ、最も似ている抗体である必要はない。しかし、共通の最大数の重要ア ミノ酸を有する抗体である必要がある。この後者の配列は、上記表7に含まれて いる。 上記表7に示すような、ネズミ抗体の”ヒト化”版中の重要なFRアミノ酸のす べてを有するように、さらに、保持する必要があるネズミアミノ酸の数は、21( HyHEL-5のための:VH中の12個およびVL中の9個)〜5(B1312のための:VH中の 2個およびVL中の3個)である。これらのアミノ酸の数は、あまり多くなく、お そらく、得られるヒト化分子は、ほとんど、またはすべてのそれらの配位子結合 特性を保持すると考えられる。Kobat,et al.の上記文献(1991)の編集物に含ま れない、これらのネズミのドメインに、なお一層類似する他のヒト配列が存在す る可能性がある。より一層多くの配列が入手できる場合、これらの配列も組み入 れて、抗体をヒト化するのに使用する、有効な基礎データの集積を改良すること ができる。 b)抗体の構造が既知でない場合に、抗体の”ヒト化”に用いるための最良のヒ トフレームワークの選択 三次元構造がない状態で、結合部位構造を維持するのに重要なFRアミノ酸の確 認は、容易には行えない。しかし、いくつかの提案を、次の表8および9におい てVLドメインおよびVHドメインについて収集した、上記表2〜6に示したデータ から行うことができる。 上記表8および9から、多くの重要なFRアミノ酸がCDRの側面に位置すること がわかる。これらの側面位置の中には、上記の表4にしめすような反対のドメイ ンとの接触に関連するFRアミノ酸のほとんど、および上記表2および3に示すよ うなCDRと接触する多くのアミノ酸がある。さらに、抗原への結合に関係するこ とが観察されたほとんどすべてのFRアミノ酸〔Amit,A.G.、et al.、「Scienc e」233:747〜753(1986);Sheriff、et al.、「P.N.A.S.(USA)」82:1104〜 1107(1987);Padlan,E.A.、et al.、「P.N.A.S.(USA)」86:5938〜5942( 1989);Tulip、et al.、「Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.」54:257 〜263(1989);Bentley、et al.、「Nature(London)」348:254〜257(1990)〕は 、これらのフランキング領域中にある。したがって、ヒト化中に、CDRだけでな く、CDRのすぐ近くに隣接するいくつかの残基が保持される。このことは、一層 多くの最初の抗体の配位子結合特性を保持する良好な機会を提供する。また、両 方の鎖のNH2-末端中の最初のわずかなアミノ酸も保持される場合、マウス抗体の 抗原結合特性を保持する見込みは、なお一層大きい。この理由は、それらのアミ ノ酸のいくつかが、上記表2および3に示されているようにCDRと接触すること が見出されるからである。さらに、上記表8および9には、本明細書で試験した すべての例において構造的に重要であると考えられる、他の多くのフレームワー ク位置が示されている。これらの位置のネズミ残基は、おそらく良好に保持され る必要がある。 あるいはまた、ヒト抗体中に通常見出される残基とは異なる、フレームワーク 領域中のこれらの露出した残基を、簡単に置換することにより、抗原結合特性を 保持しながら、免疫原性を減少させることができる〔Padlan,E.A.(1991)、上 記文献〕。このことにより、内部の、抗原結合特性に影響を及ぼす接触残基を保 持しながら、抗KC-4ネズミ抗体の表面をヒト化する。外部残基の賢明なる置換は 、これらのドメインの内部に、または中間ドメイン接触にほとんど、または全く 影響を及ぼさない必要がある。例えば、J539、ネズミIgA(κ)およびKOLのFV sの 溶媒アクセシビリティパターンは、極めて類似していることが見出された〔Padl an,E.A.(1991)、上記文献〕。 目下、35種以上の異なるFab構造を、X線回折分析により解明した。しかし、1 1種の原子配位だけが、一般に上記表1に示すようなタンパク質データバンクに 示されている。ほとんどの有効な構造は、培地分解能(medium resolution)につ いて分析し、いくつかの構造は、限定した範囲についてだけ詳細に論じた。結局 、一層多くの、しかも一層良好に詳細に論じられた構造に関する原子配位が有用 になり、結果として、”重要な”FRをなお容易に評価することができる。このこ とにより、ヒト化抗体の配列を決定するための、本発明の方法の理論的に予測さ れる記録が改良される。 ヒト化抗KC-4ネズミ抗体の設計を、次に示す段階において達成する。 1−既知の構造のネズミモデルの選定 2−ヒトFRの選定 3−ネズミ/ヒト抗体の相違点の確認 4−重要なネズミアミノ酸の確認 (1) 既知構造の異種モデルの選定 所望の特異性を有する抗体のVHドメインおよびVLドメインを、Kabat et al.(1 991)の、上記文献に従って分類する。次いで、他のヒト抗体を選定することがで きる。このヒト抗体の構造は決定されたもので、この抗体の可変領域は、同一の クラスおよびサブクラスに属する。問題のネズミ抗体を、かかる構造に関してモ デリングすることは、最大の成功の機会を保証する。しかし、このことは絶対に 必要なことではない。その理由は、重要なアミノ酸の相対的位置が、異なるクラ スの可変領域でも著しく変化するからである。したがって、完全に適合させ ないで、この方法を適用して、本発明のヒト化抗KC-4抗体を設計する。ネズミの モデルを選定すれば、このモデルを適用して、ヒト化すべきネズミ抗体中の重要 な残基の位置を確認することができる。表2、3、4、5、6、8および9には 、構造が高解像度レベルまで測定された、種々の抗体中の重要なアミノ酸の位置 が示されている。 (2) 標的種のFRの選定 理論的に、標的種のフレームワークは、コンセンサスフレームワークであるべ きである。すなわち、このフレームワークは、同一クラスのすべてのヒトフレー ムワークと共通な最大数のアミノ酸を有する。このことは、ヒト化の目的が、設 計したヒト化抗KC-4抗体に対する免疫応答の発生を防止することであるため、重 要である。 選定された標的種のフレームワークは、最初のネズミ抗体と最大数の重要なア ミノ酸を共有する。したがって、ヒトFRの選定において、重要なアミノ酸の間の 類似性は、全体の類似性より重要である。 実際、ネズミの可変鎖の配列は、抗KC-4ネズミ抗体のすべての可変領域クラス からのコンセンサス配列と直線状に並び、ネズミ抗体から保持されなければなら ないアミノ酸中の相違点の数が評価された。次いで、最小の数の相違点が評価さ れたヒトのコンセンサス配列を選択する。これらの配列は最良の抗体候補である 。相違点が少ないが、上記の配列よりも多い他の配列も適切であることがあり、 これらの配列を保存プール等に入れる。選定したフレームワークに余りに多くの 相違点がある場合(例えば、16以上)、次に、表にしたすべてのヒトのフレーム ワークを用いて同一の配列方法を繰り返して、ネズミ配列との類似性が、重要な アミノ酸の位置で最大にされる所定のヒトフレームワークを見出すことができる 。したがって、最も好ましくは、標的種のFRは、コンセンサス配列である必要が ある。次に好ましくは、共通のヒト抗体のフレームワークであり、最後に、任意 のヒト抗体のフレームワークである。 (3) ネズミ/ヒト抗体の相違点の確認 次いで、ネズミ配列をヒトの配列と並べ、ネズミのフレームワークとヒトのフ レームワークとで異なる、すべてのアミノ酸の位置を表に示す。かかる表には、 抗KC-4ネズミ抗体のヒト化のために変更することができる最大数のアミノ酸が含 まれる(以下に示す表19を参照)。これらのすべての変更を行うべき場合、いわ ゆるCDR移植抗体が得られる。すなわち、最初のCDRが、抗KC-4ネズミ抗体から保 持されるにすぎない。CDR移植抗体のそれ自体による親和性は、最初の抗KC-4ネ ズミ抗体の親和性より著しく小さい。最初の親和性を維持するための見込みを最 大にするために、すべての重要なアミノ酸の同一性を保存しなければならない。 (4) 重要なネズミのアミノ酸の確認 抗体をヒト化するための最初の工程において、工程1で選定した抗KC-4ネズミ 抗体中で、相応じて重要なアミノ酸を保持する。しかし、次の工程で、他のネズ ミ抗体またはヒト抗体中で重要な位置を占めることが示されたアミノ酸も保持し 、したがって、変異させる候補の群から取り出すことができる。第2の工程は、 問題のアミノ酸がCDRまたはその反対の鎖と接触することになるすべての可能性 を避ける場合、特に適切である。重要なネズミのアミノ酸を確認すると、DNA配 列を突然変異させて、他のすべてのアミノ酸を変更することができる。これらの アミノ酸のほとんどの部分は、露出した位置を占有する。 本発明の方法は、本明細書の以下に示す具体的な開示で、抗KC-4マウス可変領 域とヒト不変領域とからなるキメラ抗体から始める、抗KC-4ネズミ抗体のヒト化 に用いられる。ネズミおよびヒト抗体は、その三次元構造が高解像度で予測され 、このネズミ抗体をヒト化するために、置換すべきアミノ酸の選定において、案 内として用いられた。データバンクからの他のネズミ抗体についての情報を、以 下に示す具体的な開示で使用し、ヒトのアミノ酸を用いて抗KC-4ネズミ−ヒトキ メラ抗体を変化させた。 次いで、抗KC-4ヒト化可変領域を暗号化するcDNAを、同一プロモータ下に配置 したヒト抗体の不変領域を暗号化する配列を含むベクター中にクローニングした 。これが、本発明の具体的な開示において使用したクローニング戦略であるが、 この技術分野で知られている他の方法を、同時発現等のように用いることができ る。本明細書に示した具体的な開示において、抗KC-4ネズミ−ヒトキメラ抗体を 、抗KC-4ネズミ可変ドメインのDNAをハイブリッドベクターにクローニングした ヒトの不変ドメイン(エフェクター剤)に結合することにより構成し、さらにこ のベ クターをミエローマ細胞にトランスフェクションすることにより、生成物を発現 させた。次いで、キメラ抗体の可変領域をDNAレベルで変更し、ヒト化キメラ抗 体を得た。これらのペプチドの可変領域に対する変更は、通常のように調整する プライマを用いるPCR増幅によるか、またはDNA合成により行い、所望の突然変異 を起こすことができる。 以下に例示した抗KC-4ヒト化抗体には、抗KC-4ネズミ/ヒトキメラ抗体のヒト 化した可変領域(クールター社への米国特許第4,708,930号に、抗KC-4マウス抗 体技術が開示されている)と、ヒト抗体のカッパおよびガンマ1不変領域が含ま れる。これらのヒト化抗体を、それらの分子量および結合特性により特徴付け、 これらのヒト化抗体は、KC-4抗原についての対応するネズミおよびキメラ抗体と 十分に競合するか、またはこれら抗体より良好であることが示された。これらの ヒト化抗体は、ABC免疫ペルオキシダーゼ法により、正常な胸部、肺、結腸およ び子宮内膜への結合が弱く、ガン腫組織部分には強く結合することが示された。 未変更ペプチドのCDRおよびFR領域(ネズミFV領域)ならびにエフェクター剤( ヒトFC領域)の部分は、いずれの場合においても、それらが得られたネズミおよ びヒト抗体のものと実質的に同一であることが示された。任意の非ヒト不変領域 配列を欠く、本発明の抗KC-4ヒト化抗体は、全部のネズミ抗体またはこれらネズ ミ抗体から誘導したキメラ抗体よりも少ない外来抗原性エピトープを有する。し たがって、これらの抗体は、対応する全部のネズミ抗体よりも、およびネズミ/ ヒトキメラ抗体よりもなお少ない、ヒトにおける複雑な免疫原性応答しか引き出 さないと考えられる。しかし、本発明に先立ち、どの範囲の部分のネズミFRアミ ノ酸が、CDRの結合特性を変更させずに、置換することができるかは、予測でき なかった。その理由は、CDRと抗原の結合に影響する、内部領域の実質的なコン フォメーション変化がアミノ酸配列の変更の際に発生するからである。 このように、本発明の、実質的に純粋な、単離した抗KC-4ヒト化抗体は、米国 特許第4,708,930号に記載されているヒトKC-4抗原に、特異的に、しかも選択的 に結合する。この抗体は、L鎖およびH鎖を含む。これらの鎖は、抗KC-4ネズミ 抗体のL鎖およびH鎖の可変領域から基本的に構成され、これらの鎖は、他の種 の抗体中の同等の位置に存在する、L鎖についての7個のアミノ酸を置換し、お よびH鎖について12個のアミノ酸を置換したものである。さらに、この抗体はヒ ト抗体の不変領域を含む。 本明細書に記載したヒト化法を設定し、導入したアミノ酸から得られる抗原結 合親和性の潜在的な損失を最小にする。本明細書に記載した抗KC-4ヒト化抗体の 場合には、7個のアミノ酸の変更をL鎖の可変領域に導入し、12個のアミノ酸の 変更をH鎖の可変領域で行った。さらに、ヒト化抗体に対する免疫応答を最小に するため、適切なヒト可変領域のすべてのコンセンサス配列を含む、標的ヒトア ミノ酸配列を用いた。本発明の特に好ましい1つの例では、抗KC-4ヒト化抗体は 、表24のアミノ酸配列番号50、および表25の配列番号51のいずれか一方または双 方から本質的になる。 本発明のヒト化モノクローナル抗体は、ペプチドそのもの、またはグリコシル 化した形態のいずれかとして提供する。グリコシル化した形態で提供する場合、 グリコシル残基を結合したこれらの抗体を、真核細胞で発現させることにより提 供した。原核細胞中でクローニングして発現させる場合、ペプチドそのものが提 供され、その後、例えば、従来技術として知られているような、グリコシルトラ ンスフェラーゼを用いて、グリコシル残基を付加することができる。 また、本発明の抗KC−4ヒト化抗体には、この技術分野における既知の方法 によって、放射性同位元素を付けることができる。 最も好ましい例においては、抗KC−4ヒト化抗体は、1933年9月23日 付けブタペスト条約に従って寄託されたATCC受託番号HB11,455(H uKC4V2)を有するハイブリドーマ細胞系によって発現されるヒト化抗体か らなる。このハイブリドーマは発明者等の知っている本発明の最良モードとして 寄託されている。 また、本発明の抗KC−4ヒト化抗体は、インビトロ使用のための担体または 希釈剤との組成物として、好ましくはインビボ使用および半ビボ使用のための医 薬として受け入れることのできる担体または希釈剤との組成物として、提供され る。本発明によって提供される抗KC−4ヒト化抗体は、組成物中に、約0.0 01〜99.999重量%、一層好ましくは約0.01〜20重量%、さらに一 層好ましくは約1〜5重量%の量で存在させることができる。しかし、他の量も 適当である。一般的に担体、特に医薬として許容することができる担体は、この 技術分野において既知であるので、これ以上の説明は必要がないと考える。担体 は、別個の無菌容器内に入れて、あるいは抗体との混合物として提供することが できる。代表的な例として、塩水、アルコール性水溶液、アルブミン・塩水溶液 、およびプロピレングリコール溶液が適当である。しかし、他のものも使用する ことができる。治療の目的に使用する場合には、前記タンパク質物質はヒトに投 与するのに適した純度であることが必要であり、また組成物はこの技術分野にお いて知られているような他の成分を含有することができる。これらの例としては 、特に、アドリアマイシン、マイトマイシン、シトキサン(cytoxan)、PALA および/またはメトトレキセートのような他の抗腫瘍薬がある。しかし、他の治 療薬、担体または希釈剤、免疫アジュバント等も添加することができる。上述の 組成物をインビボ画像化(imaging)に使用する場合には、組成物は約0.001 〜99.9重量%のヒト化抗体、一層好ましくは約0.01〜25重量%のヒト 化抗体を含有することができる。組成物を治療目的に使用する場合には、代表的 な例においては、組成物は約0.001〜99.9重量%のヒト化抗体、一層好 ましくは約0.01〜30重量%のヒト化抗体を含有することができる。髄液の ような体液から腫瘍細胞を半ビボ追放するのに使用する場合には、組成物は約0 .001〜50重量%、好ましくは約0.01〜20重量%のヒト化抗体を含有 することができる。ガン腫のインビトロ診断に適用する場合には、本発明の組成 物は約0.001〜35重量%のヒト化抗体、一層好ましくは約0.01〜10 重量%のヒト化抗体を含有することができる。しかし、他の量も適当である。 このような生成物は、ガンの治療、特に乳房、肺、卵巣、子宮内膜、膵臓、前 立腺および結腸のガンの治療に有用である。抗KC−4ヒト化抗体はヒトのイン ビボ治療または診断に使用することができる。本発明の類似(analogue)ペプチ ドは、腫瘍の転移および/または再発のような、ヒトに繰り返し投与する場合、 および長期間にわたる治療の場合に特に適している。 本発明において提供されるガン細胞診断用キッドは、本発明の抗KC−4ヒト 化抗体を含有し、使用指令書を有し、さらに、所要に応じて、陽性対照標準、お よび抗体、プロティンGまたはプロティンAの不変領域に選択的に結合する異種 免疫グロブリンを含有する。また、この診断キットには放射性同位元素またはケ イ光標識を設けることができる。 放射標識した形態の本発明の抗KC−4ヒト化抗体を、ガンの遺伝子座に到達 するのに有効な分量投与し、次いで腫瘍細胞に対する標識抗KC−4ヒト化抗体 の局部的結合を、健康な組織を侵すことなく検出することにより、ガン患者をイ ンビボ画像化および診断することができる。代表的な例においては、抗KC−4 ヒト化抗体を、1回の処置当り約0.001〜5000mg/Kg体重、好ましくは 1回の処置当り約0.01〜5000μg/Kg体重、一層好ましくは1回の処置 当り約0.1〜5000μg/Kg体重の量で投与する。しかし、他の量も使用す ることができる。使用することができる放射標識は特に111In,125I,99mTc, および131Iである。これらの放射性同位元素は、使用した放射標識に応じて、P ETスキャナーにより、また医療分野で広く使用されているNMR画像化装置お よび/または放射能カウント装置により検出することができる。 ガンは、生体試料を本発明の抗KC−4ヒト化抗体と接触させて、生体試料に 存在するガンまたはガン関連細胞抗原との抗KC−4ヒト化抗体−ガン細胞抗原 複合体を形成させ、次いで形成した複合体を検出することにより、インビトロ診 断することができる。代表的な例においては、ガンにかかっていると思われるヒ トから生体試料を採取する。適当な生体試料としては、特に、血清、血液、唾液 、糞便、リンパ液、髄液、肺分泌物、および尿がある。体液、組織などのどのよ うな供給源も、この技術分野においてよく知られているように、この方法で使用 するために準備することができるのは、明らかである。 本発明の抗KC−4ヒト化抗体は抗KC−4ネズミ抗体のものと類似の組織特 異性を持つことが分った。抗KC−4ヒト化モノクローナル抗体は肺、結腸、腎 臓、乳房、胃、前立腺、膵臓、リンパ節導管およびリンパ腫における中実の腫瘍 組織に特異的に強く結合すること、および乳房、腎臓および胃の正常な組織に非 特異的に弱く結合することが分った。また、抗KC−4マウス抗体は、脊髄、子 宮、甲状腺、舌、前立腺、脾臓、副腎、肺、胆嚢、心臓、リンパ節、結腸、肝臓 、脳、睾丸、胸腺、および胎盤を包含する正常組織に若干弱く結合することが分 った(米国特許第4,708,930号)。 また、本発明の抗KC−4ヒト化抗体は、体液試料または組織試料のような生 体試料からのガンの追放に適用することができる。体液試料からの腫瘍性細胞の 追放は本発明の一部であり、これは、腫瘍性細胞を含んでいる疑いのある体液を 本発明の抗KC−4ヒト化抗体と接触させ、該抗体を腫瘍性細胞に存在するKC −4関連抗体に結合させて、次いで生成した抗KC−4ヒト化抗体−細胞複合体 を体液の残部から分離することによって、実施することができる。 この方法は、患者から生体試料を採取し、次いで抗KC−4ヒト化抗体−細胞 複合体を分離することによって、あるいは腫瘍性細胞に作用することができる補 体または毒素または放射性ラベルのような作動因子をさらに添加することによっ て、前記生体試料から腫瘍性細胞を消滅させ、その後追放処理された試料を患者 に戻すことによって、好ましくない細胞を半ビボ追放するために使用することが できる。この方法は、例えば、脊髄穿刺を使用して髄液からガン腫細胞を除去し 、その後再注入するのに適している。また、他の流体もこのように処理すること ができる。 また、本発明のヒト化抗体は、本発明のモノクローナル抗体を適用できるよう にするために、組織スライスを調製し、固体基体に固定するようなこの技術分野 において標準となっている方法を実施し、次いで抗KC−4ヒト化抗体と腫瘍性 細胞に選択的に結合している抗原との間における複合体の形成によって示される ような、試料中の腫瘍性細胞に対する結合を評価することによって、ガンにかか っている疑いのある被検者から得た組織におけるガン細胞の存在を組織化学的に 評価するのに適用することができる。 一次ガンまたは転移ガンの成長または大きさは、処置を必要とする被検者に、 放射標識した形態の本発明の抗KC−4ヒト化抗体を有効量投与することにより 、抑制または縮小することができる。代表的な例においては、本発明のモノクロ ーナル抗体を1回の服用量当り約0.001〜2000mg/Kg体重、一層好まし くは1回の服用量当り約0.01〜500mg/Kg体重の量で投与することができ る。処置をする医師による指示に従って、1回の服用量を繰り返えし投与するこ とができる。しかし、他の量も適当である。一般的に、本発明の抗体の投与は、 有害な作用を生じることがある放射標識の存在量を、投与速度を変えることによ って 制御下に維持できるように、注入することによって実施される。代表的な例にお いては、1回の服用量の注入を数時間続けることができる。しかし、血清中の本 発明の抗体レベルを一定に維持できるように、治療用服用量を絶えず注入するこ とができる。本発明のモノクローナル抗体の注入は、次のように行うことができ る。静脈内注入用管系を、例えば、0.9%NaClおよび5%ヒト血清アルブ ミンによって、予備処理し、静脈内投与するために設置する。指示服用量の類似 ペプチドを次のようにして注入することができる。最初、未標識類似ペプチドを 注入することができる。未標識抗体を注入してから30分後に、111In標識抗体 および90Y標識抗体を同時に注入することができる。静脈内注入液は、全容積が 250mlの0.9%NaClおよび5%ヒト血清アルブミンを含有することがで き、観察される速度依存性副反応に応じて約2時間の期間にわたって注入するこ とができる。注入中に、例えば15分毎に、また安定になるまで注入後1時毎に 、生体微候を観察する必要がある。注入前および注入終了時に、徹底的な心肺の 物理的検査を行うことができる。アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、エ ピネフリンおよびコルチコステロイドを包含する薬剤を、アレルギー反応が起っ た場合の処置のために手元に置いておくことができる。本発明のハイブリッド類 似ペプチドの投与は、実施者が望ましいと考える場合には、繰り返すことができ る。代表的な例においては、一次腫瘍であれ転移腫瘍であれ、第1回服用量を投 与し、画像化が腫瘍の大きさの縮小を示した後に、約1〜100日毎に、一層好 ましくは約2〜60日毎に、処理を繰り返し実施することができる。この処理の 繰り返しを約2年間までの期間、ある状況では一層長い期間にわたって、あるい は腫瘍が完全に消失するまで、継続することができる。代表的な例においては、 本発明の放射標識した抗体の投与は、一次腫瘍を切除した場合に、治療目的に一 層有用である。従って、これは主として外科手術を行った後の「仕上げ」の治療 を行うため、あるいはガンが転移している場合に適用するためのものである。本 発明方法が最も有用であるのは、このような場合である。 本発明の抗KC−4ヒト化抗体を暗号化する純粋な単離されたポリデオキシリ ボヌクレオチドは、本発明のモノクローナル抗体の製造に適用することができる 。1つの好適例において、本発明のポリデオキシリボヌクレオチドは、本質的に 、 表21および22に示されているDNA配列番号:48および49からなる群か ら選択した少なくとも1種のDNA配列からなる。これらのDNA配列は同一プ ロモータの存在下に発現させるためにクローン化することができる。 また、本発明は、本発明のポリデオキシリボヌクレオチドを含み、これに作動 的に結合しているベクターを含有するハイブリッドベクターを提供する。代表的 な例では、真核細胞および原核細胞の両者において複製可能なベクターが適当で ある。グリコシル化類似ペプチドの調製が望ましい場合には、ベクターは真核宿 主細胞のトランスフェクションに適している必要がある。 また、本発明は、上述のハイブリッドベクターによってトランスフェクション した宿主細胞を包含する。適当な宿主は、特に、細菌、酵母、および哺乳動物細 胞、例えば、昆虫細胞および非生産ハイブリドーマ細胞のような原核宿主および 真核宿主である。これらのタイプの宿主のそれぞれをトランスフェクションする のに適当なベクターおよび/またはプラスミドは、この技術分野において既知で あるので、これ以上の説明は不必要であると考える。また、この技術分野におい て、これらのタイプのベクターのそれぞれにDNA配列をクローン化する方法、 および異なるタイプの宿主をトランスフェクションする方法は既知である。特に 好ましいのはATCC受託番号:HB11,455(HuKC4V2)を有する 細胞系である。 この技術分野において既知であるように、上述のポリデオキシリボヌクレオチ ドを転写することにより、ポリリボヌクレオチドを得ることができる。本発明は 、本質的に、抗KC−4ヒト化抗体の可変領域およびヒト化抗体の不変領域を暗 号化するオリゴリボヌクレオチドからなるポリリボヌクレオチドを提供する。こ のポリリボヌクレオチドは、所望のDNAセグメントをクローン化し、次いでこ のようにして得たハイブリッドポリデオキシリボヌクレオチドを対応するRNA 配列に転写することによって、製造することができる。 本発明の抗KC−4ヒト化抗体は、この本発明の抗体を暗号化するポリデオキ シリボヌクレオチドをベクターにクローン化してハイブリッドベクターを形成し 、このハイブリッドベクターによって宿主細胞をトランスフェクションして抗K C−4ヒト化抗体を発現させ、次いで細胞培養混合物からこの抗体を単離するこ と によって、製造することができる。抗KC−4ヒト化抗体を暗号化するDNAセ グメントは、化学合成によって、あるいはこの技術分野においてよく知られてい るように特別に設計されたプライマーを使用して抗KC−4ネズミまたはネズミ −ヒトキメラ抗体の可変領域を暗号化するDNA配列をPCR増幅により部異特 異的に変性することによって、得ることができる。クローン化工程およびトラン スフェクション工程は、抗KC−4ネズミ抗体のH鎖またはL鎖の可変領域を暗 号化するポリデオキシリボヌクレオチドを、ヒト不変領域のための遺伝子を含む DNAセグメントにクローン化し、次いで抗体鎖を発現させることによって、実 施するのが好ましい。次いで、発現された抗体鎖を互に相互作用させて、上述の ように変性された二重鎖抗体を形成することができる。 本発明を全般的に説明してきたが、一層良く理解できるようにいくつかの特定 例について本発明を説明する。これらの例は、単に例示のためのものであって、 特記しない限り、本発明またはその具体例を限定するものではない。 実施例 実施例1 ;用いた方法 ここで用いる、可変領域を暗号化するRNAの逆転写(RT)およびその後の ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によるcDNAの増幅のための方法を記載した(O rlandi,R.,等「Cloning Innumoglobulin Variable Domains for Expression b y the Polymerase Chain Reaction」,PNAS(USA)86:3833-3837(1989);Coloma,M.J .,等、「Primer Design for the Cloning of Immunoglobulin Heavy-Chain Lea der-Fvs from Murine Hybridoma Cells Using the PCR」,Bio.Techniques 11:1 52-156(1991);Gavilondo-Cowley,J.V.,等、「Specific Amplification of Rearr anged Immunoglobulin Fv Genes from Murine Hybridoma Cells」,Hybridoma 9: 407-417(1990))。 全体のRNAは、RT−PCRに対する適切な基質である。しかしここではポ リアデニル化RNAを用いた。その理由は、これが、汚染リボソームRNAを少 量含むのみであり、DNAをほとんど含まないからである。ポリアデニル化RN Aを、Fast Track mRNA分離キット(米国カリフォルニア州 サンディエゴ所在 のInvitrogen Corporation)を用いて分離した。 オリゴヌクレオチドをPCR−mate Ep DNAシンセサイザー モデル391 (米国カリフォルニア州 フォスターシティ所在のApplied Biosystems)におい て合成した。PCRマウスIgプライマーセットをNovagen(米国ウィスコンシ ン州 マジソン所在)から購入し、相補的DNA(cDNA)を、RNA PC Rキット(Perkin Elmer Cetus,Norwalk,CT)を用いて調製した。 PCR DNAフラグメントを、TAクローン化キット(米国 カリフォルニ ア州 サンディエゴ所在のInvitrogen Corporation)を用いて、直接pCR10 00にクローン化した。プラスミドDNAを、Qiagen(米国 カリフォルニア州 チャップスワース所在)から購入したキットを用いて分離し、DNA配列決定 を、水性5′α−35Sd ATPを600mCi/ミリモル(米国 イリノイ州 アーリントン ハイツ所在のAmersham Corporation)において用いて、Sequen ase 2.0DNA シークエンシングキット(米国 オハイオ州 クリーブラン ド所在のUnited States Biochemical)で実施した。 配列分析を、プログラムGeneWorks(米国 カリフォルニア州 マウンテンビ ュー所在のIntelliGenetics Inc.)を用いて、マッキントッシュコンピューター において実施した。実施例2 :抗KC−4 cDNAの第1分離において用いたPCRプライマー PCRプライマーを、Novagen(米国 ウイスコンシン州マジソン所在)から 購入した。Novagenにより提供された小冊子から再現したこれらの配列を以下の 表10に示す。 実施例3:抗KC−4抗体FV領域を暗号化するcDNAの増幅 抗KC−4マウス イムノグロブリンVHおよびVLを暗号化するcDNAを、 1億個のKC−4ハイブリドーマ細胞から分離したポリアデニル化RNAからの PCRにより調製した。すべてのクローンを、別個のPCRから得た。プライマ ーの配列を、上記の実施例2に示した。プライマーは、リーダーペプチド領域ま たは不変領域のいずれかに特異的である。ここで用いたプライマーの組み合わせ を、以下の表11に示す。 実施例4:増幅した抗KC−4VLおよびVHcDNAの分離並びに配列決定 PCR生成物を、予め精製することなく、pCR1000(Invitrogen)にクロ ーン化し、両方の方向に配列決定した。VHおよびVLDNA配列およびこれらの 由来するタンパク質配列を、以下の表12,13,14および15に示す。 これらのcDNA配列は、両方の場合において、これらが、個別の逆転写反応 から調製されたクローンに関して同一であったため、正確であった。誘導された タンパク質配列を以下の表14および15に示す。 この配列を、Kabat等(1991)、前記により記載されたように解読した。 タンパク質配列中、下線を付した残基は、PCRプライマーに対応する。成熟VL およびVH鎖は、それぞれフレームワーク1(FR1)のアミノ酸DおよびEに おいて開始する。 フレームワークおよびCDRタンパク質断片を、Kabat等(1991)、前記 に従って識別した。VLは、II群κ鎖であった。CDR3の一部およびフレーム ワーク4(FR4)の全体は、JK2により暗号化されていた。VHは、IIId群 に所属していた。CDR3およびFR4は、ミニジーン(minigene)D9およびJ H3を含むゲノム組換えから生じた。FR3中のライト鎖中にアスパラギングリ コシル化部位が存在していた。この部位は、NIS(Asn IIe Ser)であった。実施例5 :cDNA由来アミノ酸配列と、直接決定されたN末端フラグメント配 列との比較 cDNA由来ポリペプチド配列と精製した抗KC−4モノクローナル抗体上に 直接決定したアミノ配列とを比較した。この結果を以下の表16に示す。 抗KC−4キメラ抗体(約190μg)の試料を、5%のβ−メルカプトエタ ノールで還元し(65℃で15分間)、10%SDSポリアクリルアミドゲル上 に3つのレーンに分離し、90%の30mM CAPS,pH11,10%メタ ノール中でプロブロット膜(米国 カリフォルニア州 フォスター所在のApplie d Biosystems)上に1時間、25Vで、4℃でエレクトロブロットした(electro blotted)。解読したタンパク質種をクマジーブリリアントブルーで染色した。各 レーンに3つのバンドが見出され、この2つはヘビーおよびライト鎖と予測され るように移動した。第3のバンドは上記のライト鎖へ移動した。アミノ酸配列決 定をBiotechnology Instrumentation Facility,University of California,Ri versideにより、固定化されたバンドにおいて直接実施した。与えられたアミノ 酸配列は、配列決定者による最良の推定結果であった。 誘導体化したアミノ酸配列と直接決定したアミノ末端配列との密接な整合は、 クローン化したcDNAが、真正抗KC−4KC−4 FV領域を暗号化してい ることを示す。実施例6 :マウス−ヒトキメラ抗KC−4抗体を発現するベクターの構成 Coloma等(Coloma,M.J.,等「Novel Vectors for the Expression of Antibody Molecules Using Variable Regions Generated by PCR」、J.Immunol.Method s 152-89-104(1992))に記載されている2種の発現ベクターpAG4622およ びpAH4604。これらは、S.L.Morrison(Dept.of microbiologyand molecular Genetics,UCLA)、米国特許出願第07/798,696号明細 書;PCT/US91/10207号明細書に十分に記載されている。キメラ遺 伝子の構成および発現を、Coloma等、前記に記載されているように実施した。 合成しPCRにおいて用いてpAG4622およびpAH4604発現ベクタ ーに挿入するための正確な末端を有するVHおよびVLフラグメントを形成したオ リゴヌクレオチドを以下の表17に示す。 最初のpCR1000クローンは、PCRの出発鋳型である。新たなPCR生 成物をpCR1000にクローン化し戻し、これらの配列を確認した。正確に修 飾し、増幅したフラグメントを、EcoR VおよびSal l(VLに関して)または EcoR VおよびNhel(VHに関して)のいずれかで切除した。これらのフラグ メントを、それぞれのベクターにつなぎ、これを適切な制限酵素で切断した。 ベクターおよび挿入断片の両方は、つなぐ前にアガロース ゲルでBio 101 Gene Cleanキット(ガラスビーズ)(La Jolla,CA)で精製した。実施例7 :抗KC−4キメラ抗体遺伝子の発現 pAG4622及びpAG4604に挿入した後、抗KC−4マウス−ヒトキ メラ抗体構成中のVHおよびVL暗号化領域を再び配列決定してこれらの正確さを 確認した。非生産ミエローマ細胞系列SP2/O Ag14(ATCC No.C RL 1581)のトランスフェクションおよびポリペブチドの分離を、Coloma 等(1992)、前記に記載されたように実施した。実施例8 :トランスフェクトしたホストにおけるキメラ抗体の形成 10日後、安定なトランスフェクタントコロニーを、約1/10,000の頻 度で明確に確認した。トランスフェクトした細胞を、Dulbeccoの変性させたEagl eの培地(DME):胎児ウシ血清(FBS)、90:10(v/v)またはD ME:RPMI:FBS 45:45:10(v/v/v)またはRPMI:F BS90:10(v/v)の混合物中で培養した。ペニシリンおよびストレプト マイシンを加えて、細菌の増殖を防止した。ヒスチジノールを培地に5mMで加 えて、トランスフェクションを選択した。コロニーを通常の培地(ヒスチジノー ルなし)にトランスフェクトし、安定なトランスフェクタントからの上清を、マ ウス−ヒト キメラ抗KC−4抗体の存在に関してアッセイした。これを行うの に、プレートに結合したヤギ抗ヒト−κ抗体を有する分泌されたマウス−ヒト キメラ抗KC−4抗体を捕獲し、Coloma等により記載されたように、以下の修正 でヤギ抗ヒトγ抗体を発生した。ここで用いた二次抗体を125Iで標識した。実施例9 :抗KC−4マウスヒトキメラ抗体発現の確認 上清を、Ceriani等(Ceriani R.L.,等「Diagnostic Ability of Different Hum an Milk Fat Globule Antigens in Breast Cancer」,Breast Cancer Res.Treat .15:161-174(1990))に記載されたように、ヒト乳脂肪小球体(HMFG)への 結合に関してアッセイした。HMFGを、前に記載されたように(Ceriani R.L., 「Solid Phase Identification and Modecular Weight Determination of Cell Membrane Antigens with Monoclonal Antibodies」,in: Monoclonal antibodie s and functional cell lines.Progress and application,Bechtol,K.B., McKern,T.J.,及びKennett,R.,編、Plenum Press,New York,第398-402頁(1 984))マイクロタイタープレート(microtiter plate)に結合させた。(κ鎖に )結合した抗KC−4キメラ抗体の結合を、125Iに結合したヤギ抗ヒトγ鎖ま たはヤギ抗ヒトκ鎖ポリクローナル抗体で検出した。ほとんどのコロニー上清は 、両方のアッセイにより陽性であった。これらのアッセイにより測定した上清に おいて最高レベルのキメラ抗体を分泌したコロニーをサブクローンした(subclon ed)。実施例10 :ウエスタンブロット 75μlの培養液上清を、20μlの4x Laemmli緩衝液および5μlのβ −メルカプトエタノールに加え、この混合物を、65℃で15分間加熱して、抗 体ジスルフィド結合を減少させ、これによりライト鎖からヘビー鎖を分離した。 20μlの処理した試料を、10%SDSポリアクリルアミドゲル上に2つのレ ーン上に、同様に処理し、比較のために入れた他の抗体とともにクロマトグラフ 分離した。予め染色したサイズマーカー(BioRad,米国 カリフォルニア州 リッ チモンド所在)もまた入れた。 クロマトグラフ分離したタンパク質を、90%,30mM CAPS,pH1 1,10%メタノール中で、1時間25Vで4℃で、ProBlott膜(Appl ied Biosystems,米国 カリフォルニア州 フォスターシティ所在)上でエレク トロブロットした。これらの膜を、別個の抗体試料を含む2つの部分に切断した 。2枚の膜を、PBS中の20%ウシ胎児血清中に浸漬し、室温で1時間35分 振った。125Iで標識したヤギ抗ヒトκ鎖抗体を1つの膜に加え、125Iで標識し たヤギ抗ヒトγ鎖抗体を他の膜に加えた。抗体を約10mCi/mgの比活性で 、Ceriani R.L.およびBlank,E.W.(1988)により記載されたようにクロ ラミンT方法を用いて標識し、標識抗体を、RIA緩衝液で、4000cpm/ μlに希釈した。 室温で3時間インキュベートしたあと、ブロットをTBSで10分間ずつ2回 、TBST(50mM TRIS pH7.5,3mM EDTA 25mM NaCl)で1回10分間およびもう一度TBS(0.5%トウイーン20を含 むTBS)で10分間洗浄した。この膜を乾燥し、コダックXARフィルムに露 光 した。 培養液上清のウエスタンブロット分析により、3種の抗体鎖が、最初の抗KC −4マウス抗体に見出される3種の抗体鎖に対応して発現したことが明らかにな った。これらは、ヤギ抗ヒトγ鎖125I標識抗体で染色したヘビー鎖およびヤギ 抗ヒトκ鎖125I標識抗体で染色した2つのライト鎖であった(図示せず)。 最初の抗KC−4マウス抗体のN−グリコシダーゼF(Boehringer Mannheim G mbH Germany)次に製造者の推奨する処理により、「最上の」ライト鎖の強度が顕 著に減少し、底部ライト鎖の強度において汚染が顕著に増加した(図示せず)。 エキストラライト鎖の存在の証明は、この鎖がグリコシル化されている。3線 の結果はこれを証明する。第1に、ライト鎖のアミノ酸配列のアスパラギン結合 グリコシル化の検出。これはフレームワーク3のtriad NIS(Asn−Ile −Ser)である。第2に、N−グリコシダーゼFでの処理後の推定のグリコシ ル化バンドの強度が低下し、これに付随して非グリコシル化バンドの強度が上昇 した。最後に、2つの対応するライト鎖バンドは、キメラ抗体の形態において見 出される。 キメラ形態のエキストラライト鎖は、汚染されていない。その理由は、これが 、ヤギ抗ヒトκ鎖抗体により特異的に染色されたからである。これは、pAG4 622によってのみ形成した。従って、両方のライト鎖は、同一のVLアミノ酸 配列および同一のヒト不変領域を有しなければならない。これらの観察は、抗K C−4マウスおよびキメラ抗体の両方のライト鎖の約半分がアスパラギン結合グ リコシル化部位によりグリコシル化されたことを示す。実施例11 :組織結合研究 安定なトランスフェクタントからの上清を、ベクタスティンABC法(米国カ リフォルニア州 バーリンガム所在のVector Labs)を用いて記載されているよう に、抗体KC−4マウス ヒトキメラ体の存在に関してアッセイした。 上清中に分泌されたキメラ抗体は、HMFGおよびBEMの両方に極めて強力 に結合した。さらに、抗KC−4マウス ヒトキメラ抗体を含む上清を用いて、 イムノペルオキシダーゼ免疫組織化学染色手法を用いることにより、ヒト胸癌組 織切片を染色した。染色の強度は、最初のマウス モノクローメル抗体に関して 得られたものに匹敵する。抗KC−4モノクローナル抗体は、ヒト乳脂肪小球体 及び胸上皮ムチンに結合することが知られている。抗KC−4マウス モノクロ ーナル抗体のこの結合特異性は、組み換え方法の後にも維持される。抗KC−4 キメラ抗体は、ラジオアッセイ(Ceriani等、「Breast Cancer Res.Trent」1 5:161(1990)により測定されたように、HMFGおよびBEMに極め て強力に結合した。さらに、抗KC−4キメラ抗体は、いくつかのヒト胸腫瘍に 、組織治療学的部分に、抗KC−4マウス モノクローナル抗体と同様の方法で 結合し、これは、ベクタステインABC法(前記)を用いた免疫染色により検出 された。この結合の特異性は、ヒトFcフラグメントに結合した際に、本発明の ポリペプチドによる抗KC−4マウス抗体の可変領域の結合反応性を維持したこ とを示した。実施例12 :抗体の人間化への方法 この人間化方法は、Padlanp E.A.,「Choosing the Best Framework to Use i n the Humanization of an Antibody by CDR-Grafting: Suggestions from 3-D Structural Data」,Antibody Engineering 2nd.Annual Conf.米国 カリフォ ルニア州 サンディエゴ(1991年12月16〜17日)に基づいている。 良好な特異性は、CDR構造、これらの相互作用およびこれらの残りの可変領 域との相互作用が維持される場合にのみ、「人間化された」抗体中に保存される 。(Padlan,E.A.(1991)前記)。これには、CDRと接触するFRア ミノ酸の残基の保存が必要であり、これらは、VL−VH接触中に含まれ、包埋さ れ、全体の領域構造および組み合わせ部位の構造に影響を与える。 原子配置がわかるマウスFab構造の試験により、組み合わせ部位の構造を維 持するのに「重要」であると考えられるFRアミノ酸は、決定することができる (Padlan,E.A.,8th International Congress of Immunol.,Budapest,Hungary ,Abstracts P.19(1992年8月2〜28日))。 抗体の特異性は、CDR構造および場合によってはその隣接する残基にも依存 する。次にこれらのCDR構造は、フレームワークアミノ酸との接触およびVL とVHとの相互作用に依存する。従って、結合親和性の維持を確実にするために は、CDR残基のみならず、CDRまたはこれらの反対の領域のいずれかと接触 するFR残基および種々の領域に形状を与える埋もれた残基をも保存しなければ ならない。埋もれたアミノ酸は、ヒトおよびマウスフレームワークにおいて、ち ょうど同一の位置にある(Padlan,E.A.,「A Possible Procedure for Reducing the Immunogenicity of Antibody Variable Domains While Preserving Their Ligand-Binding Properties」,Molecular Immunology 28:489-498(1991))。 この方法を用いて、本発明のマウス抗体の可変領域の人間化された類似体を設 計した。人間化または例示的な類似ペプチドの設計は、以下のようにした。組み 合わせ部位構造を保存するのに最も「重要」であると考えられる残基の識別によ り、既知の構造の各キメラ体の「人間化」または本発明の類似ペプチドにおいて 用いる最良のヒトFR配列を選択することができる。分析の結果を用いて、3次 元構造のデータがわからない際にいずれのFRアミノ酸が維持されなければなら ないかを予測することができる。 本方法を、キメラ誘導体またはそのフラグメントを抗原結合特性を保存しなが ら製造することにより、異種の抗体の免疫性を低下させるために計画した。一般 に、抗体の抗原結合性は、主にそのCDRにより決定される。従って、マウス抗 体のCDRは完全に維持される。さらに、結み合わせ部位構造を維持するのに重 要であると判定されたマウス抗体中のFRアミノ酸を、人間化した分子中で維持 した。残りのFRアミノ酸を変化させて、選択されたヒトFRと整合させた。実施例13 :抗KC−4抗体の人間化に用いる既知の構造のマウスモデルの選択 抗体、例えば抗KC−4抗体のVHおよびVL領域の分類を、Kabat等(Kabat,E .A.,等「Sequences of Proteins of Immunological Interest」NIH(199 1)に従って実施した。KC−4G3カッパ鎖VL領域は、II群に属し、VH領 域は、IIId群に属する。次に、構造が決定されており、可変領域が同一の群 に属するマウス抗体を見出した。抗ミオヘミエリトリンペプチド抗体B1312 は、これらの要求を満たす。その理由は、抗KC−4マウス抗体と同様に、これ が、IIおよびIIId群に属するVLおよびVH領域を有するからである(Stanf ield,R.L.,等「Crystal Structures of an Antibody to a Peptide and its c omplex with Peptide Antigen at 2.8Å」,Science 248:712-719(1990))。従っ て、抗体抗KC−4およびB1312抗体の3次元構造は類似していなけれ ばならず、抗KC−4抗体の人間化は、B1312の後にモデルされる。実施例14 :キメラ抗KC−4抗体の人間化に用いる標的ヒトフレームワークの 選択 標的ヒトフレームワークの選択は、B1312モデルに従って構造的に重要で あると判定された残基の類似性に厳密に基づいた。それは、反対鎖のCDRと接 触するアミノ酸または側鎖が内方に向くと予測されるアミノ酸である。これらの アミノ酸の位置を以下の表18に示す。 計数システムは、従来から受け入れられており(Kabat等、(1991)前記) 、上記表10および11に示した。この場合において、すべてのヒトFv領域の 共通配列は、ヒトフレームワークの標的として選択して、生成物の免疫性を最小 にした。 第1に、マウス可変領域の配列を、すべての既知のヒト可変領域群からの共通 配列と並べた(Herron,J.N.(1989)前記)、マウスから維持されなけれ ばならないアミノ酸の差異の数を記録した。これらのアミノ酸の位置を、B13 12マウスモノクローナル抗体から得、これを、抗KC−4抗体の人間化のモデ ルとして選択した。 これらの記録に基づいて、ヒトVkIIおよびV1-1IIIに属するヒトフレームワ ークの共通配列を選択して、抗KC−4マウス抗体CDRおよび他の重要なアミ ノ酸を受けた。実施例15 :マウス−ヒト抗KC−4抗体差異の識別 最初のマウス配列(抗KC−4VkまたはVH)を、最も近いヒト(ヒトKIIま たはHIII)相対と並べ(上記実施例14参照)、FRアミノ酸の差異を記録し た。本実施例において、マウスから人間化された可変共通領域へと移動し、実施 例14および16に記載するように、重要なアミノ酸を不変のままとする、可能 な限り多くのアミノ酸を置換することを意図する。保存されるために選択される アミノ酸は、上記したサブセットである。これらは、B1312配列と同様に選 択した。唯一の例外は、マウスカッパ領域の可変領域の最初のフレームワークの グリシン(100)残基であり、これは、上記の表18に含まれないにもかかわ らず維持された。その理由は、これが、ヘビー鎖の可変領域と接触すると考えら れているからである。このような接触は、この位置にglyがない少なくとも3 つのFabにおいて観察された。実施例16 :重要なマウス抗KC−4抗体アミノ酸の識別 「重要な」マウスアミノ酸を、特定のアミノ酸のCDRおよび反対の鎖との接 触および/またはこれらの側鎖が内方に向いているか外方に向いているかを基準 として、保存用に選択した。これらの「重要な」アミノ酸の位置を、抗体の既知 の構造の試験に基づいて決定した。 ほとんどの「重要な」アミノ酸を、抗体B1312の構造を基準に上記表2, 3,4,5,6,8および9に従って選択した。 実際の突然変異に関するアミノ酸の位置の最終的な選択を、「重要」であり、 保存されるべき突然変異体に対する候補であるすべてのアミノ酸の位置を比較す ることにより達成した。すべての「重要な」アミノ酸位置を、候補のリストから 除外した。以下の表19に、例示的な類似体の存在下で人間化された配列を維持 するマウス配列における変化のために選択したアミノ酸を示す。 知られているように、可変ライト鎖中の位置74のN→Kの変化は、N結合グ リコシル化部位を除去し、これは最初のマウスモノクローナル抗体に存在する。実施例17 :抗KC−4抗体の人間化のアミノ酸配列における変化の導入 アミノ配列における変化の導入を、以下のように実施した。各ヒト可変領域を 暗号化するDNAを、Ye等(Ye,Q-Z,Jonhson,L,L.,およびBaragi,V.,「Ge ne Synthesis and Expression in E.coli for PUMP,a Human Matrix Metallop roteinase」BBRC 186(1):143−149(1992))より記載されている方 法に従って、重複するオリゴヌクレオチドを用いて、単一ポリメラーゼ鎖反応( PCR)において合成した。オリゴヌクレオチドの配列を、以下の表20に示す 。 実施例18:抗KC−4抗体の人間化用のプライマーの合成 すべてのプライマーを、PCR−Mate EP DNAシンセサイザーモデル3 91(Applied Biosystems,米国カリフォルニア州 フォスターシティ所在)に おいて、40ナノモルのカラム、サイクル1:63を用いて、Tmityl offで合成 した。使用前にいずれも精製しなかった。これらの配列を、上記の表20に示す 。実施例19 :抗KC−4人間化ヘビー鎖可変領域の合成 PCRプライマーの混合物を調製し、ここで各プライマーは、水中に10ピコ モル/μlの濃度で存在していた。 4つの101′merオリゴヌクレオチド(JO61,JO62,JO63およ びJO64)、1つの50′mer(JO59)並びに1つの49′mer(JO60 )を、人間化可変ヘビー鎖の合成に用いた。オリゴヌクレオチド濃度を、次式 c=〔(A260)/30〕μg/μl を用いて推計した。 PCR増幅条件は以下の通りであった。すべての試薬およびGeneAmp PCRシ ステム9600を、Perkin Elmer Cetusから購入した。最適PCR条件を、各対 の突然変異誘発性プライマーに関して、経験的に決定した。MgCl2の濃度を 変化させるマトリックス、突然変異誘発性プライマーおよび鋳型プラスミドDN Aを、以下のように設定した。しかし、PCR中の伸長温度(extension tempera ture)およびアニーリングを変化させた。 2μMプライマーJO59 プライマーJO61,62,63および64それ ぞれに関して150nM 2μMプライマーJO60 dGTP,dATP,TTPおよびdCTPそれ ぞれに関して200μM 10mM KCl 20mMトリス−HClpH8.8 10mM(NH42SO4 100μlの反応Vent DNAあたり2単位 0.1%トライトンX−100 ポリメラーゼ(New England Biolabs) 6mM MgSO4 実施例20 :抗KC−4抗体の人間化への高温出発PCR Vent DNAポリメラーゼを除くすべてのPCR混合物の成分を、混合した。 次に、この混合物を、5つのPCR管中に19μlのアリコートに分配した。5 つの独立した反応を行う理由は、不所望な突然変異が、PCR中のヌクレオチド 誤配合の結果分離する余りを減少させるためである。管を95℃で5分間加熱し 、 次に72℃まで冷却した。この温度の間、1x緩衝液で希釈した適切なVent D NAポリメラーゼを1μl、反応混合物に加えた(高温出発)。温度循環を、以 下のようにして進めた。 〔(96℃、6秒)(55℃、10秒)(72℃、30秒)〕3サイクル 〔(96℃、5秒)(60℃、10秒)(72℃、30秒)〕29サイクル 72℃、10分。実施例21 :人間化した抗KC−4抗体VHDNAのためのエキストラ最終伸長 温度循環の後、1回のエキストラ最終伸長反応を実施した。エキストラデオキ シリボヌクレオチド三リン酸(125μM)および1単位のVent DNAポリメ ラーゼを加え、混合物を72℃に10分間加熱した。 形成した合成DNAフラグメントを、DralおよびNhelで消化し、実施例23〜 25に記載するように、対応するマウスヘビー鎖可変領域を暗号化する中間プラ スミド構造体と同一の制限部位に挿入した。実施例22 :抗KC−4人間化ライト鎖可変領域の合成 ライト鎖可変領域(VL)遺伝子を、ヘビー鎖シグナルペプチド可変領域に関 して、上記実施例22〜24と同様にして合成した。しかし、この場合において 、完全なシグナルペプチドおよびDNAを暗号化するVLを、Ero RVとSallと の間に含ませた。このDNAを、実施例23〜25に記載したように、pBlueS riptllKS+(Stratagene)中に挿入した(つないだ)。実施例23 :人間化した抗KC−4PCR生成物の精製 次に、PCR生成物を、1XTAE緩衝液および0.5μg/mlのエチジウム ブロミドに溶解した0.8%アガロースゲルで分離した。ゲルから切除し、Gene Cleanキット(Bio 110,米国カリフォルニア州 ラジョラ所在)で抽出し た正確なDNAバンドは、紫外線(366nm)で観察可能であった。実施例24 :人間化した抗KC−4DNAのプラスミドへの結合(プラスミドの 再閉鎖(reclosure)) 結合混合物は、5μlの抽出したDNA、2μlの10x結合緩衝液(NEB )1μlのT4 DNAポリメラーゼ(NEB)、12μlの水から成っていた 。プラスミドDNAの量は、ゲルから抽出したバンドの強度に依存して変化させ る ことができる。結合を室温で2時間または14℃で一夜を通じて実施した。実施例25 :人間化した抗KC−4DNAの形質転換および配列決定 次に、再閉鎖したプラスミドを、米国カリフォルニア州 サンディエゴ所在の Invitrogen Corporationから購入したInv alpha P′競合細胞を用いて、E.col iに形質転換した。次に、プラスミドDNAを、いくつかの形質転換体から調製 し、配列決定して、突然変異が成功したことを確認した。実施例26 :ハイブリッドプラミスドの調製および配列決定 次に、プラスミドDNAを調製し、配列決定して、遺伝子合成が成功したこと を確認した。VH及びVL断片に関する抗KC−4人間化DNA配列を、以下の表 21および22に示す。 実施例27:抗KC−4人間化抗体の発現 S.L.Morison (Dept.of Microbiology and Molecular Genetics,UCLA )により発現供給された2種の発現ベクターpAG4622およびpAH460 4 (Coloma,M.J. 等(1992)前記)を用いた。シグナルペプチドを暗号化す るすべてのcDNAおよび可変ヘビー鎖または可変ライト鎖を、実際に、これら のベクターに挿入し、ヒト不変領域を有するIgGl,K抗体を暗号化する構造 を形成しうる。合成DNAフラグメントを、pAG4622へ挿入されるEco RVおよびSal(ライト鎖ベクター)またはpAH4604へ挿入されるEc oRvおよびNhEl(ヘビー鎖ベクター)のいずれかを用いて、これらの中間 プラスミドから切除した(実施例21および22参照)。これらの操作を達成す るのに必要な制限および結合反応を、酵素製造者(New England Biolabs,米国 マサチューセッツ州 ベバリー所在)により規定された条件下で実施した。ベク ターと挿入体の両方を、つなぐ前に、Bio101(米国カリフォルニア ラジ ョラ)GeneClean キット(ガラスビーズ)を用いてアガロースゲルか ら精製した。最終的な構造体中のVHおよびVL領域をもう一度配列決定して、こ れらが正確であることを確認した。非生産ミエローマ細胞系SP2/0−Ag1 4,ATCC:CRL1581(Shulman M.等(1978),前記)を両方のプラスミ ド構造体でトランスフェクトし、抗体生産体を、Coloma等(Coloma,M.J .等(1992),前記)に概説された推奨に従って分離したが、選択は、hisDを 取り出すためだけに用いた(5mMのヒスチジノールを培地に加え、pHをNa OHで7.4に再調整することにより)。通常10日後、安定なトランスフェク タントコロニーが約10-5〜10-4の頻度で確立された。次に、このコロニーを 、通常の培地(ヒスチジノールなし)に移動した。培地は、Dulbecoの変 性Eagle培地(DME):胎児ウシ血清(FBS),90:10,v/vま たはDME:RPMI:FBS,45:45:10,v/v/vの混合物のいず れかであった。ペニシリンおよびストレプトマイシンを加えて、細菌の増殖を防 止した。 安定なトランスフェクタントからの上清を、抗体の存在に関してアッセイした 。これは、分泌された抗体を、プレートに結合したヤギ抗ヒトカッパ鎖抗体で捕 獲し、二次抗体を125Iで放射標識した以外は前に記載されたように(Coloma,M .J.等(1992)前記)ヤギ抗ヒトガンマ鎖抗体で発現させることにより行った 。また、上清を、以前に記載されたように(Ceriani R.L.,「Diagnostic Ability of Different Human Milk Fat Globule Antigens in Breast Cancer」,Breast Canc er Res.Treat.,15:161-174(1990))ヒト乳脂肪小球体(HMFG)への結合に 関してアッセイした。HMFGは、前記したように(Ceriani,R,I.(1984),前記 )マイクロタイクープレートに結合する。通常ほとんどのコロニー上清が両方の アッセイで陽性であった。 これらのアッセイにより測定されたように、上清中に最高のレベルで抗体を分 泌するコロニーをサブクローンし、この後抗体の精製用に、血清のない培地に入 れた。血清のない培地は、製造者(Ventrex Labs,米国メイン州 ポートランド 所在)により示されたように、HL−1補体を含む。実施例28 :半人間化半キメラ抗KC−4抗体 抗KC−4人間化ライト鎖を、抗KC−4非人間化キメラヘビー鎖と、SP2 /0−Ag14ミエローマ細胞との同時トランスフェクション(co-transfection )により、それぞれのDNA配列およびヒトFcを有するハイブリッドプラスミド で対にした。形成した抗体を、「HuKC4V1」(ATCC 第HB 114 54号)と命名した。さらに、抗KC−4人間体ヘビー鎖を、前記実施例27に 記載したように、抗KC−4非人間化キメラライト鎖と対にした。形成した抗体 を、「HuKC4V3」(ATCC 第HB 11456号)と命名した。実施例29 :完全に人間化した抗KC−4抗体 完全に人間化した抗KC−4抗体を、完全に人間化した抗KC−4ライト鎖と ヘビー鎖とを、上記実施例27に記載したように、同時トランスフェクションに より調製した。完全に人間化した抗体を、「HuKC4V2」(ATCC 第H B 11455号)と命名した。実施例30 :完全に人間化した抗KC−4抗体に関する親和性定数の決定 分泌された完全に人間化した抗体(HuKC4V2)を培養液上清から、Ey 等(Ey,P.L.等(1978)前記)により記載されたように、セファロース4B −プロテインAカラム(Bio−Rad,米国カリフォルニア州 リッチモンド 所在)を用いて精製した。マイクロタイタープレート(米国バージニア州 キャ ントレー所在のDynatech)を、Ceriani等(Ceriani R.L.等(1992)前記) により記載されたように、メチル化BSA,グルタルアルデヒド,抗βガラクト シダーゼおよび細菌融合タンパク質11−2(β−ガラクトシダーゼとヒト哺乳 類ムチンとのハイブリッド)の連続層を用いて調製した。各ウェルは、388n gの11−2融合タンパク質を含んでいた。各ウェルに、RIA緩衝液(10% ウシ胎児血清、0.3%トライトンX−100,0.05%アジ化ナトリウム、 pH7.4をリン酸緩衝液に溶解したもの)中に溶解した25μmlの125I− KC−4を加え、130pM,850pM,1.3nM,4nMおよび13nM の最終濃度で、RIA緩衝液中の未標識マウスまたはキメラ抗体と競合させた。 ヨウ素化を、125I(17Ci/mg,Nordion International)を用いて実施し た。50μgの抗KC−4モノクローナル抗体(米国フロリダ州 ハイアレア所 在のCoulter)を、前にCeriani等(Ceriani,R.L.等(1988),前 記)により記載されたように、クロラミンT法を用いて、9.56mCi/mg の比活性において標識した。 抗体−抗原親和定数を、Sheldon等(Sheldon,K.等(1987)前 記)により記載されたように、50%の結合を形成する競合未標識モノクローナ ル抗体の濃度の逆数をとることにより決定した。親和定数を決定するのに用いた プロトコルは、上記の通りであったが、それぞれの場合において、未標識抗体は 、同一の放射標識抗体に対する抗原への結合と競合した。完全に人間化した抗体 は、KC−4G3抗原との結合に関して、放射標識した抗KC−4マウス抗体に 対する抗KC−4マウス抗体と同様に競合することが示された。 ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施して、抗体鎖が、予測されたように移 動したことを確認した。マウス、キメラ、半人間化および人間化した抗体の親和 結合定数は、独立の競合アッセイにより測定した。マウス抗KC−4およびHu KC4V2抗体のKC−4G3抗原に対する結合親和性は、類似であると測定さ れた。実施例31 :完全に人間化した抗体の組織化学的特異性 連続的ヒト胸癌組織切片の免疫ペルオキシダーゼ手法を用いた免疫組織化学的 染色を、試験に用いて、類似抗体がマウス抗体のKC−4G3癌抗原に対する親 和性を維持したことを確認した。胸癌組織切片を、KC−4マウスの上清および ベクタステインABC法(米国カリフォルニア州 バーリンガム所在のVect or Labs)を用いて完全に人間化したトランスフェクトした細胞で染色し た。両方の抗原は、強力な染色パターンを示した。 以下の表23は、標準抗KC−4G3マウスまたは完全に人間化された抗体の いずれかでの5種のヒト胸癌の免疫ペルオキシダーゼ染色の結果を示すものであ る。両方とも、同等のレベルで、同一の組織を染色した。 実施例32:HMFGの、半人間化した、および完全に人間化した抗KC−4抗 体への結合 人間化抗体の3種の抗KC−4変異体すべてのトランスフェクタントからの組 織培養液上清は、ラジオイムノ検出により測定されたように、ヒト乳脂肪小球体 (HMFG)に結合することが示された。実施例33 :半人間化および完全人間化抗KC−4抗体は、ヤギ抗ヒトκまたは γ抗体に結合する 抗KC−4人間化抗体の3種の変異体すべてのトランスフェクタントからの組 織培養液上清は、マイクロタイターウエル(750ng/ウエル)および放射標 識した125I標識ヤギ抗ヒトガンマ鎖抗体に結合した両方のヤギ抗ヒトカッパ鎖 抗体にサンドイッチラジオイムノ検出で結合することが示された。 これらのサンドイッチアッセイの結果は、両方の人間化抗体が、実際に、ヒト カッパおよびガンマ不変領域を有することを示している。実施例34 :人間化抗KC−4可変ライト鎖およびヘビー鎖の誘導されたアミノ 酸配列 類似人間化抗体のライトおよびヘビー鎖のアミノ酸配列を、以下の表24およ び25に示す。実際のアミノ酸配列は、抗原の親和性を増大させるかまたはヒト の免疫原性を低下させるように変化しうる。この配列の多くの変異体を、本発明 に従って工作することができる。 実施例35:ハイブリドーマ細胞寄託 以下の細胞系列を、本発明の最良の形態の例として寄託した。抗KC−4マウ スヒトキメラ抗体を発現するハイブリドーマ細胞系列をブダペスト条約に基づい て、1992年11月13日にATCCに寄託し、寄託番号第HB 11201号(キメ ラ抗KC−4IE8))として受領された。抗KC−4完全人間化抗体(huK C4V2)および半人間化抗KC−4抗体(huKC4V1およびhuKC4V 3)を発現するハイブリドーマ細胞系列を、1993年 9月23日にATCCに寄託し 、寄託番号第HB 11455号(人間化HuKC−4V2),HB 1145 4号(半人間化HuKC4V1)およびHB 11456号(半人間化HuKC 4V3)として受領された。 本発明を完全に記載したが、当業者には、多くの変法および修正が、本発明の 本意を逸脱することなく可能であることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/53 0276−2J G01N 33/574 A 33/574 0276−2J D 9281−4B C12N 5/00 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 ロベルト エル セリアーニ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94549 ラファイエット ヴィア ローブ ル 1089 (72)発明者 ジェリー エイ ピーター ソン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94588 ラファイエット ヴィア ローブ ル 1089

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトKC−4抗原に選択的に結合する純粋な単離されたモノクローナル抗体 であって、本質的に、抗KC−4ネズミ抗体のL鎖およびH鎖の可変領域と、こ れに結合したヒト抗体の不変領域とからなり、前記可変領域において、L鎖では フレームワーク領域中の12個のアミノ酸が、またH鎖では7個のアミノ酸が、 ネズミ以外の種の抗体中の対応する位置に存在するアミノ酸からなる群から選択 したアミノ酸によって置換されていることを特徴とする抗KC−4モノクローナ ル抗体。 2.アミノ酸配列番号:50;アミノ酸配列番号:51;およびこれらの混合物 からなる群から選択したアミノ酸配列を有することを特徴とする請求の範囲第1 項記載の抗KC−4モノクローナル抗体。 3.請求の範囲第1項記載の抗KC−4モノクローナル抗体およびこれに結合し た少なくとも1種のグリコシル残基を有することを特徴とするグリコシル化抗K C−4モノクローナル抗体。 4.請求の範囲第1項記載の抗KC−4モクローナル抗体および担体を含有する ことを特徴とする組成物。 5.医薬として受け入れることのできる形態の請求の範囲第4項記載の組成物を 含有し、使用指令書を有することを特徴とするインビボガン診断治療用キット。 6.前記抗体がこれに結合している放射標識を有することを特徴とする請求の範 囲第5項記載のインビボキット。 7.請求の範囲第4項記載の組成物および固体担体を含有し、その使用指令書を 有することを特徴とするインビトロガン診断用キット。 8.さらに、抗KC−4抗体の不変領域と選択的に結合することができる抗体を 含有することを特徴とする請求の範囲第7項記載のインビトロキット。 9.さらに、放射性同位元素、酵素、あるいは前記抗体または抗不変領域抗体に 結合させるためのリン光分子またはケイ光分子を含有することを特徴とする請求 の範囲第8項記載のインビトロキット。 10.組織におけるガン細胞の存在を測定するに当り、 ガン細胞が存在する疑いのある組織を、請求の範囲第1項記載の抗KC−4 モノクローナル抗体と接触させ、 前記抗KC−4モノクローナル抗体を、前記組織に存在するガン細胞と関連 する抗原と結合させて抗KC−4抗体−細胞抗原複合体を形成させ、 次いで形成した前記複合体の存在を検出する ことを特徴とする組織におけるガン細胞の存在の測定方法。 11.組織におけるガン細胞の存在をインビトロ測定するに当り、 請求の範囲第10項記載の方法において、前記組織を被検者から切り取った 後に、前記組織を前記抗KC−4抗体とインビトロ接触させることを特徴とする 組織におけるガン細胞の存在のインビトロ測定方法。 12.ガン腫をインビトロ診断するに当り、 請求の範囲第11項記載の方法を実施し、その結果を、正常な試料とガン患 者とについて得られた結果を比較することによって得た標準カットオフ値と比較 し、前記標準カットオフ値より大きい結果をガンであると診断することを特徴と するガン腫のインビトロ診断方法。 13.被検者に存在するガンをインビボ画像化するに当り、 請求の範囲第10項記載の方法において、放射標識した形態の有効量の抗K C−4抗体を含有する医薬として受け入れることのできる組成物を、一次ガンま たは転移ガンの疑いのある被検者に投与し、前記組成物をガン細胞に到達させて 該ガン細胞に結合させ; ガン腫細胞における抗原に対する前記放射標識した抗KC−4抗体の結合を 検出する ことを特徴とする被検者に存在するガンを画像化するインビボ方法。 14.被検者におけるガンの存在をインビボ診断するに当り、 請求の範囲第13項記載の方法を実施し、その結果を、正常な試料とガン患 者とについて得られた結果を比較することによって得た標準カットオフ値と比較 し、前記標準カットオフ値より大きい結果をガンであると診断することを特徴と する被検者におけるガンの存在を診断するインビボ方法。 15.被検者における一次ガンまたは転移ガンの成長を抑制するかあるいはその大 きさを縮小するに当り、 処置を必要とする被検者に、医薬として受け入れることのできる形態の請求 の範囲第4項記載の抗KC−4組成物を有効量投与し、前記組成物において前記 モノクローナル抗体を放射標識した形態で存在させることを特徴とする被検者に おけるガンの成長抑制・縮小方法。 16.生体試料からガン細胞を追放するに当り、 請求の範囲第10項記載の方法を実施し、存在する抗KC−4抗体−細胞複 合体を前記試料の残部から分離することを特徴とする生体細胞からのガン細胞追 放方法。 17.被検者から得た生体試料からガン細胞を半ビボ追放するに当り、 ガンの疑いのある被検者から生体試料を採取し、 該生体試料を使用して請求の範囲第16項記載の方法を実施し、 生成したガン細胞の追放された生体試料を前記被検者に戻す ことを特徴とする生体細胞からガン細胞を追放する半ビボ方法。 18.組織におけるガン細胞の存在を組織化学的にインビボ評価するに当り、 ガンの疑いのある患者から組織試料を採取し、この組織試料から組織基体を 調製し; 該組織基体を請求の範囲第1項記載の抗KC−4抗体と接触させて、該抗K C−4抗体を前記組織基体中に存在するガン細胞と結合させ; 形成した複合体の存在を検出する ことを特徴とする組織におけるガン細胞の存在を評価するインビボ組織化学的 方法。 19.請求の範囲第1項記載の類似ペプチドを発現することを特徴とするハイブリ ドーマ細胞。 20.ATCC受託番号HB11455(HuKC4V2)を有することを特徴と する請求の範囲第19項記載のハイブリドーマ細胞。 21.請求の範囲第19項記載のハイブリドーマ細胞および希釈剤または担体を含 有することを特徴とする組成物。 22.本質的に、請求の範囲第1項記載の抗KC−4モノクローナル抗体を暗号化 するオリゴデオキシリボヌクレオチドからなることを特徴とする純粋な単離され たポリデオキシヌクレオチド。 23.前記オリゴデオキシリボヌクレオチドが、DNA配列番号:48およびDN A配合番号:49からなる群から選択したDNA配列から構成されていることを 特徴とする請求の範囲第22項記載のポリデオキシリボヌクレオチド。 24.請求の範囲第22項記載のポリデオキシリボヌクレオチドを含むベクターを 含有することを特徴とするハイブリッドベクター。 25.請求の範囲第24項記載のハイブリッドベクターを含むことを特徴とするト ランスフェクションした宿主細胞。 26.本質的に、請求の範囲第1項記載の抗体を暗号化するオリゴリボヌクレオチ ドからなることを特徴とする純粋な単離されたポリリボヌクレオチド。
JP51049695A 1993-10-08 1993-11-16 ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法 Expired - Lifetime JP3831408B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/134,346 US6281335B1 (en) 1993-10-08 1993-10-08 Hybridoma and anti-KC-4 humanized monoclonal antibody
US08/134,346 1993-10-08
PCT/US1993/011444 WO1995010776A1 (en) 1993-10-08 1993-11-16 Hybridoma and anti-kc-4 humanized monoclonal antibody, dna and rna encoding it, kit, diagnostic and therapeutic methods

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09503663A true JPH09503663A (ja) 1997-04-15
JP3831408B2 JP3831408B2 (ja) 2006-10-11

Family

ID=22462939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51049695A Expired - Lifetime JP3831408B2 (ja) 1993-10-08 1993-11-16 ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法

Country Status (7)

Country Link
US (2) US6281335B1 (ja)
EP (1) EP0723663B1 (ja)
JP (1) JP3831408B2 (ja)
AU (1) AU5869294A (ja)
CA (1) CA2173324C (ja)
DE (1) DE69334036T2 (ja)
WO (1) WO1995010776A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7115716B2 (en) * 2001-11-19 2006-10-03 Eli Lilly And Company Tumor specific monoclonal antibodies
WO2003044036A1 (en) * 2001-11-19 2003-05-30 Applied Molecular Evolution, Inc. Tumor specific monoclonal antibodies
EP1856142B1 (en) * 2004-12-30 2009-08-12 F. Hoffmann-Roche AG Synthesis of peptide t-1249 using peptide intermediate fragments
DE602005017188D1 (de) * 2004-12-30 2009-11-26 Hoffmann La Roche Synthese des peptides t-20 aus peptidfragmenten als zwischenprodukte
SI2035451T1 (sl) * 2006-06-23 2010-06-30 Hoffmann La Roche Sinteza insulinotropnega peptida
US8263078B2 (en) 2007-09-05 2012-09-11 Inotek Pharmaceuticals Corporation Antibodies against flagellin and uses thereof

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4708930A (en) 1984-11-09 1987-11-24 Coulter Corporation Monoclonal antibody to a human carcinoma tumor associated antigen
GB8607679D0 (en) 1986-03-27 1986-04-30 Winter G P Recombinant dna product
US5077220A (en) 1988-08-26 1991-12-31 John Muir Cancer & Aging Institute Monoclonal antibody specific to a novel glycoprotein antigen on human carcinoma cells
US5075219A (en) 1989-04-05 1991-12-24 John Muir Cancer & Aging Institute Monoclonal antibody which recognizes a specific glycoprotein of a human milk-fat globule membrane mucin antigen and said mucin antigen
GB9019553D0 (en) * 1990-09-07 1990-10-24 Unilever Plc Specific binding agents
GB9120467D0 (en) * 1991-09-26 1991-11-06 Celltech Ltd Anti-hmfg antibodies and process for their production
JPH09503901A (ja) * 1992-11-16 1997-04-22 キャンサー リサーチ ファンド オブ コントラ コスタ 広範な新生物特異性を有するペプチドおよびアンチセンスペプチド

Also Published As

Publication number Publication date
CA2173324C (en) 2008-07-22
DE69334036T2 (de) 2007-01-04
JP3831408B2 (ja) 2006-10-11
EP0723663A1 (en) 1996-07-31
DE69334036D1 (de) 2006-08-03
USRE40535E1 (en) 2008-10-07
CA2173324A1 (en) 1995-04-20
EP0723663B1 (en) 2006-06-21
US6281335B1 (en) 2001-08-28
AU5869294A (en) 1995-05-04
EP0723663A4 (en) 1998-11-25
WO1995010776A1 (en) 1995-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kashmiri et al. Generation, characterization, and in vivo studies of humanized anticarcinoma antibody CC49
JP3437580B2 (ja) Cdrを移植された▲iii▼型抗ceaヒト化マウスモノクローナル抗体
US7390635B2 (en) Recombinant peptides derived from the Mc3 anti-BA46 antibody, methods of use thereof, and methods of humanizing antibody peptides
US6315997B1 (en) Use of modified antibodies with human milk fat globule specificity
JPH10505749A (ja) ヒトの結腸がん腫結合抗原に対するモノクローナル抗体とその用法
US20090010848A1 (en) Recombinant Peptides Derived from the Mc3 Anti-BA46 Antibody, Methods of Use Thereof, and Methods of Humanizing Antibody Peptides
KR20060006937A (ko) 엔 글리콜릴 지엠3 강글리오사이드를 인식하는 재조합 항체및 단편 그리고 종양의 진단 및 치료에서 사용
JPH06506927A (ja) Pemムチン縦列繰り返し配列特異性単クローン抗体の最小識別単位
EP0483961A1 (en) Specific binding agents
CN102206276B (zh) 血纤维蛋白d-二聚体片段特异性的、来源于dd-3b6/22的人源化抗体
WO1996008565A9 (en) RECOMBINANT PEPTIDES DERIVED FROM THE Mc3 ANTI-BA46 ANTIBODY, METHODS OF USE THEREOF, AND METHODS OF HUMANIZING ANTIBODY PEPTIDES
EP0674710B1 (en) Peptides with broad neoplastic specificity
US5792852A (en) Polynucleotides encoding modified antibodies with human milk fat globule specificity
JPH09503663A (ja) ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法
US5645817A (en) Granulocyte-binding antibody constructs, their preparation and use
WO1994011508A2 (en) Polypeptides with specificity for neoplasias, kit, and diagnostic, vaccination, and therapeutic methods
COUTO et al. Cloning of cDNAs encoding the variable domains of antibody BrE-3 and construction of a chimeric antibody
RU2102479C1 (ru) Химерное моноклональное антитело, взаимодействующее с человеческой плацентарной щелочной фосфатазой, вариабельная область тяжелой гамма-цепи химерного моноклонального антитела, вариабельная область легкой k-цепи химерного моноклонального антитела, фрагмент кднк, кодирующий вариабельную область тяжелой гамма-цепи химерного моноклонального антитела и фрагмент кднк, кодирующий вариабельную область легкой k-цепи химерного моноклонального антитела

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050117

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050921

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20051107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 4